JP3659778B2 - 輸送用冷凍装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は冷凍装置を車両に搭載して輸送する陸上輸送用冷凍装置等の、輸送用冷凍装置に関し、特にこれのオルタネータの電気回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
陸上輸送用冷凍装置(以下冷凍装置と略称する)は、主としてトラックに設置され、冷却運転、加熱運転等を行うことによって、トラックに搭載された冷凍庫の庫内温度を所定の温度に維持するものである。図3及び図4には、かかる冷凍装置の1例が示されており、図3は全体装備図、図4は上記コンデンシングユニットの構成機器の概略及びその配置状態を示す平面図である。
【0003】
図3において、上記冷凍装置は、冷凍庫100の外側下部に設置されたコンデンシングユニット1と、冷凍庫100内に設置されたエバポレータユニット30とが冷媒配管40で接続されて構成される。
【0004】
上記コンデンシングユニット1は、図4に示されるように、そのケーシング2内に走行用エンジンとは別個に設けられたエンジン5、遠心クラッチ11、同エンジン5によって駆動されるコンプレッサ6、商用電源によって上記コンプレッサ6を駆動する電動モータ7、及びコンデンサ8とラジエータ9に外気を導入し、これらを冷却する冷却ファン10、及びオルタネータ13がそれぞれ駆動軸を平行にして配設されている。上記ケーシング2の正面2aには、外気の導入口となる複数のルーバ群を有する吸込口3が設けられるとともに、後面2bには排出口12が設けられている。
【0005】
上記エンジン5の動力は、遠心クラッチ11及び伝導ベルトを介して、電動モータ7を中継しコンプレッサ6に伝達されるとともに、冷却ファン10及びオルタネータ13にも伝達される。車両の走行中においては、エンジン5が使用され、同エンジン5から遠心クラッチ11を介して伝達される動力により、コンプレッサ6及び冷却ファン10及びオルタネータ13が駆動される。
【0006】
一方、車両の停車中で商用電源の利用が可能な際には、上記電動モータ7が使用され、同電動モータ7によって、コンプレッサ6及び冷却ファン10及びオルタネータ13が駆動される。尚、この際において、上記エンジン5の駆動軸端に装備されている上記遠心クラッチ11はOFF状態となっており、電動モータ7の動力のエンジン5側への伝達が遮断されている。
【0007】
上記オルタネータ13で発電された電力は、エンジン5のスタータ、制御用負荷、バッテリ(充電)等の電装品に使用される。
【0008】
上記冷凍装置において、エンジン5又は電動モータ7によってコンプレッサ6が駆動されると同コンプレッサ6で圧縮された高圧、高温のガス冷媒は、コンデンサ8に送られ、ここで冷却ファン10によって導入された外気により冷却されて凝縮液化する。この液冷媒は、冷媒配管40(図3参照)を経て、エバポレータユニット30(図3参照)に送られ、ここで冷凍庫100の庫内空気を冷却し、蒸発、気化される。そして、このガス冷媒は冷媒配管40を経てコンプレッサ6に戻り、同コンプレッサ6で圧縮される。
【0009】
一方、上記のように冷却ファン10が駆動され、外気は、吸込口3を経てケーシング2内に導入され、コンデンサ8でコンプレッサ6から吐出された高温、高圧のガス冷媒を冷却した後、ラジエータ9でエンジン5の冷却水を冷却して排出口12から外部へ排出される。
【0010】
図5には上記オルタネータ13の電気回路図が示されている。図5において、29は3相交流発電機、28は同発電機29によって発電された電流を直流に整流する3相全波整流器、27は回路を制御するコントローラである。また、30はフィールドコイル、26はコンデンサ、24は充電検知端子、25は充電励磁端子、23は抵抗である。22はエンジン5のキースイッチ、21はバッテリである。
【0011】
上記オルタネータ13の電気回路において、エンジン5の起動時、キースイッチ22をオンとすると、バッテリ21からの電流がフィールドコイル30に流れ、上記エンジン5によって3相交流発電機29が回転せしめられる。同発電機29からの電流(交流)は上記3相全波整流器28にて直流に整流され、その電圧が上昇すると、オルタネータ13は自力で発電を続ける。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
図6は、上記冷凍装置におけるエンジン5のトルク、コンプレッサ6及び冷却ファン10、及びオルタネータ13夫々の駆動トルク(負荷トルク)、並びにこれら各機器6,10,13の合計駆動トルクを示している。同図に示されるように、オルタネータ13の駆動トルクはエンジン5の駆動立ち上がり時の遠心クラッチ11オン(ON)直後のエンジン回転数1000rpm 近傍でピークとなる。このためオルタネータ13を含む各機器の駆動トルクも上記の低回転域で大きくなり、エンジン5のトルクもかかる低回転域でのピークトルクを考慮して大きく採らざるを得なくなる。
【0013】
通常エンジン5のトルクは、上記のような各機器の合計駆動トルクに1.2〜1.5程度の安全率を乗じた値をとることから、かかる低回転域でのピークトルクに対して上記安全率を加味すると、エンジン5のトルクは高回転域において余裕があっても上記低回転域でのピークトルクのために容量(出力)の大きいエンジン5を必要とする。このため、かかる従来の冷凍装置では、エンジン5が大型化し、装置コストの上昇が避けられないという問題点がある。
【0014】
本発明の目的は、エンジン駆動のオルタネータを有する輸送用冷凍装置において、エンジン起動後の立ち上がり時での低回転域におけるオルタネータ駆動のピークトルクの発生を回避して、エンジンの容量を小型化し、装置コストを低減することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記問題点を解決するもので、その要旨とする手段は、冷凍車に設置されたエバポレータユニットと、コンデンシングユニットとを冷媒配管で接続し、上記コンデンシングユニットには、エンジンによりクラッチを介して駆動されるコンプレッサと、上記エンジンにより駆動される直流電源供給用のオルタネータと、商用電源に接続可能にされて上記コンプレッサを駆動する電動モータと、上記コンプレッサからの冷媒を冷却するコンデンサ及びこれの冷却ファンとを設けてなる輸送用冷凍装置において、上記オルタネータ用回路は、充電励磁端子とバッテリとの間に設けられて上記エンジンを起動する第1のスイッチと上記バッテリよりも昇圧した電源を付加可能にされた昇圧電源と、充電検知端子と上記バッテリとの間に設けられて、上記充電検知端子と上記バッテリあるいは昇圧電源との接続を切り換える第2のスイッチとを備え、上記第1のスイッチをオンとしてエンジンを起動したとき、上記第2のスイッチが上記昇圧電源と充電検知端子とを接続し、エンジン起動後所定時間経過後に上記第2のスイッチが上記バッテリと充電検知端子とを接続するように構成されたことを特徴とする輸送用冷凍装置にある。
【0016】
上記手段によれば、第1のスイッチ(キースイッチ)をオンとしてエンジンを起動すると第2のスイッチがバッテリ電圧よりも高い昇圧電源と充電検知端子とを接続するとともにバッテリとの接続を遮断し、充電検知端子には昇圧電源がかけられ、このときオルタネータの発電電圧よりもバッテリ電圧の方が高いと判断してオルタネータは無負荷状態とされる。
【0017】
そして、上記起動後、数十秒程度の所定時間を経過して、第2のスイッチをバッテリ側に切り替え、昇圧電源を遮断し、オルタネータは正規な発電状態となる。
【0018】
上記のようにエンジン起動後の所定時間、つまり起動後の立ち上がり時間にはオルタネータが無負荷状態となるので、従来のもののような上記立ち上がり時における1000rpm 程度の低回転域でのオルタネータ負荷トルクのピーク状態の発生が回避される。
【0019】
これによって各機器を合計した負荷トルク、即ちエンジンの駆動トルクの上記低回転域でのピークが無くなり、エンジンの小容量化(小出力化)が実現できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下図1〜図2、及び図4を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明の実施形態に係る陸上輸送用冷凍装置におけるオルタネータの電気回路図、図2はエンジン及び各機器のトルク線図である。
【0021】
図4は本発明が適用される陸上輸送用冷凍装置の配置図であり、図4において1はコンデンシングユニットであり、同コンデンシングユニット1は、そのケーシング2内に走行用エンジンとは別個に設けられたエンジン5、遠心クラッチ11、同エンジン5によって駆動されるコンプレッサ6、商用電源によって上記コンプレッサ6を駆動する電動モータ7、及びコンデンサ8とラジエータ9に外気を導入し、これらを冷却する冷却ファン10、及びオルタネータ13がそれぞれ駆動軸を平行にして配設されている。上記ケーシング2の正面2aには、外気の導入口となる複数のルーバ群を有する吸込口3が設けられるとともに、後面2bには排出口12が設けられている。
【0022】
上記エンジン5の動力は、遠心クラッチ11及び伝導ベルト9aを介して、電動モータ7を中継しコンプレッサ6に伝達されるとともに、冷却ファン10及びオルタネータ13にも伝達される。車両の走行中においては、エンジン5が使用され、同エンジン5から遠心クラッチ11を介して伝達される動力により、コンプレッサ6及び冷却ファン10及びオルタネータ13が駆動される。
【0023】
一方、車両の停車中で商用電源の利用が可能な際には、上記電動モータ7が使用され、同電動モータ7によって、コンプレッサ6及び冷却ファン10及びオルタネータ13が駆動される。尚、この際において、上記エンジン5の駆動軸端に装備されている上記遠心クラッチ11はOFF状態となっており、電動モータ7の動力のエンジン5側への伝達が遮断されている。
【0024】
上記オルタネータ13で発電された電力は、エンジン5のスタータ、制御用負荷、バッテリ(充電)等の電装品に使用される。以上に示す冷凍装置の基本構成は従来のものと同様である。
【0025】
本発明においては上記オルタネータの電気回路を改良している。
即ち図1において、29は3相交流発電機、28は同発電機29によって発電された電流を直流に整流する3相全波整流器、27は回路を制御するコントローラ、30はフィールドコイル、26はコンデンサである。22はエンジン5のキースイッチ(第1のスイッチ)、21はバッテリである。25は上記キースイッチ22とコントローラ27との間に設けられた充電励磁端子、23は抵抗である。24は上記バッテリ21とコントローラ27との間に設けられた充電検知端子である。
【0026】
41は上記バッテリ21よりも高電圧の昇圧電源、42はスイッチ(第2のスイッチ)である。同スイッチ42は上記昇圧電源41側の接続端子B又は上記バッテリ21側の接続端子Aと、上記充電検知端子24側回路との接続を切り換えるものである。
【0027】
上記のように構成されたオルタネータ用回路を有する陸上輸送用冷凍装置において、エンジン5の起動時にキースイッチ22をオンとするとき、スイッチ42は昇圧電源41側のB接点側にあり(バッテリ21側のA接点は遮断)、これによって充電検知端子24には高電圧の昇圧電源41がかけられる。このとき、コントローラ27は、上記充電検知端子を介してエンジン5によって回転されているオルタネータ13の発電電圧よりもバッテリ21の電圧の方が高いと判断して、オルタネータ13を無発電状態とせしめる。
【0028】
エンジン5の起動開始後、数十秒経過したとき、コントローラ27からの指令によりスイッチ42をB接点からA接点に切り替えると、充電検知端子24の昇圧電源41からの高い印加電圧は解除され、オルタネータ13は正規な発電状態となる。以上の動作時におけるオルタネータ13の駆動トルクは図2の点線で示す。
【0029】
即ち、エンジン5を起動して数十秒間つまりエンジン起動立ち上がり時間には、上記のようにオルタネータ13は無発電状態であり、負荷トルク(駆動トルク)はゼロ(0)となる。そして、上記時間経過後スイッチ42をB接点からA接点に切り換えることにより、オルタネータ13は正規運転となり、従来のものと同レベルの負荷トルク(駆動トルク)となるが、上記のようにエンジン5起動後の立ち上がり期間にはスイッチ42がB接点に接続されオルタネータ13は無発電状態であり、負荷トルクもゼロ(0)であるので、従来のもののようなエンジン5の1000rpm 程度の低回転域におけるピークトルクは除去される。
【0030】
従って各機器を合計した駆動トルクも上記低回転域(1000rpm程度)での駆動トルクのピークが除去され、従来のもののように、かかるピークトルクに対応してエンジン5のトルクを大きく設定する必要が無くなる。これによって、図2においてエンジントルクをT 1 からT 2 に減少でき、エンジン5を小容量(小出力)化、小型化することができる。
【0031】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されており、本発明によれば、エンジン起動後の立ち上がり時の低回転域に昇圧電源を充電検知端子にかけてオルタネータを無負荷状態とするので、かかる低回転域におけるオルタネータ駆動トルクのピークが無くなり、これによるエンジンの出力増大が不要となる。従ってエンジンの小容量化が実現でき、装置を小型化できるとともに装置コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る陸上輸送用冷凍装置のオルタネータの電気回路図。
【図2】上記実施形態におけるエンジン及び各機器のトルク線図。
【図3】陸上輸送用冷凍装置の全体構成図。
【図4】陸上輸送用冷凍装置におけるコンデンシングユニット内の配置図。
【図5】従来のオルタネータの電気回路図。
【図6】従来の冷凍装置における図2応当図。
【符号の説明】
1 コンデンシングユニット
5 エンジン
6 コンプレッサ
7 電動モータ
8 コンデンサ
10 冷却ファン
13 オルタネータ
21 バッテリ
22 キースイッチ
24 充電検知端子
25 充電励磁端子
27 コントローラ
28 3相全波整流器
29 3相交流発電機
30 フィールドコイル
41 昇圧電源
42 スイッチ(第2のスイッチ)
【発明の属する技術分野】
本発明は冷凍装置を車両に搭載して輸送する陸上輸送用冷凍装置等の、輸送用冷凍装置に関し、特にこれのオルタネータの電気回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
陸上輸送用冷凍装置(以下冷凍装置と略称する)は、主としてトラックに設置され、冷却運転、加熱運転等を行うことによって、トラックに搭載された冷凍庫の庫内温度を所定の温度に維持するものである。図3及び図4には、かかる冷凍装置の1例が示されており、図3は全体装備図、図4は上記コンデンシングユニットの構成機器の概略及びその配置状態を示す平面図である。
【0003】
図3において、上記冷凍装置は、冷凍庫100の外側下部に設置されたコンデンシングユニット1と、冷凍庫100内に設置されたエバポレータユニット30とが冷媒配管40で接続されて構成される。
【0004】
上記コンデンシングユニット1は、図4に示されるように、そのケーシング2内に走行用エンジンとは別個に設けられたエンジン5、遠心クラッチ11、同エンジン5によって駆動されるコンプレッサ6、商用電源によって上記コンプレッサ6を駆動する電動モータ7、及びコンデンサ8とラジエータ9に外気を導入し、これらを冷却する冷却ファン10、及びオルタネータ13がそれぞれ駆動軸を平行にして配設されている。上記ケーシング2の正面2aには、外気の導入口となる複数のルーバ群を有する吸込口3が設けられるとともに、後面2bには排出口12が設けられている。
【0005】
上記エンジン5の動力は、遠心クラッチ11及び伝導ベルトを介して、電動モータ7を中継しコンプレッサ6に伝達されるとともに、冷却ファン10及びオルタネータ13にも伝達される。車両の走行中においては、エンジン5が使用され、同エンジン5から遠心クラッチ11を介して伝達される動力により、コンプレッサ6及び冷却ファン10及びオルタネータ13が駆動される。
【0006】
一方、車両の停車中で商用電源の利用が可能な際には、上記電動モータ7が使用され、同電動モータ7によって、コンプレッサ6及び冷却ファン10及びオルタネータ13が駆動される。尚、この際において、上記エンジン5の駆動軸端に装備されている上記遠心クラッチ11はOFF状態となっており、電動モータ7の動力のエンジン5側への伝達が遮断されている。
【0007】
上記オルタネータ13で発電された電力は、エンジン5のスタータ、制御用負荷、バッテリ(充電)等の電装品に使用される。
【0008】
上記冷凍装置において、エンジン5又は電動モータ7によってコンプレッサ6が駆動されると同コンプレッサ6で圧縮された高圧、高温のガス冷媒は、コンデンサ8に送られ、ここで冷却ファン10によって導入された外気により冷却されて凝縮液化する。この液冷媒は、冷媒配管40(図3参照)を経て、エバポレータユニット30(図3参照)に送られ、ここで冷凍庫100の庫内空気を冷却し、蒸発、気化される。そして、このガス冷媒は冷媒配管40を経てコンプレッサ6に戻り、同コンプレッサ6で圧縮される。
【0009】
一方、上記のように冷却ファン10が駆動され、外気は、吸込口3を経てケーシング2内に導入され、コンデンサ8でコンプレッサ6から吐出された高温、高圧のガス冷媒を冷却した後、ラジエータ9でエンジン5の冷却水を冷却して排出口12から外部へ排出される。
【0010】
図5には上記オルタネータ13の電気回路図が示されている。図5において、29は3相交流発電機、28は同発電機29によって発電された電流を直流に整流する3相全波整流器、27は回路を制御するコントローラである。また、30はフィールドコイル、26はコンデンサ、24は充電検知端子、25は充電励磁端子、23は抵抗である。22はエンジン5のキースイッチ、21はバッテリである。
【0011】
上記オルタネータ13の電気回路において、エンジン5の起動時、キースイッチ22をオンとすると、バッテリ21からの電流がフィールドコイル30に流れ、上記エンジン5によって3相交流発電機29が回転せしめられる。同発電機29からの電流(交流)は上記3相全波整流器28にて直流に整流され、その電圧が上昇すると、オルタネータ13は自力で発電を続ける。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
図6は、上記冷凍装置におけるエンジン5のトルク、コンプレッサ6及び冷却ファン10、及びオルタネータ13夫々の駆動トルク(負荷トルク)、並びにこれら各機器6,10,13の合計駆動トルクを示している。同図に示されるように、オルタネータ13の駆動トルクはエンジン5の駆動立ち上がり時の遠心クラッチ11オン(ON)直後のエンジン回転数1000rpm 近傍でピークとなる。このためオルタネータ13を含む各機器の駆動トルクも上記の低回転域で大きくなり、エンジン5のトルクもかかる低回転域でのピークトルクを考慮して大きく採らざるを得なくなる。
【0013】
通常エンジン5のトルクは、上記のような各機器の合計駆動トルクに1.2〜1.5程度の安全率を乗じた値をとることから、かかる低回転域でのピークトルクに対して上記安全率を加味すると、エンジン5のトルクは高回転域において余裕があっても上記低回転域でのピークトルクのために容量(出力)の大きいエンジン5を必要とする。このため、かかる従来の冷凍装置では、エンジン5が大型化し、装置コストの上昇が避けられないという問題点がある。
【0014】
本発明の目的は、エンジン駆動のオルタネータを有する輸送用冷凍装置において、エンジン起動後の立ち上がり時での低回転域におけるオルタネータ駆動のピークトルクの発生を回避して、エンジンの容量を小型化し、装置コストを低減することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記問題点を解決するもので、その要旨とする手段は、冷凍車に設置されたエバポレータユニットと、コンデンシングユニットとを冷媒配管で接続し、上記コンデンシングユニットには、エンジンによりクラッチを介して駆動されるコンプレッサと、上記エンジンにより駆動される直流電源供給用のオルタネータと、商用電源に接続可能にされて上記コンプレッサを駆動する電動モータと、上記コンプレッサからの冷媒を冷却するコンデンサ及びこれの冷却ファンとを設けてなる輸送用冷凍装置において、上記オルタネータ用回路は、充電励磁端子とバッテリとの間に設けられて上記エンジンを起動する第1のスイッチと上記バッテリよりも昇圧した電源を付加可能にされた昇圧電源と、充電検知端子と上記バッテリとの間に設けられて、上記充電検知端子と上記バッテリあるいは昇圧電源との接続を切り換える第2のスイッチとを備え、上記第1のスイッチをオンとしてエンジンを起動したとき、上記第2のスイッチが上記昇圧電源と充電検知端子とを接続し、エンジン起動後所定時間経過後に上記第2のスイッチが上記バッテリと充電検知端子とを接続するように構成されたことを特徴とする輸送用冷凍装置にある。
【0016】
上記手段によれば、第1のスイッチ(キースイッチ)をオンとしてエンジンを起動すると第2のスイッチがバッテリ電圧よりも高い昇圧電源と充電検知端子とを接続するとともにバッテリとの接続を遮断し、充電検知端子には昇圧電源がかけられ、このときオルタネータの発電電圧よりもバッテリ電圧の方が高いと判断してオルタネータは無負荷状態とされる。
【0017】
そして、上記起動後、数十秒程度の所定時間を経過して、第2のスイッチをバッテリ側に切り替え、昇圧電源を遮断し、オルタネータは正規な発電状態となる。
【0018】
上記のようにエンジン起動後の所定時間、つまり起動後の立ち上がり時間にはオルタネータが無負荷状態となるので、従来のもののような上記立ち上がり時における1000rpm 程度の低回転域でのオルタネータ負荷トルクのピーク状態の発生が回避される。
【0019】
これによって各機器を合計した負荷トルク、即ちエンジンの駆動トルクの上記低回転域でのピークが無くなり、エンジンの小容量化(小出力化)が実現できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下図1〜図2、及び図4を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明の実施形態に係る陸上輸送用冷凍装置におけるオルタネータの電気回路図、図2はエンジン及び各機器のトルク線図である。
【0021】
図4は本発明が適用される陸上輸送用冷凍装置の配置図であり、図4において1はコンデンシングユニットであり、同コンデンシングユニット1は、そのケーシング2内に走行用エンジンとは別個に設けられたエンジン5、遠心クラッチ11、同エンジン5によって駆動されるコンプレッサ6、商用電源によって上記コンプレッサ6を駆動する電動モータ7、及びコンデンサ8とラジエータ9に外気を導入し、これらを冷却する冷却ファン10、及びオルタネータ13がそれぞれ駆動軸を平行にして配設されている。上記ケーシング2の正面2aには、外気の導入口となる複数のルーバ群を有する吸込口3が設けられるとともに、後面2bには排出口12が設けられている。
【0022】
上記エンジン5の動力は、遠心クラッチ11及び伝導ベルト9aを介して、電動モータ7を中継しコンプレッサ6に伝達されるとともに、冷却ファン10及びオルタネータ13にも伝達される。車両の走行中においては、エンジン5が使用され、同エンジン5から遠心クラッチ11を介して伝達される動力により、コンプレッサ6及び冷却ファン10及びオルタネータ13が駆動される。
【0023】
一方、車両の停車中で商用電源の利用が可能な際には、上記電動モータ7が使用され、同電動モータ7によって、コンプレッサ6及び冷却ファン10及びオルタネータ13が駆動される。尚、この際において、上記エンジン5の駆動軸端に装備されている上記遠心クラッチ11はOFF状態となっており、電動モータ7の動力のエンジン5側への伝達が遮断されている。
【0024】
上記オルタネータ13で発電された電力は、エンジン5のスタータ、制御用負荷、バッテリ(充電)等の電装品に使用される。以上に示す冷凍装置の基本構成は従来のものと同様である。
【0025】
本発明においては上記オルタネータの電気回路を改良している。
即ち図1において、29は3相交流発電機、28は同発電機29によって発電された電流を直流に整流する3相全波整流器、27は回路を制御するコントローラ、30はフィールドコイル、26はコンデンサである。22はエンジン5のキースイッチ(第1のスイッチ)、21はバッテリである。25は上記キースイッチ22とコントローラ27との間に設けられた充電励磁端子、23は抵抗である。24は上記バッテリ21とコントローラ27との間に設けられた充電検知端子である。
【0026】
41は上記バッテリ21よりも高電圧の昇圧電源、42はスイッチ(第2のスイッチ)である。同スイッチ42は上記昇圧電源41側の接続端子B又は上記バッテリ21側の接続端子Aと、上記充電検知端子24側回路との接続を切り換えるものである。
【0027】
上記のように構成されたオルタネータ用回路を有する陸上輸送用冷凍装置において、エンジン5の起動時にキースイッチ22をオンとするとき、スイッチ42は昇圧電源41側のB接点側にあり(バッテリ21側のA接点は遮断)、これによって充電検知端子24には高電圧の昇圧電源41がかけられる。このとき、コントローラ27は、上記充電検知端子を介してエンジン5によって回転されているオルタネータ13の発電電圧よりもバッテリ21の電圧の方が高いと判断して、オルタネータ13を無発電状態とせしめる。
【0028】
エンジン5の起動開始後、数十秒経過したとき、コントローラ27からの指令によりスイッチ42をB接点からA接点に切り替えると、充電検知端子24の昇圧電源41からの高い印加電圧は解除され、オルタネータ13は正規な発電状態となる。以上の動作時におけるオルタネータ13の駆動トルクは図2の点線で示す。
【0029】
即ち、エンジン5を起動して数十秒間つまりエンジン起動立ち上がり時間には、上記のようにオルタネータ13は無発電状態であり、負荷トルク(駆動トルク)はゼロ(0)となる。そして、上記時間経過後スイッチ42をB接点からA接点に切り換えることにより、オルタネータ13は正規運転となり、従来のものと同レベルの負荷トルク(駆動トルク)となるが、上記のようにエンジン5起動後の立ち上がり期間にはスイッチ42がB接点に接続されオルタネータ13は無発電状態であり、負荷トルクもゼロ(0)であるので、従来のもののようなエンジン5の1000rpm 程度の低回転域におけるピークトルクは除去される。
【0030】
従って各機器を合計した駆動トルクも上記低回転域(1000rpm程度)での駆動トルクのピークが除去され、従来のもののように、かかるピークトルクに対応してエンジン5のトルクを大きく設定する必要が無くなる。これによって、図2においてエンジントルクをT 1 からT 2 に減少でき、エンジン5を小容量(小出力)化、小型化することができる。
【0031】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されており、本発明によれば、エンジン起動後の立ち上がり時の低回転域に昇圧電源を充電検知端子にかけてオルタネータを無負荷状態とするので、かかる低回転域におけるオルタネータ駆動トルクのピークが無くなり、これによるエンジンの出力増大が不要となる。従ってエンジンの小容量化が実現でき、装置を小型化できるとともに装置コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る陸上輸送用冷凍装置のオルタネータの電気回路図。
【図2】上記実施形態におけるエンジン及び各機器のトルク線図。
【図3】陸上輸送用冷凍装置の全体構成図。
【図4】陸上輸送用冷凍装置におけるコンデンシングユニット内の配置図。
【図5】従来のオルタネータの電気回路図。
【図6】従来の冷凍装置における図2応当図。
【符号の説明】
1 コンデンシングユニット
5 エンジン
6 コンプレッサ
7 電動モータ
8 コンデンサ
10 冷却ファン
13 オルタネータ
21 バッテリ
22 キースイッチ
24 充電検知端子
25 充電励磁端子
27 コントローラ
28 3相全波整流器
29 3相交流発電機
30 フィールドコイル
41 昇圧電源
42 スイッチ(第2のスイッチ)
Claims (1)
- 冷凍車に設置されたエバポレータユニットと、コンデンシングユニットとを冷媒配管で接続し、上記コンデンシングユニットには、エンジンによりクラッチを介して駆動されるコンプレッサと、上記エンジンにより駆動される直流電源供給用のオルタネータと、商用電源に接続可能にされて上記コンプレッサを駆動する電動モータと、上記コンプレッサからの冷媒を冷却するコンデンサ及びこれの冷却ファンとを設けてなる輸送用冷凍装置において、上記オルタネータ用回路は、充電励磁端子とバッテリとの間に設けられて上記エンジンを起動する第1のスイッチと上記バッテリよりも昇圧した電源を付加可能にされた昇圧電源と、充電検知端子と上記バッテリとの間に設けられて、上記充電検知端子と上記バッテリあるいは昇圧電源との接続を切り換える第2のスイッチとを備え、上記第1のスイッチをオンとしてエンジンを起動したとき上記第2のスイッチが上記昇圧電源と充電検知端子とを接続し、エンジン起動後所定時間経過後に上記第2のスイッチが上記バッテリと充電検知端子とを接続するように構成されたことを特徴とする輸送用冷凍装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27579597A JP3659778B2 (ja) | 1997-10-08 | 1997-10-08 | 輸送用冷凍装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27579597A JP3659778B2 (ja) | 1997-10-08 | 1997-10-08 | 輸送用冷凍装置 |
Publications (2)
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JPH11108493A JPH11108493A (ja) | 1999-04-23 |
JP3659778B2 true JP3659778B2 (ja) | 2005-06-15 |
Family
ID=17560530
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP27579597A Expired - Fee Related JP3659778B2 (ja) | 1997-10-08 | 1997-10-08 | 輸送用冷凍装置 |
Country Status (1)
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-
1997
- 1997-10-08 JP JP27579597A patent/JP3659778B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11108493A (ja) | 1999-04-23 |
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