JP5119992B2 - 電力変換装置 - Google Patents
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Description
本発明は、直流電圧を供給するための正側導体(3)及び負側導体(4)と、
前記正側導体(3)と前記負側導体(4)との間に接続された第1及び第2の主スイッチ(S1、S2)の直列回路及び第3及び第4の主スイッチ(S3、S4)の直列回路と、前記第1、第2、第3及び第4の主スイッチ(S1、S2、S3、S4)にそれぞれ並列に接続された寄生容量又は個別コンデンサから成る第1、第2、第3及び第4の共振用コンデンサ(C1,C2,C3,C4)とを備えたインバータ回路(6又は6a)と、
前記正側導体(3)及び前記負側導体(4)との間に接続された第1の補助コンデンサ(Ca )と第1の補助スイッチ(Q1)と第2の補助スイッチ(Q2)と第2の補助コンデンサ(Cb)との直列回路と、
前記第1の補助スイッチ(Q1)に対して逆並列接続された寄生又は個別のダイオードから成る第1の補助ダイオード(Da)と、
前記第2の補助スイッチ(Q2)に対して逆並列接続された寄生又は個別のダイオードから成る第2の補助ダイオード(Db)と、
前記正側導体(3)と前記負側導体(4)との間に接続された第3及び第4の補助スイッチ(Q3、Q4)の直列回路と、
前記第3の補助スイッチ(Q3)に対して逆並列接続された寄生又は個別のダイオードから成り且つ前記正側導体(3)と前記負側導体(4)との間において前記第1の補助ダイオード(Da)と逆の方向性を有している前記第3の補助ダイオード(Dc)と、
前記第4の補助スイッチ(Q4)に対して逆並列接続された寄生又は個別のダイオードから成り且つ前記正側導体(3)と前記負側導体(4)との間において前記第2の補助ダイオード(Db)と逆の方向性を有している前記第4の補助ダイオード(Dd)と、
前記第1の補助コンデンサ(Ca)と前記第1の補助スイッチ(Q1)との直列回路と前記第2の補助コンデンサ(Cb)と前記第2の補助スイッチ(Q2)との直列回路との相互接続点と前記第3及び第4の補助スイッチ(Q3、Q4)の相互接続点との間に接続された共振リアクトル(Lr)と、
直流電圧を交流電圧に変換する時に前記インバータ回路(6又は6a)の前記第1、第2、第3及び第4の主スイッチ(S1、S2、S3、S4)をオンオフ制御する主スイッチ制御回路(11)と、
前記第1の補助コンデンサ(Ca)と前記第1の補助スイッチ(Q1)と前記共振リアクトル(Lr)と前記第4の補助スイッチ(Q4)とから成る第1の共振電流通路と前記第2の補助コンデンサ(Cb)と前記第2の補助スイッチ(Q2)と前記共振リアクトル(Lr)と前記第3の補助スイッチ(Q3)とから成る第2の共振電流通路とを択一的に形成するように前記第1、第2、第3及び第4の補助スイッチ(Q1、Q2、Q3、Q4)をオンオフ制御する補助スイッチ制御回路(12)と
を備えていることを特徴とする電力変換装置に係わるものである。
また、請求項3に示すように、前記補助スイッチ制御回路は、更に、グランド又は共通電位点と前記正側導体(3)との間の電圧又は前記第1の補助コンデンサ(Ca)の電圧からなる第1の直流電圧(Va)を検出する第1の直流電圧検出手段(14)と、グランド又は共通電位点と前記負側導体(4)との間の電圧又は前記第2の補助コンデンサ(Cb)の電圧からなる第2の直流電圧(Vb)を検出する第2の直流電圧検出手段(15)と、前記第1の直流電圧(Va)が前記第2の直流電圧(Vb)よりも大きい時に第1の値の電圧信号を出力し、前記第1の直流電圧(Va)が前記第2の直流電圧(Vb)よりも小さい時に第2の値の電圧信号を出力する直流電圧比較手段(53)と、前記第1の直流電圧(Va)と前記第2の直流電圧(Vb)との差の値の絶対値を求める絶対値演算手段(55)と、前記絶対値が所定値(ΔVdc)よりも大きいか否かを判定し、前記絶対値が前記所定値(ΔVdc)よりも大きい時に、前記第1の直流電圧(Va)と前記第2の直流電圧(Vb)とのアンバランスを補正することが必要であることを示すアンバランス補正必要信号を出力し、前記絶対値が前記所定値(ΔVdc)よりも小さい時に前記第1の直流電圧(Va)と前記第2の直流電圧(Vb)とのアンバランスを補正することが不必要であることを示すアンバランス補正不必要信号を出力する直流電圧アンバランス判定比較手段(57)と、前記直流電圧アンバランス判定比較手段(57)から前記アンバランス補正不必要信号が出力されている時に前記補助ダイオード電流比較手段(52)の出力を前記補助スイッチ制御信号形成回路(54)に送り、前記直流電圧アンバランス判定比較手段(57)から前記アンバランス補正必要信号が出力されている時に前記補助ダイオード電流比較手段(52)の出力の代わりに前記直流電圧比較手段(53)の出力を前記補助スイッチ制御信号形成回路(54)に送る信号選択手段(59)とを備え、前記補助スイッチ制御信号形成回路(54)は、更に、前記直流電圧比較手段(53)から前記第1の値の電圧信号が得られている時に、前記第2及び第3の補助スイッチ(Q2、Q3 )をオン状態に制御し、前記直流電圧比較手段(53)から前記第2の値の電圧信号が得られている時に前記第1及び第4の補助スイッチ(Q1、Q4)をオン状態に制御する信号を形成する機能を有していることが望ましい。
また、請求項4に示すように、前記補助スイッチ制御回路は、更に、前記直流電圧アンバランス判定比較手段(57)と前記信号選択手段(59)との間に前記直流電圧アンバランス判定比較手段(57)の出力を間欠的に送る間欠制御手段(58)を有していることが望ましい。
また、請求項5に示すように、前記共振期間信号形成手段(51)は、前記第1〜第4の主スイッチ(S1〜S4)の内の少なくとも1つのターンオフ時点(t0)を起点とした第1の所定時間(T1)において第1の電圧値を有する第1のパルス(P1)を出力する第1のパルス形成手段(60)と、前記第1〜第4の主スイッチ(S1〜S4)の内の少なくとも1つのターンオフ時点(t0)から、前記共振リアクトル(Lr)を通って流れる共振電流(ILr)が半サイクル以上経過した時点(t6)までの第2の所定時間(T2)において第2の電圧値を有する第2のパルス(P2)を出力する第2のパルス形成手段(61)と、前記第1のパルス形成手段(60)と前記第2のパルス形成手段(61)とに接続され、前記第1の所定時間(T1)の終了時点(t1)から前記第2の所定時間(T2)の終了時点(t6)までの第3の所定時間(T3)において所定電圧値を有する共振期間パルス(Vz)を出力する共振期間パルス形成手段(62)と、を備えていることが望ましい。
また、請求項6に示すように、更に、前記インバータ回路は、前記第1、第2、第3及び第4の主スイッチ(S1、S2.S3,S4)にそれぞれ逆並列接続された寄生又は個別ダイオードから成る第1、第2、第3及び第4の主ダイオード(D1,D2、D3,D4)を有することが望ましい。
また、請求項7に示すように、前記インバータ回路は、前記第1及び第2の主スイッチ(S1、S2)の相互接続点(25)に接続された第1の出力導体(8u)と、前記第1の補助コンデンサ(Ca)と前記第1の補助スイッチ(Q1)との直列回路と前記第2の補助コンデンサ(Cb)と前記第2の補助スイッチ(Q2)との直列回路との相互接続点(23)に接続された第2の出力導体(8v)と、前記第3及び第4の主スイッチ(S3、S4)の相互接続点(26)に接続された第3の出力導体(8w)とを有する3相V結線インバータ回路であることが望ましい。
また、請求項8に示すように、前記インバータ回路は、前記第1及び第2の主スイッチ(S1、S2)の相互接続点(25)に接続された第1の出力導体(8u)と、前記第1の補助コンデンサ(Ca)と前記第1の補助スイッチ(Q1)との直列回路と前記第2の補助コンデンサ(Cb)と前記第2の補助スイッチ(Q2)との直列回路との相互接続点(23)に接続された第2の出力導体(8v)と、前記第3及び第4の主スイッチ(S3、S4)の相互接続点(26)に接続された第3の出力導体(8w)とを有し、前記第1の出力導体(8u)と前記第2の出力導体(8v)との間に第1の負荷又は連系電源を接続し、前記第3の出力導体(8w)と前記第2の出力導体(8v)との間に第2の負荷又は連系電源を接続する単相3線式インバータ回路であることが望ましい。
また、請求項9に示すように、前記インバータ回路は、更に、前記正側導体と前記負側導体との間に接続された第5及び第6の主スイッチ(S5、S6)の直列回路を有する3相フルブリッジ型インバータ回路であることが望ましい。
また、請求項10に示すように、更に、第1の直流電源端子(1a)と、前記負側導体(4)に接続された第2の直流電源端子(1b)と、前記第1の直流電源端子(1a)の接続された一端を有する昇圧リアクトル(L11)と、前記昇圧リアクトル(L11)の他端と前記第2の直流電源端子(1b)との間に接続された昇圧スイッチ(Q11)と、前記昇圧スイッチ(Q11)に並列に接続された寄生容量又は個別コンデンサから成る共振用コンデンサ(C11)と、前記昇圧リアクトル(L11)の他端と前記正側導体(3)との間に接続された整流素子(D12)とから成る昇圧回路(2)と、前記昇圧スイッチ(Q11)をオンオフ制御する昇圧スイッチ制御回路(13)とを備えていることが望ましい。
また、請求項11に示すように、更に、前記インバータ回路の第1、第2及び第3の出力導体(8u、8v、8w)に接続されたフィルタ回路(7)を有することが望ましい。
(1)共振回路を形成する第1〜第4の補助スイッチ(Q1〜Q4)と第1〜第4の補助ダイオード(Da〜Dd)と第1及び第2の補助コンデンサ(Ca、Cb)と共振リアクトル(Lr)とは正側導体(3)と負側導体(4)との間の中点を基準にして電気的に対称に配置されているので、共振リアクトル(Lr)の正方向電流と負方向電流とのバランスが良くなり、共振動作が安定して共振外れが抑制される。
(2)共振リアクトル(Lr)に流れる正方向電流と負方向電流のバランスが良くなると、共振リアクトル(Lr)に流れる電流の最大振幅が、アンバランスが大きい時の最大振幅よりも小さくなり、共振リアクトルの小型化を達成することができる。
第1の補助スイッチQ1は、第1の補助コンデンサCaに対して直列に接続されている。第2の補助スイッチQ2は、第2の補助コンデンサCbに対して直列に接続されている。第1及び第2の補助ダイオードDa、Dbは第1及び第2の補助スイッチQ1,Q2に対してそれぞれ逆並列接続されている。第3及び第4の補助スイッチQ3,Q4は互いに直列に接続され且つ正側導体3と負側導体4との間に接続されている。第3及び第4の補助ダイオードDc、Ddは第3及び第4の補助スイッチQ3,Q4に対してそれぞれ逆並列接続されている。第1、第2、第3及び第4の補助スイッチQ1,Q2、Q3,Q4は、図1において絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)で示めされているが、これ以外の制御可能な半導体スイッチ(例えば、FET又は接合型トランジスタ)で構成することができる。また、第1、第2、第3及び第4の補助ダイオードDa、Db,Dc、Ddを個別ダイオードで構成する代わりに、第1、第2、第3及び第4の補助スイッチQ1,Q2、Q3,Q4の寄生(内蔵)ダイオードとすることができる。共振リアクトルLrは第1の補助コンデンサCaと第1の補助スイッチQ1との直列回路と第2の補助コンデンサCbと第2の補助スイッチQ2との直列回路との相互接続点23と第3及び第4の補助スイッチQ3、Q4の相互接続点24との間に接続されている。この共振リアクトルLrのインダクタンス値は第1、第2、第3及び第4の主スイッチS1、S2、S3、S4及び昇圧スイッチQ11のターンオン時における零電圧スイッチング(ZVS)を可能にするように周知の方法で決定されている。この実施例では、第1及び第2の補助コンデンサCa、Cbが3相V結線インバータを構成するための電圧分割用コンデンサとしての機能も有する。このため、第1の補助コンデンサCaと第1の補助スイッチQ1との直列回路と第2の補助コンデンサCbと第2の補助スイッチQ2との直列回路との相互接続点23がインバータ回路6の第2の出力導体8vを介して第2の交流出力端子9vに接続されている。なお、第2の交流出力端子9vはグランド(接地)に接続されているので、相互接続点23の電位はグランド又は共通電位である。インバータ回路6の第1及び第2の主スイッチS1、S2の相互接続点25が第1の出力導体8uとフィルタ回路7の第1のフィルタ用リアクトルLuを介して第1の交流出力端子9uに接続されている。また、インバータ回路6の第3及び第4の主スイッチS3、S4の相互接続点26が第3の出力導体8wとフィルタ回路7の第2のフィルタ用リアクトルLwを介して第3の交流出力端子9wに接続されている。
なお、インバータ回路6の理解を容易にするために、図4(D)に、第1、第2及び第3の交流出力端子9u,9v、9wにおける線間電圧Vuv,Vvw,Vwuが示され、図4(E)に第1、第2及び第3の交流出力端子9u,9v、9wにおける負荷電流Iu、Iv、Iwが示され、図4(H)に第1の主スイッチS1 を流れる電流と第1の主ダイオードD1を流れる電流との和の電流Is1、及び第2の主スイッチS2を流れる電流と第2の主ダイオードD2 を流れる電流との和の電流Is2が概略的に示され、図4(I)に第3の主スイッチS3を流れる電流と第3の主ダイオードD3を流れる電流との和の電流Is3、及び第4の主スイッチS4を流れる電流と第4の主ダイオードD4を流れる電流との和の電流Is4が概略的に示されている。
本実施例では共振期間信号形成手段51から得られる1つの共振期間信号Vzに基づいて第1、第2、第3及び第4の補助スイッチQ1、Q2,Q3,Q4を制御するための第1、第2、第3及び第4の補助スイッチ制御信号Vq1,Vq2,Vq3,Vq4を形成している。
なお、第1及び第2の補助ダイオードDa、Dbを流れる電流Ida、Idbを、第1及び第2の電流検出器17、18と図3の電流検出演算手段30とから成る電流検出手段に基づいて求める代わりに、電流検出器によって第1及び第2の補助ダイオードDa、Dbを流れる電流Ida、Idbを直接に検出し、図5及び図6のt0〜t1期間内において第1及び第2の補助ダイオードDa、Dbを流れる電流Ida、Idbを示す電圧信号を抽出し、これらを補助ダイオード電流比較手段52に供給することもできる。また、第1及び第2の補助ダイオードDa、Dbを通って第1及び第2の補助コンデンサCa,Cbに流れる電流を検出し、この電流を第1及び第2の補助ダイオードDa、Dbを流れる電流Ida、Idbとすることもできる。
図5(O)及び図6(O)のt0〜t1期間に共振電流ILrは流れていないが、インバータ回路6側からの回生電流が第1及び第2の補助ダイオードDa、Dbを流れる。補助ダイオード電流比較手段52の一方の入力端子はライン30aに接続され、この他方の入力端子はライン30bに接続されている。なお、第1の電流検出器17及び第2の電流検出器18が補助スイッチ制御回路12の外に示されているが、補助スイッチ制御回路12の中に示すこともできる。
補助ダイオード電流比較手段52は、図5及び図6のt0〜t1期間内において、ライン30a、30bから得られた第1及び第2の補助ダイオードDa、Dbを流れる電流Ida、Idbを示す電圧信号を比較し、第1の補助ダイオードDaを流れる電流Idaが第2の補助ダイオードDbを流れる電流Idbよりも小さいか否かを判定し、第1の補助ダイオードDaを流れる電流Idaが第2の補助ダイオードDbを流れる電流Idbよりも小さい時に第1の値の電圧信号として低レベル(L)信号を出力し、第1の補助ダイオードDaを流れる電流Idaが第2の補助ダイオードDbを流れる電流Idbよりも大きい時に第2の値の電圧信号として高レベル(H)信号を出力する。
次の(1)(2)の状態の時に、図5のt0〜t6期間において選択手段59の出力ライン59aの選択信号Vselectが低レベル(L)信号になる。
(1)選択手段59の第1の接点aがオン状態であり、且つ図5及び図6のt0時点において第1の補助ダイオードDaを流れる電流Idaが第2の補助ダイオードDbを流れる電流Idbよりも小さい時。
(2)選択手段59の第2の接点bがオン状態であり、且つ第1の直流電圧Vaが第2の直流電圧Vbよりも高い時。
また、次の(1)(2)の状態の時に、図6のt0〜t6期間において選択手段59の出力ライン59aの選択信号Vselect が高レベル(H)信号になる。
(1)選択手段59の第1の接点aがオン状態であり、且つ図5及び図6のt0時点において第1の補助ダイオードDaを流れる電流Idaが第2の補助ダイオードDbを流れる電流Idbよりも大きい時。
(2)選択手段59の第2の接点bがオン状態であり、且つ第1の直流電圧Vaが第2の直流電圧Vbよりも低い時。
図5のt0 時点よりも前において第1及び第4の主スイッチS1 、S4 がオンの時に、第1のフィルタ用リアクトルLu に第1及び第2の主スイッチS1,S2の相互接続点25から第1の交流出力端子9uに向かう正方向のU相負荷電流Iu が流れ、第2のフィルタ用リアクトルLw に第3の交流出力端子9wから第3及び第4の主スイッチS3,S4の相互接続点26に向かう負方向のW相負荷電流Iw が流れ、また、第2の交流出力端子9vから第1及び第2の補助スイッチQ1,Q2の相互接続点23に向かう負方向の電流も流れる。なお、ここでの正方向の電流とはインバータ回路6から第1、第2及び第3の交流出力端子9u、9v、9wに向かう電流を意味し、負方向の電流とは第1、第2及び第3の交流出力端子9u、9v、9wからインバータ回路6に向う電流を意味する。このt0〜t1期間には、第1及び第2のフィルタ用リアクトルLu 、Lw にエネルギが蓄積される。その後、第1及び第4の主スイッチS1 、S4 がオフに制御されると、第1及び第2のフィルタ用リアクトルLu 、Lw の蓄積エネルギの放出が生じ、Lu −9u−9v−Db−Cb―D2の経路、Lw−D3 −Ca−Da−9vの経路、及びLu −9u−9w−Lw−D3 −Ca−Da−Db−Cb―D2の経路に電流が流れる。また、1a―L11−D12−Ca−Da−Db−Cb−1bの経路に電流が流れる。このt0〜t1期間に、第1の主スイッチS1 の両端子間電圧は図5(P)に示す正常直流電圧(定格電圧)Vdcに保たれる。この正常直流電圧Vdcは正側及び負側導体3,4間の電圧及び第1及び第2の補助コンデンサCa 、Cb の電圧の和に相当する。
図5のt1 時点で第1の補助スイッチQ1 がオフ、第3の補助スイッチQ3 がオンに制御され、且つ第2の補助スイッチQ2 がオン、第4の補助スイッチQ4 がオフに保たれていると、t1 時点直前の電流経路に追加して、Lu −9u−9w−Lw −D3 −Q3−Lr −Db−Cb −D2 の経路、及び1a―L11−D12−Q3−Lr−Db−Cb−1bの経路に図5(O)に示す共振リアクトルLr の電流ILrが流れ始める。この電流ILrは時間と共に増大する。即ち、第1の補助ダイオードDa を流れていた電流の一部が共振リアクトルLr に転流し、第1の補助ダイオードDa の電流が徐々に減少、逆に共振リアクトルLr の電流ILrが徐々に増大する。従って、第1の補助スイッチQ1のタ−ンオフは零電圧スイッチング(ZVS)となり、第3の補助スイッチQ3 のターンオンは零電流スイッチング(ZCS)となる。
図5のt2 時点で第1の補助ダイオードDa を通る電流が零になると、t2時点直前のLu −9u−9w−Lw −D3 −Q3−Lr −Db−Cb −D2 の経路、及び1a―L11−D12−Q3−Lr−Db−Cb−1bの経路の電流の他に、図7で破線で示すC1 −Q3 −Lr −Db−Cb −D2 の経路の共振電流、及びC4 −D3 −Q3 −Lr−Db−Cb の経路の共振電流、及びC11―D12−Q3 −Lr−Db−Cb の経路の共振電流が流れ、第1及び第4の共振用コンデンサC1 、C4 の電圧、及び昇圧回路2の共振用コンデンサC11の電圧が徐々に低下し、図5(P)に示す直流リンク電圧Vlinkも徐々に低下し、t3 時点又はこの直前にほぼ零になる。なお、共振リアクトルLr を流れる電流ILrは図5のt2 時点よりも少し後で最大になり、その後に徐々に低下する。
t3 時点で第1及び第4の主スイッチS1 、S4 及び昇圧スイッチQ11が同時にオン制御される。図5のt3 時点での第1及び第4の主スイッチS1 、S4及び昇圧スイッチQ11のターンオンは零電圧スイッチング(ZVS)になる。また、第1及び第4の主スイッチS1 、S4 の電流はt3 時点の後に傾斜を有して増大するので、これ等のt3 時点におけるターンオンは零電流スイッチング(ZCS)になる。
図5(O)のt4 時点で共振リアクトルLr の電流ILrが零になった後には、この電流ILrは逆方向に流れる。共振リアクトルLr を逆方向に流れる電流ILrが第1のフィルタ用リアクトルLuを流れる電流(出力電流)Ioutよりも小さい間は、第2及び第3の共振用コンデンサC2 、C3 の充電が開始せず、図5(P)の直流リンク電圧Vlinkは零又はほぼ零に保たれる。
図5のt5 時点で共振リアクトルLr の電流ILrが第1のフィルタ用リアクトルLuを流れる電流(出力電流)Ioutよりも大きくなると、第2及び第3の主ダイオードD2 、D3 がオフになり、図8において鎖線で示すようにLr −Dc −S1 −C2 −Cb―Q2 の経路で第2の共振用コンデンサC2 が充電され、同時にLr −Dc−C3 −S4 −Cb―Q2 の経路で第3の共振用コンデンサC3が充電され、図5(P)の直流リンク電圧Vlinkは徐々に増大し、t6 時点又はこの直前に正常直流電圧Vdcになる。なお、本実施例では昇圧回路2のダイオードD12に対して並列に共振コンデンサが接続されていないので、図8から明らかなようにt5 〜t6期間に昇圧回路2に電流が流れない。このため、t5 〜t6期間はダイオードD12に対して並列に共振コンデンサが接続されている場合に比較して短くなる。
図5のt6 時点では直流リンク電圧Vlinkが正常直流電圧Vdcであるので、第1の補助スイッチQ1 の両端子間電圧は零又はほぼ零である。従って、このt6 時点で第1の補助スイッチQ1 を図5(K)に示すようにターンオン制御すると、零電圧スイッチング(ZVS)が達成される。この実施形態では第1及び第3の補助スイッチQ1 、Q3の制御信号Vq1、Vq3を容易に形成するために、第3の補助スイッチQ3がt6 時点でターンオフ制御されている。しかし、第3の補助スイッチQ3の電流はt4 時点から流れていないので、t4 時点又はこれよりも後にターンオフ制御することもできる。なお、第3の補助スイッチQ3を零電圧スイッチング(ZVS)するために、第3の補助スイッチQ3のターンオフ制御を、第3の補助ダイオードDc に電流が流れているt4 〜t7 期間に行うのが望ましい。
t7 時点で共振リアクトルLr の蓄積エネルギの放出が終了すると、第3の補助ダイオードDc が逆バイアス状態となり、Cb−Q2 −Q1 −Ca−S1 −Lu −9u−9w−Lw −S4 の経路、及びS1−Lu −9u−9v−Q1−Caの経路に電流が流れる。
図6のt0 時点以前において、第1〜第4の主スイッチS1 〜S4及び昇圧スイッチ11は図5のt0 時点以前と同様に動作する。即ち、図6のt0 時点よりも前の第1及び第4の主スイッチS1 、S4 のオン時に、第1のフィルタ用リアクトルLu に正方向のU相負荷電流Iu が流れ、第2のフィルタ用リアクトルLw に負方向のW相負荷電流Iw が流れ、また、第2の交流出力端子9vから第1及び第2の補助スイッチQ1,Q2の相互接続点23に向かう負方向の電流も流れる。これにより、第1及び第2のフィルタ用リアクトルLu 、Lw にエネルギが蓄積され、その後の第1及び第4の主スイッチS1 、S4 のオフ期間に第1及び第2のフィルタ用リアクトルLu 、Lw の蓄積エネルギの放出が生じ、Lu −9u−9v−Db−Cb―D2の経路、Lw−D3 −Ca−Da−9vの経路、及びLu −9u−9w−Lw−D3 −Ca−Da−Db−Cb―D2の経路に電流が流れる。また、1a―L11−D12−Ca−Da−Db−Cb−1bの経路に電流が流れる。この時、第1の主スイッチS1 の両端子間電圧は図6(P)に示す正常直流電圧(定格電圧)Vdcに保たれている。この正常直流電圧Vdcは正側及び負側導体3,4間の電圧及び第1及び第2の補助コンデンサCa 、Cb の電圧の和に相当する。
図6のt1 時点で第2の補助スイッチQ2 がオフ、第4の補助スイッチQ4 がオンに制御され、且つ第1の補助スイッチQ1 がオン、第3の補助スイッチQ4 がオフに保たれていると、t1 時点直前の電流経路に追加して、Lu −9u−9w−Lw −D3 −Ca−Da−Lr −Q4−D2 の経路、及び1a―L11−D12−Ca−Da−Lr−Q4−1bの経路に図6(O)に示す共振リアクトルLr の電流ILrが負方向に流れ始める。この電流ILrの絶対値は時間と共に増大する。即ち、第2の補助ダイオードDb を流れていた電流の一部が共振リアクトルLr に転流し、第2の補助ダイオードDbの電流が徐々に減少、逆に共振リアクトルLr の電流ILrが徐々に増大する。従って、第2の補助スイッチQ2のタ−ンオフは零電圧スイッチング(ZVS)となり、第4の補助スイッチQ4 のターンオンは零電流スイッチング(ZCS)となる。
図6のt2 時点で第2の補助ダイオードDb を通る電流が零になると、t2直前のLu −9u−9w−Lw −D3 −Ca−Da−Lr −Q4−D2の経路、及び1a―L11−D12−Ca−Da−Lr−Q4−1bの経路の電流の他に、C1 −Ca−Da −Lr −Q4−D2 の経路の共振電流、及びC4 −D3 −Ca−Da−Lr−Q4 の経路の共振電流、及びC11−D12−Ca−Da −Lr−Q4 の経路の共振電流が流れ、第1及び第4の共振用コンデンサC1 、C4 の電圧、及び昇圧回路2の共振用コンデンサC11の電圧が徐々に低下し、図6(P)に示す直流リンク電圧Vlinkも徐々に低下し、t3 時点又はこの直前にほぼ零になる。なお、共振リアクトルLr を流れる電流ILrの絶対値は図6のt2 時点よりも少し後で最大になり、その後に徐々に低下する。
t3 時点で第1及び第4の主スイッチS1 、S4 及び昇圧スイッチQ11が同時にオン制御される。図6のt3 時点における第1及び第4の主スイッチS1 、S4及び昇圧スイッチQ11 のターンオンは零電圧スイッチング(ZVS)になる。また、第1及び第4の主スイッチS1 、S4 の電流はt3 時点から傾斜を有して増大するので、これ等のターンオンは零電流スイッチング(ZCS)にもなる。
図6(O)のt4 時点で共振リアクトルLr の電流ILrが零になった後には、この電流ILrは正方向に流れる。共振リアクトルLr を正方向に流れる電流ILrが第2のフィルタ用リアクトルLwを流れる電流(出力電流)Ioutよりも小さい間は、第2及び第3の共振用コンデンサC2 、C3 の充電が開始せず、図6(P)の直流リンク電圧Vlinkは零又はほぼ零に保たれる。
図6のt5 時点で共振リアクトルLr の電流ILrが第2のフィルタ用リアクトルLwを流れる電流(出力電流)Ioutよりも大きくなると、第2及び第3の主ダイオードD2 、D3 がオフになり、Lr −Q1―Ca −S1 −C2 −Dd の経路で第2の共振用コンデンサC2 が充電され、同時にLr −Q1―Ca−C3 −S4 −Ddの経路で第3の共振用コンデンサC3が充電され、図6(P)の直流リンク電圧Vlinkは徐々に増大し、t6 時点又はこの直前に正常直流電圧Vdcになる。
図6のt6 時点では直流リンク電圧Vlinkが正常直流電圧Vdcであるので、第1の補助スイッチQ1 の両端子間電圧は零又はほぼ零である。従って、このt6 時点で第2の補助スイッチQ12を図6(K)に示すようにターンオン制御すると、零電圧スイッチング(ZVS)が達成される。この実施形態では第2及び第4の補助スイッチQ2 、Q4の制御信号Vq2、Vq4を容易に形成するために、第4の補助スイッチQ4がt6 時点でターンオフ制御されている。しかし、t4 時点から第4の補助スイッチQ4に電流が流れていないので、t4 時点又はこれよりも後にターンオフ制御することができる。なお、第4の補助スイッチQ4のターンオフ制御は、零電圧スイッチング(ZVS)のために第4の補助ダイオードDd に電流が流れているt4 〜t7 期間に行うのが望ましい。
図6のt7 時点で共振リアクトルLr の蓄積エネルギの放出が終了すると、第4の補助ダイオードDd が逆バイアス状態となり、Cb−Q2 −Q1 −Ca−S1 −Lu −9u−9w−Lw −S4 の経路、及びS1−Lu −9u−9v−Q1−Caの経路に電流が流れる。
(1) 第1〜第4の補助スイッチQ1〜Q4と第1〜第4の補助ダイオードDa〜Ddと第1及び第2の補助コンデンサCa、Cbと共振リアクトルLrとから成る補助回路5は、正側導体3と負側導体4との間の中点を基準にして電気的に対称に形成されているので、共振リアクトルLrの正方向電流と負方向電流とのバランスが良くなり、共振動作が安定して共振外れが抑制される。
(2)第1〜第4の主スイッチS1〜S4のデッドタイム期間の開始時に第1の補助ダイオードDaの電流Idaと第2の補助ダイオードDbの電流Idbとを比較し、小さい方の電流を共振リアクトルLrに転流させるように補助回路5及び補助スイッチ制御回路12が構成されているので、共振リアクトルLrの正方向電流と負方向電流とのアンバランスが生じた時に、アンバランス分が第1及び第2の補助コンデンサCa、Cbの電圧、即ち第1及び第2の直流電圧Va、Vbをバランスさせるように働き、正側導体3と負側導体4との間の中点電位(中間電位)が安定する。
(3)共振リアクトルLrに流れる正方向電流と負方向電流のバランスが良くなると、共振リアクトルLrに流れる電流の最大振幅がアンバランスの時の最大振幅よりも小さくなり、共振リアクトルの低損失化及び小型化を達成することができる。
(4)第1及び第2の直流電圧Va、Vbのアンバランスの絶対値が所定値ΔVdcよりも大きい時に、直流電圧比較手段53の出力を選択して補助スイッチ制御信号形成回路54に送り、第1及び第2の直流電圧Va、Vbのアンバランスを解消することができるように第1、第2、第3及び第4の補助スイッチ制御信号Vq1、Vq2、Vq3、Vq4を形成する。従って、第1及び第2の直流電圧Va、Vbのアンバランスを容易に解消することができる。
(5)第1及び第2の補助コンデンサCa、Cbの電圧のバランスの向上により、3相V結線インバータにおいてバランスの良い3相出力電圧を得ることができる。
(6)第1〜第4の主スイッチS1〜S4と同時に昇圧スイッチQ11のソフトスイッチングが可能になる。
(7)第1〜第4の補助スイッチQ1〜Q4のソフトスイッチングが可能になる。
(8)第1〜第4の主スイッチS1 〜S4 のソフトスイッチングを比較的簡単な回路で達成することができ、サージ、ノイズ、及びスイッチング損失の低減を容易に達成できる。
(9)補助スイッチ制御信号形成回路54は論理回路で構成され、且つ図3から明らかのように、共振期間信号形成手段51から得られた1つの共振期間信号Vzと1つの選択信号Vselectとに基づいて第1、第2、第3及び第4の補助スイッチ制御信号Vq1、Vq2、Vq3、Vq4を形成する。従って、第1、第2、第3及び第4の補助スイッチ制御信号Vq1、Vq2、Vq3、Vq4を容易に形成することができる。
(10)昇圧回路2のダイオードD12に対して並列に共振コンデンサが接続されていないので、図5のt5 〜t6期間に昇圧回路2に電流が流れない。このため、t5 〜t6期間はダイオードD12に対して並列に共振コンデンサが接続されている場合に比較して短くなる。結果として直流電圧の利用率が良くなる。換言すれば、第1〜第4の主スイッチS1 〜S4をインバータ動作に利用する時間を長くすることができる。
図9の電力変換装置は、インバータ回路6が単相3線式インバータ回路として使用されている点を除いて、図1に示す実施例1に従う電力変換装置と同様に構成されている。即ち、図9に示す実施例2に従う電力変換装置においては、第1及び第2の交流出力端子9u、9v間に第1の単相交流電力系統10a及び負荷(図示せず)が接続され、第2及び第3の交流出力端子9v、9w間に第2の単相交流電力系統10b及び負荷(図示せず)が接続され、この他は、図1と同様に構成されている。
図9に示す実施例2に従う電力変換装置も図1と同様に構成された補助回路5を有するので、図1の実施例1に従う電力変換装置と同様な効果を得ることができる。
第1、第2及び第3の交流出力端子9u、9v、9wには3相交流電力系統及び負荷が接続される。
図10に示す実施例3に従う電力変換装置の補助スイッチ制御回路は、図3と同様に構成される。もし、デッドタイム期間の開始時に第1及び第2の補助ダイオードDa、Dbの電流が同一の場合には、補助ダイオード電流比較手段52の出力を例えば3相交流電力系統10の電圧の周期の1/4〜1/2等の所定の周期で高レベル(H)及び低レベル(L)にする。
(1)同一容量の第1及び第2の補助コンデンサCa,Cbの代りに同一電圧の第1及び第2の蓄電池を接続することができる。従って、本願での第1及び第2の補助コンデンサCa,Cbは狭義のコンデンサのみでなく蓄電池も意味している。
(2)第1、第2及び第3の交流出力端子9u,9v,9wに接続する負荷がフィルタ作用を有する場合には、第1及び第2のフィルタ用リアクトルLu,Lw、又は第1、第2及び第3のフィルタ用リアクトルLu,Lw、Lvを省くことができる。また、第1及び第2のフィルタ用コンデンサCu,Cw又は第1、第2及び第3のフィルタ用コンデンサCu,Cw、Cvを省くことができる。
(3)抵抗負荷の場合には、第1、第2、第3及び第4の主ダイオードD1,D2,D3,D4、又は第1、第2、第3、第4、第5及び第6の主ダイオードD1,D2,D3,D4、D5,D6を省くことができる。誘導負荷の場合に、第1、第2、第3及び第4の主ダイオードD1,D2,D3,D4、又は第1、第2、第3、第4、第5及び第6の主ダイオードD1,D2,D3,D4、D5,D6を省き、各主スイッチS1〜S4、又はS1〜S6を双方向スイッチとし、各主ダイオードD1〜D4、又はD1〜D6に電流が流れる期間に対応させて各主スイッチS1〜S4、又はS1〜S6をオン制御し、各主ダイオードD1〜D4、又はD1〜D6に流れていた電流を各主スイッチS1〜S4、又はS1〜S6に流すことができる。
(4)昇圧回路2を省くことができる。また、昇圧回路2の構成を変形することができる。
5 補助回路
6 インバータ回路
11 主スイッチ制御回路
12 補助スイッチ制御回路
13 昇圧スイッチ制御回路
Lr 共振リアクトル
Q1〜Q4 第1〜第4の補助スイッチ
S1〜S4 第1〜第4の主スイッチ
C1〜C4 第1〜第4の共振用コンデンサ
Claims (11)
- 直流電圧を供給するための正側導体(3)及び負側導体(4)と、
前記正側導体(3)と前記負側導体(4)との間に接続された第1及び第2の主スイッチ(S1、S2)の直列回路及び第3及び第4の主スイッチ(S3、S4)の直列回路と、前記第1、第2、第3及び第4の主スイッチ(S1、S2、S3、S4)にそれぞれ並列に接続された寄生容量又は個別コンデンサから成る第1、第2、第3及び第4の共振用コンデンサ(C1,C2,C3,C4)とを備えたインバータ回路(6又は6a)と、
前記正側導体(3)及び前記負側導体(4)との間に接続された第1の補助コンデンサ(Ca )と第1の補助スイッチ(Q1)と第2の補助スイッチ(Q2)と第2の補助コンデンサ(Cb)との直列回路と、
前記第1の補助スイッチ(Q1)に対して逆並列接続された寄生又は個別のダイオードから成る第1の補助ダイオード(Da)と、
前記第2の補助スイッチ(Q2)に対して逆並列接続された寄生又は個別のダイオードから成る第2の補助ダイオード(Db)と、
前記正側導体(3)と前記負側導体(4)との間に接続された第3及び第4の補助スイッチ(Q3、Q4)の直列回路と、
前記第3の補助スイッチ(Q3)に対して逆並列接続された寄生又は個別のダイオードから成り且つ前記正側導体(3)と前記負側導体(4)との間において前記第1の補助ダイオード(Da)と逆の方向性を有している前記第3の補助ダイオード(Dc)と、
前記第4の補助スイッチ(Q4)に対して逆並列接続された寄生又は個別のダイオードから成り且つ前記正側導体(3)と前記負側導体(4)との間において前記第2の補助ダイオード(Db)と逆の方向性を有している前記第4の補助ダイオード(Dd)と、
前記第1の補助コンデンサ(Ca)と前記第1の補助スイッチ(Q1)との直列回路と前記第2の補助コンデンサ(Cb)と前記第2の補助スイッチ(Q2)との直列回路との相互接続点と前記第3及び第4の補助スイッチ(Q3、Q4)の相互接続点との間に接続された共振リアクトル(Lr)と、
直流電圧を交流電圧に変換する時に前記インバータ回路(6又は6a)の前記第1、第2、第3及び第4の主スイッチ(S1、S2、S3、S4)をオンオフ制御する主スイッチ制御回路(11)と、
前記第1の補助コンデンサ(Ca)と前記第1の補助スイッチ(Q1)と前記共振リアクトル(Lr)と前記第4の補助スイッチ(Q4)とから成る第1の共振電流通路と前記第2の補助コンデンサ(Cb)と前記第2の補助スイッチ(Q2)と前記共振リアクトル(Lr)と前記第3の補助スイッチ(Q3)とから成る第2の共振電流通路とを択一的に形成するように前記第1、第2、第3及び第4の補助スイッチ(Q1、Q2、Q3、Q4)をオンオフ制御する補助スイッチ制御回路(12)と
を備えていることを特徴とする電力変換装置。 - 前記補助スイッチ制御回路(12)は、
前記第1〜第4の主スイッチ(S1 〜S4 )の内の少なくとも1つのターンオン時点(t3 )よりも少し前の第1の時点(t1 )から前記ターンオン時点(t3 )よりも少し後の第2の時点(t6 )までの共振期間を示す信号(Vz)を形成する共振期間信号形成手段(51)と、
前記共振リアクトル(Lr)に電流が流れる前に前記第1の補助ダイオード(Da)に流れる電流(Ida)を検出し且つ前記共振リアクトル(Lr)に電流が流れる前に前記第2の補助ダイオード(Db)に流れる電流(Idb)を検出する電流検出手段(17,18、30)と、
前記電流検出手段から得られた第1の補助ダイオード電流検出信号と第2の補助ダイオード電流検出信号とを比較し、前記第1の補助ダイオード(Da)を流れる電流(Ida)が前記第2の補助ダイオード(Db)を流れる電流(Idb)よりも小さい時に第1の値の電圧信号を出力し、前記第1の補助ダイオード(Da)を流れる電流(Ida)が前記第2の補助ダイオード(Db)を流れる電流(Idb)よりも大きい時に第2の値の電圧信号を出力する補助ダイオード電流比較手段(52)と、
前記補助ダイオード電流比較手段と前記共振期間信号形成手段とに接続され、前記補助ダイオード電流比較手段から前記第1の値の電圧信号が出力されている時に前記第2及び第3の補助スイッチ(Q2、Q3 )をオン状態に制御し、前記補助ダイオード電流比較手段から前記第2の値の電圧信号が出力されている時に前記第1及び第4の補助スイッチ(Q1、Q4)をオン状態に制御する第1、第2、第3及び第4の補助スイッチ制御信号(Vq1,Vq2,Vq3,Vq4)を形成する補助スイッチ制御信号形成回路(54)と
を備えていることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。 - 前記補助スイッチ制御回路は、更に、
グランド又は共通電位点と前記正側導体(3)との間の電圧又は前記第1の補助コンデンサ(Ca)の電圧からなる第1の直流電圧(Va)を検出する第1の直流電圧検出手段(14)と、
グランド又は共通電位点と前記負側導体(4)との間の電圧又は前記第2の補助コンデンサ(Cb)の電圧からなる第2の直流電圧(Vb)を検出する第2の直流電圧検出手段(15)と、
前記第1の直流電圧(Va)が前記第2の直流電圧(Vb)よりも大きい時に第1の値の電圧信号を出力し、前記第1の直流電圧(Va)が前記第2の直流電圧(Vb)よりも小さい時に第2の値の電圧信号を出力する直流電圧比較手段(53)と、
前記第1の直流電圧(Va)と前記第2の直流電圧(Vb)との差の値の絶対値を求める絶対値演算手段(55)と、
前記絶対値が所定値(ΔVdc)よりも大きいか否かを判定し、前記絶対値が前記所定値(ΔVdc)よりも大きい時に、前記第1の直流電圧(Va)と前記第2の直流電圧(Vb)とのアンバランスを補正することが必要であることを示すアンバランス補正必要信号を出力し、前記絶対値が前記所定値(ΔVdc)よりも小さい時に前記第1の直流電圧(Va)と前記第2の直流電圧(Vb)とのアンバランスを補正することが不必要であることを示すアンバランス補正不必要信号を出力する直流電圧アンバランス判定比較手段(57)と、
前記直流電圧アンバランス判定比較手段(57)から前記アンバランス補正不必要信号が出力されている時に前記補助ダイオード電流比較手段(52)の出力を前記補助スイッチ制御信号形成回路(54)に送り、前記直流電圧アンバランス判定比較手段(57)から前記アンバランス補正必要信号が出力されている時に前記補助ダイオード電流比較手段(52)の出力の代わりに前記直流電圧比較手段(53)の出力を前記補助スイッチ制御信号形成回路(54)に送る信号選択手段(59)とを備え、
前記補助スイッチ制御信号形成回路(54)は、更に、前記直流電圧比較手段(53)から前記第1の値の電圧信号が得られている時に、前記第2及び第3の補助スイッチ(Q2、Q3 )をオン状態に制御し、前記直流電圧比較手段(53)から前記第2の値の電圧信号が得られている時に前記第1及び第4の補助スイッチ(Q1、Q4)をオン状態に制御する信号を形成する機能を有していることを特徴とする請求項2記載の電力変換装置。 - 前記補助スイッチ制御回路は、更に、前記直流電圧アンバランス判定比較手段(57)と前記信号選択手段(59)との間に前記直流電圧アンバランス判定比較手段(57)の出力を間欠的に送る間欠制御手段(58)を有していることを特徴とする請求項3記載の電力変換装置。
- 前記共振期間信号形成手段(51)は、
前記第1〜第4の主スイッチ(S1〜S4)の内の少なくとも1つのターンオフ時点(t0)を起点とした第1の所定時間(T1)において第1の電圧値を有する第1のパルス(P1)を出力する第1のパルス形成手段(60)と、
前記第1〜第4の主スイッチ(S1〜S4)の内の少なくとも1つのターンオフ時点(t0)から、前記共振リアクトル(Lr)を通って流れる共振電流(ILr)が半サイクル以上経過した時点(t6)までの第2の所定時間(T2)において第2の電圧値を有する第2のパルス(P2)を出力する第2のパルス形成手段(61)と、
前記第1のパルス形成手段(60)と前記第2のパルス形成手段(61)とに接続され、前記第1の所定時間(T1)の終了時点(t1)から前記第2の所定時間(T2)の終了時点(t6)までの第3の所定時間(T3)において所定電圧値を有する共振期間パルス(Vz)を出力する共振期間パルス形成手段(62)と、
を備えていることを特徴とする請求項2又は3又は4記載の電力変換装置。 - 更に、前記インバータ回路は、前記第1、第2、第3及び第4の主スイッチ(S1、S2.S3,S4)にそれぞれ逆並列接続された寄生又は個別ダイオードから成る第1、第2、第3及び第4の主ダイオード(D1,D2、D3,D4)を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電力変換装置。
- 前記インバータ回路は、前記第1及び第2の主スイッチ(S1、S2)の相互接続点(25)に接続された第1の出力導体(8u)と、前記第1の補助コンデンサ(Ca)と前記第1の補助スイッチ(Q1)との直列回路と前記第2の補助コンデンサ(Cb)と前記第2の補助スイッチ(Q2)との直列回路との相互接続点(23)に接続された第2の出力導体(8v)と、前記第3及び第4の主スイッチ(S3、S4)の相互接続点(26)に接続された第3の出力導体(8w)とを有する3相V結線インバータ回路であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電力変換装置。
- 前記インバータ回路は、前記第1及び第2の主スイッチ(S1、S2)の相互接続点(25)に接続された第1の出力導体(8u)と、前記第1の補助コンデンサ(Ca)と前記第1の補助スイッチ(Q1)との直列回路と前記第2の補助コンデンサ(Cb)と前記第2の補助スイッチ(Q2)との直列回路との相互接続点(23)に接続された第2の出力導体(8v)と、前記第3及び第4の主スイッチ(S3、S4)の相互接続点(26)に接続された第3の出力導体(8w)とを有し、前記第1の出力導体(8u)と前記第2の出力導体(8v)との間に第1の負荷又は連系電源を接続し、前記第3の出力導体(8w)と前記第2の出力導体(8v)との間に第2の負荷又は連系電源を接続する単相3線式インバータ回路であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電力変換装置。
- 前記インバータ回路は、更に、前記正側導体と前記負側導体との間に接続された第5及び第6の主スイッチ(S5、S6)の直列回路を有する3相フルブリッジ型インバータ回路であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電力変換装置。
- 更に、第1の直流電源端子(1a)と、前記負側導体(4)に接続された第2の直流電源端子(1b)と、前記第1の直流電源端子(1a)の接続された一端を有する昇圧リアクトル(L11)と、前記昇圧リアクトル(L11)の他端と前記第2の直流電源端子(1b)との間に接続された昇圧スイッチ(Q11)と、前記昇圧スイッチ(Q11)に並列に接続された寄生容量又は個別コンデンサから成る共振用コンデンサ(C11)と、前記昇圧リアクトル(L11)の他端と前記正側導体(3)との間に接続された整流素子(D12)とから成る昇圧回路(2)と、
前記昇圧スイッチ(Q11)をオンオフ制御する昇圧スイッチ制御回路(13)と
を備えていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の電力変換装置。 - 更に、前記インバータ回路の第1、第2及び第3の出力導体(8u、8v、8w)に接続されたフィルタ回路(7)を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の電力変換装置。
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