JP3659559B2 - プロテクタの取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイヤハーネスを挿通するプロテクタ本体にクリップをスライド自在に設けて、パネルへのプロテクタ本体の装着性を向上させたプロテクタの取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図15は従来のプロテクタの取付構造の第一例を示すものである。
この構造は、合成樹脂製のプロテクタ本体80の前部と下部とに雄型のクリップ81,82を一体に突出形成し、各クリップ81,82を車両のパネル3の各取付孔8,9に係合させるものである。
【0003】
プロテクタ本体80は、図示しないワイヤハーネスを挿通して保護するためのものであり、略逆コの字型の樋形状に樹脂成形されている。各クリップ81,82は直交する方向に突出している。パネル3は垂直な前壁1と水平な下壁2とで構成され、両壁部1,2に取付孔8,9が形成されている。
【0004】
しかしながら、上記構造にあっては、図16の如くプロテクタ88の下側のクリップ82をパネル3の下壁2の取付孔9に係合させる場合に、前側のクリップ81がパネル3の前壁1の上端に干渉し、また、図17の如くプロテクタ88の前側のクリップ81をパネル3の前壁1の取付孔8に係合させる場合に、下側のクリップ82がパネル3の下壁2の後端に干渉して、プロテクタ88の取付を行えないという問題を生じる。
【0005】
図18は従来のプロテクタの取付構造の第二例を示すものである。
この構造は、前例同様のプロテクタ88の下側のクリップ82をユニット30側の水平なパネル31の取付孔34に係合させ、プロテクタ88の前側の一対のクリップ81を車両側の垂直なパネル33の取付孔56に係合させるものである。
【0006】
ユニット30は例えばプロテクタ88内の図示しないワイヤハーネスに接続される電子制御ユニット等であり、パネル31の上面に固定されている。パネル31の両側には、車両側のパネル33に対する仮止め用のフック部51と本止め用の取付孔54が設けられている。フック部51と前側のクリップ81とはほぼ同時にパネル33の各取付孔52,56に係合する。
【0007】
しかしながら、上記構造にあっては、図19の如くプロテクタ88をユニット30側のパネル31に取り付けた後、パネル31ごと車両側のパネル33に取り付ける際に、前側の一対のクリップ81と取付孔56との位置決めと、フック部51と取付孔52との位置決めを同時に行わなければならないために、組付作業性が悪く、また、その際にクリップ81の先端がパネル33に突き当たって破損し易いという問題があった。
【0008】
図20は従来のプロテクタの取付構造の第三例を示すものである。
この構造は、第二例と同様のユニット30とパネル31を用いると共に、プロテクタ本体83の上部に、前例の雄型のクリップに代えて一対の雌型のクリップ85を設け、車両側のパネル62に、クリップ85の係止爪87に対する係合部であるスタッドボルト63を水平に突設したものである。
【0009】
図21の如く、下側の雄型のクリップ90をユニット30側のパネル31の取付孔34に係合させた後、パネル31ごとプロテクタ91の上側の雌型のクリップ85を車両側のパネル62のスタッドボルト63に係合させる。すなわちスタッドボルト63をクリップ85内に挿入させる。
【0010】
しかしながら、上記構造にあっては、図21の如く、プロテクタ91をユニット30側のパネル31に取り付けた後、パネル31ごと車両側のパネル62に取り付ける際に、前例同様に上側の一対のクリップ85とスタッドボルト63との位置決めが難しく、組付作業性が悪いと共に、スタッドボルト63の先端がクリップ85に突き当たって、クリップ85が破損し易いという問題があった。
【0011】
また、上記各従来例とは別に、特開平7−23516号には、プロテクタ本体の溝内に、別体の雄型のクリップを、クリップの突出方向とは直交する方向にスライド自在に設けた構造が示されているが、この構造を用いた場合は、クリップの位置の自由度は増すものの、クリップの先端は相変わらず車両側のパネルに突き当たってしまい、プロテクタの組付作業性の向上は望めなかった。
【0012】
前記第一〜第三の従来例において、下側のクリップ82,90をボルト等の他の固定手段に代えた場合でも上記の問題は生じるものである。さらに、クリップ81,85を車両側のパネル3,62の取付孔8やスタッドボルト63に確実に係合させた場合でも、クリップ81,85と取付孔8やスタッドボルト63との間のガタや位置誤差等によってパネル3,62へのプロテクタ88,91の固定力が弱まる場合があった。また、パネル3の壁部1,2あるいはパネル31,33,62同士が90°以外の角度で交差する場合においても上記各問題は発生するものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した各点に鑑み、パネルの交差する壁部にプロテクタの二方向のクリップを、クリップの破損や傷付きなく簡単且つ確実にしかも強固に係合させることができ、あるいは、一方のパネルにプロテクタの一方のクリップを係合させた後、一方のパネルとは交差する方向の他方の別個のパネルにプロテクタの他方のクリップを、クリップの破損や傷付きなく簡単且つ確実にしかも強固に係合させることができるプロテクタの取付構造、総括していえば、プロテクタの二方向のクリップを傷付きなく作業性良く確実にパネルに係合させることができ、しかもプロテクタをパネルに強固に固定することのできるプロテクタの取付構造を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、プロテクタ本体に第一のクリップを突設すると共に、該プロテクタ本体にガイド部を延設し、該ガイド部に第二のクリップのスライド係合部を該第一のクリップの突出方向とは直交する方向にスライド自在に係合させ、該プロテクタ本体に対する取付側のパネルの第一の壁部に第一の係合部を設け、該第一の壁部とは直交する方向のパネルの第二の壁部に第二の係合部を設け、該第二のクリップを該第二の壁部に対して前進及び後退自在とし、該第一のクリップと該第一の係合部との係合及び該第二のクリップと該二の係合部との係合は何れも挿入動作により行われるものとし、該第一のクリップを該第一の係合部に挿入係合させ、該第二のクリップを該第一のクリップの挿入方向とは直交する方向にスライドさせて該第二の係合部に挿入係合させることを特徴とする(請求項1)。
前記第二のクリップが、該第二のクリップのスライド方向に突出した雄型のクリップ本体を有することも可能である(請求項2)。また、前記第二のクリップがカバー部内に係止爪を有する雌型のクリップであることも可能である(請求項3)。
また、前記ガイド部に当接する停止部を前記第二のクリップに設け、該停止部で該ガイド部を前記パネルに向けて押圧するようにしたことも有効である(請求項4)。また、前記プロテクタ本体と前記第二のクリップとに、該第二のクリップの後退時に当接する抜止め用の停止部を設けたことも有効である(請求項5)。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態の具体例を図面を用いて詳細に説明する。
図1〜図3は、本発明に係るプロテクタの取付構造の第一実施例を示すものである。
この構造は、図1の如く、垂直な前壁(第二の壁部)1と水平な下壁(第一の壁部)2とで成る車両側のパネル3に合成樹脂製のプロテクタ4を別体のクリップ5で固定させるものである。
【0016】
パネル3の前壁1は略コの字状に屈曲し、前壁1の一方の屈曲部6の下端に下壁2が前壁1の凹部7内で一体に形成されている。前壁1に二つの取付孔8(係合部)が同じ高さに設けられ、下壁2に一つの取付孔(係合部)9が設けられている。各取付孔8,9の中心線は直交する方向に延びている。
【0017】
プロテクタ4は、パネル3の屈曲形状に沿った略コの字状の樋状のプロテクタ本体10と、プロテクタ本体10の下壁2に下向きに突設された一つの雄型のクリップ11と、プロテクタ本体10の上壁12に設けられた左右各一対のガイドレール13(ガイド部)と、ガイドレール13にスライド係合する別体の一対の雄型のクリップ5とで構成されている。
【0018】
下側のクリップ11はプロテクタ本体10の下壁14に一体に形成され、下向きの矩形状の支柱部15と、支柱部15の先端から斜め上向きに延びる一対の可撓係止片16とで構成されている。又、ガイドレール13はプロテクタ本体4の上壁12に一体に形成され、縦断面略L字状を呈して、前後方向に延びている。一対のガイドレール13は左右に対向して位置し、別体のクリップ5に対する係合用の溝17を内側に有している。ガイドレール13の前端13aはプロテクタ本体10の前壁18(図3(a))と同一面に位置し、ガイドレール13の後端13bはプロテクタ本体10の上壁12の後端よりもやや前側に位置している。
【0019】
上側の別体のクリップ5は合成樹脂で一体形成され、前向きの矩形状の支柱部19と、支柱部19の先端から斜め後向きに延びる一対の可撓係止片20と、支柱部19の基端に直交して左右に延びる垂直な基板部21と、垂直な基板部21の下側に一体に形成された水平な基板部22と、水平な基板部22の左右両側から一段低い位置で左右に突出形成された一対のスライド係合部23と、水平な基板部22の上側で垂直な基板部21の中央から後方に延びる補強壁24と、スライド係合部23の後端に直交し、水平な基板部22と補強壁24の各後端に続く垂直な停止壁(停止部)25とで構成されている。
【0020】
支柱部19と可撓係止片20とで雄型のクリップ本体27が構成されている。スライド係合部23はガイドレール13にスライド係合する部位であり、スライド係合部23の前端と垂直な基板部21との間にはガイドレール13の板厚分の隙間26(図3(a))が形成されている。後方の停止壁25はスライド係合部23の後端に直交しており、ガイドレール13の後端13bに当接可能である。一対の可撓係止片20は一対のガイドレール13の間を撓みながら挿通可能である。これにより、可撓係止片20の位置が低く設定され、パネル3の取付孔8に対する係合性が向上する。
【0021】
クリップ5のスライド方向とクリップ本体27の突出方向とは一致しており、特開平7−23516号公報における別体のクリップとは大きく構成を異にしている。補強壁24はクリップ装着時の摘み部としても作用する。
【0022】
図2,図3(a) の如く、先ずプロテクタ本体10の下側のクリップ11をパネル3の下壁2の取付孔9に係合させる。この状態で一対のガイドレール13の間にパネル3の前壁1の取付孔8が位置する。次いで図3(b) の如く、別体のクリップ5のスライド係合部23をガイドレール13の溝17内に挿入し、一対の可撓係止片20を前壁1の取付孔8に係合させる。この際、可撓係止片20は一対のガイドレール13の間を内向きに撓みながら通過する。可撓係止片20が内向きに撓んだ状態で取付孔8に挿入されるから、挿入力が低く、クリップ5の装着作業が容易である。また、取付孔8がプロテクタ本体10の上壁12に近接して位置するから、パネル3へのプロテクタ本体10の固定力が強まる。
【0023】
図3(b) のクリップ5の完全挿入状態で、可撓係止片20の先端20aがパネル3の前壁1の前面に当接し、停止壁25がガイドレール13の後端13bに当接することで、ガイドレール13が前壁1と停止壁25との間で挟持された形となり、プロテクタ本体10が前後方向のガタ付きなく強い力でパネル3に確実に固定される。これは、下側の固定式のクリップ11がプロテクタ本体10をパネル3の下壁2に固定していることが前提となっている。下側のクリップ11を取付孔9に係合させた後、上側のクリップ5をスライド式に取付孔8に係合させることで、直交する形状のパネル3へのプロテクタ本体10の装着をクリップ11,5の破損や変形なく簡単且つ確実に行うことができる。
【0024】
図4〜図9は、本発明に係るプロテクタの取付構造の第二実施例を示すものである。
この構造は、図4の如く、電子制御ユニットといったユニット30側のパネル31にプロテクタ32を装着し、プロテクタ32をユニット30側のパネル31ごと車両側の略コの字状に屈曲した垂直なパネル33に固定させるものである。
【0025】
図5の如く、ユニット30は水平なパネル31に固定され、パネル31の下壁(第一の壁部)の一側寄りに取付孔(係合部)34が設けられ、パネル31の両側にはアーム部35が立ち上げられて、アーム部35に、車両側のパネル33(図4)に対する仮止め用のフック部36と本止め用の取付孔37とが設けられている。
【0026】
図6の如く、合成樹脂製のプロテクタ本体38は前例とほぼ同様のものであり、下壁39に下向きのクリップ40を一体に有し、上壁41に左右各一対のガイドレール(ガイド部)42をそれぞれ有している。ガイドレール42には前向きの別体のクリップ43が前後方向スライド自在に係合する。
【0027】
各一対のガイドレール42はプロテクタ本体38の上壁41の前端から後端まで延びている。各一対のガイドレール42の間において上壁41の後端側に停止突起(停止部)44が上向きに設けられている。停止突起44は図7の如く後向きのガイド傾斜面44aと前向きの垂直な当接面44bとを有している。
【0028】
別体のクリップ43は前例とほぼ同様のものであるが、一対のガイドレール42に対する一対のスライド係合部45の間において、停止突起44に対する挿通溝46(図7)が形成され、前側の垂直な基板部47に、停止突起44の当接面44b(図7)に対する停止突起(停止部)48が下向きに設けられている。停止突起48は後向きの当接面48aと前向きのガイド傾斜面48bとを有している。
【0029】
各停止突起44,48の当接面44b,48aは相互に当接し、クリップ43の後抜けを防止する。各停止突起44,48のガイド傾斜面44a,48bは相互に摺接してガイドレール42内へのクリップ43の装着をスムーズに行わせる。後側の停止壁(停止部)49(図6)には、停止突起44を挿通させる挿通溝46(図7)の開口46aが形成されている。停止壁49がガイドレール42の後端に当接することでクリップ43の前抜けが防止される。プロテクタ本体38とクリップ40,43とガイドレール42とでプロテクタ32が構成される。停止突起44,48と挿通溝46以外の構成は第一実施例と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0030】
図7の如く両停止突起44,48が当接した状態で、クリップ43の先端はプロテクタ本体38の前壁50よりもやや後方に位置する。この状態でユニット30側のパネル31をプロテクタ32ごと図4の車両側のパネル33に組み付ける。すなわちユニット30側のパネル31の両側のフック部51を車両側のパネル33の取付孔52に係合させ、フック部51の下側の取付部53と車両側のパネル31の取付孔54とをボルトやクリップ等の固定手段(図示せず)で固定する。この状態で車両側のパネル33が前例のパネル3(図1)の前壁1に相当し、ユニット30側のパネル31が前例のパネル3の下壁2(図1)に相当する。
【0031】
パネル31,33相互の組付により、図8(a) の如くプロテクタ32が車両側のパネル33に近接する。クリップ本体55の先端はパネル33の前壁(第二の壁部)の取付孔(係合部)56に対向して位置する。この状態でクリップ43を前方に押してスライドさせる。この操作で、図8(b) の如くクリップ本体55がプロテクタ本体38の前壁50よりも十分に前方に突出し、一対の可撓係止片57が取付孔56に確実に係合する。
【0032】
ユニット30側のパネル31を車両側のパネル33に位置決めする際に、図9(a) の如くクリップ本体55の先端がパネル33に突き当たった場合には、図9(b) の如くクリップ43がガイドレール42に沿って後退し、クリップ本体55の変形や破損が確実に防止される。クリップ43が勢いよく後退した場合でも、停止突起44,48同士が相互に当接し、クリップ43の後抜けが防止される。
【0033】
また、図5の如くクリップ43が仮止めの状態でプロテクタ本体38に組み付けられているから、プロテクタ32の移動時等にクリップ43が落下することがなく、車両側のパネル33(図4)への係止作業性が良好である。また、作業性の良い場所で予めクリップ43をプロテクタ本体38に組み付けることで、前例(図2)における狭い場所でのクリップ5の組付作業がなくなり、プロテクタ32の組付作業性が向上する。また、前例同様に、図8(b) でクリップ43が車両側のパネル33に完全に係合した状態で、クリップ43の停止壁49がガイドレール42の後端に押接するから、プロテクタ本体38が車両側のパネル33に強固に固定される。これは、プロテクタ本体38の下側の固定式のクリップ40がユニット30側のパネル31に固定され、且つユニット30側のパネル31が車両側のパネル33に取付孔53,54(図4)等で固定されることが前提となっている。
【0034】
なお、第一実施例(図1)のプロテクタ本体10とクリップ5とに第二実施例と同様の停止突起44,48を設け、クリップ5に同じく挿通溝46を設けることも可能である。この場合はクリップ5の後退ストロークを長くとり、クリップ本体27のの先端が車両側のパネル3の上端に干渉しないようにする。
【0035】
図10〜図14は、本発明に係るプロテクタの取付構造の第三実施例を示すものである。
この構造は、図10の如く、第二実施例の別体の雄型のクリップ43(図4)に代えて別体の雌型のクリップ60をプロテクタ本体38にスライド自在に設け、車両側のパネル62の固定手段であるスタッドボルト(係合部)63に対応可能としたものである。
【0036】
図11の如く、雌型のクリップ60は、略逆U字形状のカバー部64と、カバー部64の底部に形成された水平な基板部65と、基板部65の両側に突出形成された一対のスライド係合部66と、カバー部64の上部内壁に設けられた短い係止爪(係止突起)67(図12)と、カバー部64の内側で短い係止爪67に対向して基板部65に設けられた可撓性の長い係止爪68(図12)とで構成されている。
【0037】
カバー部64の内側には孔部69が構成されている。孔部69はスタッドボルト63(図10)の突出方向(水平方向)に貫通している。各係止爪67,68はスタッドボルト63の突出方向、すなわちカバー部64の前部開口69a(図12)から後部開口69bに向けて傾斜している。スライド係合部66の後端には停止壁70が設けられている。停止壁70はプロテクタ本体38のガイドレール(ガイド部)42の後端42bとほぼ同じ大きさに突出形成されている。基板部65には、ガイドレール42側の停止突起(停止部)44に対する挿通溝73が設けられている。
【0038】
停止突起44は一対のガイドレール42の間においてプロテクタ本体38の上壁41の後端側に上向きに設けられている。雌型のクリップ60の停止突起(停止部)75(図12)は基板部65の前端側に下向きに設けられている。各停止突起44,73は、相互に当接する垂直な当接面と、相互に乗り越えるための傾斜ガイド面とを有している(図7参照)。
【0039】
図10においてプロテクタ本体38とユニット30側のパネル31は第二実施例と同様であり、車両側のパネル62はスタッドボルト63を除いて第二実施例と同様であるので説明を省略する。プロテクタ68はプロテクタ本体38と下向きの雄型のクリップ40と各一対のガイドレール42と別体の一対の雌型のクリップ60とで構成される。
【0040】
プロテクタ68の下向きの雄型のクリップ40をユニット30側のパネル31の取付孔(係合部)34(図12)に係合させた後、フック部36を車両側のパネル62の取付孔52に係合させ、取付孔53,54に例えば図示しないタップねじを螺入してパネル31,62同士を固定する。この状態で雌型のクリップ60は図13(a) の如く後退しており、且つスタッドボルト63の先端にクリップ60の孔部69の前部開口69aが対向して位置する。
【0041】
次いで雌型のクリップ60をガイドレール42に沿って矢印イの如く前進させることで、図13(b) の如くスタッドボルト63がクリップ60の孔部69に挿入され、上下の係止爪67,68の先端がスタッドボルト63の雌ねじに係合する。クリップ60の先端はプロテクタ本体38の前壁50よりも前方に突出して、車両側のパネル62に当接する。これにより、プロテクタ68が車両側のパネル62に確実に固定される。特に停止壁70がガイドレール42の後端に当接することで、プロテクタ68が車両側のパネル62に向けて押圧された状態となってしっかりと固定される。
【0042】
図14(a) の如く、ユニット30側のパネル31を車両側のパネル62に組み付ける際に、クリップ60の先端がスタッドボルト63の先端に突き当たっても、図14(b) の如くクリップ60がガイドレール42に沿ってスムーズに後退するから、クリップ60の破損等が確実に防止される。クリップ60のスライドストロークはスタッドボルト63の長さよりも十分に長いものである。
【0043】
なお、上記した下側のクリップ11,40を、プロテクタ本体10,38から突出したボルト等の図示しない固定手段に代えることも可能である。また、パネル3の壁部1,2同士や、パネル31,33,62同士が90°以外の角度で交差する場合にも上記各構造を適用することができる。その場合、クリップ5,43,60のスライド方向はパネル3の壁部1あるいはパネル33,62に直交する方向であることはいうまでもない。
【0044】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1記載の発明によれば、プロテクタの例えば下側の固定式のクリップを、交差する形状のパネルの下側の係合部に係合させた後、プロテクタの上側のクリップをスライド式に前進させてパネルの前側の係合部に係合させることができる。これにより、従来のように下側のクリップを係合させる際に上側のクリップとパネルとが干渉するという不具合がなくなり、交差する形状のパネルにプロテクタの二方向のクリップを破損や変形等なく確実に係合させることができ、プロテクタを作業性良くパネルに固定することができる。また、プロテクタの例えば下側の固定式のクリップを下側のパネルに係合させた後、パネルを前側の別個のパネルに固定し、その後、前側のクリップを前側のパネルにスライド係合させることができるから、従来のようにパネル同士の位置合わせとクリップとパネルとの位置合わせを同時に行う必要がなく、組付作業性が向上する。また、その際に、クリップがパネルや突出した係合部に突き当たっても、クリップがスライド式にスムーズに後退するから、クリップの破損や変形が確実に防止される。
【0045】
また、請求項2記載の発明によれば、雄型のクリップ本体を請求項1同様に破損等なく簡単且つ確実にパネルの取付孔(係合部)に係合させることができる。また、請求項3記載の発明によれば、雌型のクリップを請求項1同様に破損等なく簡単且つ確実にパネルの例えばスタッドボルト(係合部)に係合させることができる。また、雌型のクリップのカバーの開口を大きく設定できるから、パネル相互の位置決め精度やスタッドボルトの位置精度が悪くても、スタッドボルトがカバー内に確実に挿入され、正規位置で係止爪と確実に係合する。これにより組付作業が容易化する。
【0046】
また、請求項4記載の発明によれば、プロテクタ本体を例えば下側の固定式のクリップで、交差する形状のパネルの下側の係合部に固定させた後、上側のクリップをパネルの前側の係合部にスライド係合させた際に、停止部がガイド部をパネルに向けて押圧するから、プロテクタ本体がパネルに強固に固定されると共に、クリップとプロテクタ本体との結合力が向上する。これにより、車両走行中のガタ付きや異音の発生や振動に伴う磨耗や、クリップからのプロテクタ本体の外れ等が確実に防止される。また、停止部がガイドに当接することで、組付途中等におけるクリップの前抜けが防止され、組付作業性が高まる。また、請求項5記載の発明によれば、クリップとプロテクタ本体との各停止部が相互に当接することで、組付途中等におけるクリップの後抜けが防止され、組付作業性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプロテクタの取付構造の第一実施例を示す分解斜視図である。
【図2】クリップを取付孔に係合させる状態を示す分解斜視図である。
【図3】 (a)(b)はクリップを取付孔に係合させる状態を順に示す側面図(一部断面図)である。
【図4】プロテクタの取付構造の第二実施例を示す分解斜視図である。
【図5】プロテクタを一方のパネルに固定する状態を示す分解斜視図である。
【図6】クリップをプロテクタ本体に装着する状態を示す分解斜視図である。
【図7】プロテクタ本体に対するクリップの停止状態を示す縦断面図である。
【図8】 (a)(b)はクリップを取付孔に係合させる状態を順に示す側面図(一部断面図)である。
【図9】 (a)(b)はクリップがパネルに突き当たった状態を示す側面図(一部断面図)である。
【図10】プロテクタの取付構造の第三実施例を示す分解斜視図である。
【図11】クリップをプロテクタ本体に装着する状態を示す分解斜視図である。
【図12】プロテクタ本体に対するクリップの停止状態を示す縦断面図である。
【図13】 (a)(b)はクリップをスタッドボルトに係合させる状態を順に示す側面図(一部断面図)である。
【図14】 (a)(b)はクリップがスタッドボルトに突き当たった状態を示す側面図(一部断面図)である。
【図15】第一の従来例を示す分解斜視図である。
【図16】第一の従来例の問題点を示す側面図(一部断面図)である。
【図17】第一の従来例の問題点を示す側面図(一部断面図)である。
【図18】第二の従来例を示す分解斜視図である。
【図19】第二の従来例の問題点を示す側面図(一部断面図)である。
【図20】第三の従来例を示す分解斜視図である。
【図21】第三の従来例の問題点を示す側面図(一部断面図)である。
【符号の説明】
3,33,62 パネル
4,32,68 プロテクタ
5,43,60 クリップ
8,56 取付孔(係合部)
10,38 プロテクタ本体
13,42 ガイドレール(ガイド部)
23,45,66 スライド係合部
25,49,70 停止壁(停止部)
27,55 クリップ本体
44,48,75 停止突起(停止部)
63 スタッドボルト(係合部)
64 カバー部
67,68 係止爪
Claims (5)
- プロテクタ本体に第一のクリップを突設すると共に、該プロテクタ本体にガイド部を延設し、該ガイド部に第二のクリップのスライド係合部を該第一のクリップの突出方向とは直交する方向にスライド自在に係合させ、該プロテクタ本体に対する取付側のパネルの第一の壁部に第一の係合部を設け、該第一の壁部とは直交する方向のパネルの第二の壁部に第二の係合部を設け、該第二のクリップを該第二の壁部に対して前進及び後退自在とし、該第一のクリップと該第一の係合部との係合及び該第二のクリップと該二の係合部との係合は何れも挿入動作により行われるものとし、該第一のクリップを該第一の係合部に挿入係合させ、該第二のクリップを該第一のクリップの挿入方向とは直交する方向にスライドさせて該第二の係合部に挿入係合させることを特徴とするプロテクタの取付構造。
- 前記第二のクリップが、該第二のクリップのスライド方向に突出した雄型のクリップ本体を有することを特徴とする請求項1記載のプロテクタの取付構造。
- 前記第二のクリップがカバー部内に係止爪を有する雌型のクリップであることを特徴とする請求項1記載のプロテクタの取付構造。
- 前記ガイド部に当接する停止部を前記第二のクリップに設け、該停止部で該ガイド部を前記パネルに向けて押圧するようにしたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のプロテクタの取付構造。
- 前記プロテクタ本体と前記第二のクリップとに、該第二のクリップの後退時に当接する抜止め用の停止部を設けたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のプロテクタの取付構造。
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