JP3658398B2 - 反射型x線マスク構造体、該マスクを用いたx線露光装置並びに該装置を用いたデバイス製造方法 - Google Patents

反射型x線マスク構造体、該マスクを用いたx線露光装置並びに該装置を用いたデバイス製造方法 Download PDF

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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大規模集積回路(LSI)やマイクロマシン、マイクロオプティクス等の微細パターンをX線露光によりウェハ等の基板上に焼き付けるX線露光装置に用いられる反射型マスク、該マスクを用いたX線露光装置及び該露光装置を用いたデバイス作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体集積回路の高密度化および高速化に伴い、集積回路のパターン線幅は、約3年間で70%縮小され、さらに縮小される傾向にある。これらの大容量メモリ素子は、近紫外光、紫外光、遠紫外光等の光を用いて、マスクから半導体基板へと転写されるが、これらの光の波長領域では、加工することができる半導体デバイスの加工線幅も限界に近づきつつある。
【0003】
そこで、これらの光よりさらに波長の短いX線を使用したリソグラフイー技術は上記の解像度の問題点を解決する手段として期待が大きい。特に、波長40〜130Å程度の軟X線を用いたX線露光では、X線反射光学系と反射型X線マスクを用いたX線投影露光が可能である。このようなX線投影露光に用いられるパターン転写用の反射型X線マスクは、一般に原子番号の小さい軽元素と原子番号の大きい重元素を基板上に交互に積層したX線反射多層膜、そのX線反射多層膜上にあってX線を遮光するX線遮光膜パターン、ならびにそのX線反射多層膜を支持する基板材料とからなる。
【0004】
反射型X線マスクには、一般に次のような材料が使用される。まず、X線反射多層膜に使用する軽元素材料としては、炭素(C)、ホウ素(B)、ベリリウム(Be)等が、一方、重元素材料としては、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、ロジウム(Rh)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)等が、また、そのX線反射多層膜上のX線遮光膜パターン材料には、タングステン(W)、金(Au)、タンタル(Ta)、白金(Pt)等が使用される。また、上記のX線反射多層膜の支持体には石英SiO2や炭化ケイ素SiC等のセラミック材料が使用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述したような従来の反射型X線マスク構造体を用いて、従来と同様、半導体露光装置(ステッパー)で、ステップ・アンド・リピート法やステップ・アンド・スキャン法によってシリコンウェハ等の基板上にデバイスパターンを転写しようとすると、図5に示すように、被露光基板上の隣合う露光領域の境界部分付近では最大4回の露光にさらされるため、反射型X線マスクのパターン転写領域以外の部分から反射されたX線によってX線露光の多重露光領域が発生する。なお、図5(a)は1つのパターン転写領域とそれの照射領域を示す模式的平面図であり、図5(b)は、X線露光時の多重露光領域を示す模式的平面図である。図中、11はパターン転写領域、12はパターン転写領域外の照射領域、13は2回露光の多重露光領域、14は4回露光の多重露光領域である。
【0006】
このような多重露光領域は、レジストパターンの線幅や形状の劣化を招き、デバイスの加工精度を著しく低下させる。一方、このような多重露光領域が発生しないように被露光基板上の隣合う露光領域の距離を大きくすると、基板上に形成できるデバイスの数量が著しく減少し、デバイスの量産性の低下とコストの増加というきわめて重大な問題を発生する。
【0007】
従って本発明の目的は、半導体露光装置でステップ・アンド・スキャン露光を行ってもウェハ上の隣り合う露光領域の境界部分で多重露光領域を発生することのない反射型X線マスク構造体その反射型X線マスク構造体を用いた高密度でのパターン転写を良好に行うことのできるX線露光装置さらにはその反射型X線マスク構造体を用いて作製される従来より高集積度のデバイスを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、X線吸収体パターンが形成されたX線反射多層膜と、該X線反射多層膜を支持する支持基板とを有し、
前記X線吸収体パターンの形成領域の周囲の領域の表面が、前記X線吸収体パターンの形成領域の表面に対して傾斜しており、
前記周囲の領域のX線反射率が、前記X線吸収体パターンの形成領域のX線反射率よりも低いことを特徴とする反射型マスクに関する。
また光源からのX線で反射型マスクを照明し、該反射型マスクのパターンを被露光基板に投影する露光装置において、
前記反射型マスクとして上記反射型マスクを使用することを特徴とする露光装置であり、
該露光装置は、被露光基板の露光領域を制限するためのアパーチャーを有し、
ステップ・アンド・スキャン露光を行うことを特徴とする露光装置に関する。
また、本発明は、前記露光装置を用いるデバイス作製方法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
上記の反射型X線マスク構造体においては、パターンが転写されるべき被転写体にポジ型レジストが形成されている場合に、前記パターン転写領域の反射X線強度に対する該パターン転写領域外の反射X線強度の割合rpが、下記式(1)を満足することが好ましく、
パターンが転写されるべき被転写体にネガ型レジストが形成されている場合に、前記パターン転写領域の反射X線強度に対する該パターン転写領域外の反射X線強度の割合rnが、下記式(2)を満足することが好ましい。
【0010】
p<Ep0/4Epop ・・・(1)
(ただし式中、Epopはポジ型レジストのパターンを形成するための適正露光量、Ep0は該レジストの現像中に膜減りを生じる最小の露光量である。)
n<Eni/4Enop ・・・(2)
(ただし式中、Enopはネガ型レジストのパターンを形成するための適正露光量、Eniは該レジストの現像後に残膜を生じる最小の露光量である。)
なお、rpおよびrnは0.1以下であることが好ましい。
【0011】
上記の反射型X線マスク構造体は、
X線反射多層膜がパターン転写領域のみに形成されているものとすることができ;
パターン転写領域が、該パターン転写領域以外の部分と異なった平面に形成されているものとすることができ;
パターン転写領域以外の部分のX線吸収体の膜厚が、該パターン転写領域のX線吸収体の膜厚より大きいものとすることができ;
パターン転写領域以外の部分のX線反射率が、パターン転写領域のX線反射率より低いものとすることができる。その最後の場合には、パターン転写領域以外の部分の支持基板の表面が周期構造を持たない面とすることができ、その面の形成を粗面状の支持基板上に多層膜を形成する方法またはX線反射多層膜形成後の荷電ビーム照射によって行うことができる。
【0012】
上記の問題点を解決するためには、反射型X線マスクのパターン転写領域以外のX線反射率を十分に低下させる必要がある。ここで、上記で述ベた4回の多重露光でさえも多重露光が問題にならないようなX線強度は、レジスト線幅変化の露光量依存性や、現像時のレジスト膜厚の減少量(いわゆる膜減り量)を考慮して決定する必要があるが、パターン転写領域の数パーセント以下であることが必要である。
【0013】
図6(a)に例として、ポジ型レジストの感度曲線を示した。今、使用するレジストのパターンを形成するための適正露光量をEpop、該レジストの現像中に膜減りを生じる最小の露光量をEp0、そのパターン転写領域の反射X線強度に対する、そのパターン転写領域外の反射X線強度の割合をrpとする。先に述ベたように、考慮されなければならない多重露光回数を4回と仮定すると、そのパターン転写領域外の反射X線強度の割合rpは、次式(1)で表わされる条件を満たすことが必要である。
【0014】
p<Ep0/4Epop ・・・(1)
【0015】
一方、図6(b)に例として、ネガ型レジストの感度曲線を示した。今、使用するレジストのパターンを形成するための適正露光量をEnop、そのレジストの現像後に基板上に残膜を生じる最小の露光量をEni、そのパターン転写領域の反射X線強度に対する、そのパターン転写領域外の反射X線強度の割合をrnとする。先に述ベたように、考慮されなければならない多重露光回数を4回と仮定すると、そのパターン転写領域外の反射X線強度の割合rnは、次式(2)で表わされる条件を満たすことが必要である。
【0016】
n<Eni/4Enop ・・・(2)
【0017】
パターン転写領域以外からのX線強度を低下させる方法としては、まず第1にパターン転写領域とパターン転写領域以外の部分の境界が、X線反射多層膜の存在部分の境界と一致しているマスク構造を使用することが挙げられる。すなわち、パターン転写領域のみにX線反射多層膜を有し、それ以外の部分ではX線反射多層膜が存在しない構造である。このX線マスク構造体の一例を図1に示す。この図において、31はマスク支持基板、32はX線反射多層膜、33はX線吸収体パターンである。
【0018】
第2にパターン転写領域とパターン転写領域以外の部分が、同一平面上に存在しないマスク構造を使用することが挙げられる。このX線マスク構造体の一例を図2に示す。図中、41はマスク支持基板、42はX線反射多層膜、43はX線吸収体パターンである。
【0019】
その構造には、例えばさらに次のような構造などが考えられる。
(a)画角領域がマスク基板上で凸状の構造
(b)画角領域がマスク基板上で凹状の構造
(c)画角領域の周囲が傾斜した構造(図2)。
【0020】
以上の(a)、(b)および(c)の各方法では、画角領域で反射されたX線は投影光学系を通過することができるが、画角領域の周辺部分では反射されたX線は投影光学系を通過することができない。従って、画角領域とその周辺の境界で反射X線の強度を大きく変えることができる。
【0021】
特に、(c)の図2に例示した方法では、画角領域外では入射X線の入射角が異なるため、X線の反射率が画角領域とその周辺部で大きく異なり、結果的に画角の境界でX線強度を大きく変えることができる。
【0022】
第3に、パターン転写領域以外の部分のX線吸収体層の膜厚が、パターン転写領域のX線吸収体層の膜厚に比較して厚いマスク構造を使用することが挙げられる。このX線マスク構造体の一例を図3に示す。図中、51はマスク支持基板、52はX線反射多層膜、53はX線吸収体パターン、54は多重露光防止層としてのX線吸収体である。
【0023】
この第3の構造体では、画角周辺のX線吸収体の膜厚は、先に述べたように最大4回の多重露光に対してもウェハ上のレジストの膜減り、または線幅の変化が起こらないようなものとすることが必要である。反射型X線マスクを使用した縮小投影露光の場合には、X線反射多層膜上に形成されたX線吸収体材料を含めた位相、干渉条件とを考慮して膜厚を決定する必要がある。
【0024】
今、波長130ÅのX線を使用し、マスクへの入射角を5.8゜とした場合、X線反射多層膜上での反射率は72.3%となる。吸収体材料にタングステンを使用し、パターン転写領域外の部分の反射X線強度をそのパターン転写領域内のX線反射多層膜からの反射X線強度の1/100以下にしようとすると、必要なタングステンの膜厚は約60nmとなる。
【0025】
第4に、パターン転写領域とパターン転写領域以外の部分のX線反射多層膜が、パターン転写領域に比較して、パターン転写領域以外の部分X線の反射率が低くなるように周期構造が破壊されたマスク構造体を使用することが挙げられる。このX線マスク構造体の一例を図4に示す。図中、61はマスク支持基板、62はX線反射多層膜、63はX線吸収体パターン、64は多層構造が破壊されたX線反射多層膜である。
【0026】
この第4の構造体では、パターン転写領域外の部分のX線反射多層膜の周期構造がブラッグ反射条件を満たしていない、または最適周期からずれていることが必要である。
【0027】
次に、前述した本発明のマスク構造体の製造方法を第1の構造体から順に説明する。
【0028】
まず、図1に示した第1のマスク構造体では、そのX線反射多層膜の成膜時に画角領域外をマスクで被い、X線反射多層膜が画角領域のみに堆積するようにする。または、マスク基板全面にX線反射多層膜を成膜した後に画角領域外の部分をエッチングで除去しても構わない。
【0029】
図2に示した第2のマスク構造体では、X線反射多層膜を成膜する基板に、画角領域が凸状の基板や凹状の基板または画角周辺部の領域が傾斜した基板等を準備し、これらの基板の少なくとも画角領域にX線反射多層膜を成膜することによって得られる。
【0030】
図3に示した第3のX線マスク構造体については、まずX線反射多層膜上に画角領域外の膜厚に相当する吸収体を成膜し、そのまま画角領域内にパターンをエッチングによって形成する方法、あるいは、X線反射多層膜上に画角領域外の膜厚に相当する吸収体を成膜し、その後、画角相当の領域全面を、転写パターンの膜厚までエッチバックした上で、画角領域内のパターニングを行う方法によって得られる。
【0031】
図4に示した第4のX線マスク構造体については、X線反射多層膜を成膜した基板上の画角領域外の部分を、例えばイオンビーム照射によって多層膜の周期構造を変化または破壊させ、ブラッグ反射条件を満たさない構造にする。その後X線吸収体材料を少なくとも画角領域上に成膜し、この吸収体膜をエッチングによってパターニングする方法、または粗面状の支持基板上に多層膜を成膜し、ブラッグ反射条件を満たす周期構造を有さないようにする方法によって得られる。
【0032】
【実施例】
次に、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
【0033】
(実施例1)
本実施例では、図1に示したような反射型X線マスク構造体を作製した。
【0034】
反射型X線マスク用の基板として、250mm角の石英基板を用意した。この基板上にRFマグネトロンスパッタ法によりモリブデンとシリコンをそれぞれ3.1nm、3.6nmの膜厚で交互に積層し、80層対のX線反射用の多層膜を得た。この時、この多層膜の成膜領域はX線露光時の転写領域として、上記基板の内側の200mm角の領域になるように、外側の部分をマスクでカバーし、パターン形成領域のみにX線反射多層膜が形成されるようにした。次に、多層膜上にフォトリソプロセスにより、膜厚150nmのタングステンのX線吸収体パターンおよびアライメントマークを形成した。このようにして作製された反射型X線マスクは、パターン形成領域(いわゆる画角)のみにX線反射多層膜を有するので、半導体露光装置でステップ・アンド・リピート露光やステップ・アンド・スキャン露光を行った場合でもウェハ上の隣り合う露光領域の境界部分で多重露光領域が発生しない。
【0035】
(実施例2)
反射型X線マスク用の基板として、250mm角の石英基板を用意した。この基板上にRFマグネトロンスパッタ法によりタングステンと炭素をそれぞれ2.3nm、2.7nmの膜厚で交互に積層し、250層対のX線反射用多層膜を石英基板上の全面に得た。一方、半導体露光装置で実際にウェハの露光を行う場合に使用するレジストに、ポジ型レジストのポリメチルメタクリレート(PMMA)を選択した。本レジストは、波長4.5nmのX線露光では、現像時の膜減り開始露光量(Ep0)が50mJ/cm2、適正露光量(Epop)が250mJ/cm2であることがわかっているので、そのパターン転写領域の反射X線強度に対するパターン転写領域外の反射X線強度の比rpは0.05となることがわかる。
【0036】
(実施例3)
実施例2の方法に準じて、石英基板上の全面にX線反射多層膜を形成した。一方、半導体露光装置で実際にウェハの露光を行う場合に使用するレジストにネガ型レジストのSAL−601ER4(シップレー社製)を選択した。本レジストは、波長4.5nmのX線露光では、現像時の膜減り開始露光量(Eni)が5mJ/cm2、適正露光量(Enop)が25mJ/cm2であることがわかっているので、パターン転写領域の反射X線強度に対するパターン転写領域外の反射X線強度の比rnは0.05となることがわかる。
【0037】
(実施例4)
本実施例では、図2に示したような反射型X線マスク構造体を作製した。
【0038】
反射型X線マスク用の基板として、250mm角の石英基板を用意した。この基板は、基板中心のパターン転写領域に相当する200mm角の領域の平面に対して周辺部分が5゜の角度で傾斜しており、この基板上にRFマグネトロンスパッタ法によりモリブデンとシリコンをそれぞれ3.1nm、3.6nmの膜厚で交互に積層し、80層対のX線反射用の多層膜を得た。本マスクは、波長13nmのX線を、基板中心のパターン転写領域に対して入射角5.8°で入射させた場合、パターン転写領域とパターン転写領域外で入射角が異なるためパターン転写領域外ではX線の反射強度がほとんどゼロとなり、結果的に、半導体露光装置でステップ・アンド・スキャン露光を行った場合でもウェハ上の隣り合う露光領域の境界部分で多重露光領域が発生しない。
【0039】
(実施例5)
実施例4で使用したマスクに対して、広帯域波長のX線を、基板中心のパターン転写領域に対して入射角90゜で入射させた。パターン転写領域とパターン転写領域外で入射角が異なるため、パターン転写領域では波長13nmのX線が選択的に反射され、また、パターン転写領域外では13.6nmのX線が選択的に反射されるが、反射方向が異なるため縮小光学系には侵入しない。結果的に、半導体露光装置でステップ・アンド・スキャン露光を行った場合でもウェハ上の隣り合う露光領域の境界部分で多重露光領域が発生しない。但し、縮小光学系によってはそのパターン転写領域外で反射された光が迷光となってウェハ上に照射される恐れもあるので、この場合は、マスクの周辺部分の傾斜角を十分大きくとるかまたは、X線光学系中の反射型X線マスクの前後に露光領域を制限するためのアパーチャーを設置しても構わない。
【0040】
(実施例6)
反射型X線マスク用の基板として、250mm角の石英基板を用意した。この基板上にRFマグネトロンスパッタ法によりモリブデンとシリコンをそれぞれ3.1nm、3.6nmの膜厚で交互に積層し、80層対のX線反射用の多層膜を得た。本マスクは、波長13nmのX線を、基板中心のパターン転写領域に対して入射角5.8゜で入射させた場合、X線反射多層膜上での反射率は72.3%となる。
【0041】
吸収体材料にタングステンを使用し、パターン転写領域内の吸収体の膜厚をX線反射多層膜からの反射強度の1/10以下に、パターン転写領域外の部分の反射X線強度をそのパターン転写領域内のX線反射多層膜からの反射X線強度の1/100以下にしようとすると、必要なタングステンの膜厚は、それぞれ約30nmと約60nmとなる。本マスクを用いて、半導体露光装置で露光を行った場合でもウェハ上の隣り合う露光領域の境界部分で多重露光領域は発生しない。
【0042】
(実施例7)
実施例1に準じて、マスク基板上にX線反射多層膜を形成する。この後、パターン転写領域外に相当する部分に対して、集光したアルゴンレーザーを走査し、X線反射多層膜の多層構造を破壊し、X線の反射面としての機能を喪失させる。この後に、多層膜上にフォトリソプロセスにより、膜厚150nmのタングステンのX線吸収体パターンおよびアライメントマークを形成する。このようにして作製された反射型X線マスクは、パターン形成領域(いわゆる画角)のみにX線反射機能を有するので、半導体露光装置でステップ・アンド・スキャン露光を行った場合でもウェハ上の隣り合う露光領域の境界部分で多重露光領域が発生しない。
【0043】
(実施例8)
図7および図8に本発明の反射型X線マスクを用いた縮小露光装置の例を示す。波長13nmの軟X線を発生する放射源であるレーザープラズマX線源71からのビームを2枚の反射鏡72および73で集光して、上記説明した反射型マスク74を照射する。反射型マスク74によって強度と位相が変化した線は、2枚の反射鏡75および76よりなる結像光学系によって縮小され、ウェハ77に塗布されたレジスト上に投影されマスクパターンが露光転写される。ここで縮小率は5分の1、開口数は0.02であり、シュワルツシルド光学系を構成している。この装置を使用して縮小露光を行ったところ、ウェハ上の隣り合う露光領域の境界部分で多重露光領域が発生しないため、パターン転写領域の内側でのパターンの劣化は発生せず、またウェハ上の隣り合うパターン転写領域の距離も小さくでき、結果的にウェハ上に形成できるデバイスの数量が向上する。
【0044】
(実施例9)
次に前述した露光装置を利用した半導体デバイス(半導体素子)の製造方法の実施例を説明する。
【0045】
図8は半導体デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、あるいは液晶パネルやCCD等)の製造のフローチャートである。本実施例において、ステップ1(回路設計)では、半導体デバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ3(ウェハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウェハ製造する。ステップ4(ウェハプロセス)は前工程と呼ばれ、前記用意したマスクとウェハを用いてリソグラフィー技術によってウェハ上に実際の回路を形成する。
【0046】
本発明の完成したX線マスクを露光装置内にローディングする。マスクを搬送しマスクチャックにチャッキングすると、パターンは装置に対して一定の領域にあるので、アライメントユニットはマスク上のパターンに対する模索動作を行わなくともマスク/アライメントユニットの誤差を生じない。
【0047】
次にウェハをローディングしてウェハをマスクと対向させ、アライメントユニットで両者のズレを検出して、ウェハステージを駆動して両者の位置あわせを行う。両者が合致したならば露光を行う。露光終了後、ウェハは次のショットへステップ移動し、アライメント以下の動作を行う。
【0048】
この方法はマスクをローディングした際にアライメントユニットの模索動作を行わないのでスループットが向上する特徴がある。
【0049】
次のステップ5(組立)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって製作されたウェハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を合む。
【0050】
ステップ6(検査)ではステップ5で製作された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
【0051】
図9は上記ステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。まず、ステップ11(酸化)ではウェハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)ではウェハ表面に絶縁膜を形成する。
【0052】
ステップ13(電極形成)では、ウェハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打ち込み)では、ウェハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)では、ウェハに感光剤を塗布する。
【0053】
ステップ16(露光)では、前記説明した露光装置によってマスクの回路パターンをウェハに焼付け露光する。
【0054】
ステップ17(現像)では、露光したウェハを現像する。ステップ18(エッチング)では、現像したレジスト以外の部分を削りとる。これらのステップを繰り返し行うことによってウェハ上に多重に回路パターンが形成される。
【0055】
なお、以上の実施例の製造方法を用いれば、従来は製造が難しかった高集積度の半導体デバイスを容易に製造することができる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明により、半導体露光装置でステップ・アンド・スキャン露光を行ってもウェハ上の隣り合う露光領域の境界部分で多重露光領域を発生することのない反射型X線マスク構造体その反射型X線マスク構造体を用いた高密度でのパターン転写を良好に行うことのできるX線露光装置さらにはその反射型X線マスク構造体を用いて作製される従来より高集積度のデバイスを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射型X線マスク構造体の1例の構成を示す模式的断面図である。
【図2】本発明の反射型X線マスク構造体の別の例の構成を示す模式的断面図である。
【図3】本発明の反射型X線マスク構造体のさらに別の例の構成を示す模式的断面図である。
【図4】本発明の反射型X線マスク構造体のさらに別の例の構成を示す模式的断面図である。
【図5】被転写体におけるX線露光の状況を示す模式的平面図であり、(a)は1つのパターン転写領域とそれの照射領域を示す図、(b)はX線露光時の多重露光領域を示す図である。
【図6】X線露光時に被転写体に使用するレジストの感度曲線の例を示すグラフであり、(a)はポジ型レジストの感度曲線であり、(b)はネガ型レジストの感度曲線である。
【図7】本発明のX線露光装置の1例の構成を示す模式図である。
【図8】本発明に係る半導体素子の製造方法の1例のフローチャートである。
【図9】本発明に係る半導体素子の製造方法の別の例のフローチャートである。
【符号の説明】
11 パターン転写領域
12 パターン転写領域外の照射領域
13 多重露光領域(2回)
14 多重露光領域(4回)
31、41、51、61 マスク支持基板
32、42、52、62 X線反射多層膜
33、43、53、63 X線吸収体パターン
54 X線吸収層(多重露光防止膜)
64 多層構造が破壊されたX線反射多層膜

Claims (4)

  1. X線吸収体パターンが形成されたX線反射多層膜と、該X線反射多層膜を支持する支持基板とを有し、
    前記X線吸収体パターンの形成領域の周囲の領域の表面が、前記X線吸収体パターンの形成領域の表面に対して傾斜しており、
    前記周囲の領域のX線反射率が、前記X線吸収体パターンの形成領域のX線反射率よりも低いことを特徴とする反射型マスク
  2. 光源からのX線で反射型マスクを照明し、該反射型マスクのパターンを被露光基板に投影する露光装置において、
    前記反射型マスクとして請求項1記載の反射型マスクを使用することを特徴とする露光装置。
  3. 前記被露光基板の露光領域を制限するためのアパーチャーを有し、
    ステップ・アンド・スキャン露光を行うことを特徴とする請求項2記載の露光装置。
  4. 請求項2又は3記載の露光装置で被露光基板を露光する段階と、該露光した被露光基板を現像する段階とを有することを特徴とするデバイス製造方法。
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