JP3659168B2 - 給紙装置及び該給紙装置を備えた記録装置 - Google Patents

給紙装置及び該給紙装置を備えた記録装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、ファクシミリ、コピー装置に代表される記録装置において被記録材を給送する給紙装置及び該給紙装置を備えた記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
被記録材に記録を行う記録部へと被記録材を給送する給紙装置には、被記録材としての例えば印刷用紙(単票紙:以下、単に「用紙」と言う。)を、傾斜した状態で複数枚堆積させてセットし、給送時に用紙背面をガイドするホッパを給紙ローラに押圧する方向に付勢し、これによって給紙ローラに最上位の用紙を圧接させて1枚ずつ繰り出す構成が一般に知られている。
【0003】
この様な構成においては、ホッパは付勢部材によって常に給紙ローラに向けて付勢されていて、ホッパの給紙ローラに対する圧接解除動作は、給紙ローラの回動軸に設けられるカム機構がホッパを押し下げることによって行われる様になっている。従って、当該カム機構がホッパの押し下げ状態を解除すると、ホッパは付勢部材によって勢い良く給紙ローラに衝突する為、当該衝突する際に衝突音が発生する。この衝突音は、用紙を一定時間に多数枚給送する際には連続して発生する為、耳障りな騒音となる場合がある。
従ってこれを回避すべく、セットされる用紙(ホッパ)の側は固定状態として、給紙ローラ側を可動に構成し、給紙ローラ自らが最上位の用紙へ圧接に向かう様に構成された給紙装置がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、傾斜した状態でセットされる用紙の先端は、その先端が当接する当接面との間で所定の角度を形成するが、当該角度(以下、これを「当接角」と言う。)は、用紙セット時と、用紙給送時とで異なる様になすことが望ましい。 即ち、用紙は傾斜した状態でセットされる為、当接角が小さい(用紙が寝ている状態)と、堆積された用紙が最上位のものから崩れ落ちる、所謂、“雪崩現象”が発生する虞がある。これは、特に、用紙間の摩擦係数が小なる場合(例えば、OHPシート等)に顕著となる。
【0005】
一方、一枚ずつ繰り出される用紙は、給送される際、その先端において前記当接面との間で接触摩擦抵抗力を発生させる為、当接角が大きい(用紙が立っている状態)と、当該接触摩擦抵抗力が大なるものとなり、従って大なる給送力を必要とするので、給紙ローラの駆動系に負荷がかかったり、或いは、用紙先端が当接面に引っ掛かった状態で給紙ローラが回動し、用紙を折り曲げてしまう場合も生じる。
この様な問題は、給紙ローラは固定で、ホッパ(用紙)が給紙ローラに圧接する様な構成を採る前者の給紙装置では、当接角がホッパの上昇により変化する為に生じ難いが、用紙(ホッパ)は固定で、給紙ローラが最上位の用紙へ圧接に向かう様な構成を採る後者の給紙装置では、当接角が一定であるために生じ易い。
【0006】
そこで本発明は上記問題に鑑みなされたものであり、その課題は、給送時の静粛性を確保しつつ、用紙セット時と用紙給送時における用紙先端の当接角を変化させて、以て適切な用紙セット性能及び用紙給送性能を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本願請求項1記載の給紙装置は、傾斜した状態でセットされる被記録材の背面をガイドするガイド部材と、被記録材の先端が当接する当接面と、最上位にセットされた被記録材に当接して給送方向に被記録材を繰り出す給紙ローラと、を備えた給紙装置であって、傾斜した状態でセットされる被記録材を、側面視において下に凸となる様に撓曲させる撓曲手段を備え、前記撓曲手段が、傾斜した状態でセットされる被記録材の後端側を、前記ガイド部材から離間させることによって被記録材と前記ガイド部材との間に空間部を形成する離間手段と、給送時に前記空間部に向けて被記録材を押圧する押圧手段と、を備え、前記撓曲手段により、被記録材セット時に被記録材先端が前記当接面に当接する当接角αと、被記録材給送時に被記録材先端が前記当接面に当接する当接角βを、α>βなる関係になすことを特徴とする。
【0008】
本願請求項1記載の発明によれば、被記録材を給紙ローラに圧接させるホッパ機構を用いずに、被記録材先端が当接する当接面と被記録材先端とのなす角度を、被記録材セット時と被記録材給送時とで異なるようになすことができるので、これによって静粛性を確保しつつ、適切に被記録材をセットでき、また、適切に被記録材を給送することができる。
即ち、被記録材は傾斜した状態でセットされる為、被記録材セット時に被記録材先端と前記当接面とがなす当接角α(α<90°)が小さい場合(被記録材が寝ている状態)、雪崩現象によって堆積された被記録材が崩れる虞がある。一方、被記録材給送時の当接角β(β<90°)が大きい場合(被記録材が立っている状態)、被記録材先端と前記当接面との間の摩擦抵抗力が大なるものとなり、従って大なる給送力を必要とするので、給紙ローラの駆動系に負荷がかかり、或いは、被記録材が給送できず、被記録材を変形させる場合も生じる。
【0009】
従来の給紙装置においては、被記録材を上方に押し上げて給紙ローラに圧接させるホッパ機構によって、前記当接角αと当接角βとを異なるようになしていたが、その機構上の特徴により騒音が発生する問題があった。一方で、給紙ローラ自らが被記録材に圧接に向かう構成を採れば、前記当接角αと当接角βとを異なるようになすことができず、被記録材のセット性能と給送性能を両立させることができなかった。
【0010】
しかし、本願請求項1記載の給紙装置は、撓曲手段によって、被記録材を、下に凸となるように撓曲させる。これにより、ホッパ機構を用いずに、被記録材セット時の前記当接角αと、被記録材給送時の前記当接角βとを、α>βなる関係になすことができ、以てホッパ機構を用いずに静粛性を確保しつつ、被記録材のセット性能と給送性能とを両立させることが可能となる。
また、前記撓曲手段を、傾斜した状態でセットされる被記録材の後端側を前記ガイド部材から離間させることによって被記録材と前記ガイド部材との間に空間部を形成する離間手段と、給送時に前記空間部に向けて被記録材を押圧する押圧手段とによって構成したので、単純な構造で安価に撓曲手段を構成することができる。
【0011】
本願請求項2記載の給紙装置は、傾斜した状態でセットされる被記録材の背面をガイドするガイド部材と、被記録材の先端が当接する当接面と、最上位にセットされた被記録材に当接して給送方向に被記録材を繰り出す給紙ローラと、を備えた給紙装置であって、傾斜した状態でセットされる被記録材を、側面視において下に凸となる様に撓曲させる撓曲手段を備え、前記撓曲手段が、可撓性を備え、且つ、被記録材後端側が固定されることによって下に凸となる様に撓曲可能に構成された前記ガイド部材と、給送時に前記ガイド部材に向けて被記録材を押圧する押圧手段と、を備え、前記撓曲手段により、被記録材セット時に被記録材先端が前記当接面に当接する当接角αと、被記録材給送時に被記録材先端が前記当接面に当接する当接角βを、α>βなる関係になすことを特徴とする。
本願請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明と同様に、上記撓曲手段によって、被記録材を、下に凸となるように撓曲させるので、ホッパ機構を用いずに、被記録材セット時の前記当接角αと、被記録材給送時の前記当接角βとを、α>βなる関係になすことができ、以てホッパ機構を用いずに静粛性を確保しつつ、被記録材のセット性能と給送性能とを両立させることが可能となる。
また、給送時に被記録材を側面視において下に凸となる様に撓曲させる為に、当該撓曲させる部分において、被記録材の背面側に空間部を設ける様な構成を採る場合、以下の様な問題が生ずる場合がある。即ち、被記録材の剛性が低い場合、給送時のみならずセット時において被記録材が前記空間部において撓曲し、被記録材先端が前記当接面に当接する角度が浅くなって所謂雪崩現象を起こす場合がある。しかし、本願請求項2記載の給紙装置は、被記録材の背面とガイド部材との間に空間部は設けずに、ガイド部材によって被記録材の背面を均一にガイドしつつ、ガイド部材に可撓性を持たせることによって、撓曲時には被記録材とガイド部材の双方を撓曲させることとしたので、被記録材が低剛性の場合であっても、被記録材セット時に雪崩現象を起こさずに、被記録材先端が前記当接面に当接する角度をセット時と給送時で確実に異なる様になすことができる。
【0012】
本願請求項3記載の給紙装置は、請求項1または2において、前記撓曲手段が、前記給紙ローラと共通の駆動源によって稼働することを特徴とする。本願請求項2記載の発明によれば、撓曲手段が、給紙ローラと共通の駆動源を備えているので、撓曲手段のみに用いる駆動源を配設する必要が無く、以て給紙装置の低コスト化を計ることができる。
【0014】
本願請求項記載の給紙装置は、請求項1から3のいずれか1項において、前記押圧手段が、正転/逆転可能に駆動回動される太陽歯車と、該太陽歯車に噛合する少なくとも1以上の遊星歯車と、前記遊星歯車を軸支し、且つ、前記太陽歯車の回動中心を中心として、前記太陽歯車の正転/逆転に従って従動回動する軸支部材と、前記軸支部材の回動中心から離間した位置で前記軸支部材に軸支され、前記軸支部材の回動に従って被記録材に対して進退動作を行い且つ給送時には進出することにより被記録材に圧接する前記給紙ローラとからなることを特徴とする。本願請求項5記載の発明によれば、被記録材を押圧して撓曲させる押圧手段を、太陽歯車と、該太陽歯車に噛合する遊星歯車と、これらを軸支する軸支部材と、被記録材に対して進退動作を行う給紙ローラと、によって構成し、給紙ローラを被記録材に圧接させることによって被記録材を撓曲させることとしたので、給紙ローラと押圧手段とを別に設ける必要が無く、給紙装置の低コスト化を計ることができる。
【0015】
本願請求項記載の給紙装置は、請求項1からのいずれか1項において、前記当接面に摩擦部材が配設されていることを特徴とする。被記録材先端が当接する当接面と被記録材先端との間における接触摩擦抵抗は、被記録材セット時或いは給送時の当接角度や、被記録材の材質によって異なるものとなる。ここで、給紙ローラの駆動系にかかる負荷等を考慮すると、前記接触摩擦抵抗は適切な値に設定されることが望ましいが、本願請求項6記載の発明によれば、被記録材先端が当接する当接面には摩擦部材が配設されているので、前記接触摩擦抵抗を、簡易な手段で適切な値に調整することが可能となる。
【0016】
本願請求項記載の給紙装置は、請求項1からのいずれか1項において、前記ガイド部材に摩擦部材が配設されていることを特徴とする。本願請求項7記載の発明によれば、ガイド部材に摩擦部材が配設されているので、これによってセットされた被記録材の最上位のものが給送される際、最上位と次位以降の被記録材間の摩擦抵抗力によって、堆積された被記録材全体が給送される不具合を防止する、所謂“滑り止め効果”を得ることができる。
【0017】
本願請求項記載の記録装置は、請求項1からのいずれか1項に記載の給紙装置を備えていることを特徴とする。本願請求項記載の発明によれば、記録装置において、前述した本願請求項1からのいずれか1項に記載の発明と同様な作用効果を得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1から図5を参照しつつ説明する。ここで、図1は本発明の一実施形態に係る記録装置の概略側面図であり、符号100は当該記録装置を、符号50は記録装置100に備えられる給紙装置を示している。以下では先ず、図1を参照しつつ記録装置100及び給紙装置50について概説する。
【0019】
記録装置100は被記録材としての印刷用紙(単票紙。以下、単に「用紙」と言う。)Pを傾斜した状態で複数枚堆積・収納する給紙装置50を装置後方側(図1における右側)に備え、当該給紙装置50は、傾斜した状態でセットされた用紙Pを、1枚ずつ装置前方側(図1における左側)へ給送する。
【0020】
用紙Pの給紙装置50へのセットは、給紙装置50の上方(図1における右上)から斜め下(図1における左下)へ差し込む様にして行われる。このとき、差し込まれる用紙Pの先端は、傾斜した状態で設けられたガイド部材5に当接し、当該ガイド部材5にガイドされながら給紙装置50の下部に位置する先端ガイド部材4の当接面4aに当接し、或いは、ガイド部材5に当接しないで当接面4aに直接当接し、そして、用紙Pの先端が揃う様になっている。ここで、いずれの場合においても、ガイド部材5は、用紙Pがセットされた後において、セットされた用紙P先端の背面側をガイドする様になっている。
尚、用紙Pの後端側には、後に詳述する「撓曲手段」を構成する離間部材6がガイド部材5から突出する様に設けられていて、当該離間部材6によって、用紙Pがセットされた際に、用紙Pとガイド部材5との間に空間部7が形成される様になっている。
【0021】
傾斜した状態でセットされた用紙Pの表側には、給紙ローラユニット1が配設されている。給紙ローラユニット1は、符号2で示す給紙ローラユニット駆動軸(以下、単に「駆動軸」と言う。)を回動中心として回動可能に設けられていて、駆動軸2の正転/逆転によって図1に示す時計方向/反時計方向のいずれにも回動可能となっている。尚、当該給紙ローラユニット1の詳細な構成については後に詳述する。
【0022】
給紙ローラユニット1において駆動軸2から下方に離間した位置には、給紙ローラ3が設けられている。給紙ローラ3は駆動軸2を動力源とし、駆動軸2の回動に従って正転/逆転する様に構成され、用紙Pの給送を行う際には、給紙ローラユニット1が図1に示す反時計方向に回動することによって給紙ローラ3が正転した状態で用紙Pの最上位のものに圧接し、これにより、最上位の用紙P(図1において符号P1で示す)の給送が行われる。
【0023】
次に、給紙装置50から給送方向下流側には、搬送駆動ローラ8及び搬送従動ローラ9が配設されている。搬送駆動ローラ8は図示を省略する制御部によって駆動回動され、給紙装置50によって給送された用紙P1は、搬送駆動ローラ8及び搬送従動ローラ9との間にニップされ、そして搬送駆動ローラ8が駆動回動されることによって一定ピッチで記録部14の下部へと搬送される。
【0024】
キャリッジ13は底部に記録部14を備え、主走査方向(図1における紙面の表裏方向)に平行に設けられたガイド軸15に案内されながら、主走査方向に往復動する様に構成されている。
【0025】
記録部14は、キャリッジ13に搭載されたインク・カートリッジ(図示せず)からインクを供給され、記録装置100の制御部(図示せず)からの印字情報に従って下部に搬送された用紙P1にインクを吐出し、これにより印刷が行われる。尚、記録部14の下方にはプラテン12が配設されていて、当該プラテン12によって、用紙P1と記録部14との間のギャップが規制されている。
【0026】
記録部14から搬送方向下流側には排紙ローラ10及び排紙従動ローラ11が設けられていて、記録部14によって記録の行われた用紙P1は、搬送ローラ10及び搬送従動ローラ11との間にニップされ、搬送ローラ10の回動によって、搬送ローラ10から下流側(図1における左側)に設けられた排紙スタック(図示せず)に排紙される。以上が、記録装置100及び給紙装置50の概略である。
【0027】
次に、図2乃至図5を参照しつつ、給紙装置50の構成及び作用効果について詳述する。ここで、図2は給紙装置50の正面図であり、図3(A)は給紙装置50に設けられた給紙ローラ3の正面図(給紙装置50の正面側から視た図)、図3(B)は同側面図(給紙装置50の側面側から視た図)である。また、図4は給紙装置50の、用紙Pセット時(非給送時)の状態を示す側面図であり、図5は、給紙装置50の、用紙P給送時の状態を示す側面図である。
【0028】
図2において、符号2は用紙Pの幅方向に長い前述した駆動軸であって、図示を省略する駆動モータによって正転/逆転駆動される。駆動軸2から駆動力を得る給紙ローラユニット1は、駆動軸2の端部、即ち、給紙装置50(記録装置100)の0桁側(図2における右側)に配置され、当該0桁側において、用紙Pへ給紙ローラ3による給送力を付与する様に構成されている。ここで、本実施形態においては、給紙ローラユニット1は記録装置50の0桁側に配設されているが、これは多様なサイズ(幅)の用紙Pに対応する為であり、従って用紙Pのサイズに応じて給紙装置50の中央付近に配設されていても構わないし、或いは、図2における左側に配設されていても構わない。また、本実施形態では給紙ローラユニット1は0桁側にのみ1つ配設されているが、その他の場所(例えば、給紙装置50の中央付近)に更に別の給紙ローラユニット1を設け、複数の給紙ローラユニット1によって用紙Pの給送を行う様に構成しても構わない。更に、給紙ローラ3を用紙Pの幅方向に長いローラとし、用紙Pの幅方向全体に渡って均一な給送力を付与することもできる。
【0029】
ここで、給紙ローラユニット1の詳細な構成について図3を参照しつつ説明する。図3(A),(B)において、給紙ローラユニット1は前述の通り駆動軸2の端部に設けられ、駆動軸2から駆動力を得る様に構成されている。駆動軸2には太陽歯車19が取り付けられていて、該太陽歯車19に噛合する遊星歯車20に回動力を伝達する。そして、遊星歯車20は伝達歯車21に噛合し、該伝達歯車21は、給紙ローラ歯車22に噛合して回動力を伝達する。遊星歯車20,伝達歯車21,給紙ローラ歯車22は、それぞれ回動軸20a,21a,22aに取り付けられ、これら3つの回動軸は、軸支部材18,18によって軸支されている。
また、軸支部材18,18は、駆動軸2を軸通するのみであるので、駆動軸2の軸方向に移動可能となっている。従って、駆動軸2に固設された固定部材23,23で挟むことにより、駆動軸2の端部から移動しない様に軸方向位置を規制している。また同時に、軸支部材18,18は、駆動軸2を軸通するのみであるため、従って軸支部材18,18は、駆動軸2を回動中心として、図3(B)に示す時計方向/反時計方向に回動することができる様になっている。
【0030】
駆動軸2から離間した位置において、軸支部材18,18に挟まれる様に設けられる給紙ローラ3は、ローラ本体3aの外周にゴム材3bが巻回されることによって構成されていて、当該ゴム材3bにより、用紙Pとの接触摩擦抵抗力を高めて確実な用紙Pの給送が行える様になっている。ローラ本体3aは回動軸22aを構成し、該回動軸22aは、前述の様に軸支部材18,18に回動可能に取りつけられている。尚、回動軸22aは、軸端固定部材24,24によって軸支部材18,18から脱落しない様に取り付けられている。また、前述の様に回動軸22aには給紙ローラ歯車22が取り付けられていて、従って給紙ローラ歯車22には、遊星歯車20,伝達歯車21を介して駆動軸2の回動力が伝達され、これにより、給紙ローラ3が回動する様になっている。
【0031】
以上の様に構成された給紙ローラユニット1の動作について説明すると、まず、駆動軸2が回動すると、該駆動軸2に固設された太陽歯車19が回動して、遊星歯車20を回動させる。ここで、遊星歯車20は、太陽歯車19の周りを公転する遊星歯車であるが、遊星歯車20の回動軸20aを軸支する軸支部材18,18は、駆動軸2を回動中心として回動可能となっているので、遊星歯車20が太陽歯車19の周りを公転することにより、軸支部材18,18は、駆動軸2を回動中心として回動する(図3(B)における時計方向/反時計方向)。従ってこれにより、給紙ローラ3が、用紙Pに対して進退動作を行い、給送時には、用紙Pに圧接することができる。尚、図3(B)における駆動軸2の反時計方向の回転が、給紙ローラ3が正転する回動方向(時計方向の回動方向)となっていて、駆動軸2が図3(B)における反時計方向に回動すると、軸支部材18,18は図3(B)における反時計方向に回動して給紙ローラ3が用紙Pに圧接し、且つ、給紙ローラ3は時計方向に回動して、以て用紙Pの給送が行われる(図1参照)。
【0032】
尚、本実施形態においては、前述から明かな様に給紙ローラユニット1の回動動作と給紙ローラ3の回動動作は、いずれも駆動軸2によって行う様になっている。従ってこれにより別々の駆動源を設けることなく給紙装置50の低コスト化を計っている。
【0033】
次に、給紙ローラユニット1の「撓曲手段」としての作用について図4及び図5を参照しつつ説明する。図4において、給紙装置50は前述の通り用紙Pを傾斜した状態でセットする。このとき、ガイド部材5には「離間手段」としての離間部材6がガイド部材5から突出する様に取り付けられているので、セットされる用紙Pは後端に向かうに従ってガイド部材5から離間し、これにより、用紙Pとガイド部材5との間に空間部7が形成される。従って、ガイド部材5と当接面4a(本実施形態においては、当接面4aは略水平をなしている)とのなす角度γと、用紙Pの先端が当接面4aに当接する当接角αとは、α>γの関係をなしている。つまり、用紙Pのセット時には、用紙Pの傾斜角度はガイド部材5の傾斜角度よりも鈍角となっている。
【0034】
次に、用紙Pの給送時には、前述の様に給紙ローラユニット1が駆動軸2を回動中心として図4に示す反時計方向に回動し、給紙ローラ3が用紙Pに圧接する。ここで、給紙ローラ3が圧接する用紙Pの裏側には、空間部7が位置しているので、給紙ローラ3が用紙Pに圧接する圧接力によって、用紙Pは、下に凸となる様に撓曲する(図5の状態)。つまり、給紙ローラユニット1が、用紙Pを空間部7に向けて押圧する押圧手段となり、また、空間部7を形成する補助板7と、給紙ローラユニット1とが、用紙Pを撓曲させる撓曲手段を構成している。
【0035】
ここで、図5に示す様に用紙Pは下に凸となる様に撓曲し、用紙P先端は、ガイド部材5に密着した状態となる。従って、用紙Pの先端が当接面4aに当接する当接角βは、ガイド部材5と当接面4aとがなす角度γと等しくなり、従って、前述した用紙Pセット時における用紙P先端と当接面4aとのなす角度αとの関係においては、α>βとなる。
【0036】
このように、用紙P給送時に用紙P先端が当接面4aに当接する角度を、用紙Pセット時のそれよりも小なるようになしたことにより、用紙Pのセット及び用紙Pの給送を適切に行うことができる。即ち、用紙Pは傾斜した状態でセットされる為、用紙Pセット時に用紙P先端と当接面4aとがなす当接角α(α<90°)が小さい場合(用紙Pが寝ている状態)、所謂雪崩現象によって堆積された用紙Pが崩れて重送される虞がある。一方、用紙P給送時においては、用紙P先端は当接面4a上を擦り動きながら給送方向に給送される為、給送時の当接角β(β<90°)が大きい場合(用紙Pが立っている状態)、用紙P先端と当接面4aとの間の接触摩擦抵抗力が大なるものとなり、従って大なる給送力を必要とするので、給紙ローラ3の駆動系に負荷がかかり、或いは、その用紙P先端が当接面4aに引っ掛かった状態のまま用紙Pが給送されずに折り曲がる虞もある。しかし、給紙装置50は、給送時に給紙ローラユニット1と離間部材6とからなる撓曲手段によって、用紙Pを下に凸となるように撓曲させて、当接角βを小さくするので、これによって用紙P先端と当接面4aとの間の接触摩擦抵抗力を低減した状態で円滑に用紙Pの給送を行うことができる。また一方では、用紙Pセット時には、当接角αを大きくするので、雪崩現象を起こすことなく確実に傾斜した状態で用紙Pをセットすることができる。
【0037】
尚、当接面4aには、図2及び図4,5に示す様に摩擦部材16,16が配設されていて、これにより、用紙P先端と当接面4aとの接触摩擦抵抗力をより適切なものとしている。また、同様にガイド部材5には摩擦部材17,17が配設されていて、これにより、堆積された用紙Pの最下位のものとの接触摩擦抵抗力が高められ、給紙ローラ3による用紙Pの給送時に、セットされた用紙P全体が重送される不具合を防止している。
【0038】
ところで、セットする用紙Pの剛性が低い場合、その低剛性によってセット時に用紙Pが撓曲して雪崩現象を起こす虞がある。従って、図6に示す様に、用紙Pと離間部材6との間に可撓性補助板25を設け、用紙Pのセット時には用紙Pが撓曲しない様に(図6(A))、一方で用紙Pの給送時には用紙Pと一緒に下に凸となる様に撓曲する様に(図6(B))構成することによって、前述した不具合を防止することもできる。
【0039】
また、これまで述べた実施の形態においては、ガイド部材5に剛性を備えたものを用い、用紙Pの給送時に当該ガイド部材5に用紙P先端を密着させることによって用紙P給送時の当接角βが決定されていた。つまり、ガイド部材5は変形しないので、当接角βは一定なものとなっていたが、当接角α>βなる関係となれば、本発明の作用効果を得ることができるから、図7に示す様な実施の形態とすることもできる。図7は給紙装置50の他の実施の形態を示す側面図であり、符号5aは、可撓性を備えた可撓性ガイド部材5aを示している。本実施形態においては、前述したガイド部材5は可撓性を備えた可撓性ガイド部材5aとなっていて、ガイド部材5aの上方には、規制部材5bが設けられている。従って、用紙Pセット時には用紙Pのセットに最適な当接角αが保たれ(図7(A))、用紙Pの給送時には、給紙ローラ3及び規制部材5bによって可撓性ガイド部材5aが用紙Pと一緒に下に凸となる様に撓曲して当接角αよりも小なる当接角βとなり(図7(B))、給送時の用紙P先端の接触摩擦抵抗力を軽減して円滑に用紙Pを給送することができる。尚、本実施形態においては、可撓性ガイド部材5aに配設される摩擦部材17も可撓性を備えていることが望ましい。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、被記録材先端が当接する当接面と、被記録材先端とのなす角度が、被記録材セット時と被記録材給送時とで異なるので、これによって適切に被記録材をセットでき、また、適切に被記録材を給送することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る記録装置の概略側面図である。
【図2】本発明に係る給紙装置の正面図である。
【図3】(A)は本発明に係る給紙装置の、給紙ローラの正面図であり、(B)は同側面図である。
【図4】本発明に係る給紙装置の、用紙セット時の状態を示す側面図である。
【図5】本発明に係る給紙装置の、用紙給送時の状態を示す側面図である。
【図6】本発明の他の実施の形態に係る給紙装置の側面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態に係る給紙装置の側面図である。
【符号の説明】
1 給紙ローラユニット
2 給紙ローラ駆動軸
3 給紙ローラ
4 先端ガイド部材
4a ガイド面
5 ガイド部材
5a 可撓性ガイド部材
6 補助板
7 空間部
16,17 摩擦部材
18 軸支部材
19 太陽歯車
20 遊星歯車
21 伝達歯車
22 給紙ローラ歯車
25 可撓性補助板

Claims (7)

  1. 傾斜した状態でセットされる被記録材の背面をガイドするガイド部材と、
    被記録材の先端が当接する当接面と、
    最上位にセットされた被記録材に当接して給送方向に被記録材を繰り出す給紙ローラと、を備えた給紙装置であって、
    傾斜した状態でセットされる被記録材を、側面視において下に凸となる様に撓曲させる撓曲手段を備え、
    前記撓曲手段が、傾斜した状態でセットされる被記録材の後端側を、前記ガイド部材から離間させることによって被記録材と前記ガイド部材との間に空間部を形成する離間手段と、
    給送時に前記空間部に向けて被記録材を押圧する押圧手段と、を備え、
    前記撓曲手段により、被記録材セット時に被記録材先端が前記当接面に当接する当接角αと、被記録材給送時に被記録材先端が前記当接面に当接する当接角βを、α>βなる関係になすことを特徴とする給紙装置。
  2. 傾斜した状態でセットされる被記録材の背面をガイドするガイド部材と、
    被記録材の先端が当接する当接面と、
    最上位にセットされた被記録材に当接して給送方向に被記録材を繰り出す給紙ローラと、を備えた給紙装置であって、
    傾斜した状態でセットされる被記録材を、側面視において下に凸となる様に撓曲させる撓曲手段を備え、
    前記撓曲手段が、可撓性を備え、且つ、被記録材後端側が固定されることによって下に凸となる様に撓曲可能に構成された前記ガイド部材と、給送時に前記ガイド部材に向けて被記録材を押圧する押圧手段と、を備え、
    前記撓曲手段により、被記録材セット時に被記録材先端が前記当接面に当接する当接角αと、被記録材給送時に被記録材先端が前記当接面に当接する当接角βを、α>βなる関係になすことを特徴とする給紙装置。
  3. 請求項1または2において、前記撓曲手段が、前記給紙ローラと共通の駆動源によって稼働することを特徴とする給紙装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項において、前記押圧手段が、正転/逆転可能に駆動回動される太陽歯車と、該太陽歯車に噛合する少なくとも1以上の遊星歯車と、前記遊星歯車を軸支し、且つ、前記太陽歯車の回動中心を中心として、前記太陽歯車の正転/逆転に従って従動回動する軸支部材と、前記軸支部材の回動中心から離間した位置で前記軸支部材に軸支され、前記軸支部材の回動に従って被記録材に対して進退動作を行い且つ給送時には進出することにより被記録材に圧接する前記給紙ローラと、からなることを特徴とする給紙装置。
  5. 請求項1からのいずれか1項において、前記当接面に摩擦部材が配設されていることを特徴とする給紙装置。
  6. 請求項1からのいずれか1項において、前記ガイド部材に摩擦部材が配設されていることを特徴とする給紙装置。
  7. 請求項1からのいずれか1項に記載の給紙装置を備えていることを特徴とする記録装置。
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