JP2003224999A - 車両用電源装置 - Google Patents

車両用電源装置

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JP2003224999A
JP2003224999A JP2002017528A JP2002017528A JP2003224999A JP 2003224999 A JP2003224999 A JP 2003224999A JP 2002017528 A JP2002017528 A JP 2002017528A JP 2002017528 A JP2002017528 A JP 2002017528A JP 2003224999 A JP2003224999 A JP 2003224999A
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Hiroshi Okamoto
宏 岡本
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Toshiba Carrier Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電力損失を大幅に削減することができ、これ
により車両の燃費を改善したり排出ガスの量を低減でき
るなどの効果が得られる省エネルギ性および環境性にす
ぐれた車両用電源装置を提供する。 【解決手段】 エンジン6の動力を受けて発電する発電
機11を設け、この発電機11の出力をコンバータ12
で直流に変換し、そのコンバータ12の出力を空気調和
機20や冷蔵庫30のブラシレスDCモータに対する駆
動電力に変換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、たとえば冷凍機
器が搭載される冷凍車の車両用電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】生鮮食品等の運搬に使用される車両いわ
ゆる冷凍車は、荷台にコンテナを備え、そのコンテナの
内部空間を冷却装置で冷却したり、あるいはコンテナ内
に冷蔵庫を収容している。運転室には冷房用の空気調和
機が設けられている。
【0003】上記の冷却装置、冷蔵庫、空気調和機など
の冷凍機器は、圧縮機やファンを有しており、圧縮機を
車両のエンジンの動力で直接的に駆動しようとすると、
冷凍能力が車両の走行状況に応じたエンジン回転数変化
の影響を受けて大きく変動するという問題がある。ま
た、車両のエンジンルームという高温の劣悪環境に圧縮
機が設置されるため、信頼性が低下するという問題もあ
る。
【0004】これに対し、圧縮機駆動用にモータたとえ
ば交流モータを設けるとともに、エンジンの動力で発電
する発電機を設け、この発電機出力によってモータを駆
動するようにすれば、圧縮機をエンジンルームとは別の
場所に設置することができる。この場合、発電機の出力
電圧(交流電圧)が先ず直流電圧に変換(交流−直流変
換)され、この直流電圧が所定レベルの交流電圧に変換
(直流−交流変換)されてモータに印加される。
【0005】1台の冷凍車に複数の冷凍機器が設けられ
ている場合には、上記のように交流−直流変換され且つ
直流−交流変換された交流電圧が、各冷凍機器の変換装
置に供給される。これら変換装置は、入力された交流電
圧を直流電圧に変換(交流−直流変換)し、この直流電
圧をそれぞれの冷凍機器の負荷に応じたレベルの交流電
圧に変換(直流−交流変換)する。この交流電圧が各冷
凍機器のモータに印加される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】複数の冷凍機器が設け
られている場合、冷凍機器ごとに交流−直流変換および
直流−交流変換を行う変換装置が設けられるため、発電
機からモータまでに4段階にわたる電力変換が存在す
る。これら電力変換は電力損失を伴うものであり、電力
変換の段数が多くなるほど電力損失が増えてしまう。
【0007】このような電力損失は、車両のエンジンか
ら見れば無駄な負担であり、エンジンの燃料消費量が増
加したり(燃費の悪化)、エンジンの排出ガスの量が増
大するなど、省エネルギおよび環境の面で悪影響とな
る。
【0008】この発明は上記の事情を考慮したもので、
その目的とするところは、電力損失を大幅に削減するこ
とができ、これにより車両の燃費を改善したり排出ガス
の量を低減できるなどの効果が得られる省エネルギ性お
よび環境性にすぐれた車両用電源装置を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の車
両用電源装置は、エンジンの動力を受けて発電する発電
機と、この発電機の出力を直流に変換する第1変換器
と、この第1変換器の出力を車両の機器のブラシレスD
Cモータに対する駆動電力に変換する第2変換器と、を
備えている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施形態につ
いて図面を参照して説明する。図1に示すように、車両
たとえば冷凍車1は、運転室2の下方にエンジンルーム
3、運転室2の後方に荷台4を備え、荷台4にコンテナ
5を積載している。エンジンルーム3には動力源である
エンジン6が収容されている。
【0011】運転室2に、冷凍機器たとえば空気調和機
(室内ユニット)20が収容されている。この空気調和
機20は、少なくとも、電源プラグ21、DCインバー
タ(第2変換器)22、および室内ファンモータ23を
有している。
【0012】エンジンルーム3には、上記エンジン6と
共に発電機11が収容されている。荷台4には、コンバ
ータ(第1変換器)12、電圧調整器13、および補助
バッテリ14が設けられている。
【0013】コンテナ5には、冷凍機器たとえば冷蔵庫
30が収容されている。この冷蔵庫30は、少なくと
も、電源プラグ31、DCインバータ(第2変換器)3
2、および庫内ファンモータ33を有している。
【0014】一方、図2に示すように、エンジン6にプ
ーリ7、ベルト8、およびプーリ9を介して上記発電機
11が連結されている。発電機11は、エンジン6の動
力を受けて発電し、交流電圧を出力する。この発電機1
1の出力が上記コンバータ12で直流電圧に変換され
る。
【0015】コンバータ12に電圧調整器13が接続さ
れている。電圧調整器13は、コンバータ12の出力電
圧が主制御部40からの指令に応じた値となるよう、発
電機11の出力を調整する。
【0016】コンバータ12の出力端に補助バッテリ1
4および電源コンセント15,16が接続され、電源コ
ンセント15,16に空気調和機20の電源プラグ21
および冷蔵庫30の電源プラグ31が接続される。補助
バッテリ14は、コンバータ12の出力電圧が所定値以
上の場合にその出力電圧により充電され、コンバータ1
2の出力電圧が所定値未満になると放電する。
【0017】空気調和機20は、電源プラグ21を介し
て入力される直流電圧(コンバータ12の出力電圧また
は補助バッテリ14の電圧)をスイッチングにより所定
周波数(およびレベル)の交流電圧に変換するDCイン
バータ22,24,26、およびこれらDCインバータ
の出力により動作する室内ファンモータ23、室外ファ
ンモータ25、圧縮機モータ27を有するとともに、制
御部28および室内温度センサ29を有している。室内
ファンモータ23、室外ファンモータ25、および圧縮
機モータ27として、巻線を有するステータおよび永久
磁石を有するロータからなるブラシレスDCモータが採
用される。ブラシレスDCモータは、交流モータよりも
効率が良い。
【0018】冷蔵庫30は、電源プラグ31を介して入
力される直流電圧(コンバータ12の出力電圧または補
助バッテリ14の電圧)をスイッチングにより所定周波
数(およびレベル)の交流電圧に変換するDCインバー
タ32,34、およびこれらDCインバータの出力によ
り動作する庫内ファンモータ33、圧縮機モータ35を
有するとともに、制御部36と庫内温度センサ37を有
している。庫内ファンモータ33および圧縮機モータ3
5として、上記同様にブラシレスDCモータが採用され
る。
【0019】空気調和機20の制御部28および冷蔵庫
30の制御部36は、主制御部40に接続されている。
主制御部40は、操作・表示部41の操作に応じて当該
車両用電源装置の全体を制御するとともに、制御の状況
を操作・表示部41で表示する機能を有する。なお、コ
ンバータ12の入力端に市中電源接続用の電源プラグ1
7が接続されている。
【0020】つぎに、上記の構成の作用を説明する。エ
ンジン6が始動されると、そのエンジン6の動力で発電
機11が駆動される。これにより、発電機11が発電
し、その発電機11の出力電圧(交流電圧)がコンバー
タ12で直流電圧に変換される。
【0021】操作・表示部41で空気調和機20の運転
開始操作および冷蔵庫30の運転開始操作が行われる
と、主制御部40から制御部28,36に運転開始が指
令される。これにより、DCインバータ22,24,2
6,32,34が起動される。
【0022】空気調和機20のDCインバータ22,2
4,26は、コンバータ12の出力電圧(直流電圧)を
所定周波数の交流電圧に変換する。これらDCインバー
タの出力電圧により室内ファンモータ23、室外ファン
モータ25、および圧縮機モータ27が動作し、空気調
和機20の運転が開始される。すなわち、空気調和機2
0は、運転室2内の空気を吸込んで冷却し、その冷却し
た空気を冷房用として運転室2内に吹出す。
【0023】この空気調和機20の運転時、室内温度セ
ンサ29により運転室2の室内温度Taが検知される。
制御部28は、検知温度Taと操作・表示部41の設定
室内温度との差を空調負荷として検出し、その空調負荷
に応じてDCインバータ26の出力周波数を制御する。
この制御により、圧縮機モータ27の回転数が変化して
圧縮機能力(=冷房能力)が変化し、室内温度Taが設
定室内温度に維持される。
【0024】冷蔵庫30のDCインバータ32,34
は、コンバータ12の出力電圧(直流電圧)を所定周波
数の交流電圧に変換する。これらDCインバータの出力
電圧により庫内ファンモータ33および圧縮機モータ3
5が動作し、冷蔵庫30の運転が開始される。すなわ
ち、冷蔵庫30は、庫内の空気を吸込んで冷却し、その
冷却した空気を冷蔵用として庫内に吹出す。
【0025】この冷蔵庫30の運転時、庫内温度センサ
37により冷蔵庫30の庫内温度Tbが検知される。制
御部36は、検知温度Tbと操作・表示部41の設定庫
内温度との差を冷蔵負荷として検出し、その冷蔵負荷に
応じてDCインバータ34の出力周波数を制御する。こ
の制御により、圧縮機モータ35の回転数が変化して圧
縮機能力(=冷却能力)が変化し、庫内温度Tbが設定
庫内温度に維持される。
【0026】主制御部40は、通常、コンバータ12の
出力電圧がエンジン6の回転数変化にかかわらず一定値
となるよう、電圧調整器13によって発電機11の出力
を調整する。
【0027】ただし、主制御部40は、空気調和機20
および冷蔵庫30の運転状況を制御部28,36とのデ
ータ送受信により監視しており、空気調和機20の運転
および冷蔵庫30の運転のために電力増大が必要である
と判断した場合には、その電力増大が発電機11の定格
出力に収まるものであるか否かを判定する。この判定結
果が肯定であれば、つまり電源側の容量に余裕があって
電力増大に対処できる状況であれば、主制御部40は電
圧調整器13により発電機11の出力を上昇させて負荷
側の要求に応える。
【0028】判定結果が否定であれば、つまり電力増大
に対処し得ない状況であれば、主制御部40は電源側の
容量に余裕がなくて負荷側の要求に応えられない旨を空
気調和機20および冷蔵庫30に知らせる。この知らせ
を受けた空気調和機20および冷蔵庫30では、DCイ
ンバータ26,34の出力周波数が低減方向に調整され
る。
【0029】運転手が冷凍車1から離れるなどしてエン
ジン6が停止されると、発電機11の発電が止まってそ
の出力が零となる。このとき、補助バッテリ14が放電
し、その放電電圧(直流電圧)がDCインバータ22,
24,26,32,34に供給される。これにより、空
気調和機20および冷蔵庫30の運転が継続される。
【0030】業務を終えた冷凍車1が車庫に戻ると、エ
ンジン6が停止されるとともに、操作・表示部41の操
作により空気調和機20の運転および冷蔵庫30の運転
が停止される。
【0031】車庫には市中電源(たとえば商用交流電
源)の設備があり、冷凍車1の電源プラグ17がこの市
中電源に接続されると、市中電源電圧がコンバータ12
で直流電圧に変換され、そのコンバータ12の出力電圧
によって補助バッテリ14が充電される。この充電は、
冷凍車1の次回の運行のための準備である。
【0032】以上のように、発電機11の交流出力をコ
ンバータ12で直流に変換し、そのコンバータ12から
出力される直流電圧を空気調和機20および冷蔵庫30
のDCインバータで所定周波数の交流電圧に変換して各
ブラシレスDCモータに供給することにより、発電機1
1から各ブラシレスDCモータまでの電力変換が2段階
ですむことになり、従来のように発電機から各モータま
でに4段階にわたる電力変換を行うものに比べ、電力損
失を大幅に削減することができる。
【0033】この電力損失の削減は、ブラシレスDCモ
ータ自体の効率が良いこととも合わせて、エンジン6に
かかる負担を大幅に軽減することにつながる。ひいて
は、エンジン6の燃料消費量および排出ガス量を低減す
ることができて、省エネルギ性および環境性の面ですぐ
れた効果が得られる。
【0034】しかも、通常はコンバータ12の出力電圧
が一定値となるよう、電圧調整器13によって発電機1
1の出力を調整するようにしているので、冷凍車1の走
行状況に応じたエンジン回転数変化に影響を受けること
なく、空気調和機20および冷蔵庫30を常に安定かつ
適正な能力で運転することができる。
【0035】負荷側が大きな電力を要する状況では、電
源側の容量に余裕があれば電圧調整器13により発電機
11の出力を上昇させて負荷側の要求に応え、電源側の
容量に余裕がなければその旨を負荷側に知らせてDCイ
ンバータの出力周波数を低減方向に調整するので、電源
側および負荷側のどちらも考慮した最適な運転を行うこ
とができて、信頼性の向上が図れる。
【0036】補助バッテリ14を設けているので、エン
ジン6が停止した場合でも負荷側の運転を継続すること
ができ、生鮮食品等を常に最適温度に保つことができ
る。
【0037】電源プラグ15,16を採用しているの
で、空気調和機20や冷蔵庫30を取替える場合にも、
迅速かつ適切な作業が可能である。
【0038】なお、この発明は上記実施形態に限定され
るものではなく、要旨を換えない範囲で種々変形実施可
能である。
【0039】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、電
力損失を大幅に削減することができ、これにより車両の
燃費を改善したり排出ガスの量を低減できるなどの効果
が得られる省エネルギ性および環境性にすぐれた車両用
電源装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る冷凍車および一実施形態の要部
の構成を示す図。
【図2】一実施形態の制御回路のブロック図。
【符号の説明】
1…冷凍車(車両)、2…運転室、3…エンジンルー
ム、4…荷台、5…コンテナ、6…エンジン、11…発
電機、12…コンバータ、13…電圧調整器、14…補
助バッテリ、15,16…電源コンセント、17…電源
プラグ、20…空気調和機(冷凍機器)、21…電源プ
ラグ、22,24,26…DCインバータ、23…室内
ファンモータ(ブラシレスDCモータ)、25…室外フ
ァンモータ(ブラシレスDCモータ)、27…圧縮機モ
ータ(ブラシレスDCモータ)、28…制御部、29…
室内温度センサ、30…冷蔵庫、31…電源プラグ、3
2,34…DCインバータ、33…庫内ファンモータ
(ブラシレスDCモータ)、35…圧縮機モータ(ブラ
シレスDCモータ)、36…制御部、37…庫内温度セ
ンサ、40…主制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B60H 1/00 101 B60H 1/00 101Z F25B 49/02 F25B 49/02 D

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンを動力源として備えるととも
    に、ブラシレスDCモータを有する機器が搭載される車
    両において、 前記エンジンの動力を受けて発電する発電機と、 前記発電機の出力を直流に変換する第1変換器と、 前記第1変換器の出力を前記ブラシレスDCモータに対
    する駆動電力に変換する第2変換器と、 を具備したことを特徴とする車両用電源装置。
  2. 【請求項2】 前記機器は、前記ブラシレスDCモータ
    を圧縮機モータおよびファンモータとして用いる1つま
    たは複数の冷凍機器であることを特徴とする請求項1に
    記載の車両用電源装置。
  3. 【請求項3】 前記機器は、負荷に応じて前記第2変換
    器の出力周波数を制御する制御手段を有することを特徴
    とする請求項1に記載の車両用電源装置。
  4. 【請求項4】 前記第2変換器は、前記機器の構成要素
    であることを特徴とする請求項1に記載の車両用電源装
    置。
  5. 【請求項5】 前記発電機の出力電圧を調整する電圧調
    整器、をさらに備えていることを特徴とする請求項1に
    記載の車両用電源装置。
  6. 【請求項6】 前記機器の運転のために電力増大が必要
    な場合に前記電圧調整器により前記発電機の出力電圧を
    上昇させる制御手段、を備えていることを特徴とする請
    求項5に記載の車両用電源装置。
  7. 【請求項7】 前記機器の運転のために電力増大が必要
    な場合に、その電力増大が前記発電機の定格出力に収ま
    るものであるか否かを判定し、この判定結果が肯定であ
    れば前記電圧調整器により前記発電機の出力電圧を上昇
    させ、判定結果が否定であればその旨を前記機器に知ら
    せる制御手段、を備えていることを特徴とする請求項5
    に記載の車両用電源装置。
  8. 【請求項8】 前記第1変換器の出力端に接続されたバ
    ッテリ、を備えていることを特徴とする請求項1に記載
    の車両用電源装置。
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