JP3655394B2 - NOxセンサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気ガス中に含まれる窒素酸化物(以下、NOxとも記す)の濃度を測定するためのNOxセンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば内燃機関やボイラー等の排気ガス中に含まれるNOx濃度、すなわち通常は排気ガス中のNO濃度とNO2 濃度との和で表せられるNOx濃度を測定する方法として、種々の方法が知られている。そのうち、安定化ジルコニアと酸化物電極を組み合わせて用いた混成電位型のNOxセンサが、第22回電気化学会、化学センサシンポジウムの予講集、1996年「15.安定化ジルコニアと酸化物電極を用いた混成電位型NOxセンサ」として知られている。
【0003】
このNOxセンサは、図4にその一例の構成を示すように、イットリア安定化ジルコニア焼結体からなる基板21上に、スパッタリング法により成膜した酸化物層22を設け、この酸化物層22の上に白金ペーストを塗布後熱処理して設けた測定電極23と、この測定電極23とは間隔をあけて基板21上に白金ペーストを直接塗布後熱処理して設けた参照電極24とから構成されている。なお、25はリード線としての白金ワイヤである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したNOxセンサでは、排気ガス中に共存するCO2 、炭化水素、水蒸気等の影響を受けることなく、排気ガス中のNOx濃度を測定することができる。実際の測定にあたっては、起電力は、NOx濃度の対数に比例し、NO2 に対しては正、NOに対しては負と、全く正反対の傾きを示す。そのため、NO/NO2 の比が常に一定であれば、起電力とNOx濃度の対数とは1本の線で一義的に決定できるため、実際のNOx濃度の測定には何等問題が生じない。
【0005】
しかしながら、実際の排気ガス中のNOxを考えてみると、NO/NO2 の比は時間とともに変化しており、NO/NO2 の比ごとに起電力とNOx濃度の対数との関係は変化する。そのため、実際にNOx濃度を測定するためには、あらかじめあらゆるNO/NO2 の比ごとに起電力とNOx濃度の対数との関係を求め、しかも、NO/NO2 比をあらかじめ知る必要があり、事実上測定が不可能であった。
【0006】
本発明の目的は上述した課題を解消して、測定すべき排気ガス中のNO/NO2 の比が変化しても常に正確なNOx濃度の測定を行なうことのできるNOxセンサを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のNOxセンサは、測定ガス中のNO/NO2の比を制御する、ハニカム構造体にNO/NO 2 の比を制御する触媒を担持させた制御手段と;この制御手段の下流側に設けた、酸素イオン伝導性固体電解質と、この固体電解質に接触する一対の電極とを有し、混成電位によりNOx濃度を測定する濃度測定手段と;からなることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のNOxセンサの一例の構成をその計測方法を実施する各種装置とともに示す図である。図1に示す例において、本発明のNOxセンサ1は、ガス通路となる管体2内の上流側に設けた測定ガス中のNO/NO2 の比を制御する好ましくは白金、金、ロジウム、酸化マンガン、酸化コバルトまたは酸化スズからなる触媒を担持したハニカム構造体3と、このハニカム構造体3の下流側に設けたセンサ素子4、ディジタルマルチメータ5、コンピュータ6からなる濃度測定手段とから構成されている。そして、ハニカム構造体3を電気炉7により白金または金が活性化する例えば900℃に加熱するとともに、センサ素子4を電気炉8によりセンサ素子4が安定して使用できる例えば500℃に加熱している。
【0009】
センサ素子4としては、図2に示す構成のNOxガスによって混成電位の発生する固体電解質を使用することができる。すなわち、図2に示す例では、酸素イオン伝導体固体電解質としてのCeO2 からなる基板11上に、例えば(Nd、Ce)2 CuO4 からなる酸化物電極12および金からなる電極13を設け、酸化物電極12と電極13との間に発生する混成電位によりNOx濃度を測定している。なお、14はリード線としての金ワイヤである。
【0010】
図1に示す構成の本発明のNOxセンサ1では、まず、ガス通路となる管体2のハニカム構造体3の上流側から測定ガスとしてのNOxを含む排気ガスを供給する。供給された排気ガスのNO/NO2 の比がどのようなものであろうとも、NO/NO2 の比の制御手段としての触媒を担持したハニカム構造体3を通過することで、排気ガス中のNO/NO2 の比を常に一定にすることができる。
【0011】
その結果、ディジタルマルチメータ5およびコンピュータ6においては、予め1つの、すなわちハニカム構造体3を通過することで一定になったNO/NO2 の比における起電力とNOx濃度の対数との関係のみを求めておき、センサ素子4からの起電力からNOx濃度を求めることで、NOxセンサ1に供給される排気ガス中のNO/NO2 の比がどのように変化しようとも、常に正確なNOx濃度を測定することができる。なお、図1において、ハニカム構造体3の上流側に設けたガス混合装置9は、以下の実施例で所定の濃度の測定ガスを得るために使用される。
【0012】
【実施例】
以下、実際の例について説明する。なお、以下の説明中の数字は上述した図1および図2における部材の番号と一致している。
まず、センサ素子4に用いる固体電解質の焼結体11を、以下の手順で作製した。酸化セリウム粉末と酸化ネオジム粉末を、金属元素のモル比でCe:Nd=0.8:0.2となるよう秤量し、ジルコニア玉石を用いエタノール中でポットミルにより10時間混合した。混合後乾燥して得られた混合粉末を金型成形により直径20mm、厚さ5mmの成形体とし、大気雰囲気中で1400℃で15時間焼成して円盤状の固体電解質の焼結体11を得た。
【0013】
次に、酸化物電極12を以下の手順で作製した。酸化ネオジム、酸化セリウム、酸化銅の粉末を金属元素のモル比でそれぞれNd:Ce:Cu=1.8:0.2:1.0と成るよう秤量し、固体電解質作製時と同様な湿式混合により混合粉末を得た。得られた粉末を900℃で5時間大気雰囲気下で熱処理し、得られた仮焼粉末を再度エタノール中でポットミルを用いて5時間粉砕し、エタノール中に微細な(Nd、Ce)2 CuO4 化合物が分散するスラリーとした。得られたスラリーを固体電解質の焼結体11の一方の面にはけで塗布し、乾燥後、1000℃で2時間焼成することにより焼き付けた。
【0014】
さらに、もう一方の電極13を以下の手順で作製した。金微粒子をエタノール中に分散させたスラリーを、固体電解質の焼結体11の他方の面にはけで塗布し、500℃で焼き付けた。それぞれの電極12および13から金線14を金のスラリーを塗布し焼き付けることで取り出し、センサ素子4を得た。NO/NO2 制御手段としては、白金微粒子を担持した直径20mm、長さ50mmのハニカム構造体3を準備した。
【0015】
このようにして準備・作製したハニカム構造体3及びセンサ素子4を、図1に示すように内径20mmのガス通路となる管体2に設けた評価装置を用いて、NOx濃度に対する発生電位を測定した。この測定にあたっては、NO/NO2 の比が90/10または50/50で、その他の成分を共通にO2 1%、CO2 10%、H2 O10%、N2 残の割合で含む2種類のガスを、ガス混合装置9において作製し、ガス混合装置9中に備えたマスフローコントローラで流量を制御して、石英管からなるガス通路となる管体2に供給した。
【0016】
そして、触媒を担持したハニカム構造体3の温度を電気炉7で900℃に保つとともに、センサ素子4の温度を電気炉8で500℃に保つよう制御した。また、センサ素子4の起電力はディジタルマルチメータ5で読み取り、読み取ったデータをコンピュータ6で処理した。なお、比較例として、上述した本発明例と同一のNOx濃度測定試験を、NO/NO2 の比の制御手段としての触媒を担持したハニカム構造体3を使用しないで実施した。結果を、表1に示すとともに、表1のデータを図3にプロットして本発明例と比較例とを比較しやすくした。
【0017】
【表1】
【0018】
表1及び図3の結果より、NO/NO2 の比の制御手段としての触媒を担持したハニカム構造体3を使用した本発明例では、NOx中のNOとNO2 の構成比率が変化しても、NOx濃度に対して常に一定の起電力が発生することがわかる。一方、NO/NO2 の比の制御手段を持たない比較例では、NOx中のNOとNO2 の構成比率に起電力が依存するため、NOx構成比が変動する排気ガス中ではNOxの計測が事実上不可能となることがわかる。
【0019】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、NOx濃度を測定する濃度測定手段の上流側に、NO/NO2 の比を制御する制御手段、好ましくは白金、金、ロジウム、酸化コバルト、酸化マンガンまたは酸化スズを担持したハニカム構造体を設けているため、測定すべき排気ガスは、一旦NO/NO2 の比を制御する制御手段を通過してNO/NO2 の比を所定の値にされた後、NOxの濃度測定手段に接することとなる。そのため、測定すべき排気ガス中のNO/NO2 の比が変化しても常に正確なNOx濃度を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のNOxセンサの一例の構成を示す図である。
【図2】本発明のNOxセンサで使用するセンサ素子の一例の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施例における起電力とNOx濃度との関係を示すグラフである。
【図4】従来のNOxセンサに使用するセンサ素子の一例の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 NOxセンサ、2 管体、3 ハニカム構造体、4 センサ素子、5 ディジタルマルチメータ、6 コンピュータ、7、8 電気炉、9 ガス混合装置
Claims (2)
- 測定ガス中のNO/NO2の比を制御する、ハニカム構造体にNO/NO 2 の比を制御する触媒を担持させた制御手段と;この制御手段の下流側に設けた、酸素イオン伝導性固体電解質と、この固体電解質に接触する一対の電極とを有し、混成電位によりNOx濃度を測定する濃度測定手段と;からなることを特徴とするNOxセンサ。
- 前記触媒が白金、金、ロジウム、酸化マンガン、酸化コバルトまたは酸化スズである請求項1記載のNOxセンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP15816296A JP3655394B2 (ja) | 1996-06-19 | 1996-06-19 | NOxセンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15816296A JP3655394B2 (ja) | 1996-06-19 | 1996-06-19 | NOxセンサ |
Publications (2)
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JPH102881A JPH102881A (ja) | 1998-01-06 |
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Family
ID=15665630
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP15816296A Expired - Lifetime JP3655394B2 (ja) | 1996-06-19 | 1996-06-19 | NOxセンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3655394B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
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JP5192031B2 (ja) * | 2010-12-27 | 2013-05-08 | 日本特殊陶業株式会社 | ガスセンサ |
-
1996
- 1996-06-19 JP JP15816296A patent/JP3655394B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH102881A (ja) | 1998-01-06 |
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