JP3660396B2 - 補助動力式ビークル - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、推進手段に間欠的に加えられる人力の大きさに応じた駆動力を補助動力として推進手段に加算してこれを駆動する車椅子、自転車、足漕ぎボート等の補助動力式ビークルに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、手動車椅子と電動車椅子の中間的な存在として手動式電動車椅子が従来より提案されている。この手動式電動車椅子は、推進手段である車輪に間欠的に加えられる人力を検知し、その人力に応じた補助動力を車輪に加算することによって歩行の不自由な乗り手の肉体的な負担を軽減するものであって、これによれば乗り手は手動車椅子の感覚で操作することができ、精神的苦痛も緩和される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の手動式電動車椅子にあっては、補助動力は人力が車輪に加えられている間だけ与えられ、車輪に対して人力が除去されると同時に補助動力も除去される構成が採られていた。このため、乗り手は、手動車椅子と同じようなピッチで車輪を回すようになり、乗り手の負担軽減の観点からは改善の余地があった。また、補助動力が除去されるとモータ等によるブレーキが作用してしまうため、手動車椅子のような感覚で惰行を行うことができない。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、乗り手の負担をさらに軽減することができるのは勿論のこと、補助動力を用いない通常のビークルと同様の惰行感覚が得られる補助動力式ビークルを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の補助動力式ビークルは、推進手段に間欠的に加えられる人力を検知する検知手段と、前記検知手段により人力が検知されれば、検知された人力に対応した目標回転数を出力し、人力が除去されれば、人力除去後に当該目標回転数を漸減させる目標値出力手段と、前記目標回転数に応じた速度の補助動力が与えられるように、上記推進手段への補助駆動を制御する制御手段とを具備し、上記人力と上記補助動力とにより上記推進手段を駆動することを特徴としている。
【0006】
請求項2に記載の補助動力式ビークルは、請求項1において、前記人力が除去された後に前記速度の絶対値を漸減することを特徴としている。
【0007】
請求項3に記載の補助動力式ビークルは、請求項1または2において、前記推進手段の速度が加えられる人力に対応して変化し、かつ、上記人力が大きくまたは加えられる時間が長い程速くなるように変化することを特徴としている。
【0008】
請求項4に記載の補助動力式ビークルは、請求項3において、前記補助動力が、当該補助動力式ビークルの速度が加えられた人力の積分値に略比例するように加えられることを特徴としている。
【0009】
請求項5に記載の補助動力式ビークルは、請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記補助動力が、前記推進手段に加える人力の方向を変えたときに、速度が連続的に変化するように加えられることを特徴としている。
【0010】
請求項6に記載の補助動力式ビークルは、請求項1ないし5のいずれかにおいて、前記補助動力が、当該補助動力式ビークルに与えられる外部からの影響を相殺するように加えられることを特徴としている。
【0011】
請求項7に記載の補助動力式ビークルは、請求項2ないし6のいずれかにおいて、前記人力を加えたときの当該補助動力式ビークルの速度変化の割合および上記人力が除去された後の補助動力式ビークルの速度減少の割合のうち少なくともいずれか一方を可変としたことを特徴としている。
【0012】
請求項8に記載の補助動力式ビークルは、請求項1ないし7のいずれかにおいて、前記推進手段を当該補助動力式ビークルの進行方向に向かって左右に設け、上記各推進手段の速度を別個に変更可能に構成したことを特徴としている。
【0013】
【作用】
請求項1に記載の補助動力式ビークルにあっては、推進手段に対して人力が除去された後においても補助動力が残存して当該補助動力式ビークルの速度を維持するから、1回の人力の入力に対する当該補助動力式ビークルの航続距離が長くなり、乗り手が推進手段に加える人力のピッチを長くすることができる。
【0014】
請求項2に記載の補助動力式ビークルにあっては、人力が除去された後に速度の絶対値を漸減するから、手動のビークルと同等の惰行感覚を得ることができ、乗り手に違和感を与えることがない。
【0015】
請求項3に記載の補助動力式ビークルにあっては、推進手段に加える人力が大きくまたは加えられる時間が長い程速くなるように変化するから、推進手段に加える人力を変化させて補助動力式ビークルの速度を調整することができる。
【0016】
請求項4に記載の補助動力式ビークルにあっては、補助動力を補助動力式ビークルの速度が加えられた人力の積分値に略比例するように加えるから、補助動力式ビークルに自然な加減速を与えることができる。
【0017】
請求項5に記載の補助動力式ビークルにあっては、推進手段に加える人力の方向を変えたときに推進手段の速度が連続的に変化するから、補助動力式ビークルの走行方向の変更を滑らかに行うことができる。
【0018】
請求項6に記載の補助動力式ビークルにあっては、外的要因により負荷が増加しても負荷の増加に応じて補助動力が加えられるので、安定して走行することができる。
【0019】
請求項7に記載の補助動力式ビークルにあっては、乗り手の体力や慣れに応じて補助動力の大きさ等を調整することができ、乗り手のニーズに柔軟に対応することができる。
【0020】
請求項8に記載の補助動力式ビークルにあっては、補助動力式ビークルの左右に設けた推進手段の速度が別個に変更可能であるから、前進および後進のみならず、定位置旋回を含む任意の曲率半径の旋回動作を行うことができる。
【0021】
【実施例】
A.第1実施例
(1)実施例の構成
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る補助動力式ビークルの第1実施例の手車椅子の側面図、図2は同車椅子の正面図、図3は同車椅子を折り畳んだ状態を示す背面図、図4は同車椅子の人力検出部及び補助動力装置部を示す車輪部分の破断平面図、図5は同拡大破断平面図、図6は車輪の外側面図、図7は車輪のリム部の外側面図、図8は人力検出部のスプリングの状態を説明するための断面図、図9及び図10は人力が加えられたときの検出部のスプリングの状態を説明するための断面図である。
【0022】
本実施例に係る車椅子1は、既存の折り畳み式手動車椅子に補助動力装置を組み付けたものであって、図1に示すように、これのパイプ枠状のフレーム2の前後部は左右一対のキャスタ3、車輪(推進手段)4によって支持されている。
【0023】
また、上記フレーム2の中央部には、乗り手が着座すべき布製のシート5(図2参照)が張設されている。なお、フレーム2は前後一対のクロス部材2aを有しており、x字状を成す2本のクロス部材2aはその交点を軸6によって枢着されている。従って、車椅子1は図3に示すようにこれを折り畳むことができ、このとき前記シートも撓む。
【0024】
さらに、フレーム2の後部には左右一対のハンドルアーム2bが立設されており、各ハンドルアーム2bの上端部は後方に折曲され、その折曲部には介助者のグリップ7が取り付けられている。
【0025】
また、フレーム2の中央上部には、乗り手のための左右一対の肘掛8が取り付けられ、同フレーム2の前端下部には左右一対のスッテプ9が取り付けられている。そして、同フレーム2の下部に前後方向に延びる左右一対のアーム2cの後端部には、別のアーム2dが前後方向に移動自在に嵌装されており、各アーム2dの後端部にはローラ10が回転自在に軸支されている。なお、アーム2cに突設されたピン11に長孔係合することによって前後方向に移動自在に支持され、これはアーム2cとの間に縮装された不図示のスプリングによって常時後方へ付勢されている。
【0026】
ところで、前記左右一対の車輪4の各々は、図4及び図5に示すように、フレーム2に取り付けられたブラケット12に支持された車輪13にボールベアリング14、15を介して回転自在に支承されており、各車輪4の外側には、乗り手が手でこれを回すべきリング状のハンドリム16が設けられている。このハンドリム16は、車輪4のハブ4aに軸受17によって回転自在に支承された円板状のデイスク18に3本のスポーク19を介して取り付けられており、従って、該ハンドリム16は車輪4に対して独立に回転し得る。なお、本実施例においては、図4及び図5に示すように、車輪4のハブ4aとデイスク18との間にダンパー20が介装されている。このようにして上記ハンドリム16は、その全周の3箇所が図7に示す構造によって車輪4に対して弾性的に連結されている。
【0027】
すなわち、図7に示すように、車輪4のハブ4aに形成された各一対のリブ4aー1で挟まれる空間には、円弧状の溝21aを有するスプリング22、23が収納されている。なお、図7において、24はスプリング22、23の脱落を防ぐ保持部材である。
【0028】
ところで、前記スプリング22、23はその両端がスプリング受け25、26によって受けられており、前記ハンドリム16に人力が加わらない中立状態においては、図8に詳細に示すように、スプリング受け25、26は一対のリブ4aー1に当接して小径のスプリング23は両スプリング受け25、26間に所定の予圧を持って縮装される一方、大径のスプリング22はその両端がスプリング受け25、26から若干離脱してスプリング受け25、26に力を及ぼしていない。なお、大径のスプリング22のバネ定数は小径のスプリング23のそれよりも大きく設定されている。
【0029】
一方、図6に示すように、前記デイスク18の全周3箇所には一対のピン27、28が内方に向かって突設されており、各一対のピン27、28はハンドリム16に人力が加わらない中立状態においては、図7及び図8に示すように前記スプリング受け25、26の端面に当接している。なお、一方のピン27はデイスク18の内面に固定されているが、他方のピン28は図6に示すようにデイスク18に形成された円弧状の長孔18aに位置調整自在に貫設されており、該ピン28はスプリング受け26の端面に当接した状態でナット29によって締め付けられてデイスク18に固定される。また、リブ4aー1には、ピン27、28の移動を許容するための溝4aー2が形成されている。
【0030】
また、図4ないし図7に示すように、ハンドリム16側のデイスク18には、ハンドリム16に加えられる人力の大きさ及び方向を検出するためのポテンショメータ30が固設されており、該ポテンショメータ30の人力軸30aの端部にはレバー31の一端が結着されており、該レバー31の他端は、車輪4のハブ4aに突設されたピン32にゴム製のキャップ33を介して係合している。なお、キャップ33はレバー31のガタを防止するためのものである。
【0031】
ところで、図4及び図5に示すように、左右一対の車輪4の各々の内側には補助動力装置(図4及び図5には一方のみ図示)40が設けられている。
上記補助動力装置40は、補助動力を発生する駆動モータ41と、該駆動モータ41の駆動力を車輪4に伝達するギヤG1〜G4を収容するギヤケース42を有しており、駆動モータ41の出力軸端には小径のギヤG1が結着されている。なお、ギヤケース42は、前記車軸13に保持されるとともに、図4に示すようにゴムを介してフレーム2に固定されている。
【0032】
また、上記ギヤケース42にはカウンタ軸43と駆動軸44が車軸13と平行に回転自在に支承されており、カウンタ軸43には大小異径のギヤG2、G3が結着され、駆動軸44には大径のギヤG4が自由回転自在に支承されるとともに、その端部には小径のギヤG5が結着されている。そして、前記大径のギヤG2は前記小径のギヤG1に噛合し、小径のギヤG3は大径のギヤG4に噛合している。また、前記ギヤG5は、ハブ4aの内周部に嵌合保持された大径のリングギヤG6に噛合している。なお、リングギヤG6はハブ4aに対して相対回転可能に保持されており、両者の間には周方向に配列された複数のダンバー部材45が介設されている。
【0033】
ところで、前記駆動軸44上には大径のギヤG4の駆動軸44との結合を断接するためのドグクラッチ46が設けられており、該ドグクラッチ46は前記フレーム2の前方上部に設けられたクラッチレバー47(図1参照)の回動操作によってON/OFF動作をする。そして、ドグクラッチ46の近傍には、該ドグクラッチ46のON/OFFを検知するリミットスイッチ48が設けられており、ドグクラッチ46がOFF状態にあるときには後述の駆動モータ41に電流が流れないよう構成されている。
【0034】
なお、以上は一方の車輪4側に設けられた補助動力装置40の構成について述べたが、他方の車輪4側に設けられた補助動力装置40も共通のものが使用されており、部品の共通化による量産効果を得ることができる。そのため、左右一対の補助動力装置40は、図2に示すように点対称を保って配置されている。即ち、各補助動力装置40においては、駆動モータ41が車軸13の中心線からオフセットしており、このような共通の補助動力装置40を左右の車輪4対して点対称の関係を保って配置すると、本実施例の最凸部である左右一対の駆動モータ四一は上下方向に段差をもって配されることとなり、当該車椅子1を図3に示すように折り畳んだ際に両駆動モータ41が互いに干渉することが無く、この結果、車椅子1をコンパクトに折り畳むことができる。
【0035】
一方、図1に示すように、フレーム2の前部側方には前記補助動力装置40の駆動を制御するためのコントローラ50が取り付けられており、該コントローラ50の上方にはバッテリ60が取り付けられている。なお、コントローラ50は、図2に二点鎖線にて示すように、フレーム2のクロス部材2aに取り付けても良い。
【0036】
図11はコントローラ50のなかの1軸分の制御装置の構成を示すブロック図であり、図中符号51は目標回転数演算手段、52はモータ制御手段、53はバイポーラ電力増幅手段である。目標回転数演算手段51は、ポテンシオメータ30の出力電圧によって検出されるハンドリム16に加えられる人力FMに対応して、駆動モータ41の目標回転数を演算し、モータ制御手段52に目標回転数信号ω*を出力する。モータ制御手段52は、目標回転数信号ω*に対応して、バイポーラ電力増幅手段53に電流指令信号を出力する。バイポーラ電力増幅手段53は、入力される電流指令信号に基づいて電流を駆動モータ41に供給する。なお、バイポーラ電力増幅手段53が駆動モータ41に供給する電流は、電流指令信号に対応して方向が変わることもあるため、駆動モータ41は正逆いずれの方向にも回転する。
【0037】
駆動モータ41とバイポーラ電力増幅手段53との間には電流検出手段54が介装され、駆動モータ41に供給される電流の値を示す電流検出信号iFBをバイポーラ電力増幅手段53に出力する。バイポーラ電力増幅手段53は、電流検出信号iFBに基づいて、駆動モータ41に供給する電流をフィードバック制御する。また、駆動モータ41には、その回転数ωを検出する回転数検出手段55が設けられている。回転数検出手段55の速度検出信号ωFBと上記目標回転数演算手段51によって演算された目標回転数信号ω*は、比較器56に出力され、それら2つの信号の差δωがモータ制御手段52に出力される。これにより、駆動モータ41の回転数ωがフィードバック制御される。ここで、駆動モータ41の回転数ωは、車速と等価であるから、コントローラ50は車速を制御していることになる。
【0038】
(2)実施例の動作
次に、実施例の車椅子1の動作について説明する。まず、乗り手が左右一対のハンドリム16を例えば前進方向に回すようにこれに力を加えると、各ハンドリム16に加えられた人力FMの大きさが3本の小径スプリング23の予圧力に打ち勝つまでの間は、ハンドリム16と車輪4の間に相対回転は生じず、このとき、図13に示すようにポテンシオメータ30の出力は0を示す。なお、図13はハンドリム16に加えられる人力FMに対するポテンシオメータ30の出力特性を示す図であり、同図において、FM0は3本の小径スプリング23の予圧力に等しい人力の値である。
【0039】
その後、人力FMがFM0を越えて増大すると、図9に示すように一方のピン27がスプリング受け25を押圧して先ず小径のスプリングのみを圧縮し、ハンドリム16はスプリング23の圧縮量に見合う角度だけ車輪4に対して相対回転する。そして、このハンドリム16の相対回転量はレバー31を介してポテンシオメータ30に伝達され、ポテンシオメータ30は、図13に直線aに示すように、ハンドリム16に加えられる人力FMに対応する信号を出力する。なお、小径のスプリング23のバネ定数は小さいため、スプリング23の人力FMの増加量に対する圧縮量、つまり、ハンドリム16の回転量は大きく、したがって、ポテンシオメータ30の感度は高く保たれ、このため、乗り手は車椅子1のデリケートな操作が可能となる。
【0040】
そして、ハンドリム16に加えられる人力FMの値が図13に示すFM1に達すると、大径のスプリング22も小径のスプリング23と共に圧縮され始め、ハンドリム16は両スプリング22,23の圧縮量に見合う角度だけ車輪に対して相対回転し、このとき、ポテンシオメータ30は、図13の直線bに示すようにハンドリム16に加えられる人力FMに対応した信号を出力する。
【0041】
その後、ハンドリム16に加えられる人力FMが図13に示すFM2を越えた場合には、図10に示すようにピン27が保持部材24に当接するため、人力FMはピン27から保持部材24を経て車輪4に直接伝達される。このとき、ポテンシオメータ30の出力電圧は、図13に直線cに示すように一定となる。なお、乗り手がハンドリム16に逆方向の力を加えた場合のポテンシオメータ30の出力は、図13の直線a’,b’,c’によって表され、図13にハッチングを付した領域が不感帯領域となる。このような不感帯領域を設けることにより、機械的誤差や電気的誤差を許容しながら静止状態を確実に検出することができる。上記のようなハンドリム16には人力FMが間欠的に加えられ、この人力FMはポテンシオメータ30の出力電圧によって検出され、その検出信号Vinは前記コントローラ50の目標回転数演算手段51に入力される。
【0042】
上述のように駆動モータが正転すると、駆動モータ41によって発生する駆動力が補助動力FAとして車輪4に与えられる。すなわち、駆動モータ41の回転は図5に示すギアG1,G2によって1段減速されてカウンタ軸43に伝達され、ドグクラッチ46がオンのときに、カウンタ軸43の回転はギアG3,G4によって2段減速されて駆動軸44に伝達される。そして、この駆動軸44の回転はギアG5,G6によって3段減速された後、ダンパー部材45を介して車輪4に伝達され、人力FMに補助動力FAを加えた大きさの駆動力F(=FM+FA)によって車輪4が回転駆動される。これにより、車椅子1が前進し、乗り手は全駆動力Fの例えば約1/2程度の小さな駆動力(人力)FMで楽に操作することができる。
【0043】
ここで、図14に人力の駆動力と動力の駆動力および車椅子1の速度の関係を示す。同図(A)に示すように、本実施例では、ハンドリム16に加えられる人力FMが除去された後においても補助動力FAを残存させている。すなわち、人力FMが増加するにつれてポテンシオメータ30の出力電圧Vinが増加し、それに応じて補助動力FAも増加するが、人力FMが減少し始めると、補助動力FAはその極大値を過ぎたあたりから直線的に漸減する。つまり、人力FMよりも緩やかな減少率で減少し、人力FMが除去された後も残存する補助動力FAが車輪4に加え続けられる。これにより、車椅子1の速度は、人力FMが除去された後も漸減しながら維持され、補助動力FAが0になった後は駆動モータ41あるいは動力伝達機構等の抵抗により漸次減少して0になる。
【0044】
このように、車輪4に対して人力FMが除去された後においても補助動力FAが残存して車輪4を回し続けるため、1回の人力FMの入力に対する車椅子1の航続距離が長くなる。つまり、手動の車椅子のように惰行するため、乗り手が車輪4を回すピッチが遅くて済み、乗り手の肉体的な負担が軽減される。加えて、本実施例では、ハンドリム16に加えた人力FMの積分値に略比例するように補助動力FAを加えるので、乗り手の負担がさらに軽減される。この作用はコントローラ50における目標回転数演算手段51によって与えられる。この目標回転数演算手段51について図15を参照して説明する。なお、説明を簡便にするために、図15では人力FMの変化を直線で表している。
【0045】
図15に示すように、時間t1で最初の人力FMが入力され時間t2で除去されると、目標回転数ωは一旦増加した後に漸減し、車椅子1は惰行するように走行する(以下、このような走行を「惰行」と称する)。次に、車椅子1の惰行が終わらないうちに時間t3において次の人力FMが入力されるが、この人力FMは前回の人力FMよりも強く、しかも長い時間加えられる。加えられる補助動力FAは、ハンドリム16に加えた人力FMの積分値に略比例するため、図15に示すように、目標回転数ωは大幅に増加し、その分惰行も長くなる。このように、目標回転数ωが人力FMの大きさや加えた時間に応じて早くなり、しかも、惰行距離も長くなるので、乗り手の負担が大幅に軽減される。
【0046】
次に、時間t5においてハンドリム16に逆方向の人力FMが加えられると、惰行していた車椅子1の目標回転数ωは急速に減少して停止する。これは、前進方向に残存する補助動力と、後進方向に加えられた補助動力の和が後進方向の補助動力FAとなり、これがブレーキとして作用するからである。次に、時間t7においてハンドリム16に後進方向の人力FMが加えられると車椅子1は後進し、時間t8において前進方向への人力FMが加えられると、これがブレーキになって車椅子1は停止する。
【0047】
以上のような動作は、図12に示すような積分器により達成することができる。図12は目標回転数演算手段51を示す図であり、図中、C13はコンデンサ、D11,D12はダイオード、R12,R13,R15,R22は抵抗、OPは反転加算器である。ポテンシオメータ30はその両端が安定化された正負の電源V+,V−に接続されており、人力FMの入力が0のときに出力電圧が0となるように調整されている。
【0048】
今、前進方向の人力FMの入力によってポテンシオメータ30が正の電圧を発生すると、コンデンサC13に電荷がチャージされる。人力FMが加えられている間はコンデンサC13のチャージが続き、反転加算器OPの出力端子は、コンデンサC13にチャージされた電荷の総量に対応する電圧となる。これにより、目標回転数信号ω*として出力される電圧は、ポテンシオメータ30の出力電圧の時間積分にほぼ比例した値となる。ポテンシオメータ30の出力電圧に対する反転加算器OPの出力電圧の比すなわち積分のゲインは、人力FMに対する車速の変化割合すなわち加速度であり、この加速度は、抵抗R12,コンデンサC13によって決定される。
【0049】
一方、コンデンサC13はその電荷をR13を介して放電しているため、反転加算器OPの出力端子電圧は時間とともに減少する。これにより、前進方向の人力FMが加えられた場合には、その人力FMが入力されている間は抵抗R12,コンデンサC13によって決まる加速度を与えるように補助動力FAが加えられ、その後、人力FMが除去されると、コンデンサC13の放電に従って車速が緩やかに減ずるように補助動力FAが作用する。なお、車速の減少の変化率はコンデンサC13および抵抗R13の大きさにより調整可能である。
【0050】
次に、前進方向の補助動力が残存しているときに、ハンドリム16に後進方向の人力FAが加えられたとする。この場合、ポテンシオメータ30が負の電圧を発生し、コンデンサC13にチャージされた電荷は抵抗R22を介して急速に放電される。そして、コンデンサC13の電荷が0になったときに目標回転数信号ω*の値は0となり、ポテンシオメータ30が負の電圧を発生し続けると、コンデンサC13は上記とは逆極性にチャージされる。この場合も反転加算器OPの出力端子電圧は、ポテンシオメータ30の出力電圧の時間積分にほぼ比例した値となる。なお、後進方向の人力FMに対する加速度は、抵抗R13,コンデンサC22によって決定される。
【0051】
上記構成の車椅子にあっては、人力FMが除去された後においても補助動力FAが残存して車椅子1の速度を維持するから、1回の人力FMの入力に対する車椅子1の航続距離が長くなり、乗り手がハンドリム16に加える人力FMのピッチを長くすることができる。よって、乗り手の負担を軽減することができる。
【0052】
特に、上記実施例では、人力FMが除去された後に速度を漸減するから、手動の車椅子と同等の惰行感覚を得ることができ、乗り手に違和感を与えることがない。また、ハンドリム16に加える人力FMが大きく加えられる時間が長い程車椅子1の速度が速くなるように変化するから、ハンドリム16に加える人力FMを変化させて車椅子1の速度を調整することができ、さらに、車椅子1の速度が加えられた人力FMの積分値に略比例するように変化するから、質量系に力が作用したときと同等の速度変化を得るので、車椅子1に自然な加減速を与えることができる。
【0053】
加えて、ハンドリムに加える人力FMの方向を変えたときに車輪4の速度が連続的に変化するから、車椅子1の走行方向の変更を滑らかに行うことができる。しかも、駆動モータ41の回転速度をフィードバック制御しているので、例えば上り坂に入っても車椅子1の速度が維持され、安定して走行することができる。さらに、上記制御装置は1つの補助動力装置40に対応するもので、車椅子の場合には、左右に2系統の補助動力装置を有し、それぞれの速度が別個に変更可能であるから、前進および後進のみならず、定位置旋回を含む任意の曲率半径の旋回動作を行うことができる。
【0054】
B.第2実施例
(1)実施例の構成
次に、図16ないし図19を参照して本発明の第2実施例について説明する。この実施例は、駆動モータ41に印加する電圧によりその回転数を制御する点と、駆動モータ41の回転をフィードバック制御しない点において前記第1実施例と異なっている。よって、以下の説明においては、異なる構成要素についてのみ説明する。
【0055】
図16に示すように、モータ制御手段57は、目標回転数演算手段51から入力される目標回転数信号ω*に対応して、駆動モータ41に供給すべき電流の電圧を制御する。バイポーラ電力増幅手段53は、モータ制御手段57から入力されるデューティ指令信号に基づき、デューティ比により指示された電圧を駆動モータ41に印加する。電流検出手段54は、駆動モータ41に無制限に電流が流れないように電流をクランプする目的で設けられたもので、バイポーラ電力増幅手段53の保護回路に接続されている。
【0056】
図17は目標回転数演算手段51の回路を示す図である。ポテンシオメータ30からプラスの電圧が出力されると、コンデンサC11に電荷がチャージされるとともに、出力された電圧に比例した逆極性の電圧が反転加算器OPの出力端子に出力される。その後、コンデンサC11から電荷が放電されるため、反転加算器OPの出力電圧の絶対値は漸減する。また、ポテンシオメータ30の出力電圧がマイナスになると、コンデンサC21に電荷がチャージされるとともに、出力電圧に比例した逆極性の電圧が反転加算器OPの出力端子に出力される。
【0057】
(2)実施例の動作
図18は本実施例における駆動モータ41の回転数ωとトルクとの関係を示し、デューティ指令信号で指示された電圧のデューティ比が100%の場合と、デューティ比が50%の場合とを実線と点線とで示した。この図に示すように、駆動モータ41には負のトルク特性を与えている。このトルク特性は、永久磁石式DCモータにおいて得ることができ、特性直線の傾きができるだけ急なものが用いられている。ここで、デューティ比が100%から減少すると、回転数ωとトルクとの関係を示す直線は図中左側へ平行移動する。
【0058】
さて、電圧のデューティ比が50%で車椅子1が上り坂に入ったとすると、駆動モータ41のトルクが増加する。しかしながら、本実施例では、図18に示すような回転数/トルク特性を持った駆動モータ41を使用しているので、駆動モータ41のトルクが増加しても回転数ωの減少が少ない。よって、負荷が増加しても大きな速度変動がなく、車椅子1を安定して走行させることができる。なお、駆動モータ41の回転数/トルク特性の直線の傾きが不充分な場合には、図11における回転数検出手段55を設けてフィードバック制御するように構成することもできる。
【0059】
なお、この実施例においては、人力FMを加えたときの車椅子1の速度変化の割合および人力FMが除去された後の車椅子1の速度減少の割合のうち少なくともいずれか一方を可変とすることができる。たとえば、図19に示すように、モータ制御手段57に入力される目標回転数信号ω*に対するデューティ指令信号の大きさを、低速仕様と高速仕様の2種類またはそれ以上設けて乗り手が自由に設定できるように構成することができる。あるいは目標回転数信号ω*に対するデューティ指令信号の大きさを連続的に可変とすることもできる。このように構成することにより、乗り手の体力や慣れに応じて補助動力FAの大きさを調整することができ、乗り手のニーズに柔軟に対応することができる。
【0060】
C.第3実施例
(1)実施例の構成
次に、図20ないし図24を参照して本発明の第3実施例について説明する。図20は第3実施例の制御回路を示すブロック図ある。ポテンシオメータ30の出力電圧はインターフェース60を介してCPU61に入力される。CPU61は、ポテンシオメータ30の出力電圧から駆動モータ41に供給すべき電流のデューティ比を演算し、デューティ指令信号をモータドライバ62に出力する。モータドライバ62は、指示されたデューティ比で内蔵したFETを駆動し、ポテンシオメータ30の出力電圧にほぼ比例した値の電流を駆動モータ41に供給する。また、駆動モータ41の回転速度は、例えばロータリーエンコーダのような回転数検出手段55が検出してその速度検出信号ωFBをCPU61に出力する。CPU61は、入力された速度検出信号ωFBに基づいてデューティ指令信号をフィードバック制御する。
【0061】
(2)実施例の動作
図21ないし図23を参照して第3実施例の動作を説明する。図21は車椅子1の全体的な動作のメインルーチンを示す。まず、各種メモリおよびタイマのリセットを行い(ステップS1)、CPU61による割込処理を待つ(ステップS2)。CPU61による割込処理は図22に示すサブルーチンに従って行われる。まず、ポテンシオメータ30の出力電圧Vinと回転数検出手段55の速度検出信号ωFBをCPU61が読み取り(ステップS10)、駆動モータ41の目標回転数を設定する(ステップS11)。次いで、設定された目標回転数に応じて駆動モータ41の回転数を制御し(ステップS12)、制御に異常が生じている場合にはそれに応じたエラー処理を行ってメインルーチンに戻る(ステップS13)。
【0062】
図23はステップS11における目標回転数設定処理を示すサブルーチンである。まず、ポテンシオメータ30の出力電圧により表される人力FMを表す入力信号Vnが予め設定した範囲(Vlow〜Vhigh)か否かを判定し(ステップS20)、その範囲外のときにはステップS13へ進んでエラー処理を行う。一方、入力信号Vnが上記範囲内の場合には、人力FMの印加方向を決定する(ステップS21)。すなわち、ステップS21では、「Vn−Vnull」なる演算を行い(図24参照)、例えば、演算結果が0よりも大のときは前進方向、0よりも小のときは後進方向と判定する。
【0063】
次に、入力信号Vnの絶対値が閾値h以上の場合には、ステップS23へ進んで下記式に示す演算を行う。そして、この演算を本処理ルーチンが繰り返される毎に行うことにより、入力信号Vnを積分した速度信号Ynが得られる。
【数1】
n=a×Vn+b×Yn−1
【0064】
次に、加えられた人力FMが弱くなって入力信号Vnの絶対値が閾値hを下回る場合には、ステップS24へ進んで「Yn=c×Yn-1」なる演算を行う。そして、この演算を本処理ルーチンが繰り返される毎に行うことにより、速度信号Ynが長い時定数(c)で減衰する。次に、車椅子1の速度に制限を設けるために、速度信号Ynの絶対値がYmaxを上回る場合には、速度信号YnをYmaxに設定する(ステップS25,S26)。次に、ステップS27へ進んで目標回転数ω*を演算する。この演算における係数kによりアシスト比が決定される。そして、演算された目標回転数ω*とステップS21での前進または後進の判定により、駆動モータ41の回転方向と速度が決定され、CPU61はステップS12(図22参照)へ戻って駆動モータ41の回転を制御する。
【0065】
本実施例においても前記第1実施例と同等の効果を得ることができるのは勿論のこと、CPU61によって速度制御を行うので、アシスト比や速度減衰の時定数の設定変更をプログラムやレジスタの修正のみで行うことができるという利点がある。
【0066】
D.変更例
本発明は前記各実施例に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。たとえば、図15(B)に示すように、補助動力FAが極大値に達したら極大値を所定時間保持するように制御することができる。また、同図(C)に示すように、補助動力FAの漸減を開始してから所定時間経過するまでは漸減比率を大きくし、所定時間経過後は漸減比率を小さくすることもできる。このように制御することにより、車椅子1の速度の減少が緩やかになり、安定して走行することができる。さらに、介助者がグリップ7に加える力を検出するためのポテンショメータをグリップ7に設け、このポテンシオメータの出力電圧により補助動力FAを制御することもできる。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、推進手段に対して人力が除去された後においても補助動力が残存して当該補助動力式ビークルの速度を維持するから、1回の人力の入力に対する当該補助動力式ビークルの航続距離が長くなり、乗り手が推進手段に加える人力のピッチを長くすることができる(請求項1)。また、人力が除去された後に速度の絶対値を漸減するから、手動のビークルと同等の惰行感覚を得ることができ、乗り手に違和感を与えることがない(請求項2)。
【0068】
推進手段に加える人力が大きく加えられる時間が長い程速くなるように変化するから、推進手段に加える人力を変化させて補助動力式ビークルの速度を調整することができ(請求項3)、補助動力が補助動力式ビークルの速度が加えられた人力の積分値に略比例するように加えられるから、補助動力式ビークルに自然な加減速を与えることができる(請求項4)。
【0069】
推進手段に加える人力の方向を変えたときに推進手段の速度が連続的に変化するから、補助動力式ビークルの走行方向の変更を滑らかに行うことができ(請求項5)、外的要因により負荷が増加しても負荷の増加に応じて補助動力が加えられるので、安定して走行することができる(請求項6)。
【0070】
乗り手の体力や慣れに応じて補助動力の大きさ等を調整することができ、乗り手のニーズに柔軟に対応することができ(請求項7)、補助動力式ビークルの左右に設けた推進手段の速度が別個に変更可能であるから、前進および後進のみならず、定位置旋回を含む任意の曲率半径の旋回動作を行うことができる(請求項8)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の補助動力式車椅子の側面図である。
【図2】補助動力式車椅子の正面図である。
【図3】補助動力式車椅子を折り畳んだ状態を示す背面図である。
【図4】補助動力式車椅子の人力検出部と補助動力発生部を示す側断面図である。
【図5】補助動力式車椅子の人力検出部と補助動力発生部を拡大して示す側断面図である。
【図6】補助動力式車椅子の車輪の外側面図である。
【図7】補助動力式車椅子の車輪のリム部の外側面図である。
【図8】人力検出部のスプリングの状態を説明するための断面図である。
【図9】人力が加えられたときの検出部のスプリングの状態を説明するための断面図である。
【図10】人力が加えられたときの検出部のスプリングの状態を説明するための断面図である。
【図11】第1実施例の制御回路を示すブロック図である。
【図12】第1実施例における目標回転数演算手段の回路を示す図である。
【図13】ハンドリムに加えられる人力に対するポテンシオメータの出力特性を示す線図である。
【図14】加えられる人力等と速度との関係を示す線図である。
【図15】人力FMおよび車速Vの変化を示す線図である。
【図16】第2実施例の制御回路を示すブロック図である。
【図17】目標回転数演算手段の制御回路を示す図である。
【図18】駆動モータの回転数とトルクとの関係を示す線図である。
【図19】目標速度とデューティ指令値との関係を示す線図である。
【図20】第3実施例の制御回路を示すブロック図である。
【図21】第3実施例の動作を示すフローチャートである。
【図22】第3実施例の動作のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図23】第3実施例の動作のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図24】ポテンシオメータの入力信号の特性を示す線図である。
【符号の説明】
1 車椅子(補助動力式ビークル)
4 車輪(推進手段)
16 ハンドリム
30 ポテンシオメータ
40 補助動力装置
41 駆動モータ
50 コントローラ
60 バッテリ

Claims (8)

  1. 推進手段に間欠的に加えられる人力を検知する検知手段と、
    検知された人力が増加する場合には、当該検知された人力に対応した目標回転数を出力し、検知された人力が減少に転じた場合には、当該目標回転数を漸減させる目標値出力手段と、
    前記目標回転数に応じた速度の補助動力が与えられるように、上記推進手段への補助駆動を制御する制御手段と
    を具備し、
    上記人力と上記補助動力とにより上記推進手段を駆動する
    ことを特徴とする補助動力式ビークル。
  2. 前記人力が除去された後に前記速度の絶対値を漸減することを特徴とする請求項1に記載の補助動力式ビークル。
  3. 前記推進手段の速度は加えられる人力に対応して変化し、かつ、上記人力が大きくまたは加えられる時間が長い程速くなるように変化する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の補助動力式ビークル。
  4. 前記補助動力は、当該補助動力式ビークルの速度が加えられた人力の積分値に略比例するように加えられる
    ことを特徴とする請求項3に記載の補助動力式ビークル。
  5. 前記補助動力は、前記推進手段に加える人力の方向を変えたときに、速度が連続的に変化するように加えられる
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の補助動力式ビークル。
  6. 前記補助動力は、当該補助動力式ビークルに与えられる外部からの影響を相殺するように加えられる
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の補助動力式ビークル。
  7. 前記人力を加えたときの当該補助動力式ビークルの速度変化の割合および上記人力が除去された後の補助動力式ビークルの速度減少の割合のうち少なくともいずれか一方を可変とした
    ことを特徴とする請求項2ないし6のいずれかに記載の補助動力式ビークル。
  8. 前記推進手段を当該補助動力式ビークルの進行方向に向かって左右に設け、上記各推進手段の速度を別個に変更して上記推進手段の旋回を可能に構成した
    ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の補助動力式ビークル。
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