JP3660280B2 - 微細レジストパターンの形成方法 - Google Patents
微細レジストパターンの形成方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3660280B2 JP3660280B2 JP2001229257A JP2001229257A JP3660280B2 JP 3660280 B2 JP3660280 B2 JP 3660280B2 JP 2001229257 A JP2001229257 A JP 2001229257A JP 2001229257 A JP2001229257 A JP 2001229257A JP 3660280 B2 JP3660280 B2 JP 3660280B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resist pattern
- film
- forming
- resist film
- upper resist
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
- Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
- Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
- Materials For Photolithography (AREA)
- Drying Of Semiconductors (AREA)
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法に係り、特に微細レジストパターンの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
微細レジストパターンの形成を目的として、シリコン含有2層レジストプロセスおよび2層シリル化プロセスのような種々の表層プロセスが広く検討されている。
以下、従来の微細レジストパターン形成方法の一例として、シリコン含有2層レジストプロセスについて説明する。図22〜図26は、従来の微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である。
【0003】
先ず、図22に示すように、下地基板としての基板1上に下層レジスト膜2を形成する。
次に、図23に示すように、下層レジスト膜2上に、シリコンを含有する上層レジスト膜30を形成する。
【0004】
そして、図24に示すように、所定のマスク(図示省略)を介して活性光線4を照射することにより、上層レジスト膜30にパターンを露光する。
その後、図示しないが、湿式現像を行う。これにより、図25に示すような上層レジストパターン50が形成される。
【0005】
最後に、図26に示すように、上層レジストパターン50をエッチングマスクとして、下層レジスト膜2をドライ現像処理する。ここで、ドライ現像処理とは、酸素プラズマ等を用いたドライエッチングをいう。これにより、下層レジストパターン7と上層レジストパターン50からなる所望のレジストパターン80が形成される。
【0006】
しかし、従来のレジストパターンの形成方法では、ドライ現像処理における上層レジストパターン50の膜減り速度が大きい。従って、上層レジスト膜30を薄膜化して、より微細なレジストパターン80を形成することができなかった。
そこで、従来は、ドライ現像処理中の上層レジストパターン50の膜減りを抑えるために、上層レジスト膜30中のシリコン含有率を高くしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年、より微細なレジストパターン80を形成するために、さらなる上層レジスト膜30の薄膜化が必要になってきている。
しかしながら、上層レジスト膜30中のシリコン含有率をさらに高くすると、レジスト材料の合成が難しくなる。さらに、レジスト材料の経時安定性が著しく劣化してしまう。
従って、上層レジスト膜30をさらに薄膜化する場合には、従来のようにシリコン含有率を高くする方法を適用できず、上層レジストパターン50の膜減りを抑えることができないという問題があった。
【0008】
このため、今後は、シリコン含有率の低いレジスト材料を使いつつ、且つドライ現像処理中の上層レジストパターン50の膜減りを抑える必要がある。すなわち、シリコン含有率の低いレジスト材料を用いて上層レジストパターンを形成した場合であっても、下層レジスト膜2へのパターン転写時に、上層レジストパターンに対してエッチング選択比の高いドライ現像処理を行う必要がある。
【0009】
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたもので、下層レジスト膜へのパターン転写時に、上層レジストパターンの膜減りを低減することを目的とする。
【0010】
【課題を解決する為の手段】
本発明に係る微細レジストパターンの形成方法は、基板上に下層レジスト膜を形成する工程と、
前記下層レジスト膜上に、シリコンを含有する上層レジストパターンを形成する工程と、
前記上層レジストパターンを酸化する工程と、
酸化された前記上層レジストパターンをマスクとして、ドライエッチングにより前記下層レジスト膜をパターニングする工程とを含み、
前記シリコンを含有する上層レジストパターンを形成する工程は、
前記下層レジスト膜上に、上層レジスト膜を形成する工程と、
前記上層レジスト膜にパターンを露光して、前記上層レジスト膜に露光領域および未露光領域を形成する工程と、
前記露光領域又は前記未露光領域にシリコンを導入する工程とを含み、
前記下層レジスト膜をパターニングする工程では、前記シリコンが導入されていない露光領域又は未露光領域をドライエッチングにより除去することを特徴とするものである。
【0015】
本発明に係る微細レジストパターンの形成方法において、
前記露光領域又は前記未露光領域の上層レジスト膜が、OH基、COOH基、NH基およびSH基の少なくとも一種を含むことが好適である。
【0016】
本発明に係る微細レジストパターンの形成方法において、
酸素分子、酸素原子、酸素イオンおよび酸素ラジカルの少なくとも一種を含む反応性ガスを用いて、前記上層レジストパターンを酸化することが好適である。
【0017】
本発明に係る微細レジストパターンの形成方法において、
酸素を含む混合ガス又は酸素を用いたプラズマ処理によって、前記上層レジストパターンを酸化することが好適である。
【0018】
本発明に係る微細レジストパターンの形成方法において、
前記プラズマ処理を、前記ドライエッチングよりも前記上層レジストパターンのエッチングレートが低い条件で行うことが好適である。
【0019】
本発明に係る微細レジストパターンの形成方法において、
前記プラズマ処理および前記ドライエッチングを同一処理室内で連続して行うことが好適である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図中、同一または相当する部分には同一の符号を付してその説明を簡略化ないし省略することがある。
【0021】
実施の形態1.
図1〜図6は、本発明の実施の形態1による微細レジストパターンの形成方法を説明するための図である。
先ず、図1に示すように、基板1上に、下層レジスト膜2を形成する。ここで、下層レジスト膜2は、市販のノボラック樹脂系のレジストを300nm程度の厚さに回転塗布し、その後250℃程度の温度で60秒間熱処理して熱架橋させて形成した。また、基板1は、半導体装置の下地基板であり、通常の方法により形成された半導体基板又は絶縁基板である(後述の実施の形態2および3についても同様)。
【0022】
次に、図2に示すように、下層レジスト膜2上に、シリコンを含有する上層レジスト膜31を形成する。ここで、上層レジスト膜31は、ポジ型シリコン含有レジストを70nm程度の厚さに回転塗布し、その後100℃程度の温度で60秒間熱処理して形成した。なお、後述する上層レジストパターン61が形成できれば、上層レジスト膜31中のシリコンの含有率は低くてもよい。
【0023】
そして、図3に示すように、所定のマスク(図示省略)を介して活性光線4を照射することにより、上層レジスト膜31に対してパターンを露光する。このパターン露光は、F2エキシマレーザ露光装置(波長157nm、NA=0.6、σ=0.7)を用いて行った。
【0024】
その後、図示しないが、湿式現像処理を行う。これにより、図4に示すような上層レジストパターン51が形成される。ここで、上記湿式現像処理は、通常のアルカリ現像液(例えば、2.38%テトラメチルアンモニウムハイドロオキシド水溶液)を用いて60秒間行った。
【0025】
次に、図5に示すように、上層レジストパターン51を、酸素を含む混合ガス又は酸素を用いたプラズマ処理によって酸化する。これにより、上層レジストパターン51に含まれるシリコンが酸化された上層レジストパターン61が形成される。ここで、上記プラズマ処理は、TCP(Transformer Coupled Plasma)エッチング装置を用いて、上部パワー:500W、下部パワー:0W、O2流量:115sccm、SO2流量:15sccm、圧力:5mtorr、基板温度:−10℃からなる条件で45秒間行った。
なお、上記プラズマ処理において、上層レジストパターン51(61)が膜減りする。上記プラズマ処理は、後述するドライ現像処理よりも上層レジストパターンのエッチングレートが低い条件、好ましくはエッチングレートが50%以下となる条件で行う(後述する実施の形態2および3についても同様)。
【0026】
最後に、図6に示すように、上層レジストパターン61をエッチングマスクとして、ドライ現像処理によって下層レジスト膜2をパターニングする。これにより、下層レジストパターン7と上層レジストパターン61からなる所望のレジストパターン81が形成される。ここで、上記ドライ現像処理は、酸素プラズマ等を用いたドライエッチングをいう。このドライ現像処理は、上記TCPエッチング装置を用いて、上部パワー:500W、下部パワー:60W、O2流量:130sccm、SO2流量:10sccm、圧力:5mtorr、基板温度:−10℃なる条件で30秒間行った。
【0027】
以上説明したように、本実施の形態1による微細レジストパターンの形成方法では、シリコンを含む上層レジストパターン51を形成し、そのシリコンをプラズマ処理により酸化して、上層レジストパターン51の表面または全体にドライ現像処理に対し安定なシリコン酸化膜を有する上層レジストパターン61を形成した。そして、この上層レジストパターン61をマスクとして、ドライ現像処理を行った。
従って、酸化処理をすることなくドライ現像処理する場合に比べて、上層レジストパターン61の膜減りを大幅に抑制することができる(後述の図7および表1参照)。よって、下層レジスト膜2へのパターン転写時(ドライ現像処理時)に、上層レジストパターン61の膜減りを低減することができる。
また、プラズマ処理(酸化処理)およびドライ現像処理をin−situで(同一処理室内で連続して)行うことができるため、製造時間の短縮および製造コストの低減を図ることができる。
【0028】
次に、ドライ現像処理における上層レジストパターン61の膜減り抑制効果について説明する。
図7は、ドライ現像処理における上層レジストパターン61の膜減り量(Etching thickness)と、ドライ現像処理時間(Dry-development time)の関係を示す図である。
図7において、ドライ現像処理時間が30秒の時点で、予めプラズマ処理を45秒間施した(図中の“With plasma treatment”に対応する)上層レジストパターン61の膜減り量が、プラズマ処理を施していない(図中の“Without plasma treatment”に対応する)上層レジストパターン61の膜減り量の約1/4にまで減少している。
従って、上層レジストパターンにプラズマ処理を施すことにより、ドライ現像処理中の膜減りを大幅に抑制することができる。言い換えれば、プラズマ処理等の酸化処理が、ドライ現像処理中の上層レジストパターンの膜減り抑制に極めて有効であることが分かった。
【0029】
表1は、上層レジストパターンの全膜減り量(プラズマ処理による膜減り量とドライ現像処理による膜減り量の合計)と、下層レジスト膜2であるノボラック樹脂系レジストの上層レジストパターン61に対するエッチング選択比の結果を示している。表1に示すように、上層レジストパターンにプラズマ処理を施すことで、上層レジストパターンの全膜減り量が減少するだけでなく、ドライ現像処理におけるエッチング選択比が2倍以上に高くなっている。従って、上層レジスト膜31のさらなる薄膜化が容易に可能であり、微細レジストパターンを形成することができる。
【表1】
【0030】
なお、本実施の形態1では、プラズマ処理により上層レジストパターンの酸化処理を行ったが、これに限らず、酸素分子、酸素原子、酸素イオンおよび酸素ラジカルの少なくとも一種を含む反応性ガスを用いた酸化処理であれば適用可能である(後述する実施の形態2および3についても同様)。
【0031】
また、本実施の形態1では、TCPエッチング装置を用いてプラズマ処理(酸化処理)およびドライ現像処理を行ったが、ECR(Electron Cyclotron Resonance)エッチング装置やICP(Inductively coupled plasma)エッチング装置等のプラズマエッチング装置を用いてもよい。
また、露光装置も、F2エキシマレーザ露光装置に限らず、ArFエキシマレーザ露光装置、KrFエキシマレーザ露光装置、EB露光装置、およびEUV露光装置等を用いることができる(後述する実施の形態2および3についても同様)。
また、プラズマ処理のみであれば、TCPエッチング装置の代わりに、プラズマCVD装置やUVキュアー装置を用いることができる(後述する実施の形態2および3についても同様)。
また、プラズマを用いずに酸化処理を行う場合には、例えば常圧オゾンCVD装置のような常圧CVD装置、熱CVD装置、および熱酸化炉を用いることができる。ここで、熱CVD装置又は熱酸化炉を用いる場合には、レジストの耐熱を考慮して処理温度を制限し、処理時間を長くして酸化処理を行う(後述する実施の形態2および3についても同様)。
【0032】
また、本実施の形態1ではプラズマ処理により上層レジストパターン51中のシリコンを酸化したが、該プラズマ処理において、酸化種を含む反応性ガスにN2O(又はNO)ガスを添加することにより、シリコン酸窒化膜(SiON膜)を形成してもよい。このシリコン酸窒化膜も高いドライエッチング耐性を有するため、上層レジストパターンの膜減りを低減することができる(後述する実施の形態2および3についても同様)。
【0033】
実施の形態2.
図8〜図14は、本発明の実施の形態2による微細レジストパターンの形成方法を説明するための図である。
先ず、図8に示すように、基板1上に、下層レジスト膜2を形成する。下層レジスト膜2は、市販のノボラック樹脂系のレジストを300nm程度の厚さに回転塗布し、その後250℃程度の温度で60秒間熱処理して熱架橋させて形成した。
【0034】
次に、図9に示すように、下層レジスト膜2上に、シリコンを含有していない上層レジスト膜32を形成する。上層レジスト膜32は、市販のKrFエキシマ露光用ポジ型レジストを70nm程度の厚さに回転塗布し、100℃程度の温度で60秒間熱処理して形成した。
【0035】
さらに、図10に示すように、所定のマスク(図示省略)を介して活性光線4を照射することにより、上層レジスト膜32に対してパターンを露光する。このパターン露光は、F2エキシマレーザ露光装置(波長157nm、NA=0.6、σ=0.7)を用いて行った。
【0036】
その後、図示しないが、湿式現像を行う。これにより、図11に示すような上層レジストパターン32aが形成される。ここで、上記湿式現像は、通常のアルカリ現像液(2.38%テトラメチルアンモニウムハイドロオキシド水溶液)を用いて60秒間行った。
【0037】
続いて、図12に示すように、気相でシリル化処理して上層レジストパターン32a中にシリコンを導入する。これにより、シリル化された上層レジストパターン、言い換えればシリコンを含有する上層レジストパターン52が形成される。ここで、気相シリル化処理は、シリル化剤としてジメチルシリルジメチルアミンを用い、圧力55torr、温度50℃なる条件で60秒間行った。なお、図12中では、シリル化剤(雰囲気ガス)を簡便のためSiと示した。
【0038】
次に、図13に示すように、上層レジストパターン52に含まれるシリコンを、酸素を含む混合ガス又は酸素を用いたプラズマ処理によって酸化する。これにより、酸化された上層レジストパターン62が形成される。ここで、プラズマ処理の処理条件は、前述の実施の形態1と同様の条件である。
【0039】
最後に、図14に示すように、上層レジストパターン62をエッチングマスクとして、ドライ現像処理によって下層レジスト膜2をパターニングする。これにより、下層レジストパターン7および上層レジストパターン62からなる所望のレジストパターン82が形成される。ここで、ドライ現像処理は、実施の形態1と同様の条件である。
【0040】
以上説明したように、本実施の形態2による微細レジストパターンの形成方法では、パターニングされた上層レジストパターン32aをシリル化することによって、シリコンを含有する上層レジストパターン52を形成した。そして、この上層レジストパターン52をプラズマ処理により酸化することによって、ドライ現像に対し安定なシリコン酸化膜を有する上層レジストパターン62を形成した。さらに、この上層レジストパターン62をマスクとして、ドライ現像処理を行った。
従って、実施の形態1と同様の効果が得られる。すなわち、プラズマ処理なしでドライ現像処理する場合に比べて、ドライ現像処理における上層レジストパターン62の膜減りを大幅に抑制することができる。よって、下層レジスト膜2へのパターン転写時に、上層レジストパターン62に対して高いエッチング選択比が得られる。
これにより、上層レジスト膜32のさらなる薄膜化が容易に可能であり、微細レジストパターンを形成することができる。
【0041】
なお、本実施の形態2では、上層レジスト膜32としてKrFエキシマ露光用ポジ型レジストを用いたが、OH基、COOH基、NH基およびSH基のうち少なくとも一種を含むレジストであれば用いることができる。
【0042】
実施の形態3.
図15〜図21は、本発明の実施の形態3による微細レジストパターンの形成方法を説明するための図である。
先ず、図15に示すように、基板1上に下層レジスト膜2を形成する。下層レジスト膜2は、市販のノボラック樹脂系のレジストを300nm程度の厚さに回転塗布し、その後250℃程度の温度で60秒間熱処理して熱架橋させて形成した。
【0043】
次に、図16に示すように、下層レジスト膜2上に、シリコンを含有しない上層レジスト膜33を形成する。上層レジスト膜33は、市販のKrFエキシマ露光用ネガ型レジストを70nm程度の厚さに回転塗布し、90℃程度の温度で60秒間熱処理して形成した。
【0044】
さらに、図17に示すように、所定のマスク(図示省略)を介して活性光線4を照射することにより、上層レジスト膜33に対してパターンを露光する。
これにより、図18に示すように、上層レジスト膜33にレジストパターン潜像、すなわち露光領域10および未露光領域11が形成される。この露光処理により、上層レジスト膜33に含まれていたOH基が、露光領域10ではなくなり、未露光領域11では残存する。また、上記パターン露光は、F2エキシマレーザ露光装置(波長157nm、NA=0.6、σ=0.7)を用いて行った。
【0045】
続いて、図19に示すように、気相でのシリル化処理によって、未露光領域11にシリコンを選択的に導入する。これにより、実施の形態1の上層レジストパターン51に対応するシリル化領域12が形成される。ここで、シリル化はOH基が残存する未露光領域11のみで起こる。すなわち、マスク形成をすることなく、未露光領域11が自己整合的にシリル化される。また、上記気相シリル化処理は、シリル化剤としてジメチルシリルジメチルアミンを用い、圧力:55torr、温度:80℃からなる条件で60秒間行った。なお、図19中では、シリル化剤(雰囲気ガス)を簡便のためSiと示した。
【0046】
次に、図20に示すように、シリル化領域12を、酸素を含む混合ガス又は酸素を用いたプラズマ処理によって酸化して、実施の形態1の上層レジストパターン61に対応する酸化領域13を形成する。ここで、プラズマ処理の処理条件は、前述の実施の形態1と同様の条件である。
【0047】
最後に、図21に示すように、上層レジストパターンとしての酸化領域13をエッチングマスクとして、露光領域10及び下層レジスト膜2を同時にドライ現像処理する。これにより、下層レジストパターン7および酸化領域13からなる所望のレジストパターン83が形成される。ここで、ドライ現像処理の処理条件は、実施の形態1と同様の条件である。
【0048】
以上説明したように、本実施の形態3による微細レジストパターンの形成方法では、シリコンを含有する上層レジストパターンとしてのシリル化領域12を形成し、シリル化領域12をプラズマ処理により酸化して、ドライ現像に対し安定な酸化領域13を形成した。そして、この酸化領域13をマスクとして、下層レジスト膜2のドライ現像処理を行った。
従って、実施の形態1と同様の効果が得られる。すなわち、プラズマ処理なしでドライ現像処理する場合に比べて、ドライ現像処理において、上層レジストパターンとしての酸化領域13の膜減りを大幅に抑制することができる。よって、下層レジスト膜2へのパターン転写時に、上層レジストパターン(酸化領域13)に対して高いエッチング選択性が得られる。
これにより、上層レジスト膜33のさらなる薄膜化が容易に可能であり、微細レジストパターンを形成することができる。
【0049】
また、本実施の形態3では、湿式現像が不要である。従って、実施の形態1および2と比較して、製造工程数を減らすことができ、製造コストを抑えることができる。
【0050】
なお、本実施の形態3では、上層レジスト膜33としてKrFエキシマ露光用ネガ型レジストを用いたが、OH基、COOH基、NH基およびSH基のうち少なくとも一種を含むレジストであれば用いることができる。
ここで、上記官能基を含むポジ型レジストを上層レジスト膜33として用いた場合には、露光領域10に含まれるOH基が自己整合的にシリル化され、露光領域10がシリル化領域となる。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、下層レジスト膜へのパターン転写時に、上層レジストパターンの膜減りを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その1)。
【図2】 本発明の実施の形態1による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その2)。
【図3】 本発明の実施の形態1による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その3)。
【図4】 本発明の実施の形態1による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その4)。
【図5】 本発明の実施の形態1による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その5)。
【図6】 本発明の実施の形態1による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その6)。
【図7】 本発明の実施の形態1において、ドライ現像処理における上層レジストパターンの膜減り量と、ドライ現像処理時間の関係を示す図である。
【図8】 本発明の実施の形態2による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その1)。
【図9】 本発明の実施の形態2による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その2)。
【図10】 本発明の実施の形態2による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その3)。
【図11】 本発明の実施の形態2による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その4)。
【図12】 本発明の実施の形態2による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その5)。
【図13】 本発明の実施の形態2による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その6)。
【図14】 本発明の実施の形態2による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その7)。
【図15】 本発明の実施の形態3による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その1)。
【図16】 本発明の実施の形態3による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その2)。
【図17】 本発明の実施の形態3による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その3)。
【図18】 本発明の実施の形態3による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その4)。
【図19】 本発明の実施の形態3による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その5)。
【図20】 本発明の実施の形態3による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その6)。
【図21】 本発明の実施の形態3による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その7)。
【図22】 従来の微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その1)。
【図23】 従来の微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その2)。
【図24】 従来の微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その3)。
【図25】 従来の微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その4)。
【図26】 従来の微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その5)。
【符号の説明】
1 基板、 2 下層レジスト膜、 4 活性光線、 7 下層レジストパターン、 10 露光領域、 11 未露光領域、 12 シリル化領域、 13酸化領域(上層レジストパターン)、 31,32,33 上層レジスト膜、32a 上層レジストパターン、 51,52 上層レジストパターン、 61,62 上層レジストパターン、 81,82,83 レジストパターン。
【発明が属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法に係り、特に微細レジストパターンの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
微細レジストパターンの形成を目的として、シリコン含有2層レジストプロセスおよび2層シリル化プロセスのような種々の表層プロセスが広く検討されている。
以下、従来の微細レジストパターン形成方法の一例として、シリコン含有2層レジストプロセスについて説明する。図22〜図26は、従来の微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である。
【0003】
先ず、図22に示すように、下地基板としての基板1上に下層レジスト膜2を形成する。
次に、図23に示すように、下層レジスト膜2上に、シリコンを含有する上層レジスト膜30を形成する。
【0004】
そして、図24に示すように、所定のマスク(図示省略)を介して活性光線4を照射することにより、上層レジスト膜30にパターンを露光する。
その後、図示しないが、湿式現像を行う。これにより、図25に示すような上層レジストパターン50が形成される。
【0005】
最後に、図26に示すように、上層レジストパターン50をエッチングマスクとして、下層レジスト膜2をドライ現像処理する。ここで、ドライ現像処理とは、酸素プラズマ等を用いたドライエッチングをいう。これにより、下層レジストパターン7と上層レジストパターン50からなる所望のレジストパターン80が形成される。
【0006】
しかし、従来のレジストパターンの形成方法では、ドライ現像処理における上層レジストパターン50の膜減り速度が大きい。従って、上層レジスト膜30を薄膜化して、より微細なレジストパターン80を形成することができなかった。
そこで、従来は、ドライ現像処理中の上層レジストパターン50の膜減りを抑えるために、上層レジスト膜30中のシリコン含有率を高くしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年、より微細なレジストパターン80を形成するために、さらなる上層レジスト膜30の薄膜化が必要になってきている。
しかしながら、上層レジスト膜30中のシリコン含有率をさらに高くすると、レジスト材料の合成が難しくなる。さらに、レジスト材料の経時安定性が著しく劣化してしまう。
従って、上層レジスト膜30をさらに薄膜化する場合には、従来のようにシリコン含有率を高くする方法を適用できず、上層レジストパターン50の膜減りを抑えることができないという問題があった。
【0008】
このため、今後は、シリコン含有率の低いレジスト材料を使いつつ、且つドライ現像処理中の上層レジストパターン50の膜減りを抑える必要がある。すなわち、シリコン含有率の低いレジスト材料を用いて上層レジストパターンを形成した場合であっても、下層レジスト膜2へのパターン転写時に、上層レジストパターンに対してエッチング選択比の高いドライ現像処理を行う必要がある。
【0009】
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたもので、下層レジスト膜へのパターン転写時に、上層レジストパターンの膜減りを低減することを目的とする。
【0010】
【課題を解決する為の手段】
本発明に係る微細レジストパターンの形成方法は、基板上に下層レジスト膜を形成する工程と、
前記下層レジスト膜上に、シリコンを含有する上層レジストパターンを形成する工程と、
前記上層レジストパターンを酸化する工程と、
酸化された前記上層レジストパターンをマスクとして、ドライエッチングにより前記下層レジスト膜をパターニングする工程とを含み、
前記シリコンを含有する上層レジストパターンを形成する工程は、
前記下層レジスト膜上に、上層レジスト膜を形成する工程と、
前記上層レジスト膜にパターンを露光して、前記上層レジスト膜に露光領域および未露光領域を形成する工程と、
前記露光領域又は前記未露光領域にシリコンを導入する工程とを含み、
前記下層レジスト膜をパターニングする工程では、前記シリコンが導入されていない露光領域又は未露光領域をドライエッチングにより除去することを特徴とするものである。
【0015】
本発明に係る微細レジストパターンの形成方法において、
前記露光領域又は前記未露光領域の上層レジスト膜が、OH基、COOH基、NH基およびSH基の少なくとも一種を含むことが好適である。
【0016】
本発明に係る微細レジストパターンの形成方法において、
酸素分子、酸素原子、酸素イオンおよび酸素ラジカルの少なくとも一種を含む反応性ガスを用いて、前記上層レジストパターンを酸化することが好適である。
【0017】
本発明に係る微細レジストパターンの形成方法において、
酸素を含む混合ガス又は酸素を用いたプラズマ処理によって、前記上層レジストパターンを酸化することが好適である。
【0018】
本発明に係る微細レジストパターンの形成方法において、
前記プラズマ処理を、前記ドライエッチングよりも前記上層レジストパターンのエッチングレートが低い条件で行うことが好適である。
【0019】
本発明に係る微細レジストパターンの形成方法において、
前記プラズマ処理および前記ドライエッチングを同一処理室内で連続して行うことが好適である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図中、同一または相当する部分には同一の符号を付してその説明を簡略化ないし省略することがある。
【0021】
実施の形態1.
図1〜図6は、本発明の実施の形態1による微細レジストパターンの形成方法を説明するための図である。
先ず、図1に示すように、基板1上に、下層レジスト膜2を形成する。ここで、下層レジスト膜2は、市販のノボラック樹脂系のレジストを300nm程度の厚さに回転塗布し、その後250℃程度の温度で60秒間熱処理して熱架橋させて形成した。また、基板1は、半導体装置の下地基板であり、通常の方法により形成された半導体基板又は絶縁基板である(後述の実施の形態2および3についても同様)。
【0022】
次に、図2に示すように、下層レジスト膜2上に、シリコンを含有する上層レジスト膜31を形成する。ここで、上層レジスト膜31は、ポジ型シリコン含有レジストを70nm程度の厚さに回転塗布し、その後100℃程度の温度で60秒間熱処理して形成した。なお、後述する上層レジストパターン61が形成できれば、上層レジスト膜31中のシリコンの含有率は低くてもよい。
【0023】
そして、図3に示すように、所定のマスク(図示省略)を介して活性光線4を照射することにより、上層レジスト膜31に対してパターンを露光する。このパターン露光は、F2エキシマレーザ露光装置(波長157nm、NA=0.6、σ=0.7)を用いて行った。
【0024】
その後、図示しないが、湿式現像処理を行う。これにより、図4に示すような上層レジストパターン51が形成される。ここで、上記湿式現像処理は、通常のアルカリ現像液(例えば、2.38%テトラメチルアンモニウムハイドロオキシド水溶液)を用いて60秒間行った。
【0025】
次に、図5に示すように、上層レジストパターン51を、酸素を含む混合ガス又は酸素を用いたプラズマ処理によって酸化する。これにより、上層レジストパターン51に含まれるシリコンが酸化された上層レジストパターン61が形成される。ここで、上記プラズマ処理は、TCP(Transformer Coupled Plasma)エッチング装置を用いて、上部パワー:500W、下部パワー:0W、O2流量:115sccm、SO2流量:15sccm、圧力:5mtorr、基板温度:−10℃からなる条件で45秒間行った。
なお、上記プラズマ処理において、上層レジストパターン51(61)が膜減りする。上記プラズマ処理は、後述するドライ現像処理よりも上層レジストパターンのエッチングレートが低い条件、好ましくはエッチングレートが50%以下となる条件で行う(後述する実施の形態2および3についても同様)。
【0026】
最後に、図6に示すように、上層レジストパターン61をエッチングマスクとして、ドライ現像処理によって下層レジスト膜2をパターニングする。これにより、下層レジストパターン7と上層レジストパターン61からなる所望のレジストパターン81が形成される。ここで、上記ドライ現像処理は、酸素プラズマ等を用いたドライエッチングをいう。このドライ現像処理は、上記TCPエッチング装置を用いて、上部パワー:500W、下部パワー:60W、O2流量:130sccm、SO2流量:10sccm、圧力:5mtorr、基板温度:−10℃なる条件で30秒間行った。
【0027】
以上説明したように、本実施の形態1による微細レジストパターンの形成方法では、シリコンを含む上層レジストパターン51を形成し、そのシリコンをプラズマ処理により酸化して、上層レジストパターン51の表面または全体にドライ現像処理に対し安定なシリコン酸化膜を有する上層レジストパターン61を形成した。そして、この上層レジストパターン61をマスクとして、ドライ現像処理を行った。
従って、酸化処理をすることなくドライ現像処理する場合に比べて、上層レジストパターン61の膜減りを大幅に抑制することができる(後述の図7および表1参照)。よって、下層レジスト膜2へのパターン転写時(ドライ現像処理時)に、上層レジストパターン61の膜減りを低減することができる。
また、プラズマ処理(酸化処理)およびドライ現像処理をin−situで(同一処理室内で連続して)行うことができるため、製造時間の短縮および製造コストの低減を図ることができる。
【0028】
次に、ドライ現像処理における上層レジストパターン61の膜減り抑制効果について説明する。
図7は、ドライ現像処理における上層レジストパターン61の膜減り量(Etching thickness)と、ドライ現像処理時間(Dry-development time)の関係を示す図である。
図7において、ドライ現像処理時間が30秒の時点で、予めプラズマ処理を45秒間施した(図中の“With plasma treatment”に対応する)上層レジストパターン61の膜減り量が、プラズマ処理を施していない(図中の“Without plasma treatment”に対応する)上層レジストパターン61の膜減り量の約1/4にまで減少している。
従って、上層レジストパターンにプラズマ処理を施すことにより、ドライ現像処理中の膜減りを大幅に抑制することができる。言い換えれば、プラズマ処理等の酸化処理が、ドライ現像処理中の上層レジストパターンの膜減り抑制に極めて有効であることが分かった。
【0029】
表1は、上層レジストパターンの全膜減り量(プラズマ処理による膜減り量とドライ現像処理による膜減り量の合計)と、下層レジスト膜2であるノボラック樹脂系レジストの上層レジストパターン61に対するエッチング選択比の結果を示している。表1に示すように、上層レジストパターンにプラズマ処理を施すことで、上層レジストパターンの全膜減り量が減少するだけでなく、ドライ現像処理におけるエッチング選択比が2倍以上に高くなっている。従って、上層レジスト膜31のさらなる薄膜化が容易に可能であり、微細レジストパターンを形成することができる。
【表1】
【0030】
なお、本実施の形態1では、プラズマ処理により上層レジストパターンの酸化処理を行ったが、これに限らず、酸素分子、酸素原子、酸素イオンおよび酸素ラジカルの少なくとも一種を含む反応性ガスを用いた酸化処理であれば適用可能である(後述する実施の形態2および3についても同様)。
【0031】
また、本実施の形態1では、TCPエッチング装置を用いてプラズマ処理(酸化処理)およびドライ現像処理を行ったが、ECR(Electron Cyclotron Resonance)エッチング装置やICP(Inductively coupled plasma)エッチング装置等のプラズマエッチング装置を用いてもよい。
また、露光装置も、F2エキシマレーザ露光装置に限らず、ArFエキシマレーザ露光装置、KrFエキシマレーザ露光装置、EB露光装置、およびEUV露光装置等を用いることができる(後述する実施の形態2および3についても同様)。
また、プラズマ処理のみであれば、TCPエッチング装置の代わりに、プラズマCVD装置やUVキュアー装置を用いることができる(後述する実施の形態2および3についても同様)。
また、プラズマを用いずに酸化処理を行う場合には、例えば常圧オゾンCVD装置のような常圧CVD装置、熱CVD装置、および熱酸化炉を用いることができる。ここで、熱CVD装置又は熱酸化炉を用いる場合には、レジストの耐熱を考慮して処理温度を制限し、処理時間を長くして酸化処理を行う(後述する実施の形態2および3についても同様)。
【0032】
また、本実施の形態1ではプラズマ処理により上層レジストパターン51中のシリコンを酸化したが、該プラズマ処理において、酸化種を含む反応性ガスにN2O(又はNO)ガスを添加することにより、シリコン酸窒化膜(SiON膜)を形成してもよい。このシリコン酸窒化膜も高いドライエッチング耐性を有するため、上層レジストパターンの膜減りを低減することができる(後述する実施の形態2および3についても同様)。
【0033】
実施の形態2.
図8〜図14は、本発明の実施の形態2による微細レジストパターンの形成方法を説明するための図である。
先ず、図8に示すように、基板1上に、下層レジスト膜2を形成する。下層レジスト膜2は、市販のノボラック樹脂系のレジストを300nm程度の厚さに回転塗布し、その後250℃程度の温度で60秒間熱処理して熱架橋させて形成した。
【0034】
次に、図9に示すように、下層レジスト膜2上に、シリコンを含有していない上層レジスト膜32を形成する。上層レジスト膜32は、市販のKrFエキシマ露光用ポジ型レジストを70nm程度の厚さに回転塗布し、100℃程度の温度で60秒間熱処理して形成した。
【0035】
さらに、図10に示すように、所定のマスク(図示省略)を介して活性光線4を照射することにより、上層レジスト膜32に対してパターンを露光する。このパターン露光は、F2エキシマレーザ露光装置(波長157nm、NA=0.6、σ=0.7)を用いて行った。
【0036】
その後、図示しないが、湿式現像を行う。これにより、図11に示すような上層レジストパターン32aが形成される。ここで、上記湿式現像は、通常のアルカリ現像液(2.38%テトラメチルアンモニウムハイドロオキシド水溶液)を用いて60秒間行った。
【0037】
続いて、図12に示すように、気相でシリル化処理して上層レジストパターン32a中にシリコンを導入する。これにより、シリル化された上層レジストパターン、言い換えればシリコンを含有する上層レジストパターン52が形成される。ここで、気相シリル化処理は、シリル化剤としてジメチルシリルジメチルアミンを用い、圧力55torr、温度50℃なる条件で60秒間行った。なお、図12中では、シリル化剤(雰囲気ガス)を簡便のためSiと示した。
【0038】
次に、図13に示すように、上層レジストパターン52に含まれるシリコンを、酸素を含む混合ガス又は酸素を用いたプラズマ処理によって酸化する。これにより、酸化された上層レジストパターン62が形成される。ここで、プラズマ処理の処理条件は、前述の実施の形態1と同様の条件である。
【0039】
最後に、図14に示すように、上層レジストパターン62をエッチングマスクとして、ドライ現像処理によって下層レジスト膜2をパターニングする。これにより、下層レジストパターン7および上層レジストパターン62からなる所望のレジストパターン82が形成される。ここで、ドライ現像処理は、実施の形態1と同様の条件である。
【0040】
以上説明したように、本実施の形態2による微細レジストパターンの形成方法では、パターニングされた上層レジストパターン32aをシリル化することによって、シリコンを含有する上層レジストパターン52を形成した。そして、この上層レジストパターン52をプラズマ処理により酸化することによって、ドライ現像に対し安定なシリコン酸化膜を有する上層レジストパターン62を形成した。さらに、この上層レジストパターン62をマスクとして、ドライ現像処理を行った。
従って、実施の形態1と同様の効果が得られる。すなわち、プラズマ処理なしでドライ現像処理する場合に比べて、ドライ現像処理における上層レジストパターン62の膜減りを大幅に抑制することができる。よって、下層レジスト膜2へのパターン転写時に、上層レジストパターン62に対して高いエッチング選択比が得られる。
これにより、上層レジスト膜32のさらなる薄膜化が容易に可能であり、微細レジストパターンを形成することができる。
【0041】
なお、本実施の形態2では、上層レジスト膜32としてKrFエキシマ露光用ポジ型レジストを用いたが、OH基、COOH基、NH基およびSH基のうち少なくとも一種を含むレジストであれば用いることができる。
【0042】
実施の形態3.
図15〜図21は、本発明の実施の形態3による微細レジストパターンの形成方法を説明するための図である。
先ず、図15に示すように、基板1上に下層レジスト膜2を形成する。下層レジスト膜2は、市販のノボラック樹脂系のレジストを300nm程度の厚さに回転塗布し、その後250℃程度の温度で60秒間熱処理して熱架橋させて形成した。
【0043】
次に、図16に示すように、下層レジスト膜2上に、シリコンを含有しない上層レジスト膜33を形成する。上層レジスト膜33は、市販のKrFエキシマ露光用ネガ型レジストを70nm程度の厚さに回転塗布し、90℃程度の温度で60秒間熱処理して形成した。
【0044】
さらに、図17に示すように、所定のマスク(図示省略)を介して活性光線4を照射することにより、上層レジスト膜33に対してパターンを露光する。
これにより、図18に示すように、上層レジスト膜33にレジストパターン潜像、すなわち露光領域10および未露光領域11が形成される。この露光処理により、上層レジスト膜33に含まれていたOH基が、露光領域10ではなくなり、未露光領域11では残存する。また、上記パターン露光は、F2エキシマレーザ露光装置(波長157nm、NA=0.6、σ=0.7)を用いて行った。
【0045】
続いて、図19に示すように、気相でのシリル化処理によって、未露光領域11にシリコンを選択的に導入する。これにより、実施の形態1の上層レジストパターン51に対応するシリル化領域12が形成される。ここで、シリル化はOH基が残存する未露光領域11のみで起こる。すなわち、マスク形成をすることなく、未露光領域11が自己整合的にシリル化される。また、上記気相シリル化処理は、シリル化剤としてジメチルシリルジメチルアミンを用い、圧力:55torr、温度:80℃からなる条件で60秒間行った。なお、図19中では、シリル化剤(雰囲気ガス)を簡便のためSiと示した。
【0046】
次に、図20に示すように、シリル化領域12を、酸素を含む混合ガス又は酸素を用いたプラズマ処理によって酸化して、実施の形態1の上層レジストパターン61に対応する酸化領域13を形成する。ここで、プラズマ処理の処理条件は、前述の実施の形態1と同様の条件である。
【0047】
最後に、図21に示すように、上層レジストパターンとしての酸化領域13をエッチングマスクとして、露光領域10及び下層レジスト膜2を同時にドライ現像処理する。これにより、下層レジストパターン7および酸化領域13からなる所望のレジストパターン83が形成される。ここで、ドライ現像処理の処理条件は、実施の形態1と同様の条件である。
【0048】
以上説明したように、本実施の形態3による微細レジストパターンの形成方法では、シリコンを含有する上層レジストパターンとしてのシリル化領域12を形成し、シリル化領域12をプラズマ処理により酸化して、ドライ現像に対し安定な酸化領域13を形成した。そして、この酸化領域13をマスクとして、下層レジスト膜2のドライ現像処理を行った。
従って、実施の形態1と同様の効果が得られる。すなわち、プラズマ処理なしでドライ現像処理する場合に比べて、ドライ現像処理において、上層レジストパターンとしての酸化領域13の膜減りを大幅に抑制することができる。よって、下層レジスト膜2へのパターン転写時に、上層レジストパターン(酸化領域13)に対して高いエッチング選択性が得られる。
これにより、上層レジスト膜33のさらなる薄膜化が容易に可能であり、微細レジストパターンを形成することができる。
【0049】
また、本実施の形態3では、湿式現像が不要である。従って、実施の形態1および2と比較して、製造工程数を減らすことができ、製造コストを抑えることができる。
【0050】
なお、本実施の形態3では、上層レジスト膜33としてKrFエキシマ露光用ネガ型レジストを用いたが、OH基、COOH基、NH基およびSH基のうち少なくとも一種を含むレジストであれば用いることができる。
ここで、上記官能基を含むポジ型レジストを上層レジスト膜33として用いた場合には、露光領域10に含まれるOH基が自己整合的にシリル化され、露光領域10がシリル化領域となる。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、下層レジスト膜へのパターン転写時に、上層レジストパターンの膜減りを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その1)。
【図2】 本発明の実施の形態1による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その2)。
【図3】 本発明の実施の形態1による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その3)。
【図4】 本発明の実施の形態1による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その4)。
【図5】 本発明の実施の形態1による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その5)。
【図6】 本発明の実施の形態1による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その6)。
【図7】 本発明の実施の形態1において、ドライ現像処理における上層レジストパターンの膜減り量と、ドライ現像処理時間の関係を示す図である。
【図8】 本発明の実施の形態2による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その1)。
【図9】 本発明の実施の形態2による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その2)。
【図10】 本発明の実施の形態2による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その3)。
【図11】 本発明の実施の形態2による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その4)。
【図12】 本発明の実施の形態2による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その5)。
【図13】 本発明の実施の形態2による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その6)。
【図14】 本発明の実施の形態2による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その7)。
【図15】 本発明の実施の形態3による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その1)。
【図16】 本発明の実施の形態3による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その2)。
【図17】 本発明の実施の形態3による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その3)。
【図18】 本発明の実施の形態3による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その4)。
【図19】 本発明の実施の形態3による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その5)。
【図20】 本発明の実施の形態3による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その6)。
【図21】 本発明の実施の形態3による微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その7)。
【図22】 従来の微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その1)。
【図23】 従来の微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その2)。
【図24】 従来の微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その3)。
【図25】 従来の微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その4)。
【図26】 従来の微細レジストパターンの形成方法を説明するための断面図である(その5)。
【符号の説明】
1 基板、 2 下層レジスト膜、 4 活性光線、 7 下層レジストパターン、 10 露光領域、 11 未露光領域、 12 シリル化領域、 13酸化領域(上層レジストパターン)、 31,32,33 上層レジスト膜、32a 上層レジストパターン、 51,52 上層レジストパターン、 61,62 上層レジストパターン、 81,82,83 レジストパターン。
Claims (6)
- 基板上に下層レジスト膜を形成する工程と、
前記下層レジスト膜上に、シリコンを含有する上層レジストパターンを形成する工程と、
前記上層レジストパターンを酸化する工程と、
酸化された前記上層レジストパターンをマスクとして、ドライエッチングにより前記下層レジスト膜をパターニングする工程とを含み、
前記シリコンを含有する上層レジストパターンを形成する工程は、
前記下層レジスト膜上に、上層レジスト膜を形成する工程と、
前記上層レジスト膜にパターンを露光して、前記上層レジスト膜に露光領域および未露光領域を形成する工程と、
前記露光領域又は前記未露光領域にシリコンを導入する工程とを含み、
前記下層レジスト膜をパターニングする工程では、前記シリコンが導入されていない露光領域又は未露光領域をドライエッチングにより除去することを特徴とする微細レジストパターンの形成方法。 - 請求項1に記載の形成方法において、
前記露光領域又は前記未露光領域の上層レジスト膜が、OH基、COOH基、NH基およびSH基の少なくとも一種を含むことを特徴とする微細レジストパターンの形成方法。 - 請求項1又は2に記載の形成方法において、
酸素分子、酸素原子、酸素イオンおよび酸素ラジカルの少なくとも一種を含む反応性ガスを用いて、前記上層レジストパターンを酸化することを特徴とする微細レジストパターンの形成方法。 - 請求項1から3に記載の形成方法において、
酸素を含む混合ガス又は酸素を用いたプラズマ処理によって、前記上層レジストパターンを酸化することを特徴とする微細レジストパターンの形成方法。 - 請求項4に記載の形成方法において、
前記プラズマ処理を、前記ドライエッチングよりも前記上層レジストパターンのエッチングレートが低い条件で行うことを特徴とする微細レジストパターンの形成方法。 - 請求項4又は5に記載の形成方法において、
前記プラズマ処理および前記ドライエッチングを同一処理室内で連続して行うことを特徴とする微細レジストパターンの形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001229257A JP3660280B2 (ja) | 2001-07-30 | 2001-07-30 | 微細レジストパターンの形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001229257A JP3660280B2 (ja) | 2001-07-30 | 2001-07-30 | 微細レジストパターンの形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003045777A JP2003045777A (ja) | 2003-02-14 |
JP3660280B2 true JP3660280B2 (ja) | 2005-06-15 |
Family
ID=19061630
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001229257A Expired - Fee Related JP3660280B2 (ja) | 2001-07-30 | 2001-07-30 | 微細レジストパターンの形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3660280B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007073684A (ja) | 2005-09-06 | 2007-03-22 | Toshiba Corp | パターン形成方法 |
JP5563860B2 (ja) * | 2010-03-26 | 2014-07-30 | 東京エレクトロン株式会社 | 基板処理方法 |
-
2001
- 2001-07-30 JP JP2001229257A patent/JP3660280B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003045777A (ja) | 2003-02-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6451512B1 (en) | UV-enhanced silylation process to increase etch resistance of ultra thin resists | |
US6716570B2 (en) | Low temperature resist trimming process | |
JP4921898B2 (ja) | 半導体素子の製造方法 | |
US6599844B2 (en) | Method and forming fine patterns of semiconductor devices using passivation layers | |
TW200523989A (en) | Method for forming resist pattern and method for manufacturing semiconductor device | |
JPH0777809A (ja) | シリレーションを利用したパターン形成方法 | |
KR100415091B1 (ko) | 미세패턴 형성 방법 | |
JP3660280B2 (ja) | 微細レジストパターンの形成方法 | |
JP2674589B2 (ja) | レジストパターンの形成方法 | |
JPH0883786A (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
US5866302A (en) | Pattern formation method | |
JP4836363B2 (ja) | レジストパターンの形成方法 | |
KR100741913B1 (ko) | 패턴의 임계치수 균일도를 개선한 사진 공정 및 이를이용한 반도체 소자의 콘택홀 형성 방법 | |
JP2001326173A (ja) | パターン形成方法 | |
US7387869B2 (en) | Method of forming pattern for semiconductor device | |
JP2647011B2 (ja) | レジストパターンの形成方法 | |
JP2003031486A (ja) | 微細レジストパターンの形成方法 | |
JP3354901B2 (ja) | 微細パターンの形成方法、半導体装置および半導体装置の製造方法 | |
JP3257126B2 (ja) | パターン形成方法 | |
JP2005114973A (ja) | 微細レジストパターンの形成方法 | |
JPH05142788A (ja) | レジストパターンの形成方法 | |
JP2004078119A (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
KR100195230B1 (ko) | 반도체 소자의 사진 식각 방법 | |
JP3035535B1 (ja) | パタ―ン形成方法及びパタ―ン形成装置 | |
JPH06214397A (ja) | 微細パターンの形成方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050315 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050316 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |