JP5016797B2 - レンズ装置及びカメラシステム - Google Patents

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Description

本発明は、モーターを用いて移動部材を所望位置に停止させるための制御機器及びその制御方法に関する。特に電源供給時にモーターの励磁相と駆動回路の励磁相とを合致させることで、移動部材を基準位置にスピーディに設定する様に改良した制御機器及び制御方法に関する。更には、前記制御機器、制御方法を有する光学機器に関する。
ステッピングモーター等による動力源を応用した制御機器として、レンズ交換式一眼レフカメラシステムについての従来技術を以下に紹介する。
現在、カメラはオートフォーカス機能付きが一般的となり、オートフォーカスにおけるピントの高精度化と、被写体にピントが合うまでの時間短縮が求められている。一方、絞り機構においては、従来のメカ的な構成のものからステッピングモーター、電磁式メーター等の駆動源によって駆動されるものなどに移行しつつあり、これによって様々な制御を行うことが可能となっている。
このようなカメラシステムにおいては、設定された絞り位置までの駆動時間或いは開放状態に復帰させるまでの駆動時間の短縮が今後必要とされている。また、カメラ電源の投入または電池交換後やレンズ交換式一眼レフカメラのレンズ装着後に撮影可能となるための起動時間の短縮なども必要とされている。そのため、様々な制御の制御定数やカメラシステムとしての制御シーケンスやアルゴリズムを変更することが検討されている。
前述した絞り機構においてステッピングモーターを使用した場合のモーター制御方式では絞りの開放位置を基準位置とする。その開放位置検出に光学式センサーを使用し、その開放位置をステッピングモーターの基準励磁位置として調整されているのが一般的となっている。モーター制御にはマイクロコンピュータ(以下、マイコンと記す)を使用する。前記絞りが開放位置に到達すると、モーター駆動回路の電気的な励磁相をリセットすることによりモーターの励磁相と電気的な励磁相を合致させることでモーター制御を行っている。このモーターの励磁相と電気的な励磁相が何らかの原因で異なってしまった場合、電気的な励磁位置を変更させてもモーター回転自体が追従できず、正確な位置制御が出来ないことがあった。
この絞り機構に関してカメラシステムとして時間短縮に支障が発生する1つの事例は、カメラ使用者が誤って絞りを開放位置以外の所定の絞り位置に設定したまま電池交換や一眼レフカメラのレンズ交換を行った場合である。この場合、電池或いは交換レンズ装着時に絞りが絞ったままとなっているためカメラのファインダーを覗くと暗い画面になってしまうことになる。そこでカメラシステムとして装着時に絞りが絞っている状態であることを検知した場合は、即座に絞りを開放状態にする制御を行う必要がある。しかし、前記した様にステッピングモーター等を使用している絞り機構では、モーター自体のあらかじめ調整された励磁相とモーターを制御するマイコンの電源が遮断されていたことで電気的な励磁相が異なるケースがある。すると、マイコンが絞りを開放状態に駆動するため電気的な励磁相を変化させてもステッピングモーターの励磁相が追従せず、最悪ケースでは永遠に開放駆動を繰り返すことで、撮影出来ないなどの問題が発生することがあった。
この様なステッピングモーターの特性とマイコン等を使用した場合の制御方式に関し、特許文献1では手ぶれ補正装置の補正光学系のロック機構にステッッピングモーターを使用した場合の初期位置駆動に関する提案がなされている。この提案ではレンズをカメラに装着時、または電池交換時は常にステッピングモーターを遅い一定速度で駆動することが記載されている。
特開平11−119280号公報
図9は絞り制御にステッピングモーターを使用した場合の制御方式の一例を示す。
同図において、横軸は絞り駆動時の累積時間、図9(a)の縦軸は絞り値、図9(b)の縦軸は駆動速度をそれぞれ表している。図9(b)はステッピングモーターの一般的な速度制御パターンで、加速、一定速、減速というそれぞれの制御速度で駆動されている。
ステッピングモーターは精度的な観点から1−2相励磁方式が一般的に使用されるが、通電が切れている場合は停止位置が不安定となるため、イニシャル通電を行うことで初期の位置決めを行うことが必要となる。また、停止時も駆動時の振動が残っている場合が多く、安定待ち時間が必要となり、これらの制御時間を全て加算した結果が絞り駆動に要する累積時間となる。
図9(a)は、開放絞り値がF2.8のレンズをF32まで絞った場合の絞り値と累積時間との関係を表し、基本的には図9(b)の加減速及び一定速の各速度の逆数(時間)の積分値を表している。また、ステッピングモーターは前記した様に通電が切れた場合は停止位置が不安定となる。これを絞り機構に使用すると絞りを開放値にした場合の絞り値が不安定となってしまう。これを避けるために、図11の様な、通常はメカ的に固定された円板の内径寸法(開放径)で開放絞り値を決定し、ステッピングモーターの回転動作で絞り羽と呼ばれる複数の板を出し入れすることで絞り値を決定している。更に、この絞り羽を前記した円板の内径以上にはみ出さない位置をモーターの初期位置としている。この初期位置を開放位置として設定し、不図示の光学センサーで検出する様に構成されている。
この様な速度制御を行っている絞り機構では開放位置が基準位置となっている。駆動回路の電気的な励磁相(以下、電気相と記す)とモーターの励磁相(以下、モーター相と記す)が異なった位相のまま駆動制御を行うと、電気相を経過時間と共に切り換えてもモーター相が追従出来ない場合があった。その場合、絞りが同じ位置で振動を繰り返したり、逆側に駆動されたりする場合があった。
この状態から抜け出すために特許文献1では図9の様な加減速を行わず、図10の様に常に遅い一定速度で駆動することを提案している。しかしこの様な制御を行った場合、図9のように絞りの累積駆動が長くなってカメラの起動時間が遅くなってしまい、使い勝手の悪いカメラシステムとなってしまう。
また、デジタル化が主流となりつつある一眼レフカメラにおいても、コンパクトカメラと同様に静止画のみならず動画撮影も可能としたカメラが今後開発されることが予想される。その場合、絞り駆動も連続して行われることになる。連続した絞り駆動によって絞り自体が常に非開放位置となる。その状態のままレンズを外され次にまたカメラに装着された時は前述したように絞りが非開放位置である。そのため電気相とメカ相が異なることで正常な絞り駆動が行えない現象が多発し、カメラの起動時間が遅くなってしまうことになる。
本発明は、上述の従来例における問題点を解消することを課題とする。
本発明は、絞りと、前記絞りを駆動するステッピングモーターと、前記ステッピングモーターへの通電パターンを切り換えて前記ステッピングモーターの駆動を制御する制御手段と、前記絞りの基準となる位置を検出するための基準位置検出手段とを有し、カメラ本体に装着可能なレンズ装置において、前記制御手段に電源供給が開始され前記基準位置検出手段の検出結果から前記絞りが前記基準となる位置に位置していないと判断された場合、前記制御手段は前記絞りを前記基準となる位置に位置させる際に、前記ステッピングモーターの駆動開始から少なくとも前記ステッピングモーターの通電パターンの1周期を含む所定のパターン数分は第1の時間間隔で前記通電パターンの切り換えを行い、前記所定のパターン数分の前記通電パターンの切り換えが終了した後、前記第1の時間間隔よりも短い第2の時間間隔で前記通電パターンの切り換えを行い、前記制御手段に電源供給が開始され前記基準位置検出手段の検出結果から前記絞りが前記基準となる位置に位置していると判断された場合、前記制御手段は前記絞りを前記基準となる位置に位置させる際に、前記ステッピングモーターの駆動開始から少なくとも前記ステッピングモーターの通電パターンの1周期を含む所定のパターン数分を駆動するまでに要する時間が、前記第1の時間間隔で前記通電パターンの切り換えを行ったときよりも短くなるように前記通電パターンの切り換えを行う。
本発明の好ましい実施の形態においては、モーター駆動手段への電源供給が開始されたことを検出したとき、基準位置検出情報に基づき移動部材が基準位置に位置しているか否かを判定する。そして、移動部材が該基準位置に位置している場合と位置していない場合とでは異なる制御パターンを選択してモーターの駆動を制御する。
複数の制御パターンは互いに一部が異なるものである。この異なる部分は、例えばモーターの回転速度または移動速度を図9のように加速、一定速、減速の台形状に変化させる場合の加減速部分である。または、駆動初期の所定の回転量または所定の移動量を駆動するための部分である。複数の制御パターンとしては、例えば1種類の共通パターンと、複数種の変化部分のパターンとを記憶する。変化部分のパターンは、複数の加減速情報または複数の初期駆動情報として記憶する。また、モーターは例えば電磁式のステッピングモーターである。
本発明によれば、モーター相と電気相が異なった場合でも通常とは違う制御を行うことで素早く同位相に設定することが出来る。また本発明を応用した制御では、モーター自体の不具合が素早く解消できるため、システム制御機器として大幅な改善が可能となる。
[実施例1]
本実施例では本発明を光学機器の例としてオートフォーカス式一眼レフカメラシステムに応用した場合について詳細な説明を行う。
図1はオートフォーカス式一眼レフカメラと交換レンズの内部のブロック図である。同図を例に本発明の動作に関する詳しい説明を以下に記述する。
同図において、1はオートフォーカス式交換レンズ(以下、レンズと記す)、2は被写体にピントを合わせるための光学レンズと、その光学レンズを保持して光軸方向に移動するメカ機構を含むフォーカスユニットである。3はフォーカスユニット2を光軸方向に移動させるための駆動源であるモーターとそのモーターの駆動力を伝達するための複数のギア列を含むモーターユニットである。
4はモーターの位置(モーター相)を検出する検出器である。検出器4はフォーカスユニット3内の一部のギアに、パルス板と呼ばれる周囲が着磁された円形上の板を接続してある。モーターの回転に合わせてパルス板が回転して、それをMR素子と呼ばれる素子で磁界の強弱を読み取って出力し、検出回路を経て発生するパルス出力をレンズマイコン7で読み取る様に構成されている。このパルス出力はフォーカスユニット2の回転量または移動量に等しく、他にパルス周期を読み取ることでフォーカスユニット2の移動速度を検出することも出来る。また、前記したMR素子の他にフォトインタラプタ、フォトリフレクタ等の光線式などの電気的な接触を検出するタイプでも良い。
5はカメラに入光する光量を変化させるための絞り機構、6は予め交換レンズに関する各種情報を記憶したEEPROMである。本実施例においては、例えばフォーカスユニットの制御定数や絞り機構の制御定数などを記憶している。7は、絞り等の移動部材を移動させるためのモーターの駆動を制御する制御手段など、レンズ1の全ての制御を司るレンズマイコンである。レンズマイコン7は、汎用I/Oポート機能、シリアル通信機能、タイマーカウンタ機能、A/D機能、D/A機能、外部端子による複数の割込み入力機能等の機能を有する。
8はカメラ−レンズ間で通信するための接点ユニットである。カメラ側には複数の金属の突起が出ていて、レンズ側はその突起に接触する様に金属切片が埋め込まれている。カメラ側の突起には電源端子、GND端子、通信入力端子、通信出力端子、同期クロック端子等が接続されている。レンズをカメラに装着するとレンズ側の突起とカメラ側の突起が接触し、レンズマイコン7はその接点を通じて電源供給を受け、かつ同期式シリアル通信によるカメラ−レンズ間通信が可能になる。
9は絞り機構5を動作させるための駆動源であるステッピングモーター及びその減速機構を含んだ絞りユニットである。絞りユニットには絞り機構5の絞り位置を検出するための位置検出センサーが組み込まれていて、主に絞り位置が開放であった時に信号が変化する構成となっている。
10はレンズマイコン7に印加される電源の電圧を監視するための電源検出手段である電圧検出器である。電圧検出器10は、主にレンズマイコン7への電源供給が安定的に開始されるまで、レンズマイコン7のリセット端子を通じてレンズマイコン7をリセット状態に保持する。
13はカメラ本体(以下、カメラと記す)である。カメラ13において、11はオートフォーカス用の測距ユニットである。この測距ユニット11によって被写体までの焦点ズレ量を検出する様に構成されている。この測距ユニット11は、例えば現在のオートフォーカスの主流である位相差検出方式であり、詳しい説明は省略する。測距ユニット11は、焦点ズレ量を検出する方式以外に、被写体までの距離を測定する方式でもなんら問題はない。
12はカメラ13の全ての制御を司るカメラマイコンである。カメラマイコン12はレンズマイコン7との通信や、測距ユニット11からの出力値からフォーカスユニット2の移動すべき量を割り出す様に構成されている。14は測光ユニットで、被写体からの光量を検出する。カメラマイコン12はその検出値からシャッター速度及びレンズの絞り値を決定する。
カメラ13にはこの他に様々な機能が備わっているが、本発明とは無関係な機能については、説明を省略する。
なお、図1の太目の実線矢印は電気的接続を意味し、点線はメカ的接続を意味し、一点鎖線は光軸を表す。
上記構成をもとにカメラ13とレンズ1の動作を説明する。
カメラ13には不図示のスイッチがあり、このスイッチは押し加減によってカメラの動作が異なる仕様になっている。例えば軽く押した場合をS1、強く押した場合をS2とし、それぞれS1はAF及び測光のみの動作となり、S2は更にレリーズ動作も含まれている。使用者によってそのスイッチが操作されると、先ずS1で、カメラマイコン12は測距ユニット11と測光ユニット14を動作させる。
測距ユニット11は被写体に焦点を合わせるために内部のAFセンサーへ受光した光量を蓄積する動作を行う。測距ユニット11は蓄積が終了したら検出結果をカメラマイコン12に出力する。カメラマイコン12は検出結果から被写体像のズレ量(デフォーカス量)を導き出し、フォーカスユニット2の回転量または移動量を演算する。カメラマイコン12は、この時の演算に必要なレンズ情報を、あらかじめレンズマイコン7と接点ユニット8を通して通信しておき、内部メモリーに記憶しておく。レンズ情報は、例えば、敏感度、AFセンサーとフィルムまたはCCD面ズレ量(AFズレ量)、検出器4内の最小駆動量に対するフォーカスユニット2の回転量または移動量等である。レンズマイコン7はカメラマイコン12からのデータ送信要求通信に応じて必要な情報をカメラに送信する。
測光ユニット14は被写体からの反射光を検出し、カメラマイコン12に出力する。カメラマイコン12は現在のカメラの撮影モード(例えば連写、単写、ポートレイト、スポーツなど)に合わせて適正な絞り値とシャッター速度を演算して決定する。
また、カメラマイコン12は不図示のスイッチの状態がS2であった場合は、レンズマイコン7に絞り値データ及び絞り機構5の動作開始命令を送信する。レンズマイコン7はカメラマイコン12からの絞り値データ及び絞り動作開始命令を受信したら、受信した絞り値になるまで絞りユニット9内のモーターを駆動して絞り機構5を動作させる。また、カメラマイコン12からの絞り値データが開放値であった場合は絞りユニット9内の位置検出センサーが変化するまでモーターを駆動する。そして、センサー出力に変化があった場合はモーターの駆動を停止して電気相をリセットする。この電気相をリセットすること、及びリセットする理由は、前述した。すなわち、絞りユニット9内の位置検出センサーが変化した時は絞り機構5の絞り量が開放状態であることを示し(基準位置検出手段)、ステッピングモーターの励磁相はこの開放位置(基準位置)で初期化される様に調整してある。その調整位置に電気相も整合されるように設定していることで電気相もリセットする必要がある。このモーター相と電気相が一致していることで、次のステッピングモーターの駆動をスムーズに行うことが可能となる。
さらに説明を加えると、一般的にステッピングモーターは1−2相励磁、2相励磁などの駆動方式がある。本実施例では1−2相励磁方式を採用している。1−2相励磁方式は、位相の異なる2つのコイルが配置され、それぞれのコイルを仮にA相とB相とすると、次の8種類の励磁パターンを繰り返すことでステッピングモーターを駆動する方式である。
(1)A相
(2)A、B相
(3)B相
(4)B、NA相
(5)NA相
(6)NA、NB相
(7)NB相
(8)NB,A相
上記において、「NA相」及び「NB相」とはそれぞれA相コイル及びB相コイルを「A相」及び「B相」とは逆相で駆動することを意味する。
図2は、ステッピングモーターにおけるローターの着磁状態とA相、B相コイルの配置を示す。また、図3は、1−2相励磁におけるA相、B相コイルの駆動のタイミングを示す。
なお、2相励磁方式は、次の4種類の励磁パターンを繰り返すことでステッピングモーターを駆動する方式である。
(9)A相、B相
(10)NA,B相
(11)NA、NB相
(12)A、NB相
本実施例のステッピングモーターは絞り開放位置(基準位置)で1−2相励磁方式の(1)の励磁を行うことでモーター相と電気相が一致するように構成されている。なお、モーター相と電気相が一致していない状態とは例えばモーター相が前記(5)に位置しているにも関わらず、電気相が(1)の励磁を行ってしまう場合である。この場合、お互いの励磁相が合致していないため、モーター自身は最悪(5)の位置で前後駆動を繰り返す場合や、反転駆動を行うなどの異常動作を行うことがある。これは初期位置が異なることで電気相の励磁を切り換えるタイミングが早すぎて、モーター相が完全に追従出来ないまま次の励磁相を電気的に設定してしまうことで発生することが分かっている。つまり、前述した様に絞りユニット5が開放位置(基準位置)となった時はモーター相が(1)の位置として調整されているため、電気相も(1)の励磁となるように強制的に内部メモリーをリセットする必要がある。これは、レンズマイコン7はリセットを(1)の励磁パターンと認識するためである。
通常、モーター相と電気相は常にレンズマイコン7が開放位置(基準位置)を検出しながら制御しているため、ずれることは無い。しかし、次の場合はレンズマイコン7がリセットされてしまい、内部メモリーに記憶していた現在のモーターへの励磁相を消失することが考えられる。例えば、絞りが非開放位置の状態でレンズを外された時やカメラの電池が外された時など、レンズマイコン7への電源供給が停止してしまった場合である。
ここまではカメラ13にレンズ1が装着している時の双方の一般的な動作と、レンズマイコン7によると絞りユニット9の制御方法及びステッピングモーターの動作原理を説明した。
次にレンズ1内の絞り機構5で絞りが非開放状態のままカメラ13にレンズ1が装着された場合について説明する。
図1において、絞り機構5内の絞りが非開放位置である状態でカメラ13にレンズ1が装着されたとする。カメラ13は不図示のレンズ1が装着されたことを検出するためのレンズ装着スイッチが動作し、接点ユニットを通してレンズマイコン7と電圧検出器10に電源を供給する。
レンズ1においては、レンズマイコン7に供給される電源状態を電源検出手段である電圧検出器10が検出する。検出された電圧がレンズマイコン7が動作出来る電圧よりも低い場合はレンズマイコン7をハードウエアリセット状態にするためのリセット端子をLoレベルに設定し、レンズマイコン7をリセット状態に維持する。一方、検出された電圧がレンズマイコン7の動作出来る電圧以上に達した場合はレンズマイコン7のリセット端子をHiレベルに設定する。レンズマイコン7はリセット解除と同時に内部プログラムがリセット解除後の処理を実行する。
そのリセット解除後の処理では絞りユニット9内の開放位置検出センサーの状態に基づき、絞り機構5内の絞り値が開放かどうかを確認する(位置検出手段からの情報によって移動部材である絞りが基準位置に位置しているか否かを判定する。)。非開放位置であった場合は接点ユニット8を通してカメラに絞りが非開放位置であることを通信する。カメラマイコン12は絞りが非開放位置であることを受信すると、即座に開放の絞り値データ及び絞り動作開始命令をレンズマイコン7に送信する。レンズマイコン7は受信した絞り値データが開放値であるため絞りユニット9内の位置検出センサーが変化するまでモーターを駆動する。センサー出力に変化があった場合はモーターの駆動を停止して電気相をリセットする。
以上のように、基準位置(開放位置)検出手段の検出結果と電源検出手段の検出結果に応じてモーターの駆動を制御する。
この時、図9で説明したような通常の速度制御を行った場合、モーター相と電気相が異なっていると電気相の励磁パターン(段落0023の(1)〜(8))にモーター相が追従出来ずに、いつまでたっても絞りが開放に戻らない可能性がある。そこで通常の速度制御パターンを図4のAパターンとすると、加減速を遅らせたようなBパターンで速度制御することでモーター相の追従遅れを解消することが可能となる。即ち、基準位置検出手段の検出結果と前記電源検出手段の検出結果とに応じて、複数の制御パターンの一つを選択してモーターの駆動を制御する。該複数の制御パターンはモーターの制御手段であるレンズマイコン7にあらかじめ記憶されている。
前述したステッピングモーターへの励磁パターンを例に説明すると、モーター相と電気相が一致していない状態とはモーター相が前記(5)に位置しているにも関わらず、電気相が(1)の励磁を行ってしまう場合である。この場合、お互いの励磁相が合致していないため、モーター自身は最悪(5)の位置で前後駆動や反転駆動を行うなどの異常動作を行ってしまう。しかし、本実施例の様に加減速度制御を遅らせると、電気相が(5)の励磁を行った時の時間間隔が長くなる。この励磁時間が長くなることで磁力が強くなり、モーターの特性としてはトルクが増えることになる。そのため、モーター相が(5)で前後駆動を繰り返していた場合や反転駆動していた場合は、振動から抜け出し易くなり、その後の電気相の励磁にモーター相が合致することで、素早く絞りが開放位置に達することが可能となる。
図5はカメラマイコン12のプログラムをフローチャートにした図である。図5を参照して図1のカメラの動作について以下に更に詳しく説明する。
(ステップ100、101)
カメラ13の電源が投入されると、カメラマイコン12はレンズ1が装着されているかどうかを不図示のスイッチで確認する。カメラ13にレンズ1を装着する方法としてはカメラ13とレンズ1を連結するためのメカ的な連結器(以下、マウントと記す)を用いることが一般的である。この場合、レンズ1のマウントを特定の位置でカメラ13のマウントに密着させ、双方を相反する方向に回転させることで装着することが可能である。不図示のスイッチとはカメラ13側のマウントに配置されたメカ連動のスイッチで、レンズ1装着時の回転制限位置近傍においてレンズ1側のマウントでONする構成となっている。
カメラマイコン12はこのスイッチのON/OFFを確認してレンズ装着の有無を確認する。カメラマイコン12は処理をレンズ1が装着されていない場合はステップ106へ移行し、装着されている場合はステップ102へ移行する。
(ステップ102)
レンズ1が装着されているため、カメラマイコン12はレンズ1に電源を供給する。電源供給方法として、前述したレンズ装着確認スイッチに連動させて自動的に供給する方法でも良い。
(ステップ103)
カメラマイコン12はレンズマイコン7と接点ユニット8を通して通信し、レンズマイコン7に対してレンズの状態を示すデータ(以下、ステータス情報と記す)の送信要求を送る。このステータス情報はレンズマイコン7の内部メモリーに記憶されている。本実施例では、絞りの位置検出センサーの状態や絞りの動作状態、AFの動作状態などの各種情報が、ビット単位で判断出来る様に内部メモリーに設定されている。レンズマイコン7はステータス送信要求通信を受信すると、必要なデータをステータス情報としてカメラマイコン12に送信する。
カメラマイコン12は受信したステータス情報から絞りの位置検出センサーの状態を読み取り、絞りが開放状態か小絞り状態かを判断する。絞りの状態が小絞り状態ならステップ104へ移行し、開放状態ならステップ106へ移行する。
(ステップ104)
カメラマイコン12はステータス情報によってレンズ1の絞り機構5が小絞り状態であると判断している。この状態では正確な測光(光量)検出及びAF検出が出来ないため、レンズマイコン7に絞りの開放側への駆動命令を送信する。レンズマイコン7はこの命令を受信後、即座に絞りの開放駆動を行う。また、この時レンズマイコン7はステータス情報として絞り動作中であることを内部メモリーにビット操作によって設定する。
(ステップ105)
カメラマイコン12はレンズマイコン7にステータス情報の送信要求を通信する。レンズマイコン7はこのステータス送信要求通信を受信すると、必要なデータをステータス情報としてカメラマイコン12に送信する。
カメラマイコン12は受信したステータス情報から絞りが動作中であるかどうかを判断し、絞り動作が停止するまで待つ。また、絞り動作が停止した場合はステップ103に移行して絞りが開放状態になるまで一連の動作を繰り返す。
(ステップ106)
レンズ1が装着されて絞りが開放状態になっていたら、既にカメラの起動準備処理が終了しているかどうかを判断する。起動済みであればカメラの通常処理を行うためにステップ107へ移行し、起動していないなら起動処理を行うため、ステップ108に移行する。
これ以降の処理は不図示ではあるが、ステップ108の起動処理が終了したらステップ107に移行し、ステップ107の通常処理が終了したらステップ100の処理に移行する。このようにして、図5の処理は常に繰り返し行われている。
図6はレンズマイコン7の通信割り込み処理に関するフローチャート図である。図6を参照しながら図1のカメラマイコン12とレンズマイコン7間の通信動作を説明する。
(ステップ200)
初めにカメラマイコン12とレンズマイコン7は双方向通信を行う仕様となっていて、カメラマイコン12から通信が送信されると、レンズマイコン7はこの割り込み処理を実行することになる。レンズマイコン7はカメラマイコン12から送信されたコマンドを即座に解析し、次の動作を決定する。コマンドとはカメラマイコン12からレンズマイコン7への要求内容を表すコードデータで、あらかじめカメラとレンズで、このコードデータと通信内容を取り決めておくことで、お互いの通信を成立させる仕様となっている。レンズマイコン7はこのコードデータであるコマンドを解析してカメラからの要求を判別する。コマンドの内容は、例えばフォーカスユニット2の移動命令、フォーカスユニット2の回転量または移動量受信要求、フォーカスユニット2の移動停止命令、絞りの駆動命令、絞りの駆動量受信要求、光学に関する情報の送信要求である。光学に関する情報は、焦点距離、敏感度、AF誤差情報、FNo、レンズステータス情報等である。レンズマイコン7は受信したコマンドを解析後、コマンドが受信要求である場合は、次回の通信でカメラマイコン12から送信される情報を受信データとして内部メモリーに記憶する。一方、解析の結果、コマンドが送信要求である場合はカメラマイコン12が必要とするデータをカメラマイコン12に送信する。また、解析の結果、コマンドが各ユニットの駆動許可命令である場合は、即座に各ユニットの駆動を開始する仕様となっている。
(ステップ201)
レンズマイコン7はカメラマイコン12からのコマンドを解析し、そのコマンドがフォーカスユニット2の駆動命令であるか否かを判別する。駆動命令ならステップ202の処理へ移行し、違うならステップ203へ移行する。
(ステップ202)
ステップ201でコマンド解析の結果が、フォーカスユニット2の駆動命令である場合は、即座にフォーカスユニット2の駆動を行うため、モーターユニット3内のモーターに通電する。これにより、ギア列でモーターの駆動力が伝達され、フォーカスユニット2が駆動される。また、レンズマイコン7の内部メモリーのステータス情報エリアにAF駆動中であることを記憶する。
(ステップ203)
レンズマイコン7はカメラマイコン12からのコマンドを解析し、それが絞りの駆動命令か否かを判別する。駆動命令であれば処理をステップ204へ移行し、駆動命令でなければステップ205へ移行する。
(ステップ204)
ステップ203でコマンド解析の結果、絞りの駆動命令の場合は、小絞り駆動か開放駆動かを判断する。開放側への駆動ならステップ208へ移行し、小絞り側への駆動ならステップ210へ移行する。
(ステップ205、206)
レンズマイコン7は受信したコマンドを解析してカメラマイコン12からの各種データの送信要求か受信要求かを判断し、送信要求の場合はそのコマンドに対応したデータを送信する。例えばコマンドがレンズのステータス情報の送信要求であれば、レンズマイコン7は現在のフォーカスユニット2の移動中もしくは停止中または絞り機構5の駆動中もしくは停止中の情報をカメラマイコン12へ送信する。カメラマイコン12はこのステータス情報でレンズの状態を確認し、次のシーケンスを決定する。
また、カメラマイコン12から受信したコマンドを解析した結果、各種データの受信要求であった場合、レンズマイコン7は次の通信でそれらのデータをカメラマイコン12から受信し、内容別に内部メモリーに記憶する。なお、送信データ及び受信データの例はステップ200で説明したとおりである
(ステップ207)
カメラマイコン12からの通信によるコマンド解析、データのセット、及び送信処理が終了したら割り込み処理を終了する。
(ステップ208)
ステップ203でカメラマイコン12からの通信によるコマンド解析の結果、絞りの駆動命令かつ開放側への駆動であった場合、カメラ13にレンズ1を装着した1発目の絞り駆動かどうかを判断する。装着1発目であるかどうかの判断については後述する。装着1発目の絞り駆動である場合はステップ209へ移行し、違う場合はステップ210に移行する。
(ステップ209)
カメラ13にレンズ1を装着して1発目の絞り開放駆動である時は、絞りユニット9内のステッピングモーターの励磁相(モーター相)が初期位置ではない可能性が高い。一方、レンズマイコン7が装着1発目のステッピングモーターに通電する電気相は必ず初期位相からスタートする。このため、前述したように、お互いの励磁相が異なることがあり、そのまま通常動作と同じ加減速駆動を行うと、ステッピングモーターが正しく駆動出来ないことになる。その場合に備え、本実施例では、予めお互いの励磁相が異なる場合でも追従できる加減速情報(制御パターン)をレンズマイコン7に記憶させておき、その加減速情報でステッピングモーターの通電時間を切り換えることができる様にしている。即ち、前記記憶している複数の制御パターンから移動部材である絞りがが基準位置に位置している場合と位置していない場合とで異なる制御パターンを選択してモーターの駆動を制御するようにしている。なお、加減速情報はEEPROM6に記憶させても良い。
ステップ209では、絞り駆動を低速の加減速情報で行うことをレンズマイコン7の内部メモリーに記憶させる。
(ステップ210)
ステップ204で絞りが小絞り駆動である場合と、開放駆動でもカメラ13へのレンズ1の装着1発目でない場合は、絞りユニット9内のステッピングモーターのモーター相と電気相が同じである。そこで、高速加減速駆動を行ってもステッピングモーターは電気相に追従出来ると判断する。
ステップ210では絞り駆動を高速の加減速情報で行うことをレンズマイコン7の内部メモリーに記憶させる。
(ステップ211)
レンズマイコン7は絞り機構5内の絞りを動作させるために絞りユニット内のステッピングモーターに電圧を印加すると同時にレンズマイコン7内のタイマーを動作させる。ステッピングモーターへの電圧印加は、ステップ209またはステップ210で選択した加減速情報に従って行う。このステッピングモーターへの電圧印加と同時にカメラ13へのレンズ1装着1発目情報を抹消し、次の絞り駆動では高速加減速のみが選択される様にする。また同時にステータス情報を絞りの動作中であることをビット情報で内部メモリーに記憶させる。
図7はレンズマイコン7の各種制御に関するプログラムのフローチャート図である。図7を参照しながら図1のレンズマイコン7の各種制御の動作を説明する。
(ステップ300)
カメラ13にレンズ1が取り付けられることで、レンズ1には接点ユニット8を通じてカメラ13から電源電圧が供給される。その電源電圧は、レンズ1において、モーターユニット3、検出器4、EEPROM6、レンズマイコン7、絞りユニット9、電圧検出器10に接続されている。電圧検出器10は主にレンズマイコン7に供給される電圧を常に監視し、レンズマイコン7の動作可能な電圧より低い電圧が供給されている場合は、レンズマイコン7の外部リセット端子をLo電圧に設定する。このときレンズマイコン7はリセット状態を維持し、非動作中となる。レンズマイコン7に供給されている電圧が動作可能な電圧以上になると電圧検出器10はレンズマイコン7の外部リセット端子をHi電圧に設定する。これによってレンズマイコン7は動作を開始し、初めにリセット処理を実行する。リセット処理では、内部メモリーの初期化や、各ユニットへの通電禁止及び各ユニットの初期化等が行う。また、カメラ13にレンズ1を装着した1発目であることを示すビット情報をレンズマイコン7内部のメモリーに記憶させる。なお、この装着1発目情報は絞り駆動を行った時点(上記ステップ211)で抹消させる。
(ステップ301)
リセット処理が終了したらレンズ1に取り付けられた不図示のスイッチ類の状態を検出し、内部メモリーに記憶する。このスイッチ類は、オートフォーカスとマニュアルフォーカスの2つの動作モードを切り換えるスイッチや、ズーム位置情報、フォーカスユニット2の位置情報、及び絞りの位置情報のスイッチ等である。
(ステップ302)
レンズマイコン7はフォーカスユニット2が移動中かどうかを内部メモリーのステータス情報から判断する。
(ステップ303)
ステップ302でフォーカスユニット2が移動中の場合は、あらかじめカメラマイコン12から受信している駆動量と検出器4で検出した駆動量とが等しいかを判別する。この駆動量が等しくなることでフォーカスユニット2が所定の位置に達したことを示す。
(ステップ304)
レンズマイコン7はフォーカスユニット2が所定の位置に達していない(カメラマイコン12から受信している駆動量と検出器4で検出した駆動量とが等しくない)場合は、検出器4から出力されるパルス出力の周期を検出し、フォーカスユニット2の駆動速度を制御する。すなわち、前記周期よりフォーカスユニット2があらかじめ設定された所定の速度に達しているかまたは早いか遅いかを判別する。そして、それぞれの場合に応じてモーターユニット3内のモーターへの通電電圧を可変し、所定の速度になるように制御する。
(ステップ305)
ステップ302でフォーカスユニット2が停止中の場合と、ステップ304の処理が終了すると、レンズマイコン7は絞り機構5が駆動中かを内部メモリーのステータス情報から判断する。駆動中ではない場合はステップ301に移行する。
(ステップ306)
ステップ305で絞り機構5が駆動中の場合は、あらかじめカメラマイコン12から受信している駆動量と制御上の駆動量とが等しいかを判別する。この駆動量が等しくなることで絞り機構5内の絞りが所定の位置に達したことを示す。駆動量が等しくない場合はステップ307に移行し、駆動量が等しい場合はステップ309へ移行する。また絞りの開放側への駆動の時は絞りユニット9内の位置検出センサーの状態を読み取り、開放位置状態であったと判断した場合は駆動量とは無関係にステップ309へ移行する。
(ステップ307)
レンズマイコン7は絞りユニット9内のステッピングモーターへの通電パターン(制御パターン)を切り換えるか否かを判断する。ステッピングモーターの駆動原理は、位相がずれた2相の電磁コイルへの通電を時間の経過と共に特定のパターンで切り換えることで回転力が発生する方式であるため、そのパターンを切り換える時間が経過したかを判断している。この時間判定には図6のステップ211で絞りユニット内のステッピングモーターに電圧を印加すると同時に動作させたレンズマイコン7内のタイマーを用いる。つまり、このタイマー情報と図6のステップ209またはステップ210で選択し、内部メモリーに記憶した加減速情報に基づいた時間情報とを比較する。タイマー情報が大きい場合はステッピングモーターの通電相を切り換えると同時にレンズマイコン7内部のタイマーをリセットしてから再スタートさせる処理を行う。これはステッピングモーターの回転速度はこの通電パターンを切り換える時間間隔で決定されるからである。レンズマイコン7はその時間間隔の経過を内部タイマーで検出し、経過している場合は通電パターンを切り換える処理を行っている。まだ時間が経過していない場合は何もせずステップ301に移行する。
(ステップ308)
ステップ303でフォーカスユニット2の位置が所定の位置に達した(駆動量が所定の駆動量と等しくなった)と判断したらモーターユニット3内のモーターへの通電を停止し、フォーカスユニット2の移動処理を終了する。この時、内部メモリーのステータス情報にAF駆動停止中であることを記憶してステップ301に移行する。
(ステップ309)
ステップ306で絞り機構5位置が所定の位置に達した、又は開放駆動で位置検出センサーが開放位置に達したと判断したら絞りユニット9内のステッピングモーターへの通電を停止し、絞り機構5の駆動処理を終了する。この時、内部メモリーのステータス情報に絞り駆動停止中であることを記憶してステップ301に移行する。
本実施例によると、絞り機構5内の絞りが小絞り状態のままカメラ13にレンズ1を装着された場合は、通常のステッピングモーターの加減速情報(制御パターン)よりも遅い加減速情報で制御を行う。これにより、ステッピングモーターが振動したままで回転出来ない、または反対方向に回転する等の不具合を解消することが可能となる。複数の加減速情報は互いに一部が異なるものであり、この異なる部分は、例えばモーターの回転速度または移動速度を図9のように加速、一定速、減速の台形状に変化させる場合の加減速部分である。または、駆動初期の所定の回転量または所定の移動量を駆動するための部分である。複数の制御パターンとしては、例えば1種類の共通パターンと、複数種の変化部分のパターンとを記憶する。変化部分のパターンは、複数の加減速情報または複数の初期駆動情報として記憶する。また、モーターは例えば電磁式のステッピングモーターである。
[実施例2]
実施例1では本発明を一眼レフカメラシステムに応用した場合の絞り駆動における加減速情報の低速と高速を切り換える方式を説明した。本実施例も本発明を図1のオートフォーカス式一眼レフカメラシステムに応用した例を示す。但し、本実施例では駆動初期において所定量のみを通常動作と異なる制御方式とし、所定量を超えた場合は通常の高速動作で制御する方式について説明する。
図1は一眼レフカメラと交換レンズの内部のブロック図である。各ユニットの構成及び一般的な動作は実施例1と同じであるため説明は省略する。
前述のように、絞り機構5内の絞りが非開放位置である状態でカメラ13にレンズ1が装着されると、モーター相と電気相が異なっている場合がある。このような場合時、図9で説明したような通常の速度制御を行うと、電気相の励磁パターンにモーター相が追従出来ずに、いつまでたっても絞りが開放に戻らない可能性がある。
そこで、本実施例では、図8の様に、通常の速度制御パターンであるAパターンに対し、モーター駆動開始から所定の駆動量だけを加速を遅らせたようなCパターンで制御する。これにより、モーター相の追従遅れを解消することが可能になる。
前述したステッピングモーターへの励磁パターンを例に説明すると、モーター相と電気相が一致していない状態とはモーター相が前記(5)に位置しているにも関わらず、電気相が(1)の励磁を行ってしまう場合である。この場合、お互いの励磁相が合致していないため、モーター自身は最悪(5)の位置で前後駆動や反転駆動を行うなどの異常動作を行ってしまう。しかし、本実施例の様に所定の駆動量だけ加減速度制御を遅らせることで、電気相が(5)の励磁を行った時の時間間隔が長くなる。この励磁時間が長くなることで磁力が強くなり、モーターの特性としてはトルクが増えることになる。そのため、モーター相が(5)で前後駆動を繰り返していた場合や反転駆動していた場合は、振動から抜け出し易くなり、その後の電気相の励磁にモーター相が合致することで、素早く絞りが開放位置に達することが可能となる。
この時の所定の駆動量とは、ステッピングモーターが1−2相励磁方式の場合、前述した(1)〜(8)の8種類のパターン(励磁パターン)により駆動される量である。前述した様に電気相は8パターンの電圧をA相及びB相の各コイルに時間経過と共に切り換えながら印加しているだけである。そのため、少なくとも8パターンの駆動が終了した時点ではモーター相と電気相が合致している可能性が高いことになる。つまりこの8パターンの駆動時間を通常よりも長い設定にし、8パターン以降は通常の加減速駆動を実行させることでより早く絞りを開放位置に設定することが可能となる。
また、ステッピングモーターが2相励磁方式の場合、所定の駆動量は、ステッピングモーターが前述した(9)〜(12)の4種類のパターン(励磁パターン)により駆動される量である。前述した様に電気相は4パターンの電圧をA相及びB相の各コイルに時間経過と共に切り換えながら印加しているだけである。そのため、少なくとも4パターンの駆動が終了した時点ではモーター相と電気相が合致している可能性が高いことになる。つまりこの4パターンの駆動時間を通常よりも長い設定にし、4パターン以降は通常の加減速駆動を実行させることでより早く絞りを開放位置に設定することが可能となる。
1−2相励磁と2相励磁では絞りの所定量がほぼ等しいことになる。しかし、2相励磁の方が一般的にトルクが大きいということもあり、1−2相励磁方式よりは2相励磁で駆動を開始し、所定量の駆動が終了したら1−2相励磁方式に切り換える制御でも問題は無い。また、上記所定の駆動量は、8パターンまたは4パターンの1駆動周期より長くても良い。
本実施例は、実施例1に対し、レンズ1を装着して最初のモーター駆動時(装着1発目)の駆動パターン(制御パターン)のみが異なる。したがって、動作は図6のステップ209で選択する加減速パターン(制御パターン)と図7のステップ307で判断する駆動量のパターンが異なるのみである。次に、実施例1と動作が異なる図6のステップ209と図7のステップ307について説明する。
(図6のステップ209)
カメラ13にレンズ1を装着して1発目の絞り開放駆動である時は、絞りユニット9内のステッピングモーターの励磁相(モーター相)が初期位置ではない可能性が高い。一方、レンズマイコン7が装着1発目のステッピングモーターに通電する電気相は必ず初期位相からスタートする。このため、前述したように、お互いの励磁相が異なることがあり、そのまま通常動作と同じ加減速駆動を行うと、ステッピングモーターが正しく駆動出来ないことになる。
その場合に備え、本実施例では、予めお互いの励磁相が異なる場合でも追従できる加減速情報と初期駆動量(初期駆動情報)(1−2相励磁方式なら8ステップ、2相励磁方式なら4ステップと設定)をレンズマイコン7に記憶させておく。更に、その加減速情報でステッピングモーターの通電時間を切り換えることができる様にしている。なお、加減速情報はEEPROM6に記憶させても良い。
ステップ209では、絞り駆動を所定量のみ低速の加減速情報で行うことをレンズマイコン7の内部メモリーに記憶させる。
(図7のテップ307)
レンズマイコン7は絞りユニット9内のステッピングモーターへの通電パターン(制御パターン)を切り換えるか否かを判断する。ステッピングモーターの駆動原理は、位相がずれた2相の電磁コイルへの通電を時間の経過と共に特定のパターンで切り換えることで回転力が発生する方式であるため、そのパターンを切り換える時間が経過したかを判断している。この時間判定には図6のステップ211で絞りユニット内のステッピングモーターに電圧を印加すると同時に動作させたレンズマイコン7内のタイマーを用いる。つまり、このタイマー情報と図6のステップ209またはステップ210で選択し、内部メモリーに記憶した加減速情報に基づいた時間情報とを比較する。タイマー情報が大きい場合はステッピングモーターの通電相を切り換えると同時にレンズマイコン7内部のタイマーをリセットしてから再スタートさせる処理を行う。
また図6のステップ209の処理を行っている場合は、ステッピングモーターの駆動量が初期駆動量(1−2相励磁方式なら8ステップ、2相励磁方式なら4ステップ)だけ駆動したかどうかを判断する。初期駆動量を超えていると判断した場合は、図6のステップ210の様な通常の高速な加減速駆動を行う設定に切り換える処理を行っている。
この様にステッピングモーターの回転速度はこの通電パターンを切り換える時間間隔で決定され、レンズマイコン7はその時間経過を内部タイマーで検出し、経過している場合は通電パターンを切り換える処理を行っている。まだ時間が経過していない場合は何もせずステップ301に移行する。

本実施例によると、絞り機構5内の絞りが小絞り状態のままカメラ13にレンズ1を装着された場合は、所定量の初期駆動のみ通常のステッピングモーターの加減速情報よりも遅い加減速情報で制御を行う。これにより、ステッピングモーターが振動したままで回転出来ない、または反対方向に回転する等の不具合を解消することが可能となる。
本発明の一実施例に係るオートフォーカス式カメラと交換レンズの内部ブロック図である。 ステッピングモーターにおけるローターの着磁状態とA相、B相コイルの配置を示す図である。 1−2相励磁におけるA相、B相コイルの駆動のタイミングを示す図である。 本発明の実施例1に係るカメラ動作シーケンスにおけるタイムチャート図である。 図1におけるカメラマイコンのフローチャート図である。 図1におけるレンズマイコンの通信割り込み処理のフローチャート図である。 図1におけるレンズマイコンのフローチャート図である。 本発明の実施例2に係るカメラ動作シーケンスにおけるタイムチャート図である。 ステッピングモーターの制御方式の一例を示す図である。 従来カメラの動作シーケンスにおけるタイムチャート図である。 絞り機構の説明図である。
符号の説明
1:オートフォーカス式交換レンズ
2:フォーカスユニット
3:モーターユニット
4:検出器
5:絞り機構
6:EEPROM
7:レンズマイコン
8:接点ユニット
9:絞りユニット
10:電圧検出器
11:測距ユニット
12:カメラマイコン
13:カメラ本体
14:測光ユニット

Claims (3)

  1. 絞りと、前記絞りを駆動するステッピングモーターと、前記ステッピングモーターへの通電パターンを切り換えて前記ステッピングモーターの駆動を制御する制御手段と、前記絞りの基準となる位置を検出するための基準位置検出手段とを有し、カメラ本体に装着可能なレンズ装置において、
    前記制御手段に電源供給が開始され前記基準位置検出手段の検出結果から前記絞りが前記基準となる位置に位置していないと判断された場合、前記制御手段は前記絞りを前記基準となる位置に位置させる際に、前記ステッピングモーターの駆動開始から少なくとも前記ステッピングモーターの通電パターンの1周期を含む所定のパターン数分は第1の時間間隔で前記通電パターンの切り換えを行い、前記所定のパターン数分の前記通電パターンの切り換えが終了した後、前記第1の時間間隔よりも短い第2の時間間隔で前記通電パターンの切り換えを行い、
    前記制御手段に電源供給が開始され前記基準位置検出手段の検出結果から前記絞りが前記基準となる位置に位置していると判断された場合、前記制御手段は前記絞りを前記基準となる位置に位置させる際に、前記ステッピングモーターの駆動開始から少なくとも前記ステッピングモーターの通電パターンの1周期を含む所定のパターン数分を駆動するまでに要する時間が、前記第1の時間間隔で前記通電パターンの切り換えを行ったときよりも短くなるように前記通電パターンの切り換えを行うことを特徴とするレンズ装置。
  2. 前記絞りの基準となる位置は、開放位置であることを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
  3. 請求項1または2に記載のレンズ装置と、前記レンズ装置に装着可能なカメラ本体とを含むことを特徴とするカメラシステム。
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