JP3655804B2 - 系統連系インバータ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、系統連系インバータ装置に関し、特に、直流電源、発電機等の電力供給源をトランスを介さずに、連系する商用交流電力系統に接続するトランスレス方式の系統連系インバータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、商用交流電力系統と連係した太陽光発電システムが実用化されている。このようなシステムにおいては、太陽電池によって発生する直流電力を系統連系インバータ装置によって商用周波数の交流電力に変換し、連系する商用交流電力系統に接続されている家庭内負荷に供給するように構成されている。また、このシステムにおいては、余剰電力を自動的に連系する電力系統側に逆潮流することも可能である。
【0003】
このように、直流電力を商用交流電力に変換する系統連系インバータ装置としては、従来から、直流電源側と商用交流電源側とを高周波トランスによって絶縁して結合する高周波絶縁方式の系統連系インバータ装置が用いられている。図12は、このような従来の高周波絶縁方式の系統連系インバータ装置の一例を示す回路図である。
【0004】
図12を参照して、直流電源101の直流出力は、高周波インバータ回路107に与えられる。高周波インバータ回路107は、直流の正負母線の間に接続された、各々が直列接続された2つのスイッチ素子からなる2つのアームで構成されている。そして、それぞれのアームのスイッチ素子の連結点が高周波トランス108の1次側に接続されている。
【0005】
すなわち、高周波インバータ回路107に与えられた直流出力は、それぞれのスイッチ素子のオンオフ時間制御によってパルス幅変調(PWM)されて高周波ACパルスに変換され、高周波トランス108の1次側に与えられる。そして、高周波トランス108によって絶縁および昇圧された高周波ACパルスはダイオードブリッジ109に与えられ、整流される。
【0006】
ダイオードブリッジ109の出力は、フィルタ回路110によって波形の平滑化が施された後、低周波インバータ回路111に与えられる。低周波インバータ回路111は、正負の母線間に接続された各々が直列接続された2つのスイッチ素子からなる2つのアームで構成されている。そして、それぞれのアームのスイッチ素子の連結点がACフィルタ112の入力に接続されている。
【0007】
低周波インバータ回路111に与えられた直流波形は、それぞれのスイッチ素子のオンオフ時間制御によって、商用交流周波数の半周期ごとに波形が折返されて交流波形に変換される。この交流出力はさらに、ACフィルタ112および連系リレー105を介して、商用交流電源系統106に接続される。
【0008】
以上のように、高周波絶縁方式の系統連系インバータ装置においては、高周波トランス108の前段および後段における電圧波形は高周波AC電圧波形であるため、高周波トランス108の後段に、整流を行なう回路(ダイオードブリッジ109)、平滑化を行なう回路(フィルタ回路110)、さらには波形の折返しを行なう回路(低周波インバータ回路111)などを設ける必要があり、回路構成が複雑化し、製造コストの上昇を避けることができなかった。
【0009】
このような高周波絶縁方式の系統連系インバータ装置の問題点に鑑み、トランスレス方式の系統連系インバータ装置が提案されている。
【0010】
このようなトランスレス方式の系統連系インバータ装置は、たとえば岡土千尋他による1996年の太陽/風力エネルギ講演論文集の第29頁〜第32頁の「トランスレス・パワーコンディショナの商品開発」に開示されている。図13は、上記文献に開示された従来のトランスレス方式の系統連系インバータ装置の一例を示す回路図である。
【0011】
図13を参照して、直流電源101の直流出力は、ノイズフィルタ114を介して昇圧回路102に与えられる。昇圧回路102は、直流の正負母線の正母線上に直列に挿入されたリアクトルLaおよびダイオードDaと、入力側の正負母線間に接続されたコンデンサCaと、出力側の正負母線間に接続されたコンデンサCbと、リアクトルLaおよびダイオードDaの連結点と、直流の正負母線の負母線との間に接続されたスイッチ素子Saとを備えた昇圧チョッパである。この昇圧チョッパは、直流電源101の直流電圧を一定電圧に昇圧する。
【0012】
昇圧回路102によって昇圧された直流電圧は、インバータ回路103に与えられる。インバータ回路103は、正負母線の間に接続された、2つのスイッチ素子Sb,Scからなる第1のアームと、2つのスイッチ素子Sd,Seからなる第2のアームとから構成される。そして、それぞれのアームのスイッチ素子の連結点がフィルタ回路104の入力に接続される。
【0013】
すなわち、インバータ回路103に与えられた直流電圧は、それぞれのスイッチ素子のオン時間幅の制御によってパルス幅変調されて、交流出力に変換される。インバータ回路103の交流出力は、フィルタ回路104、ノイズフィルタ115、および連系リレー105を介して、商用交流電源系統106に接続される。
【0014】
以上のように、トランスレス方式の系統連系インバータ装置は、主として、昇圧回路部分(102)と、インバータ回路部分(103)とから成り立っており、構成が簡単である。したがって、前述の高周波絶縁方式の系統連系インバータ装置と比較して、トランスレス化により、部品点数の大幅な削減を図ることができ、装置の小型化、低コスト化が可能となる。また同時に、入出力間の電流経路上の素子数も減少するため、系統連系インバータ装置の動作の高効率化を図ることができる。
【0015】
しかしながら、図12に示した高周波絶縁方式の系列連系インバータ装置では、高周波インバータ回路107が150〜200Vの直流電圧のスイッチングを行なうのに対し、図13に示したトランスレス方式の系統連系インバータ装置では、直流電源の直流電圧を昇圧回路102で昇圧して得られる300〜400Vの直流電圧をインバータ回路103でスイッチングするため、高周波絶縁方式に比べて高周波ノイズレベルが上昇する恐れがある。
【0016】
また近年、電力変換器に対しては、EMC規格および省エネルギーの要請により、ノイズの抑制および変換効率の向上が求められている。しかしながら、上述のように高電圧状態でスイッチングを行なういわゆるハードスイッチング方式のトランスレス系統連系インバータ装置では、大きなスイッチングノイズおよびスイッチング損失が発生し、根本的なEMC対策は困難である。
【0017】
トランスレス方式のこのような問題点に対する対策としては、L,Cおよびスイッチ素子等で構成される共振回路をトランスレス系統連系インバータ装置に付加し、共振を利用して主要回路のスイッチ素子に印加される電圧がゼロとなる期間を作り出し、その間にスイッチングを行なうことにより、スイッチングノイズやスイッチング損失を抑制するソフトスイッチング方式の系統連系インバータ装置が提案されており、たとえば特開平10−155280号に開示されている。
【0018】
図14は、上記文献に開示されたソフトスイッチング方式のトランスレス系統連系インバータ装置の一例を示す回路図である。図14に示したトランスレス系統連系インバータ装置は、図13に示したトランスレス系統連系インバータ装置と次の点で異なっている。
【0019】
すなわち、昇圧回路102と、インバータ回路103との間に、ゼロ電圧回路113が挿入されている。このゼロ電圧回路113は、昇圧回路102と、インバータ回路103とを連結する直流正負母線の正母線に挿入されたスイッチ素子SW1と、直流の正負母線間に直列に接続されたスイッチ素子SW2、リアクトル、およびコンデンサが並列に接続されたスイッチング素子SW3と、直流正負母線間に接続された、互いに並列接続されたダイオードおよびコンデンサとを備えている。
【0020】
ゼロ電圧回路113は、インバータ回路103内のスイッチ素子のオン・オフのスイッチング時に一時的にインバータ回路103の入力電圧がゼロになるように、スイッチ素子SW1〜SW3のオン・オフを制御して、インバータ回路103のスイッチング動作ごとに共振回路を構成する。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図14に示したようなソフトスイッチング方式の系統連系インバータ装置では、スイッチ素子が多数追加されるため、回路構成が複雑化し、コストの増大を招来している。
【0022】
また、図14に示したスイッチ素子SW1のように直流正負母線のうち正母線に直列に挿入されたスイッチ素子は、オン抵抗損失による顕著な変換効率の劣化をもたらす。
【0023】
さらに、図14に示したゼロ電圧回路113は、インバータ回路103のスイッチングの都度、すなわちインバータ回路103内の各スイッチ素子のターンオン時、ターンオフ時の双方で共振動作を実行するので、各スイッチ素子を駆動するPWMパルスの1つごとに、2回共振動作を実行する必要がある。共振回路の動作回数の増大は共振損失の増大に繋がるので望ましくない。
【0024】
さらに、ソフトスイッチングの実現のために追加したゼロ電圧回路113内のスイッチ素子もゼロ電圧でスイッチングを行なわなければ、同様にノイズおよび効率の低下の問題を引き起こしてしまう。
【0025】
それゆえに、この発明の目的は、比較的簡単な構成で、すべてのスイッチ素子のスイッチング動作をソフトスイッチング化した、トランスレス方式の系統連系インバータ装置を提供することである。
【0026】
この発明の他の目的は、スイッチングノイズおよびスイッチング損失を抑制した、トランスレス方式の系統連系インバータ装置を提供することである。
【0027】
この発明のさらに他の目的は、ソフトスイッチングのために最小限の共振動作を行なう、トランスレス方式の系統連系インバータ装置を提供することである。
【0028】
【課題を解決するための手段】
この発明による系統連系インバータ装置は、直流電源と、昇圧手段と、インバータ手段と、連系手段と、ゼロ電圧スイッチング手段と、制御手段とを備える。直流電源は、直流電圧を供給する。昇圧手段は、直流電源によって供給される直流電圧をスイッチング動作によって昇圧する。インバータ手段は、昇圧手段によって昇圧された直流電圧をスイッチング動作によって交流電圧に変換する。連系手段は、インバータ手段から出力される交流電圧を、連系する電力系統に接続する。ゼロ電圧スイッチング手段は、昇圧手段とインバータ手段とを連結する直流正負母線間に接続される。制御手段は、昇圧手段およびインバータ手段のスイッチング動作時に、昇圧手段およびインバータ手段においてスイッチングを行なうすべての素子をゼロ電圧でスイッチングさせるように、ゼロ電圧スイッチング手段内に共振回路を形成して直流正負母線間の電圧をゼロにする。
【0029】
この発明によれば、制御手段は、昇圧手段およびインバータ手段のスイッチング時の一瞬だけゼロ電圧スイッチング手段内の共振回路を動作させて、直流正負母線間をゼロ電圧にしてソフトスイッチングを実現しているので、スイッチングノイズおよびスイッチング損失の軽減を図ることができる。
【0030】
好ましくは、この発明による系統連系インバータ装置において、ゼロ電圧スイッチング手段は、互いに直列接続された第1および第2のコンデンサを含み、第2のコンデンサは直流正負母線の負母線に接続され、昇圧手段によって昇圧された直流電圧を第1および第2のコンデンサによって平滑化するように、第1のコンデンサを直流正負母線の正母線に接続する第1のスイッチ素子と、第1および第2のコンデンサの連結点と、直流正負母線の正母線との間に直列接続された第2のスイッチ素子および第1のリアクトルと、直流正負母線間に接続された第3のコンデンサとをさらに含み、制御手段は、第2のコンデンサから、第3のコンデンサ、第1のリアクトル、および第2のスイッチ素子を通って第2のコンデンサに帰還するループによって共振回路を形成する。
【0031】
この発明によれば、ゼロ電圧スイッチング手段の第1および第2のコンデンサは、系統連系インバータ装置の運転中においては、ほとんどの期間中は昇圧電圧を平滑化する平滑化コンデンサとして機能し、昇圧手段およびインバータ手段のスイッチング時の一瞬だけ、共振回路の構成要素を兼ねるため、部品点数の増加を招来することなく、ソフトスイッチングを実現することができる。
【0032】
より好ましくは、この発明による系統連系インバータ装置において、昇圧手段は昇圧チョッパ回路であり、昇圧チョッパ回路は、直流正負母線の正母線に直に挿入された第2のリアクトルおよびダイオードと、第2のリアクトルおよびダイオードの連結点と、直流正負母線の負母線との間に接続された第3のスイッチ素子と、ダイオードに並列に接続された第4のコンデンサと、第3のスイッチ素子に並列に接続された第5のコンデンサとを含む。
【0033】
この発明によれば、系統連系インバータ装置を構成する昇圧手段内のダイオードおよびスイッチ素子にはそれぞれコンデンサが並列に接続されているため、これらの素子のターンオフ時には、ゼロ電圧スイッチング回路の助けを必要とせず昇圧手段単独で常にゼロ電圧でターンオフ動作を行なう。したがって、昇圧手段のスイッチング動作周期ごとにターンオン時の1回だけ共振回路を動作させればよく、共振回路の動作回数の低減を図ることができる。
【0034】
より好ましくは、この発明による系統連系インバータ装置において、制御手段は、共通のパルス幅変調(PWM)キャリア信号に基づいて、昇圧手段およびインバータ手段を駆動するPWMパルスを発生する手段を含み、昇圧手段およびインバータ手段においてスイッチングを行なうすべての素子は、PWMパルスによってオン・オフ制御される。
【0035】
この発明によれば、昇圧手段およびインバータ手段のすべてのスイッチ素子を制御するPWMパルスは、共通のPWMキャリア信号に基づいて生成されるため、昇圧手段およびインバータ手段のすべてのスイッチ素子のゼロ電圧スイッチングを同じタイミングで、すなわち1回のゼロ電圧スイッチング手段の動作によって行なうことができ、共振回路の動作回数を軽減することができる。
【0036】
より好ましくは、この発明による系統連系インバータ装置において、インバータ手段はフルブリッジインバータ回路であり、フルブリッジインバータ回路は、ゼロ電圧スイッチング手段側で、直流正負母線間に直列に接続された第4および第5のスイッチ素子を含む第1のアームと、連系手段側で、直流正負母線間に直列に接続された第6および第7のスイッチ素子を含む第2のアームとを含み、制御手段は、第2のアームの第6および第7のスイッチ素子を、連系する電力系統と同じ周波数で互いに逆位相でスイッチングし、かつ第1のアームの第4および第5のスイッチ素子を、連系する電力系統の周波数よりも高いPWMキャリア信号周波数で互いに逆位相でスイッチングする。
【0037】
この発明によれば、インバータ手段の第2のアームのスイッチ素子は、連系する商用周波数で動作し、インバータ手段の出力電流のゼロクロス点でのみスイッチングする。したがって、第2のアームのスイッチ素子は独立してソフトスイッチングを行なうことができる。
【0038】
この発明の他の局面による系統連系インバータ装置は、直流電源と、昇圧手段と、インバータ手段と、連系手段と、ゼロ電圧スイッチング手段と、制御手段とを備える。直流電源は、直流電圧を供給する。昇圧手段は、直流電源によって供給される直流電圧をスイッチング動作によって昇圧する。インバータ手段は、昇圧手段によって昇圧された直流電圧をスイッチング動作によって交流電圧に変換する。連系手段は、インバータ手段から出力される交流電圧を、連系する電力系統に接続する。ゼロ電圧スイッチング手段は、昇圧手段とインバータ手段とを連結する直流正負母線間に接続される。制御手段は、昇圧手段およびインバータ手段のスイッチング動作時に、昇圧手段およびインバータ手段においてスイッチングを行なうすべての素子をゼロ電圧でスイッチングさせるように、ゼロ電圧スイッチング手段およびインバータ手段内に共振回路を形成して直流正負母線間の電圧をゼロにする。
【0039】
この発明によれば、制御手段は、昇圧手段およびインバータ手段のスイッチング時の一瞬だけ、ゼロ電圧スイッチング手段およびインバータ手段内に共振回路を形成し、直流正負母線間をゼロ電圧にしているので、昇圧手段およびインバータ手段に加えて、ゼロ電圧スイッチング手段内のスイッチ素子もゼロ電圧でソフトスイッチング可能となる。したがって、スイッチングノイズおよびスイッチング損失の軽減を図ることができる。
【0040】
好ましくは、この発明による系統連系インバータ装置において、ゼロ電圧スイッチング手段は、互いに直列接続された第1および第2のコンデンサを含み、第2のコンデンサは直流正負母線の負母線に接続され、昇圧手段によって昇圧された直流電圧を第1および第2のコンデンサによって平滑化するように、第1のコンデンサを直流正負母線の正母線に接続する第1のスイッチ素子と、第1および第2のコンデンサの連結点と、直流正負母線の正母線との間に直列接続された第2のスイッチ素子および第1のリアクトルとをさらに含み、インバータ手段はフルブリッジインバータ回路であり、フルブリッジインバータ回路は、ゼロ電圧スイッチング手段側で、直流正負母線間に直列に接続された第3および第4のスイッチ素子を含む第1のアームと、連系手段側で、直流正負母線間に直列に接続された第5および第6のスイッチ素子を含む第2のアームと、第3および第4のスイッチ素子にそれぞれ並列に接続された第3および第4のコンデンサとを含み、制御手段は、第3および第4のスイッチ素子を互いに逆位相でスイッチングし、第2のコンデンサから、第4のスイッチ素子、第3のコンデンサ、第1のリアクトル、および第2のスイッチ素子を通って第2のコンデンサに帰還するループ、または第2のコンデンサから、第4のコンデンサ、第3のスイッチ素子、第1のリアクトル、および第2のスイッチ素子を通って第2のコンデンサに帰還するループによって共振回路を形成する。
【0041】
この発明によれば、ゼロ電圧スイッチング手段の第1および第2のコンデンサは、系統連系インバータ装置の運転中においては、ほとんどの期間中は昇圧電圧を平滑化する平滑化コンデンサとして機能し、昇圧手段およびインバータ手段のスイッチング時の一瞬だけ、共振回路の構成要素を兼ねるため、部品点数の増加を招来することなくソフトスイッチングを実現することができる。また、インバータ手段の第1のアームのスイッチ素子にはそれぞれコンデンサが並列に接続されているため、これらの素子のターンオフ時には、ゼロ電圧スイッチング手段の助けを必要とせずインバータ手段単独で常にゼロ電圧でターンオフ動作を実行する。したがって、インバータ手段のスイッチング動作周期ごとにターンオン時の1回だけ共振回路を動作させればよく、共振回路の動作回数の低減を図ることができる。
【0042】
より好ましくは、この発明による系統連系インバータ装置において、昇圧手段は昇圧チョッパ回路であり、昇圧チョッパ回路は、直流正負母線の正母線に直列に挿入された第2のリアクトルおよびダイオードと、第2のリアクトルおよびダイオードの連結点と、直流正負母線の負母線との間に接続された第7のスイッチ素子と、ダイオードに並列に接続された第5のコンデンサと、第7のスイッチ素子に並列に接続された第6のコンデンサとを含む。
【0043】
この発明によれば、系統連系インバータ装置を構成する昇圧手段内のダイオードおよびスイッチ素子にはそれぞれコンデンサが並列に接続されているため、これらの素子のターンオフ時には、ゼロ電圧スイッチング手段の助けを必要とせず昇圧手段単独で常にゼロ電圧でターンオフ動作を行なう。したがって、昇圧手段のスイッチング動作周期ごとにターンオン時の1回だけ共振回路を動作させればよく、共振回路の動作回数の低減を図ることができる。
【0044】
より好ましくは、この発明による系統連系インバータ装置において、制御手段は、共通のPWMキャリア信号に基づいて、昇圧手段およびインバータ手段を駆動するPWMパルスを発生する手段を含み、昇圧手段およびインバータ手段においてスイッチングを行なうすべての素子は、PWMパルスによってオン・オフ制御される。
【0045】
この発明によれば、昇圧手段およびインバータ手段のすべてのスイッチ素子を制御するPWMパルスは、共通のPWMキャリア信号に基づいて生成されるため、昇圧手段およびインバータ手段のすべてのスイッチ素子のゼロ電圧スイッチングを同じタイミングで、すなわち1回のゼロ電圧スイッチング手段の動作によって行なうことができ、共振回路の動作回数を軽減することができる。
【0046】
より好ましくは、この発明による系統連系インバータ装置において、制御手段は、第2のアームの第5および第6のスイッチ素子を、連系する電力系統と同じ周波数で互いに逆位相でスイッチングし、かつ第1のアームの第3および第4のスイッチ素子を、連系する電力系統の周波数よりも高いPWMキャリア信号周波数で互いに逆位相でスイッチングする。
【0047】
この発明によれば、インバータ手段の第2のアームのスイッチ素子は、連系する商用周波数で動作し、インバータ手段の出力電流のゼロクロス点でのみスイッチングする。したがって、PWMキャリア信号周波数を商用周波数の整数倍にすれば、第2のアームのスイッチ素子には、第1のアームのスイッチ素子のようにスイッチ素子に並列接続したコンデンサは必要なく、独立してソフトスイッチングを行なうことができる。
【0048】
この発明の他の局面に従う系統連系インバータ装置は、直流電源と、昇圧手段と、インバータ手段と、連系手段と、ゼロ電圧スイッチング手段と、制御手段とを備える。直流電源は直流電圧を供給する。昇圧手段は、直流電源によって供給される直流電圧をスイッチング動作によって昇圧する。インバータ手段は、昇圧手段によって昇圧された直流電圧をスイッチング動作によって交流電圧に変換する。連系手段は、インバータ手段から出力される交流電圧を、連系する単相3線式電力系統に接続する。ゼロ電圧スイッチング手段は、昇圧手段とインバータ手段とを連結する直流正負母線間に接続されかつ単相3線式電力系統の中性線に接続される。ゼロ電圧スイッチング手段は、互いに直列接続された第1および第2のコンデンサを含み、第2のコンデンサは直流正負母線の負母線に接続され、昇圧手段によって昇圧された直流電圧を第1および第2のコンデンサによって平滑化するように、第1のコンデンサを直流正負母線の正母線に接続する第1のスイッチ素子をさらに含み、中性線は、直流電源の正極側と、第1および第2のコンデンサの連結点とに接続される。制御手段は、昇圧手段およびインバータ手段のスイッチング動作時に、昇圧手段およびインバータ手段においてスイッチングを行なうすべての素子をゼロ電圧でスイッチングさせるように、ゼロ電圧スイッチング手段およびインバータ手段内に共振回路を形成して直流正負母線間の電圧をゼロにする。
【0049】
この発明によれば、単相3線式電力系統と連系する系統連系インバータ装置においても同様にすべてのスイッチ素子のソフトスイッチングを実現することができる。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0051】
図1は、この発明の第1の実施形態による系統連系インバータ装置を示す回路図である。図1を参照して、直流電源である太陽電池1からの直流電力は、系統連系インバータ装置2により、商用周波数の交流電力に変換されて、連系する商用交流電力系統3に接続される。
【0052】
系統連系インバータ装置2は、太陽電池1からの150〜250Vの直流出力電圧を350V程度にまで昇圧する昇圧回路4と、昇圧回路4で昇圧された直流電圧を交流電圧に変換するフルブリッジインバータ回路5と、昇圧回路4とフルブリッジインバータ回路5との間に挿入されたゼロ電圧スイッチング回路6と、フルブリッジインバータ回路5からの交流出力を平滑化するフィルタ回路7と、フィルタ回路7の交流出力端と商用交流電力系統3との接続を開閉する連系リレー8と、制御部9とを備えている。制御部9は、昇圧回路4、フルブリッジインバータ回路5およびゼロ電圧スイッチング回路6内のスイッチ素子のゲート制御を行なうために複数のPWM制御信号を発生する。
【0053】
昇圧回路4は、直流の正負母線の正母線に直列に挿入されたリアクトルL2およびダイオードD1と、リアクトルL2およびダイオードD1の連結点と直流の正負母線の負母線との間に接続され、制御部9からのPWM信号によりオン・オフ制御されるスイッチ素子S7とにより構成される昇圧チョッパである。この昇圧チョッパは、太陽電池1の直流出力電圧を1以上の昇圧比で昇圧して、後段のフルブリッジインバータ回路5に与える。
【0054】
フルブリッジインバータ回路5は、スイッチ素子S3,S4からなるアームA1と、スイッチ素子S5,S6からなるアームA2とから構成され、これらのスイッチ素子は、昇圧回路4の場合と同様に、制御部9からの対応するPWM制御信号によりオン・オフ制御される。この結果、フルブリッジインバータ回路5は、ACパルスを生成して、後段のフィルタ回路7に出力する。なお、1つのアーム内で2つのスイッチ素子が同時にオンすると、太陽電池1の両端が当該アーム内で短絡されることになり、過電流でスイッチ素子が破壊される恐れがあるため、各アーム内の2つのスイッチ素子は必ず逆位相でスイッチング動作するように制御部9により制御されている。
【0055】
ゼロ電圧スイッチング回路6は、互いに直列に接続された出力電圧平滑用のコンデンサC1,C2と、コンデンサC1,C2を直流正負母線間に接続するスイッチ素子S1と、直列接続されたコンデンサC1,C2の連結点と直流正負母線の正母線との間に直列に接続されたスイッチ素子S2およびリアクトルL1と、直流正負母線間に接続されたコンデンサC3とを備えている。スイッチ素子S1の主たる機能は、ゼロ電圧動作(以下、転流動作と称する)時に、平滑コンデンサC1を、昇圧回路4とフルブリッジインバータ回路5とを連結する直流正負母線の正母線から切離し、転流動作終了後に再度接続することである。一方、スイッチ素子S2の主たる機能は、上記転流動作の開始時および初期の期間にリアクトルL1に共振動作に必要な電流を供給することである。
【0056】
なお、昇圧回路4は、図2に示すように構成することもできる。図2に示した昇圧回路4においては、スイッチ素子S7およびダイオードD1に、それぞれ、並列にコンデンサC6,C7が接続されている。このような構成を採用することにより、スイッチ素子S7およびダイオードD1のオン状態からオフ状態への転移時における単独のゼロ電圧スイッチングが可能となる。
【0057】
次に、図3は、昇圧回路4およびフルブリッジインバータ回路5内のそれぞれのスイッチ素子のスイッチング動作を示すタイミング図である。また、図4は、図1に示した制御部9の詳細な構成を示すブロック図である。
【0058】
以下に、図1〜図4を参照して、この発明の第1の実施形態による系統連系インバータ装置2の動作について説明する。
【0059】
図4を参照して、インバータ出力電流検出回路10は、フルブリッジインバータ回路5の出力電流を検出し、制御部9の電流指令信号生成部11に与える。電流指令信号生成部11は、与えられた電流値を基にPWMの電流指令信号Irefを生成し(図3(a))、このIrefと、キャリア信号生成部12から出力されるキャリア信号Icrとが比較器13において比較される。このキャリア信号Icrは、図3(a)に示すような鋸波である。
【0060】
一方、系統電圧検出回路14は、商用電力系統3の電圧を検出し、制御部9の比較器15の一方入力に与える。比較器15の他方入力には0Vが印加され、比較器15は入力された電圧値を0Vと比較し、これにより商用交流電力系統のゼロクロスが検出される。
【0061】
インバータドライブ信号生成部16は、比較器15のゼロクロス検出出力を基に、商用交流電力系統ACの半周期ごとに、アームA2のスイッチ素子S5,S6のオン・オフを交互に切換えるドライブ信号(図3(d),(e))を生成し、アームA2のスイッチ素子S5,S6に与える。インバータドライブ信号生成部16は、比較器13および15の出力を基に、キャリア信号周波数で互いに逆位相でスイッチングするPWM信号(図3(b),(c))を生成し、アームA1のスイッチ素子S3,S4に与える。
【0062】
このとき、図3(a)に示すように、キャリア信号Icrの周波数を、電流指令信号Irefの周波数の整数倍に設定しておけば、アームA2のスイッチング動作をアームA1のスイッチング動作に同期させることが可能である。たとえば、PWMキャリア信号Icrを20kHz、電流指令信号Irefを50Hzに設定してもよい。
【0063】
昇圧回路出力電圧・電流検出回路17は、昇圧回路4の出力電圧・電流を検出し、制御部9の昇圧比指令信号生成部18に与える。昇圧比指令信号生成部18は、与えられた電圧・電流値を基に昇圧比指令信号Ichを生成し、図3(g)に示すように、このIchと、キャリア信号Icrとが比較器19において比較される。インバータドライブ信号生成部16は、比較器19の出力を基に、アームA1のスイッチ素子のオン時刻と同期してキャリア信号周波数でスイッチングするPWM信号(図3(f))を生成し、昇圧回路4内のスイッチ素子S7に与える。
【0064】
また、ゼロ電圧スイッチング回路6は、図5に示すように構成することもできる。すなわち、図1および図2のゼロ電圧スイッチング回路6に設けられていたコンデンサC3を省略し、代わりにフルブリッジインバータ回路5を構成するアームA1のスイッチ素子S3,S4に、それぞれ、並列にコンデンサC4,C5を接続する。この図5の構成において、スイッチ素子S3がオンでスイッチ素子S4がオフのときにはコンデンサC5がリアクトルL1との共振に利用され、スイッチ素子S3がオフでスイッチ素子S4がオンのときにはコンデンサC4がリアクトルL1との共振に利用されることとなり、結果としてもたらされる共振動作は、図1および図2の系統連系インバータ装置の場合と同じである。
【0065】
次に、図6は、図5に示した系統連系インバータ装置2のフルブリッジインバータ回路5を等価インバータ回路21で置き換えた、系統連系インバータ装置のシステム図である。
【0066】
この図6のシステム図を参照して、この発明の第1の実施の形態による系統連系インバータ装置のソフトスイッチング動作について説明する。
【0067】
図6において、図5のフルブリッジインバータ回路5のすべてのスイッチ素子をS3′で代表し、フルブリッジインバータ回路5の共振コンデンサC4,C5をC3′で代表し、フルブリッジインバータ回路5を負荷電流ILが流れていることを電流源22で表わしている。また、等価インバータ回路21におけるスイッチ素子S3′、ゼロ電圧スイッチング回路6におけるスイッチ素子S1,S2に、それぞれ逆並列接続されるダイオードは、Ds,Ds1,Ds2で表わしている。ゼロ電圧スイッチング回路6において、リアクトルL1の電流は、図6に示した矢印の方向を正方向とする。
【0068】
まず、図6の等価インバータ回路21と、図5に示した実際のフルブリッジインバータ回路5との、スイッチング状態の対応関係について説明する。たとえば、等価インバータ回路21においてスイッチ素子S3′がオフのときは、実際のフルブリッジインバータ回路5ではスイッチ素子S3およびS6がオンでS4およびS5がオフの場合、またはスイッチ素子S3およびS6がオフでS4およびS5がオンの場合の2種類に対応する。また、等価インバータ回路21においてスイッチ素子S3′がオンのときは、実際のフルブリッジインバータ回路5ではスイッチ素子S4およびS6がオンでS3およびS5がオフの場合、またはスイッチ素子S4およびS6がオフでS3およびS5がオンの場合の2種類に対応する。
【0069】
図7は、転流動作時における図6の系統連系インバータ装置を構成するそれぞれのスイッチ素子S1,S3,S3′,S7における信号波形と、リアクトルL1における電流波形と、直流正負母線間電圧Vlink(以下、直流リンク電圧と称する)波形とを示している。
【0070】
転流動作は各素子の導通状態によって移り変わり、後述するように11のモードから成り立っている。図8は、これら11のモードのそれぞれにおける転流動作を、等価インバータ回路21を用いて説明する図である。
【0071】
各モードを示す図の表記方法について以下に説明する。たとえばモード5における動作を示す図を参照すると、Ds2=on〜Ds=off,S3′=onという表記は、ダイオードDs2のオンで当該モード期間が始まり、ダイオードDsのオフおよびスイッチ素子S3′のオンで当該モード期間が終わることを示している。
【0072】
ここで、スイッチ素子S3′=onとは、スイッチ素子S3′を通じて実際に電流が流れていることを示しているため、図7に示したスイッチ素子のターンオンおよびターンオフのタイミングと一致しているとは限らない。このことは、必ずしもスイッチ素子がターンオンした時点ですぐにそのスイッチ素子に電流が流れ始めるとは限らないことに起因している。これらの要因に鑑み、図7のタイミング図においては、実際のスイッチのオン・オフのタイミングを示し、図8においては、それぞれの素子に実際の電流が流れる経路(実線)と流れない経路(破線)とを区別して示すこととする。
【0073】
以下に、11のモードのそれぞれにおける系統連系インバータ装置の動作状態について、図7のタイミング図および図8の回路状態図を参照して説明する。
【0074】
(1) モード1の動作状態
図8を参照して、モード1では、昇圧回路4のスイッチ素子S7がオフでゼロ電圧スイッチング回路6のスイッチ素子S1がオンしており、直流リンク電圧Vlinkは平均的にはある一定値Edに保たれる。この結果、直列接続された平滑コンデンサC1およびC2はEd/2ずつに分割されて充電されているものとする。また、負荷電流は、一定電流ILであり、太陽電池1から昇圧回路4と等価インバータ回路21とを通り循環しているものとする。
【0075】
(2) モード2の動作状態
ゼロ電圧スイッチング回路6のスイッチ素子S2がオンしてモード2の段階に入ると、平滑コンデンサ電圧Ed/2がリアクトルL1にかかり、リアクトルL1電流を直線的に増加させる。図7を参照して、リアクトルL1電流が、負荷電流ILよりも大きなある一定値Ir1(Ir1<IL)に達すると、図示しない制御部9はゼロ電圧スイッチング回路6のスイッチ素子S1をオフする(モード2終了)。
【0076】
(3) モード3の動作状態
スイッチ素子S1がオフしてモード3の段階に入ると、共振コンデンサC3′と共振リアクトルL1との作用により、図7に示すように、直流リンク電圧Vlinkが減少し、ゼロ電圧まで低下する。ゼロ電圧に達するとスイッチ素子S3′の逆並列ダイオードDsが導通する(モード3終了)。
【0077】
(4) モード4の動作状態
逆並列ダイオードDsが導通してモード4の段階に入ると、直流リンク電圧Vlinkがゼロのため太陽電池1で発生する直流電圧は昇圧回路4のリアクトルL2に印加され、電流を増加させる。一方、リアクトルL1の電流は、等価インバータ21の逆並列ダイオードDsの導通により短絡状態となるため、さらに減少してゼロに到達する(モード4終了)。この逆並列ダイオードDsが導通している期間中に、昇圧回路4のスイッチ素子S7と等価インバータ回路21のスイッチ素子S3′をオンしておく(ゼロ電圧スイッチング)。昇圧回路4のリアクトルL2電流は、この後スイッチ素子S7をオフするまで直線的に増加し続ける。
【0078】
(5) モード5の動作状態
リアクトルL1の電流はゼロになった後反転し、これによってゼロスイッチング回路6のスイッチ素子S2の逆並列ダイオードDs2が導通してモード5の段階に入る。リアクトルL1の電流はモード4における減少を引き継いで、これまでとは逆方向に増加して負荷電流ILと等しくなる(モード5終了)。逆並列ダイオードDs2が導通している間に、スイッチ素子S2をオフしておく(ゼロ電流スイッチング)。
【0079】
(6) モード6の動作状態
リアクトルL1電流が負荷電流ILより大きくなると等価インバータ回路21のスイッチ素子S3′を通じて流れるため、ダイオードDsはオフし、モード6の段階に入る。リアクトルL1の電流はさらに増加し、ある一定値Ir2(Ir2>IL)に達すると、スイッチ素子S3′をオフする(モード6終了)。このとき、直流リンク電圧Vlinkはゼロなので、スイッチ素子S3′のオフはゼロ電圧スイッチングとして行なわれる。
【0080】
(7) モード7の動作状態
等価インバータ回路21のスイッチ素子S3′をオフしてモード7の段階に入ると、リアクトルL1の電流が共振コンデンサC3′を充電することにより、直流リンク電圧Vlinkの上昇が始まる。直流リンク電圧Vlinkが平滑コンデンサC1およびC2の充電電圧の和の電圧にまで達すると、ゼロ電圧スイッチング回路6のスイッチ素子S1の逆並列ダイオードDs1が導通する(モード7終了)。ダイオードDs1の導通により、直流リンク電圧Vlinkは平滑コンデンサC1およびC2の充電電圧の和に保たれる。
【0081】
(8) モード8の動作状態
スイッチ素子S1の逆並列ダイオードDs1が導通してモード8の段階に入ると、リアクトルL1の電流はさらに減少し、負荷電流ILに等しくなると、逆並列ダイオードDs1には電流は流れなくなる(モード8終了)。モード8において逆並列ダイオードDs1が導通している期間中に、ゼロ電圧スイッチング回路6におけるスイッチ素子S1をゼロ電流スイッチングでオンしておく。
【0082】
(9) モード9の動作状態
リアクトルL1の電流が負荷電流ILよりも小さくなるとモード9の段階に入る。モード8において既にスイッチ素子S1がオンされているので、平滑コンデンサC1およびC2からなる直列回路は引続いて直流正負母線間に接続される。したがって、平滑コンデンサC1の放電により、リアクトルL1の電流はゼロまで減少する。L1電流がゼロになると、ゼロ電圧スイッチング回路6のスイッチ素子S2の逆並列ダイオードDs2には電流が流れなくなる(モード9終了)。
【0083】
(10) モード10の動作状態
リアクトルL1の電流が0になるとモード10の段階に入る。ゼロ電圧スイッチング回路6のスイッチ素子S1は既に導通しているので、平滑コンデンサC1およびC2が負荷電流ILを流し続けることになる。昇圧回路4のスイッチ素子S7のオフによりモード10は終了する。スイッチ素子S7の導通期間は、平滑コンデンサ電圧の平均値が一定になるように制御されるので、それによってオフのタイミングが決定される。また、スイッチ素子S7のオフ動作は並列コンデンサC6の作用によりゼロ電圧スイッチングとして行なわれる。
【0084】
(11) モード11の動作状態
モード11の段階では昇圧回路4のスイッチ素子S7はオフしており、リアクトルL2を介して並列コンデンサC6が充電される。コンデンサC6の両端の電圧と直流リンク電圧Vlinkとが等しくなると、昇圧回路4のダイオードD1が導通し(モード11終了)、モード1へ戻る。
【0085】
上述のモード1からモード11が転流回路の一連の動作であり、昇圧回路4のスイッチ素子S7、ゼロ電圧スイッチング回路6のスイッチ素子S1,S2、および等価ダイオード回路21のスイッチ素子S3′のオン・オフは制御部9からの制御信号によって制御され、これによりゼロ電圧またはゼロ電流のソフトスイッチングが達成されている。上述の一連の動作の途中で、モード4,5および6においては直流リンク電圧Vlinkがゼロとなっているため、これらのモードの期間中に等価インバータ回路21において必要なスイッチ素子のオン・オフと、昇圧回路4のスイッチのオンとを行なえば、システムのゼロ電圧スイッチングを達成することができる。
【0086】
図3のタイミング図に戻って、図3(h)は、図2に示した実際の系統連系インバータ2におけるPWM動作と直流リンク電圧Vlink波形との対応を示している。ここで、電圧Edは、平滑コンデンサC1およびC2の充電電圧の和である。図2に関連して先に説明したように、昇圧回路4に含まれるスイッチ素子のターンオフは、ゼロ電圧スイッチング回路6に助けられることなく、単独でゼロ電圧スイッチングで行なうことができるので、そのターンオンだけをフルブリッジインバータ回路5のスイッチング動作と同時に行なう。
【0087】
フルブリッジインバータ回路5のアームA2のスイッチ素子S6がオンの期間中はアームA1のスイッチ素子S3をオンする前に、またアームA2のスイッチ素子S5がオンの期間中はアームA1のスイッチ素子S3をオフ(すなわちS4をオン)する前に、ゼロ電圧スイッチング回路6を動作させるようにすれば、PWMキャリア信号Icrの周期ごとに1回だけ共振回路を動作させることにより、系統連系インバータ装置2全体のソフトスイッチング動作を実現することができる。
【0088】
ところで、図3のタイミング図は、フルブリッジインバータ回路5の出力電圧VLと負荷電流ILとの位相差がゼロ、すなわち力率が1の場合のPWMスイッチングタイミングを示しているが、負荷電流ILの位相が遅れている場合、すなわち力率が1以下の場合には、PWMパルスの生成方法は若干変化する。図9は、そのような場合におけるそれぞれのスイッチ素子のスイッチングタイミングを示すタイミング図である。図3のタイミング図と比較して、図9のタイミング図が異なる点は、図9に示したXおよびX′の期間、すなわち出力電圧VLおよび負荷電流ILの正負が異なっている区間のPWMキャリア信号Icr′波形のみである。このXおよびX′の期間中にのみ、PWMキャリア信号Icr′の符号を反転させて、逆の鋸波とする。
【0089】
図10は、図9の期間Xにおけるフルブリッジインバータ回路5の動作状態を示す図である。図10の(a)においては、負荷電流ILは負の電流で図中矢印の方向に流れているため、スイッチ素子S4のターンオン直前に直流リンク電圧Vlinkを0にしなければ、スイッチ素子S4のゼロ電圧スイッチングを実行することができない(図9の期間X)。
【0090】
一方、図10の(b)では、負荷電流ILは正の電流で、図中矢印の向きに並んでいるため、スイッチ素子S3のターンオン直前に直流リンク電圧Vlinkを0にしなければ、スイッチ素子S3のゼロ電圧スイッチングを実行することができない(図9の期間X′)。
【0091】
図10(a)に示したようにPWMパルスの生成を行なうことにより、出力電圧VLと負荷電流ILとの間で正負の符号が異なる場合にも、フルブリッジインバータ回路5の全スイッチ素子のゼロ電圧スイッチングを実現している。図9に示したPWM方式において出力電圧VLと負荷電流ILとの位相差をゼロにした場合が、図3に示したPWM方式に相当し、図3のPWMと図9のPWMとは、図4の制御部9においてPWMキャリア信号Icrの波形を変化させるだけでともに実現することが可能である。
【0092】
上述の第1の実施の形態による系統連系インバータ2は、単相2線式の商用交流電力系統と連系するシステムであるが、この発明は単相3線式の電力系統と連系する場合についても適用することができる。図11は、このような単相3線式の商用電力系統と連系する第2の実施形態の系統連系インバータ装置の構成を示す回路図である。
【0093】
図2に示す実施の形態の単相2線式の系統連系インバータ装置2と比較して異なる点は、図11の系統連系インバータ装置において、商用電力系統3の中性線20が平滑コンデンサC1およびC2の接続点、ならびに太陽電池1の正極に接続されていることと、フィルタ回路7が中性線20に対して正負対称の形に配置されていることと、インバータ回路5のアームA2のスイッチ素子S5,S6のそれぞれに並列にコンデンサC8,C9が追加されていることである。
【0094】
このような図11に示す構成により、太陽電池の正極電位と、平滑コンデンサの中点電位とは、電力系統の中性線電位すなわちアース電位に固定されることになる。この図11の実施の形態による単相3線式系統連系インバータ装置のソフトスイッチング動作は、図8に示した第1の実施形態の単相2線式系統連系インバータ装置の動作モードと同じであり、昇圧回路4のスイッチ素子S7がオンするときのみ、すなわちPWMキャリア信号Icrの周期ごとに1回だけゼロ電圧スイッチング回路6を動作させれば、系統連系インバータ装置内のすべてのスイッチ素子のソフトスイッチング動作を実現することができる。
【0095】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0096】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、昇圧手段およびインバータ手段のスイッチング時の一瞬だけ、ゼロ電圧スイッチング手段によって共振回路を形成して直流正負母線間電圧をゼロにすることにより、系統連系インバータ装置内のすべてのスイッチ素子をゼロ電圧でソフトスイッチングすることが可能となり、スイッチングノイズおよびスイッチング損失の軽減を図ることができる。
【0097】
さらにこの発明によれば、昇圧電圧を平滑化するための平滑化コンデンサを共振回路の構成要素として兼用することにより、部品点数の増加を抑制することができる。
【0098】
さらにこの発明によれば、昇圧手段内のスイッチ素子にそれぞれコンデンサが並列に接続されているため、これらの素子のターンオフ時は常に単独でゼロ電圧スイッチングとなり、したがって昇圧手段のスイッチング動作周期ごとにターンオン時の1回だけ共振回路を動作させればよく、共振回路の動作回数を低減することができる。
【0099】
さらにこの発明によれば、昇圧手段およびインバータ手段のスイッチ素子を制御するPWMパルスは共通のPWMキャリア信号に基づいて生成されるため、すべてのスイッチ素子のゼロ電圧スイッチングのタイミングを揃えることができ、共振回路の動作回数を軽減することができる。
【0100】
さらにこの発明によれば、インバータ手段の第2のアームのスイッチ素子は連系する商用周波数で動作し、インバータ手段の出力電圧のゼロクロス点でのみスイッチングするため、第2のアームのスイッチ素子に関しては独立してソフトスイッチングを行なうことができる。
【0101】
さらにこの発明によれば、単相3線式電力系統と連系する系統連系インバータ装置においても同様にすべてのスイッチ素子のソフトスイッチングが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の実施の形態による系統連系インバータ装置を示す回路図である。
【図2】 図1に示した実施の形態による系統連系インバータ装置の変形例を示す回路図である。
【図3】 この発明の第1の実施の形態による系統連系インバータ装置のスイッチング動作を示すタイミング図である。
【図4】 図1および図2に示した制御部の構成を示すブロック図である。
【図5】 図1に示した第1の実施の形態による系統連系インバータ装置のさらなる変形例を示す回路図である。
【図6】 図5に示した系統連系インバータ装置のインバータ回路を等価インバータ回路で置き換えた回路図である。
【図7】 図6に示した系統連系インバータ装置のソフトスイッチング動作を示すタイミング図である。
【図8】 図6に示した系統連系インバータ装置のモード1〜11の動作状態を示す回路図である。
【図9】 力率が1以下の場合のこの発明の実施の形態による系統連系インバータ装置のソフトスイッチング動作を説明するタイミング図である。
【図10】 力率が1以下の場合のこの発明の実施の形態による系統連系インバータ装置の動作状態を説明する回路図である。
【図11】 この発明の第2の実施の形態による系統連系インバータ装置を示す回路図である。
【図12】 従来の高周波絶縁方式による系統連系インバータ装置の回路図である。
【図13】 従来のトランスレス方式の系統連系インバータ装置の回路図である。
【図14】 従来のソフトスイッチング技術を採用したトランスレス方式の系統連系インバータ装置の回路図である。
【符号の説明】
1 太陽電池、2 系統連系インバータ装置、3 商用交流電力系統、4 昇圧回路、5 フルブリッジインバータ回路、6 ゼロ電圧スイッチング回路、7フィルタ回路、8 連系リレー、9 制御部、10 インバータ出力電流検出回路、11 電流指令信号生成部、12 キャリア信号生成部、13,15,19 比較器、14 系統電圧検出回路、16 インバータドライブ信号生成部、17 昇圧回路出力電圧・電流検出回路、18 昇圧比指令信号生成部、20 中性線、21 等価インバータ回路。
Claims (10)
- 系統連系インバータ装置であって、
直流電圧を供給する直流電源と、
前記直流電源によって供給される前記直流電圧をスイッチング動作によって昇圧する昇圧手段と、
前記昇圧手段によって昇圧された直流電圧をスイッチング動作によって交流電圧に変換するインバータ手段と、
前記インバータ手段から出力される交流電圧を、連系する電力系統に接続する連系手段と、
前記昇圧手段と前記インバータ手段とを連結する直流正負母線間に接続されたゼロ電圧スイッチング手段と、
前記昇圧手段および前記インバータ手段のスイッチング動作時に、前記昇圧手段および前記インバータ手段においてスイッチングを行なうすべての素子をゼロ電圧でスイッチングさせるように、前記ゼロ電圧スイッチング手段内に共振回路を形成して前記直流正負母線間の電圧をゼロにする制御手段とを備え、
前記ゼロ電圧スイッチング手段は、
互いに直列接続された第1および第2のコンデンサを含み、前記第2のコンデンサは前記直流正負母線の負母線に接続され、
前記昇圧手段によって昇圧された直流電圧を前記第1および第2のコンデンサによって平滑化するように、前記第1のコンデンサを前記直流正負母線の正母線に接続する第1のスイッチ素子と、
前記第1および第2のコンデンサの連結点と、前記直流正負母線の正母線との間に直列接続された第2のスイッチ素子および第1のリアクトルと、
前記直流正負母線間に接続された第3のコンデンサとをさらに含み、
前記制御手段は、前記第2のコンデンサから、前記第3のコンデンサ、前記第1のリアクトル、および前記第2のスイッチ素子を通って前記第2のコンデンサに帰還するループによって前記共振回路を形成する、系統連系インバータ装置。 - 前記昇圧手段は昇圧チョッパ回路であり、
前記昇圧チョッパ回路は、
前記直流正負母線の正母線に直列に挿入された第2のリアクトルおよびダイオードと、
前記第2のリアクトルおよび前記ダイオードの連結点と、前記直流正負母線の負母線との間に接続された第3のスイッチ素子と、
前記ダイオードに並列に接続された第4のコンデンサと、
前記第3のスイッチ素子に並列に接続された第5のコンデンサとを含む、請求項1に記載の系統連系インバータ装置。 - 前記制御手段は、
共通のパルス幅変調(PWM)キャリア信号に基づいて、前記昇圧手段および前記インバータ手段を駆動するPWMパルスを発生する手段を含み、
前記昇圧手段および前記インバータ手段においてスイッチングを行なうすべての素子は、前記PWMパルスによってオン・オフ制御される、請求項1または2に記載の系統連系インバータ装置。 - 前記インバータ手段はフルブリッジインバータ回路であり、
前記フルブリッジインバータ回路は、
前記ゼロ電圧スイッチング手段側で、前記直流正負母線間に直列に接続された第4および第5のスイッチ素子を含む第1のアームと、
前記連系手段側で、前記直流正負母線間に直列に接続された第6および第7のスイッチ素子を含む第2のアームとを含み、
前記制御手段は、前記第2のアームの前記第6および第7のスイッチ素子を、前記連系する電力系統と同じ周波数で互いに逆位相でスイッチングし、かつ前記第1のアームの前記第4および第5のスイッチ素子を、前記連系する電力系統の周波数よりも高い前記PWMキャリア信号周波数で互いに逆位相でスイッチングする、請求項3に記載の系統連系インバータ装置。 - 系統連系インバータ装置であって、
直流電圧を供給する直流電源と、
前記直流電源によって供給される前記直流電圧をスイッチング動作によって昇圧する昇圧手段と、
前記昇圧手段によって昇圧された直流電圧をスイッチング動作によって交流電圧に変換するインバータ手段と、
前記インバータ手段から出力される交流電圧を、連系する電力系統に接続する連系手段と、
前記昇圧手段と前記インバータ手段とを連結する直流正負母線間に接続されたゼロ電圧スイッチング手段と、
前記昇圧手段および前記インバータ手段のスイッチング動作時に、前記昇圧手段および前記インバータ手段においてスイッチングを行なうすべての素子をゼロ電圧でスイッチングさせるように、前記ゼロ電圧スイッチング手段および前記インバータ手段内に共振回路を形成して前記直流正負母線間の電圧をゼロにする制御手段とを備えた、系統連系インバータ装置。 - 前記ゼロ電圧スイッチング手段は、
互いに直列接続された第1および第2のコンデンサを含み、前記第2のコンデンサは前記直流正負母線の負母線に接続され、
前記昇圧手段によって昇圧された直流電圧を前記第1および第2のコンデンサによって平滑化するように、前記第1のコンデンサを前記直流正負母線の正母線に接続する第1のスイッチ素子と、
前記第1および第2のコンデンサの連結点と、前記直流正負母線の正母線との間に直列接続された第2のスイッチ素子および第1のリアクトルとをさらに含み、
前記インバータ手段はフルブリッジインバータ回路であり、
前記フルブリッジインバータ回路は、
前記ゼロ電圧スイッチング手段側で、前記直流正負母線間に直列に接続された第3および第4のスイッチ素子を含む第1のアームと、
前記連系手段側で、前記直流正負母線間に直列に接続された第5および第6のスイッチ素子を含む第2のアームと、
前記第3および第4のスイッチ素子にそれぞれ並列に接続された第3および第4のコンデンサとを含み、
前記制御手段は、前記第3および第4のスイッチ素子を互いに逆位相でスイッチングし、前記第2のコンデンサから、前記第4のスイッチ素子、前記第3のコンデンサ、前記第1のリアクトル、および前記第2のスイッチ素子を通って前記第2のコンデンサに帰還するループ、または前記第2のコンデンサから、前記第4のコンデンサ、前記第3のスイッチ素子、前記第1のリアクトル、および前記第2のスイッチ素子を通って前記第2のコンデンサに帰還するループによって前記共振回路を形成する、請求項5に記載の系統連結インバータ装置。 - 前記昇圧手段は昇圧チョッパ回路であり、
前記昇圧チョッパ回路は、
前記直流正負母線の正母線に直列に挿入された第2のリアクトルおよびダイオードと、
前記第2のリアクトルおよび前記ダイオードの連結点と、前記直流正負母線の負母線との間に接続された第7のスイッチ素子と、
前記ダイオードに並列に接続された第5のコンデンサと、
前記第7のスイッチ素子に並列に接続された第6のコンデンサとを含む、請求項5または6に記載に系統連結インバータ装置。 - 前記制御手段は、
共通のPWMキャリア信号に基づいて、前記昇圧手段および前記インバータ手段を駆動するPWMパルスを発生する手段を含み、
前記昇圧手段および前記インバータ手段においてスイッチングを行なうすべての素子は、前記PWMパルスによってオン・オフ制御される、請求項5から7のいずれかに記載の系統連系インバータ装置。 - 前記制御手段は、前記第2のアームの前記第5および第6のスイッチ素子を、前記連系する電力系統と同じ周波数で互いに逆位相でスイッチングし、かつ前記第1のアームの前記第3および第4のスイッチ素子を、前記連系する電力系統の周波数よりも高い前記PWMキャリア信号周波数で互いに逆位相でスイッチングする、請求項8に記載の系統連系インバータ装置。
- 系統連系インバータ装置であって、
直流電圧を供給する直流電源と、
前記直流電源によって供給される前記直流電圧をスイッチング動作によって昇圧する昇圧手段と、
前記昇圧手段によって昇圧された直流電圧をスイッチング動作によって交流電圧に変換するインバータ手段と、
前記インバータ手段から出力される交流電圧を、連系する単相3線式電力系統に接続する連系手段と、
前記昇圧手段と前記インバータ手段とを連結する直流正負母線間に接続されかつ前記単相3線式電力系統の中性線に接続されたゼロ電圧スイッチング手段とを備え、
前記ゼロ電圧スイッチング手段は、
互いに直列接続された第1および第2のコンデンサを含み、前記第2のコンデンサは前記直流正負母線の負母線に接続され、
前記昇圧手段によって昇圧された直流電圧を前記第1および第2のコンデンサによって平滑化するように、前記第1のコンデンサを前記直流正負母線の正母線に接続する第1のスイッチ素子をさらに含み、
前記中性線は、前記直流電源の正極側と、前記第1および第2のコンデンサの連結点とに接続され、
前記昇圧手段および前記インバータ手段のスイッチング動作時に、前記昇圧手段および前記インバータ手段においてスイッチングを行なうすべての素子をゼロ電圧でスイッチングさせるように、前記ゼロ電圧スイッチング手段および前記インバータ手段内に共振回路を形成して前記直流正負母線間の電圧をゼロにする制御手段をさらに備えた、系統連系インバータ装置。
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