JP3655752B2 - 搬送吸着パッド装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークを真空吸着して保持したまま任意の位置へ移送するための搬送吸着パッドに関する。
詳しくは、少なくとも1つの角部が直角なワークを移送する搬送吸着パッド装置、特にワークの直角部を挟んだ両端面の端面形状を基準として位置補正するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の搬送吸着パッド装置して、例えば特開平5−208390号公報に開示される如く、ワークと対向する吸着面が該ワークの表面積より小さな平面上に形成され、この吸着面の適宜位置に開穿した吸引孔より真空吸引して、吸着面に対しワークの表面一部を部分的に吸着保持して移送するものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし乍ら、このような従来の搬送吸着パッド装置では、吸着面に対しワークの表面一部を部分的に吸着保持して移送するため、ワークが例えばガラス板の上にシリコンを積層した液晶ディスプレイ(LED)用母材のようにその表面が膜面である場合には、前工程理の所定位置に載置されたワークを受け取って吸着する時点で、該ワークの表面に吸着面が接触してしまい、膜面に悪影響を与えるという問題がある。
そこで、ワークの表面以外の側面を吸着するなどして移送することも考えられるが、ワークが例えばガラス板の上にシリコンを積層した液晶ディスプレイ(LED)用母材のようにワークの厚さ寸法が薄くて側面の表面積が小さいと、確実に把持して移送できないという問題がある。
また、この種のワークの搬送は、前工程から受け取ったワークを移送して、後工程の所定位置へ正確な位置関係で受け渡す必要があるものの、前工程におけるワークの載置位置が何かの理由により僅かでも位置ズレすると、その位置ズレしたままワークを吸着するため、吸着面とワークとの位置関係が狂ってしまい、後工程の所定位置へ正確に受け渡せないという問題がある。
【0004】
本発明のうち請求項1記載の発明は、ワークの表面に非接触でしかも前工程の位置ズレに関係なく定位置に吸着することを目的としたものである。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の発明の目的に加えて、後工程の上下定盤に対し上下ワークの裏面を吸着させて移載することを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、吸着面をワークより大きな凹状に形成し、この凹状の内側面には、ワークの直角部を挟んだ基準側面に夫々対向当接するX方向ガイド及びY方向ガイドと、これらX方向ガイド及びY方向ガイドのどちらか一方に連続して形成されワークの基準側面の一方の上縁と対向する第1テーパ面と、この第1テーパ面と対向して上記基準側面の一方と反対の他側面の上縁のみが係合する第2テーパ面と、上記X方向ガイドに向かってワークを移動させるためのX方向移送路と、上記Y方向ガイドに向かってワークWを移動させるためのY方向移送路とを設け、更にこれらX方向移送路及びY方向移送路に沿ってワークを夫々X方向ガイド及びY方向ガイドへ向けて押送する位置補正手段を設けたことを特徴とするものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に、前記吸着面を一対、夫々後工程の上下定盤と対向するように反対方向へ向けて配置した構成を加えたことを特徴とする。
【0006】
【作用】
請求項1の発明は、位置補正手段の作動に伴い、ワークの基準側面がX方向ガイド及びY方向ガイドへ向け押送されることにより、夫々突き当たって位置決めされ、その後に吸引孔から吸引を開始させることにより、第1テーパ面及び第2テーパ面にワークの両側面の上縁のみが夫々係合すると共に、X方向ガイド及びY方向ガイドに当接したまま吸着保持されつつ移送されるものである。
請求項2の発明は、請求項1記載の構成に対して、前記吸着面を一対、夫々後工程の上下定盤と対向するように反対方向へ向けて配置した構成を追加したので、両吸着面に上下ワークの表面が夫々非接触で吸着されたまま移送されるる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
この実施例は、図1及び図2に示す如くワークWが、例えばガラス板の上にシリコンを積層した液晶ディスプレイ(LED)用母材であり、このワークWの平面形状が少なくとも1つの基準とする角部が直角な矩形に形成され、該ワークWを移送するための搬送用マニプレータの吸着パッド本体Pに、吸着面Aを1つだけ設けた場合を示すものである。
【0008】
上記吸着面Aは、図1(a)〜(c)に示す如くワークWのX・Y方向の最大寸法より大きな凹状に形成され、この凹状の内底面A1には、吸引孔Bを開穿して連通させる。
この凹状の内側面A2には、ワークWの直角部WRを挟んだ第1基準側面W1及び第2基準側面W2に夫々対向当接するX方向ガイド1及びY方向ガイド2と、これらX方向ガイド1及びY方向ガイド2のどちらか一方に連続して形成されたワークWの一側面W1/W2の上縁のみが係合する第1テーパ面3と、この第1テーパ面3と対向して上記一側面W1/W2の反対の他側面W3の上縁のみが係合する第2テーパ面4と、上記X方向ガイド1に向かってワークWを移動させるためのX方向移送路5と、上記Y方向ガイド2に向かってワークWを移動させるためのY方向移送路6とを設ける。
【0009】
前記X方向ガイド1は、ワークWの第1基準側面W1と対向する垂直な面であり、本実施例の場合、連続面をワークWのY方向寸法より長く一直線上に形成している。
【0010】
前記Y方向ガイド2は、ワークWの第2基準側面W2と対向する垂直な面を、上記X方向ガイド1と直角でしかもワークWのX方向寸法より長く一直線上に形成し、本実施例では、そのX方向中央に真空リーク用の隙間2aを凹設している。
【0011】
前記第1テーパ面3は、図2に示す如く上記X方向ガイド1及びY方向ガイド2のどちらか一方、本実施例の場合には、X方向ガイド1の上端に連続してワークWの第1基準側面W1の上縁と対向するように形成され、このX方向ガイド1の上端から前記凹状内底面A1の中央へ向かうのに従って上向きとなるように傾斜させている。
【0012】
前記第2テーパ面4は、上記第1テーパ面3と対向してワークWの第1基準側面W1の反対の他側面W3の上縁と対向するように形成され、第1テーパ面3と逆向きに傾斜させている。
【0013】
前記X方向ガイド1に向かってワークWを移動させるためのX方向移送路5は、図1(a)〜(c)及び図2(a)〜(c)に示す如く上記第2テーパ面4の下端を切欠することにより、ワークWの裏面WBが載置される移送面Cとの間にワークWの上下厚さ寸法より大きな空間がY方向ガイド2に沿って形成され、本実施例では、後述する位置補正手段7のX方向プッシャー7aが入り込む切欠部5aを凹設している。
【0014】
前記Y方向ガイド2に向かってワークWを移動させるためのY方向移送路6は、Y方向ガイド2と対向する前記内側面A2を切欠することにより、ワークWの裏面WBが載置される移送面Cとの間にワークWの上下厚さ寸法より大きな空間がX方向ガイド1に沿って形成され、本実施例では、後述する位置補正手段7のY方向プッシャー7bが入り込む切欠部6aを凹設している。
【0015】
そして、前記ワークWの搬送用マニプレータか、或いはワークWの裏面WBが載置される前工程のワーク載置面Cには、上記X方向移送路5及びY方向移送路6に沿ってワークWを夫々X方向ガイド1及びY方向ガイド2へ向けて押送する位置補正手段7を設ける。
【0016】
上記位置補正手段7は、図1(a)〜(c)及び図2(a)〜(c)に示す如く例えばエアーシリンダなどのアクチュエータに連設したX方向プッシャー7a及びY方向プッシャー7bからなり、このX方向プッシャー7aを上記X方向移送路5に沿って往復動自在に支持すると共に、Y方向プッシャー7bを上記Y方向移送路6に沿って往復動自在に支持している。
そして、前記ワークWの搬送用マニプレータが、前工程のワーク載置面C上の所定位置で停止した直後に、X方向プッシャー7a及びY方向プッシャー7bを僅かな時間差をあけて順次作動させるか、或いは同時に作動させるように作動制御されている。
【0017】
次に、斯かる搬送吸着パッド装置の作動について説明する。
先ず、前工程からワークWを受け取るために搬送用マニプレータが、吸着パッド本体Pの吸着面Aを前工程のワーク載置面Cに接近させ、その所定位置にて停止する。
この状態で、X方向プッシャー7a及びY方向プッシャー7bが順次作動するか、或いは同時に作動する。
【0018】
例えば図1(a)及び図2(a)に示す如くX方向プッシャー7aの作動で、移送面C上のワークWはX方向移送路5に沿って押送され、それにより、ワークWの第1基準側面W1は吸着面AのX方向ガイド1に突き当たる。
その後、図1(b)及び図2(b)に示す如くY方向プッシャー7bの作動で、ワークWがY方向移送路6に沿って押送され、それにより、第2基準側面W2が吸着面AのY方向ガイド2に突き当たる。
その結果、吸着面Aに対してワークWが、X方向及びY方向方向へ位置決めされる。
【0019】
この時点で、必要に応じてX方向プッシャー7a及びY方向プッシャー7bによる押圧を若干緩めてから、吸引孔Bより吸引を開始すれば、図1(c)及び図2(c)に示す如くワークWの第1基準側面W1はX方向ガイド1に当接しまま上昇し、第2基準側面W2はY方向ガイド2に当接したまま上昇する。
それにより、X方向ガイド1と第1テーパ面3との間にできる鈍角部3aに、上記第1基準側面W1の上縁のみが係合すると同時に、第2テーパ面4に他側面W3の上縁のみが係合して吸着保持される。
その結果、吸着面AがワークWの表面WFに接触せずに、しかも、前工程のワーク載置面C上でワークWが多少位置ズレしても、これに関係なく吸着面Aの所定位置に吸着される。
【0020】
その後、図示せぬが前記ワークWの搬送用マニプレータは、吸着パッド本体Pを後工程の定盤に接近させ、この定盤の所定位置で停止する。
この状態で、吸引孔Bからの吸引が停止してワークWの吸着が解除され、それにより、後工程の定盤上の所定位置にワークWの裏面を吸着移載されて、ワークWの受け渡しが完了する。
【0021】
一方、図3に示すものは、本発明の他の実施例であり、このものは、前記ワークWを移送するための搬送用マニプレータMの吸着パッド本体Pに吸着面Aを一対、夫々後工程の上定盤UP及び下定盤LPと対向するように夫々反対方向へ向けて配置した構成が、上述した図1〜図2に示した実施例とは異なり、これら一対の吸着面Aの構成は、夫々図1〜図2に示した実施例の吸着面Aと同じものである。
【0022】
この場合、搬送用マニプレータMは、吸着パッド本体Pを前後奥行き方向へ移動させるための前後スライドガイドM1と、吸着パッド本体Pを上下方向へ移動させるための上下スライドガイドM2とを有する。
【0023】
そして、上述した図1〜図2に示した実施例と同様に、図示しない前工程のワーク載置面から両吸着面A,Aの所定位置に、上下ワークW,Wの表面WF,WFが夫々非接触で吸着されたまま移送される。
その後、搬送用マニプレータMは、前後スライドガイドM1及び上下スライドガイドM2を作動制御して、吸着パッド本体Pを後工程の上定盤UP及び下定盤LPの間に挿入し、これら上定盤UP及び下定盤LPの定位置に、両吸着面A,Aに吸着保持された上下ワークW,Wが夫々受け渡される。
詳しくは、吸着パッド本体Pを後工程の上定盤UP及び下定盤LPの間に挿入した後に、例えば上下スライドガイドM2の作動により吸着パッド本体Pを下定盤LPの所定位置に向け下降させて、これと対向する下側のワークWを吸着解除することにより、該ワークWの裏面が下定盤LPに吸着移載し、その後、吸着パッド本体Pを上定盤UPの所定位置に向け上昇させて、上側のワークWを吸着解除することにより、該ワークWの裏面が上定盤UPに吸着移載する。
【0024】
その結果、図3に示すものは、上下定盤UP,LPに対し上下ワークW,Wの裏面を吸着させて移載でき、例えば液晶ディスプレイ(LED)のように上下ワークを貼り合わせる際に特に有効である。
【0025】
尚、前示実施例では、X方向ガイド1を垂直な連続面で構成したが、これに限定されず、例えば図4(a)及び(b)に示す如く垂直ピン1aを複数本夫々適宜間隔毎に垂設することにより、X方向ガイド1を形成しても良く、更に図示せぬがY方向ガイド2をも複数の垂直ピンを適宜間隔毎に垂設することにより形成しても良い。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のうち請求項1記載の発明は、位置補正手段の作動に伴い、ワークの基準側面がX方向ガイド及びY方向ガイドへ向け押送されることにより、夫々突き当たって位置決めされ、その後に吸引孔から吸引を開始させることにより、第1テーパ面及び第2テーパ面にワークの両側面の上縁のみが夫々係合すると共に、X方向ガイド及びY方向ガイドに当接したまま吸着保持されつつ移送されるので、ワークの表面に非接触でしかも前工程の位置ズレに関係なく定位置に吸着できる。
従って、吸着面に対しワークの表面一部を部分的に吸着保持して移送する従来のものに比べ、ワークが例えばガラス板の上にシリコンを積層した液晶ディスプレイ(LED)用母材のようにその表面が膜面であっても、この膜面に悪影響を与えることなく確実に移送でき、しかも前工程におけるワークの載置位置が何かの理由により多少位置ズレしても、後工程の所定位置へ正確に受け渡せる。
【0027】
請求項2の発明は、請求項1の発明の効果に加えて、両吸着面に上下ワークの表面が夫々非接触で吸着されたまま移送されるので、後工程の上下定盤に対し上下ワークの裏面を吸着させて移載できる。
従って、例えば液晶ディスプレイ(LED)のように上下ワークを貼り合わせる際に特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す搬送吸着パッド装置の底面図であり、(a)〜(b)はワークの位置決め過程を示し、(c)は位置決め後の吸着状態を示している。
【図2】 (a)は図1(a)の(2a)−(2a)線に沿える拡大縦断側面図、(b)は図1(b)の(2b)−(2b)線に沿える拡大縦断側面図、(c)は図1(c)の(2c)−(2c)線に沿える拡大縦断側面図である。
【図3】 本発明の他の実施例を示す搬送吸着パッド装置の縮小側面図であり、ワークの吸着状態を一部切欠して示している。
【図4】 X方向ガイドの変形例を示し、(a)は位置決め後の吸着状態を示す底面図であり、(b)は同状態の拡大縦断側面図である。
【符号の説明】
A 吸着面 A2 内側面
B 吸引孔 UP,LP 後工程の上下定盤
W ワーク WR 直角部
W1,W2 基準側面 W3 他側面
1 X方向ガイド 2 Y方向ガイド
3 第1テーパ面 4 第2テーパ面
5 X方向移送路 6 Y方向移送路
7 位置補正手段

Claims (2)

  1. 吸引孔(B)より真空吸引して、少なくとも1つの角部が直角なワーク(W)を吸着面(A)に吸着保持しながら移送する搬送吸着パッド装置において、
    前記吸着面(A)をワーク(W)より大きな凹状に形成し、この凹状の内側面(A2)には、ワーク(W)の直角部(WR)を挟んだ基準側面(W1,W2)に夫々対向当接するX方向ガイド(1)及びY方向ガイド(2)と、これらX方向ガイド(1)及びY方向ガイド(2)のどちらか一方に連続して形成されワーク(W)の基準側面(W1,W2)の一方の上縁と対向する第1テーパ面(3)と、この第1テーパ面(3)と対向して上記基準側面(W1,W2)の一方と反対の他側面(W3)の上縁のみが係合する第2テーパ面(4)と、上記X方向ガイド(1)に向かってワーク(W)を移動させるためのX方向移送路(5)と、上記Y方向ガイド(2)に向かってワークWを移動させるためのY方向移送路(6)とを設け、更にこれらX方向移送路(5)及びY方向移送路(6)に沿ってワーク(W)を夫々X方向ガイド(1)及びY方向ガイド(2)へ向けて押送する位置補正手段(7)を設けたことを特徴とする搬送吸着パッド装置。
  2. 前記吸着面(A)を一対、夫々後工程の上下定盤(UP,LP)と対向するように反対方向へ向けて配置した請求項1記載の搬送吸着パッド装置。
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