JP3660243B2 - 車両用カップホルダ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用カップホルダに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、以下の▲1▼、▲2▼、▲3▼の代表的なカップホルダが知られている。
▲1▼図14に示すように、カップCを固定するために設けられた1枚の変形しない樹脂材からなるサポート3を、ホルダ本体2に張出位置と押し下げ位置との間で回動可能に取り付けたカップホルダ1。
▲2▼カップを固定するために設けられた1枚の変形可能なゴム材からなるサポートを、ホルダ本体に取り付けたカップホルダ。
▲3▼特開平11−348641号公報では、多種多様なカップCの外径に対応できるように、2枚の変形しない樹脂材からなるサポート3a、3bを、ホルダ本体2に張出位置と押し下げ位置との間で同軸まわりに回動可能に取り付けたカップホルダ1。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来カップホルダには、それぞれ以下の課題(問題点)がある。
▲1▼の課題
(a)2枚のサポートに比べて、対応できるカップCの径が少ない。
(b)カップホルダ1に収納していたカップCを取り出すとき、押し下げ位置にあったサポート3がバネ力により張出位置まで戻り、ホルダ本体2に当たり打音が発生する。
▲2▼の課題
(a)2枚のサポートに比べて、対応できるカップの径が少ない。
(b)大径カップを収納し、サポートが長時間押し曲げられると、サポートに形状変化(へたり)が生じ元の形状に戻らない。
▲3▼の課題
(a)カップホルダ1に収容するカップCの種類によっては、図15に示すように、カップCの底面外周に折り返し部5が設けられている。そのため、カップCをカップホルダ1に挿入する時に、カップCの折り返し部5が2枚のサポート3a、3bの間の隙間に入り込み、引っ掛かるおそれがある。
(b)カップホルダ1に収納していたカップCを取り出すとき、押し下げ位置にあった下段サポート3bがバネ力により張出位置まで戻ったときに、上段サポート3a、または、ホルダ本体2に当たり打音が発生する。
(c)カップホルダ1に収納していたカップCを取り出すとき、2枚のサポート3a、3bにより収納部の開口が狭くなる。そのため、カップの取り出しが困難である。
本発明の目的は、多種多様な外径のカップに対応でき、サポート同士の打音の発生を防止できる車両用カップホルダを提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、サポートがカップにより押し曲げられた場合でも、サポート形状が従来より復元する車両用カップホルダを提供することにある。本発明のさらにもう一つの目的は、カップの挿入、取り出しが容易な車両用カップホルダを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
(1) 上下2段式サポートを有する車両用カップホルダであって、
前記上段サポートは軟質材からなり、固定されており、押されたときに変形可能であり、
前記下段サポートは樹脂成形板からなり前記上段サポートより収容部内への張出量が大とされており、張出位置と押し下げ位置との間で回動可能であり、押し下げ位置から張出位置側に付勢されており、
前記上段サポートは張出位置から押し下げ位置側に変形したときに前記下段サポートにより押し下げ位置から張出位置側に押される、
車両用カップホルダ。
) 前記下段サポートは、上面からなるガイド面と、該ガイド面から凹み内側に前記上段サポートを受け入れることが可能な凹部とを、有する(1)記載の車両用カップホルダ。
) 前記下段サポートのガイド面は前記凹部の左右両側にもある()記載の車両用カップホルダ。
【0005】
上記(1)〜()の車両用カップホルダでは、上下2段式サポートであるので、1枚のサポートのみの場合に比べてより多くの径に対応できる他、上段サポートの変形と下段サポートの回動によって、それぞれのサポートの対応領域において任意の径に対応でき広い範囲の任意のカップ径に対応できる。
また、上段サポートは軟質材からなるので、下段サポートがはね上げられて上段サポートに当たった時の打音の発生を防止できる。
また、下段サポートは樹脂成形板からなるので、上段サポートが長時間押し曲げられた場合でも、上段サポートは下段サポートにより押し下げ位置から張出位置側に押される。そのため、上段サポートが長時間押し曲げられた場合でも、上段サポートに形状変化(へたり)は起こりにくい。
また、カップを収納部から取り出す際に、上段サポートを変形させて取り出すことができる。そのため、上段サポートが変形しない樹脂材からなる場合に比べて、収納部の開口が広くなり、カップの取り出しが容易である。
上記()の車両用カップホルダでは、下段サポートのガイド面が凹部の左右両側にもあるので、カップ挿入時に、カップが上段サポートと下段サポートとの間の隙間に入り込み引っ掛かりにくい。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1〜図10は、本発明実施例1の車両用カップホルダを示しており、図11〜図13は、本発明実施例2の車両用カップホルダを示している。
本発明実施例1と本発明実施例2に共通な部分には、両実施例にわたって同じ符号を付してある。
まず、本発明実施例1と本発明実施例2に共通な部分を、たとえば、図1〜図10を参照して、説明する。
【0007】
本発明実施例の車両用カップホルダは、車両の内装部材に設けられており、たとえば、コンソールアッパ面に設けられる。ただし、本発明実施例の車両用カップホルダは、インスツルメントパネル等の車両の他の内装部材に設けられていてもよい。
本発明実施例の車両用カップホルダ10は、図1に示すように、ホルダ本体20と、ホルダ本体20に取り付けられる上段サポート30と、ホルダ本体20に取り付けられる下段サポート40とを、有する。
【0008】
ホルダ本体20は、たとえば樹脂製である。ホルダ本体20は、少なくとも1つの(図示例では2つの)カップCが収納可能な収納部21を有している。収納部21は、上方に開口している。
ホルダ本体20には、サポート固定本体22が設けられている。サポート固定本体22は、ホルダ本体20と別体に形成されてホルダ本体20に着脱可能に取り付けられる。ただし、サポート固定本体22は、ホルダ本体20と一体に形成されていてもよい。サポート固定本体22には、上段サポート30と下段サポート40が取付けられる。
【0009】
サポート固定本体22は、図3に示すように、上壁と側壁と底壁を有しており、収納部21側に開口している。サポート固定本体22は、収納部21の一側壁から収納部外側に凹む受入れ部22aと、上段サポート30が取り付けられる位置決め固定突起22bと、下段サポート40が取り付けられる組付用穴22cとを、有する。
受入れ部22aは、サポート固定本体22の上壁と側壁と底壁とで形成される内側部分である。
位置決め固定突起22bは、受入れ部22aの上面に設けられている。位置決め固定突起22bは、受入れ部22aの上面から下面側に突出している。位置決め固定突起22bは、複数設けられていてもよい(本発明図示例では、2個設けられている場合を示している)。
組付用穴22cは、サポート固定本体22の側壁のうち互いに対向する側壁に形成されている。組付用穴22cは、図2に示すように、位置決め固定突起22bよりも収納部21側に形成されている。
【0010】
上段サポート30は、押されたときに変形可能な板状のゴム材からなる。上段サポート30には、図3に示すように、貫通穴31が形成されている。貫通穴31は、ホルダ本体20の位置決め固定突起22bと同数形成され、位置決め固定突起22bが挿通される。貫通穴31に挿通された位置決め固定突起22bを熱かしめすることにより、上段サポート30は、ホルダ本体20に固定される。
上段サポート30は、カップCにより押されておらず、収納部21内側に張り出す張出位置にあるとき、収納部21へのカップCの出し入れ方向と直交またはほぼ直交する方向に延びている(図2参照)。
【0011】
下段サポート40は、弾性変形しない板状の樹脂材からなる。下段サポート40は、ホルダ本体10に、張出位置と押し下げ位置との間で回動可能に支持される。ここで、張出位置とは、図2に示すように、下段サポート40が、カップCの収納部21への出し入れ方向と直交またはほぼ直交する方向に延び、上段サポート30と接触する位置である。また、押し下げ位置とは、図8に示すように、下段サポート40が、カップCの収納部21への出し入れ方向と平行またはほぼ平行な方向に延び、ホルダ本体20の受入れ部22a内にある位置である。
【0012】
下段サポート40は、常時、付勢バネ50により、押し下げ位置から張出位置側に回動付勢されている。下段サポート40は、張出位置にあるとき、上段サポート30と接触しておりホルダ本体20とは接触しない。
下段サポート40が張出位置にあるときの、下段サポート40の収納部21内への張出量は、上段サポートが張出位置にあるときの、上段サポート30の収納部21内への張出量より大とされている。
下段サポート40には、図3に示すように、上面からなるガイド面41と、ホルダ本体20の組付用穴22cに回動可能に支持される突起部42と、上面から凹む凹部43とが設けられている。ただし、凹部43は、設けられていなくてもよい。
突起部42は、上下方向と直交する方向に延びている。突起部42が組付用穴22cに回動可能に支持されることにより、下段サポート40は、ホルダ本体20に回動可能に支持される。
【0013】
ここで、収納部21に収納されるカップCの径と、上段サポート30と、下段サポート40との位置関係を説明する。
収納部21にカップCが収納されていない場合、図2に示すように、上段サポート30と下段サポート40は張出位置にある。上段サポート30と下段サポート40とは接触している。
【0014】
収納部21に外径が小さい、たとえば190ml容量のカップCを収納した場合、図4に示すように、上段サポート30と下段サポート40は張出位置にある。カップCの側面は、収納部21の側壁21aと、下段サポート40とに接触している。
【0015】
収納部21にさらに大きい外径を有するカップ、たとえば350ml容量のカップCを収納した場合、図5に示すように、上段サポート30は張出位置にあり、下段サポート40はカップCによって押し下げ位置側に押し下げられている。カップCの側面は、収納部21の側壁21aと、上段サポート30と、下段サポート40とに接触している。
【0016】
収納部21にさらに大きい外径を有するカップ、たとえば500ml容量のカップCを収納した場合、図8に示すように、上段サポート30は変形して押し下げ位置側に押し下げられ、下段サポート40は押し下げ位置側に押し下げられている。カップCの側面は、収納部21の側壁21aと、上段サポート30と、下段サポート40とに接触している。
【0017】
つぎに、本発明実施例の作用を説明する。
上段サポート30と下段サポート40からなる上下2段式サポートであるので、1枚のサポートのみの場合に比べて多種多様な外径のカップに対応できる他、上段サポート30の変形と下段サポート40の回動によって、それぞれのサポートの対応領域において任意の径に対応でき広い範囲の任意のカップ径に対応できる。
また、上段サポート30がゴム材からなるので、下段サポート40が付勢バネ50の付勢力によりはね上げられて上段サポート30に当たった時の打音の発生を防止できる。
【0018】
また、下段サポート40は弾性変形しない板状の樹脂材からなるので、上段サポート30がカップCにより長時間押し曲げられた場合でも、カップCを収納部21から取り外すと、上段サポート30は下段サポート40により押し下げ位置から張出位置側に押される(図10参照)。そのため、上段サポート30が長時間押し曲げられた場合でも、上段サポートに形状変化(へたり)は起こりにくい。
【0019】
さらに、上段サポート30がゴム材からなるので、上段サポート30でカップCを押さえていれば、走行時におけるカップCの振動が抑制される。
また、上段サポート30がゴム材からなるので、図9に示すように、カップCを収納部21から取り出す際に、上段サポート30を変形させて取り出すことができる。そのため、上段サポート30が収納部21の開口を狭くすることはない。
【0020】
つぎに、本発明の各実施例に特有な部分を説明する。
本発明の実施例1では、図1〜図10に示すように、下段サポート40に凹部43が設けられている場合を示している。凹部43は、内側に上段サポート30を受け入れ可能である。下段サポート40の凹部43の底面は、張出位置にあるとき、上段サポート30の裏面に当接する。
ガイド面41は、凹部43の、下段サポート40の張出方向先端側と、凹部43の左右両側にある。
【0021】
本発明実施例1の作動を説明する。
図6に示すように、大径(たとえば、500ml容量)のカップCを収納部21に収納する時、カップCの底面が下段サポート40の上面からなるガイド面41に接触する。
カップCを収納部21内側に移動させると、図7に示すように、カップCの底面は、ガイド面41上を滑りながら下方に移動する。そのとき、上段サポート30も、下段サポート40とともに押し下げ位置側に押し曲げられる。
さらに、カップCの底面が収納部21の底面に接触するまでカップCを収納部21内側に移動させることにより、図8に示すように、カップCは収納部21内に収納される。
【0022】
本発明実施例1の作用を説明する。
本発明実施例1では、カップCを収納部21に収納するとき、カップCの底面が凹部43内に入り込むことなくガイド面41上を滑るので、カップCの底面外周に折り返し部50が設けられている場合でも、カップCの折り返し部50が上段サポート30と下段サポート40との間の隙間に入り込み、引っ掛かりにくい。そのため、カップCに折り返し部50が設けられている場合でも、カップCを収納部21に慎重に挿入する必要はない。
【0023】
本発明の実施例2では、図11〜図13に示すように、下段サポート40に凹部43が設けられていない場合を示している。下段サポート40の上面41は、張出位置にあるとき、上段サポート30の裏面に当接する。
【0024】
本発明実施例2の作動を説明する。
図11に示すように、大径(たとえば、500ml容量)のカップCを収納部21に収納する時、カップCの底面が上段サポート30の上面に接触する。
カップCを収納部21内側に移動させると、図12に示すように、カップCの底面は、上段サポート30上を滑りながら下方に移動する。そのとき、下段サポート40も、上段サポート30とともに押し下げ位置側に押し下げられる。
さらに、カップCを収納部21内側に移動させると、図13に示すように、カップCの底面は上段サポート30から下段サポート40の上面41に移り、下段サポート40上を滑りながら下方に移動する。
さらに、カップCの底面が収納部21の底面に接触するまでカップCを収納部21内側に移動させることにより、カップCは収納部21内に収納される。
【0025】
本発明実施例2の作用を説明する。
本発明実施例2では、カップCの底面外周に折り返し部50が設けられている場合でも、カップCの折り返し部50が上段サポート30と下段サポート40との間の隙間に入り込み、引っ掛かるおそれはない。そのため、カップCに折り返し部50が設けられている場合でも、カップCを収納部21に慎重に挿入する必要はない。
【0026】
【発明の効果】
請求項1〜請求項記載の車両用カップホルダによれば、上下2段式サポートであるので、1枚のサポートのみの場合に比べてより多くの径に対応できる他、上段サポートの変形と下段サポートの回動によって、それぞれのサポートの対応領域において任意の径に対応でき広い範囲の任意のカップ径に対応できる。
また、上段サポートは軟質材からなるので、下段サポートがはね上げられて上段サポートに当たった時の打音の発生を防止できる。
さらに、下段サポートは樹脂成形板からなるので、上段サポートが長時間押し曲げられた場合でも、上段サポートは下段サポートにより押し下げ位置から張出位置側に押される。そのため、上段サポートが長時間押し曲げられた場合でも、上段サポートに形状変化(へたり)は起こりにくい。
また、カップを収納部から取り出す際に、上段サポートを変形させて取り出すことができる。そのため、上段サポートが変形しない樹脂材からなる場合に比べて、収納部の開口が広くなり、カップの取り出しが容易である。
請求項3記載の車両用カップホルダによれば、下段サポートのガイド面が凹部の左右両側にもあるので、カップ挿入時に、カップが上段サポートと下段サポートとの間の隙間に入り込み、引っ掛かりにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例1の車両用カップホルダの斜視図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】本発明実施例1の車両用カップホルダの、サポート固定本体と、上段サポートと、下段サポートの、分解斜視図である。
【図4】本発明実施例1の車両用カップホルダの、カップが収納されたときの断面図である。
【図5】本発明実施例1の車両用カップホルダの、カップが収納されたときの断面図である。
【図6】本発明実施例1の車両用カップホルダの、カップ収納時にカップの底面がサポートに接触したときを示す斜視図である。
【図7】本発明実施例1の車両用カップホルダの、カップ収納時にカップの底面が下段サポートのガイド面に沿って移動する状態を示す断面図である。
【図8】本発明実施例1の車両用カップホルダの、カップが収納されたときの断面図である。
【図9】本発明実施例1の車両用カップホルダの、カップを取り出す際、上段サポートが張出位置よりも上方にたわみ、開口部を広くしている状態を示す断面図である。
【図10】本発明実施例1の車両用カップホルダの下段サポートが、カップにより押し曲げられていた上段サポートを、張出位置側に押し上げている状態を示す断面図である。
【図11】本発明実施例2の車両用カップホルダの、カップ収納時にカップの底面が上段サポートに接触した状態を示す断面図である。
【図12】本発明実施例2の車両用カップホルダの、カップ収納時にカップの底面が上段サポート上を移動する状態を示す断面図である。
【図13】本発明実施例2の車両用カップホルダの、カップ収納時にカップの底面が下段サポート上を移動する状態を示す断面図である。
【図14】従来の車両用カップホルダの、サポートが1枚からなる場合を示す斜視図である。
【図15】従来の車両用カップホルダの、サポートが2枚からなる場合を示す断面図である。
【符号の説明】
10 車両用カップホルダ
20 ホルダ本体
21 収納部
22 サポート固定本体
30 上段サポート
40 下段サポート
41 ガイド面
43 凹部
50 折り返し部
C カップ

Claims (3)

  1. 上下2段式サポートを有する車両用カップホルダであって、
    前記上段サポートは軟質材からなり、固定されており、押されたときに変形可能であり、
    前記下段サポートは樹脂成形板からなり前記上段サポートより収容部内への張出量が大とされており、張出位置と押し下げ位置との間で回動可能であり、押し下げ位置から張出位置側に付勢されており、
    前記上段サポートは張出位置から押し下げ位置側に変形したときに前記下段サポートにより押し下げ位置から張出位置側に押される、
    車両用カップホルダ。
  2. 前記下段サポートは、上面からなるガイド面と、該ガイド面から凹み内側に前記上段サポートを受け入れることが可能な凹部とを、有する請求項1記載の車両用カップホルダ。
  3. 前記下段サポートのガイド面は前記凹部の左右両側にもある請求項記載の車両用カップホルダ。
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