JP3656545B2 - シラン架橋ポリオレフィン成型物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シラン架橋ポリオレフィン成型物に関し、特に、環境ホルモン作用のある有機錫化合物に代わる新しいシラノール縮合触媒を使用することによって架橋された、シラン架橋ポリオレフィン成型物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィンに有機シラン化合物を遊離ラジカル発生剤の存在下にグラフト共重合させ、得られたグラフト共重合物を所定の形状に成型してシラノール触媒のもとに水分を作用させ、これによって分子間を架橋させた成型物が広く活用されている。
【0003】
シラン水架橋と呼ばれるこの架橋方法は、押出機等の成型加工機中において、少量の有機過酸化物をグラフト開始剤としてポリオレフィンに作用させ、これによってビニルアルコキシシラン等のシラン化合物をポリオレフィンにグラフト共重合させた後、成型加工機より排出された成型物を、高温高湿中あるいは温水中に晒すことによって架橋反応を起こさせることに特徴を有する。
【0004】
架橋反応は、成型物中に予め混入するか、あるいは成型物表面より浸透させたシラノール縮合触媒(主として有機錫化合物)の作用によるアルコキシシランの加水分解と縮合反応により生ずるもので、ポリマにグラフト共重合されたアルコキシシランに加水分解と縮合反応を生起させることによってポリマの分子間を結合させ、これによって架橋を進めることに反応の基盤をおく。この架橋方法は、有機過酸化物のみを使用して架橋を行ういわゆる化学架橋方法に比べると、設備的にも工程的にも簡易かつ低コストであり、従って、特に、電線ケーブルの絶縁被覆等の成型物の架橋方法として最適である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のシラン架橋に基づいた成型物によると、シラノール縮合触媒として使用される有機錫化合物に環境ホルモンの問題があるため、安全性の面で将来が懸念されている。即ち、有機錫化合物のなかでトリフェニル錫とトリブチル錫は、人体の内分泌機能を撹乱する環境ホルモン作用を有する物質として既に指定されており、これに類似し、シラン水架橋用シラノール縮合触媒として多用されているジブチル錫が、同様の指定を受ける可能性は大である。
【0006】
従って、本発明の目的は、有機錫化合物に代わる新しくかつ有効なシラノール縮合触媒を使用することによって架橋されたシラン架橋ポリオレフィン成型物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するため、シラン化合物をグラフト共重合させたポリオレフィンの組成物より成型され、水分を作用させることによって前記ポリオレフィンを架橋させたシラン架橋ポリオレフィン成型物において、前記ポリオレフィンの架橋促進のためのシラノール縮合触媒として、ラウリン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、p−t−ブチル安息香酸亜鉛、アジピン酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウム、オクチル酸アルミニウム、およびアジピン酸カルシウムより選択される1種以上の化合物を前記ポリオレフィン100重量部当たり0.005〜0.5重量部使用することにより前記ポリオレフィンを架橋して成ることを特徴とするシラン架橋ポリオレフィン成型物を提供するものである。
【0008】
本発明において、シラノール縮合触媒としての有機亜鉛化合物あるいは有機アルミニウム化合物の使用量をポリオレフィン100重量部に対して0.005〜0.5重量部に限定する理由は、0.005重量部未満では、ポリオレフィンの分子間を架橋するのに量的に不充分であり、一方、0.5重量部を超過すると、押出機等の成型加工機中で早期の架橋反応が生じ、外観の良好な成型物が得られなくなることによる。
【0009】
有機亜鉛化合物としては、ラウリン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛あるいはp−t−ブチル安息香酸が好ましく、これらの1種、あるいは2種以上が混合されて使用される。また、有機アルミニウム化合物としては、アジピン酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウムあるいはオクチル酸アルミニウムが好ましい例として挙げられ、同様にこれらも、その1種、あるいは2種以上が混合されて使用される。有機カルシウム化合物としてはアジピン酸カルシウムが好ましい。
【0010】
ポリオレフィンとしては、イオン重合法で重合されたポリエチレンの使用が好ましく、このタイプのポリエチレンを使用するときには、有機亜鉛化合物あるいは有機アルミニウム化合物のもとでの効率のよい架橋反応の遂行が可能となる。イオン重合によるポリエチレンにラジカル重合によるポリエチレンをブレンドする形態も好ましく、さらには、イオン重合ポリエチレン、あるいはイオン重合ポリエチレンとラジカル重合ポリエチレンの混合物を主体として、これらに、他のポリマ、たとえば、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルあるいはプロピレン等とエチレンとの共重合体、エチレンとブテンとの二元または三元共重合体、あるいはポリオレフィンに無水マレイン酸やエポキシ含有官能基をグラフトさせたポリマの1種以上をブレンドする形態も好ましい。
【0011】
耐熱老化特性向上のために添加される酸化防止剤としては、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ビス[2−メチル−4−{3−n−アルキル(C12あるいはC14)チオプロピオニルオキシ}−5−t−ブチルフェニル]スルフィド、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)より選択される1種以上を使用することがが好ましい。その添加量は、ポリオレフィン100重量部当たりそれぞれ0.05〜0.5重量部の範囲である。
【0012】
また、以上の酸化防止剤に加えて、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、テトラキス(メチレンドデシルチオジプロピオネート)メタンより選択される1種以上の酸化防止剤を併用する実施形態も好ましく、これらの好ましい添加量も、同じくポリオレフィン100重量部に対して0.05〜0.5重量部に設定される。
【0013】
以上に挙げた2群の酸化防止剤を併用するときには、先に挙げた群の酸化防止剤を単独で使用する場合より老化防止効果が相乗的に向上するようになり、さらに、金属との接触によるポリオレフィンの劣化である金属害をも効果的に抑制することが可能となる。これらの酸化防止剤の添加方法としては、ポリオレフィンに対してドライブレンドの形で行ってもよく、あるいはこれらの酸化防止剤をポリオレフィンに高濃度に混入したマスターバッチを添加するようにしてもよい。また、シラン化合物に溶解させて、シラン化合物の添加とともに押出機等の成型加工機中のポリオレフィンに混入することも可能である。
【0014】
なお、酸化防止剤の添加量を、前述のように0.05〜0.5重量部に設定するのを好ましいとする理由は、0.05重量部未満では、老化防止効果、および併用の場合の金属害防止効果に充分な結果が得られないことと、0.5重量部を超えると、成型物の表面に酸化防止剤が析出する、いわゆるブルーム現象が生ずることにその根拠をおく。
【0015】
グラフト共重合のためにポリオレフィンに混入されるシラン化合物中に、他の添加成分を予め溶解させ、これによってシラン化合物の混入時に他の添加成分を混入する実施形態は可能である。シラン化合物に可溶性を有する添加成分としては、シラノール縮合触媒としてのオクチル酸亜鉛、および2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[2−メチル−4−{3−n−アルキル(C12あるいはC14)チオプロピオニルオキシ}−5−t−ブチルフェニル]スルフィド、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)より選択される酸化防止剤、さらには、これと併用されるジラウリルチオジプロピオネートおよびジトリデシルチオジプロピオネートより選択される酸化防止剤を挙げることができる。
このようにシラン化合物への溶解性を利用して他の成分の添加を行う場合には、これらの成分をブレンドするための工程を省略することができ、効率的な成型物の製造が可能となる。
【0016】
シラン化合物としては、たとえば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルアルコキシシランが使用され、これらの化合物をポリオレフィンにグラフト共重合させるための開始剤としては、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、m−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)−イソプロピルベンゼン、p−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)−イソプロピルベンゼン等の有機過酸化物類が主に使用される。
【0017】
ラジカル発生剤を2種以上組み合わせて使用することは可能であり、そのポリオレフィンに対する添加量としては、0.05〜0.15重量部に設定することが好ましい。0.05重量部未満の添加量では、充分な架橋度を得にくく、逆に、0.15重量部を超えると、ラジカル発生剤の分解生成物に起因するボイドが発生するようになり、好ましくない。
成型物の耐候性を向上させるためにカーボンブラックを添加したり、あるいは滑剤、着色剤、無機充填剤等の他の添加剤を加えることは可能である。
【0018】
本発明の成型物を電線ケーブルの用途に適用するときの製造手段としては、次の2つの方法が考えられる。即ち、その1つは、シラノール縮合触媒を高濃度に含むマスターバッチを調合し、これを、予めシラン化合物をグラフトさせたポリオレフィンとともに押出機に供給して押出成型する2ショットあるいはサイオプラスと呼ばれる方法であり、もう1つは、シラノール縮合触媒とラジカル開始剤を含む添加剤を押出機内のポリオレフィンに供給し、これによりシラン化合物のポリオレフィンへのグラフト反応と電線ケーブルの押出成型とを1つの押出機で同時に行う1ショットあるいはモノシルと呼ばれる方法である。
【0019】
そして、これらの方法において前述したシラン化合物への溶解による他の成分の添加法を採用するときには、効率のよい実際的な電線ケーブルの製造が行われることになる。なお、ポリオレフィンへのシラノール縮合触媒の作用のさせ方としては、上述のようにポリオレフィン中にシラノール触媒を練り込む方法以外に、成型されたポリオレフィンの表面から浸透させる方法も可能である。
本発明の成型物を電線ケーブルに適用するとき、水分作用時の導体中への走水を防止するために水密性コンパウンドを塗布充填した導体を使用することは可能であり、また、シラン架橋ポリオレフィン絶縁体を導体上に直接形成したり、あるいは絶縁体の内外に半導電層を形成するなど、様々な形態でのケーブル構成が可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明によるシラン架橋ポリオレフィン成型物の実施の形態を説明する。 図1は、本発明の成型物を適用した電線ケーブルの構成例を示したもので、(a)は、導体1上にシラン架橋ポリエチレン絶縁体2を形成した例、(b)は、導体1上に水密性コンパウンド3を塗布形成し、その上にシラン架橋ポリエチレン絶縁体2を形成した例を示す。また、(c)は、導体1上に内部半導電層4を形成し、その上にシラン架橋ポリエチレン絶縁体2を形成した高圧ケーブルの例であり、そして、(d)は、(c)の絶縁体2上に外部半導電層5を形成した例を示す。
表1は、本発明の実施例および比較例の内容と、これらの実施結果の評価をまとめたものである。
【0021】
【表1】
Figure 0003656545
【0022】
表1の実施例1〜8および比較例1〜3において、まず、ポリエチレンを200℃の130mm押出機に投入するとともに、他の成分を溶解させたビニルトリメトキシシランを押出機のホッパの下部より注入することにより、ケーブルの押出成型とポリエチレンへのシラン化合物のグラフト共重合とを同時に行った。このケーブルは、図1の(c)の構成を有し、その軟銅撚線の導体1のサイズと絶縁体2の厚さは、それぞれ60mm2と4.5mmであり、さらに、これら両者の間には、0.7mm厚さの半導電層3を形成した。 次に、以上により得られたケーブルを80℃×95%水蒸気の雰囲気内に24時間放置し、これにより所定のシラン架橋ポリエチレン絶縁ケーブルを得た。
なお、表示された成分のうち、ビニルトリメトキシシランに難溶性の成分については、予め、ドライブレンドによってポリエチレンに混入した。
【0023】
また、上記とは別に、実施例9および比較例4のポリエチレンとカーボンマスターバッチを130mm押出機に投入した以外は各成分を上述と同じ方法に基づいて60mm2の軟銅撚線の導体1上に2.5mmの厚さの絶縁体2として押し出すことにより、図1の(a)のケーブルを構成した後、これを80℃×95%水蒸気の雰囲気内に24時間放置することにより所定のケーブルを製造した。なお、表1において、この実施例および比較例の押出外観は、100時間連続して押出を行った後の評価結果である。
【0024】
表1に示される各特性の試験方法と評価方法は、以下の通りである。
◇加熱変形率 :JIS C 3005に準拠し、120℃でのケーブルの加熱変形率が25%以下のものを「良」、25%を超えるものを「不良」とした。
◇引裂強さ :JIS K 6252に準拠。
◇ボウタイトリー性:導体内に注水したケーブル試料を90℃の温水中に浸漬し、導体と水の間に50Hz×9kVの交流電圧を500日間印加し、500日経過後にケーブル絶縁体の断面を薄くスライスしてメチレンブルー水溶液で煮沸染色し、光学顕微鏡を使用して長さが200μ以上のボウタイト数を計数することによって評価した。
【0025】
表1によれば、シラノール縮合触媒としてラウリン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛およびオクチル酸アルミニウムを使用した実施例1〜8のいずれもが、良好な押出外観、加熱変形率およびボウタイトリー特性を示しており、これまで多用されてきた有機錫化合物触媒に代わり得る優れた特性を示していることが認められる。これは、環境ホルモン問題のない架橋成型物を意味するものであり、そのシラン架橋の分野にもたらす効果は大である。
【0026】
なお、対比のために実施した比較例によると、上記のシラノール縮合触媒を混入しない比較例1の場合には加熱変形率に不満足な結果を示しており、また、上記のシラノール縮合触媒を使用した場合であっても、本発明の規定外の量を混入した比較例2の場合には、押出外観に不満足な結果を示しているとともに、ボウタイトリー特性も良好でなく、さらに、酸化防止剤を過剰に混入した比較例3の場合には、同様に押出外観とボウタイトリーの両特性に充分な結果を示していない。これら比較例との特性を対比したとき、実施例の良好な特性は歴然としており、本発明の効果は明白である。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によるシラン架橋ポリオレフィン成型物によれば、シラノール縮合触媒として、ラウリン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、p−t−ブチル安息香酸亜鉛、アジピン酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウム、オクチル酸アルミニウム、およびアジピン酸カルシウムより選択される1種以上の化合物を使用するとともに、これらの使用量をポリオレフィン100重量部当たり0.005〜0.5重量部に設定することによって特性良好な成型物を構成できるものであり、従って、環境ホルモン問題を有する有機錫系シラノール縮合触媒を使用したシラン架橋成型物に代わるものとして、その有用性は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるシラン架橋ポリオレフィン成型物を適用した電線ケーブルの構成例を示す説明図。
【符号の説明】
1 導体
2 シラン架橋ポリエチレン絶縁体
3 水密性コンパウンド
4 内部部半導電層
5 外部半導電層

Claims (5)

  1. シラン化合物をグラフト共重合させたポリオレフィンの組成物より成型され、水分を作用させることによって前記ポリオレフィンを架橋させたシラン架橋ポリオレフィン成型物において、前記ポリオレフィンの架橋促進のためのシラノール縮合触媒として、ラウリン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、p−t−ブチル安息香酸亜鉛、アジピン酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウム、オクチル酸アルミニウム、およびアジピン酸カルシウムより選択される1種以上の化合物を前記ポリオレフィン100重量部当たり0.005〜0.5重量部使用することにより前記ポリオレフィンを架橋して成ることを特徴とするシラン架橋ポリオレフィン成型物。
  2. 前記ポリオレフィンは、イオン重合法で重合されたポリエチレン、またはイオン重合法で重合されたポリエチレンとラジカル重合法で重合されたポリエチレンの混合物、あるいはこれらを主体とした混合ポリマより選択されることを特徴とする請求項1項記載のシラン架橋ポリオレフィン成型物。
  3. 前記組成物は、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ビス[2−メチル−4−{3−n−アルキル(C12あるいはC14)チオプロピオニルオキシ}−5−t−ブチルフェニル]スルフィド、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)より選択される1種以上の酸化防止剤をそれぞれポリオレフィン100重量部当たり0.05〜0.5重量部含むことを特徴とする請求項1項記載のシラン架橋ポリオレフィン成型物。
  4. 前記組成物は、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4− ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ビス[2−メチル−4−{3−n−アルキル(C12あるいはC14)チオプロピオニルオキシ}−5−t−ブチルフェニル]スルフィド、4,4′チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)より選択される1種以上の酸化防止剤をポリオレフィン100重量部当たり0.05〜0.5重量部含み、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、テトラキス(メチレンドデシルチオジプロピオネート)メタンより選択される1種以上の酸化防止剤をポリオレフィン100重量部当たり0.05〜0.5重量部含むことを特徴とする請求項1項記載のシラン架橋ポリオレフィン成型物。
  5. 前記シラン化合物は、前記ポリオレフィンにグラフト共重合される以前に他の添加成分を溶解させて含んでおり、前記他の添加成分は、前記シラノール縮合触媒としてのオクチル酸亜鉛、および2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[2−メチル−4−{3−n−アルキル(C12あるいはC14)チオプロピオニルオキシ}−5−t−ブチルフェニル]スルフィド、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t-ブチルフェノール)より選択される1種以上の酸化防止剤より成るか、あるいはこれに、ジラウリルチオジプロピオネートあるいはジトリデシルチオジプロピオネートより選択される1種以上の酸化防止剤を加えたものより成ることを特徴とする請求項1項記載のシラン架橋ポリオレフィン成型物。
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