JP3656041B2 - ヒンジ装置並びにヒンジ装置を用いた電子機器 - Google Patents

ヒンジ装置並びにヒンジ装置を用いた電子機器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、第一部材,第二部材とを枢着するヒンジ装置、例えば前記第一部材と第二部材との基端部同志を枢着して、双方が重合した閉塞状態から第一部材,第二部材のいずれか一方が所定開放角度まで回動した開放状態に開閉できるヒンジ装置、並びにヒンジ装置を用いた例えば携帯式電話やノート形パソコンなどの電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
例えば、携帯式電子機器の典型例としての携帯式電話においては、携帯式電話機本体にフリップが開閉自在に取り付けられたフリップタイプと、フリップなしの一体タイプとが知られている。一体タイプは、軽量化と利便性の点で秀れているが、スイッチの誤動作防止,コンパクト化,デザインの多様性などの点においてフリップタイプは秀れている。
【0003】
このようなフリップを備えたタイプの携帯式電子機器においては、フリップの開閉をワンタッチ式に簡易に行うことが要望されている。
【0004】
しかしながら、従来のヒンジ装置を、携帯式電話機本体に対してのフリップの連結に応用した場合、フリップの回動ロック機構やロックを解除するためのボタンなどの駆動機構を、ヒンジ装置とは別途に必要としていたため、部品点数が多くなり、またそのためのスペースを設ける必要がある等の問題が生じていた。
【0005】
そこで、本出願人は国際公開されたWO 00/50780公報に示すように、ワンタッチで開閉できる構成でありながら、開閉ロックのための別途の機構を機器側に設けることを不要とし、携帯式電子機器の構成の単純化,省スペース化に寄与し得るヒンジ装置を開発した。
【0006】
この装置では、例えば前述のようにフリップタイプの携帯式電話に適用した場合、このヒンジ装置に設けたロック解除操作部(押込ボタン)を指で押すだけで、閉塞付勢されているフリップが自動的に一挙に開放回動する構成としている。
【0007】
この自動開閉機能を果たすヒンジ装置は、閉塞付勢機能を果たしながらも、ワンタッチで自動開閉する構造を実現する画期的なヒンジ装置であるが、この一挙に自動開放させるための回動付勢機構は強力な付勢力を生じるものとしなければならない。
【0008】
例えば、フリップが重量のあるものであった場合、これを開放するに十分なトルクを必要とするし、またフリップは比較的軽量に設計できても、ノート形パソコンなどのLCD側となる開閉蓋などを自動回動させる場合には、かなり強力なトルクを必要とする。
【0009】
即ち、例えばこの回動付勢機構として開放位置から閉塞位置とすることで捩れ力が蓄えられるトルクバネを採用し、このトルクバネによる自動回動付勢力に打ち勝つ閉塞付勢機構としてはカム係合構造を採用し、このカム係合によって前記回動付勢を阻止し、解除操作部(押ボタン)を押すことで、係合状態のカム係合を離反させてこのカム係合解除によって、カム係合の一方を前記回動付勢機構によって自動的に回動させる構成とすることで実現できるが、前述のように強力なトルクバネで回動付勢する場合、即ち重量のあるフリップや開閉蓋などを押ボタンで一挙に自動回動させることができるように強力なトルクバネを用いる場合には、これに抗する閉塞付勢機構を機能させるため、言い換えれば押ボタンをまだ押さないときには閉塞状態を保持させるために、強力なカム係合としてこの強い回動トルクを阻止していなればならない。即ち、カム係合が勝手に回動付勢機構によって係脱しないように、押ボタンにより離反移動させるカム係合の一方のカム部を強力な支承バネで押圧してカム係合を確固に保持させておく必要がある。
【0010】
しかし、この支承バネを強力なものにすると、この支承バネはカム部の離反移動の抵抗となるわけであるから、押ボタンをかなり強く押し込まなければならなくなってしまう。
【0011】
即ち、これまでのカム係合による閉じ付勢で自動回動を阻止し、押ボタンによりカム係合を離反させて係脱させ、これにより自動的に開放回動させるワンタッチ式の回動開閉構造では、回動付勢機構の回動付勢力(自動回動のための回動トルク)が大きければ大きいほど押ボタンによる解除操作に強い力が必要になってしまう構造上の問題がある。
【0012】
本発明は、更に研究を進め、このような問題点をも解決したもので、ワンタッチ開閉操作部であるロック解除操作部を押込操作して自動開放させる自動開閉機能を備える場合、たとえ重量のある開閉部材を自動回動させるために強い回動付勢力を有する構成とし、且つこれを阻止する閉塞付勢機能を備えた構成としても、弱い操作力で、回り止めしていた閉塞付勢を解除操作できる(即ち、弱い操作力で自動開放回動できる)画期的なヒンジ装置並びにヒンジ装置を用いた電子機器を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0014】
第一部材1,第二部材2とを枢着するヒンジ装置であって、この第一部材1,第二部材2のいずれか一方に固定状態に設けられ、この第一部材1,第二部材2のいずれか一方の回動に伴って回動する回動部3に、挟持付勢し抗拡弾性を有する挟持バネ体4を被嵌配設し、前記回動部3の外形状を回動位置によって径寸法が異なる所定のカム形状に設定して、前記挟持バネ体4による挟持押圧により前記回動部3を前記挟持バネ体4に対して相対回動させるカム回動付勢力が生じるように構成し、前記回動部3を前記挟持バネ体4に対して前記カム回動付勢とは逆回転方向に相対回動付勢する回動付勢機構5を設け、前記回動付勢機構5による相対回動付勢力よりも前記挟持バネ体4によるカム回動付勢力の方が大きくなるように設定して、前記回動部3に前記挟持バネ体4が被嵌し前記カム回動付勢力が生じ得る状態においては、前記回動付勢機構5による相対回動付勢力よっては自動的に相対回動しないように構成し、前記挟持バネ体4を前記回動部3に対して相対的に離反移動自在に構成し、この前記挟持バネ体4を前記回動部3から相対的に離反移動させるロック解除操作部7を設け、このロック解除操作部7の操作により前記挟持バネ体4を前記回動部3から前記カム回動付勢力が生じ得ない位置まで離反させることで、前記回動付勢機構5により前記回動部3が自動的に前記挟持バネ体4に対して相対回動するように構成したことを特徴とするヒンジ装置に係るものである。
【0015】
また、第一部材1と第二部材2との基端部同志を枢着して、双方が重合した閉塞状態から第一部材1,第二部材2のいずれか一方が所定開放角度まで回動した開放状態に開閉できるヒンジ装置であって、前記第一部材1,第二部材2のいずれか一方に固定状態に設けられ、この第一部材1,第二部材2のいずれか一方の回動に伴って回動する回動部3と、前記第一部材1,第二部材2のいずれか他方に固定状態に設けられ、この第一部材1,第二部材2のいずれか他方の回動に伴って回動する挟持バネ体4とを設け、前記回動部3を挟持付勢により押圧し抗拡弾性を有する前記挟持バネ体4をこの回動部3に被嵌配設し、前記回動部3の外形状を回動位置によって径寸法が異なる所定のカム形状に設定して、前記挟持バネ体4による挟持押圧により前記回動部3を前記挟持バネ体4に対して相対回動させて閉塞状態へ閉じ付勢するカム回動付勢力が生じるように構成し、前記回動部3を前記挟持バネ体4に対して前記カム回動付勢とは逆回転方向に相対回動付勢する回動付勢機構5を設け、前記回動付勢機構5による開放状態への開き付勢となる相対回動付勢力よりも前記挟持バネ体4による閉じ付勢となるカム回動付勢力の方が大きくなるように設定して、前記回動部3に前記挟持バネ体4が被嵌しこの挟持バネ体4により前記閉じ付勢となるカム回動付勢力が生じる状態においては、前記回動付勢機構5による開き付勢となる相対回動付勢力によっては自動的に相対回動せず、閉塞状態が保持されるように構成し、前記挟持バネ体4を前記回動部3に対して相対的に離反移動自在に構成し、前記挟持バネ体4を前記回動部3から相対的に離反移動させるロック解除操作部7を設け、このロック解除操作部7の操作により前記挟持バネ体4を前記回動部3から前記カム回動付勢力が生じ得ない位置まで離反させることで、前記回動付勢機構5により前記回動部3が前記挟持バネ体4に対して開放状態とする方向へ自動的に相対回動するように構成したことを特徴とする請求項1記載のヒンジ装置に係るものである。
【0016】
また、前記挟持バネ体4は、前記回動部3を挟持付勢により押圧する一対の対向部を有する抱持形バネにより構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のヒンジ装置に係るものである。
【0017】
また、前記挟持バネ体4は、挟持する前記回動部3を押圧する一対の対向板部を有する抱持形板バネにより構成し、この対向板部の挟持押圧により回動部3の外径寸法が小さくなる回動姿勢に回動せしめる前記カム回動付勢力が生じるように構成又は回動部3の一部にカム形状部としてカム回動力を生じるR面若しくは傾斜面を形成し、このカム形状部を挟持押圧することで、前記カム回動付勢力が生じるように構成したことを特徴とする請求項3記載のヒンジ装置に係るものである。
【0018】
また、前記挟持バネ体4は、挟持する前記回動部3を押圧する一対の対向板部を有する抱持形板バネを複数枚重合した構成として、前記回動付勢機構5による相対回動付勢力より勝る挟持付勢による前記カム回動付勢力が生じ得るように構成したことを特徴とする請求項4記載のヒンジ装置に係るものである。
【0019】
また、前記回動部3の先端側に前記挟持バネ体4が支承弾性部8に抗して離反移動することをガイドするガイド部9を連設し、前記回動付勢機構5により前記回動部3が前記挟持バネ体4に対して自動的に相対回動する途中の回動位置では、前記ガイド部9を挟持する位置に離反した前記挟持バネ体4は、この挟持バネ体4と前記回動部3とが被嵌する係合位置に戻り動できず、回動付勢機構5による自動相対回動を終了した回動位置若しくは終了することとなる所定回動位置で、挟持バネ体4は前記支承弾性部8の復帰力により自動的に前記係合位置に戻り動し前記自動相対回動が終了する形状に前記ガイド部9を設定したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のヒンジ装置に係るものである。
【0020】
また、前記回動部3若しくは回動部3の先端部に連設した挟持バネ体4の離反移動をガイドするガイド体9に、前記回動付勢機構5による前記回動部3の前記挟持バネ体4に対する自動相対回動が終了する回動位置を保持する係合部10に係合する保持係合部11を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のヒンジ装置に係るものである。
【0021】
また、前記ロック解除操作部7は、押動操作部7Aとこの押動操作部7Aによって前記挟持バネ体4を支承弾性部8に抗して前記回動部3から押動離反させる作動杆部7Bとから構成したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のヒンジ装置に係るものである。
【0022】
また、前記請求項1〜8のいずれか1項に記載したヒンジ装置を枢着部に設けたことを特徴とするヒンジ装置を用いた電子機器に係るものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
好適と考える本発明の実施の形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいてその作用効果を示して簡単に説明する。
【0024】
回動付勢機構5により例えば回動部3に対して挟持バネ体4が回動付勢されている場合、回動部3と挟持バネ体4とが被嵌係合している状態では所定カム形状の回動部3を挟持バネ体4が挟持押圧することで回り止めされ、この回動付勢機構5によっては回動部3に対して挟持バネ体4は自動回動しない。
【0025】
また、一方ロック解除操作部7を操作して例えば回動部3に対して挟持バネ体4を離反させ、前記挟持バネ体4の挟持押圧による回り止め状態を解除すると、前記回動付勢機構5により回動部3に対して挟持バネ体4が自動的に回動する。即ち、ロック解除操作部7を操作すると第一部材1,第二部材2のいずれか一方が他方に対して自動的に回動することとなる。
【0026】
従って、ロック解除操作部7の操作により自動回動する機能を備えながら、回動部3と挟持バネ体4との被嵌係合によってこの自動回動を阻止し、且つ回動部3のカム形状によって逆回動方向にカム回動付勢力が生じるように構成でき、しかも、この回動付勢機構5による自動回動を阻止する回り止め力は、この回動部3のカム形状とこれを押圧する挟持バネ体4とによる前記カム回動付勢力により生じさせるため、回動付勢機構5の自動回動付勢力を強くした場合には、挟持バネ体4の挟持付勢を強くすれば良い構成となるから、回動部3と挟持バネ体4との被嵌係合を支承する支承弾性部8を備えたとしてもこの支承弾性部8を強くする必要はなく、この支承弾性部8に抗して回動部3から挟持バネ体4を離反させるロック解除操作部7の操作力は弱くて済む構成となる。
【0027】
第一部材1と第二部材2との基端部同志を枢着して、双方が重合した閉塞状態から、例えば第一部材1に対して第二部材2を所定開放角度まで回動した開放状態に開閉できるヒンジ装置に本発明を適用し、例えば第一部材1に対して固定状態(回り止め状態)に回動部3を設け、開放回動する第二部材2に対して固定状態(回り止め状態)に挟持バネ体4を設け、この挟持バネ体4を回動付勢機構5により開放方向に回動付勢すると共に、この挟持バネ体4の回動付勢機構5による自動回動を阻止すべく、所定のカム形状とした回動部3にこの挟持バネ体4を被嵌し、この挟持バネ体4による挟持押圧によりあるいは回動部3の回動に対する挟持バネ体4の挟持押圧により前記回動付勢機構5の自動回動付勢よりも強いカム回動付勢力が生じるように構成すれば、この挟持バネ体4による閉じ方向へのカム回動付勢力で前記挟持バネ体4の自動回動が阻止される。
【0028】
従って、例えば第一部材1と第二部材2とが重合した閉塞状態においては、回動部3と挟持バネ体4とが被嵌係合し、この挟持バネ体4によるカム回動付勢力により回り止め(開き止め)され、あるいは更に回動部3のカム形状と挟持バネ体4の挟持押圧の設定によっては、閉塞状態においてなおもカム回動付勢力により閉じ付勢されることとなり、また、ロック解除操作部7を操作することで、回動部3から挟持バネ体4を離反させると、前記閉じ方向に働いていたカム回動付勢力は解除され、回動付勢機構5により挟持バネ体4が自動的に回動し、例えば自動的に一挙に第一部材1に対して第二部材2が開放回動し開放状態となる。
【0029】
従って、例えばこの第二部材2の重量があるため、回動付勢機構5の回動付勢力を強いバネにより構成する場合は、これに抗する強いカム回動付勢力(回り止め保持力)が生じるように構成する必要があるが、この場合にはこれに抗する強いカム回動付勢力が生じるように強い挟持付勢(強い抗拡弾性)を有する挟持バネ体4を採用すれば良い。そのため、例えば回動部3と挟持バネ体4との被嵌係合を支承する支承弾性部8を設けたとしても、この支承弾性部8は、回動付勢力の強度に応じて強いバネとする必要はなく、従って、ロック解除操作部7の挟持バネ体4を押動して挟持バネ体4を離反させる押動操作力は弱くて良いこととなる。
【0030】
【実施例】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0031】
本実施例では、第一部材1と第二部材2との基端部同志を枢着して、双方が重合した閉塞状態から第一部材1に対して第二部材2を所定開放角度まで開放状態に開閉できる電子機器のヒンジ装置に本発明を適用したもので、以下説明する。
【0032】
第一部材1(本実施例では本体部)に固定状態に回動部3を設けて、第一部材1を回動すればこれに伴って回動部3は回動するように構成する。
【0033】
第一部材1は本体部としているため、本実施例のこの回動部3はヒンジ装置の固定軸とも言える部分である。尚、逆に第一部材1を回動する場合には回転軸となる。
【0034】
また、第二部材2(本実施例では、開閉部材)に固定状態(回り止め状態)に挟持バネ体4を設けて、第一部材1に対して第二部材2を開放回動させるとこの第二部材2の回動に伴って前記回動部3に対して挟持バネ体4が回動するように構成する。
【0035】
即ち、回動部3は、取付部12を介して第一部材1に連結され、ヒンジ装置のケース13内の軸方向に突出状態に設けられ、第一部材1と一体となっている。
【0036】
また、挟持バネ体4は、取付部14を介して第二部材2に回り止め連結される前記ケース13内に配設され、このケース13に対して支承弾性部8と共に回り止め状態に設けられ、第二部材2の回動に伴ってケース13毎回動するように設けられていると共に、このケース13内において軸方向に弾性支承部8に抗してスライド移動自在に構成されている。
【0037】
更に説明すると、挟持バネ体4は回動部3に被嵌状態に配設され、弾性支承部8に抗して回動部3から離反スライド移動自在に構成している。尚、本実施例の弾性支承部8は挟持バネ体4が離反して押し縮められる際には偏平状となる渦巻き形のバネを採用し、省スペース化を図っている。
【0038】
また、本実施例では、第二部材2を開放状態に自動回動させるための回動付勢機構5を設けている。
【0039】
即ち、本実施例では、第二部材2を開放状態から閉塞状態とすることでねじれ力が蓄えられ、開き方向に自動回動付勢力が生じるトルクバネ5をケース13に設けて、挟持バネ体4が回動部3に対して開き方向に回動付勢されるように構成している。
【0040】
また、回動部3の外形状は所定のカム形状とし、前記挟持バネ体4は、挟持付勢し抗拡弾性を有する抱持形バネとし、この挟持バネ体4を回動部3に被嵌して挟持押圧することで、閉じ方向にカム回動付勢力が生じるように構成している。
【0041】
即ち、回動部3が開き方向に自動回動しようとすることを、この抗拡弾性を有する挟持バネ体4で挟持押圧することで閉じ方向に生じるカム回動付勢力で阻止し(回動部3と挟持バネ体4との被嵌係合により阻止し)、前記回動付勢機構5による自動回動を阻止するように構成している。
【0042】
また、挟持バネ体4を回動部3に対して離反移動自在に構成し、挟持バネ体4を回動部3から離反移動させるロック解除操作部7を設け、このロック解除操作部7の操作により挟持バネ体4を前記支承弾性部8に抗して回動部3から前記カム回動付勢力が生じ得ない位置まで離反させることで、前記回動付勢機構5により挟持バネ体4が自動的に回動して開放状態となるように構成している。
【0043】
また、本実施例では、このロック解除操作部7は、押ボタンとなる押動操作部7Aとこの押動操作部7Aによって挟持バネ体4を支承弾性部8に抗して前記回動部3から押動離反させる作動杆部7Bとから構成している。
【0044】
この押動操作部7Aはケース13の一側部から外側に突出した構成とし、作動杆部7Bは前記回動部3内を貫通し、挟持バネ体4の内側の作動杆連結部15に連結され、挟持バネ体4を押動操作部7A(押ボタン)の押込み操作によって回動部3から離反させるように構成している。
【0045】
つまり、所定のカム形状とした回動部3にこの挟持バネ体4を被嵌し、この挟持バネ体4による挟持押圧によりあるいは回動部3の回動に対する挟持バネ体4の挟持押圧により前記回動付勢機構5の自動回動付勢よりも強いカム回動付勢力が生じるように構成して、この挟持バネ体4による閉じ方向へのカム回動付勢力で前記挟持バネ体4の自動回動を阻止するように構成している。
【0046】
従って、第一部材1と第二部材2とが重合した閉塞状態においては、回動部3と挟持バネ体4とが被嵌係合し、この挟持バネ体4の挟持押圧により挟持バネ体4が回動しようとすることで生じるカム回動付勢力によって回り止め(開き止め)され、更に本実施例では回動部3のカム形状と挟持バネ体4の挟持押圧の設定、即ち、閉塞状態でもまだ少し回動部3が回動した姿勢となっていて、閉塞状態においてなおもカム回動付勢力により閉じ付勢されるように構成し、閉塞状態においてガタ付きもなく、隙間なく閉じた状態を容易に実現できるように構成している。
【0047】
そして、ロック解除操作部7を押し操作することで、回動部3から挟持バネ体4を離反させると、前記閉じ方向に働いていたカム回動付勢力は解除され、回動付勢機構5により挟持バネ体4が自動的に回動し、第一部材1に対して第二部材2が自動的に開放回動し開放状態となるように構成している。
【0048】
従って、例えばこの第二部材2の重量があるため、回動付勢機構5の回動付勢力を強いバネにより構成する(例えばトルクバネ5の巻数を増やす)場合は、これに抗する強いカム回動付勢力(回り止め保持力)が生じるように構成する必要があるが、この場合にはこれに抗する強いカム回動付勢力が生じるように強い挟持付勢(強い抗拡弾性)を有する挟持バネ体4を採用すれば良いため、回動部3と挟持バネ体4との被嵌係合を支承する支承弾性部8は、回動付勢力の強度に応じて強いバネとする必要はなく、従って、ロック解除操作部7の挟持バネ体4を押動して挟持バネ体4を離反させる押動操作力は弱くて良いこととなる。
【0049】
また、本実施例では、挟持バネ体4を前記回動部3を挟持押圧する一対の対向板部を有する抱持形板バネにより構成し、この対向板部の挟持押圧により回動部3の外径寸法が小さくなる回動姿勢に回動部3を回動せしめる前記カム回動付勢力が生じるように構成している。
【0050】
従って、回動部3の径寸法が小さくなった回動姿勢を挟持バネ体4が被嵌係合している状態、即ち、回動部3の短径部の両側を挟持している状態を閉塞状態とすることで、この挟持バネ体4の被嵌係合により回動部3が開く方向に回動しようとすれば、短径部より長い部分を挟持することになるため挟持バネ体4を押し拡げようとする力が働くが、挟持バネ体4の抗拡弾性によって戻り方向(閉じ方向)にこれより強い力で閉じ付勢(カム回動付勢力)が生じ、よって回動付勢機構5による自動回動が阻止され、閉塞状態が保持されることとなる。
【0051】
また、ロック解除操作部7を押し操作せず回動部3と挟持バネ体4とが被嵌係合したままの状態で、手で回動付勢機構5にかかわらず第二部材2を開放方向に回動する際には、この挟持バネ体4による挟持押圧により閉じ方向へのカム回動付勢力(閉じ付勢)が生じ、手を離せば自動的にこの閉じ付勢により閉塞状態に戻る。また所定角度回動することで閉じ付勢が減じるようにカム形状を設定すれば、これが回動抵抗となって手を離した位置に止まるフリーストップ状態が容易に実現できる。
【0052】
また、言い換えれば、挟持バネ体4の挟持付勢と回動体3のカム形状の設定により、閉じ付勢(カム回動付勢力)を大きく設定すれば、前述のように手を離すと再び閉塞状態に閉じ回動するように構成することもでき、また、手で所定開放角度以上回動すると、カム回動付勢力が弱くなるかあるいはなくなり、回動付勢機構5により手を離しても自動的に開放状態まで開放回動するように構成することができる。
【0053】
本実施例では、短径部と長径部とを有する方形型のカム形状とし、略90度手で回動することで、長径部を挟持する位置を越え、手をはなしても回動付勢機構5により開放状態まで自動回動するように構成し、略90度まで手で回動させなければ、長径部を越えないため、再び短径部の両側を挟持する姿勢の閉塞状態までカム回動付勢力によって戻り回動し、閉塞状態が保持されるように構成している。
【0054】
従って、本実施例では、略90度回動する位置まで閉じ付勢が働くように構成している。
【0055】
また、本実施例では、閉塞状態においても短径部を挟持する姿勢よりやや傾いた姿勢で回動部3を挟持バネ体4により挟持押圧する構成とし、閉塞状態においてなおも閉じ付勢(カム回動付勢力)が生じているように構成し、閉塞状態がガタ付かず、また閉塞時に第一部材1と第二部材2との間に不必要な隙間等が生じないように簡単に設計できる構成としている。
【0056】
また、回動部3の短径部を挟持する姿勢において、辺縁部を凹設して隅角部を挟持バネ体4で挟持押圧する構成とし、開放状態,閉塞状態でのガタ付きを少なくしている。
【0057】
また、挟持バネ体4は、回動部3を押圧する一対の対向板部を有する抱持形板バネを複数枚重合した構成として、前記回動付勢機構5による回動付勢力より勝る挟持付勢による前記カム回動付勢力が簡易に得られるように構成している。
【0058】
また、回動部3の先端側に前記挟持バネ体4が支承弾性部8に抗して離反移動することをガイドする筒状のガイド部9を連設し、前記回動付勢機構5により挟持バネ体4が自動的に回動する途中の回動位置では、前記ガイド部9を挟持する位置に離反した前記挟持バネ体4は、ガイド部9よりも回動部3の外径が大きい(ガイド部9より回動部3が径大の)ために、挟持バネ体4と回動部3とが被嵌する係合位置に戻り動できず、回動付勢機構5による自動回動を終了することとなる回動位置では、ガイド部9の外径と回動部3の外径とは略一致し、挟持バネ体4は前記支承弾性部8の復帰力により自動的に前記係合位置に戻り動し前記自動回動が終了する形状に前記ガイド部9を設定している。
【0059】
即ち、ガイド部9の外径を回動部3の短径部とほぼ一致する構成とすることで、閉塞状態では短径部の両側を挟持バネ体4が挟持している状態であるため、ロック解除操作部7の操作によって、この回動部3からガイド部9へと弱い戻りバネの支承弾性部8に抗してスムーズに離反移動し、回動付勢機構5により挟持バネ体4が自動回動を始めると、支承弾性部8の復帰力が働いていても、回動部3がガイド部9より径大のため戻り動せず、略180度回動して再び短径部の位置になるとロック解除操作部7を押し続けていない限り、自動的に支承弾性部8の復帰力によりガイド部9をガイドとして回動部3へ戻り動して回動部3に挟持バネ体4が被嵌し、再び回り止め保持するように構成している。
【0060】
また、本実施例ではこのガイド体9の先端部に、図6,図7に示すように前記回動付勢機構5による回動部3の前記挟持バネ体4に対する自動回動が終了する回動位置を保持する係合部10に係合する保持係合部11を設けた構成としている。
【0061】
この係合部10は前記作動杆連結部15に設け、ロック解除操作部7を押し操作しない状態では、閉塞状態・開放状態に位置するときに係合していて、第二部材2を挟持バネ体4の閉じ付勢に抗して手で回動すればこの係合は乗り上がり係脱し、また、ロック解除操作部7を押し操作すれば、挟持バネ体4と共に作動杆連結部15も離反することで離反係脱するように構成している。
【0062】
また、本実施例では、前述のように回動部3を単に長方形状とし、短径方向を挟持する姿勢から略180度回動して再び短径方向を挟持する姿勢へと回動する構成としたが、これでは前述のように長径部を挟持する姿勢を越える略90度回転するまでは閉じ姿勢されていることとなるが、例えば図8に示すように回動部3の外形状を挟持バネ体4に対して少し相対回動させれば挟持バネ体4の挟持押圧によって逆に回動付勢機構5の開放方向への自動回動付勢と同じ向きのカム回動付勢力が生じ、少し手で第二部材2を解放回動させるだけで、後は手を離しても回動付勢機構5を助長する同方向のカム回動付勢力によって自動開放回動するように構成しても良いし、また図9〜図11に示すように構成して少し回動するだけでカム回動付勢力が解除され、挟持バネ体4による挟持押圧による摩擦だけが回動抵抗となり、回動付勢機構5の回動付勢力を大きく設定すれば、ロック解除操作部7を押し操作しなくても手で第二部材2を少し回動するだけ一挙に自動的に開放回動する構成を実現できる。
【0063】
即ち、閉塞状態,開放状態のときに係合するカム係合部16を回動部3と挟持バネ体4とに形成し、この回動部3と挟持バネ体4とのこのカム係合が外れようとするとカム回動付勢力が生じるように構成している。即ち、例えば図9に示すように回動部3の外周にカム凹部16Aを形成し、このカム凹部16Aに係合するカム凸部16Bを挟持バネ体4に折曲形成し、あるいは図10に示すように回動部3にカム凸部16Bを形成し、このカム凸部16Bが係合するカム凹部16Aを例えば挟持バネ体4を切欠した溝孔として形成し、このカム凹凸によるカム係合によって閉塞状態,開放状態の保持が可能となり、このカム係合を外れようとすると、係合しようとする戻り力が生じ、この戻りカム力を前記カム回動付勢力として生じさせるものである。
【0064】
従って、閉塞状態あるいはこれに近い回動位置においては、このカム凹部16Aにカム凸部16Bが落ち込もうとする力がカム回動付勢力(閉じ付勢力)として働くが、このカム凹部16Aの傾斜面を急激にすることができるため、この場合は、閉じ付勢が働く回動範囲は狭いが、大きな閉じ付勢を生じるように構成することが容易となる。
【0065】
また、フリーストップ状態を広範囲に設定可能となるし、また、前述のように少しだけ開放回動させることで自動開放回動させることも容易に設計可能である。
【0066】
また、図11に示すように挟持バネ体4をU字状線材で構成し、この線材自体を前記カム凸部16Bとし、この線材が係合するカム凹部16Aを回動部3の外周に形成しても、前述のように様々な仕様に設計可能となる。
【0067】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【0068】
回動部3と挟持バネ体4の作動は相対的な関係があれば良く、回動する側をどちらかにするかによって具体的構成は変わるものである。
【0069】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成したから、ワンタッチ開閉操作部であるロック解除操作部を操作して自動開放させる自動開閉機能を備える場合、たとえ重量のある開閉部材を自動回動させるために強い回動付勢力を有する構成とし、且つこれを阻止する閉塞付勢機能を備えた構成としても、弱い操作力で、回り止めしていた閉塞付勢を解除操作できる(即ち、弱い操作力で自動開放回動できる)画期的なヒンジ装置並びにヒンジ装置を用いた電子機器となる。
【0070】
即ち、例えば自動回動させる第一部材あるいは第二部材の重量があるため、回動付勢機構の回動付勢力を強いバネにより構成する場合は、これに抗する強いカム回動付勢力(回り止め保持力)が生じるように構成する必要があるが、この場合にはこれに抗する強いカム回動付勢力が生じるように強い挟持付勢(強い抗拡弾性)を有する挟持バネ体を採用すれば良い構成となるから、例えば回動部と挟持バネ体との被嵌係合を支承する支承弾性部を設けたとしても、この支承弾性部は、回動付勢力の強度に応じて強いバネとする必要はなく、従って、ロック解除操作部の挟持バネ体を押動して挟持バネ体を離反させる押動操作力は弱くて良いこととなり、操作性に秀れるなど極めて実用性に秀れたヒンジ装置並びにヒンジ装置を用いた電子機器となる。
【0071】
また、請求項2記載の発明においては、本発明の作用・効果が一層良好に発明される極めて秀れたヒンジ装置となる。
【0072】
また、請求項3,4,5記載の発明においては、一層容易に本発明を実現できることとなる極めて実用性に秀れたヒンジ装置となる。
【0073】
また、請求項6記載の発明においては、挟持バネの離反移動がスムーズとなり、確実に前記作用・効果が発揮され、しかも自動的に閉塞状態と開放状態においては挟持バネが回動部に被嵌する位置に戻り動させることも容易に設計可能となり、一層操作性に秀れた画期的なヒンジ装置となる。
【0074】
また、請求項7記載の発明においては、開放状態が保持され一層実用性に秀れるヒンジ装置となる。
【0075】
また、請求項9記載の発明においては、前記作用・効果を発揮する秀れたヒンジ装置を用いた電子機器となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の説明斜視図である。
【図2】本実施例の閉塞状態での説明断面図である。
【図3】本実施例のロック解除操作部を押動して自動開放回動途中での説明断面図である。
【図4】本実施例の分解説明斜視図である。
【図5】本実施例の閉塞状態,回動途中,開放状態での回動部と挟持バネ体との関係を示す説明図である。
【図6】本実施例の回動部のガイド部に設けた保持係合部と、作動杆連結部に設けた係合部との係合を示す説明分解斜視図である。
【図7】本実施例の回動部のガイド部に設けた保持係合部と作動杆連結部に設けた係合部とが係合している閉塞状態,開放状態での係合状態の説明図と、回動途中で離反係脱している状態を示す説明図である。
【図8】本実施例のロック解除操作部を押し操作せずに手で第二部材を回動する場合であって、回動部のカム形状の別例1を示すもので、閉塞状態,回動途中,開放状態での回動部と挟持バネ体との関係を示す説明図である。
【図9】本実施例の回動部(挟持バネ体)のカム形状の別例2を示す説明図である。
【図10】本実施例の回動部(挟持バネ体)のカム形状の別例3を示す説明図である。
【図11】本実施例の回動部(挟持バネ体)のカム形状の別例4を示す説明図である。
【符号の説明】
1 第一部材
2 第二部材
3 回動部
4 挟持バネ体
5 回動付勢機構
7 ロック解除操作部
7A 押動操作部
7B 作動杆部
8 支承弾性部
9 ガイド部
10 係合部
11 保持係合部

Claims (9)

  1. 第一部材,第二部材とを枢着するヒンジ装置であって、この第一部材,第二部材のいずれか一方に固定状態に設けられ、この第一部材,第二部材のいずれか一方の回動に伴って回動する回動部に、挟持付勢し抗拡弾性を有する挟持バネ体を被嵌配設し、前記回動部の外形状を回動位置によって径寸法が異なる所定のカム形状に設定して、前記挟持バネ体による挟持押圧により前記回動部を前記挟持バネ体に対して相対回動させるカム回動付勢力が生じるように構成し、前記回動部を前記挟持バネ体に対して前記カム回動付勢とは逆回転方向に相対回動付勢する回動付勢機構を設け、前記回動付勢機構による相対回動付勢力よりも前記挟持バネ体によるカム回動付勢力の方が大きくなるように設定して、前記回動部に前記挟持バネ体が被嵌し前記カム回動付勢力が生じ得る状態においては、前記回動付勢機構による相対回動付勢力よっては自動的に相対回動しないように構成し、前記挟持バネ体を前記回動部に対して相対的に離反移動自在に構成し、この前記挟持バネ体を前記回動部から相対的に離反移動させるロック解除操作部を設け、このロック解除操作部の操作により前記挟持バネ体を前記回動部から前記カム回動付勢力が生じ得ない位置まで離反させることで、前記回動付勢機構により前記回動部が自動的に前記挟持バネ体に対して相対回動するように構成したことを特徴とするヒンジ装置。
  2. 第一部材と第二部材との基端部同志を枢着して、双方が重合した閉塞状態から第一部材,第二部材のいずれか一方が所定開放角度まで回動した開放状態に開閉できるヒンジ装置であって、前記第一部材,第二部材のいずれか一方に固定状態に設けられ、この第一部材,第二部材のいずれか一方の回動に伴って回動する回動部と、前記第一部材,第二部材のいずれか他方に固定状態に設けられ、この第一部材,第二部材のいずれか他方の回動に伴って回動する挟持バネ体とを設け、前記回動部を挟持付勢により押圧し抗拡弾性を有する前記挟持バネ体をこの回動部に被嵌配設し、前記回動部の外形状を回動位置によって径寸法が異なる所定のカム形状に設定して、前記挟持バネ体による挟持押圧により前記回動部を前記挟持バネ体に対して相対回動させて閉塞状態へ閉じ付勢するカム回動付勢力が生じるように構成し、前記回動部を前記挟持バネ体に対して前記カム回動付勢とは逆回転方向に相対回動付勢する回動付勢機構を設け、前記回動付勢機構による開放状態への開き付勢となる相対回動付勢力よりも前記挟持バネ体による閉じ付勢となるカム回動付勢力の方が大きくなるように設定して、前記回動部に前記挟持バネ体が被嵌しこの挟持バネ体により前記閉じ付勢となるカム回動付勢力が生じる状態においては、前記回動付勢機構による開き付勢となる相対回動付勢力によっては自動的に相対回動せず、閉塞状態が保持されるように構成し、前記挟持バネ体を前記回動部に対して相対的に離反移動自在に構成し、前記挟持バネ体を前記回動部から相対的に離反移動させるロック解除操作部を設け、このロック解除操作部の操作により前記挟持バネ体を前記回動部から前記カム回動付勢力が生じ得ない位置まで離反させることで、前記回動付勢機構により前記回動部が前記挟持バネ体に対して開放状態とする方向へ自動的に相対回動するように構成したことを特徴とする請求項1記載のヒンジ装置。
  3. 前記挟持バネ体は、前記回動部を挟持付勢により押圧する一対の対向部を有する抱持形バネにより構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のヒンジ装置。
  4. 前記挟持バネ体は、挟持する前記回動部を押圧する一対の対向板部を有する抱持形板バネにより構成し、この対向板部の挟持押圧により回動部の外径寸法が小さくなる回動姿勢に回動せしめる前記カム回動付勢力が生じるように構成又は回動部の一部にカム形状部としてカム回動力を生じるR面若しくは傾斜面を形成し、このカム形状部を挟持押圧することで、前記カム回動付勢力が生じるように構成したことを特徴とする請求項3記載のヒンジ装置。
  5. 前記挟持バネ体は、挟持する前記回動部を押圧する一対の対向板部を有する抱持形板バネを複数枚重合した構成として、前記回動付勢機構による相対回動付勢力より勝る挟持付勢による前記カム回動付勢力が生じ得るように構成したことを特徴とする請求項4記載のヒンジ装置。
  6. 前記回動部の先端側に前記挟持バネ体が支承弾性部に抗して離反移動することをガイドするガイド部を連設し、前記回動付勢機構により前記回動部が前記挟持バネ体に対して自動的に相対回動する途中の回動位置では、前記ガイド部を挟持する位置に離反した前記挟持バネ体は、この挟持バネ体と前記回動部とが被嵌する係合位置に戻り動できず、回動付勢機構による自動相対回動を終了した回動位置若しくは終了することとなる所定回動位置で、挟持バネ体は前記支承弾性部の復帰力により自動的に前記係合位置に戻り動し前記自動相対回動が終了する形状に前記ガイド部を設定したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のヒンジ装置。
  7. 前記回動部若しくは回動部の先端部に連設した挟持バネ体の離反移動をガイドするガイド体に、前記回動付勢機構による前記回動部の前記挟持バネ体に対する自動相対回動が終了する回動位置を保持する係合部に係合する保持係合部を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のヒンジ装置。
  8. 前記ロック解除操作部は、押動操作部とこの押動操作部によって前記挟持バネ体を支承弾性部に抗して前記回動部から押動離反させる作動杆部とから構成したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のヒンジ装置。
  9. 前記請求項1〜8のいずれか1項に記載したヒンジ装置を枢着部に設けたことを特徴とするヒンジ装置を用いた電子機器。
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