JP3655787B2 - 電荷発生基板用バンプ形成装置及び電荷発生基板の除電方法 - Google Patents

電荷発生基板用バンプ形成装置及び電荷発生基板の除電方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば圧電基板のように温度変化に伴い電荷を発生する電荷発生半導体基板上にバンプを形成するためのバンプ形成装置、該バンプ形成装置にて実行される上記電荷発生半導体基板の除電方法、及び上記バンプ形成装置に備わる上記電荷発生半導体基板用除電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば携帯電話のように電子部品が取り付けられる機器が非常に小型化するのに伴い上記電子部品も小型化している。よって、半導体ウエハ上に形成された個々の回路形成部分を上記半導体ウエハから切り出すことなく上記半導体ウエハ上のそれぞれの上記回路形成部分における電極部分にバンプを形成するバンプ形成装置が存在する。このようなバンプ形成装置には、バンプ形成前の半導体ウエハを収納する第1収納容器から上記バンプ形成前ウエハを取り出す搬入装置と、上記バンプが形成されたバンプ形成後ウエハを収納する第2収納容器と、上記バンプ形成前ウエハを載置して上記電極部分とバンプとの接合のために上記半導体ウエハを通常250℃から270℃程度まで加熱するボンディングステージと、上記バンプ形成後ウエハを上記第2収納容器へ収納する搬出装置と、上記搬入装置から上記ボンディングステージへ、及び上記ボンディングステージから上記搬出装置へ上記ウエハの移載を行う移載装置とが備わる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
又、上記携帯電話等に使用されるSAW(Surface Acoustic Wave)フィルタが形成される圧電基板や、基板が従来のシリコンではなく、水晶からなる場合や、リチウムタンタルや、リチウムニオブや、ガリウムヒ素等からなるいわゆる化合物半導体ウエハがある。このような化合物半導体ウエハ等においても、上記バンプを形成するときには、通常150℃程度で最大200℃程度まで加熱されるが、従来のシリコンウエハに比べて加熱及び冷却の速度を遅くする必要がある。
【0004】
例えば、図57に示すようなSAWフィルタ10は、圧電基板11上に、入力側回路12と出力側回路13とが対をなして形成されている。尚、図60に示すようにSAWフィルタ10の電極部分18にバンプ19が上記バンプ形成装置に備わるバンプ形成ヘッドにて形成される。入力側回路12及び出力側回路13は、共に、微細なくし歯状の形態にてなり、供給された入力電気信号にて入力側回路12が発振し、該振動が圧電基板11の表面11aを伝播して出力側回路13を振動させ、該振動に基づき出力側回路13にて電子信号が生成され、出力される。このような動作によりSAWフィルタ10は、特定周波数の信号のみを通過させる。尚、図57に示すSAWフィルタ10は、ウエハ状の圧電基板11上に格子状に形成した多数のSAWフィルタ10の1個を図示しており、各SAWフィルタ10における回路部分に対する例えばバンプ形成動作等は、ウエハ状の圧電基板11に対して行われ、最終的に上記ウエハ状の圧電基板11から各SAWフィルタ10に切り分けられる。このようなウエハ状の圧電基板11は、帯電し難いが、一旦帯電するとこれを除去するのが困難であるという特質がある。
【0005】
このように圧電基板11を用いていることから、室温と上記約150℃との間の昇温、降温によるウエハ状の圧電基板11の変形等により電荷が発生し、ウエハ状の圧電基板11の表面及び裏面に帯電が生じる。該帯電量としては最高約9千Vにも達する。
又、上記ウエハ状の圧電基板11そのものも薄いため、上記表面11aに発生させた振動に起因して裏面側も振動してしまう可能性がある。裏面側も振動すると、表面側の振動に悪影響を及ぼすことから、上記裏面側における振動発生を防止するため、ウエハ状の圧電基板11の裏面側には、図59に示すように微細な溝14が形成されている。よって、ウエハ状の圧電基板11の裏面全面を金属体上に接触させても上記溝14内における電荷は除電できず残留してしまう。尚、図59では溝14を誇張して図示しており、実際には溝14は、上記SAWフィルタにて処理される周波数に対応した寸法にて形成されるもので、数μm〜数百Å程度のピッチにて配列されている。
【0006】
従って、このように帯電したウエハ状の圧電基板11を例えば上記ボンディングステージ上に載置するときに、該ボンディングステージと圧電基板11との間、又はウエハ状の圧電基板11の表、裏面の間でスパークが発生する場合がある。該スパークが生じると、図58に符号15〜17にて示すように、上記くし歯部分が溶融してしまい、回路を破壊してしまう。又、ウエハ状の圧電基板11が例えば上記ボンディングステージの上方に位置したとき、上記帯電によりウエハ状の圧電基板11がボンディングステージ側に引き寄せられ、該引力によりウエハ状の圧電基板11が割れてしまうという現象や、ボンディングステージに載置後、再び圧電基板11を移載しようとしたとき、ボンディングステージへの接着力が強く無理に離そうとすることで割れてしまうという現象が生じる。
このように、ウエハ状の圧電基板11や、上記水晶基板のウエハや、上記化合物半導体ウエハのように、昇温、降温による温度変化に基づいて電荷が発生する基板にバンプを形成するバンプ形成装置では、シリコンウエハにバンプを形成する従来のバンプ形成装置では重大な問題とならなかった、バンプ形成のために行うウエハの昇温、降温により発生する電荷を除電することが重要な課題となってくる。
【0007】
尚、例えば特開昭55−87434号公報に開示されるように、ウエハの表面に施されたダイシングラインに沿ってアルミニウム膜を形成して上記表面側の帯電を上記ダイシングラインにてウエハ周囲に逃がして該ウエハ周囲から除電したり、ウエハ裏面全面にアルミニウム膜を形成し上記裏面の除電を容易にしたウエハが提案されている。このような方法によりウエハの除電は行われると思われるが、ウエハから各チップに切り離された後、例えばバンプを介して上記チップを基板にフリップチップ実装するようなときには上記裏面に押圧部材を接触させながら押圧及び超音波振動を作用させる。このとき、上記押圧部材の上記超音波振動により上記裏面のアルミニウム膜が剥離し不具合発生の要因となる可能性がある。よって、除電のために施した上記アルミニウム膜を実装前には除去する必要があり、工程及びコストの増加という問題がある。
【0008】
本発明は、上述したような問題点を解決するためになされたもので、電荷発生半導体基板のバンプ形成前後における当該基板の昇温、降温により発生する電荷の除電を有効に行い、かつ電荷発生半導体基板の破損を生じない、即ち、電荷発生半導体基板に対して焦電破壊及び物理的破損を防止可能な、バンプ形成装置、該バンプ形成装置にて実行される電荷発生半導体基板の除電方法、及び上記バンプ形成装置に備わる上記電荷発生半導体基板用除電装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1態様のバンプ形成装置は、温度変化に伴い電荷を発生する電荷発生半導体基板がバンプを形成するに必要なバンプボンディング用温度に加熱された状態にて、上記電荷発生半導体基板上の回路に形成されている電極上に上記バンプを形成するバンプ形成ヘッドを備えたバンプ形成装置であって、
上記加熱された上記電荷発生半導体基板へのバンプのボンディングの後、上記電荷発生半導体基板を冷却するとき、該冷却による温度降下にて当該電荷発生半導体基板に生じた電荷を除去する温度降下制御を行う制御装置と、
上記電荷発生半導体基板に対して非接触な状態にて上記電荷発生半導体基板を上記バンプボンディング用温度に加熱するとともに、上記非接触な状態にて上記ボンディング後に上記制御装置による上記温度降下制御に従い上記電荷発生半導体基板の冷却を行う加熱冷却装置と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
上記温度降下制御は、降温と、該降温における下降温度幅未満の温度幅による昇温とを交互に繰り返し行うように構成することができる。
【0011】
上記加熱冷却装置における上記電荷発生半導体基板の上記バンプボンディング用温度への加熱は、上記バンプボンディング用温度付近まで上記電荷発生半導体基板を予め加熱するプリヒート動作を含み、
上記制御装置は、さらに、上記プリヒート動作による温度上昇にて生じ上記電荷発生半導体基板に生じる電荷を除去する温度上昇制御を上記加熱冷却装置に対して行うように構成することができる。
【0012】
上記温度上昇制御は、昇温と、該昇温における上昇温度幅未満の温度幅による降温とを交互に繰り返し行うように構成することができる。
【0013】
上記加熱冷却装置は、上記バンプボンディング用温度に上記電荷発生半導体基板を加熱するバンプボンディングステージと、上記制御装置による上記温度降下制御に従い上記電荷発生半導体基板の冷却を行う冷却装置と、を備えるように構成することができる。
【0014】
上記加熱冷却装置は、上記バンプボンディング用温度に上記電荷発生半導体基板を加熱するバンプボンディングステージと、上記制御装置による上記温度上昇制御に従い上記電荷発生半導体基板の上記プリヒート動作を行うプリヒート装置と、を備えるように構成することができる。
【0015】
上記電荷発生半導体基板の電荷を中和するイオンを発生し上記電荷発生半導体基板へ作用させるイオン発生装置を上記冷却装置に配置された上記電荷発生半導体基板に対向して設置するように構成することができる。
【0016】
上記加熱冷却装置は、上記バンプボンディング用温度に上記電荷発生半導体基板を加熱するバンプボンディングステージと、上記電荷発生半導体基板を上記バンプボンディング用温度に加熱する前に上記電荷発生半導体基板に非接触な状態にて上記バンプボンディング用温度付近まで上記電荷発生半導体基板のプリヒート動作を行い、該プリヒート動作による温度上昇にて上記電荷発生半導体基板に生じた電荷を除去する温度上昇制御が上記制御装置にてなされるプリヒート装置とを備え、上記イオン発生装置を、さらに、上記プリヒート装置に配置された上記電荷発生半導体基板に対向して設置するように構成することができる。
【0017】
上記電荷発生半導体基板を保持する保持爪を有し該保持爪にて上記電荷発生半導体基板を保持するとともに上記電荷発生半導体基板の上記加熱冷却装置への搬送を行うウエハ保持部をさらに備え、上記ウエハ保持部及び上記保持爪において、上記イオン発生装置から発生した上記イオンが作用する箇所には絶縁材料にてコーティングを施すように構成することができる。
【0018】
上記冷却装置は、上記電荷発生半導体基板に対向して配置され上記電荷発生半導体基板との対向面には遠赤外線輻射塗料を塗布した熱拡散部材を備えるように構成することができる。
【0019】
上記プリヒート装置は、上記電荷発生半導体基板に対向して配置され上記電荷発生半導体基板との対向面には遠赤外線輻射塗料を塗布した熱拡散部材を備えるように構成することができる。
【0020】
上記バンプボンディングステージに接続され、上記バンプボンディングステージに載置された上記電荷発生半導体基板に対して当該電荷発生半導体基板の反りを矯正する反り矯正装置をさらに備えるように構成することができる。
【0021】
上記制御装置は、さらに、上記バンプボンディングステージに対して、上記バンプボンディングステージに載置された上記電荷発生半導体基板に対して当該電荷発生半導体基板の反りを矯正する反り矯正用温度制御を行うように構成することができる。
【0022】
上記バンプボンディングステージに接続され、上記バンプボンディングステージに載置された上記電荷発生半導体基板に対して当該電荷発生半導体基板に帯電している電荷を除去するための気体供給を行う気体供給装置をさらに備え、上記制御装置は、さらに、上記気体供給装置に対して電荷除去用の気体供給動作制御を行うように構成することができる。
【0023】
上記電荷発生半導体基板の回路形成面である表面に接触し、上記電荷発生半導体基板の上記表面に生じた分の電荷を除去する除電用接触部材をさらに備えるように構成することができる。
【0024】
本発明の第2態様における電荷発生半導体基板の除電方法は、温度変化に伴い電荷を発生する電荷発生半導体基板上の回路に形成されている電極上にバンプを形成するに必要なバンプボンディング用温度に加熱されて当該電荷発生半導体基板へのバンプのボンディングが行われた後、上記電荷発生半導体基板に非接触な状態にて配置され上記電荷発生半導体基板を加熱して上記電荷発生半導体基板の降温を調整する冷却装置を用いて上記電荷発生半導体基板を冷却するとき、該冷却による温度降下にて当該電荷発生半導体基板に生じる電荷を除去する温度降下制御を上記冷却装置に対して行うことを特徴とする。
【0025】
本発明の第3態様における電荷発生半導体基板用除電装置は、温度変化に伴い電荷を発生する電荷発生半導体基板を加熱後冷却するとき、該冷却による温度降下にて当該電荷発生半導体基板に生じた電荷を除去する温度降下制御を行う制御装置と、
上記電荷発生半導体基板に対して非接触な状態にて、上記電荷発生半導体基板を加熱するとともに、該加熱後に上記制御装置による上記温度降下制御に従い上記電荷発生半導体基板の冷却を行う加熱冷却装置と、を備えたことを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態であるバンプ形成装置、該バンプ形成装置にて実行される電荷発生半導体基板の除電方法、及び上記バンプ形成装置に備わる上記電荷発生半導体基板用除電装置について、図を参照しながら以下に説明する。尚、各図において同じ構成部分については同じ符号を付している。
又、図1及び図2に示す、本実施形態のバンプ形成装置101は、上記SAWフィルタを形成するウエハ状の圧電基板(以下、「圧電基板ウエハ」と記す)を処理するのに適しており、以下の説明でも上記圧電基板ウエハにバンプを形成する場合を例に採るが、処理対象を上記圧電基板ウエハに限定するものではない。即ち、温度変化に伴い電荷を発生する電荷発生半導体基板に相当する、例えばLiTaO3やLiNbO3等の化合物半導体ウエハや、水晶を基板とする水晶半導体ウエハ等に対しても本実施形態のバンプ形成装置101は適用可能である。又、Siを基板とするSi半導体ウエハにも適用可能である。尚、その場合、バンプを形成するときのウエハの温度を上述のように約250℃〜約270℃まで加熱することになる。
【0027】
又、上記バンプ形成装置101は、バンプ形成前の圧電基板ウエハ201を層状に収納した第1収納容器205と、バンプ形成後の圧電基板ウエハ202を層状に収納する第2収納容器206との両方を備えた、いわゆる両マガジンタイプであるが、該タイプに限定されるものではなく、上記バンプ形成前圧電基板ウエハ201及び上記バンプ形成後圧電基板ウエハ202を一つの収納容器に収納するいわゆる片マガジンタイプを構成することもできる。
又、以下に説明する、ボンディングステージ110、プリヒート装置160、及びポストヒート装置170が加熱冷却装置の機能を果たす一例に相当し、又、冷却装置の機能を果たす一例がポストヒート装置170に相当し、反り矯正装置及び気体供給装置の機能を果たす一例がブロー装置115に相当する。
又、上記加熱冷却装置、及び以下に説明する制御装置180にて除電装置を構成する。
【0028】
上記バンプ形成装置101の基本的な構成は従来のバンプ形成装置の構成に類似する。即ち、該バンプ形成装置101は、大別して、一つのボンディングステージ110と、一つのバンプ形成ヘッド120と、搬送装置130と、搬入側と搬出側にそれぞれ設けた移載装置140と、上記収納容器205,206についてそれぞれ設けられそれぞれの収納容器205,206を昇降させる昇降装置150と、プリヒート装置160と、ポストヒート装置170と、制御装置180とを備える。しかしながら、当該バンプ形成装置101では、後述の動作説明に示すように、バンプ形成のために必要となるバンプボンディング用温度と室温との間の温度変化により、バンプ形成前の圧電基板ウエハ201及びバンプ形成後の圧電基板ウエハ202の表裏面に生じる帯電を除去する動作が可能なように、上記制御装置180の制御による除電動作を実行する点が従来のバンプ形成装置とは大きく相違する。又、バンプ形成装置101は、バンプを形成する装置であるから、最も基本的な構成部分は、上記ボンディングステージ110及びバンプ形成ヘッド120である。
以下に、上述の各構成部分について説明する。
【0029】
上記ボンディングステージ110は、上記バンプ形成前の圧電基板ウエハ(以下、単に「バンプ形成前ウエハ」と記す)201を載置するとともに、該バンプ形成前ウエハ201上に形成されている回路における電極上にバンプを形成するに必要なバンプボンディング用温度までバンプ形成前ウエハ201を加熱する。尚、上述の、バンプを形成するに必要なバンプボンディング用温度とは、上記電極とバンプとを設計上の強度にて接合するために必要な温度であり、バンプが形成されるウエハや基板の材質や上記設計上の強度に応じて設定される温度である。本実施形態の場合、約150℃である。
ボンディングステージ110では、バンプ形成前ウエハ201が載置されるウエハ載置台111に、図39に示すように、バンプ形成前ウエハ201を吸着するための、及び気体を噴出するための出入孔113を開口させており、該出入孔113には、制御装置180にて動作制御される吸引装置114、及び気体供給装置として機能する一例であるブロー装置115が接続されている。尚、本実施形態では、上記気体は空気である。又、ボンディングステージ110のウエハ載置台111は、ヒータ112側に接触している加熱位置と電荷発生半導体基板を移載するための移載位置との間を、昇降装置にて昇降可能である。
【0030】
さらに、本実施形態では、ウエハ載置台111におけるバンプ形成前ウエハ201との接触面には、銀メッキを施している。銀メッキを施すことで、ウエハ載置台111とバンプ形成前ウエハ201との間の熱伝導率が良くなり、又、後述するようにバンプ形成前ウエハ201の除電効果も高くなる。
【0031】
上記バンプ形成ヘッド120は、上記ボンディングステージ110に載置され上記バンプボンディング用温度に加熱されたバンプ形成前ウエハ201の上記電極にバンプを形成するための公知の装置であり、バンプの材料となる金線を供給するワイヤ供給部121の他、上記金線を溶融してボールを形成し該溶融ボールを上記電極に押圧するバンプ作製部、上記押圧時にバンプに超音波を作用させる超音波発生部等を備える。又、このように構成されるバンプ形成ヘッド120は、例えばボールねじ構造を有し平面上で互いに直交するX,Y方向に移動可能なX,Yテーブル122上に設置されており、固定されている上記バンプ形成前ウエハ201の各上記電極にバンプを形成可能なように上記X,Yテーブル122によって上記X,Y方向に移動される。
【0032】
当該バンプ形成装置101では、上記搬送装置130として2種類設けられている。その一つである搬入装置131は、上記第1収納容器205から上記バンプ形成前ウエハ201を取り出す装置であり、他の一つである搬出装置132は、バンプ形成後の圧電基板ウエハ(以下、単に「バンプ形成後ウエハ」と記す)202を上記第2収納容器206へ搬送し収納する装置である。図3に示すように、搬入装置131には、バンプ形成前ウエハ201を吸着動作にて保持する保持台1311と、該保持台1311をX方向に沿って移動させる搬入装置用移動装置1312とが備わる。搬入装置用移動装置1312に含まれる駆動部1313は、制御装置180に接続され動作制御される。よって、上記駆動部1313が動作することで保持台1311がX方向に沿って移動し、第1収納容器205からバンプ形成前ウエハ201を取り出してくる。
【0033】
搬出装置132も搬入装置131と同様の構造を有し、同様に動作することから、略説する。つまり搬出装置132は、図30に示すように、バンプ形成後ウエハ202を本実施形態では吸着動作により保持する保持台1321と、該保持台1321をX方向に沿って移動させ、第2収納容器206へ上記バンプ形成後ウエハ202を収納させる搬出装置用移動装置1322と、バンプ形成後ウエハ202の裏面202bに吸着しバンプ形成後ウエハ202を保持する保持部1323と、上記保持台1321の下方に配置され保持台1321に保持されているバンプ形成後ウエハ202の厚み方向へ保持部1323を移動させる駆動部1324とを備える。上記搬出装置用移動装置1322及び駆動部1324は、制御装置180にて動作制御される。
【0034】
又、搬入装置131の設置箇所には、第1収納容器205から搬入装置131にて取り出したバンプ形成前ウエハ201のオリエンテーションフラットを所定方向に配向させる、オリフラ合わせ装置133が設けられている。該オリフラ合わせ装置133には、図4に示すように、駆動部1332にてY方向に移動してバンプ形成前ウエハ201を挟持する挟持板1331と、バンプ形成前ウエハ201の厚み方向に移動可能であり、かつバンプ形成前ウエハ201を保持可能であり、かつ保持したバンプ形成前ウエハ201のオリエンテーションフラットの配向を行うためにバンプ形成前ウエハ201の周方向に回転可能な保持部1333と、該保持部1333の駆動部1334とが備わる。上記駆動部1332、1334は、制御装置180にて動作制御される。
【0035】
移載装置140は、当該バンプ形成装置101では、搬入側移載装置141と搬出側移載装置142とを備える。搬入側移載装置141は、上記搬入装置131の保持台1311に保持された上記バンプ形成前ウエハ201を挟持し、プリヒート装置160への搬送と、プリヒート装置160からボンディングステージ110への搬送を行う。一方、搬出側移載装置142は、ボンディングステージ110上に保持されている上記バンプ形成後ウエハ202を挟持し、ポストヒート装置170への搬送と、ポストヒート装置170から上記搬出装置132の保持台1321への搬送とを行う。このような搬入側移載装置141は、図2に示すように、バンプ形成前ウエハ201を挟持しかつバンプ形成前ウエハ201の表面及び裏面の帯電を除去するウエハ保持部1411と、上記挟持動作のためにウエハ保持部1411を駆動する、本実施形態ではエアーシリンダを有する駆動部1412と、これらウエハ保持部1411及び駆動部1412の全体をX方向に移動させる、本実施形態ではボールねじ機構にて構成される移動装置1413とを備える。上記駆動部1412及び移動装置1413は、制御装置180に接続され、動作制御される。
搬出側移載装置142も、上記搬入側移載装置141と同様に、ウエハ保持部1421と、駆動部1422と、移動装置1423とを備え、駆動部1422及び移動装置1423は制御装置180にて動作制御される。
【0036】
上記ウエハ保持部1411、1421について説明する。ウエハ保持部1411は、図5に示すように、上記駆動部1412にてX方向に可動な、第1保持部材1414及び第2保持部材1415と、これらに挟まれて配置される除電用部材1416とが互いに平行に配列されている。これら第1保持部材1414、第2保持部材1415、及び除電用部材1416は、ともに鉄又はその他の導電性材料から作製されている。ウエハ保持部1421も、ウエハ保持部1411と同様に、第1保持部材1424及び第2保持部材1425と、これらに挟まれて配置される除電用部材1426とが互いに平行に配列されている。これら第1保持部材1424、第2保持部材1425、及び除電用部材1426は、ともに鉄又はその他の導電性材料から作製されている。尚、ウエハ保持部1411、1421は同じ構造にてなるので、以下には代表してウエハ保持部1411を例に説明する。
【0037】
第1保持部材1414及び第2保持部材1415には、図示するようにバンプ形成前ウエハ201を保持するためのL字形の保持爪1417がそれぞれ2個ずつ設けられている。該保持爪1417は、第1保持部材1414及び第2保持部材1415と同じ材料である鉄や、導電性樹脂にて作製され、バンプ形成前ウエハ201と直接に接触する部分には、図6に示すように、緩衝材として導電性樹脂膜14171を取り付けるのが好ましい。尚、第1保持部材1414及び第2保持部材1415並びに保持爪1417を鉄又は導電性材料にて作製するのは、保持するバンプ形成前ウエハ201の裏面201bの帯電をアース可能にするためである。
【0038】
一方、図55に示すように、上記保持爪1417に対応する保持爪14172を例えばデュポン社製の商品名ベスペルのような断熱部材にて作製することで、ウエハ保持部1411、1421における温度変化を小さくすることができ、バンプ形成前ウエハ201及び後述のバンプ形成後ウエハ202に対して温度変化を生じさせにくくなる。よってバンプ形成前ウエハ201及びバンプ形成後ウエハ202における割れ等の損傷防止を図ることができる。尚、図55に示す構造の場合、バンプ形成前ウエハ201及びバンプ形成後ウエハ202と、保持爪14172との接触部分には、導電性材料14173を設け、バンプ形成前ウエハ201及びバンプ形成後ウエハ202における電荷の第1保持部材1414及び第2保持部材1415へのアースを行う。又、ウエハ保持部1411、1421における第1保持部材1414及び第2保持部材1415等の外面には、以下に記すように、絶縁材料14174にてコーティングを施す。
【0039】
バンプ形成前ウエハ201及び後述のバンプ形成後ウエハ202から、より効率的に除電を行うため、後述するように、イオン発生装置190を設けるのが好ましい。該イオン発生装置190を設けたとき、イオン発生装置190から発生したイオンが、鉄又は導電性材料にて作製されている第1保持部材1414及び第2保持部材1415並びに保持爪1417にアースされてしまい、バンプ形成前ウエハ201及びバンプ形成後ウエハ202に効果的に作用しなくなる場合も考えられる。よって、上記イオンのアースを防ぎ上記イオンをバンプ形成前ウエハ201及びバンプ形成後ウエハ202に効果的に作用させるため、少なくとも、イオン発生装置190から発生したイオンが作用する箇所に、好ましくは第1保持部材1414及び第2保持部材1415並びに保持爪1417の外面全面に、絶縁材料にてコーティングを施すのが好ましい。
【0040】
除電用部材1416には、当該ウエハ保持部1411にて保持されるバンプ形成前ウエハ201の表面201aにおける周縁部分201cに接触可能なように、本実施形態ではウエハ201の直径方向に沿った2箇所にてウエハ201の厚み方向に突出して除電用接触部材14161が設けられている。除電用接触部材14161は、図7に示すように除電用部材1416に対して摺動可能に貫通して取り付けられ、除電用接触部材14161の軸方向にスプリング14162にて付勢されている。又、除電用接触部材14161におけるウエハ接触端部には、緩衝材として導電性樹脂14163が設けられている。
このような除電用接触部材14161は、上記導電性樹脂14163がバンプ形成前ウエハ201の表面201aに接触することで、該表面201aにおける帯電をアースする。又、保持爪1417にてバンプ形成前ウエハ201が保持される前の状態では、除電用接触部材14161は、バンプ形成前ウエハ201の厚み方向において、保持爪1417と同レベルもしくは保持爪1417を超えて突出している。該構成により、当該ウエハ保持部1411がバンプ形成前ウエハ201を保持しようとするとき、保持爪1417がバンプ形成前ウエハ201に接触する前に除電用接触部材14161がバンプ形成前ウエハ201の表面201aに接触可能となる。よって、まず、上記表面201aの除電を行うことができる。
【0041】
又、除電用接触部材14161に直接、アース線を接続する構成を採ることもできる。又、除電用部材1416に除電用接触部材14161を取り付ける構造に限定されるものではなく、例えば図8に示すように、保持爪1417が設けられる第1保持部材1414及び第2保持部材1415に、金属の又は導電性の材料にてなり上記表面201aに接触可能な板バネ14164を取り付ける構成を採ることもできる。
【0042】
一方、ウエハ201、202において、除電用接触部材14161が接触する、ウエハ201、202の表面201aの周縁部分201cには、表面201aの帯電を効率的に除去可能なように、図9に示すようにアルミニウム膜203が全周にわたり形成されたウエハも存在する。このようなウエハの場合には、除電用接触部材14161がアルミニウム膜203に接触することで効果的に表面201aの除電を行うことができる。又、図10に示すように、上記周縁部分201cにて、3箇所以上の箇所に除電用接触部材14161を配置するように構成することもできる。さらに、ウエハの中央部分からも除電が行えるように、図10に示すように、ウエハの中央部分に除電用接触部材14161が接触しても支障の生じないダミーセル14165を形成しておき、該ダミーセル14165に対応する位置に除電用接触部材14161を配置し、ダミーセル14165に収集される電荷を効率的に取り除くこともできる。尚、上述のような除電用接触部材14161の数を増加させ、又はその接触面積を大きくすることにより、除電性能を向上させることもできる。
【0043】
後述の動作説明にて述べるが、例えばLiTaO3やLiNbO3等の化合物半導体ウエハの場合のように、処理する電荷発生半導体基板によっては、図40に示すように、該基板に生じる温度差により該基板に反りが生じる場合がある。尚、上記反り量として、図40に示す寸法Iは、厚み0.35mm、直径76mmの、LiTaO3ウエハの場合で1〜1.5mm、LiNbO3の場合で1.5〜2mmとなる。
一方、除電用接触部材14161は、電荷発生半導体基板において上記反り量が大きくなる周縁部分に対応するように配置されている。又、上述したような、除電用部材1416への除電用接触部材14161の取り付け構造では、図7に示すように、除電用接触部材14161は、除電用接触部材14161の軸方向にのみ移動可能であるので、電荷発生半導体基板の上記反りに対応して揺動する、つまり反った面に対してほぼ直交して除電用接触部材が延在するように除電用接触部材自体が傾くことはできない。よって、反りが生じた電荷発生半導体基板に対して除電用接触部材14161が接触したとき、反っていない状態の電荷発生半導体基板の厚み方向に沿って延在しかつ移動可能な除電用接触部材14161から上記電荷発生半導体基板へ不要な力が作用し、電荷発生半導体基板が割れたり欠けたりして損傷する場合も考えられる。したがって、除電用部材1416への除電用接触部材14161の取り付け構造及びその関連部分は、図41〜図50及び図56に示す以下のような構造等が好ましい。尚、取り付け構造及びその関連部分の変更に伴い除電用部材1416にも構造変更が生じるので、厳格には除電用部材の符号変更が必要であるが、説明の便宜上、「1416」をそのまま付すこととする。
【0044】
図41に示す除電用接触部材の取り付け構造の一変形例では、除電用部材1416にすり鉢状の穴14166を設け、該穴14166に線径1.5〜2mm程度の導電性の、例えば金属の棒材にてなる除電用接触部材14100を挿通し、スプリング14162にて除電用接触部材14100の軸方向に除電用接触部材14100を付勢している。該付勢力は、本実施形態では、一つの除電用接触部材14100当たり約49〜98×10-3Nとしている。又、電荷発生半導体基板に接触する除電用接触部材14100の一端における角部14101は、上記反りを生じた電荷発生半導体基板の曲率に応じて除電用接触部材14100が矢印14110方向に揺動しやすいように、例えば面取りや円弧状に整形してもよいし、除電用接触部材14100の一端に、図42に示すように例えば直径5mm程度の導電性の、例えば金属の球14105や、図49に示すような円筒14106を取り付けても良いし、又、上記一端を図50に示すように半球状に整形してもよい。尚、揺動する除電用接触部材14100の軌跡を含む平面と電荷発生半導体基板の直径方向とが平行になるように、除電用接触部材14100は上記矢印14100方向に揺動する。上記円筒14106を取り付ける場合には、該円筒14106の軸方向が電荷発生半導体基板の直径方向及び厚み方向に直交する方向に沿うように円筒14106を配置する。又、本実施形態では、除電用接触部材14100の他端に、直接、アース線14109を接続する構成を採っている。
このような構造を採ることで、除電用接触部材14100は、すり鉢状の穴14166の小径部分を支点として首を振ることができるので、反りを生じた電荷発生半導体基板の曲率に応じて、除電用接触部材14100は矢印14110方向に揺動可能であり、電荷発生半導体基板の損傷を防止することができる。
【0045】
他の変形例として、図42に示す構造を採ることもできる。該構造では、図43に示すように、除電用部材1416に形成した取付穴14102内に、2つのローラ14103を適宜な間隔にて配置して、ピン14104にて回転可能に除電用部材1416へ取り付け、上記2つのローラ14103にて矢印14100方向に揺動可能なように除電用接触部材14107が設けられる。除電用接触部材14107の他端部には、図44に示すように、回転可能に支持されたローラ14108を有し、除電用接触部材14107の一端には上記球14105が取り付けられる。このような除電用接触部材14107は、スプリング14162にて軸方向に付勢されて除電用部材1416に取り付けられる。よって、除電用接触部材14107のローラ14108は、除電用部材1416の2つのローラ14103にて両側から回転可能に支持されるので、除電用接触部材14107は矢印14100方向に揺動可能であり、電荷発生半導体基板の損傷を防止することができる。
【0046】
さらに他の変形例として、図45に示す構造を採ることもできる。該構造は、図42に示す構造を発展させたもので、除電用部材1416に十字状にて4つのローラ14111を回転可能に設け、一方、他端に球14112を設けた除電用接触部材14113を、上記球14112が上記4つのローラ14111の中央部に位置するようにして除電用部材1416に取り付ける。尚、球14112はスプリング14162により4つのローラ14111に付勢されている。又、アース線は、図48に示すような形態にて上記球14112に取り付けてもよいし、除電用部材1416に取り付けるようにしてもよい。このような構造をとることで、除電用接触部材14113は、上記矢印14110方向のみならず、該矢印14110方向に直交する矢印14114方向にも滑らかに回転可能となり、電荷発生半導体基板の損傷を防止することができる。
【0047】
さらに他の変形例として、図46〜図48に示す構造を採ることもできる。該構造では、除電用部材1416にはすり鉢状の穴14166を設け、一方、他端に球14115を設けた除電用接触部材14116が、上記球14115を上記穴14166に回転可能な状態にて支持させて、除電用部材1416に取り付けられる。球14115は、スプリング14162にて穴14166の壁面に付勢されている。又、球14115には、除電用部材1416との間にアース線14119を接続した集電部材14117がスプリング14118にて押圧されている。よって、電荷発生半導体基板の電荷は、除電用接触部材14116、集電部材14117、アース線14119を通り、除電用部材1416に取り付けたアース線14109へ流れる。このような構造をとることで、除電用接触部材14116は、図46に示す取付状態に対していずれの方向にも回転することができ、電荷発生半導体基板の損傷を防止することができる。
【0048】
又、図46に示す取付け構造の変形例として、図47に示すようにスプリング14162を除いた、除電用接触部材14120を用いた構造とすることもできる。この場合、図46に示す構造に比べてコスト低減、組み立て容易の効果に加えて、さらに以下の効果が得られる。つまり、球14105の重量により、例えば19.6×10-3N程度の微小な力にて電荷発生半導体基板に接触可能となる。よって、例えば0.1mm程度の厚みにてなる薄い電荷発生半導体基板に対しても割れ等の損傷を与えないようにすることができる。
又、図48に示すように、集電部材14117及びスプリング14118を削除し、球14115に直接、アース線14109を取り付けた、除電用接触部材14121を用いた構造を採ることもできる。この場合、図46に示す構造に比べて部品点数を削減でき構造を単純化できるので、コスト削減を図ることができる。
【0049】
さらに他の変形例として、図50に示す構造を採ることもできる。上述の図41から図48に示す構造では、除電用接触部材が揺動可能なように構成したが、図50に示す除電用接触部材14122では、除電用部材1416における除電用接触部材14122の支持部分にリニアガイドベアリング14123を設けている。よって、図50に示す構造では、除電用接触部材14122の軸方向への移動は、図7に示す構造における除電用接触部材14161の軸方向への移動に比べて非常に滑らかになる。したがって、図50に示す構造では、除電用接触部材14122が揺動しない構造ではあるが、上述のような反りを生じる電荷発生半導体基板に対して除電用接触部材14122の半球状の一端が接触したとき、除電用接触部材14122はその軸方向に移動するので、反りを生じる電荷発生半導体基板に対しても割れ等の損傷を与えないようにすることができる。
【0050】
上記除電用接触部材14122において、リニアガイドベアリング14123を嵌合している支持部材14124は鉄製でも良いが、上記ベスペルのような断熱材料にて作製するのがより好ましい。例えば上記ベスペルにて作製した支持部材14124は、鉄にて作製した場合に比べて、熱伝導率にて約1/84となる。よって、断熱材料にてなる支持部材14124を設けることで、除電用接触部材14122が電荷発生半導体基板に接触して電荷発生半導体基板を急激に冷却するのを防止でき、電荷発生半導体基板への熱ダメージを防止することができる。
【0051】
又、上記除電用接触部材14122の変形例として、図56に示すように、スプリング14162に代えて重り14126を設けた除電用接触部材14125を構成することもできる。スプリング14162を使用した場合、スプリング14162の縮み量、つまり除電用接触部材の軸方向への移動量により電荷発生半導体基板への除電用接触部材の押圧力が変化するが、重り14126を使用することで、除電用接触部材の上記移動量に関係なく一定の押圧力を電荷発生半導体基板へ作用させることができるという効果がある。
尚、上述の、図41、図42、図45、図46、図48に示す各除電用接触部材においても、スプリング14162に代えて重り14126を設ける構造とすることができ、又、図47に示す除電用接触部材14120においても、重り14126を設ける構造とすることができる。
【0052】
上記プリヒート装置160は、図11及び図12に示すように、搬入装置131からウエハ保持部1411にて保持したバンプ形成前ウエハ201を、保持した状態のままプリヒート装置160に非接触な状態にて、室温から、ボンディングステージ110にてバンプ形成を行うときの上記バンプボンディング用温度である約150℃付近まで昇温する装置であり、発熱源としてのパネルヒータ161を有するパネルヒータ枠162上に熱拡散部材としてのアルミニウム板163を取り付けた構造を有する。
パネルヒータ161による昇温動作は、アルミニウム板163の温度を測定する例えば熱電対のような温度センサ166からの温度情報を参照しながら制御装置180にて制御される。該昇温動作は、本実施形態のバンプ形成装置101における特徴的動作の一つであり、詳細については後述する。又、この特徴的な昇温制御を可能とするため、アルミニウム板163には、冷却材通過用の通路164がジグザグ状に形成されている。本実施形態では、上記冷却材として室温の空気を使用し、制御装置180にて動作制御される空気供給装置165にて空気が冷却材用通路164へ供給される。又、上記冷却材として水を使用することもできる。但し、水を使用する場合、昇降温の応答が遅いため昇降温制御がし難く、水と比べたときには上記空気を使用する方が好ましい。
又、バンプ形成前ウエハ201は、本実施形態では、プリヒート装置160のアルミニウム板163との隙間を約1mmとして、ウエハ保持部1411にて保持された状態でアルミニウム板163上に配置される。よって、アルミニウム板163のウエハ対向面には、ウエハ保持部1411の保持爪1417との干渉を避けるための溝167がウエハ保持部1411の進行方向に沿って形成されている。
【0053】
上記ポストヒート装置170は、バンプ形成後、ボンディングステージ110からウエハ保持部1421にて保持したバンプ形成後ウエハ202を、保持した状態のままポストヒート装置170に非接触な状態にて、上記バンプボンディング用温度の約150℃付近から室温付近まで徐々に降温するための装置であり、構造的には上述のプリヒート装置160と同様の構造を有する。つまり、ポストヒート装置170においても、パネルヒータ171、パネルヒータ枠172、アルミニウム板173、冷却材用通路174、空気供給装置175、温度センサ176、及び溝177を有する。よって、図11及び図12には、プリヒート装置160及びポストヒート装置170の両者における符号を記している。但し、パネルヒータ171は、バンプ形成後ウエハ202の降温を制御するために制御装置180にて動作制御され、該降温制御動作は、本実施形態のバンプ形成装置101における特徴的動作の一つであり、詳細については後述する。
【0054】
又、上記プリヒート装置160及び上記ポストヒート装置170に備わるアルミニウム板163、173における、バンプ形成前ウエハ201及びバンプ形成後ウエハ202に対向する表面には、絶縁性の遠赤外線輻射塗装を施すのが好ましい。該塗装を行うことで、バンプ形成前ウエハ201及びバンプ形成後ウエハ202に対する熱放出性を向上させることができる。
【0055】
上記昇降装置150は、上記第1収納容器205を載置する第1昇降装置151と、上記第2収納容器206を載置する第2昇降装置152とを備える。第1昇降装置151は、上記バンプ形成前ウエハ201が上記搬入装置131によって取り出し可能な位置に配置されるように、上記第1収納容器205を昇降する。第2昇降装置152は、上記搬出装置132にて保持されているバンプ形成後ウエハ202を第2収納容器206内の所定位置へ収納可能なように、第2収納容器206を昇降する。
【0056】
以上説明したような構成を有する本実施形態のバンプ形成装置101における動作について以下に説明する。上述した各構成部分は制御装置180にて動作制御がなされることで、バンプ形成前ウエハ201にバンプが形成され、そしてバンプ形成後ウエハ202が第2収納容器206へ収納される、という一連の動作が実行される。又、制御装置180は、本実施形態にて特徴的な動作である、バンプ形成前ウエハ201の帯電除去を考慮したプリヒート動作、及びバンプ形成後ウエハ202の帯電除去を考慮したポストヒート動作を含んだ、ウエハ201、202の帯電除去動作を実行する。又、ボンディングステージ110にて実行するバンプ形成前ウエハ201に対する反り矯正用ブロー動作を制御する。
これらの各動作については以下に詳しく説明する。尚、以下の説明において、ウエハ保持部1411、1421に備わる除電用接触部材は、上述した反りを生じる電荷発生半導体基板等、いずれのウエハ、基板に対しても適用可能な、図41に示す除電用接触部材14100を例に採る。該除電用接触部材14100に代えて、上述の除電用接触部材14107、14113、14116、14120、14121、14122を使用することもできる。
【0057】
本実施形態のバンプ形成装置101では、図13に示すステップ(図内では「S」にて示す)1からステップ10までの各工程により、バンプ形成前ウエハ201にバンプが形成され、バンプ形成後ウエハ202が第2収納容器206へ収納される。即ち、ステップ1では、第1収納容器205からバンプ形成前ウエハ201が搬入装置131によって取り出し可能な位置に配置されるように、第1昇降装置151により第1収納容器205が昇降し、その後、バンプ形成前ウエハ201が搬入装置131によって第1収納容器205から取り出される。さらに、搬入装置131にて保持されたバンプ形成前ウエハ201は、オリフラ合わせ装置133にてオリエンテーションフラットの配向が行われる。
【0058】
オリエンテーションフラットの配向終了後、ステップ2では、搬入装置131の保持台1311に保持されているバンプ形成前ウエハ201が搬入側移載装置141にて挟持される。該動作について図14〜17を参照して詳しく説明する。
図14に示すように、上記配向後、オリフラ合わせ装置133の保持部1333が上昇し保持台1311からバンプ形成前ウエハ201を吸着保持し上昇する。一方、ウエハ保持部1411がバンプ形成前ウエハ201の上方に配置され、かつ駆動部1412にて第1保持部材1414及び第2保持部材1415がX方向に沿って開く方向に移動する。次に、図15に示すように、保持部1333が上昇し、それによりまず、ウエハ保持部1411の除電用接触部材14100の先端がバンプ形成前ウエハ201の表面201aに接触する。よって、除電用接触部材14100の接触直前において上記表面201aが帯電していたとしても、除電用接触部材14100の接触により除電が行われる。
尚、本実施形態で使用しているバンプ形成前ウエハ201、バンプ形成後ウエハ202は、上述のように、帯電し難いが、一旦帯電すると除電し難いという特質を持っている。よって、除電用接触部材14100の接触によっても表面201aの完全な除電は困難であり、表面201aには約+10V〜約+25V程度の初期電荷が存在する。ここで、+は正の電荷であることを示す。
そして、図16に示すように、駆動部1412にて第1保持部材1414及び第2保持部材1415がX方向に沿って閉じる方向に移動する。
【0059】
次に、図17に示すように、上記保持台1311が下降し、バンプ形成前ウエハ201はウエハ保持部1411の保持爪1417にて保持される。このとき、除電用接触部材14100部分に設けたスプリング14162による付勢力によりバンプ形成前ウエハ201は保持爪1417へ押圧される。尚、該押圧力は、ウエハ保持部1411によるバンプ形成前ウエハ201の搬送時に落下等の不具合を生じさせない程度であり、バンプ形成前ウエハ201に変形を生じさせるものではない。
又、バンプ形成前ウエハ201の裏面201bと保持爪1417とが接触することで、上記裏面201bにおける電荷の一部はアースされる。しかしながら、上述のように上記裏面201bに形成されている溝14内の電荷を除電するのは、当該バンプ形成装置101の構成では困難であり、上述の表面201aの場合と同様に、裏面201bにも約−20V〜約−30V程度の初期電荷が存在する。ここで−は、負の電荷であることを示す。尚、後述の変形例にて説明するように、さらにイオン発生装置を用いて除電することでより効率的に除電が可能となる。
【0060】
次のステップ3では、図2に示すように、バンプ形成前ウエハ201を保持した状態にてウエハ保持部1411が移動装置1413にてプリヒート装置160の上方に搬送され配置される。
【0061】
次のステップ4では、プリヒート装置160により室温から約150℃付近までバンプ形成前ウエハ201はプリヒートされる。
しかしながら、該プリヒート動作によりバンプ形成前ウエハ201に生じる温度変化に伴い、バンプ形成前ウエハ201には電荷が発生し、その表面201a及び裏面201bは帯電を起こす。該帯電量は、温度変化の緩急に対応して変化するので、極力温度変化を抑えながらプリヒートを行うことで帯電量を少なくすることはできる。しかしながら、該方法は、処理時間が長くなり現実的ではないので、本実施形態では、以下のようなプリヒート動作を行い帯電量の低減を図っている。尚、上述したように、バンプ形成前ウエハ201の表面201aには、除電用接触部材14100が接触しており、かつ上記溝14が存在しないことから、表面201aの帯電量は裏面201bの帯電量に比べて問題になり難い。
【0062】
バンプ形成前ウエハ201及びバンプ形成後ウエハ202は、昇温に伴い正電荷が発生し、降温に伴い負電荷が発生する。この現象を利用し、プリヒート動作では、バンプ形成前ウエハ201を室温から上記バンプボンディング用温度まで一気に昇温するのではなく、例えば図18に示すように、昇温、降温を交互に繰り返す温度上昇制御を行い、上記バンプボンディング温度まで昇温する。このようなプリヒート動作を行うことで、昇温により生じた正電荷を、降温により生じる負電荷にて中和することができる。つまり、本実施形態におけるプリヒート動作の基本的な思想は、増加した帯電分をその都度逆帯電により除電することで、バンプボンディング温度まで昇温された時点においても上記初期電荷分の帯電量にするという考え方である。本実施形態におけるプリヒート動作について、より具体的に以下に説明する。
【0063】
図19には、上記プリヒート動作全体の動作の流れを示しており、該動作制御は制御装置180にて行われる。つまり、ステップ101では、プリヒート装置160のアルミニウム板163の温度が開始温度か否かが判断され、開始温度にないときには、ステップ102にてパネルヒータ161による加熱又は空気供給装置165による空気供給による冷却により上記開始温度に調節される。本実施形態では、上記開始温度は40℃であり、アルミニウム板163の温度は上記温度センサ166にて測定される。
ステップ103では、昇温傾きを制御して、アルミニウム板163、つまりバンプ形成前ウエハ201の昇温が開始され、ステップ104では昇温目標温度にアルミニウム板163が到達したか否かが判断される。尚、本実施形態では、上述のようにバンプ形成前ウエハ201の上記バンプボンディング用温度は約150℃であるので、これに対応してアルミニウム板163における上記昇温目標温度は約200℃である。アルミニウム板163が上記昇温目標温度に達していないときには、図20に示すステップ121〜ステップ124が実行される。
これらステップ103、104、及びステップ121〜124にて実行される温度上昇制御動作にて、本実施形態にて特徴的な動作の一つである、上述した、昇温、降温を交互に繰り返しながら上記バンプボンディング温度までの昇温動作が実行されることになる。尚、該動作については以下に詳述する。
【0064】
ステップ104にて上記昇温目標温度に達していると判断されたときには、ステップ105に移行し、プリヒート動作は完了する。よって、ステップ106にてバンプ形成前ウエハ201はボンディングステージ110へ移載される。該移載後、ステップ107では、空気供給装置165による空気供給を開始して、アルミニウム板163を上記開始温度まで降温させ、ステップ108にて上記開始温度まで降温したか否かが判断される。そして上記開始温度まで降温したときにはステップ109にて空気供給装置165の空気供給を停止し、上記開始温度を保持する。そして再びステップ103に戻り、次のバンプ形成前ウエハ201のプリヒート動作に備える。
【0065】
上記ステップ103、104、及びステップ121〜124の上記温度上昇制御動作について説明する。
ステップ103では、予め設定された上記昇温傾きに従いアルミニウム板163を昇温する。尚、本実施形態では20℃/分に設定している。ステップ104にて、アルミニウム板163が上記昇温目標温度に達していないときには、ステップ121へ移行し、降温開始条件を満たしているか否かが判断される。ここで、上記降温開始条件となる物理量としては、アルミニウム板163の温度、昇温開始からの時間、又はバンプ形成前ウエハ201の裏面201bの帯電量等が考えられ、本実施形態ではアルミニウム板163の温度を使用している。
【0066】
尚、上記裏面201bの帯電量を使用する場合には、図22に示すように、上記パネルヒータ161、上記パネルヒータ枠162、及びアルミニウム板163には、これらを貫通する貫通穴252を複数設けておき、パネルヒータ161の下方に静電センサ251を配置して、貫通穴252を通して静電センサ251にて裏面201bの帯電量を測定する。測定値は制御装置180へ送出され、帯電量が求められる。尚、上記静電センサ251にて裏面201bの帯電量を測定する場合や、後述するようにイオン発生装置190を使用して除電を行うような場合には、静電イオンが導電体に引っ張られ正確に帯電量を測定したり除電を行うことができなくなるのを防止するために、上記貫通穴252の内面及びその周辺、並びにパネルヒータ161、パネルヒータ枠162、及びアルミニウム板163の表面は、絶縁材料にてコーティングを施しておくのが好ましい。
【0067】
本実施形態のように上記降温開始条件の物理量としてアルミニウム板163の温度を選択したとき、ステップ121では、図21に符号271にて示す、昇温開始時と現在とにおけるアルミニウム板163の各温度から温度幅を求め該温度幅271が所定値に達しているか否かが判断される。そして上記所定値に達しているときには、次のステップ122に移行し、達していないときにはステップ103に戻る。
本実施形態では、上記温度幅271は30℃に設定している。尚、上記降温開始条件の物理量として「時間」を選択したときには、「時間」の場合には符号273の方がより適切な対応部分と思われるが、符号271は時間に相当し、昇温開始時刻から降温開始時刻までの時間を例えば2分に設定可能であり、「帯電量」を選択したときには符号271は帯電量差に相当し、例えば300V±10%に設定可能である。
【0068】
ステップ122では、空気供給装置165による冷却材用通路164への空気供給を開始して、アルミニウム板163の降温が開始される。このときの降温傾きは予め設定されている。本実施形態では−30℃/分に設定している。
次のステップ123では、降温目標条件を満たしているか否かが判断される。ここで、上記降温目標条件となる物理量としては、本実施形態における「温度」の他、上述のように「時間」や「帯電量」等がある。本実施形態では、ステップ123にて、図21に符号272にて示す、降温開始時と現在とのアルミニウム板163の各温度から温度幅を求め該温度幅272が所定値に達しているか否かが判断される。そして上記所定値に達しているときには、次のステップ124に移行し、達していないときにはステップ122に戻る。上記温度幅272は、上記温度幅271未満の値であり温度幅271の約1/2から約1/3程度の値であり、本実施形態では15℃に設定している。尚、上記降温目標条件の物理量として「時間」を選択したときには符号272は時間に相当し、例えば1分と設定可能であり、「帯電量」を選択したときには符号272は帯電量差に相当し、例えば100V±10%と設定可能である。
【0069】
ステップ124では、空気供給装置165による冷却材用通路164への空気供給を停止し、アルミニウム板163の降温を停止する。ステップ124における動作終了後、再びステップ103へ戻る。
このように上記ステップ103、104、及びステップ121〜124の温度上昇制御動作により、アルミニウム板163、つまりバンプ形成前ウエハ201の昇温、降温を交互に繰り返しながら上記バンプボンディング温度までの昇温動作が実行されることになる。このように昇、降温を交互に繰り返すことで、バンプ形成前ウエハ201の主に裏面201bにおける電荷は、昇温により正電荷が増えるが降温により負電荷が生じるので電荷の中和が行われる。実際には、上述のように昇温幅よりも降温幅の方が小さいので、図18に示すように上記プリヒート動作によりバンプ形成前ウエハ201の裏面201bには正電荷が蓄積されていくが、帯電量は、昇、降温を交互に繰り返さずに一様に昇温する場合に比べて、大幅に低減することができる。例えば一例として、上記一様に昇温した場合には+2000Vを超え、約+3000V程度まで帯電するが、昇、降温を交互に繰り返すことで約+100V程度に抑えることができる。
【0070】
以上のプリヒート動作後、ステップ5に移行する。ステップ5では、移動装置1413にて搬入側移載装置141がプリヒート装置160からボンディングステージ110へ移動され、ウエハ保持部1411にて保持されているバンプ形成前ウエハ201がボンディングステージ110に載置され、ボンディングステージ110に備わり制御装置180にて動作制御されるヒータ112にて上記バンプボンディング用温度に加熱されながらバンプ形成前ウエハ201上の回路における、例えば図60に示すような電極部分18へバンプ形成ヘッド120にてバンプ19が形成される。
【0071】
ウエハ保持部1411にて保持されているバンプ形成前ウエハ201のボンディングステージ110への載置動作について、図23〜26を参照して説明する。
上述したようにバンプ形成前ウエハ201はプリヒート動作により約150℃まで昇温されるが、ボンディングステージ110上へ載置されるまでの時間にて若干その温度は下がる。このように温度が若干下がったバンプ形成前ウエハ201を約150℃に加熱されているボンディングステージ110に載置したとき、バンプ形成前ウエハ201の温度とボンディングステージ110の温度との差に起因して、バンプ形成前ウエハ201の材質によっては図40に示すように反りが生じる場合がある。該反りを生じるバンプ形成前ウエハ201としては、例えばLiTaO3ウエハや、LiNbO3ウエハがある。そこで本実施形態では、ボンディングステージ110のバンプ形成前ウエハ201に対して、反りを矯正する動作を施している。本実施形態では、LiNbO3ウエハの場合にはボンディングステージ110に載置後に熱風を吹き付けることで上記反りを矯正し、一方、LiTaO3ウエハの場合には載置後の熱風吹き付け動作ではLiNbO3ウエハの場合に比べて反り矯正に要する時間が長くなってしまうので、熱風の吹き付けは行わない。このような差異が生じるのは、LiTaO3ウエハは、LiNbO3ウエハに比べて熱伝導率が悪く、熱風の吹き付けは逆効果であり載置後における加熱動作のみの方がLiTaO3ウエハの温度が均一になりやすいためと考えられる。以下に、図51を参照して上記熱風吹き付けによる反り矯正動作を、図52を参照して熱風吹き付け無しの反り矯正動作について説明する。
【0072】
図51に示すステップ507では、図23に示すように、搬入側移載装置141のウエハ保持部1411に保持されているバンプ形成前ウエハ201がボンディングステージ110上に搬入される。次のステップ531では、ボンディングステージ110へのバンプ形成前ウエハ201の搬入角度調整のためボンディングステージ110の回転が行われる。次のステップ532では、図24に示すようにウエハ載置台111がバンプ形成前ウエハ201の厚み方向に上昇して、バンプ形成前ウエハ201の裏面201bに接触し、さらに若干ウエハ201を押し上げる。尚、ウエハ載置台111が上昇したとき、上記ウエハ保持部1411の各保持爪1417はウエハ載置台111に形成されている逃がし溝116に進入する。
【0073】
該押し上げのとき、バンプ形成前ウエハ201の表面201aに接触している除電用接触部材14100は、スプリング14162の付勢力に逆らいながら上記表面201aに接触した状態を維持したまま押し上げられる。
このようにバンプ形成前ウエハ201の裏面201bが金属材料にてなるウエハ載置台111に接触するとき、裏面201bに蓄積された電荷の一部がウエハ載置台111へアースされ、又、裏面201bに蓄積された電荷の一部は上記表面201a側に移動することもある、しかしながら本実施形態では、プリヒート動作のとき上述した温度上昇制御を行っているので、表面201a及び裏面201b、特に裏面201bにおける帯電量は、上記温度上昇制御を行っていない従来に比べて低減されている。さらに又、上記表面201aに除電用接触部材14100を接触させている。よって、表面201aにおけるスパークの発生を防止することができる。尚、上記裏面201bの帯電量は、上記ウエハ載置台111へのアース、及びプリヒート装置160から外れることでバンプ形成前ウエハ201が若干、温度低下することによる負電荷の増加により、図18に符号302にて示すように低下する。
【0074】
次のステップ533では、図25に示すように、搬入側移載装置141の駆動部1412の動作により第1保持部材1414及び第2保持部材1415が開く方向に移動し、ウエハ保持部1411によるバンプ形成前ウエハ201の保持が解除される。尚、このときもまだ、除電用接触部材14100は、スプリング14162の付勢力により上記表面201aに接触した状態を維持している。
この状態にて、次のステップ534にて、ブロー装置115を動作させて、ウエハ載置台111に開口されている空気出入孔113から130〜140℃程度の上記反り矯正用熱風をバンプ形成前ウエハ201へ吹き付ける。該ブロー動作により、約0.5mm程、バンプ形成前ウエハ201はウエハ載置台111より浮き上がるが、バンプ形成前ウエハ201の周囲には第1保持部材1414及び第2保持部材1415の保持爪1417が存在するので、浮き上がったバンプ形成前ウエハ201がウエハ載置台111上から脱落することはない。本実施形態では、上記LiNbO3ウエハに対して上記反り矯正が達成される約2〜4分間、上記反り矯正用熱風の吹き付けを行うが、該熱風の吹き付け時間、及び温度は、反り矯正動作の対象となる電荷発生半導体基板の材質によって設定されるものであり、上述の値に限定されるものではない。
【0075】
上記熱風吹き付け時間の経過後、ステップ535にてブロー装置115の動作を停止し反り矯正用熱風の吹き付けを終了する。そしてステップ536では、吸引装置114を動作させて上記空気出入孔113から吸引を開始しバンプ形成前ウエハ201をウエハ載置台111上へ吸着する。ステップ537にて上記吸着が行われたことを検出し、ステップ538にて、図26に示すようにウエハ載置台111がバンプ形成前ウエハ201を保持した状態のまま、元の位置まで下降する。このとき、除電用接触部材14100は上記表面201aから離れる。
以上の動作にて上記反り矯正動作は終了する。その後、搬入側移載装置141のウエハ保持部1411が上記搬送装置130の上方へ移動する。
【0076】
次に、熱風吹き付け無しの反り矯正動作について説明する。尚、図52に示す動作の内、ステップ507、531、532、536、537の各動作については、図51を参照して上述した動作に同じであるので、ここでの説明は省略する。ステップ532にてウエハ載置台111が上昇し、ステップ541ではウエハ載置台111上にバンプ形成前ウエハ201が載置される。このとき、ウエハ載置台111は、バンプ形成前ウエハ201を吸着しない。これは、バンプ形成前ウエハ201に上記反りが生じたとき、吸着しているとバンプ形成前ウエハ201の変形動作が制限されてしまい、バンプ形成前ウエハ201に割れ等の損傷が発生する可能性があるからである。次のステップ542ではウエハ載置台111を元の位置まで下降させる。
ウエハ載置台111が降下したことで、ウエハ載置台111はヒータ112にて約150℃程度に再び加熱され、ステップ543では、ウエハ載置台111上にバンプ形成前ウエハ201が載置された状態で、上述した反り矯正用熱風の吹き付けを行うことなく、本実施形態では、上記LiTaO3ウエハに対して上記反り矯正が達成される約2分間、経過させる。よってこの間に、LiTaO3ウエハは、ウエハ載置台111にて加熱され、反りが矯正される。尚、上記反り矯正用の放置時間、及び温度は、反り矯正動作の対象となる電荷発生半導体基板の材質によって設定されるものであり、上述の値に限定されるものではない。
上述した、熱風吹き付け有り及び熱風吹き付け無しのいずれかの反り矯正動作を行うことで、バンプ形成前ウエハ201の反りを矯正でき、従って、バンプ形成前ウエハ201の割れ等の損傷を防止することができる。
【0077】
以上説明したような反り矯正用動作後、バンプ形成前ウエハ201はウエハ載置台111へ吸着され、ウエハ保持部1411がボンディングステージ110の上方から離れた後、バンプ形成前ウエハ201上の回路における電極部分へバンプ形成ヘッド120にてバンプが形成される。尚、バンプ形成の間、バンプ形成前ウエハ201は上記バンプボンディング用温度に維持され温度変化はほとんどないので、バンプ形成前ウエハ201に電荷が発生することはほとんどない。
【0078】
上記バンプ形成後、ステップ6では、図23〜26を参照して上述したバンプ形成前ウエハ201のボンディングステージ110上への載置動作を逆に動作させることで、搬出側移載装置142のウエハ保持部1421における第1保持部材1424及び第2保持部材1425にてバンプ形成後ウエハ202は保持される。つまり、ボンディングステージ110の上方に配置され駆動部1422にて第1保持部材1424及び第2保持部材1425が開かれ、次にボンディングステージ110のウエハ載置台111を上昇させる。該上昇動作により、バンプ形成後ウエハ202の表面202aに除電用部材1426に備わる除電用接触部材14100がまず接触する。次に、上記駆動部1422にて第1保持部材1424及び第2保持部材1425を閉じた後、ボンディングステージ110のウエハ載置台111を下降させることで、バンプ形成後ウエハ202は搬出側移載装置142のウエハ保持部1421に保持される。
ウエハ保持部1421にて保持されたバンプ形成後ウエハ202は、搬出側移載装置142の移動装置1423の駆動にてウエハ保持部1421がX方向に移動することで、図2に示すように、ポストヒート装置170の上方に配置される。
【0079】
次のステップ7では、ポストヒート装置170にてバンプ形成後ウエハ202を加熱することで該ウエハ202の降温を制御しながら、約150℃の上記バンプボンディング用温度から、室温を10℃程上回る温度までバンプ形成後ウエハ202のポストヒートを行う。
しかしながら、上述のプリヒート動作と同様に、降温動作によるバンプ形成後ウエハ202に生じる温度変化に伴い、バンプ形成後ウエハ202には電荷が発生し、図18に符号303、304にて示すように、その表面202a及び裏面202bは帯電を起こす。
そこで、上記ポストヒート動作においても、上述したプリヒート動作の場合と同様に、降温、昇温を交互に繰り返す、温度降下制御を行うことで、特に裏面202bの帯電量を抑える。尚、表面202aには、除電用接触部材14100が接触しており、表面202aの帯電はアースされる。
【0080】
図27には、上記ポストヒート動作全体の動作の流れを示しており、該動作制御は制御装置180にて行われる。つまり、ステップ131では、ポストヒート装置170のアルミニウム板173の温度が開始温度か否かが判断され、開始温度にないときには、ステップ132にてパネルヒータ171による加熱又は空気供給装置175による空気供給による冷却により上記開始温度に調節される。本実施形態では、上記開始温度は約200℃であり、アルミニウム板173の温度は上記温度センサ176にて測定される。
ステップ133では、降温傾きを制御して、上記空気供給装置175による空気供給によりアルミニウム板173、つまりバンプ形成後ウエハ202の降温が開始され、ステップ134では降温目標温度にアルミニウム板173が到達したか否かが判断される。尚、本実施形態では、アルミニウム板173における上記降温目標温度は、40℃である。アルミニウム板173が上記降温目標温度に達していないときには、図28に示すステップ151〜ステップ154が実行される。
これらステップ133、134、及びステップ151〜154にて実行される動作にて、本実施形態にて特徴的な動作の一つである、上述した、降温、昇温を交互に繰り返しながら上記降温目標温度までの降温動作が実行されることになる。尚、該温度降下制御動作については以下に詳述する。
【0081】
ステップ134にて上記降温目標温度に達していると判断されたときには、ステップ135に移行し、ポストヒート動作は完了する。よって、ステップ136にてバンプ形成後ウエハ202は搬出装置142へ移載される。該移載後、ステップ137では、パネルヒータ171への通電を開始し、アルミニウム板173を上記開始温度まで昇温させ、ステップ138にて上記開始温度まで昇温したか否かが判断される。そして上記開始温度まで昇温したときにはステップ139にてパネルヒータ171への通電を停止し、上記開始温度を保持する。そして再びステップ133に戻り、次のバンプ形成後ウエハ202のポストヒート動作に備える。
【0082】
上記ステップ133、134、及びステップ151〜154における上記温度降下制御動作について説明する。
ステップ133では、予め設定された上記降温傾きに従いアルミニウム板173を降温する。尚、上記降温傾きは、本実施形態では−20℃/分に設定している。ステップ134にて、アルミニウム板173が上記降温目標温度に達していないときには、ステップ151へ移行し、昇温開始条件を満たしているか否かが判断される。ここで、上記昇温開始条件となる物理量としては、上述のプリヒート動作制御の場合と同様に、アルミニウム板173の温度や、降温開始からの時間や、又はバンプ形成後ウエハ202の裏面202bの帯電量等が考えられ、本実施形態ではアルミニウム板173の温度を使用している。
【0083】
尚、上記裏面202bの帯電量を使用する場合には、上記プリヒート動作制御の説明の際に参照した図22に示すように、アルミニウム板173等に貫通穴252を複数設け、パネルヒータ171の下方に静電センサ251を配置して、貫通穴252を通して静電センサ251にて裏面202bの帯電量を測定する。測定値は制御装置180へ送出され、帯電量が求められる。
【0084】
本実施形態のように上記昇温開始条件の物理量としてアルミニウム板163の温度を選択したとき、ステップ151では、図29に符号275にて示す、降温開始時と現在とのアルミニウム板163の各温度から温度幅を求め該温度幅275が所定値に達しているか否かが判断される。そして上記所定値に達しているときには、次のステップ152に移行し、達していないときにはステップ133に戻る。
本実施形態では、上記温度幅275は30℃に設定している。尚、上記昇温開始条件の物理量として「時間」を選択したときには符号275は時間に相当し、例えば2分に設定可能であり、「帯電量」を選択したときには符号275は帯電量差に相当し、例えば300V±10%に設定可能である。
【0085】
ステップ152では、ポストヒート装置170のパネルヒータ171への通電を開始して、アルミニウム板173の昇温が開始される。このときの昇温傾きは予め設定されている。本実施形態では、+30℃/分に設定している。尚、パネルヒータ171への通電開始に対応して上記空気供給装置175による空気供給は停止する。
次のステップ153では、昇温目標条件を満たしているか否かが判断される。ここで、上記昇温目標条件となる物理量としては、本実施形態における「温度」の他、上述のように「時間」や「帯電量」等がある。本実施形態では、ステップ153にて、図29に符号276にて示す、昇温開始時と現在とのアルミニウム板173の各温度から温度幅を求め該温度幅276が所定値に達しているか否かが判断される。そして上記所定値に達しているときには、ステップ154に移行し、達していないときにはステップ152に戻る。上記温度幅276は、上記温度幅275未満の、温度幅275の約1/2から約1/3程度の値であり、本実施形態では15℃に設定している。尚、上記昇温目標条件の物理量として「時間」を選択したときには符号276は時間に相当し、例えば1分間に設定可能であり、「帯電量」を選択したときには符号276は帯電量差に相当し、例えば100V±10%に設定可能である。
【0086】
ステップ154では、ポストヒート装置170のパネルヒータ171への通電を停止し、アルミニウム板173の昇温を停止する。ステップ154における動作終了後、再びステップ133へ戻る。
このように上記ステップ133、134、及びステップ151〜154の温度降下制御動作により、アルミニウム板173、つまりバンプ形成後ウエハ202の降温、昇温を交互に繰り返しながら上記降温目標温度までの降温動作が実行されることになる。このように降、昇温を交互に繰り返すことで、バンプ形成後ウエハ202の主に裏面202bにおける電荷は、降温により負電荷が増えるが昇温により正電荷が生じるので電荷の中和が行われる。実際には、上述のように降温幅よりも昇温幅の方が小さいので、図18に符号303にて示すように、上記ポストヒート動作によりバンプ形成後ウエハ202の裏面202bには負電荷が蓄積されていくが、帯電量は、降、昇温を交互に繰り返さずに一様に降温する場合に比べて、大幅に低減することができる。例えば一例として、上記一様に降温した場合には約−2000V〜約−3000V程度まで帯電するが、降、昇温を交互に繰り返すことで約−100V程度に抑えることができる。
【0087】
上記ポストヒート動作後、ステップ8へ移行し以下の動作が実行される。搬出側移載装置142のウエハ保持部1421は、バンプ形成後ウエハ202を保持した状態にて、移動装置1423の駆動によりX方向に沿って搬出装置132の上方へ移動する。移動後の状態を図30に示している。
上記移動後、搬出装置132の駆動部1324が動作し、図31に示すように、保持部1323がバンプ形成後ウエハ202の裏面202bに接触し、かつバンプ形成後ウエハ202がウエハ保持部1421の保持爪1417から約1mm程浮き上がるように上昇する。保持部1323が上記裏面202bに接触することで、裏面202bの帯電が保持部1323を通じてアースされることから、図18に符号305にて示すように裏面202bの帯電量は減少する。又、上記上昇のときにも、除電用接触部材14100はバンプ形成後ウエハ202の表面202aに接触した状態を維持している。よって、搬入装置131及びボンディングステージ110におけるウエハ201、202の受け渡しの場合と同様に、保持部1323がバンプ形成後ウエハ202の裏面202bの接触することで、裏面202bの帯電量が変化することに伴い表面202aの電荷に変化が生じたときでも、該変化分の電荷を除去することができる。
又、上記上昇後、保持部1323は吸着動作によりバンプ形成後ウエハ202を保持する。
【0088】
保持部1323がバンプ形成後ウエハ202を保持した後、図32に示すように、ウエハ保持部1421の第1保持部材1424及び第2保持部材1425が駆動部1422により開き、バンプ形成後ウエハ202の保持を解除する。
上記保持解除後、図33及び図34に示すように、上記保持部1323が下降しバンプ形成後ウエハ202を保持台1321上に載置する。該載置後、保持台1321は、本実施形態では吸着動作によりバンプ形成後ウエハ202を保持する。
【0089】
次のステップ9では、バンプ形成後ウエハ202を保持した上記保持台1321が搬出装置用移動装置1322の動作によりX方向に移動しバンプ形成後ウエハ202を第2収納容器206側へ搬送する。
そして、次のステップ10では、保持台1321はバンプ形成後ウエハ202を第2収納容器206へ収納する。
【0090】
以上説明したように、本実施形態のバンプ形成装置101によれば、電荷発生半導体基板、例えば圧電基板ウエハのように温度変化に伴い電荷を発生するウエハに対して、例えばウエハのダイシングラインに沿ってアルミニウム膜を形成したり、ウエハ裏面全面にアルミニウム膜を形成したりすることなく、上記ウエハに対する上記温度上昇制御及び温度降下制御により当該ウエハに発生する電荷を、当該ウエハに形成されている回路に損傷を与えない程度、及び当該ウエハ自体に割れ等が生じない程度にまで低減することができる。
特に、ウエハの厚みが0.2mm以下である場合や、ウエハ上に形成されている回路の線間距離が1μmより小さく特に隣接する線の線幅の差が大きい場合には、上述したプリヒート動作及びポストヒート動作における温度上昇制御及び温度降下制御を行うことにより、大きな除電効果を得ることができる。
【0091】
尚、上述の実施形態におけるバンプ形成装置101では、上記プリヒート動作における上記昇温傾きは20℃/分の一定値に、上記ポストヒート動作における上記降温傾きは−20℃/分の一定値にそれぞれ設定したが、これに限定されるものではない。例えば、プリヒート動作及びポストヒート動作における開始及び終了付近と、中間付近とで傾き値を異ならせてもよい。
【0092】
又、バンプを形成するウエハの種類毎、つまりその材質、大きさ等毎に、上記プリヒート動作における上記昇温傾き値、上記昇温目標温度や、上記降温開始温度や、降温傾き値や、上記降温目標値を設定し、及び上記ポストヒート動作における上記降温傾き値、上記降温目標温度や、上記昇温開始温度や、昇温傾き値や、上記昇温目標値を設定し、制御装置180に備わる記憶装置181に予め記憶させておき、処理するウエハの種類に応じて制御を変更するように構成することもできる。
【0093】
又、本実施形態では上述したように、バンプ形成前ウエハ201に対する昇温時及びバンプ形成後ウエハ202に対する降温時の両方において、本実施形態に特有の温度制御を行ったが、最低限、上記バンプボンディング用温度から室温までの降温時のみに上記温度降下制御を行えばよい。なぜならば、上述したようにウエハ201,202は一旦帯電するとなかなか除電されないという特質を有し、上記バンプボンディング用温度から室温までの降温後、ウエハ202は第2収納容器206に収納されることから帯電状態ままでは不具合発生の要因にも成りかねないことから、除電を十分に行っておく必要があるからである。
【0094】
上述のように、第2収納容器206への収納前にはバンプ形成後ウエハ202の帯電量を減少させておく必要があることから、図35に示すように、搬出側移載装置142のウエハ保持部1421から搬出装置132へのバンプ形成後ウエハ202の受け渡し動作の間、バンプ形成後ウエハ202の少なくとも裏面202b側、好ましくはさらに表面202a側をも加えた両面側に、イオン発生装置190を設けるのが好ましい。上記受け渡しのとき、バンプ形成後ウエハ202の裏面202bには負電荷が、表面202aには正電荷がそれぞれ帯電しているので、各電荷を中和するため、裏面202b側に配置されたイオン発生装置190−1は正イオンを、表面202a側に配置されたイオン発生装置190−2は負イオンを発生する。各イオン発生装置190−1、190−2は、制御装置180に接続され動作制御される。尚、図35は、バンプ形成後ウエハ202を保持したウエハ保持部1421が搬出装置132の上方に配置されたときに、イオン発生装置190−1、190−2からイオンをバンプ形成後ウエハ202に作用させている状態を図示しているが、上述のように受け渡し動作の間、つまり図31から図34に至るまでの各動作の間、バンプ形成後ウエハ202にイオンを作用させる。
【0095】
このようにイオン発生装置190を設けることで、設けない場合に比べて、以下のように帯電量をより低減させることができる。尚、下記の帯電量値は一例である。本実施形態における上述の温度上昇制御や温度降下制御を行わない場合において、ウエハ保持部1421が搬出装置132の上方に配置されたとき、バンプ形成後ウエハ202の表面202aの帯電量は約+18Vであり、裏面202bは上述のように約−2200Vである。このようなバンプ形成後ウエハ202の表裏両面にイオン発生装置190にてイオンを4分間作用させることで、表面202aの帯電量は約+22Vになり、裏面202bは約+22Vにすることができる。よって、本実施形態における上述の温度上昇制御や温度降下制御を行い、さらにイオン発生装置190にて少なくとも上記裏面202bにイオンを作用させることで、裏面202bの帯電量をより低減することができる。
【0096】
さらに又、イオン発生装置190−1、190−2から発生したイオンを、より効率的に少なくとも上記裏面202bに作用させるため、図35に示すように、少なくとも裏面202b側には、発生したイオンを裏面202bへより効率的に移動させるための送風装置191を設けてもよい。尚、送風装置191は制御装置180にて動作制御される。
又、図35に示すように、静電センサ251を設け、少なくとも裏面202b、好ましくはさらに表面202aをも加えた両面の帯電量を静電センサ251にて測定しながら、測定された帯電量に基づき制御装置180にて上記イオン発生装置190のイオン発生量や、送風装置191の送風量を制御するようにしてもよい。
【0097】
さらに、ウエハ保持部1421から搬出装置132へのバンプ形成後ウエハ202の受け渡し動作前の、上記ポストヒート動作においてもより効率的に除電を行うため、図36に示すように、上記イオン発生装置190によるイオンをバンプ形成後ウエハ202の少なくとも裏面202b側、好ましくはさらに表面202a側をも加えた両面側に作用させるのが好ましい。さらに上記送風装置191を併設することで、より効果的な除電が行える。又、少なくとも裏面202b、好ましくはさらに表面202aをも加えた両面の帯電量を静電センサ251にて測定しながら、測定された帯電量に基づき制御装置180にて上記イオン発生装置190のイオン発生量や、送風装置191の送風量を制御するようにしてもよい。
尚、裏面202bへ上記イオンを作用させるためには、上記ポストヒート装置170の上記パネルヒータ171の下方にイオン発生装置190を配置するため、図36に示すように、図22を参照し上述した貫通穴252を設ける必要がある。
【0098】
さらには、上記プリヒート動作においても上記イオン発生装置190によるイオンをバンプ形成前ウエハ201の少なくとも裏面201b側、好ましくはさらに表面201a側をも加えた両面側に作用させる構成を採ることもできる。又、該構成に上記送風装置191や静電センサ251を併設してもよい。このように構成することで、プリヒート動作のときにも、より効率的に除電を行うことができる。尚、裏面201bへ上記イオンを作用させるため、上記プリヒート装置160には、図37に示すように、上記貫通穴252を設ける必要がある。
【0099】
又、上述の実施形態では、上記プリヒート装置160及びポストヒート装置170を設け、ポストヒート装置170を用いて上述した温度降下制御を行い、さらにはプリヒート装置160を用いて上述した温度上昇制御を行った。このようにそれぞれ独立した動作を行うことで、ウエハ搬入からウエハ搬出までの工程をより効率的に処理でき、タクト短縮を図ることができる。しかしながら、例えば工程に時間的余裕がある場合等には、図53に示すようなバンプ形成装置102のようにプリヒート装置160及びポストヒート装置170の設置を省略し、上記ボンディングステージ110にて、上記バンプボンディング用温度へのウエハ201の保温、上記ポストヒート動作における上記温度降下制御、及び上記プリヒート動作における上記温度上昇制御を、制御装置180にて制御して実行するように構成することもできる。
又、このような構成を採ったときには、上記搬入側移載装置141又は上記搬出側移載装置142のいずれか一方のみを設ければよく、プリヒート装置160及びポストヒート装置170の設置の省略と相まって、バンプ形成装置全体の構成をコンパクト化することができる。
【0100】
図54には、上述のバンプ形成装置102の構造、つまりプリヒート装置160及びポストヒート装置170の設置を省略し、ボンディングステージ110のウエハ載置台111に非接触な状態に、具体的にはウエハ載置台111から約1〜数mm離れた状態に、上記バンプ形成前ウエハ201のような電荷発生半導体基板を配置してプリヒート動作を行い、該プリヒート動作後、上記電荷発生半導体基板をウエハ載置台111上に載置してボンディング動作を行い、該ボンディング動作後、再びウエハ載置台111に非接触な状態に上記電荷発生半導体基板を配置してポストヒート動作を行う場合の動作を示している。図54のステップ1001では、例えば上記搬入側移載装置141のような移載装置143を使用して、電荷発生半導体基板としてのバンプ形成前ウエハ201を搬送装置130からボンディングステージ110のウエハ載置台111の上方へ配置する。尚、このときウエハ載置台111は約40℃程度の温度である。
【0101】
ステップ1003では、上述のように、20℃/分の昇温速度にて、昇温、降温を繰り返しながらバンプ形成前ウエハ201の昇温が行われる。
次のステップ1005にてブロー装置115を動作させてウエハ載置台111の空気出入孔113から熱風をバンプ形成前ウエハ201へ吹き付け、バンプ形成前ウエハ201に帯電している電荷を空中へ放電させることで除電を行う。該除電用ブロー動作後、ステップ1006にて、バンプ形成前ウエハ201をウエハ載置台111上に移載し、吸引装置114を動作させてバンプ形成前ウエハ201をウエハ載置台111上に吸着する。
【0102】
次のステップ1007では、バンプ形成前ウエハ201へバンプボンディングを行う。
次のステップ1009では、ウエハ載置台111を上昇させて上記電荷発生半導体基板を移載装置143に保持させ、電荷発生半導体基板とウエハ載置台111との隙間が約1〜数mmとなるようにウエハ載置台111を下降させる。そして、ウエハ載置台111の温度を約150℃から約40℃まで、例えば上記20℃/分の降温速度にて、降温と昇温とを繰り返しながら降下させる。又、このとき、ステップ1005にて行った除電用ブロー動作を並行して行うこともできる。
【0103】
プリヒート装置160及びポストヒート装置170を備えたバンプ形成装置101においてプリヒート装置160及びポストヒート装置170にそれぞれブロー装置を設けた構造を採ることで、上述した除電用ブロー動作は、プリヒート装置160及びポストヒート装置170を備えたバンプ形成装置101におけるプリヒート動作及びポストヒート動作においても、上記ブロー装置を動作させて気体を噴出させて実行することもできる。
このように除電用ブロー動作を行うことで、上記電荷発生半導体基板の除電を行うことができ、特に、上記電荷発生半導体基板の裏面に溝14が形成されているときには、該溝14内の電荷を効率的に空中に放電させることができる。よって、上記電荷発生半導体基板に対する、昇、降温によるジグザグの温度制御と並行して、さらには上記イオンブロー動作と並行して上記除電用ブロー動作を実行することで、より効率的に上記電荷発生半導体基板の除電を行うことができる。
【0104】
又、上述の説明では、バンプ形成前ウエハ201の裏面201b側には、いわゆるサブプレートと呼ばれる、ウエハの割れを保護するための保護部材を設けていない場合を例に採ったが、例えば図38に示すサブプレート195を裏面201b側に取り付けることもできる。該サブプレート195は例えばアルミニウムのような金属材料にて作製されており、バンプ形成前ウエハ201は、上記裏面201bをサブプレート195に接触させ、当該サブプレート195に設けた板バネ196にてサブプレート195に保持される。
サブプレート195を設けることで、ウエハ201,202の割れを防止することができるとともに、上記裏面201bは常にサブプレート195に接触しており、かつ板バネ196を介して表面201aに導通しているので、表裏面間での帯電量の差を小さくすることができ、バンプ形成前ウエハ201に形成されている回路の帯電に起因する損傷発生を低減することができる。
又、サブプレート195を設けたとき、上記プリヒート動作及びポストヒート動作における上記パネルヒータ161,171の熱が有効にウエハ201,202に作用するように、さらには上記イオン発生装置190にて生じたイオンがウエハ201,202の裏面201b、202bに有効に作用するように、サブプレート195には、当該サブプレート195の厚み方向に貫通する複数の貫通穴197が設けられている。
【0105】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の第1態様のバンプ形成装置、第2態様の電荷発生半導体基板の除電方法、及び第3態様の電荷発生半導体基板用除電装置によれば、制御装置を備え、少なくとも電荷発生半導体基板へのバンプボンディングが行われた後に電荷発生半導体基板を冷却するときに、該冷却により上記電荷発生半導体基板の裏面に蓄積する電荷を除去する温度降下制御を行うようにしたことから、上記裏面の帯電量を従来に比べて低減することができる。よって、上記電荷発生半導体基板に除電用の手段を施すことなく、上記帯電が原因となる上記電荷発生半導体基板に形成されている回路の損傷や当該電荷発生半導体基板自体の割れ等の損傷の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態におけるバンプ形成装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】 図1に示すバンプ形成装置の主要部分の詳細な構造を示す斜視図である。
【図3】 図1及び図2に示す搬入装置の構成の詳細を示す斜視図である。
【図4】 図1及び図2に示すオリフラ合わせ装置の構成の詳細を示す斜視図である。
【図5】 図1及び図2に示す移載装置の構成の詳細を示す斜視図である。
【図6】 図5に示すウエハ保持部の保持爪部分の詳細を示す図である。
【図7】 図5に示すウエハ保持部の除電用接触部材の構成の詳細を示す図である。
【図8】 図5に示すウエハ保持部の除電用接触部材の他の例における構成を示す図である。
【図9】 ウエハの周縁部分に設けたアルミニウム膜と上記除電用接触部材の接触位置との関係を示す図である。
【図10】 上記除電用接触部材の変形例を示す図である。
【図11】 図1及び図2に示すプリヒート装置及びポストヒート装置の構成の詳細を示す斜視図である。
【図12】 図1及び図2に示すプリヒート装置及びポストヒート装置の構成を示す断面図である。
【図13】 図1に示すバンプ形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図14】 図13に示すステップ2における動作を説明するための図であり、搬入装置にてウエハを上昇させている状態を示す図である。
【図15】 図13に示すステップ2における動作を説明するための図であり、搬入側移載装置にてウエハを保持する直前の状態を示す図である。
【図16】 図13に示すステップ2における動作を説明するための図であり、搬入側移載装置にてウエハを保持した直後の状態を示す図である。
【図17】 図13に示すステップ2における動作を説明するための図であり、搬入側移載装置にてウエハを保持した状態を示す図である。
【図18】 図1に示すバンプ形成装置の動作の流れと、ウエハの温度変化と、ウエハの帯電量との関係を示す図である。
【図19】 図13に示すプリヒート動作を示すフローチャートである。
【図20】 図19に示す温度上昇制御動作を示すフローチャートである。
【図21】 図20に示す温度上昇制御動作による温度上昇を示すグラフである。
【図22】 上記プリヒート動作及びポストヒート動作においてウエハの帯電量を静電センサにて測定する構造を示す図である。
【図23】 図13に示すステップ5における動作を説明するための図であり、バンプ形成前ウエハをボンディングステージの上方に配置した状態を示す図である。
【図24】 図13に示すステップ5における動作を説明するための図であり、ボンディングステージにてウエハを保持する直前の状態を示す図である。
【図25】 図13に示すステップ5における動作を説明するための図であり、ボンディングステージにてウエハを保持し搬入側移載装置がウエハの保持を解除した状態を示す図である。
【図26】 図13に示すステップ5における動作を説明するための図であり、ボンディングステージにてウエハを保持した状態を示す図である。
【図27】 図13に示すポストヒート動作を示すフローチャートである。
【図28】 図27に示す温度降下制御動作を示すフローチャートである。
【図29】 図28に示す温度降下制御動作による温度降下を示すグラフである。
【図30】 図13に示すステップ8における動作を説明するための図であり、搬出側移載装置にて保持されたバンプ形成後ウエハを搬出装置の上方に配置した状態を示す図である。
【図31】 図13に示すステップ8における動作を説明するための図であり、搬出装置の保持部をバンプ形成後ウエハに接触させた状態を示す図である。
【図32】 図13に示すステップ8における動作を説明するための図であり、搬出側移載装置によるウエハの保持を解除した直後の状態を示す図である。
【図33】 図13に示すステップ8における動作を説明するための図であり、搬出装置の保持部に保持されたバンプ形成後ウエハを保持台に載置する直前の状態を示す図である。
【図34】 図13に示すステップ8における動作を説明するための図であり、上記バンプ形成後ウエハを保持台に載置した状態を示す図である。
【図35】 図1に示す搬出側移載装置から搬出装置へバンプ形成後ウエハを移載するときに、イオン発生装置にてイオンをウエハに作用させる状態を示す図である。
【図36】 図13に示すポストヒート動作のときに、イオン発生装置にてイオンをバンプ形成後ウエハに作用させる状態を示す図である。
【図37】 図13に示すプリヒート動作のときに、イオン発生装置にてイオンをバンプ形成前ウエハに作用させる状態を示す図である。
【図38】 上記バンプ形成前ウエハに取り付けるサブプレートの平面図である。
【図39】 図1に示すバンプボンディング装置の構造を示す図である。
【図40】 ウエハの反りを説明するための図である。
【図41】 上記除電用接触部材の変形例を示す図である。
【図42】 上記除電用接触部材の変形例を示す図である。
【図43】 図42に示す除電用部材の構造を説明するための斜視図である。
【図44】 図42に示す除電用部材の構造を説明するための斜視図である。
【図45】 上記除電用接触部材の変形例を示す斜視図である。
【図46】 上記除電用接触部材の変形例を示す図である。
【図47】 図46に示す除電用接触部材の変形例を示す図である。
【図48】 上記除電用接触部材の変形例を示す図である。
【図49】 上記除電用接触部材の一端に取り付ける部材の変形例を示す斜視図である。
【図50】 上記除電用接触部材の変形例を示す図である。
【図51】 図13に示すステップ5における、バンプボンディングステージへのバンプ形成前ウエハの移載の際に実行される、熱風吹き付けを行う場合の反り矯正動作を説明するためのフローチャートである。
【図52】 図13に示すステップ5における、バンプボンディングステージへのバンプ形成前ウエハの移載の際に実行される、熱風吹き付けを行なわない場合の反り矯正動作を説明するためのフローチャートである。
【図53】 図1に示すバンプ形成装置の変形例における斜視図である。
【図54】 図53に示すバンプ形成装置にて実行される除電用ブロー動作を説明するためのフローチャートである。
【図55】 図1及び図2に示す搬入側移載装置及び搬出側移載装置の変形例を示す図である。
【図56】 上記除電用接触部材の変形例を示す図である。
【図57】 SAWフィルタの構造を示す斜視図である。
【図58】 上記SAWフィルタにおけるくし歯回路部分における損傷を示すずである。
【図59】 圧電基板ウエハの表裏における帯電状態を説明するための図である。
【図60】 回路の電極部分にバンプを形成した状態を示す平面図である。
【符号の説明】
101…バンプ形成装置、110…ボンディングステージ、
120…バンプ形成ヘッド、160…プリヒート装置、
170…ポストヒート装置、180…制御装置、
190…イオン発生装置、
201…バンプ形成前ウエハ、201a…表面、201b…裏面、
202…バンプ形成後ウエハ、202a…表面、202b…裏面、
14100、14161…除電用接触部材。

Claims (8)

  1. 温度変化に伴い電荷を発生する電荷発生基板(201、202)がバンプを形成するに必要なバンプボンディング用温度に加熱された状態にて、上記電荷発生基板上の回路に形成されている電極上に上記バンプを形成するバンプ形成ヘッド(120)を備えたバンプ形成装置であって、
    上記加熱された上記電荷発生基板へのバンプのボンディングの後、上記電荷発生基板を冷却するとき、該冷却による温度降下にて当該電荷発生基板に生じた電荷を除去する温度降下制御を行う制御装置(180)と、
    上記電荷発生基板に対して非接触な状態にて上記電荷発生基板を上記バンプボンディング用温度に加熱するとともに、上記非接触な状態にて上記ボンディング後に上記制御装置による上記温度降下制御に従い上記電荷発生基板の冷却を行う加熱冷却装置(110、160、170)と、
    上記電荷発生基板の上記加熱冷却装置への搬送又は載置において上記電荷発生基板の回路形成面である表面(202a)に接触し、上記電荷発生基板の上記表面に生じた分の電荷を除去する除電用接触部材(14100、14107、14113、14116、14120、14121、14122、14161)と、
    を備えたことを特徴とするバンプ形成装置。
  2. 温度変化に伴い電荷を発生する電荷発生基板(201、202)がバンプを形成するに必要なバンプボンディング用温度に加熱された状態にて、上記電荷発生基板上の回路に形成されている電極上に上記バンプを形成するバンプ形成ヘッド(120)を備えたバンプ形成装置であって、
    上記加熱された上記電荷発生基板へのバンプのボンディングの後、上記電荷発生基板を冷却するとき、該冷却による温度降下にて当該電荷発生基板に生じた電荷を除去する温度降下制御を行う制御装置(180)と、
    上記電荷発生基板に対して非接触な状態にて上記電荷発生基板を上記バンプボンディング用温度に加熱するとともに、上記非接触な状態にて上記ボンディング後に上記制御装置による上記温度降下制御に従い上記電荷発生基板の冷却を行う加熱冷却装置であって、上記バンプボンディング用温度に上記電荷発生基板を加熱するバンプボンディングステージ(110)と、上記制御装置による上記温度降下制御に従い上記電荷発生基板の冷却を行う冷却装置(170)とを有する加熱冷却装置(110、160、170)と、を備え、
    上記電荷発生基板の電荷を中和するイオンを発生し上記電荷発生基板へ作用させるイオン発生装置(190)を上記冷却装置に配置された上記電荷発生基板に対向して設置したことを特徴とするバンプ形成装置。
  3. 上記加熱冷却装置は、上記電荷発生基板を上記バンプボンディング用温度に加熱する前に上記電荷発生基板に非接触な状態にて上記バンプボンディング用温度付近まで上記電荷発生基板のプリヒート動作を行い、該プリヒート動作による温度上昇にて上記電荷発生基板に生じた電荷を除去する温度上昇制御が上記制御装置にてなされるプリヒート装置(160)をさらに備え、上記イオン発生装置を、さらに、上記プリヒート装置に配置された上記電荷発生基板に対向して設置した、請求項2記載のバンプ形成装置。
  4. 上記電荷発生基板を保持する保持爪(1417)を有し該保持爪にて上記電荷発生基板を保持するとともに上記電荷発生基板の上記加熱冷却装置への搬送を行うウエハ保持部(1411、1421)をさらに備え、上記ウエハ保持部及び上記保持爪において、上記イオン発生装置から発生した上記イオンが作用する箇所には絶縁材料にてコーティングを施している、請求項2又は3記載のバンプ形成装置。
  5. 温度変化に伴い電荷を発生する電荷発生基板(201、202)がバンプを形成するに必要なバンプボンディング用温度に加熱された状態にて、上記電荷発生基板上の回路に形成されている電極上に上記バンプを形成するバンプ形成ヘッド(120)を備えたバンプ形成装置であって、
    上記加熱された上記電荷発生基板へのバンプのボンディングの後、上記電荷発生基板を 冷却するとき、該冷却による温度降下にて当該電荷発生基板に生じた電荷を除去する温度降下制御を行う制御装置(180)と、
    上記電荷発生基板に対して非接触な状態にて上記電荷発生基板を上記バンプボンディング用温度に加熱するとともに、上記非接触な状態にて上記ボンディング後に上記制御装置による上記温度降下制御に従い上記電荷発生基板の冷却を行う加熱冷却装置であって、上記バンプボンディング用温度に上記電荷発生基板を加熱するバンプボンディングステージ(110)と、上記電荷発生基板に対向して配置され上記電荷発生基板との対向面には遠赤外線輻射塗料を塗布した熱拡散部材(173)を有し上記制御装置による上記温度降下制御に従い上記電荷発生基板の冷却を行う冷却装置(170)とを有する加熱冷却装置(110、160、170)と、
    を備えたことを特徴とするバンプ形成装置。
  6. 温度変化に伴い電荷を発生する電荷発生基板(201、202)がバンプを形成するに必要なバンプボンディング用温度に加熱された状態にて、上記電荷発生基板上の回路に形成されている電極上に上記バンプを形成するバンプ形成ヘッド(120)を備えたバンプ形成装置であって、
    上記加熱された上記電荷発生基板へのバンプのボンディングの後、上記電荷発生基板を冷却するとき、該冷却による温度降下にて当該電荷発生基板に生じた電荷を除去する温度降下制御を行う制御装置(180)と、
    上記電荷発生基板に対して非接触な状態にて上記電荷発生基板を上記バンプボンディング用温度に加熱するとともに、上記非接触な状態にて上記ボンディング後に上記制御装置による上記温度降下制御に従い上記電荷発生基板の冷却を行う加熱冷却装置(110、160、170)と、を備え、
    上記加熱冷却装置における上記電荷発生基板の上記バンプボンディング用温度への加熱は、上記バンプボンディング用温度付近まで上記電荷発生基板を予め加熱するプリヒート動作を含み、
    上記制御装置は、さらに、上記プリヒート動作による温度上昇にて生じ上記電荷発生基板に生じる電荷を除去する温度上昇制御を上記加熱冷却装置に対して行い、
    上記加熱冷却装置は、上記バンプボンディング用温度に上記電荷発生基板を加熱するバンプボンディングステージ(110)と、上記温度上昇制御に従い上記プリヒート動作を行いかつ上記電荷発生基板に対向して配置され上記電荷発生基板との対向面には遠赤外線輻射塗料を塗布した熱拡散部材(163)を有するプリヒート装置(160)と、を有する、
    ことを特徴とするバンプ形成装置。
  7. 温度変化に伴い電荷を発生する電荷発生基板上の回路に形成されている電極上にバンプを形成するに必要なバンプボンディング用温度に加熱されて当該電荷発生基板へのバンプのボンディングが行われた後、上記電荷発生基板に非接触な状態にて配置され上記電荷発生基板を加熱して上記電荷発生基板の降温を調整する冷却装置(170)を用いて上記電荷発生基板を冷却するとき、該冷却による温度降下にて当該電荷発生基板に生じる電荷を除去する温度降下制御を上記冷却装置に対して行い、
    上記電荷発生基板に生じた電荷を中和するイオンを上記電荷発生基板へさらに作用させる、
    ことを特徴とする、バンプ形成装置にて実行される電荷発生基板の除電方法。
  8. 温度変化に伴い電荷を発生する電荷発生基板上の回路に形成されている電極上にバンプを形成するに必要なバンプボンディング用温度に加熱されて当該電荷発生基板へのバンプのボンディングが行われた後、上記電荷発生基板に非接触な状態にて配置され上記電荷発生基板を加熱して上記電荷発生基板の降温を調整する冷却装置(170)を用いて上記電荷発生基板を冷却するとき、該冷却による温度降下にて当該電荷発生基板に生じる電荷を除去する温度降下制御を上記冷却装置に対して行い、
    上記電荷発生基板の回路形成面である表面(202a)に除電用接触部材(14100、14107、14113、14116、14120、14121、14122、141 61)を接触させ、上記電荷発生基板の上記表面に生じた電荷をさらに除去する、
    ことを特徴とする、バンプ形成装置にて実行される電荷発生基板の除電方法。
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