JP3655933B2 - ゴムホースの製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ガスケットゴムがホース本体と一体となっているゴムホースやゴム継手等のようなゴムホースの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1に示すように、内面ゴム1と外面ゴム4の間に複数層の補強繊維2を有するゴムホース本体の両端(又は片端)に相手配管との接続フランジ5を有し、その接続フランジ5がゴムホース本体と離反しないようにゴムホース本体端部の補強繊維2及び内面ゴム1の端部分を鋼製リング等の高剛性リング3を介して外方に折り返して高剛性リング3を被覆する形で折曲げた形状のゴムホース50を製造するにあたって、従来では、図5に示すように、マンドレル6の外周に未加硫の内面ゴムシート1A、複数層の補強繊維2及び外面ゴム4を積層し、補強繊維2の外側に高剛性リング3を位置決めした後、複数層の補強繊維2を一層ずつ人手Fによる手作業で折り返す方法が採用されていた。
【0003】
また、図6に示すように、マンドレル(図示省略)端部に製品(ゴムホース)の内径より小さい外径を有するゴムバック15を設置し、該ゴムバック15中に空気給入口16から空気圧を給入してゴムバック15を図7に示すように拡張させることにより、複数層の補強繊維2及び内面ゴムシート1Aを同時に折り返す方法もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図5に示すような手張りで折り返す方法においては、内面ゴムシート1Aと一旦密着させた複数層の補強繊維2を一層毎に手ではがしながら、一層毎に折り返し再度密着させる工程を必要とし、工数が多大であるばかりでなく、密着力が低下する、補強繊維の密度が均一にならない、補強繊維の貼付角度が変化するといった問題がある。また、図6及び図7に示すようなゴムバック15を使用する方法においては、ゴムバック15の最小必要径が現在の技術のおいては100mm以上となり、小口径の製品には適応出来ないのみならず、ゴムバック15を拡張する空気圧が大きくとれないので補強繊維の層数が多いものは折り返し出来ないという欠点があった。
【0005】
本発明は小口径の製品にも適用でき、しかも補強繊維の密度のバラツキや密着力の低下がなく、寸法安定性、補強性能などの品質面で優れたゴムホースを高速かつ正確に製造することができるゴムホースの製造方法を提供することを狙い
(目的)とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のゴムホースの製造方法は、内面ゴムと外面ゴムの間に複数層の補強繊維を有するゴムホース本体の端部に、複数層の補強繊維及び内面ゴムの端部分を高剛性リングを介して外方に折り返して突起状の端部を形成してなるゴムホースの製造方法であって、高剛性リングを補強繊維及び内面ゴムシートの端部分が折り返される側とは反対側から支持するとともに、補強繊維及び未加硫の内面ゴムシートを積層したマンドレルと内面ゴムシートの折り返し用端部分との間に、先端部が開放され後端部がマンドレル端部軸に嵌合する部位を除いて閉鎖された円筒状の折曲げ用多層カラーをマンドレルに内接する一層目の折曲げ用カラーはマンドレルに密着される状態で、かつ、各折曲げ用カラーの閉鎖後端部間には所定の空隙を有する状態でマンドレル端部軸に順次挿載し、ついで、折曲げ用多層カラーをマンドレル中央側に向けて押進させることで多層カラーの先端部分で複数層の補強繊維及び内面ゴムシートの端部分を高剛性リングに隙間なく密着させるように折り返すことを特徴とするものである。
【0007】
本発明の製造方法は、折曲げ用多層カラーを用いるものであるため、口径の下限に制限がなく、25〜500mmといった全ての口径の製品に適用可能である。本発明の折曲げ用多層カラーの挿載は油圧や空気圧等の機械を用いて容易に行うことができ、操作も単純なものである。また、複数層の補強繊維と内面ゴムシートの全てを同時に全周にわたって折り返すことができるので、補強繊維の密度にバラツキがなく、それらを密着したまま折り返すので、各層間の接着力も変動しない。さらに、折り曲げ用多層カラーの挿載・押進力を大きくすることができるので、更に補強繊維間の密着力を高め、加えて多層の積層体も折り返し可能である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明を図面に基づいて説明する。図2は本発明に係るゴムホースの製造方法を実施する場合に用いられるゴムホース製造装置全体の一部省略縦断面図、図3は折曲げ用多層カラーをマンドレルに挿載した状態を示す図1の要部拡大縦断面図、図4は折曲げ用多層カラーを押進させて内面ゴムシート及び補強繊維の端部分の折り返しが終了した状態を示す図1の要部拡大縦断面図である。
【0009】
マンドレル6の外周に未加硫の内面ゴムシート1A、複数層の補強繊維2及び外面ゴム4を積層し、補強繊維2の外側に高剛性リング3を、リングホルダー7を用いて補強繊維2及び内面ゴムシート1Aの端部分1aが折り返される側とは反対側から支持し位置決めした後、内面ゴムシート1Aの折り返し用端部分1aとマンドレル6の間に、折曲げ用多層カラー20を構成する円筒状の複数のカラー8、9、10、11、12、13、14を順次挿載して、図3に示すように、内面ゴムシート1Aの端部分1a及び複数層の補強繊維2の端部分2aを傾斜状に押し上げる。
【0010】
ここで、折曲げ用多層カラー20を構成する複数の円筒状の折曲げ用カラー8、9、10、11、12、13、14は、先端部が開放され後端部がマンドレル6の端部軸6aに嵌合する部分8a,9a,10a,11a,12a,13a,14aを除いて閉鎖された形状を持ち、そのうち、マンドレル6に内接する一層目の折曲げ用カラー8はマンドレル6に密着した状態にし、かつ、各折曲げ用カラーの閉鎖後端部間には所定の空隙aが形成されるように挿載する。また、最外側の七層目の折曲げ用カラー14はその先端部14bが高剛性リング3を越えてリングホルダー7に内面ゴムシート1Aの端部分1aが接するまで折り返しできるように長くする。なお、図面上では折曲げ用多層カラー20は7層になっているが、8層、9層と数を多くしてもよい。
【0011】
ついで、折曲げ用多層カラー20を、図4に示すように、マンドレル6の中央側に向けて各カラー間の空隙aがなくなるように押進させることで、複数層の補強繊維2の端部分2a及び内面ゴムシート1Aの端部分1aを高剛性リング3に隙間なく密着するように折り返し、各カラー間の空隙がなくなった時点で内面ゴムシート1Aの端部分1aは高剛性リング3に対し直角に並設するような形状になっている。
【0012】
折曲げ用多層カラー20を構成する複数の円筒状カラー8、9、10、11、12、13、14の板厚は高剛性リング3の外径とマンドレル6の外径の差の1/10程度が望ましい。板厚が大であると挿入時抵抗が増し、折曲げ用多層カラー20の先端部分でゴムの変形が発生しやすい。従って、各カラーの板厚は薄い方が望ましく、一般的には3〜8mmに設定されている。
【0013】
上記したような折曲げ用多層カラー20の一連の動きを円滑に高速で行うことにより、折り返された補強繊維2とゴムシート1Aは互いに密着したまま均一に拡大され、そして最外側の七層目の折曲げ用カラー14が押進された後はゴム部の弾性に図4の内面ゴム先端部が収縮した形になり、形状が定められる。
【0014】
本発明の一例として、マンドレル外径が65mm、内面ゴムが天然軟質ゴムで加硫ゴム硬さ60度、補強繊維としてポリエステルコードスダレ織り1260デニール3本撚り2.5cm幅での配列本数21本内面ゴムと同一配合にて摩擦トッピングし、トッピング後厚さ1.0mmとして、65mm径のマンドレルに未加硫の内面ゴムシート4mm、未加硫のゴムとトッピングした補強繊維を1層はホースの軸に対し50度の角度で貼付け、他の1層はその上に逆の方向で同じく50度にて貼付け密着させた。マンドレル上に積層た外径は65+(4+1+1)×2=77mmとなり、その上に端面から60mmの位置に鋼製リング(内径77.5mm、外径97mm、厚さ6mm)を設置する。
折り曲げ一層目カラーの板厚 5mm 内径 65.5mm
〃 二層目 〃 5mm 〃 75.5mm
〃 三層目 〃 5mm 〃 85.5mm
〃 四層目 〃 5mm 〃 95.5mm
〃 五層目 〃 5mm 〃 105.5mm
〃 六層目 〃 5mm 〃 115.5mm
折曲げ用多層カラーの挿載速度は100mm/秒とした。本発明の折り返し(曲げ)時間は折曲げ用多層カラーの挿載速度で決定されるが、密着に必要な時間的余裕も含め15秒で行った。一方、従来の手張りによる方法では5分〜12分を要し、本発明より20倍〜50倍かかった。また、従来のゴムバックを用いる方法では、口径制限もあり、折り返し時間は60秒で達成できるが、本発明のように高速度が不可能であるので、未加硫ゴム弾性の収縮が不安定なものとなることが分った。
【0015】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、簡単な装置及び簡便なる操作により、高速かつ正確にガスケット一体型等の所定のゴムホースを製造することができる。加えて、内面ゴムシート及び複数層の補強繊維の密着性、寸法安定性及び補強性能等が極めて高度に安定しており、品質面においても優れた製品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ゴムホース(製品)の半縦断面図である。
【図2】 本発明に係るゴムホースの製造方法を実施する場合に用いられるゴムホース製造装置全体の一部省略縦断面図である。
【図3】 折曲げ用多層カラーをマンドレルに挿載した状態を示す図1の要部拡大縦断面図である。
【図4】 折曲げ用多層カラーを押進させて内面ゴムシート及び補強繊維の端部分の折り返しが終了した状態を示す図1の要部拡大縦断面図である。
【図5】 従来の手張りによる折り返し方法を説明する縦断面図である。
【図6】 従来のゴムバックによる折り返し方法を説明する縦断面図(折り返し前の状態を示す)である。
【図7】 従来のゴムバックによる折り返し方法を説明する縦断面図(折り返し途中状態を示す)である。
【符号の説明】
1 内面ゴム
1A 内面ゴムシート
1a 内面ゴムシートの端部分
2 補強繊維
3 高剛性リング
4 外面ゴム
6 マンドレル
6a マンドレル端部軸
7 リングホルダー
8〜14 円筒状カラー
20 折曲げ用多層カラー
Claims (1)
- 内面ゴムと外面ゴムの間に複数層の補強繊維を有するゴムホース本体の端部に、複数層の補強繊維及び内面ゴムの端部分を高剛性リングを介して外方に折り返して突起状の端部を形成してなるゴムホースの製造方法であって、
高剛性リングを補強繊維及び内面ゴムシートの端部分が折り返される側とは反対側から支持するとともに、補強繊維及び未加硫の内面ゴムシートを積層したマンドレルと内面ゴムシートの折り返し用端部分との間に、先端部が開放され後端部がマンドレル端部軸に嵌合する部位を除いて閉鎖された円筒状の折曲げ用多層カラーをマンドレルに内接する一層目の折曲げ用カラーはマンドレルに密着される状態で、かつ、各折曲げ用カラーの閉鎖後端部間には所定の空隙を有する状態でマンドレル端部軸に順次挿載し、
ついで、折曲げ用多層カラーをマンドレル中央側に向けて押進させることで多層カラーの先端部分で複数層の補強繊維及び内面ゴムシートの端部分を高剛性リングに隙間なく密着させるように折り返すことを特徴とするゴムホースの製造方法。
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JP13678294A JP3655933B2 (ja) | 1994-06-20 | 1994-06-20 | ゴムホースの製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP13678294A JP3655933B2 (ja) | 1994-06-20 | 1994-06-20 | ゴムホースの製造方法 |
Publications (2)
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JPH081815A JPH081815A (ja) | 1996-01-09 |
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1994
- 1994-06-20 JP JP13678294A patent/JP3655933B2/ja not_active Expired - Fee Related
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