JP4096423B2 - 系統連系インバータ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池、燃料電池などの直流電力を電力系統に連系して、交流電力として供給する系統連系インバータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来の系統連系インバータ装置について図面を参照しながら説明する。図11は従来から使用されている系統連系インバータ装置の一例の構成を示すブロック図である。
【0003】
図11において、系統連系インバータ装置は、入力電源1からの入力電圧を系統電圧VACの絶対値より高い電圧に昇圧する昇圧コンバータ2と、昇圧された電圧を平滑してリップルの少ない安定な直流電圧供給する中間段コンデンサ3と、出力電流IO を正弦波に波形成形するインバータ4と、インバータ4の出力から高周波ノイズを除去するフィルタ5と、制御手段6とを備え、系統7に接続されている。とくに、昇圧コンバータ2は、入力電圧を平滑する平滑コンデンサ2aと、エネルギー蓄積用の直流リアクトル2bと、昇圧用スイッチング素子2cと、昇圧用ダイオード2dとで構成され、インバータ4はインバータ用スイッチング素子Q1 〜Q4 を4石使用したフルブリッジ構成となっている。
【0004】
上記構成における動作について図面を参照しながら説明する。図12は上記従来例におけるインバータ4の動作を示す波形図である。図12において、(a)は系統電圧VACの絶対値、(b)はインバータ用スイッチング素子Q1 のゲート信号、(c)はインバータ用スイッチング素子Q2 のゲート信号、(d)はインバータ用スイッチング素子Q3 のゲート信号、(e)はインバータ用スイッチング素子Q4 のゲート信号を示す。
【0005】
入力電源1は大容量の平滑コンデンサ2aで平滑され、昇圧コンバータ2の入力は低リップル化されている。たとえば、太陽電池を入力電源1として用いた場合、前記太陽電池は定格出力でDC200V程度であり、系統電圧VACがAC200Vであれば系統電圧VACのピーク電圧は283Vに達するため、系統7に電力を注入するためには入力電圧Vinの昇圧が必要となり、仮に4kW程度の電力を出力しようとすると、通常、DC350V程度までの昇圧が必要となる。
【0006】
そこで、制御手段6における昇圧電圧検知手段8により中間段コンデンサ3の電圧、すなわち中間段電圧VM を検知し、昇圧電圧制御手段9により決定されるオン時間に従って、昇圧用スイッチング素子駆動回路10を通して昇圧用スイッチング素子2cをオンとして直流リアクトル2bにエネルギーを蓄積し、昇圧用スイッチング素子2cをオフとしたときに直流リアクトル2bに蓄えられたエネルギーが昇圧用ダイオード2dを介して中間段コンデンサ3に電圧として蓄えられる。
【0007】
以上の動作を高周波で繰り返すことによりインバータ4の入力電圧、すなわち中間段電圧VM が一定に維持される。ただし、このとき系統電圧VACの1周期において昇圧用スイッチング素子2cの導通比は一定である。また、昇圧コンバータ2の出力も数千μFの大容量の中間段コンデンサ3で平滑されるため、中間段電圧VM の変動は負荷の変化に対して安定である。
【0008】
つぎに、インバータ4は、図12に示したように、4石のインバータ用スイッチング素子Q1 〜Q4 のうち、インバータ用スイッチング素子Q1 とインバータ用スイッチング素子Q4 とを同時に、またはインバータ用スイッチング素子Q2 とインバータ用スイッチング素子Q3 とを同時にオンとさせることで、すべて高周波でスイッチングさせて出力電流IO を正弦波にするようにそれぞれのオン時間を制御する。図13はインバータ4の制御動作を示す波形図である。このオン時間は、図11および図13に示したように、系統電圧検知手段11により検知した系統電圧VACに同期し、出力電流モニタ12が所望の電流値となるようにインバータリファレンス波生成手段13により生成される正弦波形のインバータリファレンス波と、第1の三角波生成手段14により生成される20kHz前後の高周波の三角波とを比較することにより、インバータ制御手段15で決定される。インバータ4はインバータ制御手段15により決定されるオン時間によりインバータ用スイッチング素子駆動回路16を通して制御される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の系統連系インバータ装置では、直流の入力電力を系統7に連系して力率1の運転を実現するために、昇圧コンバータ2とインバータ4とが必要であり、しかも、いずれも系統電圧VACの全周期において高周波スイッチングを行っているため、昇圧用スイッチング素子2cおよびインバータ用スイッチング素子Q1 〜Q4 の損失が大きく、しかも、昇圧コンバータ2の入力電圧Vinが系統電圧VACの絶対値より低い期間でも系統電圧VACのピーク電圧(AC200Vでピーク電圧283V)よりも高いDC350V程度まで昇圧した後、インバータ4でDC350Vから出力をゼロまで絞るために、機器の総合効率を向上させることが困難であった。
【0010】
また、数千μFもの大容量の平滑コンデンサ2aと中間段コンデンサ3とが昇圧コンバータ2の入出力に必要であるとともに、前記スイッチング損失が大きいことから昇圧用スイッチング素子とインバータ用スイッチング素子を冷却するヒートシンクの形状も大きくなり、機器全体の小型化、および安価な構成が困難であるといった問題を有している。
【0011】
また、系統電圧VACの絶対値の谷間では中間段電圧VMと出力電圧との差が大きくなることから、小さい出力電流を正弦波で取り出すときには電力が絞りきれないことになり、たとえば太陽光発電では日照量が低下する早朝や夕暮れにおいては、出力することができなくなると言う問題も有している。
【0012】
本発明は上記の課題を解決するもので、昇圧コンバータやインバータにおける損失を低減してヒートシンクの形状を小型化し、機器全体も小型・軽量化できる系統連系インバータ装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係わる本発明は、直流リアクトルと昇圧用スイッチング素子と昇圧用ダイオードとを備えて直流の入力電源からの入力電圧を前記昇圧用スイッチング素子の高周波スイッチングにより昇圧して直流の中間段電圧を出力する昇圧コンバータと、前記中間段電圧における高周波成分を除去する中間段コンデンサと、フルブリッジに構成された4個のインバータ用スイッチング素子のスイッチングにより前記中間段電圧から正弦波の交流電流を出力するインバータと、前記交流電流における高周波成分を除去し、出力電流として交流の系統に出力するフィルタとを備え、前記入力電源から入力した直流電力を交流電力に変換して前記系統に出力する系統連系インバータ装置において、前記中間段コンデンサの容量を数百μF以下とするとともに、前記昇圧コンバータの出力電流を監視する昇圧電流モニタを備え、前記入力電圧が系統電圧の絶対値より低い期間では、前記昇圧コンバータの出力電流が正弦2乗波となるように前記昇圧用スイッチング素子の高周波スイッチングで波形成形するとともに前記インバータは系統電圧または出力電流の極性指令に対応して交互に極性を切り換え、その他の期間では、前記昇圧コンバータの高周波スイッチングを停止するとともに前記インバータは出力電流が正弦波となるように前記インバータ用スイッチング素子の高周波スイッチングで波形成形することにより、出力電流の波形成形を昇圧コンバータとインバータとで切り替えて出力するようにした系統連系インバータ装置である。
【0014】
これにより、中間段コンデンサとして数百μF以下の、たとえばフィルムコンデンサを用いることができるとともに、前記インバータの入力電圧である中間段電圧が出力電流を流したときに系統電圧の絶対値に比べて低くなる可能性が発生するときだけ系統電圧の1周期の中で部分的に昇圧コンバータをスイッチングさせて系統電圧の絶対値に対して数十V程度の電位差まで昇圧することで、インバータにおいける小電流部分におけるスイッチング損失を低減できることにより、ヒートシンクなどを小さくして小型・軽量の系統連系インバータ装置を実現することができる。
【0015】
請求項2に係わる本発明は、直流リアクトルと昇圧用スイッチング素子と昇圧用ダイオードとを備えて直流の入力電源からの入力電圧を前記昇圧用スイッチング素子の高周波スイッチングにより昇圧して直流の中間段電圧を出力する昇圧コンバータと、前記中間段電圧における高周波成分を除去する中間段コンデンサと、フルブリッジに構成された4個のインバータ用スイッチング素子のスイッチングにより前記中間段電圧から正弦波の交流電流を出力するインバータと、前記交流電流における高周波成分を除去し、出力電流として交流の系統に出力するフィルタとを備え、前記入力電源から入力した直流電力を交流電力に変換して前記系統に出力する系統連系インバータ装置において、前記中間段コンデンサの容量を数百μF以下とするとともに前記直流リアクトルの電流を監視するリアクトル電流モニタを備え、前記入力電圧が系統電圧の絶対値より低い期間では、前記直流リアクトルの電流が正弦2乗波となるように前記昇圧用スイッチング素子の高周波スイッチングにより波形成形するとともに前記インバータは系統電圧または出力電流の極性指令に対応して交互に極性を切り換え、その他の期間では、前記昇圧コンバータの高周波スイッチングを停止するとともに前記インバータは出力電流が正弦波となるように前記インバータ用スイッチング素子の高周波スイッチングで波形成形することにより、出力電流の波形成形を昇圧コンバータとインバータとで切り替えて出力するようにした系統連系インバータ装置である。
【0016】
これにより、請求項1に係わる本発明と同様の効果を得るとともに、リアクトル電流を制御に用いることにより連続電流を制御量として用いることができるため、より制御性に優れた系統連系インバータ装置を提供することができる。
【0017】
請求項3に係わる本発明は、昇圧コンバータにおける波形成形のための昇圧リファレンス波を、(系統電圧の絶対値 × インバータリファレンス波)/(入力電圧)により、インバータにおける波形成形のためのインバータリファレンス波から導出するようにした請求項1ないし請求項2のいずれかに係わる系統連系インバータ装置である。
【0018】
これにより、昇圧リファレンス波を演算によりインバータリファレンス波から系統電圧に同期して生成することができる。
【0019】
請求項4に係わる本発明は、昇圧リファレンス波である正弦2乗波を、インバータリファレンス波である正弦波よりも位相を進めて前出しするようにした請求項1ないし請求項3のいずれかに係わる系統連系インバータ装置である。
【0020】
これにより、昇圧コンバータで成形された電流波形とインバータで成形された電流波形とのつなぎ目をなくして、高調波歪みの小さい出力電流を供給することができる。
【0021】
請求項5に係わる本発明は、昇圧リファレンス波の前出し量を出力電流の大きさにより変化させるようにした請求項4に係わる系統連系インバータ装置である。
【0022】
これにより、昇圧コンバータで成形された電流波形とインバータで成形された電流波形とのつなぎ目を出力電流の大きさに対応して詳細に補正し、高調波歪みの小さい出力電流を供給することができる。
【0023】
請求項6に係わる本発明は、昇圧コンバータによる波形成形とインバータによる波形成形との切り換えを系統電圧の絶対値と入力電圧との比較で行うとき、前記系統電圧の絶対値に1以下の係数を掛けて入力電圧と比較し、前記入力電圧が前記系統電圧の絶対値より小さいタイミングから昇圧コンバータによる波形成形を行うようにした請求項1ないし請求項5のいずれかに係わる系統連系インバータ装置である。
【0024】
これにより、出力電流を昇圧コンバータで制御する部分とインバータで制御する部分とを滑らかに切り替えることができ、高調波歪みの小さい出力電流を供給することができる。
【0025】
請求項7に係わる本発明は、系統電圧の絶対値に乗ずる係数を出力電流の大きさにより変化させるようにした請求項6に係わる系統連系インバータ装置である。
【0026】
これにより、出力電流の大きさに関係なく高調波歪の小さい出力電流を供給することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
請求項1に係わる本発明において、昇圧電流モニタは、たとえばカレントトランスなどで昇圧コンバータの出力電流の大きさと波形とを検出して監視する手段であり、実施例では、検出した電流を昇圧リファレンス波に帰還することにより上記出力電流が所定の波形と所望の大きさになるように監視する。上記帰還としては、検出した昇圧コンバータの出力電流の大きさに対応して昇圧リファレンス波の大きさを制御する方法などで実現できるが、これに限定されるものではない。
【0028】
昇圧リファレンス波生成手段は、昇圧コンバータの出力電流を所定の波形と大きさに波形成形するための昇圧リファレンス波を生成する手段であり、本発明では正弦2乗波生成するが、演算または波形データをデータテーブルから読み出して生成することができる。第2の三角波生成手段は、インバータを対象とする第1の三角波生成手段と同様に、三角波形の信号を生成する手段であり、たとえば矩形波の積分などで構成できる。前記昇圧リファレンス波と上記三角波とを比較して昇圧用スイッチング素子のオン時間を制御するためのゲート信号を作成するのに供する。なお、このオン時間は昇圧リファレンス波の波形と大きさとで決まるので、昇圧コンバータの出力電流の波形と大きさとを制御するゲート信号となる。他の構成要素については従来例と同じでよい。
【0029】
請求項2に係わる本発明において、リアクトル電流モニタは昇圧コンバータにおける直流リアクトルの電流を検出して監視する手段であり、請求項1に係わる本発明における昇圧電流モニタと同じに作用するが、リアクトル電流は昇圧用スイッチング素子の高周波スイッチング時でもほぼ連続的な電流であるので、昇圧リファレンス波の制御が容易になり、波形成形の制御が容易、かつ高精度となる。
【0030】
請求項3に係わる本発明において、インバータリファレンス波に系統電圧の絶対値と入力電圧との比率を乗算して昇圧リファレンス波を求めことにより、昇圧リファレンス波の波形とともに大きさも決定できる。波形は正弦2乗波になり、大きさは昇圧比とインバータリファレンス波の大きさとに連動して決まるので、昇圧コンバータの出力電流の大きさは、つねにインバータの出力電流の大きさに連動し、全体の制御を非常に容易にするように機能する。なお、このようにして算出された昇圧リファレンス波は、昇圧電流モニタまたはリアクトル電流モニタによる監視結果が反映される前のものであることは言うまでもない。
【0031】
請求項4に係わる本発明において、昇圧リファレンス波の位相をインバータリファレンス波より前出しすることは、中間段コンデンサやフィルタにより生じる昇圧コンバータによる成形波形とインバータによる成形波形との位相差を補正し、両者の接続を滑らかにするように機能する。
【0032】
請求項5に係わる本発明において、昇圧リファレンス波の位相をインバータリファレンス波の位相よりも進ませる量を出力電流に対応して決め、出力電流の歪の電流値依存性を排除する。出力電流の大きさは出力電流モニタの出力を利用することができる。
【0033】
請求項6に係わる本発明において、昇圧コンバータは、系統電圧の絶対値に1以下の係数をかけた値と入力電圧とを比較し、前記入力電圧が前記系統電圧の絶対値より小さいときに昇圧動作を開始する。
【0034】
請求項7に係わる本発明において、上記係数を出力電流の大きさに対応して適切な値に設定する。
【0035】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0036】
【実施例】
(実施例1)
以下、本発明の系統連系インバータ装置の実施例1について図面を参照しながら説明する。本実施例は請求項1に係わる。
【0037】
図1は本実施例の構成を示すブロック図である。なお、従来例と同じ構成要素には同一番号を付与して詳細な説明を省略する。本実施例が従来例と異なる点は、昇圧電流モニタ17と、昇圧リファレンス波生成手段18と、第2の三角波生成手段19とを備えたことにある。
【0038】
上記構成における動作について説明する。図1において、系統連系インバータは、入力電源1を入力として系統7に50Hzまたは60Hzの商用周波数で交流電力を供給している。系統連系インバータは、入力電圧Vinを系統電圧VACの絶対値より高い電圧に昇圧する昇圧コンバータ2と、昇圧コンバータ2の出力電流を監視する昇圧電流モニタ17と、昇圧された電圧の高周波成分を除去する数百μF程度以下の中間段コンデンサ3と、出力電流IO が正弦波になるように波形成形するインバータ4と、インバータ4の出力から高調波および高周波ノイズを除去するフィルタ5と、制御手段6とを備え、系統7に接続されている。
【0039】
昇圧コンバータ2は、入力電圧Vinを平滑する平滑コンデンサ2aと、エネルギー蓄積用の直流リアクトル2bと、昇圧用スイッチング素子2cと、昇圧用ダイオード2dとで構成され、昇圧用スイッチング素子2cは昇圧用スイッチング素子駆動回路10で駆動される。このとき、昇圧電流モニタ17は、昇圧コンバータ2の出力電流が所定の正弦2乗波の波形と大きさとになるように監視しており、監視結果を昇圧リファレンス波生成手段18に帰還している。昇圧リファレンス波生成手段18は、上記監視結果を反映した昇圧リファレンス波を生成して出力する。昇圧電圧制御手段9は、昇圧リファレンス波生成手段18から出力される昇圧リファレンス波と第2の三角波生成手段19の三角波とを比較して昇圧用スイッチング素子2cのゲート信号を生成し、昇圧用スイッチング素子駆動回路10は、前記ゲート信号により昇圧用スイッチング素子2cにおけるトランジスタQF を高周波スイッチングさせる。上記ゲート信号のオン時間は、昇圧コンバータ2の出力電流の波形と大きさとを制御している。
【0040】
インバータ4は、インバータ用スイッチング素子Q1 〜Q4 を4石使用してフルブリッジに構成されている。出力電流モニタ12は、出力電流IO が所定の電流になるようにインバータリファレンス波生成手段13が生成するインバータリファレンス波を制御しており、インバータ制御手段15は、そのインバータリファレンス波と第1の三角波生成手段14の三角波とを比較することによりインバータ用スイッチング素子Q1 〜Q4 を駆動するゲート信号を生成し、インバータ用スイッチング素子駆動回路16は前記ゲート信号を用いてインバータ用スイッチング素子Q1〜Q4 を駆動する。このとき、昇圧リファレンス波およびインバータリファレンス波は、いずれも系統電圧検知手段11により検出される系統電圧VACと同期して出力される。
【0041】
図2は本実施例の動作を示す波形図である。図において、(a)は系統電圧VACの絶対値、(b)はインバータ用スイッチング素子Q1 のゲート信号、(c)はインバータ用スイッチング素子Q2 のゲート信号、(d)はインバータ用スイッチング素子Q3 のゲート信号、(e)はインバータ用スイッチング素子Q4 のゲート信号、(f)は太陽電池電圧、すなわち入力電圧Vinおよび系統電圧VACの絶対値を示す。
【0042】
中間段コンデンサ3の電圧、すなわち中間段電圧VM は、系統7に電力を注入するために系統電圧VACの絶対値より少なくとも数十V程度は高くなければならないため、たとえば入力電圧VinがDC200Vで系統電圧VACがAC200Vの場合、系統電圧VACの絶対値のピークを中心に4〜5msの期間は昇圧し、それ以外の系統電圧VACの絶対値が入力電圧Vinよりも十分小さい期間では昇圧を行わない。
【0043】
ここで、出力電流IO が高調波歪みの少ない良質な商用周波数の正弦波電流となるよう制御することが重要となる。そこで、太陽電池などの入力電源1の入力電圧Vinが系統電圧VACの絶対値に比べて低くなるときには昇圧コンバータ2の出力電流が正弦2乗波となるように波形成形を行うとともに、インバータ4は系統電圧VACまたは出力電流IOの極性指令に対応して交互に駆動し、入力電圧Vinが系統電圧VACの絶対値に比べて高い場合には昇圧コンバータ2の昇圧用スイッチング素子2cのスイッチングを停止するとともに、インバータ4の出力電流IO が正弦波となるようにフルブリッジ構成のインバータ用スイッチング素子Q1 〜Q4 を高周波スイッチングさせることにより波形成形を行い、商用周波数の交流電流を出力する。
【0044】
図3は昇圧コンバータの制御動作を示す波形図である。昇圧リファレンス波生成手段18から出力された正弦2乗波の昇圧リファレンス波は昇圧電流モニタ17の監視結果により大きさが制御され、図3に示したように、その昇圧リファレンス波と第2の三角波生成手段19で生成される三角波とを比較することにより生成されるゲート信号を用いて昇圧用スイッチング素子2cのトランジスタQF が駆動される。このゲート信号のパルス幅は、昇圧コンバータ2の出力電流の波形と大きさとを制御している。
【0045】
以上のように本実施例によれば、昇圧コンバータ2のスイッチングが系統7の1周期内で部分的にしか行われないため、昇圧用スイッチング素子2cの損失が格段に低減され、さらにインバータ4の入出力電位差が低く抑えられるため、インバータ4のスイッチング損失も低減することができるとともに、高調波電流歪みの小さい電流波形を生成することができる。また、昇圧用スイッチング素子2cおよびインバータ用スイッチング素子Q1〜Q4 の損失低減によって冷却用のヒートシンクの形状が小さくなるとともに、中間段コンデンサ3の容量が従来の10分の1以下に小さくなることで、全体形状も小さくできる。これにより効率向上と小形・軽量化とともに安価な機器の実現が可能となる。さらに、系統電圧VACと中間段電圧VMとの差を小さく維持できることにより、小さい出力電流IOを正弦波で取り出すときには小電力まで絞ることが可能となるので、たとえば、太陽光発電では日照量が低下する早朝や夕暮れにおいても低歪の出力を維持できる系統連系インバータ装置を実現することができる。
【0046】
(実施例2)
以下、本発明の系統連系インバータ装置の実施例2について図面を参照しながら説明する。本実施例は請求項2に係わる。
【0047】
図4は本実施例の構成を示すブロック図である。なお、実施例1と同じ構成要素には同一番号を付与して詳細な説明を省略する。本実施例が実施例1と異なる点は、昇圧電流モニタに代えて、昇圧コンバータ2にリアクトル電流モニタ20を備えたことにある。
【0048】
上記構成における動作について説明する。昇圧コンバータ2は、入力電圧Vinを平滑する平滑コンデンサ2aと、エネルギー蓄積用の直流リアクトル2bと、昇圧用スイッチング素子2cと、昇圧用ダイオード2dとを備えるとともにリアクトル電流モニタ20を備えている。リアクトル電流モニタ20は、直流リアクトル2bの電流が所定の電流になるように監視しており、監視結果を昇圧リファレンス波生成手段18に帰還しており、昇圧リファレンス波生成手段18は上記監視結果を反映した昇圧リファレンス波を生成して出力する。昇圧電圧制御手段9は、昇圧リファレンス波生成手段18から出力される昇圧リファレンス波と第2の三角波生成手段19の三角波とを比較して昇圧用スイッチング素子2cのゲート信号を生成し、昇圧用スイッチング素子駆動回路10は、前記ゲート信号により昇圧用スイッチング素子2cを駆動制御する。その他の構成および動作は実施例1と同様である。
【0049】
図5は本実施例における昇圧コンバータ2における直流リアクトル2bのリアクトル電流を示す波形図である。図5において、(a)は直流リアクトル2bの電流、(b)はトランジスタQF のゲート信号を示す。リアクトル電流モニタ20を用いると、図5に示したように、昇圧用スイッチング素子2cと昇圧用ダイオード2dのスイッチング状態に依存して変化する電流を連続的な電流として検出することができる。このようなに連続的な電流を制御することにより、瞬時制御が行い易くなり、制御性、および安定性に優れた制御系を形成することができる。
【0050】
以上のように本実施例によれば、昇圧コンバータ2の制御にリアクトル電流モニタ20を用いることにより制御性、安定性に優れた系統連系インバータ装置を提供することができる。
【0051】
(実施例3)
以下、本発明の系統連系インバータ装置の実施例3について図面を参照しながら説明する。なお、本実施例の構成をブロック図で示すと図4と同様になり、図面を省略する。
【0052】
上記構成における動作について図面を参照しながら説明する。図6は本実施例の動作を示す波形図である。図6において、(a)は系統電圧VACの絶対値、(b)は入力電圧Vinである太陽電池電圧、(c)はインバータリファレンス波、(d)は昇圧リファレンス波を示す。
【0053】
昇圧コンバータ2が昇圧動作を行っている場合は、インバータ4はインバータ用スイッチング素子Q1 とインバータ用スイッチング素子Q4 、またはインバータ用スイッチング素子Q2 とインバータ用スイッチング素子Q3 が高周波スイッチングせずに商用周波数で交互にオンとなるため、昇圧コンバータ2の出力電流がそのまま極性を切り替えられて出力電流IOとして現れることになる。一方、昇圧コンバータ2が昇圧動作を行っていない場合はインバータ4が高周波スイッチングを行うことにより出力電流IOを正弦波に波形成形している。ここで、昇圧コンバータ2の昇圧リファレンス波としては正弦2乗波が望ましく、またインバータ4のインバータリファレンス波としては正弦波が望ましく、かつ両者は電流の大きさの連続関係と系統電圧VACとの同期性とを維持する必要がある。そこで、昇圧コンバータ2の昇圧リファレンス波を生成するために、(系統電圧VACの絶対値 × インバータリファレンス波の値)/(入力電圧Vin)で導出される制御量を昇圧コンバータ2の昇圧リファレンス波とすることにより、簡易に作り出すことができる。
【0054】
以上のように本実施例によれば、演算により昇圧コンバータ2の昇圧リファレンス波をインバータ4のインバータリファレンス波から容易に生成することができ、回路構成の簡易化を図ることができる。
【0055】
(実施例4)
以下、本発明の系統連系インバータ装置の実施例4について図面を参照しながら説明する。本実施例は請求項4に係わる。なお、本実施例の構成をブロック図で示すと図4と同じになり、図面を省略する。
【0056】
上記構成における動作について図面を参照しながら説明する。図7は本実施例の動作を示す波形図である。図7において、(a)は系統電圧VACの絶対値、(b)は入力電圧Vinである太陽電池電圧、(c)はインバータリファレンス波、(d)は昇圧リファレンス波を示す。
【0057】
系統電圧VACの絶対値が太陽電池などの入力電圧Vinよりも高い場合の昇圧コンバータ2での昇圧リファレンス波による波形成形と、系統電圧VACの絶対値が入力電圧Vinよりも低い場合のインバータ4でのインバータリファレンス波による波形成形との間の遷移において、中間段コンデンサ3やフィルタ5などにより、それぞれの間に位相差が生じることがある。これによる出力電流IOの歪みを防止するために、図7(d)に示したように、昇圧コンバータ2の昇圧リファレンス波である正弦2乗波をインバータリファレンス波である正弦波よりもΔtだけ前出しすることが有効な手段となる。
【0058】
以上のように本実施例によれば、昇圧リファレンス波をインバータリファレンス波を前出しすることにより、高調波電流歪みの少ない良質な波形の出力電流IOを出力できる系統連系インバータ装置を実現することができる。
【0059】
(実施例5)
以下、本発明の系統連系インバータ装置の実施例5について図面を参照しながら説明する。本実施例は請求項5に係わる。なお、本実施例の構成をブロック図で示すと図4と同じになり、図面を省略する。
【0060】
上記構成における動作について図面を参照しながら説明する。図8は本実施例における昇圧リファレンス波の前出し量を示す特性図である。
【0061】
正弦2乗波の昇圧リファレンス波により昇圧コンバータ2で生成される出力電流と、正弦波のインバータリファレンス波によりインバータ4で生成される出力電流とのつなぎ目に係わる位相差は、出力電流IO の値によって異なることになる。とくに、出力電流の値が小さいほど位相差の影響が大きい。そこで、図8に示したように、出力電力または出力電流IO により昇圧リファレンス波、すなわち正弦2乗波の位相の前出し量を変えることにより、低パワー時でも良質な出力電流を提供することが可能となる。
【0062】
以上のように本実施例によれば、出力電流IOの値により昇圧リファレンス波の前出し量を変えることにより、低パワー時でも高調波電流歪みの少ない良質な電流波形にできる系統連系インバータ装置を提供することができる。
【0063】
(実施例6)
以下、本発明の系統連系インバータ装置の実施例6について図面を参照しながら説明する。本実施例は請求項6に係わる。なお、本実施例の構成をブロック図で示すと図4と同じになり、図面を省略する。
【0064】
上記構成における動作について図面を参照しながら説明する。図9は本実施例の動作を示す波形図である。
【0065】
昇圧コンバータ2による波形成形とインバータ4による波形成形とを入力電圧Vinと系統電圧VACの絶対値の大きさにより切り替える場合、系統電圧VACの絶対値に1以下の係数を掛けて入力電圧Vinと比較することにより、入力電圧Vinが系統電圧VACの絶対値よりもやや低いときから昇圧コンバータ2による波形成形を行う。これは、昇圧コンバータ2の制御に切り替えられた直後に中間段コンデンサ3に十分な電荷が蓄積されていないために、すぐには昇圧動作が行われずに一旦は波形が不安定な状態に陥ってしまう場合があり、この現象を防ぐために切り替えタイミングを通常よりやや早くする。なお、系統電圧VACの絶対値に掛ける係数としては0.8〜0.95程度である。
【0066】
これにより、出力電流を昇圧コンバータ2で制御する部分とインバータ4で制御する部分を滑らかに変化させることができ、高調波歪みの小さい出力電流を生成することが可能になる。
【0067】
以上のように本実施例によれば、昇圧コンバータ2による波形成形とインバータ4による波形成形の切り替えを入力電圧Vinと系統電圧VACの絶対値の大きさにより決める場合、系統電圧VACの絶対値に1以下の係数を掛けて入力電圧Vinと比較し、前記系統電圧の絶対値が入力電圧Vinより低いときから昇圧コンバータ2による波形成形を行って、高調波歪みの小さい出力電流を生成できる系統連系インバータ装置を提供することができる。
【0068】
(実施例7)
以下、本発明の系統連系インバータ装置の実施例7について図面を参照しながら説明する。なお、本実施例の構成をブロック図で示すと図4と同じになり、図面を省略する。
【0069】
上記構成における動作について図面を参照しながら説明する。図10は本実施例における係数を示す特性図である。
【0070】
昇圧コンバータ2による波形成形と、インバータ4による波形成形とを切り替えるときに生じる波形歪みは、出力電流IO により変化するが、本実施例では、系統電圧VACの絶対値に乗ずる係数を、出力電流IOにより変化させることにより、出力電流IOの違いによる波形のつなぎ目の違いを吸収することができ、高調波歪みの小さい出力電流を生成することが可能になる。ここで、出力電流IOが大きいほど早めに昇圧動作に移る必要があるため、出力電流が大きいほど系統電圧VACの絶対値に乗する係数は小さい値となる。
【0071】
以上のように本実施例によれば、昇圧コンバータ2による波形成形とインバータ4による波形成形との切り替ええるときに、系統電圧VACの絶対値に乗ずる係数を、出力電流IOの値により変化させることにより、出力電流IOの値の違いによる波形のつなぎ目の違いを吸収することができ、高調波歪みの小さい出力電流を生成できる系統連系インバータ装置を提供することができる。
【0072】
【発明の効果】
請求項1に係わる本発明は、直流リアクトルと昇圧用スイッチング素子と昇圧用ダイオードとを備えて直流の入力電源からの入力電圧を前記昇圧用スイッチング素子の高周波スイッチングにより昇圧して直流の中間段電圧を出力する昇圧コンバータと、前記中間段電圧における高周波成分を除去する中間段コンデンサと、フルブリッジに構成された4個のインバータ用スイッチング素子のスイッチングにより前記中間段電圧から正弦波の交流電流を出力するインバータと、前記交流電流における高周波成分を除去し、出力電流として交流の系統に出力するフィルタとを備え、前記入力電源から入力した直流電力を交流電力に変換して前記系統に出力する系統連系インバータ装置において、前記中間段コンデンサの容量を数百μF以下とするとともに、前記昇圧コンバータの出力電流を監視する昇圧電流モニタを備え、前記入力電圧が系統電圧の絶対値より低い期間では、前記昇圧コンバータの出力電流が正弦2乗波となるように前記昇圧用スイッチング素子の高周波スイッチングで波形成形するとともに前記インバータは系統電圧または出力電流の極性指令に対応して交互に極性を切り換え、その他の期間では、前記昇圧コンバータの高周波スイッチングを停止するとともに前記インバータは出力電流が正弦波となるように前記インバータ用スイッチング素子の高周波スイッチングで波形成形することにより、出力電流の波形成形を昇圧コンバータとインバータとで切り替えて出力するようにした系統連系インバータ装置とすることにより、中間段コンデンサとして数百μF以下の、たとえばフィルムコンデンサを用いることができるとともに、前記インバータの入力電圧である中間段電圧が出力電流を流したときに系統電圧の絶対値に比べて低くなる可能性が発生するときだけ系統電圧の1周期の中で部分的に昇圧コンバータをスイッチングさせて系統電圧の絶対値に対して数十V程度の電位差まで昇圧することで、インバータにおいける小電流部分におけるスイッチング損失を低減できることにより、ヒートシンクなどを小さくして小型・軽量の系統連系インバータ装置を実現することができる。
【0073】
請求項2に係わる本発明は、直流リアクトルと昇圧用スイッチング素子と昇圧用ダイオードとを備えて直流の入力電源からの入力電圧を前記昇圧用スイッチング素子の高周波スイッチングにより昇圧して直流の中間段電圧を出力する昇圧コンバータと、前記中間段電圧における高周波成分を除去する中間段コンデンサと、フルブリッジに構成された4個のインバータ用スイッチング素子のスイッチングにより前記中間段電圧から正弦波の交流電流を出力するインバータと、前記交流電流における高周波成分を除去し、出力電流として交流の系統に出力するフィルタとを備え、前記入力電源から入力した直流電力を交流電力に変換して前記系統に出力する系統連系インバータ装置において、前記中間段コンデンサの容量を数百μF以下とするとともに前記直流リアクトルの電流を監視するリアクトル電流モニタを備え、前記入力電圧が系統電圧の絶対値より低い期間では、前記直流リアクトルの電流が正弦2乗波となるように前記昇圧用スイッチング素子の高周波スイッチングにより波形成形するとともに前記インバータは系統電圧または出力電流の極性指令に対応して交互に極性を切り換え、その他の期間では、前記昇圧コンバータの高周波スイッチングを停止するとともに前記インバータは出力電流が正弦波となるように前記インバータ用スイッチング素子の高周波スイッチングで波形成形することにより、出力電流の波形成形を昇圧コンバータとインバータとで切り替えて出力するようにした系統連系インバータ装置とすることにより、請求項1に係わる本発明と同様の効果を得るとともに、リアクトル電流を制御に用いることにより連続電流を制御量として用いることができるため、より制御性に優れた系統連系インバータ装置を提供することができる。
【0074】
請求項3に係わる本発明は、昇圧コンバータにおける波形成形のための昇圧リファレンス波を、(系統電圧の絶対値 × インバータリファレンス波)/(入力電圧)により、インバータにおける波形成形のためのインバータリファレンス波から導出するようにした請求項1ないし請求項2のいずれかに係わる系統連系インバータ装置とすることにより、昇圧リファレンス波を演算によりインバータリファレンス波から系統電圧に同期して生成することができる。
【0075】
請求項4に係わる本発明は、昇圧リファレンス波である正弦2乗波を、インバータリファレンス波である正弦波よりも位相を進めて前出しするようにした請求項1ないし請求項3のいずれかに係わる系統連系インバータ装置とすることにより、昇圧コンバータで成形された電流波形とインバータで成形された電流波形とのつなぎ目をなくして、つなぎ目の不一致で生じる出力電流の振動現象などが生じなくなり、高調波歪みの小さい出力電流を供給することができる。
【0076】
請求項5に係わる本発明は、昇圧リファレンス波の前出し量を出力電流の大きさにより変化させるようにした請求項4に係わる系統連系インバータ装置とすることにより、昇圧コンバータで成形された電流波形とインバータで成形された電流波形とのつなぎ目を出力電流の大きさに対応して詳細に補正し、高調波歪みの小さい出力電流を供給することができる。
【0077】
請求項6に係わる本発明は、昇圧コンバータによる波形成形とインバータによる波形成形との切り換えを系統電圧の絶対値と入力電圧との比較で行うとき、前記系統電圧の絶対値に1以下の係数を掛けて入力電圧と比較し、前記入力電圧が前記系統電圧の絶対値より小さいタイミングから昇圧コンバータによる波形成形を行うようにした請求項1ないし請求項5のいずれかに係わる系統連系インバータ装置とすることにより、出力電流を昇圧コンバータで制御する部分とインバータで制御する部分とを滑らかに切り替えることができ、高調波歪みの小さい出力電流を供給することができる。
【0078】
請求項7に係わる本発明は、系統電圧の絶対値に乗ずる係数を出力電流の大きさにより変化させるようにした請求項6に係わる系統連系インバータ装置とすることにより、出力電流の大きさに関係なく高調波歪の小さい出力電流を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の系統連系インバータ装置の実施例1の構成を示すブロック図
【図2】同実施例の動作を示す波形図
【図3】同実施例における昇圧コンバータの制御動作を示す波形図
【図4】本発明の系統連系インバータ装置の実施例2の構成を示すブロック図
【図5】同実施例における直流リアクトルの電流を示す波形図
【図6】本発明の系統連系インバータ装置の実施例3の動作を示す波形図
【図7】本発明の系統連系インバータ装置の実施例4の動作を示す波形図
【図8】本発明の系統連系インバータ装置の実施例5における昇圧リファレンス波の前出し量を示す特性図
【図9】本発明の系統連系インバータ装置の実施例6の動作を示す波形図
【図10】本発明の系統連系インバータ装置の実施例7における係数を示す特性図
【図11】従来の系統連系インバータ装置の構成を示すブロック図
【図12】同従来例の動作を示す波形図
【図13】同従来例のインバータの制御動作を示す波形図
【符号の説明】
1 入力電源
2 昇圧コンバータ
2a 平滑コンデンサ
2b 直流リアクトル
2c 昇圧用スイッチング素子
2d 昇圧用ダイオード
3 中間段コンデンサ
4 インバータ
5 フィルタ
6 制御手段
7 系統
8 昇圧電圧検知手段
9 昇圧電圧制御手段
10 昇圧用スイッチング素子駆動回路
11 系統電圧検知手段
12 出力電流モニタ
13 インバータリファレンス波生成手段
14 第1の三角波生成手段
15 インバータ制御手段
16 インバータ用スイッチング素子駆動回路
17 昇圧電流モニタ
18 昇圧リファレンス波生成手段
19 第2の三角波生成手段
20 リアクトル電流モニタ
Q1、Q2、Q3、Q4 インバータ用スイッチング素子
QF トランジスタ
in 入力電圧
M 中間段電圧
AC 系統電圧
O 出力電流

Claims (7)

  1. 直流リアクトルと昇圧用スイッチング素子と昇圧用ダイオードとを備えて直流の入力電源からの入力電圧を前記昇圧用スイッチング素子の高周波スイッチングにより昇圧して直流の中間段電圧を出力する昇圧コンバータと、前記中間段電圧における高周波成分を除去する中間段コンデンサと、フルブリッジに構成された4個のインバータ用スイッチング素子のスイッチングにより前記中間段電圧から正弦波の交流電流を出力するインバータと、前記交流電流における高周波成分を除去し、出力電流として交流の系統に出力するフィルタとを備え、前記入力電源から入力した直流電力を交流電力に変換して前記系統に出力する系統連系インバータ装置において、前記中間段コンデンサの容量を数百μF以下とするとともに、前記昇圧コンバータの出力電流を監視する昇圧電流モニタを備え、前記入力電圧が系統電圧の絶対値より低い期間では、前記昇圧コンバータの出力電流が正弦2乗波となるように前記昇圧用スイッチング素子の高周波スイッチングで波形成形するとともに前記インバータは系統電圧または出力電流の極性指令に対応して交互に極性を切り換え、その他の期間では、前記昇圧コンバータの高周波スイッチングを停止するとともに前記インバータは出力電流が正弦波となるように前記インバータ用スイッチング素子の高周波スイッチングで波形成形することにより、出力電流の波形成形を昇圧コンバータとインバータとで切り替えて出力するようにした系統連系インバータ装置。
  2. 直流リアクトルと昇圧用スイッチング素子と昇圧用ダイオードとを備えて直流の入力電源からの入力電圧を前記昇圧用スイッチング素子の高周波スイッチングにより昇圧して直流の中間段電圧を出力する昇圧コンバータと、前記中間段電圧における高周波成分を除去する中間段コンデンサと、フルブリッジに構成された4個のインバータ用スイッチング素子のスイッチングにより前記中間段電圧から正弦波の交流電流を出力するインバータと、前記交流電流における高周波成分を除去し、出力電流として交流の系統に出力するフィルタとを備え、前記入力電源から入力した直流電力を交流電力に変換して前記系統に出力する系統連系インバータ装置において、前記中間段コンデンサの容量を数百μF以下とするとともに前記直流リアクトルの電流を監視するリアクトル電流モニタを備え、前記入力電圧が系統電圧の絶対値より低い期間では、前記直流リアクトルの電流が正弦2乗波となるように前記昇圧用スイッチング素子の高周波スイッチングにより波形成形するとともに前記インバータは系統電圧または出力電流の極性指令に対応して交互に極性を切り換え、その他の期間では、前記昇圧コンバータの高周波スイッチングを停止するとともに前記インバータは出力電流が正弦波となるように前記インバータ用スイッチング素子の高周波スイッチングで波形成形することにより、出力電流の波形成形を昇圧コンバータとインバータとで切り替えて出力するようにした系統連系インバータ装置。
  3. 昇圧コンバータにおける波形成形のための昇圧リファレンス波を、(系統電圧の絶対値 × インバータリファレンス波)/(入力電圧)により、インバータにおける波形成形のためのインバータリファレンス波から導出するようにした請求項1または2に記載の系統連系インバータ装置。
  4. 昇圧リファレンス波である正弦2乗波を、インバータリファレンス波である正弦波よりも位相を進めて前出しするようにした請求項1から3のいずれか1項にに記載の系統連系インバータ装置。
  5. 昇圧リファレンス波の前出し量を出力電流の大きさにより変化させるようにした請求項4記載の系統連系インバータ装置。
  6. 昇圧コンバータによる波形成形とインバータによる波形成形との切り換えを系統電圧の絶対値と入力電圧との比較で行うとき、前記系統電圧の絶対値に1以下の係数を掛けて入力電圧と比較し、前記入力電圧が前記系統電圧の絶対値より小さいタイミングから昇圧コンバータによる波形成形を行うようにした請求項1から5のいずれか1項に記載の系統連系インバータ装置。
  7. 系統電圧の絶対値に乗ずる係数を出力電流の大きさにより変化させるようにした請求項6記載の系統連系インバータ装置。
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