JP3655867B2 - 位置検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動する部材の位置を検出するための位置検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
移動する物体,部材の位置を検出するには様々な技術が存在し、例えば、実開昭59−34304号公報に開示の車両の位置検出装置では、複数のビットの組み合わせを形成する反射パターンと、これらの反射パターンを読み取るための複数のフォトカプラーとが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記実開昭59−34304号公報に開示されている技術では、多くのビットパターンと複数フォトカプラーとが用いられていて大きなスペースと多くのフォトカプラーとを必要とし、小型化を狙う機器,装置には相応しいものではなかった。
【0004】
本発明は、上述のような問題点を解決するためになされたものであり、簡便な構成であって、正確な位置検出ができる位置検出装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の位置検出装置は、複数の位置に移動する移動部材である遊星ギヤー104と、上記移動部材の位置を検出するため、光を発光する単一の発光部と、この光を受ける単一の受光部とを有した光検出器であるフォトリフレクタ150と、上記移動部材の移動に伴って上記受光部の前面に進退してパルス信号を発生させ、上記受光部に入射させる光量を互いに異ならせる三つの対向部(中間反射パターン(灰パターン)、白パターン(Hパターン)、黒パターン)を有し、上記移動部材が所定位置に位置したとき、上記三つの対向部の一つである所定の対向部である中間反射パターン(灰パターン)103gが、上記受光部に対向する受光部対向手段であるラチェットホイール103と逆止レバー110と、上記受光部からの出力値と比較するための第1及び第2の検出レベルに変更可能で、上記第1の検出レベル(Hパターン検出レベル)で上記出力値と比較するときは上記移動部材の上記複数の位置それぞれの相対位置を検出判断し、この相対位置判断を基に上記移動部材が上記所定位置にあるとき、この検出レベルを変更し、上記受光部対向手段の上記所定の対向部の一つと協働して上記第2の検出レベル(灰パターン検出レベル)で上記出力値と比較し、上記移動部材が上記所定位置にあることを絶対位置として確認判断する制御手段であるCPUとを具備することを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の実施形態を示す位置検出装置を有する駆動力伝達機構を内蔵するカメラの回路系システム図である。
カメラが有するCPU1には、電源スイッチPWSW,1stレリーズスイッチ1R,2ndレリーズスイッチ2R,後蓋開閉スイッチBK,ズームアップスイッチZU,ズームダウンスイッチZD,フィルム給送検出スイッチ1K等のスイッチから信号が入力されるようになっていて、これらの信号などに基づいてカメラ全体のシーケンスを制御している。
【0007】
さらに、カメラにはインターフェイス回路であるIF−IC2が設けられていて、このIF−IC2には、図示しないAF(自動合焦),AE(自動露光)関係の回路が内蔵されているほかに、単一の駆動源となるモータ101に給電するモータドライバを内蔵し、さらに駆動力伝達機構の動きを検出する位置検出手段であるフォトリフレクタ(PR)150用の信号整形回路も設けられている。
【0008】
上記CPU1とIF−IC2の間には、信号授受のためのバスライン4と、上記PR150からの信号に基づくパルスをIF−IC2からCPU1へ伝達するCPO信号線5が接続されている。
【0009】
上記CPU1は、上記バスライン4を介してIF−IC2の設定を行うことができる。すなわち、上記モータ101の起動,停止の制御、駆動電圧の決定が可能であり、また、上記PR150のLED側電流値の制御およびフォトトランジスタ側の光電流のスレッシュ値を制御できる。さらに上記CPU1は、上記各スイッチの入力に従って、モータ101を駆動し、後述する駆動力伝達機構を構成する遊星ギヤーの噛合状態を切り替え、被駆動ギヤーを駆動制御するなどして、カメラの全動作を制御している。
【0010】
図2は、本実施形態を示す位置検出装置が設けられている駆動力伝達機構の平面図である。また、図3は、上記図2中のA−A断面を示した上記駆動力伝達機構の要部断面図である。図3に示すように、正逆回転可能なモータ101の出力軸にはピニオンギヤー101aが取り付けられていて、該ピニオンギヤー101aは図示しない減速ギヤー列を介して上記モータ101の回転動力をギヤー102へ伝達するようになっている。上記ギヤー102の上面には、後述するラチェットホイール103の回動中心位置を決める円盤状のスペーサ102bが、上記ギヤー102とー体に設けられている。また、該スペーサ102bのさらに上面には、上記ギヤー102と一体に回動する太陽歯車である太陽ギヤー102aが同軸に設けられている。
【0011】
上記ラチェットホイール103上面の互いに対称位置にある両側縁部には支軸ピン103a,103a’が垂設されていて、該支軸ピン103a,103a’にはそれぞれ遊星歯車である遊星ギヤー104,104’が、上記太陽ギヤー102aに噛合して軸着されている。また、上記遊星ギヤー104,104’は、ともに上記ラチェットホイール103との間に若干のフリクション105を有している。
【0012】
上記ギヤー102が回動すると該ギヤー102と一体に形成されている太陽ギヤー102aが回動し、これにより該太陽ギヤー102aと噛合している上記遊星ギヤー104も回動する。従って、上記ラチェットホイール103には上記太陽ギヤー102aが回動する方向の回動力が生じることになる。
【0013】
図2に示すように、上記ラチェットホイール103は、周端面103dを有する8つの同型の爪部と、この爪部よりも長い周端面103eを有する1つの爪部が突設されている。また、該ラチェットホイール103の一側方側の外周部近傍には、該ラチェットホイール103の回動制御を行う逆止レバー110が配設されている。
【0014】
この逆止レバー110は、その支点を支軸110dに揺動自在に枢着されていて、一腕端部110cには上記爪部と係合する逆止爪110eが形成されている。また、該逆止レバー110の一腕端とカメラ本体内所定位置との間にはばね111が架設されていて、該逆止レバー110をラチェットホイール103に向けて付勢している。上記一腕端部110cは上記ばね111の付勢力によって係止部112に当接する位置まで揺動するとともに、上記逆止爪110eは上記ラチェットホイール103爪部の係止面103bに係合している。そして、該逆止レバー110の他椀端部110aの上記フォトリフレクタ(PR)150に対向する面には、反射率の高い白パターン(Hパターン)が設けられていて、これにより、PR150は後述する他のパターン(灰パターン,黒パターン)と反射率の違いにより判別できるようになっている。
【0015】
上記ラチェットホイール103の一側方近傍には、円周方向に、上記ラチェットホイール103爪部の間隔に対応する所定間隔をもって、複数の被駆動歯車である巻き上げ用駆動ギヤー120,巻戻し用駆動ギヤー121,AFレンズ用駆動ギヤー122,ズームダウン用駆動ギヤー123,ズームアップ用駆動ギヤー124が、図示しない軸に軸着されて配設されている。
【0016】
また、上記遊星ギヤー104,104’は、上記太陽ギヤー102aの回動に伴って公転運動を行うが、上記逆止爪110eが上記ラチェットホイール103爪部の所定の係止面103bに係合したときに、上記駆動ギヤー120,121,122,123,124のうちの何れかと噛合するようになっている。なお、上記駆動ギヤー120,121,122,123,124は、図示しないギヤー列を介してそれぞれ、フィルム巻上機構,フィルム巻戻機構,オートフォーカス機構,ズームダウン機構,ズームアップ機構に連結し、その駆動源となっている。
【0017】
上記太陽ギヤー102aが、図中矢印CCW方向に回転すると、上記遊星ギヤー104,104’の公転運動に伴い上記ラチェットホイール103も同CCW方向に回転する。ここで、上記フリクション105の力を上記ばね111の付勢力より強い力に設定すると、上記逆止レバー110は、その逆止爪110eが上記ばね111の付勢力に抗して上記ラチェットホイール103爪部の斜面103cによって外方に押し上げられ、図中、2点鎖線にて示される位置まで揺動する。そして、上記ラチェットホイール103はラチェット機構による回転動作を行う。
【0018】
図4に、上記ラチェットホイール103を、図2で示した方向の裏面の方向より見た形状を示す。すなわち、この状態はPR150から見たラチェットホイール103の形状である。上記遊星ギヤー104,104’がAFレンズ用駆動ギヤー122に噛合して、オートフォーカス機構に連結された状態のとき、上記PR150の前面に相当する位置に、他の爪部より反射率の高い灰パターン103fまたは103gが設けられた爪部が停止するようになっている。そして、これらの灰パターン103f,103gが設けられた爪部以外の爪部には、反射率の低い黒パターン(Lパターン)が設けられていて、PR150は反射率により灰パターンとLパターンとを判別できるようになっている。
【0019】
そして、上記逆止レバー110の揺動動作に基づく制御機構(後述する)により上記ラチェットホイール103の回転動作を制御することで、上記遊星ギヤー104,104’の公転軌跡上での位置制御が可能となる。すなわち、上記遊星ギヤー104,104’を所望の位置に停止させて、上記駆動ギヤー120,121,122,123,124のうちの何れかと噛合するように該遊星ギヤー104,104’の公転動作を制御することができる。
【0020】
また、上述したように、上記ラチェットホイール103の9つの爪部のうち、1つの爪部のみが他の爪部より周端面が長くなっているため、該ラチェットホイール103を図2中CCW方向に回転させると、上記PR150からは8つの短いオン信号(パルス信号)と1つの長いオン信号(パルス信号)が出力されることになる。
【0021】
このようなPR150における出力信号と、これに対応した上記ラチェットホイール103,逆止レバー110の動作のタイムチャートを図5に示す。図中、ラチェットホイール103の回転による遊星ギヤー104,104’の噛合する駆動ギヤーに応じて、次のような各符号の駆動状態が選択される。すなわち、
Wind;フィルム巻き上げ
RW ;フィルム巻戻し
AF ;オートフォーカス
ZD ;ズームダウン
ZU ;ズームアップ
となる。なお、上記各状態における遊星ギヤー104,104’の噛合先は、それぞれ上記駆動ギヤー120,121,122,123,124である。すなわち、上記ラチェットホイールが回転し、上記遊星ギヤー104,104’の何れかが上記駆動ギヤー120,121,122,123,124の何れかと噛合すると、上記の何れかの状態を選択するようになっている。
【0022】
本実施形態では、上記1つの長いオン信号の立ち下がりから8つめのオン信号の立ち下がり時、すなわち、図2に示す上記遊星ギヤー104がオートフォーカス駆動機構に連結された駆動ギヤー122に噛合している状態を初期位置と設定する。
【0023】
ここで上記オートフォーカス位置にあるときには、PR150の出力は上記103f,103gの灰パターンにより中間レベルとなる。
【0024】
CPU1はIF−IC2に対し、PR150の反射光電流の検出レベルを設定できるようになっている。すなわち、CPU1は、図5中、1点鎖線で示される灰パターン検出レベルとHパターン検出レベルを選択して設定できるようになっている。これらの内の選択した検出レベルよりも光電流が大きい場合、IF−IC2の出力するCPOはLレベルを出力し、上記光電流が小さい場合には同CPOはHレベルを出力する。
【0025】
上記Hパターン検出レベルは、上記逆止レバー110がPR150の前面にあることを検出するレベルで、上記逆止レバー110がPR150の前面にある場合、つまりHパターン(白パターン)がPR150の前面にある場合にはCPOはLレベルになり、ラチェットホイール103の灰パターンおよびLパターン(黒パターン)がPR150の前面にある場合にはCPOはHレベルになる。
【0026】
上記灰パターン検出レベルは、上記灰パターン103g,103fがPR150の前面にある場合、CPOをLレベルとし、LパターンがPR150の前面にある場合にはCPOをHレベルにする値である。
【0027】
図6は、本実施形態における上記ラチェットホイール103の初期位置設定時に係る上記PR150の出力信号タイムチャートである。上記PR150から出力されるパルス信号(図中、CPOで示す)は、起動(スタート)直後の図中、タイミングT1においては読み飛ばされる。なお、そのパルス数は、図示しないEEPROM等に記憶されているデータ(GPSTRT)に基づく。
【0028】
次に、上記パルス信号は、図中タイミングT2においてパルス数カウンタC1においてカウントされ、1周期の駆動シーケンス信号となる。なお、図6中、maxで示されるオン信号区間は、上記1つの長いオン信号が出力されていることを示している。さらに、図中、タイミングT3におけるパルス信号によってラチェットホイール103がオートフォーカス駆動ギヤー122に対応する位置、すなわち、上記遊星ギヤー104が該駆動ギヤー122と噛合する位置へ移動される。
【0029】
図7,図8は、本実施形態におけるラチェットホイール103(遊星ギヤー104,104’)の初期位置設定動作のサブルーチンを示したフローチャートである。なお、これらのフローチヤートはCPU1の動作として説明する。
【0030】
上記ラチェットホイール103、ひいては遊星ギヤー104,104’の初期位置設定動作は、まず、PR150の反射光電流の検出レベルをHパターン検出レベルに設定する(ステップS1)。この検出レベルは灰パターンがあってもCPOはHレベルになるモータ駆動電圧を設定し(ステップS2)、モータ101(図1,図3参照)を駆動した後(ステップS3)、読み飛ばしパルス数C0を図示しないEEPROM等に記憶された値に設定する(スチップS4)。なお、このときフラグF1=1とする。その後、パルス数カウンタC1=8として(ステップS5)、該パルス信号の立ち下がり(Lowエッジ)を検出するまで待機する(ステップS6)。上記ステップS6で該パルス信号の立ち下がりを検出すると、パルス幅タイマT0がスタートし(ステップS7)、該パルス信号の立ち上がり(Highエッジ)を検出するまで図示しないCPUのハードタイマをかける(ステップS8)。すなわち、ここでパルス幅を検出する。
【0031】
上記ステップS8で該パルス信号の立ち上がりを検出すると、上記タイマT0、すなわち、上記PR150から出力されるパルス幅を読み込み(ステップS9)、上記EEPROM等に記憶されている最低パルス幅のデータと比較する(ステップS10,ステップS11)。そして、上記PR150から出力されるパルス幅が上記EEPROM等に記憶されている最低パルス幅以下のときは、チャタリングが生じたとして上記ステップS6に戻る。
【0032】
上記ステップS10,ステップS11で、上記PR150から出力されるパルス幅が上記EEPROM等に記憶されている最低パルス幅以上のときは、上記フラグF1を調べて読み飛ばし中か否かを検出する(ステップS12)。ここで、読み飛ばし中であるなら、上記読み飛ばしパルス数C0をデクリメントして(ステップS13)、C0=0か否かを調べる(ステップS14)。そして、該ステップS14でC≠0であるなら直接、また、C0=0であるなら読み飛ばし終了して(ステップS15)、それぞれ上記ステップS6に戻る。
【0033】
上記ステップS12で読み飛ばし終了であると判定されると、図8の〔2〕に移行して、上記PR150からの現在のパルス幅を過去の最大値と比較する(ステップS16,ステップS17)。そして、現在のパルス幅の方が大きいときは該現在のパルス幅を最大値とし(ステップS18)、パルス数カウンタC1の値を図示しないRAMにおけるRAM−1領域にストアした後(ステップS19)、該パルス数カウンタC1をデクリメントする(ステップS20)。
【0034】
上記ステップS17において現在のパルス幅の方が小さいときも該ステップS20に移行し、その後、該パルス数カウンタC1=0か否かを判定する(ステップS21)。該ステップS21においてパルス数カウンタC1≠0であるなら、すなわち、上記図12に示す1周期のシーケンスが終了していないなら、上記図7中、〔1〕に移行して上記ステップS6に戻る。
【0035】
また、上記ステップS21で該パルス数カウンタC1=0であるなら、すなわち、上記図6に示す1周期のシーケンスが終了したなら、上記ラチェットホイール103の現在位置の算出処理を行う(ステップS22)。すなわち、最大パルス幅の位置データから9パルス目の絶対位置を算出し、上記図5に示すようにmaxの位置を絶対位置の4の位置とする。なお、
上記RAM−1領域にストアしたデータ+4>10
のときは1桁目を絶対位置とする。この後、遊星ギヤー104をオートフォーカス駆動ギヤー122と噛合する位置へ駆動する(ステップS23)。
【0036】
次に、上記検出パターンをHパターン検出レベルから灰パターン検出レベルに切り替える(ステップS24)。このときCPOがHレベル→Lレベルへ変化すれば正常終了となり(ステップS25)、CPOがHレベルのままだと異常と判断して、ステップS1へ戻りすべて最初からこの処理を実行する。そして正常終了の場合には、該ラチェットホイール103の現在位置(あるいは遊星ギヤー104,104’の現在位置)を上記RAMにおけるRAM−2領域にストアして(ステップS26)、サブルーチン「初期位置出し」を終了する。
【0037】
図9は、本実施形態における駆動ギヤー選択動作のサブルーチンを示すフローチャートである。なお、このフローチャートも上記のフローチャート同様、CPUの動作として説明する。
【0038】
駆動ギヤー選択動作は、まず、駆動ギヤーの第1の目標位置データD1を図示しないRAMにおけるRAM−A領域に設定する(ステップS31)。次に第2の目標位置データD2をRAM−B領域に設定する(ステップS32)。現在位置がAF位置であるかどうかを判断し(ステップS33)、AF位置である場合には、PR150の反射光電流の検出レベルを灰パターン検出レベルに設定し(ステップS34)、CPOのレベルをチェックする(ステップS35)。CPOがHレベルの場合には、上記ステップS1に戻って初期位置出し処理を行う。
【0039】
次に、PR150の反射光電流の検出レベルをHパターン検出レベルに設定する(ステップS36)。この後、モータ駆動電圧を設定して(ステップS37)、該RAM−A領域のデータと上記RAM−2領域のデータとを比較する(ステップS38,ステップS39)。すなわち、駆動ギヤーの目標位置と、上記ラチェットホイール103あるいは遊星ギヤー104,104’の現在位置とを比較する。そして、ステップS154において該遊星ギヤー104,104’が目標位置に到達したら、上記モータ101(図1,図3参照)にブレーキをかけて停止させる(ステップS47)。
【0040】
もしも上記RAM−2の値が上記RAM−Aと一致しない場合には、該RAM−B領域のデータと上記RAM−2領域のデータとを比較する(ステップS40,ステップS41)。すなわち、駆動ギヤーの目標位置と上記ラチェットホイール103あるいは遊星ギヤー104,104’の現在位置とを比較する。そして、ステップS41において該遊星ギヤー104,104’が目標位置に到達したら、上記モータ101(図3参照)にブレーキをかけて停止させる(ステップS47)。停止後、現在位置がAF位置であるかどうかを判断し(ステップS48)、AF位置である場合には、PR150の反射光電流の検出レベルを灰パターン検出レベルに設定し(ステップS49)、CPOのレベルをチェックする(ステップS50)。CPOがHレベルの場合にはステップS1へ戻って(図7参照)、上記初期位置出し処理を行う。
【0041】
また、上記ステップS41で該遊星ギヤー104,104’が未だ目標位置に到達していないときは、さらにモータ101を駆動させて(ステップS42)、上記PR150からのパルスの立ち下がり(Lowエッジ)を検出するまで該遊星ギヤー104,104’を公転させる(ステップS43)。
【0042】
そして、上記ステップS43でパルスの立ち下がりを検出すると、モータ駆動電圧を再設定して(ステップS44)、パルスの立ち上がりを検出したか否かを判定する(ステップS45)。その後、上記RAM−2領域のデータをインクリメントして(ステップS46)、上記ステップS38に戻る。
【0043】
駆動系選択動作である上述の「ギヤー位置決め」動作をまとめると、モータ101により、太陽ギヤー102aをCCW方向に回転させ、駆動させたい駆動系の駆動ギヤーに噛合する位置に遊星ギヤー104,104’のうちの−方を移行させる。この位置は、上記フォトリフレクタPR150からの出力信号で検出する。
【0044】
なお、目標位置データD1とD2は、同一の被駆動歯車の選択のためのデータであり、図2中の遊星歯車104と104’が存在するためのデータを2個有することになる。
【0045】
図10,図11に本実施形態のカメラシーケンスにおける、メカ駆動の処理サブルーチンを示す。図10にはズームアップ処理、図11にはズームダウン処理を一例として示す。図10のズームアップ処理の場合、まず、使用者の操作により、ズームアップスイッチZU(図1参照)がオン状態になると、CPU1の図示しないメインフローチャート中の判断により、サブルーチン「ズームアップ処理」がコールされる。まず、ズームアップの被駆動歯車を目標位置として、図9に示すギヤー位置決め処理によりギヤー選択を実行する(ステップS61)。上記ズームアップ位置の被駆動歯車が選択の後、上記モータ101をCW方向へ回転させる(ステップS62)ことにより、ズームをアップ方向へ駆動する。さらに、使用者によって上記ズームスイッチが離されるか、ズームが図示しないテレ端位置に到達したことを検出した場合には(ステップS63,S64)、ステップS65へ進み上記モータ101へブレーキをかけズームを停止させる。その後、AFレンズ駆動歯車位置を目標位置データとし、図9の上記ギヤー選択処理を実行する(ステップS66)。これにより、上記遊星ギヤー104もしくは104’がAFレンズ駆動位置に移動される。
【0046】
同様にズームダウン処理の場合も、図10のサブルーチン「ズームダウン処理」に示すステップS71〜ステップS76の処理に基づいてズーム処理が実行される。以上のズーム処理が実行され、ズーミングが終了した時点では、上記遊星ギヤー104,104’はAFレンズ駆動ギヤー122と噛合してAFレンズを駆動する位置に移動されている。また図示しないが、巻き上げ,巻戻しの各処理を実行後も上記遊星ギヤー104もしくは104’がAFレンズ駆動の選択位置に置かれている。
【0047】
次に、本実施形態のカメラの撮影シーケンスにおけるレリーズ処理について説明する。図12は、上記レリーズ処理のサブルーチンのフローチャートを示しており、使用者の操作によって上記1stレリーズスイッチ1R,2ndレリーズスイッチ2Rのオン状態が図示しないメインフロー上で検出された場合に、図12のサブルーチン「レリーズ処理」が実行される。まず、上記IF−IC2のAFブロックを起動して、CPU1へ出力されるAFデータを元にAF(自動合焦)演算を実行し(ステップS81)、AFレンズの繰り出しパルス数が求められる。次に、AE(自動露出)演算を実行し、シャッタの露出秒時を決定する(ステップS82)。
【0048】
次に、上記AF演算で求めたAFレンズ繰り出しパルス数に基づいてAFレンズ駆動処理を行う(ステップS83)。このとき上記遊星ギヤー104、または、104’はAFレンズ駆動位置にあらかじめ選択移動されているので、駆動ギヤー選択処理を行う必要はない。上記AFレンズ駆動が終了した後、上記AE演算で求めた露出秒数に基づいて、シャッタ制御処理を実行する(ステップS84)。
【0049】
なお、上記1stレリーズスイッチ1R,2ndレリーズスイッチ2Rのオン状態を検出した時点から該シャッタ制御処理が実行されるまでの時間が、いわゆるレリーズタイムラグであり、可能な限り短い時間にすることが望まれている。そこで、本実施形態のものでは、撮影待ち状態では常時、上記遊星ギヤー104、または、104’を上記AFレンズ駆動位置に移動しているので、レリーズ処理中におけるギヤー位置選択動作が省略され、該レリーズタイムラグの短縮が実現される。
【0050】
その後、シャッタ制御処理終了後、AFレンズを初期位置まで駆動するAFレンズリセット処理を実行する(ステップS85)。次に、上記遊星ギヤー104、または、104’を巻き上げ駆動用の被駆動ギヤーである駆動ギヤー120の位置へ移動し、噛合させる(ステップS86)。その後、一コマ巻き上げ処理を実行し(ステップS87)、上記遊星ギヤー104、または、104’をAFレンズ駆動位置に戻す(ステップS88)。以上の動作により一連の撮影シーケンス処理を終了する。
【0051】
以上説明したように、この実施形態によれば、単一のモータを用いて複数の被駆動歯車に選択的に駆動力を伝達する駆動力伝達機構において、AFレンズ駆動位置を初期位置と定め、常時選択されるようにすることで、レリーズタイムラグの短縮を図ることが可能となる。
【0052】
また、被駆動ギヤーの位置検出PRの反射パターンにHパターン,Lパターンとは別のパターンを設け、この中間反射パターン(灰パターン)を上記初期位置が選択されている場合に、PRの前面に正対するように配置することで、該初期位置が選択されていることが検出可能となり、誤動作の起こることを防ぐことができる。
【0053】
【発明の効果】
以上のような本発明によれば、移動する部材の位置を第1の検出レベルでパルスをカウントし、その移動部材が所定の相対位置に来たときには、その後、第2の検出レベルと光検出器からの出力とを比較し、その移動部材が上記所定の位置に来たことを確認判断することができ、簡便な構成で移動する部材の位置検出を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す位置検出装置を含む駆動力伝達機構を有するカメラの要部系統図。
【図2】上記図1の位置検出装置を含む駆動力伝達機構の平面図。
【図3】上記図2の駆動力伝達機構のA−A断面図。
【図4】上記図2のラチェットホイールを裏面から見た拡大平面図。
【図5】上記図1の位置検出装置を含む駆動力伝達機構におけるフォトリフレクタの出力信号のタイムチャート。
【図6】上記図1の位置検出装置を含む駆動力伝達機構におけるラチェットホールの初期位置設定に関するフォトリフレクタの出力信号のタイムチャート。
【図7】上記図1の位置検出装置を含む駆動力伝達機構を内蔵するカメラの制御処理におけるサブルーチン「初期位置出し処理」のフローチャートの一部。
【図8】上記図1の位置検出装置を含む駆動力伝達機構を内蔵するカメラの制御処理におけるサブルーチン「初期位置出し処理」のフローチャートの一部。
【図9】上記図1の位置検出装置を含む駆動力伝達機構を内蔵するカメラの制御処理におけるサブルーチン「ギヤー位置決め処理」のフローチャート。
【図10】上記図1の位置検出装置を含む駆動力伝達機構を内蔵するカメラの制御処理におけるサブルーチン「ズームアップ処理」のフローチャート。
【図11】上記図1の位置検出装置を含む駆動力伝達機構を内蔵するカメラの制御処理におけるサブルーチン「ズームダウン処理」のフローチャート。
【図12】上記図1の位置検出装置を含む駆動力伝達機構を内蔵するカメラの制御処理におけるサブルーチン「レリーズ処理」のフローチャート。
【符号の説明】
1…CPU(制御手段)
101…モータ
102a…太陽ギヤー
103…ラチェットホイール(受光部対向手段)
103f,103g…灰パターン
104,104’…遊星ギヤー(移動部材)
110…逆止レバー(受光部対向手段)
120…巻き上げ用駆動ギヤー
121…巻戻し用駆動ギヤー
122…AFレンズ用駆動ギヤー
123…ズームダウン用駆動ギヤー
124…ズームアップ用駆動ギヤー
150…フォトリフレクタ(PR)(光検出器)

Claims (1)

  1. 複数の位置に移動する移動部材と、
    上記移動部材の位置を検出するため、光を発光する単一の発光部と、この光を受ける単一の受光部とを有した光検出器と、
    上記移動部材の移動に伴って上記受光部の前面に進退してパルス信号を発生させ、上記受光部に入射させる光量を互いに異ならせる三つの対向部を有し、上記移動部材が所定位置に移動したとき、上記三つの対向部の一つである所定の対向部が上記受光部に対向する受光部対向手段と、
    上記受光部からの出力値と比較するための第1及び第2の検出レベルに変更可能で、上記第1の検出レベルで上記出力値と比較するときは上記移動部材の上記複数の位置それぞれの相対位置を検出判断し、この相対位置判断を基に上記移動部材が上記所定位置にあるとき、この検出レベルを変更し、上記受光部対向手段の上記所定の対向部の一つと協働して上記第2の検出レベルで上記出力値と比較し、上記移動部材が上記所定位置にあることを絶対位置として確認判断する制御手段と、
    を具備することを特徴とする位置検出装置。
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