JP2000006874A - 電動補助自転車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 前輪自体に駆動モーターを組込んで構造の簡
素化と軽量化を図り、安価に製造できると共に、既存の
自転車でも前輪を交換するだけで簡単に電動に改良する
ことができる前輪駆動方式の電動補助自転車を提供する
ものである。 【解決手段】 駆動モータ２７とこれに電源を供給する
バッテリー１７およびこれを制御する制御回路３１を設
けた電動補助自転車において、駆動モータ２７に接続す
るドライブギア２８を固定側ハウジング２０内に設け、
可動側ハウジング２１内に前記ドライブギア２８が噛合
するドリブンギア２９を設けて遊星歯車機構によるホイ
ールモータ６を形成し、この固定側ハウジング２０を前
輪４のフォーク３に固定し、前記可動側ハウジング２１
を前輪４のハブ５の内側に設けたことを特徴とするもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は前輪駆動方式の電動
補助自転車に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、坂道での走行が容易な電動補助
（アシスト）自転車が普及してきている。従来の電動補
助自転車は、チェーンホイールに駆動モータが接続さ
れ、チェーンホイールと後輪のフリーホイールとを連結
するチェーンにトルクセンサーを取付け、このトルクセ
ンサーを制御回路に接続してバッテリーから駆動モータ
に流れる電流を制御する後輪駆動方式のものである。

【０００３】この電動補助自転車は平地や下り坂を走行
する時は、通常の自転車と同様にペダルを足でこいでそ
の力をチェーンを介して後輪に伝達して走行する。また
昇り坂を走行する時には、ペダルに大きな力が加わるの
で、これをチェーンを介してトルクセンサーで検出し、
所定値以上のトルクを検出した場合には、トルクに応じ
てバッテリーから駆動モータに流れる電流を制御して回
転駆動させることにより、これに接続されたチェーンホ
イールに動力が付加され、人力と駆動モータの両者によ
って後輪が駆動するようになっている。

【０００４】しかしながら従来の後輪駆動方式の電動補
助自転車は、回転するペダルと、これに連結したチェー
ンホイール、およびこれに連結したチェーンなどを取付
けた狭い動力伝達部分に、更に駆動モータやギアなどを
組込んだ複雑な構造となっている。このため部品点数も
多く組立てや修理も面倒な上、重量も重くなり、既存の
自転車を改良して電動補助自転車にすることができなか
った。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記欠点を除
去し、前輪自体に駆動モーターを組込んで構造の簡素化
と軽量化を図り、安価に製造できると共に走行性に優
れ、しかも既存の自転車でも前輪を交換するだけで簡単
に電動に改良することができる前輪駆動方式の電動補助
自転車を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１記載の
電動補助自転車は、駆動モータとこれに電源を供給する
バッテリーおよびこれを制御する制御回路を設けた電動
補助自転車において、前輪のハブにホイールモータを取
付けて、前輪駆動で走行することを特徴とするものであ
る。

【０００７】また請求項２記載の電動補助自転車は、ホ
イールモータが、固定側ハウジング内に設けられた駆動
モータに接続するドライブギアと、可動側ハウジング内
に設けられ、前記ドライブギアが内周で噛合するリング
状のドリブンギアとを組合わせた遊星歯車機構で形成さ
れ、前記固定側ハウジングを前輪のフォークに固定し、
前記可動側ハウジングを前輪のハブの内側に接続したと
を特徴とするものである。

【０００８】また請求項３記載の電動補助自転車は、ハ
ンドルにアクセルを取付け、このアクセルを制御回路に
接続して、駆動モータの回転を制御することを特徴とす
るものである。更に請求項４記載の電動補助自転車は、
回転するチェーンに摺接してトルクセンサーを取付け、
このトルクセンサーを制御回路に接続して、所定のトル
ク以上でホイールモータが回転駆動することを特徴とす
るものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施の一形態を図１
ないし図３を参照して詳細に説明する。図において１は
フレームで、フレーム１の先端にハンドル２と、これに
一体に接続されたフォーク３が左右に回動自在に取付け
られている。このフォーク３には前輪４が取付けられ、
ここの中心のハブ５にホイールモータ６が取付けられて
いる。

【００１０】またフレーム１の中間にはサドル８が取付
けられ、更にこの下部にペダル９が回転自在に取付けら
れている。この左右のペダル９、９はクランクシャフト
１０に接続され、この中間にチェーンホイール１２が取
付けられている。またフレーム１の後部側には後輪１３
が取付けられ、この中心のハブ１４の横にフリーホイー
ル１５が設けられ、これと前記チェーンホイール１２と
はチェーン１６で連結されている。またサドル８の下の
フレーム１にはリチウムイオン電池などのバッテリー１
７が取外し自在に設けられていると共に、ハンドル２に
アクセル１８が回転自在に取付けられている。

【００１１】ホイールモータ６は図２に示すように、前
輪４のハブ５の内側に取付けられ、更にこれは図３に示
すように、固定側ハウジング２０と可動側ハウジング２
１とでカバーされている。可動側ハウジング２１の中心
にはベアリング２３が取付けられ、また固定側ハウジン
グ２０の中心には取付けボス２４が設けられている。こ
れら固定側ハウジング２０と可動側ハウジング２１を組
合せた状態で、ベアリング２３と取付けボス２４にシャ
フト２５を貫通させて、シャフト２５の両端をフォーク
３にボルトで固定されている。

【００１２】固定側ハウジング２０の内側下部には駆動
モータ２７が横方向に設けられ、この出力軸に小径のド
ライブギア２８が接続されている。また駆動モータ２７
は図２に示すように、上部に設けた制御回路３１にリー
ド線３２で接続され、更にこの制御回路３１はリード線
３２により図１に示すバッテリー１７と、ハンドル２に
取付けたアクセル１８に接続されている。また可動側ハ
ウジング２１の内側には図２に示すように、リング状の
ドリブンギア２９が取付けられ、この内歯に前記駆動モ
ータ２７に取付けたドライブギア２８が噛合して遊星歯
車機構が形成されている。また可動側ハウジング２１の
外周にはハブ５が形成され、ここにスポーク３３が放射
状に取付けられている。

【００１３】上記構成の電動補助自転車は、平地や下り
坂を走行する時は、通常の自転車と同様にペダル９を足
でこいで、その力をチェーン１６を介して後輪１３に伝
達して走行する。また上り坂を走行する時には、ペダル
９をこぐ力が大きくなるので、この時はハンドル２に取
付けたアクセル１８を回すと、この角度に応じた信号が
制御回路３１に伝達され、ここでバッテリー１７からの
電流が調整されて駆動モータ２７に流れる。

【００１４】駆動モータ２７が駆動すると図２に示すよ
うに、これに接続したドライブギア２８が回転する。駆
動モータ２７は固定側ハウジング２０に支持され、更に
これはシャフト２５を介してフォーク３に固定されてい
るので回転せず、ドライブギア２８だけが回転して、こ
れの外側に噛合するリング状のドリブンギア２９が遊星
歯車機構により回転する。ドリブンギア２９は可動側ハ
ウジング２１に接続され、またベアリング２３により回
転自在にシャフト２５に支持されているので、可動側ハ
ウジング２１が回転する。この可動側ハウジング２１の
外周にはハブ５が設けられ、これはスポーク３３により
リム３４に接続されて前輪４を構成しているので、前輪
４が駆動モータ２７の駆動力により回転する。

【００１５】本発明の電動補助自転車を運転したとこ
ろ、ホイールモータ６は２Ｋｇ程度であり、従来の後輪
駆動方式に比べても操作性はほとんど変わらず、むしろ
前輪側に駆動力が作用するので上り坂の走行が容易であ
る。特にわだちのある雪道などで自転車を押していく場
合には、従来の後輪駆動方式ではペダル９をこがないと
モータの動力が加わらないが、本発明ではアクセル１８
を回すだけでモータの動力が付加されるので走行が容易
である。更に足が不自由でペダル９をこぐ力の弱い老人
などが乗る場合には、アクセル１８の操作だけでも運転
することができる。

【００１６】また本発明は前輪４のハブ５にホイールモ
ータ６を組込んだ構成なので、従来の後輪駆動方式に比
べて構造が簡単で軽量化を図ることができ、組立や修理
も容易に行なうことができる。また既存の前輪を取外
し、ホイールモータ６を組込んだ前輪４を取付けて、バ
ッテリー１７とアクセル１８を付加すれば、簡単に電動
補助自転車に改良することができ、新たに高価な電動補
助自転車を購入する必要がない。

【００１７】なお上記説明では、ホイールモータ６の駆
動をアクセル１８により行なう場合について示したが、
チェーンホイール１２と後輪１３のフリーホイール１５
を連結するチェーン１６にトルクセンサーを取付け、こ
のトルクセンサーを制御回路３１に接続した構成でも良
い。これは上り坂などを走行する場合、ペダル９に負荷
が加わると、これをトルクセンサーで検出して、自動的
に駆動モータ２７が駆動して動力が付加されるようにな
っている。なおトルクセンサーを設ける位置はチェーン
１６に限らず他の部分でも良い。

【００１８】

【発明の効果】以上説明した如く本発明に係る電動補助
自転車によれば、前輪自体にホイールモータを組込ん
で、駆動モータにより直接、前輪を回転させる極めて簡
単な構造なので、組立や修理作業が容易な上、軽量で安
価に製造できると共に、走行性にも優れている。また既
存の自転車でもホイールモータを組込んだ前輪を交換
し、バッテリーやアクセルなどを付加すれば、簡単に電
動補助自転車に改良することができ有効利用を図ること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の一形態による電動補助自転車の
側面図である。

【図２】図１に示すホイールモータの縦断側面図であ
る。

【図３】図２に示すホイールモータの縦断正面図であ
る。

【符号の説明】

１ フレーム ２ ハンドル ３ フォーク ４ 前輪 ５ ハブ ６ ホイールモータ ９ ペダル １２ チェーンホイール １３ 後輪 １４ ハブ １５ フリーホイール １６ チェーン １７ バッテリー １８ アクセル ２０ 固定側ハウジング ２１ 可動側ハウジング ２５ シャフト ２７ 駆動モータ ２８ ドライブギア ２９ ドリブンギア ３１ 制御回路

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 駆動モータとこれに電源を供給するバッ
   テリーおよびこれを制御する制御回路を設けた電動補助
   自転車において、前輪のハブにホイールモータを取付け
   て、前輪駆動で走行することを特徴とする電動補助自転
   車。
2. 【請求項２】 ホイールモータが、固定側ハウジング内
   に設けられた駆動モータに接続するドライブギアと、可
   動側ハウジング内に設けられ、前記ドライブギアが内周
   で噛合するリング状のドリブンギアとを組合わせた遊星
   歯車機構で形成され、前記固定側ハウジングを前輪のフ
   ォークに固定し、前記可動側ハウジングを前輪のハブの
   内側に接続したとを特徴とする請求項１記載の電動補助
   自転車。
3. 【請求項３】 ハンドルにアクセルを取付け、このアク
   セルを制御回路に接続して、駆動モータの回転を制御す
   ることを特徴とする請求項１または２記載の電動補助自
   転車。
4. 【請求項４】 回転するチェーンに摺接してトルクセン
   サーを取付け、このトルクセンサーを制御回路に接続し
   て、所定のトルク以上でホイールモータが回転駆動する
   ことを特徴とする請求項１または２記載の電動補助自転
   車。