JP2001320884A - 系統連系インバータ装置 - Google Patents
系統連系インバータ装置Info
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Abstract
のスイッチング動作をソフトスイッチング化したトラン
スレス方式の系統連系インバータ装置を提供する。 【解決手段】 太陽電池1から供給された直流電源は昇
圧回路4で昇圧された後インバータ回路で交流電力に変
換され、連系する商用交流電力系統3に与えられる。昇
圧回路4とインバータ回路5との間には、ゼロ電圧スイ
ッチング回路6が挿入される。制御部9は、昇圧回路4
およびインバータ回路6のスイッチング動作時に、系統
連系インバータ装置内でスイッチングを行なうすべての
スイッチ素子をゼロ電圧でスイッチングさせるように、
ゼロ電圧スイッチング回路によって共振回路を形成し
て、昇圧回路4とインバータ回路5とを連結する直流正
負母線間の電圧を0にする。
Description
ータ装置に関し、特に、直流電源、発電機等の電力供給
源をトランスを介さずに、連系する商用交流電力系統に
接続するトランスレス方式の系統連系インバータ装置に
関する。
光発電システムが実用化されている。このようなシステ
ムにおいては、太陽電池によって発生する直流電力を系
統連系インバータ装置によって商用周波数の交流電力に
変換し、連系する商用交流電力系統に接続されている家
庭内負荷に供給するように構成されている。また、この
システムにおいては、余剰電力を自動的に連系する電力
系統側に逆潮流することも可能である。
換する系統連系インバータ装置としては、従来から、直
流電源側と商用交流電源側とを高周波トランスによって
絶縁して結合する高周波絶縁方式の系統連系インバータ
装置が用いられている。図12は、このような従来の高
周波絶縁方式の系統連系インバータ装置の一例を示す回
路図である。
出力は、高周波インバータ回路107に与えられる。高
周波インバータ回路107は、直流の正負母線の間に接
続された、各々が直列接続された2つのスイッチ素子か
らなる2つのアームで構成されている。そして、それぞ
れのアームのスイッチ素子の連結点が高周波トランス1
08の1次側に接続されている。
与えられた直流出力は、それぞれのスイッチ素子のオン
オフ時間制御によってパルス幅変調(PWM)されて高
周波ACパルスに変換され、高周波トランス108の1
次側に与えられる。そして、高周波トランス108によ
って絶縁および昇圧された高周波ACパルスはダイオー
ドブリッジ109に与えられ、整流される。
ルタ回路110によって波形の平滑化が施された後、低
周波インバータ回路111に与えられる。低周波インバ
ータ回路111は、正負の母線間に接続された各々が直
列接続された2つのスイッチ素子からなる2つのアーム
で構成されている。そして、それぞれのアームのスイッ
チ素子の連結点がACフィルタ112の入力に接続され
ている。
直流波形は、それぞれのスイッチ素子のオンオフ時間制
御によって、商用交流周波数の半周期ごとに波形が折返
されて交流波形に変換される。この交流出力はさらに、
ACフィルタ112および連系リレー105を介して、
商用交流電源系統106に接続される。
インバータ装置においては、高周波トランス108の前
段および後段における電圧波形は高周波AC電圧波形で
あるため、高周波トランス108の後段に、整流を行な
う回路(ダイオードブリッジ109)、平滑化を行なう
回路(フィルタ回路110)、さらには波形の折返しを
行なう回路(低周波インバータ回路111)などを設け
る必要があり、回路構成が複雑化し、製造コストの上昇
を避けることができなかった。
バータ装置の問題点に鑑み、トランスレス方式の系統連
系インバータ装置が提案されている。
ンバータ装置は、たとえば岡土千尋他による1996年
の太陽/風力エネルギ講演論文集の第29頁〜第32頁
の「トランスレス・パワーコンディショナの商品開発」
に開示されている。図13は、上記文献に開示された従
来のトランスレス方式の系統連系インバータ装置の一例
を示す回路図である。
出力は、ノイズフィルタ114を介して昇圧回路102
に与えられる。昇圧回路102は、直流の正負母線の正
母線上に直列に挿入されたリアクトルLaおよびダイオ
ードDaと、入力側の正負母線間に接続されたコンデン
サCaと、出力側の正負母線間に接続されたコンデンサ
Cbと、リアクトルLaおよびダイオードDaの連結点
と、直流の正負母線の負母線との間に接続されたスイッ
チ素子Saとを備えた昇圧チョッパである。この昇圧チ
ョッパは、直流電源101の直流電圧を一定電圧に昇圧
する。
圧は、インバータ回路103に与えられる。インバータ
回路103は、正負母線の間に接続された、2つのスイ
ッチ素子Sb,Scからなる第1のアームと、2つのス
イッチ素子Sd,Seからなる第2のアームとから構成
される。そして、それぞれのアームのスイッチ素子の連
結点がフィルタ回路104の入力に接続される。
れた直流電圧は、それぞれのスイッチ素子のオン時間幅
の制御によってパルス幅変調されて、交流出力に変換さ
れる。インバータ回路103の交流出力は、フィルタ回
路104、ノイズフィルタ115、および連系リレー1
05を介して、商用交流電源系統106に接続される。
系インバータ装置は、主として、昇圧回路部分(10
2)と、インバータ回路部分(103)とから成り立っ
ており、構成が簡単である。したがって、前述の高周波
絶縁方式の系統連系インバータ装置と比較して、トラン
スレス化により、部品点数の大幅な削減を図ることがで
き、装置の小型化、低コスト化が可能となる。また同時
に、入出力間の電流経路上の素子数も減少するため、系
統連系インバータ装置の動作の高効率化を図ることがで
きる。
方式の系列連系インバータ装置では、高周波インバータ
回路107が150〜200Vの直流電圧のスイッチン
グを行なうのに対し、図13に示したトランスレス方式
の系統連系インバータ装置では、直流電源の直流電圧を
昇圧回路102で昇圧して得られる300〜400Vの
直流電圧をインバータ回路103でスイッチングするた
め、高周波絶縁方式に比べて高周波ノイズレベルが上昇
する恐れがある。
規格および省エネルギーの要請により、ノイズの抑制お
よび変換効率の向上が求められている。しかしながら、
上述のように高電圧状態でスイッチングを行なういわゆ
るハードスイッチング方式のトランスレス系統連系イン
バータ装置では、大きなスイッチングノイズおよびスイ
ッチング損失が発生し、根本的なEMC対策は困難であ
る。
する対策としては、L,Cおよびスイッチ素子等で構成
される共振回路をトランスレス系統連系インバータ装置
に付加し、共振を利用して主要回路のスイッチ素子に印
加される電圧がゼロとなる期間を作り出し、その間にス
イッチングを行なうことにより、スイッチングノイズや
スイッチング損失を抑制するソフトスイッチング方式の
系統連系インバータ装置が提案されており、たとえば特
開平10−155280号に開示されている。
イッチング方式のトランスレス系統連系インバータ装置
の一例を示す回路図である。図14に示したトランスレ
ス系統連系インバータ装置は、図13に示したトランス
レス系統連系インバータ装置と次の点で異なっている。
回路103との間に、ゼロ電圧回路113が挿入されて
いる。このゼロ電圧回路113は、昇圧回路102と、
インバータ回路103とを連結する直流正負母線の正母
線に挿入されたスイッチ素子SW1と、直流の正負母線
間に直列に接続されたスイッチ素子SW2、リアクト
ル、およびコンデンサが並列に接続されたスイッチング
素子SW3と、直流正負母線間に接続された、互いに並
列接続されたダイオードおよびコンデンサとを備えてい
る。
03内のスイッチ素子のオン・オフのスイッチング時に
一時的にインバータ回路103の入力電圧がゼロになる
ように、スイッチ素子SW1〜SW3のオン・オフを制
御して、インバータ回路103のスイッチング動作ごと
に共振回路を構成する。
に示したようなソフトスイッチング方式の系統連系イン
バータ装置では、スイッチ素子が多数追加されるため、
回路構成が複雑化し、コストの増大を招来している。
のように直流正負母線のうち正母線に直列に挿入された
スイッチ素子は、オン抵抗損失による顕著な変換効率の
劣化をもたらす。
3は、インバータ回路103のスイッチングの都度、す
なわちインバータ回路103内の各スイッチ素子のター
ンオン時、ターンオフ時の双方で共振動作を実行するの
で、各スイッチ素子を駆動するPWMパルスの1つごと
に、2回共振動作を実行する必要がある。共振回路の動
作回数の増大は共振損失の増大に繋がるので望ましくな
い。
に追加したゼロ電圧回路113内のスイッチ素子もゼロ
電圧でスイッチングを行なわなければ、同様にノイズお
よび効率の低下の問題を引き起こしてしまう。
単な構成で、すべてのスイッチ素子のスイッチング動作
をソフトスイッチング化した、トランスレス方式の系統
連系インバータ装置を提供することである。
ズおよびスイッチング損失を抑制した、トランスレス方
式の系統連系インバータ装置を提供することである。
ッチングのために最小限の共振動作を行なう、トランス
レス方式の系統連系インバータ装置を提供することであ
る。
インバータ装置は、直流電源と、昇圧手段と、インバー
タ手段と、連系手段と、ゼロ電圧スイッチング手段と、
制御手段とを備える。直流電源は、直流電圧を供給す
る。昇圧手段は、直流電源によって供給される直流電圧
をスイッチング動作によって昇圧する。インバータ手段
は、昇圧手段によって昇圧された直流電圧をスイッチン
グ動作によって交流電圧に変換する。連系手段は、イン
バータ手段から出力される交流電圧を、連系する電力系
統に接続する。ゼロ電圧スイッチング手段は、昇圧手段
とインバータ手段とを連結する直流正負母線間に接続さ
れる。制御手段は、昇圧手段およびインバータ手段のス
イッチング動作時に、昇圧手段およびインバータ手段に
おいてスイッチングを行なうすべての素子をゼロ電圧で
スイッチングさせるように、ゼロ電圧スイッチング手段
内に共振回路を形成して直流正負母線間の電圧をゼロに
する。
およびインバータ手段のスイッチング時の一瞬だけゼロ
電圧スイッチング手段内の共振回路を動作させて、直流
正負母線間をゼロ電圧にしてソフトスイッチングを実現
しているので、スイッチングノイズおよびスイッチング
損失の軽減を図ることができる。
バータ装置において、ゼロ電圧スイッチング手段は、互
いに直列接続された第1および第2のコンデンサを含
み、第2のコンデンサは直流正負母線の負母線に接続さ
れ、昇圧手段によって昇圧された直流電圧を第1および
第2のコンデンサによって平滑化するように、第1のコ
ンデンサを直流正負母線の正母線に接続する第1のスイ
ッチ素子と、第1および第2のコンデンサの連結点と、
直流正負母線の正母線との間に直列接続された第2のス
イッチ素子および第1のリアクトルと、直流正負母線間
に接続された第3のコンデンサとをさらに含み、制御手
段は、第2のコンデンサから、第3のコンデンサ、第1
のリアクトル、および第2のスイッチ素子を通って第2
のコンデンサに帰還するループによって共振回路を形成
する。
手段の第1および第2のコンデンサは、系統連系インバ
ータ装置の運転中においては、ほとんどの期間中は昇圧
電圧を平滑化する平滑化コンデンサとして機能し、昇圧
手段およびインバータ手段のスイッチング時の一瞬だ
け、共振回路の構成要素を兼ねるため、部品点数の増加
を招来することなく、ソフトスイッチングを実現するこ
とができる。
インバータ装置において、昇圧手段は昇圧チョッパ回路
であり、昇圧チョッパ回路は、直流正負母線の正母線に
直に挿入された第2のリアクトルおよびダイオードと、
第2のリアクトルおよびダイオードの連結点と、直流正
負母線の負母線との間に接続された第3のスイッチ素子
と、ダイオードに並列に接続された第4のコンデンサ
と、第3のスイッチ素子に並列に接続された第5のコン
デンサとを含む。
置を構成する昇圧手段内のダイオードおよびスイッチ素
子にはそれぞれコンデンサが並列に接続されているた
め、これらの素子のターンオフ時には、ゼロ電圧スイッ
チング回路の助けを必要とせず昇圧手段単独で常にゼロ
電圧でターンオフ動作を行なう。したがって、昇圧手段
のスイッチング動作周期ごとにターンオン時の1回だけ
共振回路を動作させればよく、共振回路の動作回数の低
減を図ることができる。
インバータ装置において、制御手段は、共通のパルス幅
変調(PWM)キャリア信号に基づいて、昇圧手段およ
びインバータ手段を駆動するPWMパルスを発生する手
段を含み、昇圧手段およびインバータ手段においてスイ
ッチングを行なうすべての素子は、PWMパルスによっ
てオン・オフ制御される。
ータ手段のすべてのスイッチ素子を制御するPWMパル
スは、共通のPWMキャリア信号に基づいて生成される
ため、昇圧手段およびインバータ手段のすべてのスイッ
チ素子のゼロ電圧スイッチングを同じタイミングで、す
なわち1回のゼロ電圧スイッチング手段の動作によって
行なうことができ、共振回路の動作回数を軽減すること
ができる。
インバータ装置において、インバータ手段はフルブリッ
ジインバータ回路であり、フルブリッジインバータ回路
は、ゼロ電圧スイッチング手段側で、直流正負母線間に
直列に接続された第4および第5のスイッチ素子を含む
第1のアームと、連系手段側で、直流正負母線間に直列
に接続された第6および第7のスイッチ素子を含む第2
のアームとを含み、制御手段は、第2のアームの第6お
よび第7のスイッチ素子を、連系する電力系統と同じ周
波数で互いに逆位相でスイッチングし、かつ第1のアー
ムの第4および第5のスイッチ素子を、連系する電力系
統の周波数よりも高いPWMキャリア信号周波数で互い
に逆位相でスイッチングする。
のアームのスイッチ素子は、連系する商用周波数で動作
し、インバータ手段の出力電流のゼロクロス点でのみス
イッチングする。したがって、第2のアームのスイッチ
素子は独立してソフトスイッチングを行なうことができ
る。
ータ装置は、直流電源と、昇圧手段と、インバータ手段
と、連系手段と、ゼロ電圧スイッチング手段と、制御手
段とを備える。直流電源は、直流電圧を供給する。昇圧
手段は、直流電源によって供給される直流電圧をスイッ
チング動作によって昇圧する。インバータ手段は、昇圧
手段によって昇圧された直流電圧をスイッチング動作に
よって交流電圧に変換する。連系手段は、インバータ手
段から出力される交流電圧を、連系する電力系統に接続
する。ゼロ電圧スイッチング手段は、昇圧手段とインバ
ータ手段とを連結する直流正負母線間に接続される。制
御手段は、昇圧手段およびインバータ手段のスイッチン
グ動作時に、昇圧手段およびインバータ手段においてス
イッチングを行なうすべての素子をゼロ電圧でスイッチ
ングさせるように、ゼロ電圧スイッチング手段およびイ
ンバータ手段内に共振回路を形成して直流正負母線間の
電圧をゼロにする。
およびインバータ手段のスイッチング時の一瞬だけ、ゼ
ロ電圧スイッチング手段およびインバータ手段内に共振
回路を形成し、直流正負母線間をゼロ電圧にしているの
で、昇圧手段およびインバータ手段に加えて、ゼロ電圧
スイッチング手段内のスイッチ素子もゼロ電圧でソフト
スイッチング可能となる。したがって、スイッチングノ
イズおよびスイッチング損失の軽減を図ることができ
る。
バータ装置において、ゼロ電圧スイッチング手段は、互
いに直列接続された第1および第2のコンデンサを含
み、第2のコンデンサは直流正負母線の負母線に接続さ
れ、昇圧手段によって昇圧された直流電圧を第1および
第2のコンデンサによって平滑化するように、第1のコ
ンデンサを直流正負母線の正母線に接続する第1のスイ
ッチ素子と、第1および第2のコンデンサの連結点と、
直流正負母線の正母線との間に直列接続された第2のス
イッチ素子および第1のリアクトルとをさらに含み、イ
ンバータ手段はフルブリッジインバータ回路であり、フ
ルブリッジインバータ回路は、ゼロ電圧スイッチング手
段側で、直流正負母線間に直列に接続された第3および
第4のスイッチ素子を含む第1のアームと、連系手段側
で、直流正負母線間に直列に接続された第5および第6
のスイッチ素子を含む第2のアームと、第3および第4
のスイッチ素子にそれぞれ並列に接続された第3および
第4のコンデンサとを含み、制御手段は、第3および第
4のスイッチ素子を互いに逆位相でスイッチングし、第
2のコンデンサから、第4のスイッチ素子、第3のコン
デンサ、第1のリアクトル、および第2のスイッチ素子
を通って第2のコンデンサに帰還するループ、または第
2のコンデンサから、第4のコンデンサ、第3のスイッ
チ素子、第1のリアクトル、および第2のスイッチ素子
を通って第2のコンデンサに帰還するループによって共
振回路を形成する。
手段の第1および第2のコンデンサは、系統連系インバ
ータ装置の運転中においては、ほとんどの期間中は昇圧
電圧を平滑化する平滑化コンデンサとして機能し、昇圧
手段およびインバータ手段のスイッチング時の一瞬だ
け、共振回路の構成要素を兼ねるため、部品点数の増加
を招来することなくソフトスイッチングを実現すること
ができる。また、インバータ手段の第1のアームのスイ
ッチ素子にはそれぞれコンデンサが並列に接続されてい
るため、これらの素子のターンオフ時には、ゼロ電圧ス
イッチング手段の助けを必要とせずインバータ手段単独
で常にゼロ電圧でターンオフ動作を実行する。したがっ
て、インバータ手段のスイッチング動作周期ごとにター
ンオン時の1回だけ共振回路を動作させればよく、共振
回路の動作回数の低減を図ることができる。
インバータ装置において、昇圧手段は昇圧チョッパ回路
であり、昇圧チョッパ回路は、直流正負母線の正母線に
直列に挿入された第2のリアクトルおよびダイオード
と、第2のリアクトルおよびダイオードの連結点と、直
流正負母線の負母線との間に接続された第7のスイッチ
素子と、ダイオードに並列に接続された第5のコンデン
サと、第7のスイッチ素子に並列に接続された第6のコ
ンデンサとを含む。
置を構成する昇圧手段内のダイオードおよびスイッチ素
子にはそれぞれコンデンサが並列に接続されているた
め、これらの素子のターンオフ時には、ゼロ電圧スイッ
チング手段の助けを必要とせず昇圧手段単独で常にゼロ
電圧でターンオフ動作を行なう。したがって、昇圧手段
のスイッチング動作周期ごとにターンオン時の1回だけ
共振回路を動作させればよく、共振回路の動作回数の低
減を図ることができる。
インバータ装置において、制御手段は、共通のPWMキ
ャリア信号に基づいて、昇圧手段およびインバータ手段
を駆動するPWMパルスを発生する手段を含み、昇圧手
段およびインバータ手段においてスイッチングを行なう
すべての素子は、PWMパルスによってオン・オフ制御
される。
ータ手段のすべてのスイッチ素子を制御するPWMパル
スは、共通のPWMキャリア信号に基づいて生成される
ため、昇圧手段およびインバータ手段のすべてのスイッ
チ素子のゼロ電圧スイッチングを同じタイミングで、す
なわち1回のゼロ電圧スイッチング手段の動作によって
行なうことができ、共振回路の動作回数を軽減すること
ができる。
インバータ装置において、制御手段は、第2のアームの
第5および第6のスイッチ素子を、連系する電力系統と
同じ周波数で互いに逆位相でスイッチングし、かつ第1
のアームの第3および第4のスイッチ素子を、連系する
電力系統の周波数よりも高いPWMキャリア信号周波数
で互いに逆位相でスイッチングする。
のアームのスイッチ素子は、連系する商用周波数で動作
し、インバータ手段の出力電流のゼロクロス点でのみス
イッチングする。したがって、PWMキャリア信号周波
数を商用周波数の整数倍にすれば、第2のアームのスイ
ッチ素子には、第1のアームのスイッチ素子のようにス
イッチ素子に並列接続したコンデンサは必要なく、独立
してソフトスイッチングを行なうことができる。
ータ装置は、直流電源と、昇圧手段と、インバータ手段
と、連系手段と、ゼロ電圧スイッチング手段と、制御手
段とを備える。直流電源は直流電圧を供給する。昇圧手
段は、直流電源によって供給される直流電圧をスイッチ
ング動作によって昇圧する。インバータ手段は、昇圧手
段によって昇圧された直流電圧をスイッチング動作によ
って交流電圧に変換する。連系手段は、インバータ手段
から出力される交流電圧を、連系する単相3線式電力系
統に接続する。ゼロ電圧スイッチング手段は、昇圧手段
とインバータ手段とを連結する直流正負母線間に接続さ
れかつ単相3線式電力系統の中性線に接続される。ゼロ
電圧スイッチング手段は、互いに直列接続された第1お
よび第2のコンデンサを含み、第2のコンデンサは直流
正負母線の負母線に接続され、昇圧手段によって昇圧さ
れた直流電圧を第1および第2のコンデンサによって平
滑化するように、第1のコンデンサを直流正負母線の正
母線に接続する第1のスイッチ素子をさらに含み、中性
線は、直流電源の正極側と、第1および第2のコンデン
サの連結点とに接続される。制御手段は、昇圧手段およ
びインバータ手段のスイッチング動作時に、昇圧手段お
よびインバータ手段においてスイッチングを行なうすべ
ての素子をゼロ電圧でスイッチングさせるように、ゼロ
電圧スイッチング手段およびインバータ手段内に共振回
路を形成して直流正負母線間の電圧をゼロにする。
連系する系統連系インバータ装置においても同様にすべ
てのスイッチ素子のソフトスイッチングを実現すること
ができる。
面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相
当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
系統連系インバータ装置を示す回路図である。図1を参
照して、直流電源である太陽電池1からの直流電力は、
系統連系インバータ装置2により、商用周波数の交流電
力に変換されて、連系する商用交流電力系統3に接続さ
れる。
からの150〜250Vの直流出力電圧を350V程度
にまで昇圧する昇圧回路4と、昇圧回路4で昇圧された
直流電圧を交流電圧に変換するフルブリッジインバータ
回路5と、昇圧回路4とフルブリッジインバータ回路5
との間に挿入されたゼロ電圧スイッチング回路6と、フ
ルブリッジインバータ回路5からの交流出力を平滑化す
るフィルタ回路7と、フィルタ回路7の交流出力端と商
用交流電力系統3との接続を開閉する連系リレー8と、
制御部9とを備えている。制御部9は、昇圧回路4、フ
ルブリッジインバータ回路5およびゼロ電圧スイッチン
グ回路6内のスイッチ素子のゲート制御を行なうために
複数のPWM制御信号を発生する。
直列に挿入されたリアクトルL2およびダイオードD1
と、リアクトルL2およびダイオードD1の連結点と直
流の正負母線の負母線との間に接続され、制御部9から
のPWM信号によりオン・オフ制御されるスイッチ素子
S7とにより構成される昇圧チョッパである。この昇圧
チョッパは、太陽電池1の直流出力電圧を1以上の昇圧
比で昇圧して、後段のフルブリッジインバータ回路5に
与える。
チ素子S3,S4からなるアームA1と、スイッチ素子
S5,S6からなるアームA2とから構成され、これら
のスイッチ素子は、昇圧回路4の場合と同様に、制御部
9からの対応するPWM制御信号によりオン・オフ制御
される。この結果、フルブリッジインバータ回路5は、
ACパルスを生成して、後段のフィルタ回路7に出力す
る。なお、1つのアーム内で2つのスイッチ素子が同時
にオンすると、太陽電池1の両端が当該アーム内で短絡
されることになり、過電流でスイッチ素子が破壊される
恐れがあるため、各アーム内の2つのスイッチ素子は必
ず逆位相でスイッチング動作するように制御部9により
制御されている。
列に接続された出力電圧平滑用のコンデンサC1,C2
と、コンデンサC1,C2を直流正負母線間に接続する
スイッチ素子S1と、直列接続されたコンデンサC1,
C2の連結点と直流正負母線の正母線との間に直列に接
続されたスイッチ素子S2およびリアクトルL1と、直
流正負母線間に接続されたコンデンサC3とを備えてい
る。スイッチ素子S1の主たる機能は、ゼロ電圧動作
(以下、転流動作と称する)時に、平滑コンデンサC1
を、昇圧回路4とフルブリッジインバータ回路5とを連
結する直流正負母線の正母線から切離し、転流動作終了
後に再度接続することである。一方、スイッチ素子S2
の主たる機能は、上記転流動作の開始時および初期の期
間にリアクトルL1に共振動作に必要な電流を供給する
ことである。
成することもできる。図2に示した昇圧回路4において
は、スイッチ素子S7およびダイオードD1に、それぞ
れ、並列にコンデンサC6,C7が接続されている。こ
のような構成を採用することにより、スイッチ素子S7
およびダイオードD1のオン状態からオフ状態への転移
時における単独のゼロ電圧スイッチングが可能となる。
ッジインバータ回路5内のそれぞれのスイッチ素子のス
イッチング動作を示すタイミング図である。また、図4
は、図1に示した制御部9の詳細な構成を示すブロック
図である。
の第1の実施形態による系統連系インバータ装置2の動
作について説明する。
回路10は、フルブリッジインバータ回路5の出力電流
を検出し、制御部9の電流指令信号生成部11に与え
る。電流指令信号生成部11は、与えられた電流値を基
にPWMの電流指令信号Irefを生成し(図3
(a))、このIrefと、キャリア信号生成部12か
ら出力されるキャリア信号Icrとが比較器13におい
て比較される。このキャリア信号Icrは、図3(a)
に示すような鋸波である。
系統3の電圧を検出し、制御部9の比較器15の一方入
力に与える。比較器15の他方入力には0Vが印加さ
れ、比較器15は入力された電圧値を0Vと比較し、こ
れにより商用交流電力系統のゼロクロスが検出される。
較器15のゼロクロス検出出力を基に、商用交流電力系
統ACの半周期ごとに、アームA2のスイッチ素子S
5,S6のオン・オフを交互に切換えるドライブ信号
(図3(d),(e))を生成し、アームA2のスイッ
チ素子S5,S6に与える。インバータドライブ信号生
成部16は、比較器13および15の出力を基に、キャ
リア信号周波数で互いに逆位相でスイッチングするPW
M信号(図3(b),(c))を生成し、アームA1の
スイッチ素子S3,S4に与える。
リア信号Icrの周波数を、電流指令信号Irefの周
波数の整数倍に設定しておけば、アームA2のスイッチ
ング動作をアームA1のスイッチング動作に同期させる
ことが可能である。たとえば、PWMキャリア信号Ic
rを20kHz、電流指令信号Irefを50Hzに設
定してもよい。
昇圧回路4の出力電圧・電流を検出し、制御部9の昇圧
比指令信号生成部18に与える。昇圧比指令信号生成部
18は、与えられた電圧・電流値を基に昇圧比指令信号
Ichを生成し、図3(g)に示すように、このIch
と、キャリア信号Icrとが比較器19において比較さ
れる。インバータドライブ信号生成部16は、比較器1
9の出力を基に、アームA1のスイッチ素子のオン時刻
と同期してキャリア信号周波数でスイッチングするPW
M信号(図3(f))を生成し、昇圧回路4内のスイッ
チ素子S7に与える。
5に示すように構成することもできる。すなわち、図1
および図2のゼロ電圧スイッチング回路6に設けられて
いたコンデンサC3を省略し、代わりにフルブリッジイ
ンバータ回路5を構成するアームA1のスイッチ素子S
3,S4に、それぞれ、並列にコンデンサC4,C5を
接続する。この図5の構成において、スイッチ素子S3
がオンでスイッチ素子S4がオフのときにはコンデンサ
C5がリアクトルL1との共振に利用され、スイッチ素
子S3がオフでスイッチ素子S4がオンのときにはコン
デンサC4がリアクトルL1との共振に利用されること
となり、結果としてもたらされる共振動作は、図1およ
び図2の系統連系インバータ装置の場合と同じである。
バータ装置2のフルブリッジインバータ回路5を等価イ
ンバータ回路21で置き換えた、系統連系インバータ装
置のシステム図である。
明の第1の実施の形態による系統連系インバータ装置の
ソフトスイッチング動作について説明する。
ータ回路5のすべてのスイッチ素子をS3′で代表し、
フルブリッジインバータ回路5の共振コンデンサC4,
C5をC3′で代表し、フルブリッジインバータ回路5
を負荷電流ILが流れていることを電流源22で表わし
ている。また、等価インバータ回路21におけるスイッ
チ素子S3′、ゼロ電圧スイッチング回路6におけるス
イッチ素子S1,S2に、それぞれ逆並列接続されるダ
イオードは、Ds,Ds1,Ds2で表わしている。ゼ
ロ電圧スイッチング回路6において、リアクトルL1の
電流は、図6に示した矢印の方向を正方向とする。
図5に示した実際のフルブリッジインバータ回路5と
の、スイッチング状態の対応関係について説明する。た
とえば、等価インバータ回路21においてスイッチ素子
S3′がオフのときは、実際のフルブリッジインバータ
回路5ではスイッチ素子S3およびS6がオンでS4お
よびS5がオフの場合、またはスイッチ素子S3および
S6がオフでS4およびS5がオンの場合の2種類に対
応する。また、等価インバータ回路21においてスイッ
チ素子S3′がオンのときは、実際のフルブリッジイン
バータ回路5ではスイッチ素子S4およびS6がオンで
S3およびS5がオフの場合、またはスイッチ素子S4
およびS6がオフでS3およびS5がオンの場合の2種
類に対応する。
系インバータ装置を構成するそれぞれのスイッチ素子S
1,S3,S3′,S7における信号波形と、リアクト
ルL1における電流波形と、直流正負母線間電圧Vli
nk(以下、直流リンク電圧と称する)波形とを示して
いる。
変わり、後述するように11のモードから成り立ってい
る。図8は、これら11のモードのそれぞれにおける転
流動作を、等価インバータ回路21を用いて説明する図
である。
に説明する。たとえばモード5における動作を示す図を
参照すると、Ds2=on〜Ds=off,S3′=o
nという表記は、ダイオードDs2のオンで当該モード
期間が始まり、ダイオードDsのオフおよびスイッチ素
子S3′のオンで当該モード期間が終わることを示して
いる。
スイッチ素子S3′を通じて実際に電流が流れているこ
とを示しているため、図7に示したスイッチ素子のター
ンオンおよびターンオフのタイミングと一致していると
は限らない。このことは、必ずしもスイッチ素子がター
ンオンした時点ですぐにそのスイッチ素子に電流が流れ
始めるとは限らないことに起因している。これらの要因
に鑑み、図7のタイミング図においては、実際のスイッ
チのオン・オフのタイミングを示し、図8においては、
それぞれの素子に実際の電流が流れる経路(実線)と流
れない経路(破線)とを区別して示すこととする。
系統連系インバータ装置の動作状態について、図7のタ
イミング図および図8の回路状態図を参照して説明す
る。
素子S7がオフでゼロ電圧スイッチング回路6のスイッ
チ素子S1がオンしており、直流リンク電圧Vlink
は平均的にはある一定値Edに保たれる。この結果、直
列接続された平滑コンデンサC1およびC2はEd/2
ずつに分割されて充電されているものとする。また、負
荷電流は、一定電流ILであり、太陽電池1から昇圧回
路4と等価インバータ回路21とを通り循環しているも
のとする。
してモード2の段階に入ると、平滑コンデンサ電圧Ed
/2がリアクトルL1にかかり、リアクトルL1電流を
直線的に増加させる。図7を参照して、リアクトルL1
電流が、負荷電流ILよりも大きなある一定値Ir1
(Ir1<IL)に達すると、図示しない制御部9はゼ
ロ電圧スイッチング回路6のスイッチ素子S1をオフす
る(モード2終了)。
共振コンデンサC3′と共振リアクトルL1との作用に
より、図7に示すように、直流リンク電圧Vlinkが
減少し、ゼロ電圧まで低下する。ゼロ電圧に達するとス
イッチ素子S3′の逆並列ダイオードDsが導通する
(モード3終了)。
と、直流リンク電圧Vlinkがゼロのため太陽電池1
で発生する直流電圧は昇圧回路4のリアクトルL2に印
加され、電流を増加させる。一方、リアクトルL1の電
流は、等価インバータ21の逆並列ダイオードDsの導
通により短絡状態となるため、さらに減少してゼロに到
達する(モード4終了)。この逆並列ダイオードDsが
導通している期間中に、昇圧回路4のスイッチ素子S7
と等価インバータ回路21のスイッチ素子S3′をオン
しておく(ゼロ電圧スイッチング)。昇圧回路4のリア
クトルL2電流は、この後スイッチ素子S7をオフする
まで直線的に増加し続ける。
よってゼロスイッチング回路6のスイッチ素子S2の逆
並列ダイオードDs2が導通してモード5の段階に入
る。リアクトルL1の電流はモード4における減少を引
き継いで、これまでとは逆方向に増加して負荷電流IL
と等しくなる(モード5終了)。逆並列ダイオードDs
2が導通している間に、スイッチ素子S2をオフしてお
く(ゼロ電流スイッチング)。
価インバータ回路21のスイッチ素子S3′を通じて流
れるため、ダイオードDsはオフし、モード6の段階に
入る。リアクトルL1の電流はさらに増加し、ある一定
値Ir2(Ir2>IL)に達すると、スイッチ素子S
3′をオフする(モード6終了)。このとき、直流リン
ク電圧Vlinkはゼロなので、スイッチ素子S3′の
オフはゼロ電圧スイッチングとして行なわれる。
てモード7の段階に入ると、リアクトルL1の電流が共
振コンデンサC3′を充電することにより、直流リンク
電圧Vlinkの上昇が始まる。直流リンク電圧Vli
nkが平滑コンデンサC1およびC2の充電電圧の和の
電圧にまで達すると、ゼロ電圧スイッチング回路6のス
イッチ素子S1の逆並列ダイオードDs1が導通する
(モード7終了)。ダイオードDs1の導通により、直
流リンク電圧Vlinkは平滑コンデンサC1およびC
2の充電電圧の和に保たれる。
モード8の段階に入ると、リアクトルL1の電流はさら
に減少し、負荷電流ILに等しくなると、逆並列ダイオ
ードDs1には電流は流れなくなる(モード8終了)。
モード8において逆並列ダイオードDs1が導通してい
る期間中に、ゼロ電圧スイッチング回路6におけるスイ
ッチ素子S1をゼロ電流スイッチングでオンしておく。
とモード9の段階に入る。モード8において既にスイッ
チ素子S1がオンされているので、平滑コンデンサC1
およびC2からなる直列回路は引続いて直流正負母線間
に接続される。したがって、平滑コンデンサC1の放電
により、リアクトルL1の電流はゼロまで減少する。L
1電流がゼロになると、ゼロ電圧スイッチング回路6の
スイッチ素子S2の逆並列ダイオードDs2には電流が
流れなくなる(モード9終了)。
入る。ゼロ電圧スイッチング回路6のスイッチ素子S1
は既に導通しているので、平滑コンデンサC1およびC
2が負荷電流ILを流し続けることになる。昇圧回路4
のスイッチ素子S7のオフによりモード10は終了す
る。スイッチ素子S7の導通期間は、平滑コンデンサ電
圧の平均値が一定になるように制御されるので、それに
よってオフのタイミングが決定される。また、スイッチ
素子S7のオフ動作は並列コンデンサC6の作用により
ゼロ電圧スイッチングとして行なわれる。
オフしており、リアクトルL2を介して並列コンデンサ
C6が充電される。コンデンサC6の両端の電圧と直流
リンク電圧Vlinkとが等しくなると、昇圧回路4の
ダイオードD1が導通し(モード11終了)、モード1
へ戻る。
の一連の動作であり、昇圧回路4のスイッチ素子S7、
ゼロ電圧スイッチング回路6のスイッチ素子S1,S
2、および等価ダイオード回路21のスイッチ素子S
3′のオン・オフは制御部9からの制御信号によって制
御され、これによりゼロ電圧またはゼロ電流のソフトス
イッチングが達成されている。上述の一連の動作の途中
で、モード4,5および6においては直流リンク電圧V
linkがゼロとなっているため、これらのモードの期
間中に等価インバータ回路21において必要なスイッチ
素子のオン・オフと、昇圧回路4のスイッチのオンとを
行なえば、システムのゼロ電圧スイッチングを達成する
ことができる。
は、図2に示した実際の系統連系インバータ2における
PWM動作と直流リンク電圧Vlink波形との対応を
示している。ここで、電圧Edは、平滑コンデンサC1
およびC2の充電電圧の和である。図2に関連して先に
説明したように、昇圧回路4に含まれるスイッチ素子の
ターンオフは、ゼロ電圧スイッチング回路6に助けられ
ることなく、単独でゼロ電圧スイッチングで行なうこと
ができるので、そのターンオンだけをフルブリッジイン
バータ回路5のスイッチング動作と同時に行なう。
2のスイッチ素子S6がオンの期間中はアームA1のス
イッチ素子S3をオンする前に、またアームA2のスイ
ッチ素子S5がオンの期間中はアームA1のスイッチ素
子S3をオフ(すなわちS4をオン)する前に、ゼロ電
圧スイッチング回路6を動作させるようにすれば、PW
Mキャリア信号Icrの周期ごとに1回だけ共振回路を
動作させることにより、系統連系インバータ装置2全体
のソフトスイッチング動作を実現することができる。
リッジインバータ回路5の出力電圧VLと負荷電流IL
との位相差がゼロ、すなわち力率が1の場合のPWMス
イッチングタイミングを示しているが、負荷電流ILの
位相が遅れている場合、すなわち力率が1以下の場合に
は、PWMパルスの生成方法は若干変化する。図9は、
そのような場合におけるそれぞれのスイッチ素子のスイ
ッチングタイミングを示すタイミング図である。図3の
タイミング図と比較して、図9のタイミング図が異なる
点は、図9に示したXおよびX′の期間、すなわち出力
電圧VLおよび負荷電流ILの正負が異なっている区間
のPWMキャリア信号Icr′波形のみである。このX
およびX′の期間中にのみ、PWMキャリア信号Ic
r′の符号を反転させて、逆の鋸波とする。
ッジインバータ回路5の動作状態を示す図である。図1
0の(a)においては、負荷電流ILは負の電流で図中
矢印の方向に流れているため、スイッチ素子S4のター
ンオン直前に直流リンク電圧Vlinkを0にしなけれ
ば、スイッチ素子S4のゼロ電圧スイッチングを実行す
ることができない(図9の期間X)。
は正の電流で、図中矢印の向きに並んでいるため、スイ
ッチ素子S3のターンオン直前に直流リンク電圧Vli
nkを0にしなければ、スイッチ素子S3のゼロ電圧ス
イッチングを実行することができない(図9の期間
X′)。
の生成を行なうことにより、出力電圧VLと負荷電流I
Lとの間で正負の符号が異なる場合にも、フルブリッジ
インバータ回路5の全スイッチ素子のゼロ電圧スイッチ
ングを実現している。図9に示したPWM方式において
出力電圧VLと負荷電流ILとの位相差をゼロにした場
合が、図3に示したPWM方式に相当し、図3のPWM
と図9のPWMとは、図4の制御部9においてPWMキ
ャリア信号Icrの波形を変化させるだけでともに実現
することが可能である。
ンバータ2は、単相2線式の商用交流電力系統と連系す
るシステムであるが、この発明は単相3線式の電力系統
と連系する場合についても適用することができる。図1
1は、このような単相3線式の商用電力系統と連系する
第2の実施形態の系統連系インバータ装置の構成を示す
回路図である。
連系インバータ装置2と比較して異なる点は、図11の
系統連系インバータ装置において、商用電力系統3の中
性線20が平滑コンデンサC1およびC2の接続点、な
らびに太陽電池1の正極に接続されていることと、フィ
ルタ回路7が中性線20に対して正負対称の形に配置さ
れていることと、インバータ回路5のアームA2のスイ
ッチ素子S5,S6のそれぞれに並列にコンデンサC
8,C9が追加されていることである。
電池の正極電位と、平滑コンデンサの中点電位とは、電
力系統の中性線電位すなわちアース電位に固定されるこ
とになる。この図11の実施の形態による単相3線式系
統連系インバータ装置のソフトスイッチング動作は、図
8に示した第1の実施形態の単相2線式系統連系インバ
ータ装置の動作モードと同じであり、昇圧回路4のスイ
ッチ素子S7がオンするときのみ、すなわちPWMキャ
リア信号Icrの周期ごとに1回だけゼロ電圧スイッチ
ング回路6を動作させれば、系統連系インバータ装置内
のすべてのスイッチ素子のソフトスイッチング動作を実
現することができる。
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
手段およびインバータ手段のスイッチング時の一瞬だ
け、ゼロ電圧スイッチング手段によって共振回路を形成
して直流正負母線間電圧をゼロにすることにより、系統
連系インバータ装置内のすべてのスイッチ素子をゼロ電
圧でソフトスイッチングすることが可能となり、スイッ
チングノイズおよびスイッチング損失の軽減を図ること
ができる。
化するための平滑化コンデンサを共振回路の構成要素と
して兼用することにより、部品点数の増加を抑制するこ
とができる。
イッチ素子にそれぞれコンデンサが並列に接続されてい
るため、これらの素子のターンオフ時は常に単独でゼロ
電圧スイッチングとなり、したがって昇圧手段のスイッ
チング動作周期ごとにターンオン時の1回だけ共振回路
を動作させればよく、共振回路の動作回数を低減するこ
とができる。
インバータ手段のスイッチ素子を制御するPWMパルス
は共通のPWMキャリア信号に基づいて生成されるた
め、すべてのスイッチ素子のゼロ電圧スイッチングのタ
イミングを揃えることができ、共振回路の動作回数を軽
減することができる。
の第2のアームのスイッチ素子は連系する商用周波数で
動作し、インバータ手段の出力電圧のゼロクロス点での
みスイッチングするため、第2のアームのスイッチ素子
に関しては独立してソフトスイッチングを行なうことが
できる。
系統と連系する系統連系インバータ装置においても同様
にすべてのスイッチ素子のソフトスイッチングが可能と
なる。
インバータ装置を示す回路図である。
バータ装置の変形例を示す回路図である。
インバータ装置のスイッチング動作を示すタイミング図
である。
ブロック図である。
系インバータ装置のさらなる変形例を示す回路図であ
る。
バータ回路を等価インバータ回路で置き換えた回路図で
ある。
トスイッチング動作を示すタイミング図である。
ド1〜11の動作状態を示す回路図である。
による系統連系インバータ装置のソフトスイッチング動
作を説明するタイミング図である。
態による系統連系インバータ装置の動作状態を説明する
回路図である。
系インバータ装置を示す回路図である。
バータ装置の回路図である。
ータ装置の回路図である。
トランスレス方式の系統連系インバータ装置の回路図で
ある。
交流電力系統、4 昇圧回路、5 フルブリッジインバ
ータ回路、6 ゼロ電圧スイッチング回路、7フィルタ
回路、8 連系リレー、9 制御部、10 インバータ
出力電流検出回路、11 電流指令信号生成部、12
キャリア信号生成部、13,15,19 比較器、14
系統電圧検出回路、16 インバータドライブ信号生
成部、17 昇圧回路出力電圧・電流検出回路、18
昇圧比指令信号生成部、20中性線、21 等価インバ
ータ回路。
Claims (11)
- 【請求項1】 系統連系インバータ装置であって、 直流電圧を供給する直流電源と、 前記直流電源によって供給される前記直流電圧をスイッ
チング動作によって昇圧する昇圧手段と、 前記昇圧手段によって昇圧された直流電圧をスイッチン
グ動作によって交流電圧に変換するインバータ手段と、 前記インバータ手段から出力される交流電圧を、連系す
る電力系統に接続する連系手段と、 前記昇圧手段と前記インバータ手段とを連結する直流正
負母線間に接続されたゼロ電圧スイッチング手段と、 前記昇圧手段および前記インバータ手段のスイッチング
動作時に、前記昇圧手段および前記インバータ手段にお
いてスイッチングを行なうすべての素子をゼロ電圧でス
イッチングさせるように、前記ゼロ電圧スイッチング手
段内に共振回路を形成して前記直流正負母線間の電圧を
ゼロにする制御手段とを備えた、系統連系インバータ装
置。 - 【請求項2】 前記ゼロ電圧スイッチング手段は、 互いに直列接続された第1および第2のコンデンサを含
み、前記第2のコンデンサは前記直流正負母線の負母線
に接続され、 前記昇圧手段によって昇圧された直流電圧を前記第1お
よび第2のコンデンサによって平滑化するように、前記
第1のコンデンサを前記直流正負母線の正母線に接続す
る第1のスイッチ素子と、 前記第1および第2のコンデンサの連結点と、前記直流
正負母線の正母線との間に直列接続された第2のスイッ
チ素子および第1のリアクトルと、 前記直流正負母線間に接続された第3のコンデンサとを
さらに含み、 前記制御手段は、前記第2のコンデンサから、前記第3
のコンデンサ、前記第1のリアクトル、および前記第2
のスイッチ素子を通って前記第2のコンデンサに帰還す
るループによって前記共振回路を形成する、請求項1に
記載の系統連系インバータ装置。 - 【請求項3】 前記昇圧手段は昇圧チョッパ回路であ
り、 前記昇圧チョッパ回路は、 前記直流正負母線の正母線に直列に挿入された第2のリ
アクトルおよびダイオードと、 前記第2のリアクトルおよび前記ダイオードの連結点
と、前記直流正負母線の負母線との間に接続された第3
のスイッチ素子と、 前記ダイオードに並列に接続された第4のコンデンサ
と、 前記第3のスイッチ素子に並列に接続された第5のコン
デンサとを含む、請求項1または2に記載の系統連系イ
ンバータ装置。 - 【請求項4】 前記制御手段は、 共通のパルス幅変調(PWM)キャリア信号に基づい
て、前記昇圧手段および前記インバータ手段を駆動する
PWMパルスを発生する手段を含み、 前記昇圧手段および前記インバータ手段においてスイッ
チングを行なうすべての素子は、前記PWMパルスによ
ってオン・オフ制御される、請求項1から3のいずれか
に記載の系統連系インバータ装置。 - 【請求項5】 前記インバータ手段はフルブリッジイン
バータ回路であり、 前記フルブリッジインバータ回路は、 前記ゼロ電圧スイッチング手段側で、前記直流正負母線
間に直列に接続された第4および第5のスイッチ素子を
含む第1のアームと、 前記連系手段側で、前記直流正負母線間に直列に接続さ
れた第6および第7のスイッチ素子を含む第2のアーム
とを含み、 前記制御手段は、前記第2のアームの前記第6および第
7のスイッチ素子を、前記連系する電力系統と同じ周波
数で互いに逆位相でスイッチングし、かつ前記第1のア
ームの前記第4および第5のスイッチ素子を、前記連系
する電力系統の周波数よりも高い前記PWMキャリア信
号周波数で互いに逆位相でスイッチングする、請求項4
に記載の系統連系インバータ装置。 - 【請求項6】 系統連系インバータ装置であって、 直流電圧を供給する直流電源と、 前記直流電源によって供給される前記直流電圧をスイッ
チング動作によって昇圧する昇圧手段と、 前記昇圧手段によって昇圧された直流電圧をスイッチン
グ動作によって交流電圧に変換するインバータ手段と、 前記インバータ手段から出力される交流電圧を、連系す
る電力系統に接続する連系手段と、 前記昇圧手段と前記インバータ手段とを連結する直流正
負母線間に接続されたゼロ電圧スイッチング手段と、 前記昇圧手段および前記インバータ手段のスイッチング
動作時に、前記昇圧手段および前記インバータ手段にお
いてスイッチングを行なうすべての素子をゼロ電圧でス
イッチングさせるように、前記ゼロ電圧スイッチング手
段および前記インバータ手段内に共振回路を形成して前
記直流正負母線間の電圧をゼロにする制御手段とを備え
た、系統連系インバータ装置。 - 【請求項7】 前記ゼロ電圧スイッチング手段は、 互いに直列接続された第1および第2のコンデンサを含
み、前記第2のコンデンサは前記直流正負母線の負母線
に接続され、 前記昇圧手段によって昇圧された直流電圧を前記第1お
よび第2のコンデンサによって平滑化するように、前記
第1のコンデンサを前記直流正負母線の正母線に接続す
る第1のスイッチ素子と、 前記第1および第2のコンデンサの連結点と、前記直流
正負母線の正母線との間に直列接続された第2のスイッ
チ素子および第1のリアクトルとをさらに含み、 前記インバータ手段はフルブリッジインバータ回路であ
り、 前記フルブリッジインバータ回路は、 前記ゼロ電圧スイッチング手段側で、前記直流正負母線
間に直列に接続された第3および第4のスイッチ素子を
含む第1のアームと、 前記連系手段側で、前記直流正負母線間に直列に接続さ
れた第5および第6のスイッチ素子を含む第2のアーム
と、 前記第3および第4のスイッチ素子にそれぞれ並列に接
続された第3および第4のコンデンサとを含み、 前記制御手段は、前記第3および第4のスイッチ素子を
互いに逆位相でスイッチングし、前記第2のコンデンサ
から、前記第4のスイッチ素子、前記第3のコンデン
サ、前記第1のリアクトル、および前記第2のスイッチ
素子を通って前記第2のコンデンサに帰還するループ、
または前記第2のコンデンサから、前記第4のコンデン
サ、前記第3のスイッチ素子、前記第1のリアクトル、
および前記第2のスイッチ素子を通って前記第2のコン
デンサに帰還するループによって前記共振回路を形成す
る、請求項6に記載の系統連結インバータ装置。 - 【請求項8】 前記昇圧手段は昇圧チョッパ回路であ
り、 前記昇圧チョッパ回路は、 前記直流正負母線の正母線に直列に挿入された第2のリ
アクトルおよびダイオードと、 前記第2のリアクトルおよび前記ダイオードの連結点
と、前記直流正負母線の負母線との間に接続された第7
のスイッチ素子と、 前記ダイオードに並列に接続された第5のコンデンサ
と、 前記第7のスイッチ素子に並列に接続された第6のコン
デンサとを含む、請求項6または7に記載に系統連結イ
ンバータ装置。 - 【請求項9】 前記制御手段は、 共通のPWMキャリア信号に基づいて、前記昇圧手段お
よび前記インバータ手段を駆動するPWMパルスを発生
する手段を含み、 前記昇圧手段および前記インバータ手段においてスイッ
チングを行なうすべての素子は、前記PWMパルスによ
ってオン・オフ制御される、請求項6から8のいずれか
に記載の系統連系インバータ装置。 - 【請求項10】 前記制御手段は、前記第2のアームの
前記第5および第6のスイッチ素子を、前記連系する電
力系統と同じ周波数で互いに逆位相でスイッチングし、
かつ前記第1のアームの前記第3および第4のスイッチ
素子を、前記連系する電力系統の周波数よりも高い前記
PWMキャリア信号周波数で互いに逆位相でスイッチン
グする、請求項9に記載の系統連系インバータ装置。 - 【請求項11】 系統連系インバータ装置であって、 直流電圧を供給する直流電源と、 前記直流電源によって供給される前記直流電圧をスイッ
チング動作によって昇圧する昇圧手段と、 前記昇圧手段によって昇圧された直流電圧をスイッチン
グ動作によって交流電圧に変換するインバータ手段と、 前記インバータ手段から出力される交流電圧を、連系す
る単相3線式電力系統に接続する連系手段と、 前記昇圧手段と前記インバータ手段とを連結する直流正
負母線間に接続されかつ前記単相3線式電力系統の中性
線に接続されたゼロ電圧スイッチング手段とを備え、 前記ゼロ電圧スイッチング手段は、 互いに直列接続された第1および第2のコンデンサを含
み、前記第2のコンデンサは前記直流正負母線の負母線
に接続され、 前記昇圧手段によって昇圧された直流電圧を前記第1お
よび第2のコンデンサによって平滑化するように、前記
第1のコンデンサを前記直流正負母線の正母線に接続す
る第1のスイッチ素子をさらに含み、 前記中性線は、前記直流電源の正極側と、前記第1およ
び第2のコンデンサの連結点とに接続され、 前記昇圧手段および前記インバータ手段のスイッチング
動作時に、前記昇圧手段および前記インバータ手段にお
いてスイッチングを行なうすべての素子をゼロ電圧でス
イッチングさせるように、前記ゼロ電圧スイッチング手
段および前記インバータ手段内に共振回路を形成して前
記直流正負母線間の電圧をゼロにする制御手段をさらに
備えた、系統連系インバータ装置。
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