JP3657074B2 - ポリマーポリオールの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はポリマー分散ポリオールの連続的製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリオール中でスチレンやアクリロニトリル等のエチレン性不飽和モノマーを重合させて得られる、ポリマー微粒子の分散したポリオールはポリマーポリオールまたはポリマー分散ポリオールと呼ばれ、ポリウレタンフォームやポリウレタンエラストマー等の原料として使用されている。
特に、ポリマーポリオールを軟質ポリウレタンフォームに使用した場合、セルの連通化の促進、フォーム硬度の向上等の効果が得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ポリマーポリオールは、ポリウレタン原料としての取り扱いの観点から低粘度で、残留モノマー量が低い方が好ましい。
低粘度化の方法としては、従来のポリマーポリオールの製造方法として知られている、回分式方法、半回分式方法、連続的方法の内、同じポリマー濃度ならば回分式、半回分式方法よりも連続的方法の方がポリマーポリオールを低粘化できることを特公昭43−22108号公報は教示している。
【0004】
しかしながら、連続的方法は、回分式、半回分式製造法に比べ、低粘度の製品が得られるものの、同程度の生産性で比較すると回分式、半回分式製造法に比べ、モノマーの転化率が劣るという短所があった。
【0005】
残留モノマー量を低減する方法としては、特公平8−5941号公報のように、特定の過酸化物の混合物からなるチェーサー触媒を、ラジカル開始剤によるモノマーの重合が80〜95%完了した後、添加することによりモノマーの転化率を向上させる方法が知られている。モノマーの転化率を向上させることによって、残留モノマーを除去するための減圧ストリッピング工程が簡略化され、製造時間の短縮、生産性の向上が達成される。
【0006】
しかしながら、モノペルオキシカルボネートとジペルオキシケタールおよびペルオキシエステルより選ばれる少なくとも1種の過酸化物との混合物からなる上記のような特殊でコスト高な触媒を用いない通常のアゾ系ラジカル開始剤を使用するポリマーポリオールの連続的製造方法においては、モノマーの転化率向上に及ぼす重合触媒装入方法の効果については知られていない。また、上記のような過酸化物系触媒は、ポリオールとのグラフトマーを多く生成するため粘度が上昇し、ポリウレタン原料用途には、不適であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、モノマーの転化率を向上し、かつ低粘度のポリマー分散ポリオールを連続的に製造する方法について鋭意検討した結果、本発明に達した。
すなわち、本発明は、エチレン性不飽和モノマー、ポリオール、アゾ系ラジカル開始剤、およびその他の添加剤からなる混合物の反応によりポリマーポリオールを製造する際に、ポリオールとアゾ系ラジカル開始剤の3〜30重量%のみを2段目以降の多段重合槽に導入することを特徴とするポリマーポリオールの製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明では、2段以上の多段連続重合槽を使用し、エチレン性不飽和モノマー、ポリオール、アゾ系ラジカル開始剤、およびその他の添加剤からなる混合物の内、ポリオールとアゾ系ラジカル開始剤の3〜30重量%のみを2段目以降の重合槽に導入して連続的に重合を行う。2段目以降の重合槽に導入するポリオールとアゾ系ラジカル開始剤が、重合に使用するポリオールとアゾ系ラジカル開始剤に対して3重量%未満であれば、モノマーの転化率の向上に十分な効果を示さない。30重量%を越えると1段目の重合槽でのモノマーの濃度が高くなるため、ポリマー粒子の凝集が起こり低粘度のポリマー分散ポリオールが得られず、粒径も大きくなる。
【0009】
また、アゾ系ラジカル開始剤は固体であるため、ポリオールに溶解せず、アゾ系ラジカル開始剤のみを2段目以降の重合槽に導入するのは困難であり、導入してもモノマーの転化率向上に効果を示さない。ポリオール以外の溶剤、例えばアセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン等にアゾ系ラジカル開始剤を溶解して2段目以降の重合槽に導入することも可能だが、脱溶剤工程が加わり、製造法が煩雑になる。
【0010】
1段目の重合槽に導入するエチレン性不飽和モノマー、ポリオール、アゾ系ラジカル開始剤、およびその他の添加剤からなる混合物は、十分混合し、均一な溶液として導入する。2段目以降の重合槽に導入するポリオールとアゾ系ラジカル開始剤も十分混合して、均一な溶液として導入することが好ましい。これらの混合液は、重合槽に導入されるまで実質的に重合の起こらない温度に保たれる必要がある。アゾ系ラジカル開始剤の分解速度により異なるが、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを用いる場合の混合液は40℃以下、好ましくは20℃以下である。
【0011】
重合槽内での反応液の滞留時間は、任意に制御できるが、生産性の観点から多段重合槽内の総滞留時間は、好ましくは2.0時間以内である。各重合槽内での滞留時間は、1時間以内であることが好ましい。
本発明の重合反応は、常圧下でも、加圧下でも行うことができるが、加圧下での反応は10kgf/cm2G以下で行うことが好ましい。重合温度は通常60〜150℃、好ましくは80〜130℃である。
【0012】
本発明で用いるポリオールは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等公知のものが用いられる。ポリエーテルポリオールとしては、2〜8官能性で水酸基1個あたりの分子量が100〜8000、好ましくは200〜5000、より好ましくは600〜3000のものである。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール等のジオール類、グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、スクロース等のポリオール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、レゾルシン、フロログルシン、ナフタレンジオール、アミノフェノール、アミノナフトール、フェノールホルムアルデヒド縮合物等の芳香族化合物、メチルジエタノールアミン、エチルジイソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、アニリン、トルイジン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ナフタレンジアミン等からなる群から任意に選ばれる化合物を開始剤とし、通常アルカリ金属化合物、アミン類、または複合金属シアン化物錯体等の触媒を使用して、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド等からなる群から任意に選ばれるアルキレンオキシドを付加して得られるポリオキシアルキレンポリオールが挙げられる。更に、これらのポリオキシアルキレンポリオールの中から、任意に選ばれる2種以上の混合物も使用できる。
【0013】
本発明ではエチレン性不飽和モノマーとして、アクリロニトリル単独、または、アクリロニトリルおよびスチレンの併用が挙げられる。
本発明でアクリロニトリルおよびスチレンを用いる際のエチレン性不飽和モノマー中のアクリロニトリルの量は5〜100重量%が好ましい。エチレン性不飽和モノマー中のアクリロニトリルの量が5重量%未満では、軟質フォーム分野でのフォーム硬度向上等の効果が得られにくい。
エチレン性不飽和モノマーの使用量は、ポリオールと該モノマーの全量に対し5〜70重量%、好ましくは5〜50重量%である。
【0014】
本発明では重合開始剤として、通常ラジカルを発生して重合を開始するアゾ系ラジカル開始剤が用いられる。具体的には、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチラート、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド、2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド等のアゾ化合物が挙げられる。特に好ましいのは、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルである。
重合開始剤の使用量は、通常エチレン性不飽和モノマーに対して、0.1〜10.0重量%、好ましくは0.5〜5.0重量%である。
【0015】
その他の添加剤として連鎖移動剤、分散安定化剤、グラフト化剤、有機溶媒を用いることができる。
【0016】
本発明では、必要により連鎖移動剤を用いることができる。具体的には、イソプロパノール等のアルコール類、メルカプタン類、ハロゲン化炭化水素、脂肪族3級アミン、メタリルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。連鎖移動剤の使用量は、ポリオールとエチレン性不飽和モノマーの全量に対して、0.1〜10.0重量%の範囲が好ましく使用できる。
【0017】
更に、ポリマー粒子を安定に分散させる目的で、例えば分子量が15000以上であるポリオキシプロピレンポリオールのような分散安定化剤、分子内に二重結合を有するグラフト化剤を用いることもできる。グラフト化剤としては、ポリオールに無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸無水物を反応させた後、必要に応じてプロピレンオキシド、エチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加して得られる高分子量ポリオール等が挙げられる。これらグラフト化剤は本発明におけるモノマーに含まない。
【0018】
上記重合反応は、無溶媒でも行うことができるが、有機溶媒の存在下に行うこともできる。有機溶媒としては、トルエン、キシレン、アセトニトリル、ヘキサン、ヘプタン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、ブタノール、イソプロパノール等が挙げられる。
【0019】
重合反応終了後、得られたポリマーポリオールはそのままポリウレタン等の原料として使用できるが、未反応モノマー、触媒の分解生成物や連鎖移動剤、溶媒等を減圧下に留去した後に使用することが好ましい。
【0020】
本発明のポリマーポリオールに含まれるポリマー微粒子の量は、得られたポリマー分散ポリオール100重量部あたり5〜70重量%、好ましくは5〜50重量%である。
本発明のポリマーポリオールに含まれるポリマー微粒子の平均粒子径は、ポリマー微粒子の分散安定性とポリウレタン樹脂の物性に与える影響の観点から、0.1〜10μmであることが好ましい。
【0021】
本発明のポリマーポリオールは、ポリウレタンの原料として使用する場合、ポリマーポリオール同志を混合しても、前記のようなポリオールで希釈しても使用することができる。
【0022】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。実施例、比較例に使用した原料は次の通りである。例中の数字は原則として、重量部を表す。
ポリオールA:水酸化カリウム触媒の存在下、グリセリンにプロピレンオキシドを付加させ、ついでエチレンオキシドを付加させた水酸基価33mgKOH/gのポリオール(EO含量14%)。
エチレン性不飽和モノマー
AN:アクリロニトリル 三井東圧化学(株)製品
St:スチレン 三井東圧化学(株)製品
開始剤
AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 大塚化学(株)製品
開始剤B:OO-t- ブチル O- イソプロピルパーオキシカーボナート 日本油脂(株)製品
開始剤C:2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン 純度 50% 日本油脂(株)製品
物性は、以下の要領で測定した。
モノマー転化率:反応混合物が重合槽を出て、蒸発機に導入される前にサンプルを採取し、ガスクロ分析により決定した。
ポリマー分散ポリオールの粘度:JIS K 1557 ポリウレタン用ポリエーテル試験方法に準じ、B型粘度計で測定した。
分散ポリマーの粒径:粒子アナライザーCOULTER LS230を使用し、体積平均粒径を測定した。
残留モノマー量:得られたポリマーポリオールをガスクロ分析した。
【0023】
実施例1
ポリオールA77.6部およびAIBN0.35部の各90重量%とアクリロニトリル22.4部の混合物を各室にインペラーを設けた2段重合型連続重合槽の1段目に、ポリオールAおよびAIBNの各10重量%の混合物を該重合槽の2段目に、反応温度125℃、反応圧力3kgf/cm2 G、滞留時間90分(1段目45分、2段目45分)の条件で連続的に装入し、反応混合物を連続的に減圧度5mmHg、120℃の蒸発機に導入し、未反応のモノマーとAIBNの分解物を除去し、ポリマーポリオールを得た。蒸発機導入前の時点で、アクリロニトリルの転化率は93.0%、得られたポリマーポリオールの粘度は、3100cps./25℃、分散しているポリマーの粒径は0.9μm 、残留モノマー量はアクリロニトリル90ppm であった。
【0024】
実施例2
ポリオールAおよびAIBNの各80重量%とアクリロニトリルの混合物を2段重合型連続重合槽の1段目に、ポリオールAおよびAIBNの各20重量%の混合物を該重合槽の2段目に装入した以外、原料組成、重合条件等は、実施例1と同様に重合を行った。アクリロニトリルの転化率は、94.5%、得られたポリマーポリオールの粘度は、3000cps./25℃、分散しているポリマーの粒径は0.9μm 、残留モノマー量はアクリロニトリル70ppm であった。
【0025】
実施例3
ポリオールA76.0部およびAIBN0.35部の各90重量%とアクリロニトリル19.0部、スチレン5.0部の混合物を2段重合型連続重合槽の1段目に、ポリオールAおよびAIBNの各10重量%の混合物を該重合槽の2段目に装入した以外は、実施例1と同様な重合条件でポリマーポリオールを得た。アクリロニトリルの転化率は96.2%、スチレンの転化率は97.2%、得られたポリマーポリオールの粘度は、2900cps./25℃、分散しているポリマーの粒径は0.9μm 、残留モノマー量はアクリロニトリル25ppm 、スチレン120ppm であった。
【0026】
実施例4
ポリオールAおよびAIBNの各80重量%とアクリロニトリル、スチレンの混合物を2段重合型連続重合槽の1段目に、ポリオールAおよびAIBNの各20重量%の混合物を該重合槽の2段目に装入した以外、原料組成、重合条件等は、実施例3と同様に重合を行った。アクリロニトリルの転化率は96.2%、スチレンの転化率は98.3%、得られたポリマーポリオールの粘度は2900cps./25℃、分散しているポリマーの粒径は0.9μm 、残留モノマー量はアクリロニトリル10ppm 、スチレン100ppm であった。
【0027】
比較例1
ポリオールAおよびAIBNの各100重量%とアクリロニトリルの混合物を2段重合型連続重合槽の1段目に装入した以外、原料組成、重合条件等は、実施例1と同様に重合を行った。アクリロニトリルの転化率は、88.5%、得られたポリマーポリオールの粘度は、2700cps./25℃、分散しているポリマーの粒径は0.6μm 、残留モノマー量はアクリロニトリル180ppm であった。
【0028】
比較例2
滞留時間を45分にした以外は、比較例1と同様に重合を行った。アクリロニトリルの転化率は、87.9%、得られたポリマーポリオールの粘度は、2900cps./25℃、分散しているポリマーの粒径は0.6μm 、残留モノマー量はアクリロニトリル200ppm であった。
【0029】
比較例3
ポリオールAおよびAIBNの各65重量%とアクリロニトリルの混合物を2段重合型連続重合槽の1段目に、ポリオールAおよびAIBNの各35重量%の混合物を該重合槽の2段目に装入した以外、原料組成、重合条件等は、実施例1と同様に重合を行った。アクリロニトリルの転化率は、94.9%、得られたポリマーポリオールの粘度は、3800cps./25℃、分散しているポリマーの粒径は1.8μm 、残留モノマー量はアクリロニトリル60ppm であった。
【0030】
比較例4
ポリオールAおよびAIBNの各98重量%とアクリロニトリルの混合物を2段重合型連続重合槽の1段目に、ポリオールAおよびAIBNの各2重量%の混合物を該重合槽の2段目に装入した以外、原料組成、重合条件等は、実施例1と同様に重合を行った。アクリロニトリルの転化率は、89.8%、得られたポリマーポリオールの粘度は、3000cps./25℃、分散しているポリマーの粒径は0.7μm 、残留モノマー量はアクリロニトリル160ppm であった。
【0031】
比較例5
ポリオールAおよびAIBNの各100重量%とアクリロニトリル、スチレンの混合物を2段重合型連続重合槽の1段目に装入した以外、原料組成、重合条件等は、実施例3と同様に重合を行った。アクリロニトリルの転化率は91.2%、スチレンの転化率は96.4%、得られたポリマーポリオールの粘度は、2800cps./25℃、分散しているポリマーの粒径は0.7μm 、残留モノマー量はアクリロニトリル125ppm 、スチレン200ppm であった。
【0032】
比較例6
ポリオールAおよびAIBNの各65重量%とアクリロニトリル、スチレンの混合物を2段重合型連続重合槽の1段目に、ポリオールAおよびAIBNの各35重量%の混合物を該重合槽の2段目に装入した以外、原料組成、重合条件等は、実施例3と同様に重合を行った。アクリロニトリルの転化率は98.1%、スチレンの転化率は98.4%、得られたポリマーポリオールの粘度は、3900cps./25℃、分散しているポリマーの粒径は1.9μm 、残留モノマー量はアクリロニトリル10ppm 、スチレン100ppm であった。
【0033】
比較例7
ポリオールAおよびAIBNの各98重量%とアクリロニトリル、スチレンの混合物を2段重合型連続重合槽の1段目に、ポリオールAおよびAIBNの各2重量%の混合物を該重合槽の2段目に装入した以外、原料組成、重合条件等は、実施例3と同様に重合を行った。アクリロニトリルの転化率は93.5%、スチレンの転化率は、96.5%、得られたポリマーポリオールの粘度は2800cps./25℃、分散しているポリマーの粒径は0.6μm 、残留モノマー量はアクリロニトリル90ppm 、スチレン200ppm であった。
【0034】
比較例8
表3に記載のあるポリオールA、AIBN、アクリロニトリルの混合物を2段重合型連続重合槽の1段目に、開始剤B、Cの混合物を該重合槽の2段目に装入した以外、反応条件は実施例1と同様に重合を行った。アクリロニトリルの転化率は95.0%、得られたポリマーポリオールの粘度は4500cps./25℃、分散しているポリマーの粒径は1.1μm 、残留モノマー量はアクリロニトリル60ppm であった。
【0035】
実施例1〜2と比較例1〜4の結果を表1に、実施例3〜4と比較例5〜7の結果を表2に、および比較例8の結果を表3に示した。
実施例1〜2(2段目以降に導入するポリオールとアゾ系ラジカル開始剤が3〜30重量%の場合)では比較例1〜2(2段目以降に導入するポリオールとアゾ系ラジカル開始剤が0重量%の場合)と比べて、また、実施例3〜4(2段目以降に導入するポリオールとアゾ系ラジカル開始剤が3〜30重量%の場合)では比較例5(2段目以降に導入するポリオールとアゾ系ラジカル開始剤が0重量%の場合)と比べて、残留モノマーの低減効果が認められかつモノマーの転化率が高い。この場合粘度の上昇は問題になるほど上昇していない。
【0036】
実施例1〜2では比較例3(2段目以降に導入するポリオールとアゾ系ラジカル開始剤が30重量%を越える場合)と比べて、また、実施例3〜4では比較例6(2段目以降に導入するポリオールとアゾ系ラジカル開始剤が30重量%を越える場合)と比べて、モノマー転化率はほヾ同等であり、粘度の上昇は認められない。
【0037】
実施例1〜2では比較例4(2段目以降に導入するポリオールとアゾ系ラジカル開始剤が3重量%を越えない場合)と比べて、また、実施例3〜4では比較例7(2段目以降に導入するポリオールとアゾ系ラジカル開始剤が3重量%を越えない場合)と比べて、モノマー転化率が向上し、残留モノマーの低減に十分な効果を示す。
【0038】
また、比較例2と比較例1(共に2段目以降に導入するポリオールとアゾ系ラジカル開始剤が0重量%の場合)から、単に滞留時間を2倍に延ばしただけでは、本発明のようなモノマーの転化率向上の効果が得られない。
【0039】
比較例8によれば、過酸化物系開始剤を2段目以降に添加するとモノマーの転化率向上には効果を示すものの、実施例1〜2よりも、得られるポリマーポリオールの粘度が著しく上昇することがわかる。
【0040】
【表1】
反応圧(kgf/cm2 G):3
【0041】
【表2】
反応圧(kgf/cm2 G):3
【0042】
【表3】
【0043】
【発明の効果】
2段以上の多段重合槽で、ポリマーポリオールを連続的に製造する際に、ポリオールとアゾ系ラジカル開始剤の3〜30重量%を2段目以降の重合槽に導入することにより、モノマーの転化率が向上し残留モノマーが低減され、脱モノマー工程が簡略化される。
Claims (3)
- エチレン性不飽和モノマー、ポリオール、アゾ系ラジカル開始剤、およびその他の添加剤からなる混合物の反応によりポリマーポリオールを製造する際に、ポリオールとアゾ系ラジカル開始剤の3〜30重量%のみを2段目以降の多段重合槽に導入することを特徴とするポリマーポリオールの製造方法。
- エチレン性不飽和モノマーが、アクリロニトリル単独または、アクリロニトリルおよびスチレンの併用である請求項1記載の方法。
- アゾ系ラジカル開始剤が2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)である請求項2記載の方法。
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