JP4521893B2 - 補助動力式車椅子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、左右の車輪に加えられる人力の大きさに応じた補助動力を各車輪に加えて該車輪を人力と補助動力との合力によって回転駆動するようにした補助動力式車椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】
斯かる補助動力式車椅子は手動車椅子と電動車椅子の中間に位置するものであって、左右一対の車輪に間欠的に加えられる人力を検出し、検出された人力に応じた補助動力を左右の車輪にそれぞれ加えることによって乗員の肉体的負担を軽減するものである。
【0003】
ところで、この種の補助動力式車椅子においては、乗員によって各車輪に加えられる人力が検知される度に補助動力が間欠的に供給されるが、この補助動力は人力が除去された後は時間と共に減衰せしめられて車椅子の走行に惰行感覚が付与されるようになっている(特開平8−168506号公報参照)。
【0004】
ところが、従来の補助動力式車椅子においては、補助動力の時間減衰率は人力や走行速度の大きさ或は走行方向(前進か後進か)に拘らず常に一定に設定されていたため、例えば惰行量が大き過ぎる場合には走行抵抗の小さな路面では予想外に行き過ぎ、室内では細かい動きに対して小回りが利かず、逆に惰行量が不足する場合には走行抵抗の大きな路面や傾斜の急な坂道では楽に走行することができない等の問題があった。
【0005】
又、車椅子で段差等を乗り越す場合、乗り越した後に車椅子が予想外の惰行をしてしまうことがある。
【0006】
更に、後進時の車椅子の惰行は乗員に無用な恐怖感を与えてしまうが、逆に惰行量が不足する場合には、例えば急な坂道を下る場合に車輪にこれを逆転させる後進方向の人力を加えてブレーキ力を発生させようとしても安定したブレーキ力が得られない場合がある。
【0007】
従って、本発明の目的とする処は、必要に応じた惰行量を確保することよって室内での小回りの利いた走行、屋外での快適な走行、楽な登坂、安定した降坂、後進時の恐怖感の解消等を図ることができる補助動力式車椅子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、補助動力を発生する電動モータと、車輪に加えられる人力の大きさに応じた信号を出力する人力検出手段と、該人力検出手段によって検出された人力に応じて前記電動モータを制御する制御手段とを備え、人力検出手段によって検出された人力の大きさに応じた補助動力を各車輪に加えてこれを回転駆動する補助動力式車椅子において、前記制御手段は、前記人力検出手段が人力を検出すると補助動力を発生せしめるとともに、その補助動力を時間の経過と共に減衰させ、該補助動力の単位時間当たりの減少割合である時間減衰率を、人力が小さい程大きく、人力が大きい程小さくなるよう変化させて前記電動モータを制御することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記補助動力の時間減衰率を、前記人力が小さい程大きく、人力が大きい程小さくなる範囲内において、調整スイッチによって調整し得るようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、車輪の回転方向から走行方向を検出する走行方向検出手段を備え、後進時における後進方向の補助動力の時間減衰率を前進時の前進方向の補助動力の時間減衰率以上にすることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3の何れかに記載の発明において、車輪の回転方向から走行方向を検出する走行方向検出手段を備え、前進時における後進方向の補助動力の時間減衰率を後進時における後進方向の補助動力の時間減衰率よりも小さくすることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は補助動力を発生する電動モータと、車輪に加えられる人力の大きさに応じた信号を出力する人力検出手段と、車輪の回転速度から車椅子の走行速度を検出する速度検出手段と、車輪の回転方向から走行方向を検出する走行方向検出手段と、前記人力検出手段によって検出された人力の大きさに応じて前記電動モータを制御する制御手段とを備え、人力検出手段によって検出された人力の大きさに応じた補助動力を各車輪に加えてこれを回転駆動する補助動力式車椅子において、前記制御手段は、前記人力検出手段が人力を検出すると補助動力を発生せしめるとともに、その補助動力を時間の経過と共に減衰させ、前進時の、補助動力の単位時間当たりの減少割合である時間減衰率を、走行速度が小さい程大きく、走行速度が大きい程小さくなるよう変化させて前記電動モータを制御することを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、後進時における後進方向の補助動力の時間減衰率を前進時の前進方向の補助動力の時間減衰率以上にすることを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の発明において、前進時における後進方向の補助動力の時間減衰率を後進時における後進方向の補助動力の時間減衰率よりも小さくすることを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、補助動力を発生する電動モータと、車輪に加えられる人力の大きさに応じた信号を出力する人力検出手段と、車輪の回転速度から車椅子の走行速度を検出する速度検出手段と、車輪の回転方向から走行方向を検出する走行方向検出手段と、車輪に加えられた人力が除去された時点の前記速度検出手段で検出された走行速度を記憶してこれと現在の前記速度検出手段で検出された走行速度との偏差を検出する速度偏差検出手段と、前記人力検出手段によって検出された人力の大きさに応じて前記電動モータを制御する制御手段とを備え、人力検出手段によって検出された人力の大きさに応じた補助動力を各車輪に加えてこれを回転駆動する補助動力式車椅子において前記制御手段は、前記人力検出手段が人力を検出すると補助動力を発生せしめるとともに、その補助動力を時間の経過と共に減衰させ、補助動力の単位時間当たりの減少割合である時間減衰率を、前記速度偏差及び速度偏差の時間積分値の少なくとも一方が大きい程大きく、小さい程小さくなるように変化させて前記電動モータを制御することを特徴とする。
【0018】
従って、請求項1, 2に記載の発明によれば、車椅子の走行状況に応じて必要な惰行量を確保することができる。具体的には、補助動力の時間減衰率を人力が小さい程大きくしたため、例えば室内での細かい動きに対して車椅子の惰行量が小さく抑えられ、室内での小回りの利いた細かい動きが可能となって乗員の利便性を高めることができる。又、人力が大きい程補助動力の時間減衰率を小さくしたために屋外での走行では惰行量が十分確保され、平地での快適な走行が可能となるとともに、特に傾斜の急な坂道でも楽に登ることができ、乗員の肉体的負担を更に軽減することができる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、車椅子の走行状況に応じて必要な惰行量を確保することができる。具体的には、補助動力の時間減衰率は走行速度が小さい程大きく、走行速度が大きい程小さく設定されるため、例えば室内での細かい動きに対して車椅子の惰行量が小さく抑えられ、室内での小回りの利いた細かい動きが可能となって乗員の利便性を高めることができるとともに、屋外での走行では惰行量が十分確保されて平地での快適な走行が可能となり、更に、車椅子が段差等を乗り越す場合には走行速度が小さいために時間減衰率が大きくなり、段差を乗り越した後に車椅子が予想外の惰行をしてしまうことがなくなって乗員に安定感を与えることができる。
【0020】
請求項3,6に記載の発明によれば、後進時の後進方向の補助動力の時間減衰率を前進時の前進方向のそれ以上に設定したため、後進時に車椅子が惰行し過ぎることがなく、乗員に無用な恐怖感を与えることがない。
【0021】
請求項4,7に記載の発明によれば、前進時における後進方向の補助動力の時間減衰率は後進時における後進方向の補助動力のそれよりも小さいため、急な坂道を下る場合に車輪にこれを逆転させる後進方向の人力を加えてブレーキ力を発生させる場合に後進方向にブレーキ力が十分残存するために安定した降坂が可能となる。
【0022】
請求項8に記載の発明によれば、車椅子の走行状況に応じて必要な惰行量を確保することができる。具体的には、速度偏差及び速度偏差の時間積分値の少なくとも一方が大きい程大きく、小さい程小さく設定されるた、人力及び走行速度の大きさに拘らず人力が無くなった後の車椅子の大きな増速を防ぐことができる。また、走行抵抗の小さな路面でも大きな操作力を必要とする発進時において発進後の予想外の増速を防ぐことができ、さらにまた、走行速度の遅い傾斜の急な坂道の登りでも十分な惰行量が確保され、走行抵抗の小さな平坦路での惰行量の抑制との両立が可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0024】
<実施の形態1>
本実施の形態に係る補助動力式車椅子1は左右の車輪2に加えられる人力の大きさに応じた補助動力を各車輪2に加えてこれを回転駆動するものであって、これは既存の折畳式手動車椅子の車体の左右に駆動輪である車輪2を脱着自在に取り付けて構成され、これのパイプ枠状の車体フレーム3の前後部は左右一対のキャスタ4と車輪2によって移動自在に支持されている。
【0025】
又、上記車体フレーム3の中央部には、乗員が着座すべき布製のシート5が設置されている。尚、車体フレーム3は図3に示すように前後一対のクロス部材3aを有しており、X字状を成す2本のクロス部材3aはその交点を軸6によって枢着され、軸6を中心として車体を折り畳むことができるよう構成されている。
【0026】
更に、車体フレーム3の後部には左右一対のバックパイプ3bが立設されており、各バックパイプ3bの上端部は後方に折曲され、その折曲部には介助者用のグリップ7が取り付けられている。又、各車輪2の内側には、車体後方(図1の右方)に向かって斜め下方に延出する転倒防止用のウイリーバー8がそれぞれ取り付けられている。
【0027】
又、車体フレーム3の上記バックパイプ3bの中間高さ位置から車体前方に水平に延びる左右一対の肘パイプ3cはその前端部が略直角に折り曲げられて垂直下方に延び、その下端部に前記キャスタ4が回転自在に支持されている。そして、前記肘パイプ3cの下方に配された左右一対のシートパイプ3dの前側部分は車体前方に向かって斜め下方に延出しており、その延出端(前端部)には左右一対のステップ9が取り付けられている。
【0028】
ところで、前記左右一対の車輪2の各々はそのハブ2aが図6に示すように車体フレーム3に溶着された車軸取付ボス10に支持された車軸11にボールベアリング12を介して回転自在に支承されており、各車輪2の外側には、乗員が手でこれを回すべきリング状のハンドリム13が設けられている。このハンドリム13は、車輪2のハブ2aに一体成形されたボス部に回動自在に支持された円板状のディスク14に3本のスポーク15を介してボルト16によって取り付けられており、従って、該ハンドリム13は車輪2に対して独立に回転し得る。尚、本実施の形態においては、図6に示すように、車輪2のハブ2aとディスク14との間には弾性体から成るシールリング17が介設されており、ディスク14はこれに結着されたカバー18によって覆われている。尚、シールリング17はシール機能と共にディスク14の慣性に伴う周方向の振動を抑制するフリクションダンパーとしての機能も果たす。
【0029】
而して、上記ハンドリム13は、その全周の3箇所が図4及び図5に示す構造によって車輪2に対して双方向に相対回転可能に弾性支持されている。
【0030】
即ち、図4に示すように、前記ディスク14の全周3箇所には矩形孔14aが形成されており、各矩形孔14aと車輪2のハブ2aの端面の3箇所に形成された断面半円状の凹部2a−1には、図5に示すように、大小異径のスプリング19,20が縮装されており、これらのスプリング19,20の両端は、図4及び図6に示すように、2本のボルト23によって車輪2のハブ2aに結着されたリテーナ24によって保持されており、ハンドリム13に人力が加わらない中立状態においては、小径のスプリング20は両スプリング受け21,22間に所定の予圧をもって縮装される一方、大径のスプリング19は両端がスプリング受け21,22から若干離脱してスプリング受け21,22に力を及ぼしていない。尚、大径のスプリング19のバネ定数は小径のスプリング20のそれよりも大きく設定されている。
【0031】
一方、図4及び図6に示すように、ハブ2aの外端面には、車輪2(ハブ2a)とハンドリム13(ディスク14)との相対回転量及び相対回転方向によってハンドリム13に加えられる人力の大きさと方向を検出するためのポテンショメータ27がこれの長孔27aに挿通するボルト25によって位置調整可能に取り付けられており(図4参照)、該ポテンショメータ27の入力軸の端部にはレバー28の一端が結着されており、該レバー28の他端はディスク14に突設されたピン29に長孔係合している。
【0032】
ところで、図6〜図8に示すように、左右一対の車輪2の各ハブ2aの車幅方向内側には円板状の固定プレート30が車軸11に結着されて設けられており、該固定プレート30には制御手段を構成するコントローラ31と駆動源である電動モータ32が取り付けられている。
【0033】
又、各車輪2の内側には前記固定プレート30で囲まれる空間が形成されるが、該空間はリング状の隔壁33によって室S1と室S2とに区画されており、室S1には前記コントローラ31が収納されている。尚、回転トランス34はコントローラ31と前記ポテンショメータ27間の信号伝達を行うものである。
【0034】
而して、前記各電動モータ32によって発生する補助動力は動力伝達手段を経て各車輪2に伝達されるが、この動力伝達手段は、ベルト伝動機構G1とギヤG2,G3を含んで構成されている。
【0035】
以上説明したスプリング19,20やポテンショメータ27によって構成される入力検出手段、回転トランス34によって構成される信号伝達手段、コントローラ31によって構成される制御手段、電動モータ32及びベルト伝動機構G1やギヤG2,G3等を含んで構成される動力伝達手段が補助動力ユニットを構成しているが、この補助動力ユニットは各車輪2のハブ2aの車軸11周りに径方向及び軸方向に亘って集約的に配置されており、このように補助動力ユニットをハブ2a内に組み込んで成る左右一対の車輪2は前述のように車体に対して着脱自在に取り付けられている。
【0036】
ところで、本実施の形態に係る補助動力式車椅子1においては、右側の車輪2のハブ2a内に不図示のメインスイッチが内蔵されており、このメインスイッチは図7に示すレバー35の回動操作によってON/OFFされる。即ち、レバー35は車軸11によって回動自在に枢着されており、その基端部にはギヤ35aが部分的に形成されており、該ギヤ35aは前記メインスイッチをON/OFFするためのセクターギヤ36に噛合している。又、レバー35の先端にはメインスイッチのON/OFF表示用の不図示のLED(発光ダイオード)が埋め込まれており、該LEDから導出するリード線37は後述のバッテリ38に電気的に接続されている。
【0037】
又、本実施の形態に係る補助動力式車椅子1においては、図1及び図7に示すように、右側の車輪2側にバッテリ38が着脱自在に設けられている。即ち、図6に示すように、右側の車輪2の固定プレート30にはブラケット39がボルト40によって取り付けられ、このブラケット39の上部にバッテリホルダ41がビス42によって取り付けられており、このバッテリホルダ41に対してバッテリ38が着脱自在に装着される。
【0038】
而して、バッテリ38がバッテリホルダ41に装着された状態において前記レバー35の回動操作によってメインスイッチがONされると、バッテリ38はワイヤーハーネス52,43を経て左右の各車輪2にそれぞれ設けられた補助動力ユニットにそれぞれ給電して各補助動力ユニットを駆動する。
【0039】
ところで、図7に示すように、上記ワイヤーハーネス43,52はカプラー44a,44bによって互いに電気的に接続されており、ワイヤーハーネス43の一端は右側車輪2の補助動力ユニットに電気的に接続されており、同ワイヤーハーネス43の他端は図8に示すように左側車輪2の補助動力ユニットに電気的に接続されている。尚、図8に示すように、左側車輪2の固定プレート30にはカプラー45が取り付けられており、ワイヤーハーネス43は、これの端部に結着されたカプラー46を前記カプラー45に結合することによって左側車輪2の補助動力ユニットへの電気的な接続がワンタッチで容易になされる。
【0040】
一方、本実施の形態においては、前記ポテンショメータ27の0点調整は図4に示すボルト25を緩めてその位置を調整することによってなされるが、固定プレート30に固定されたコントローラ31には、ポテンショメータ27の0点調整がなされた段階で点灯するLED47(図4及び図6参照)が設置されている。そして、図4に示すように、車輪2内の隔壁33のLED47に対向する位置には、LED47が臨む円形の調整用窓33aが形成されており、この調整用窓33aには円形の透明部材48が嵌め込まれている。尚、本実施の形態では透明部材48を設けたが、隔壁33全体を透明にしても良く、或は隔壁33のLED47に対向する部位を薄肉として半透明としてもLED47を視認することができる。
【0041】
又、図4及び図6に示すように、上記LED47と調整用窓33a及び透明部材48は、車輪2の回転位置によって前記ハブ2aの端面の全周4箇所に形成された大小の開口部2a−2と前記ディスク14の全周3箇所に形成された扇形の開口部14bとは車軸11方向に互いに整列し得るよう配置されている。従って、ポテンショメー27の0点調整に際して前記カバー18(図6参照)を取り外せば、図4に示すように、各車輪2の外側方からLED47の点灯状態(つまり、ポテンショメー27の0点調整状態)を視認することができる。
【0042】
次に、本補助動力式車椅子1の作用を図9〜図12を参照しながら以下に説明する。
【0043】
乗員が左右一対のハンドリム13を例えば前進方向に回すためにこれに力を加えると、各ハンドリム13に加えられた人力の大きさが前記3本の小径スプリング20の予圧力に打ち勝つまでの間はハンドリム13は不動であって、ハンドリム13と車輪2の間に相対回転は生じず、このとき、ポテンショメータ27の出力は0を示す。
【0044】
その後、人力が増大すると、ディスク14によって先ず小径のスプリング20のみが圧縮され、ハンドリム13はスプリング20の圧縮量に見合う角度だけ車輪2に対して相対回転する。そして、このハンドリム13の相対回転量はレバー28によって拡大されてポテンショメータ27に伝達され、ポテンショメータ27はハンドリム13に加えられる人力の大きさに応じた信号を出力し、この信号は回転トランス34を介して各コントローラ31の制御部に送信される。尚、小径スプリング20のバネ定数は小さいため、該スプリング20の人力の増加量に対する圧縮量(つまり、ハンドリム13の回動量)は大きく、従って、ポテンショメータ27の感度は高く保たれ、このため、乗員は当該車椅子1のデリケートな操作が可能となる。
【0045】
そして、ハンドリム13に加えられる人力の大きさが所定値に達すると、大径のスプリング19も小径のスプリング20と共に圧縮され始め、ハンドリム13は両スプリング19,20の圧縮量に見合う角度だけ車輪2に対して相対回転し、このとき、ポテンショメータ27はハンドリム13に加えられる人力の大きさに応じた信号を出力する。
【0046】
その後、ハンドリム13に加えられる人力の大きさが所定値を超えて増大すると、両スプリング受け21,22が接触するため、人力は車輪2に直接伝達され、このとき、ポテンショメータ27の出力は一定となる。
【0047】
而して、ハンドリム13には人力が間欠的に加えられ、この人力は前述のようにポテンショメータ27によって検出され、その検出信号が回転トランス34を介してコントローラ31の制御部に入力される。
【0048】
上記コントローラ31の制御部はポテンショメータ27から出力された入力信号に基づいてハンドリム13に加えられる人力の大きさを求め、その人力の大きさに応じた電流を電動モータ32に供給し、該電動モータ32を回転駆動して所要の補助動力を発生せしめる。尚、本実施の形態における補助動力制御には電流制御方式(トルク制御方式)が採用されており、電流制御ループ内においてデューティ比に制限を設けることによって電動モータ32が発生する補助動力を定電圧特性に沿って制御する方式が採られている。
【0049】
ここで、左側の車輪2に設けられたコントローラ31の制御動作を図9に基づいて説明するが、右側のコントローラ31の制御動作も同様であるため、これについての説明は省略する。
【0050】
左側の車輪2のハンドリム13に加えられた人力FLが前述のようにポテンショメータ27によって検出され、その信号がコントローラ31の不感帯処理部101に入力され、検出された人力FLが不感帯として設定された閾値を超えた値である場合には、増幅比率設定手段102によって増幅比率KLが設定される。
そして、旋回成分設定手段103において、人力FLと増幅比率KLとの積(FL・KL)から旋回運動を生じる成分としての旋回トルクiLが求められる。
【0051】
又、重心成分設定手段104において、左側人力FL及び右側人力FRとこれらに対応する増幅比率KL,KRとの積(FL・KL),(FR・KR)の和(FL・KL+FR・KR)と重心成分設定手段104内に設定された時間減衰率マップに基づいて直進運動を生じる成分としての重心トルクiGが求められる。尚、時間減衰率マップは1種類だけでも良いが、複数種類用意しておき、調整スイッチ110によって任意に選択するようにしても良い。
【0052】
而して、上記旋回トルクiLと重心トルクiGとを加算することによって目標トルクiRが求められ、電流リミッタ105において電動モータ32が目標トルクiRを発生するに必要な目標電流iREFが求められる。そして、この目標電流iREFと電流検出センサ109によって検出された実際に流れている電流iFBとの差(|iREF−iFB|)に基づいてPID制御回路106によって補正量が求められた後、デューティリミッタ107によって電圧チェックが行われ、所定の制御信号(デューティ比)が出力される。この制御信号(デューティ比)はバイポーラ電力増幅器108によって実際の電流に変換され、電動モータ32に所定の電流が供給されて図10に示すように人力が検出されると同時に該人力の大きさに応じた所望の補助動力が電動モータ32において発生する。尚、図10に示すように、補助動力は人力が除去された後に所定の時間減衰率で減衰する。
【0053】
而して、上述のように電動モータ32が駆動されてこれに所望の補助動力が発生すると、その回転はベルト伝動機構G1やギヤG2,G3を含む動力伝達手段を経て左右の各車輪2にそれぞれ伝達される。すると、左右の車輪2が人力に補助動力を加えた大きさの駆動力によって回転駆動され、これによって車椅子1が前進せしめられて乗員は全駆動力の例えば約1/2程度の小さな力で楽に車椅子1を操作することができる。
【0054】
ところで、本実施の形態においては、前述のようにポテンショメータ27が人力を検出すると同時に補助動力を発生せしめるとともに、その補助動力が時間の経過と共に減衰するよう電動モータ32を制御するが、補助動力の時間減衰率は人力の大きさに応じて変化させるようにしている。具体的には、図11に示すように、補助動力のうち重心トルクの時間減衰率は人力(FL・KL+FR・KR)が小さい程大きく、人力(FL・KL+FR・KR)が大きい程小さく設定され、その値は前記調整スイッチ110によって任意に調整され得る。
【0055】
而して、上述のように補助動力の時間減衰率を人力が小さい程大きくすることによって、例えば室内での細かい動きに対して車椅子1の惰行量が小さく抑えられるため、室内での小回りの利いた細かい動きが可能となって乗員の利便性を高めることができる。
【0056】
又、人力が大きい程補助動力の時間減衰率を小さくしたために比較的大きな人力が入力される屋外での走行では惰行量が十分確保され、平地での快適な走行が可能となるとともに、特に傾斜の急な坂道でも楽に登ることができ、乗員の肉体的負担を更に軽減することができる。
【0057】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2を図12及び図13に基づいて説明する。
【0058】
本実施の形態に係る補助動力式車椅子も基本構成は前記実施の形態1に係る補助動力式車椅子のそれと同じであるため、これについての説明は省略する。尚、図12においては図9に示したと同一要素には同一符号を付している。
【0059】
本実施の形態に係る補助動力式車椅子は走行速度を検出する速度検出手段と走行方向(前進か後進か)を検出する走行方向検出手段(具体的には、後述の車速演算手段111等)を備え、補助動力の時間減衰率を走行速度の大きさと走行方向(前進か後進か)及び補助動力の方向(前進方向か後進方向か)に応じて変化させるようにしている。
【0060】
ここで、走行速度(重心速度)を求める方法を図12に基づいて説明する。
【0061】
図12に示すように、コントローラ31には車速演算手段111が設けられており、この車速演算手段111においては、電流検出センサ109によって検出された電流iFB、デューティリミッタ107から出力される制御信号(デューティ比)及びモータ定数(モータ抵抗や起電圧係数等)に基づいて左側車輪2の速度(回転速度)ωLが算出され、この速度ωLと同様にして求められた右側車輪2の速度(回転速度)ωRとの和(ωL+ωR)を1/2することによって重心速度(回転速度)ωGが求められ、この重心速度ωGは重心成分設定手段104に対して出力される。尚、図12において、112は電源電圧観察手段である。
【0062】
而して、本実施の形態においては、図13に示すように、前進時の走行速度VがV0 以上となると前進方向及び後進方向の補助動力の時間減衰率は走行速度Vが大きい程小さく、走行速度Vが小さい程大きく設定され、走行速度VがV0 未満の低速及び後進時の前進方向及び後進方向の補助動力の時間減衰率はそれぞれ大きく設定されている。尚、本実施の形態では、後進時の前進方向及び後進方向の補助動力の時間減衰率を一定値に設定しているが、後進時の速度が大きくなる程大きくなるよう設定しても良い。
【0063】
又、後進時における後進方向の補助動力の時間減衰率は前進時の前進方向のそれ以上に設定されており、前進時における後進方向の補助動力の時間減衰率は後進時における後進方向の補助動力のそれよりも小さく設定されている。
【0064】
以上において、本実施の形態では、車椅子1の走行状況に応じて必要な惰行量を確保することができる。具体的には、補助動力の時間減衰率は走行速度Vが小さい程大きく、走行速度Vが大きい程小さく設定されるため、例えば室内での細かい動きに対して車椅子1の惰行量が小さく抑えられ、室内での小回りの利いた細かい動きが可能となって乗員の利便性を高めることができるとともに、屋外での走行では惰行量が十分確保されて平地での快適な走行が可能となり、更に、車椅子1が段差等を乗り越す場合には走行速度Vが小さいために時間減衰率が大きくなり、段差を乗り越した後に車椅子1が予想外の惰行をしてしまうことがなくなって乗員に安定感を与えることができる。
【0065】
又、後進時の後進方向の補助動力の時間減衰率を前進時の前進方向のそれ以上に設定したため、後進時に車椅子1が惰行し過ぎることがなく、乗員に無用な恐怖感を与えることがない。
【0066】
更に、前進時における後進方向の補助動力の時間減衰率は後進時における後進方向の補助動力のそれよりも小さいため、急な坂道を下る場合に車輪2にこれを逆転させる後進方向の人力を加えてブレーキ力を発生させる場合に後進方向にブレーキ力が十分残存するために安定した降坂が可能となる。
【0067】
<実施の形態3>
次に、本発明の実施の形態3を図14〜図16に基づいて説明する。
【0068】
本実施の形態に係る補助動力式車椅子も基本構成は前記実施の形態1に係る補助動力式車椅子のそれと同じであるため、これについての説明は省略する。又、図14においては図9に示したと同一要素には同一符号を付している。
【0069】
本実施の形態に係る補助動力式車椅子は、図14に示すように、車輪2に加えられた入力(FL・KL+FR・KR)が除去された時点の走行速度(重心速度ωG)を記憶する速度記憶手段113と、この速度記憶手段113によって記憶された走行速度と現在の走行速度(重心速度ωG)との偏差ΔωGを検出して該速度偏差ΔωGの時間積分値を求める速度偏差PI制御回路114を備えており、この速度偏差PI制御回路114によって求められた速度偏差ΔωGの時間積分値は重心成分設定手段104に対して出力される。
【0070】
而して、本実施の形態では、上記速度偏差ΔωGの時間積分値によって補助動力(重心トルクiG)の時間減衰率を図15に示すように変化させることを特徴とする。即ち、図15に示すように、補助動力の時間減衰率は速度偏差ΔωGの時間積分値が大きい程大きく、小さい程小さく設定される。
【0071】
ここで、本実施の形態における人力と補助動力、走行速度、速度偏差積分値及び補助動力の時間減衰率の時間的変化を図16に基づいて説明する。
【0072】
図示のように時間t0 において各車輪2に人力が加えられると、該人力に応じた補助動力が各車輪2に加えられ、走行速度は徐々に増加する。そして、時間t1 において人力が除去されると、速度記憶手段113はその時点の走行速度を記憶し、速度偏差PI制御回路114は速度記憶手段113によって記憶された走行速度と現在の走行速度との偏差の時間積分値(速度偏差積分値)を求める。
而して、速度偏差積分値が所定値に達した時点(図16の時間t2 )において補助動力の時間減衰率が2次曲線的に増大されるため、この時間減衰率に従って補助動力が図示のように減衰される。この結果、走行速度は最高値が抑えられ、その後は減少に転じ、これと共に速度偏差積分値の時間増加率が次第に低下する。そして、走行速度が速度記憶手段113によって記憶された走行速度(人力が除去された時間t1 での走行速度)まで低下した時点(時間t3 )において速度偏差積分値と補助動力の時間減衰率が最大値を示し、以後、両者は走行速度の低下に伴って次第に減少する。
【0073】
尚、以上のような本実施の形態の制御を採用しない場合には、走行速度と速度偏差積分値は図16に破線にて示すように時間tの経過と共に直線的に増大する。
【0074】
以上のように、本実施の形態では、補助動力の時間減衰率が速度偏差積分値が大きい程大きく、小さい程小さく設定されるため、人力が除去された後の車椅子の大きな増速を防ぐことができる。
【0075】
又、前記実施の形態1に比して走行抵抗の小さな路面でも大きな操作力を必要とする発進時において発進後の予想外の増速を防ぐことができる、
更に、前記実施の形態2に比して走行速度の遅い傾斜の急な坂道の登りでも十分な惰行量が確保され、走行抵抗の小さな平坦路での惰行量の抑制との両立が可能となる。
【0076】
尚、本実施の形態では、補助動力の時間減衰率を速度偏差の時間積分値に応じて変化させたが、速度偏差によって補助動力の時間減衰率を変化させるようにしても良い。
【0077】
又、補助動力の時間減衰率を実施の形態1では人力の大きさによって、実施の形態2では走行速度と走行方向及び人力の入力方向によって、実施の形態3では速度偏差の積分値(又は速度偏差)によってそれぞれ変化させたが、これらのパラメータ(人力の大きさ、走行速度と走行方向及び人力の入力方向、速度偏差の積分値(又は速度偏差))の任意の組み合わせによって補助動力の時間減衰率を変化させるようにしても良い。
【0078】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、請求項1〜4記載の発明によれば、車椅子の走行状況に応じて必要な惰行量を確保することができる。具体的には、補助動力の時間減衰率を人力が小さい程大きくしたため、例えば室内での細かい動きに対して車椅子の惰行量が小さく抑えられ、室内での小回りの利いた細かい動きが可能となって乗員の利便性を高めることができる。又、人力が大きい程補助動力の時間減衰率を小さくしたために屋外での走行では惰行量が十分確保され、平地での快適な走行が可能となるとともに、特に傾斜の急な坂道でも楽に登ることができ、乗員の肉体的負担を更に軽減することができるという効果が得られる。
【0079】
請求項1,5又は6記載の発明によれば、車椅子の走行状況に応じて必要な惰行量を確保することができる。具体的には、補助動力の時間減衰率は走行速度が小さい程大きく、走行速度が大きい程小さく設定されるため、例えば室内での細かい動きに対して車椅子の惰行量が小さく抑えられ、室内での小回りの利いた細かい動きが可能となって乗員の利便性を高めることができるとともに、屋外での走行では惰行量が十分確保されて平地での快適な走行が可能となり、更に、車椅子が段差等を乗り越す場合には走行速度が小さいために時間減衰率が大きくなり、段差を乗り越した後に車椅子が予想外の惰行をしてしまうことがなくなって乗員に安定感を与えることができるという効果が得られる。
【0080】
請求項7記載の発明によれば、後進時の後進方向の補助動力の時間減衰率を前進時の前進方向のそれ以上に設定したため、後進時に車椅子が惰行し過ぎることがなく、乗員に無用な恐怖感を与えることがないという効果が得られる。
【0081】
請求項8記載の発明によれば、前進時における後進方向の補助動力の時間減衰率は後進時における後進方向の補助動力のそれよりも小さいため、急な坂道を下る場合に車輪にこれを逆転させる後進方向の人力を加えてブレーキ力を発生させる場合に後進方向にブレーキ力が十分残存するために安定した降坂が可能となるという効果が得られる。
【0082】
請求項9又は10記載の発明によれば、車椅子の走行状況に応じて必要な惰行量を確保することができる。具体的には、速度偏差及び速度偏差の時間積分値の少なくとも一方が大きい程大きく、小さい程小さく設定されるた、人力及び走行速度の大きさに拘らず人力が無くなった後の車椅子の大きな増速を防ぐことができる。又、請求項1〜4記載の発明に対して走行抵抗の小さな路面でも大きな操作力を必要とする発進時において発進後の予想外の増速を防ぐことができる、請求の範囲第5項及び第6項記載の発明に対して走行速度の遅い傾斜の急な坂道の登りでも十分な惰行量が確保され、走行抵抗の小さな平坦路での惰行量の抑制との両立が可能となるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る補助動力式車椅子の側面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る補助動力式車椅子の平面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る補助動力式車椅子の背面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る補助動力式車椅子の車輪のハブ部分のカバーを取り外した状態を示す正面図である。
【図5】図4のA−A線拡大断面図である。
【図6】図4のB−B線断面図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る補助動力式車椅子の右側車輪の内側面図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る補助動力式車椅子の左側車輪の内側面図である。
【図9】本発明の実施の形態1に係る補助動力式車椅子の制御系の構成を示すブロック図である。
【図10】人力と補助動力の時間的変化を示す図である。
【図11】補助動力の時間減衰率と人力との関係を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態2に係る補助動力式車椅子の制御系の構成を示すブロック図である。
【図13】補助動力の時間減衰率と走行速度及び走行方向との関係を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態3に係る補助動力式車椅子の制御系の構成を示すブロック図である。
【図15】補助動力の時間減衰率と速度偏差積分値との関係を示す図である。
【図16】人力と補助動力、走行速度、速度偏差積分値及び補助動力の時間減衰率の時間的変化を示す図である。
【符号の説明】
1 補助動力式車椅子
2 車輪
27 ポテンショメータ
31 コントローラ(制御手段)
32 電動モータ
110 調整スイッチ
111 車速演算手段(速度検出手段)

Claims (8)

  1. 補助動力を発生する電動モータと、車輪に加えられる人力の大きさに応じた信号を出力する人力検出手段と、該人力検出手段によって検出された人力の大きさに応じて前記電動モータを制御する制御手段とを備え、
    人力検出手段によって検出された人力の大きさに応じた補助動力を各車輪に加えてこれを回転駆動する補助動力式車椅子において、
    前記制御手段は、前記人力検出手段が人力を検出すると補助動力を発生せしめるとともに、その補助動力を時間の経過と共に減衰させ、該補助動力の単位時間当たりの減少割合である時間減衰率を、人力が小さい程大きく、人力が大きい程小さくなるよう変化させて前記電動モータを制御することを特徴とする補助動力式車椅子。
  2. 前記補助動力の時間減衰率を、前記人力が小さい程大きく、人力が大きい程小さくなる範囲内において、調整スイッチによって調整し得るようにしたことを特徴とする請求項1に記載の補助動力式車椅子。
  3. 車輪の回転方向から走行方向を検出する走行方向検出手段を備え、後進時における後進方向の補助動力の時間減衰率を前進時の前進方向の補助動力の時間減衰率以上にすることを特徴とする請求項1又は2に記載の補助動力式車椅子。
  4. 車輪の回転方向から走行方向を検出する走行方向検出手段を備え、前進時における後進方向の補助動力の時間減衰率を後進時における後進方向の補助動力の時間減衰率よりも小さくすることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の補助動力式車椅子。
  5. 補助動力を発生する電動モータと、車輪に加えられる人力の大きさに応じた信号を出力する人力検出手段と、車輪の回転速度から車椅子の走行速度を検出する速度検出手段と、車輪の回転方向から走行方向を検出する走行方向検出手段と、前記人力検出手段によって検出された人力の大きさに応じて前記電動モータを制御する制御手段とを備え、
    人力検出手段によって検出された人力の大きさに応じた補助動力を各車輪に加えてこれを回転駆動する補助動力式車椅子において、
    前記制御手段は、前記人力検出手段が人力を検出すると補助動力を発生せしめるとともに、その補助動力を時間の経過と共に減衰させ、前進時の、補助動力の単位時間当たりの減少割合である時間減衰率を、走行速度が小さい程大きく、走行速度が大きい程小さくなるよう変化させて前記電動モータを制御することを特徴とする補助動力式車椅子。
  6. 後進時における後進方向の補助動力の時間減衰率を前進時の前進方向の補助動力の時間減衰率以上にすることを特徴とする請求項5に記載の補助動力式車椅子。
  7. 前進時における後進方向の補助動力の時間減衰率を後進時における後進方向の補助動力の時間減衰率よりも小さくすることを特徴とする請求項5又は6に記載の補助動力式車椅子。
  8. 補助動力を発生する電動モータと、車輪に加えられる人力の大きさに応じた信号を出力する人力検出手段と、車輪の回転速度から車椅子の走行速度を検出する速度検出手段と、車輪の回転方向から走行方向を検出する走行方向検出手段と、車輪に加えられた人力が除去された時点の前記速度検出手段で検出された走行速度を記憶してこれと現在の前記速度検出手段で検出された走行速度との偏差を検出する速度偏差検出手段と、前記人力検出手段によって検出された人力の大きさに応じて前記電動モータを制御する制御手段とを備え、
    人力検出手段によって検出された人力の大きさに応じた補助動力を各車輪に加えてこれを回転駆動する補助動力式車椅子において、
    前記制御手段は、前記人力検出手段が人力を検出すると補助動力を発生せしめるとともに、その補助動力を時間の経過と共に減衰させ、補助動力の単位時間当たりの減少割合である時間減衰率を、前記速度偏差及び速度偏差の時間積分値の少なくとも一方が大きい程大きく、小さい程小さくなるように変化させて前記電動モータを制御することを特徴とする補助動力式車椅子。
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