JP3657357B2 - コンバイン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンバインに係り、より詳しくは、刈取前処理装置が所定高さより高くなれば刈取りクラッチをOFFにし、所定高さ以下では刈取りクラッチをONにして、刈取り脱穀作業を迅速に実行するようにしたコンバインの構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば、特開平7−274650号公報、特開平7−274651号公報等において、刈取前処理装置を所定刈高さまで下降させる刈取脱穀作業時には、自動的に刈取クラッチがONするが、刈取前処理装置を前記刈高さ以上に上昇させる非作業時には自動的に刈取クラッチをOFFするというオートクラッチ制御を実行して、圃場での刈取脱穀作業を迅速に実行することが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、圃場の畦際での刈取脱穀作業のように、前記予め設定した刈取高さまで下降させると、刈取前処理装置の側端が畦側面につかえてしまうので、前記設定刈高さより高い位置まで上昇させながら刈取り脱穀させようとしても、前記オートクラッチ制御モードが作動していると、刈取りクラッチが自動的にOFFとなってしまう。従って、従来の技術では、前記オートクラッチ制御モード(自動モード)を一旦解除して手動モードによる作業を実行しなければならず、その切換作業も手間となるし、自動モードが働かないから脱穀負荷調節等の各種操作も同時に手動にて調節しなければならず、極めて操作が煩雑となるという問題があった。
【0004】
また、圃場面には既に刈取った箇所等に排藁が散乱しており、刈取前処理装置と圃場面との対地高さを検出するだけでは、刈高さの検出値に誤りが発生しやすく、その誤検出により、オートクラッチ制御はOFFに移行してしまうので、その度にオートクラッチ制御ONに戻す作業を実行するのが煩わしいという問題もあった。
【0005】
本発明は、これらの問題を解決すべくなされたものであり、設定した刈取り高さのデータに別のデータを付加してオートクラッチ制御のON・OFFを切換できるようにしたコンバインを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そのため、請求項1に記載の発明のコンバインは、刈取前処理装置を走行機体に対して油圧シリンダを介して昇降駆動するように構成し、予め設定された設定刈高さより刈取前処理装置に装着した対地高さセンサによる刈高さ検出値が高ければ刈取クラッチがOFFとなり、前記設定刈高さより前記刈高さ検出値が低ければ刈取クラッチがONとなるよう制御するオートクラッチ制御装置を備えたコンバインにおいて、刈取前処理装置と走行機体との対機体昇降位置を検出するための昇降ポジションセンサを設け、前記オートクラッチ制御装置は、刈取前処理装置の上昇信号もしくは上昇変化率が大きい時には、刈取クラッチのOFFを許容し、下降信号もしくは下降変化率が大きい時には、刈取クラッチのONを許容するように制御するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に本発明をコンバインに適用した実施例について説明すると、図1は走行クローラ2aが備えられた左右一対の走行装置2を有するコンバインの走行機体1の側面図であり、図2は走行機体1の平面図、図5は動力伝達のスケルトン図、図6は油圧回路と制御装置の機能ブロック図である。
【0009】
走行機体1の進行方向に向かって左側には脱穀装置3を搭載し、走行機体1の前部には単動式の油圧シリンダ9により昇降動可能な刈取前処理装置4を配置する。刈取前処理装置4の下部フレームの下部側にはバリカン式の刈刃装置5を、前方には6条分の穀稈引起装置6が配置され、穀稈引起装置6と脱穀装置におけるフイードチェン7前端との間には穀稈搬送装置8が配置され、穀稈引起装置6の下部前方には分草体10が突出している。走行機体1の右側前部に運転室11が配置され、その後側に穀粒タンク12が配置されている。
【0010】
図3及び図4に示すように、刈取前処理装置4に先端を装着した前方下向き傾斜状の昇降筒フレーム14の基端を水平筒15に固着し、該水平筒15を走行機体1の前部に設けた複数の軸受ブラケット16(一方を図示省略)に回動自在に軸支し、走行機体1上のエンジン35からの動力を前記水平筒15及び昇降筒フレーム14の各々の内径部に配置した伝動軸17と19、傘歯車対18等を介して刈取前処理装置4の各部に動力伝達される。そして、昇降筒フレーム14の中途部と走行機体1との間に装架した昇降油圧シリンダ9にて刈取前処理装置8を昇降駆動させるものである。
【0011】
コンバインの動力伝達系を示すスケルトン図(図5)に示すように、エンジン35からの出力の一方は、クラッチ36を介して穀粒タンク12内の底コンベヤ37及び縦コンベヤ38に動力伝達し、次いで排出オーガ28内のスクリューコンベヤ(図示せず)に伝達される。
エンジン35からの他の出力は、動力分岐用ミッション39を介して扱胴駆動軸40、選別駆動軸41、走行用の油圧ポンプ油圧モータ式(HST式)走行駆動部42への駆動軸43及び刈取前処理装置4への定速回転駆動軸44に動力伝達される。そして、扱胴駆動軸40または選別駆動軸41を介して扱胴13及び処理胴29、一番受樋のスクリューコンベヤ26a、唐箕フアン、二番受け樋のスクリューコンベヤ26b及び二番還元コンベヤ25、排藁チェン31、吸引フアン30及び排藁カッタ33に伝達される。
【0012】
他方、前記(HST式)走行駆動部42より出力する刈取同調駆動軸45から、(走行駆動部の正回転時のみ伝達可能な)ワンウエイクラッチ45a及び同調クラッチ46を介して刈取軸47に動力伝達させ、フイードチェン7に直接伝達する。また、刈取軸47に設けた刈取前処理部クラッチ49を介して刈取前処理装置4への動力伝達をON・OFFするように構成されている。それぞれの同調クラッチ46,刈取クラッチ48,刈取前処理部クラッチ49をON・OFF操作するには、それぞれのクラッチに対応する電磁ソレノイド等のクラッチアクチュエータをON・OFF動作するように構成されている。なお、同調クラッチ46はベルトのテンションを緊張・緩和することにより動力継断するテンションクラッチであっても良い。従って、後述するように、車速同調制御を禁止(中止)する場合等で、動力分岐用ミッション39の定速回転駆動軸44を介して刈取軸47に動力伝達し、HST式走行駆動部42より出力する刈取同調駆動軸45の回転数が前記定速回転駆動軸44からの回転数より低い場合や、刈取同調駆動軸45がコンバインの後退方向に回転する場合には、ワンウエイクラッチ45aが空回りする。
【0013】
なお、前記HST式(2油圧モータ2油圧ポンプによる無段階変速機構内に機械的変速機構を組み込んだもの)走行駆動部42の各油圧ポンプ等の斜板を調節して車速を無段階変速するための主変速レバー(図示せず)は前後回動し、ほぼ垂直姿勢の中立位置(停止位置)に対して前に倒すと前進位置であり、垂直に対する傾斜角度が大きいほど車速が速くなる。後方に傾斜させると後退となり、その傾斜角度が大きいほど車速が速くなる。
【0014】
副変速レバー(図示せず)は、HST式走行駆動部42内に設けた機械的変速機構(図示せず)を操作する伝動モータ等のアクチュエータを制御するためのものであり、副変速レバーを路上走行モード、標準作業モード、低速作業モードの各位置に切換えると、コンバインに搭載したマイクロコンピュータ式の制御装置(コントローラユニット)70の指令により、前記各作業モード時に適応する走行駆動部42の出力(馬力)及び回転数を所定のレンジに設定保持することができる。
【0015】
なお、走行機体1を前進走行させながら通常の刈取脱穀作業を実行するとき(低速作業モード時及び標準作業モード時)には、動力分岐用ミッション39における刈取クラッチ48をOFF(動力遮断)し、同調クラッチ46及び刈取前処理部クラッチ49はON(動力接続)の状態にし、燃料噴射量センサ及び車速センサの検出値を監視しながら、走行駆動部42の出力に同調させた回転数の刈取同調駆動軸45を介して刈取軸47を駆動させて刈取前処理装置4及びフイードチェン7を同調駆動する一方、扱胴駆動軸40及び選別駆動軸41を駆動させて、扱胴11、処理胴29、送風フアン20、唐箕フアン19、揺動選別機構15等を駆動させるのである。
【0016】
また、圃場内での刈取脱穀作業途中において走行機体を方向転換等を実行するに際して、走行機体1を停止または後退させるとき、刈取前処理装置4とフイードチェン7との駆動を停止する時には、同調クラッチ46及び刈取クラッチ48をOFFにする。フイードチェン7のみ駆動するには、刈取前処理部クラッチ49をOFFにする。この場合、刈取前処理装置4への動力伝達はなく、動力分岐用ミッション39から刈取軸47を介してフイードチェン7にのみ動力伝達される。
【0017】
刈取前処理装置4と圃場面との対地高さを検出して刈高さを検出するための刈高さセンサとしての超音波センサ20は、前記穀稈引き起こし装置6の裏面側に設けたブラケット(図示せず)に配置し、図5に示すように、超音波センサ20における発信器20aの発信部(ホーン部)と受信器20bの受信部とを圃場面に向けるように配置する。超音波センサ20の設置高さと刈刃5の設置高さとが異なる場合には、超音波センサ20の検出値から所定の換算により、刈高さ検出値を求めるようにしている。
【0018】
昇降ポジションセンサ22は、走行機体1と刈取前処理装置4との相対高さを検出するためのものであり、本実施例では、図3及び図4に示すように、前記軸受ブラケット16に固定した回動ポテンショメータ式の昇降ポジションセンサ22の感知回動アーム23を、水平筒15の外面に固着したセンサ軸24に当接させ、水平筒15の回動角度θを検出することにより、昇降筒フレーム14の回動角度、ひいては走行機体1に対する刈取前処理装置4の昇降位置(対機体昇降位置)を検出できるようになっている。
【0019】
図6は、刈高さ制御やオートクラッチ制御を実行するための制御装置70の機能ブロック図を示し、該制御装置70は、マイクロコンピュータ等の電子式制御装置であり、図示しないが各種演算処理や制御を実行するための中央処理装置(CPU)や、制御プログラムを記憶させた読み出し専用メモリ(ROM)、各種の検出値、データ等を一時的に記憶させる随時読み書き可能メモリ(RAM)、制御装置の電源をOFFとしても記憶データを保持するための不揮発性メモリ、タイマ機能としてのクロック、インターフェイス、バスなどを備える。
【0020】
超音波センサ20における発信器20aには制御装置70からの指令により発信駆動回路71を介して適宜時間間隔T1にて超音波を発信し、被検出物等にて反射された反射波は受信器20bで受信し、その検出信号は受信増幅回路72を介して制御装置70に入力する。前記昇降ポジションセンサ22の検出信号もA/D変換器を介して前記時間間隔T1ごとに制御装置70に入力する。
【0021】
また、刈高さ設定器73、刈取脱穀作業を手動モードで行うときの手動スイッチ74、同じ作業を自動制御モードにするときの自動スイッチ75、さらに前記手動で実行するとき、刈取前処理装置4を手動にて細かく昇降操作するためのジョイスティック76の各信号もそれぞれ制御装置70に入力される。ジョイスティック76の操作レバーは前後傾動可能で中立位置に自動復帰するように付勢され、操作レバーを前方向に傾倒している間は最小速度で下降継続し、後傾している間は最小速度で上昇継続する。
【0022】
また、前記制御装置70では、後述する所定の演算結果に応じて所定の昇降指令信号を第1駆動回路77と第2駆動回路78とに出力し、第1駆動回路77からの出力に応じて油圧回路79における油圧切換弁80の電磁ソレノイド80a,80bを作動させる一方、第2駆動回路78からの出力に応じて高速応答電磁弁の一例である電磁比例減圧弁50の電磁ソレノイド50aを作動させて、刈取前処理装置4の昇降のための単動油圧シリンダ9を作動させるのである。
【0023】
図5に示す油圧回路79では、前記単動式の昇降油圧シリンダ9及び左右の走行装置3と走行機体1との左右相対車高を制御するための左右一対のローリング制御用油圧シリンダ(図示せず)に対する油圧制御弁51等にも圧油を供給する。
この場合、図5に示すように、油圧回路79の油圧ポンプ52から油圧切換弁49への給油路53中に、リリーフ弁54を介挿する。4ポート3位置切換電磁式の油圧切換弁80の出力ポートから単動油圧シリンダ9への油圧管途中には、逆止弁55、及びスローリターンチェック弁56を接続する。なお、油圧切換弁80の他の出力ポートからは他の油圧制御弁51に同時に給油するように構成されている。
【0024】
前記油圧管の逆止弁55とスローリターンチェック弁56との間に接続した戻油管57には、前記単動油圧シリンダ9のピストンロッド下降用の可変絞り弁58と緊急下降弁59とを並列接続する。この可変絞り弁58は、2ポート2位置切換型のバルブであって、そのパイロットポートには、前記の高速応答電磁弁の1例としての、電磁比例減圧弁50の出力ポートを接続する。
【0025】
そして、刈取前処理装置昇降用の油圧シリンダ9の作動制御は次のように実行する。即ち、電磁式の油圧切換弁80を切換て油圧シリンダ9を伸長させる場合には、電磁ソレノイド80aをパルス幅変調制御(PWM)にて作動させると、電磁比例減圧弁50によって適宜油圧に調整されたパイロット圧が可変絞り弁58に作用し、可変絞り弁58の絞り度合いが任意に変化し、戻油管57から油タンク60にドレンされる。その場合、可変絞り弁58の絞り度合いに応じて油圧シリンダ9の作動速度が調節される。
【0026】
また、油圧シリンダ9を縮小させる場合には、油圧切換弁80を中立にし、電磁比例減圧弁50を前記と同様にパルス幅変調制御(PWM)方式にて作動させ、そのパイロット圧の調節にて可変絞り弁58の絞り開度を調節し、これにより油圧シリンダ9の作動速度を調節する。
次に、オートクラッチ制御について説明する。従来の技術のオートクラッチ制御とは、予め設定刈高さ(目標刈高さ)を設定しておき、刈取前処理装置4を下降させてその刈刃装置5の対地高さ(刈高さ)が前記設定対地高さ(設定刈高さ)より小さくなると、自動的に刈取クラッチ48がONになって、刈取前処理装置4及び脱穀装置3にエンジン35からの動力を伝達させて、刈取脱穀作業を速やかに開始できるようにし、逆に、刈取前処理装置4を上昇させてその刈刃装置5の対地高さが前記設定刈高さ以上になると、自動的に刈取クラッチ48をOFFにさせて、刈取前処理装置4及び脱穀装置3の作動をOFFにするものである。
【0027】
しかしながら、圃場の畦際等では、前記所定の設定刈高さまで刈取前処理装置4を下降させると、当該刈取前処理装置4の側縁等が畦に当接する等の不都合があるので、オペレータが前記所定の設定刈高さより高い位置で刈取前処理装置4の下降を停止し、その状態にて刈取前処理装置4及び脱穀装置3を作動させて刈取脱穀作業を続行させることを希望する事態が発生する。
【0028】
そのため、本発明の参考例では、刈取前処理装置4を走行機体1に対して油圧シリンダ9を介して昇降駆動するように構成し、予め設定された設定刈高さより刈取前処理装置4に装着した対地高さセンサとしての超音波センサ20による刈高さ検出値が高ければ刈取クラッチ48がOFFとなり、前記設定刈高さより前記刈高さ検出値が低ければ刈取クラッチ48がONとなるよう制御するオートクラッチ制御装置を備えたコンバインにおいて、前記オートクラッチ制御装置は、前記設定刈高さより前記刈高さ検出値が高い場合であって、且つ刈取前処理装置4に設けた穀稈有無センサ81の検出値がONの場合には、前記刈取クラッチ48をONに保持するように制御するものである。
【0029】
ここで、穀稈有無センサ81は刈取前処理装置4における穀稈搬送装置8の途中またはフイードチェン7の始端部による穀稈搬送経路中に配置する接触センサ等にて構成し、刈り取られた穀稈が、刈取前処理装置4に未だ存在しているか否かを感知(検出)できるものである。他方、刈高さ設定器73は、可変抵抗器等のアナログ式であっても良いし、デジタル式であっても良い。これらでは、所望のメモリ位置等に合わせて、設定刈高さ値Htを設定する。さらには、別途の初期値設定スイッチ82を運転部に設け、刈取りクラッチ48をOFFにした状態で、オペレータが前記初期値設定スイッチ82を押下しながら(ON連続時間が適宜秒数以上のとき)、図示しない昇降レバーを操作して刈取前処理装置4を所定の刈高さまで昇降させて停止する。このときの対地高さセンサ(超音波センサ20)の検出値を、制御装置70に備えた不揮発性メモリに格納し、所定のオートクラッチ制御時にこのデータ(設定刈高さ値)を読出して使用するようにしても良い。
【0030】
この参考例の制御フローチャートを示す図7を参照しながら説明すると、スタートに続き、走行機体1を圃場走行させながら前記設定刈高さ値Htを読み出す(S1)。次に、超音波センサ20による刈高さ検出値HoをΔT時間(msec.)毎に読み込む(S2)。
そして、刈高さ検出値Hoが設定刈高さ値Htより大きいか否か(Ho>Ht?)を判別する(S3)。ここで、Ho>Ht+αとしても良く、αは、制御のハンチングを発生させないためのオフセット設定値であり、予め任意に設定されているものである。Ho>Ht(+α)の場合(S3:yes )には、さらに、穀稈有無センサ81がONか否かを判別する(S4)。センサ81がONの場合(S4:yes )及びHo≦Ht(+α)の場合(S3:no)には、前記オートクラッチ制御をONとする制御を実行する(S5)。そして、センサ81がOFFの場合(S4:no)には、オートクラッチ制御をOFFとするのである(S6)。このような制御の出力信号を制御装置70から適宜時間間隔毎に出すと、刈取前処理装置4が設定刈高さ値Htより高くなるまで上昇していても、当該刈取前処理装置4内に穀稈が存在している、つまり刈取脱穀作業が続いているものと判断して、オートクラッチ制御をONにして、自動の刈取・脱穀作業をそのまま続行できるのである。また、圃場の一側を刈取脱穀して後、当該圃場の他側にコンバインを移動させて刈取・脱穀を続行せる場合、その間のコンバインの移動中に刈取前処理装置4を設定刈高さ以上に上昇させても、刈取前処理装置4に穀稈が存在している限りは、脱穀作業も続行することができる。
【0031】
図8に示すフローチャートは、本発明の第1実施形態のオートクラッチ制御であり、スタートに続き、走行機体1を圃場走行させながら前記設定刈高さ値Htを読み出す(S10)。次に、超音波センサ20による刈高さ検出値HoをΔT時間(msec.)毎に読み込む(S11)。
そして、(Ho≧Ht+α)を判別する(S12)。ここで、αは、制御のハンチングを発生させないためのオフセット設定値であり、予め任意に設定されている。
【0032】
次に、刈取前処理装置4を上昇させるための上昇出力信号であるか否を判別し(S13)、上昇中であれば(S13:yes )、オートクラッチ制御をOFFとする(S14)。
S12でno、またはS13でnoと判断された場合、(Ho≦Ht−α)を判別する(S15)。次に、刈取前処理装置4を下降させるための下降出力信号であるか否を判別し(S16)、下降中であれば(S16:yes )、オートクラッチ制御をONとする(S17)。そして、S15でno、またはS16でnoと判断したとき、及び前記オートクラッチ制御のONまたはOFFの制御を実行してΔT時間経過させてリターンするという制御を繰り返すのである。
【0033】
なお、刈取前処理装置4の昇降させるための出力信号に代えて、昇降ポジションセンサ22の検出値により判別しても良い。即ち、昇降ポジションセンサ22の検出値のΔT時間の経過による変化率が所定値より大きいか否かを判別することにより、刈取前処理装置4が上昇行程または下降行程にあるか否が判断できるのである。
【0034】
この第1実施形態によれば、単に対地高さセンサ20のみの検出結果で判断してオートクラッチ制御のON・OFFを実行するのではなく、制御装置70の出力状況、つまり刈取前処理装置4の昇降状況も考慮してオートクラッチ制御のON・OFFを実行するので、対地高さセンサ20の検出値の誤りによる誤作動を回避することができる。
【0035】
なお、前記参考例と第1実施形態とを合わせた制御を実行しても良いことはいうまでもない。
【0036】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1に記載の発明によれば、刈取前処理装置を走行機体に対して油圧シリンダを介して昇降駆動するように構成し、予め設定された設定刈高さより刈取前処理装置に装着した対地高さセンサによる刈高さ検出値が高ければ刈取クラッチがOFFとなり、前記設定刈高さより前記刈高さ検出値が低ければ刈取クラッチがONとなるよう制御するオートクラッチ制御装置を備えたコンバインにおいて、刈取前処理装置と走行機体との対機体昇降位置を検出するための昇降ポジションセンサを設け、前記オートクラッチ制御装置は、刈取前処理装置の上昇信号もしくは上昇変化率が大きい時には、刈取クラッチのOFFを許容し、下降信号もしくは下降変化率が大きい時には、刈取クラッチのONを許容するように制御するものである。
【0037】
従って、単に対地高さセンサのみの検出結果で判断してオートクラッチ制御のON・OFFを実行するのではなく、制御装置の出力状況、つまり刈取前処理装置の昇降状況も考慮してオートクラッチ制御のON・OFFを実行するので、対地高さセンサの検出値の誤りによる誤作動を回避することができる結果、頻繁に、もしくは不用意にオートクラッチ制御OFFとならず、刈取脱穀作業を円滑かつ安定して実行できるという効果を奏するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コンバインの側面視である。
【図2】 コンバインの平面図である。
【図3】 ポジションセンサの取付け位置を示す側面図である。
【図4】 ポジションセンサの取付け位置を示す平面図である。
【図5】 動力伝達系統のスケルトン図である。
【図6】 油圧回路及び制御手段の機能ブロック図である。
【図7】 オートクラッチ制御の参考例のフローチャートである。
【図8】 オートクラッチ制御の第1実施形態のフローチャートである。
【符号の説明】
1 走行機体
3 走行装置
8 刈取前処理装置
9 昇降油圧シリンダ
20 超音波センサ
22 昇降ポジションセンサ
48 刈取クラッチ
50 電磁比例減圧弁
70 制御装置
73 刈高さ設定器
81 穀稈有無センサ
77 駆動回路
80 油圧切換弁
Claims (1)
- 刈取前処理装置を走行機体に対して油圧シリンダを介して昇降駆動するように構成し、予め設定された設定刈高さより刈取前処理装置に装着した対地高さセンサによる刈高さ検出値が高ければ刈取クラッチがOFFとなり、前記設定刈高さより前記刈高さ検出値が低ければ刈取クラッチがONとなるよう制御するオートクラッチ制御装置を備えたコンバインにおいて、刈取前処理装置と走行機体との対機体昇降位置を検出するための昇降ポジションセンサを設け、前記オートクラッチ制御装置は、刈取前処理装置の上昇信号もしくは上昇変化率が大きい時には、刈取クラッチのOFFを許容し、下降信号もしくは下降変化率が大きい時には、刈取クラッチのONを許容するように制御することを特徴とするコンバイン。
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