JP3655199B2 - ドアオープニングトリム及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車のドアオープニングトリム及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のドアオープニングトリムでは、それ自体を軽量化し、且つ低コスト化するために、EPDM(エチレンポリプロピレンジエン共重合ゴム)に、より比重の小さいポリエチレンを加えた発泡体で所定の部位を形成することができる。しかし、この様な発泡成形体では、圧縮永久歪みや低温特性等の物性値が低下する。また、表面粗度が高く、外観が損なわれてしまう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、軽量であって、かつ車体パネルの端縁を挟んで組み付けたとき常温ならずとも低温においても十分な係合強度が得られるドアオープニングトリムと、その製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係わる発明は、車体パネルの端縁を挟んで組み付け可能で、横断面形状が略U字形をなし、その内側に前記端縁に係合する係合片を備えたトリム部と、前記略U字形横断面形状のトリム部の一方の側壁に車体パネルとドアパネルとの間を密閉可能とする中空シール部とを有する車両用のドアオープニングトリムであって、前記中空シール部は発泡性ゴムから押出成形されており、前記係合片を含むトリム部は、EPDMとポリプロピレンと補強性充填剤と熱分解型発泡剤とを含有し、EPDM100重量部に対してポリプロピレン10重量部以上20重量部未満、熱分解型発泡剤0.1重量部以上0.6重量部以下及び補強性充填剤が適宜量添加された成形材料を押出成形して加硫され、前記中空シール部の発泡性ゴムとは異なる発泡ゴム部分から成形され、前記発泡ゴム部分は、その比重が0.90以上0.98以下であり、且つその表面粗度が15μm以下であることを特徴とする車両用ドアオープニングトリムである。
この発明によれば、トリム部が発泡したゴムでその比重が1.0を下回るので軽量なドアオープニングトリムが得られる。更にトリム部は発泡ゴムであるにも拘わらず、発泡ゴム部を特定の材料を特定の量だけ加えた成形材料から成形しているので、表面粗度が小さく圧縮永久歪みが少なく低温特性も良好である。この結果、車体パネルの端縁を挟んでドアオープニングトリムを組み付けたときに、常温ならずとも低温においても係合片によるパネル端縁への係合強度は維持され、滑らかな表面肌を失わないドアオープニングトリムとなる。
また、請求項5に係わる発明は、車体パネルの端縁を挟んで組み付け可能で、横断面形状が略U字形をなし、その内側に前記端縁に係合する係合片を備えたトリム部と、前記略U字形横断面形状のトリム部の一方の側壁に車体パネルとドアパネルとの間を密閉可能とする中空シール部とを有する車両用のドアオープニングトリムの製造方法であって、EPDM100重量部に対して予めポリプロピレンが10重量部以上20重量部未満配合されたポリマーアロイに適宜量の補強性充填剤を加えて一次混練する工程と、一次混練した材料に加硫剤及び前記EPDM100重量部に対して0.1重量部以上0.6重量部以下の熱分解型発泡剤を加えて、前記発泡剤が発泡しない温度下で二次混練して成形材料を得る工程と、前記係合片を含むトリム部を前記成形材料から、前記中空シール部を発泡性ゴム材料から長尺状部材として同時押出成形する工程と、前記長尺状部材を加硫及び発泡が可能な温度に加熱して加硫処理すると共に発泡させる工程、を含むことを特徴とする車両用ドアオープニングトリムの製造方法である。
この発明によれば、特定の材料を特定の量だけ加えて特定の順序で混練した成形材料を用いて押出成形し、特定の条件で加硫及び発泡処理することによって前述の優れた効果を呈するドアオープニングトリムを製造することが出来る。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1に、本発明の一実施の形態に係る車両用のドアオープニングトリム1の横断面図を示す。ドアオープニングトリム1は、長尺状部材で、自動車のドアのアウタパネルの端縁を挟んで組み付き可能な横断面形状が略U字形のトリム部3と、車両のドアが閉状態にあるときに車体側アウタパネルとドアパネルとの間を密閉する中空シール部5とリップシール部6とを有する。中空シール部5は、トリム部3のU字形横断面形状の一方の側壁32aに一体に設けられており、リップシール部6は、この側壁32aの先端部分に一体に設けられている。
【0006】
トリム部3は、内側に突出する係合片31を有し、断面U字形の長尺状補強材4がインサートされて成形されており、中空シール部5と反対の側にパネル端縁を被覆するリップ状の意匠部7が形成されている。すなわち、意匠部7は中空シール部5が設けられた側壁32aとは反対の側にあるもう一方の側壁32bから、中空シール部5とは反対方向に向けて突出して形成されている。本発明のドアオープニングトリムでは、少なくともトリム部(図1のトリム部3)が発泡ゴム部分として形成されている。図1のドアオープニングトリム1では、トリム部3と意匠部7とが本願発明の発泡ゴム部分9として形成されている。なお、中空シール部5及びリップシール部6は、発泡性ゴムで形成されており、トリム部3に一体に設けられている。
【0007】
発泡ゴム部分9は、EPDM、ポリプロピレン、及び発泡剤とを含有する成形原料から形成されている。
EPDMとしては、公知の種々のエチレンプロピレンジエン三次元共重合体を選択することができる。好ましくは、エチレンプロピレン非共役ジエンターポリマーを使用する。非共役ジエンとしては、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチレンノルボルネンなどを、一種又は二種以上含有するものを使用することが好ましい。また、プロピレン成分の全部又は一部が他のC4〜C20のα−オレフィンで置換されているEPDMを用いることもできる。本発明で使用されるEPDMは、好ましくは沃素価が10以上28以下のものとされる。例えば、ジエンとしてENBを含有し、エチレン含量62wt%、ポリプロピレン含量33.5wt%、ジエン含量4.5wt%(沃素価12)のEPDMを使用することができる。EPDMは、プロセスオイル等が添加された油展タイプのものを使用しても良い。
【0008】
ポリプロピレンは、EPDM100重量部に対して、10重量部以上30重量部以下添加されることが好ましい。10重量部未満であると、圧縮永久歪みや低温特性は良好であるが、比重が1.0を超えやすく、好ましい軽量化を達成しにくい。また、30重量部を超えると、その成形体では圧縮永久歪みが30%を超えやすかったり、低温捻じり特性が100度未満となったりしやすい。また、成形時の粘性が低下して、加工性、特に押出加工性が悪化する。また、成形体の表面肌が粗くなりやすく、粗度が15μmを超えやすい。ポリプロピレンは、好ましくは、EPDM100重量部に対して15重量部以上25重量部以下含有されると、圧縮永久歪みが25%以下、低温捻じり特性が100度以上、且つ比重が0.90以上0.98以下の発泡ゴム成形体を得やすい。
【0009】
なお、本明細書で、圧縮永久歪みとは、JIS K 6301に準じて測定することによって得られる値である。また、低温捻じり特性は、JIS K 6261に準じて測定することによって得られる値で、好ましくは、サーフコム300A(上島製作所(株)製TM-502)を用いて測定される。
【0010】
ポリプロピレンは、EPDMとの相溶性が乏しいため、好ましくは、EPDMに予めブレンドされて均一に分散されているポリマーアロイとして供給されるのが好ましい。ポリマーアロイは、予め油展されているEPDMに、ポリプロピレンをブレンドしたものでも良い。ポリマーアロイにおいても、EPDMとポリプロピレンとの配合割合は、重量比でEPDM:ポリプロピレン=100:10〜30が好ましく、EPDM内にポリプロピレンの結晶ラメラ構造が形成されているタイプが好ましい。この配合割合にすると、上述の場合と同様、圧縮永久歪み30%以下、マイナス摂氏40度における低温捻じり特性100度以上となるようにゴム弾性や低温特性の低下を抑制することができ、また、比重が0.90以上0.98以下、表面粗度15μm以下に形成しやすい。
なお、ポリマーアロイとしては、プロセスオイルを添加した油展体を用いても良い。
【0011】
発泡ゴム部分9を形成する成形材料に加える発泡剤は、物理的又は化学的な種々の発泡剤のうち、熱分解型発泡剤とされ、熱分解型有機発泡剤がより好ましい。例えば、4,4'−オキシビスベンゼンスルフォニルヒドラジド(OBSH)、アゾビスジホルムアミド、p−トルエンスルフォニルヒドラジド、アゾビスイソブチロニトリル、ジニトロソペンタメチレンテトラミン等を用いることができる。
【0012】
熱分解型発泡剤は、EPDM100重量部に対して0.1重量部以上0.6重量部以下含有させるのが好ましい。0.1重量部未満であると、比重が1.0を超えやすく、好ましい軽量化を達成し難い。また、圧縮永久歪みが大きくなり、係合強度の低下を招きやすい。また、0.6重量部を超えると、30%以下の圧縮永久歪みが得られにくく、比重が0.9未満となって、ドアオープニングトリムに必要とされる強度が得られない。熱分解型発泡剤は、より好ましくは、EPDM100重量部に対して0.2重量部以上0.6重量部以下とされ、例えば、OBSHでは、0.4重量部が好ましい。
【0013】
熱分解型発泡剤の熱分解温度は、加硫条件に合わせて選択することが好ましい。好ましくは、加硫条件に含まれる温度において良好に発泡する発泡剤を選択すると、加硫処理と発泡処理とを同時に行うことができる。また、発泡剤は、成形原料の混練時に発泡し難い熱分解温度のものを選択することが好ましい。
【0014】
具体的には、分解温度は、100℃以上200℃以下が好ましい。この範囲であると、EPDMの加硫と同時期に発泡させることができ、発泡状態を均一にして、各部位の物性を一様にすることができる。より好ましくは、150℃以上170℃以下とされる。この温度範囲において良好に発泡させることができる熱分解型発泡剤としては、OBSHが好ましい。
【0015】
成形原料は、補強性充填剤を含有することが好ましい。補強性充填剤は、公知の種々の充填剤とすることができ、例えば、カーボンブラック、ホワイトカーボン等を使用することができる。補強性充填剤を添加することにより、ポリプロピレンを添加したことによる粘性の低下を抑制して、良好な加工性、特に押出加工性を得ることができる。カーボンブラックは、EPDM100重量部に対して70重量部以上160重量部以下含有されていることが、好ましい。70重量部未満であると、成形時の粘性が低下し、加工性、特に押出加工性が悪くなる。また、成形体の比重が0.90未満となりやすく、表面粗度が大きくなったり、剛性が小さくなったりしやすい。一方、補強性充填剤が160重量部を超えて配合されると、粘性が増大しすぎて加工性が悪くなり、また、成形体の比重を1.0以下にし難い。さらに、引張り特性が低下し、ドアオープニングトリムで必要とされる強度が得られ難い。また、圧縮永久歪みが30%を超えたり、低温特性が100度未満となったりしやすい。
なお、本明細書において、引張り強度は、JIS K 6301に準じて測定して得られるものとする。好ましくは、試験片は、JIS K 6301で規定されるダンベル状試験片3号形とされる。
【0016】
発泡ゴム部分9は、上述の成分以外に種々の副資材を含有していても良い。例えば、押し出し成形によって長尺状のドアオープニングトリム1を得る場合、成形原料に可塑剤、滑剤、加硫系薬剤、加硫促進剤、老化防止剤などを添加していても良い。
【0017】
以上の成形原料を混練して、成形し、発泡処理及び加硫処理して得られる発泡ゴム部分9は、比重が0.9以上1.0未満となるように形成されている。比重が0.90未満であると、ドアオープニングトリムに必要とされる剛性が低下しやすい。一方、比重が1.0を超えていると、ドアオープニングトリム全体の重量が大きくなりすぎてしまう。発泡ゴム部分9の比重は、好ましくは、0.90以上0.98以下とされる。
【0018】
なお、本明細書において、比重は、JIS K 6301の水中置換法に準じる。すなわち、本組成から成る平板状の押出品から15mm×15mm、厚さ2mmで切り出した試験片について、(株)東洋精機製作所製のDENSIMETER-Hによって室温にて測定して得られる値である。
【0019】
また、発泡ゴム部分9は、表面粗度が15μm以下とされる。表面粗度が15μmより大きいと、表面肌が粗くなり、外観が損なわれる。表面粗度は、好ましくは、5μm以上12μm以下とされる。
なお、本明細書において、表面粗度は、幅20mm、長さ30mm、厚さ2mmに形成された平板状の試験片について、表面粗さ形状測定器(サーフコム300A、東京精密(株)製)によって試験速度3mm/sで測定して得られる値である。
【0020】
本発明の組成よりなる成形原料から形成された発泡ゴム部分は、EPDMにおける圧縮永久歪みや引張り強度、あるいは低温特性などが低下せず、良好に維持される。このため、例えば、比重が0.90以上0.98以下の発泡ゴム部分に形成されていても、圧縮永久歪み30%以下、マイナス摂氏40度における低温捻じり特性が100度以上等の強度及び低温特性を備えることができる。そして、EPDMが備える耐候性、耐オゾン性を備えているため、他部材への組み付け、係合等が強力で、屋外での使用や、圧縮荷重の係る部位への適用、低温状態の曝露に耐え得る。したがって、この発泡ゴム部分は、屋外で使用される車両用のウェザーストリップやモール等のトリム部材や、建築用ガスケット等、種々のシーリング部材に好適である。
【0021】
また、上述の配合割合、EPDM100重量部に対してポリプロピレン15重量部以上25重量部以下、且つ熱分解型発泡剤0.2重量部以上0.6重量部以下を採用すると、圧縮永久歪み25%以下、低温捻じり特性100度以上で、しかも比重が0.90以上0.98以下で、表面粗度が5μm〜12μmの良好な表面肌の成形体を得やすい。表面粗度が小さいと、滑らかさが保たれる。したがって、本成形原料から形成される発泡ゴム部分は、上記特性に加えて、良好に軽量化されており、また、見栄えが良い。
【0022】
発泡ゴム部分9は、例えば、以下に述べる方法によって製造することができる。ここでは、ドアオープニングトリム1が押し出し成形される場合について説明する。
【0023】
まず、EPDM、ポリプロピレン、補強性充填剤、可塑剤、滑剤等をニーダー又はミキサー等によって混練する。混練は、130℃以上160℃以下の温度が好ましく、より好ましくは、145℃以上155℃以下とされる。混練では、各成分、特にポリプロピレンがEPDMに対して均一に分散するようにする。
なお、EPDMに予めポリプロピレンがブレンドされて分散されているポリマーアロイを使用する場合は、ポリマーアロイに補強性充填剤、可塑剤、滑剤等をニーダーまたはミキサー等によって混練する。このようなポリマーアロイとして供給されると、EPDM内にポリプロピレンが均一に分散しているため、混練が簡単且つ良好に行われる。
【0024】
次に、上記配合物に、加硫系薬剤及び発泡剤を加えてロール混練する。その後、発泡剤の発泡を抑制できる所定の温度に加熱しながら、押し出し成形機に導入して、所定の長尺状部材の形状に成形する。この押し出し成形速度は、5m/分以上10m/分以下とされると好ましい。この押し出し速度であると、押し出しヘッドで発泡ゴム組成物に過剰な圧力がかかることを抑制して比重が1.0を超えることを防ぐことができ、表面肌も滑らかに形成される。
【0025】
発泡ゴム組成物成形体は、その後、発泡処理及び加硫処理される。発泡処理は、加硫条件の温度で発泡する熱分解型発泡剤を用い、加硫処理のための加熱によって、加硫と同時に行うことができる。加硫は、マイクロ波加熱、熱風加熱等公知の種々の加熱処理を一つあるいは複数組合わせて加熱することで行うことができる。発泡処理及び加硫処理をすることで、本発明の発泡ゴム部分を得ることができる。また、この後さらに切断等の加工処理をして、所定の製品形状としても良い。
【0026】
このようにEPDMにポリプロピレン、発泡剤等を含有する成形原料から発泡ゴム部分を製造すると、ポリエチレンを添加した場合よりも粘性の低下が少なく、押出加工性が良く、エア溜りの発生が少ない。
また、EPDMにポリプロピレンが均一に分散されたポリマーアロイを成形原料として本発泡ゴム部分を製造すると、発泡ゴム部分の各部位における特性がより均一となる。
【0027】
そして、EPDMにポリプロピレンが添加された発泡ゴム成形体は、圧縮永久歪みが30%以下(好適には25%以下)、マイナス摂氏40度における低温捻じり特性が100度以上の強度及び低温特性を備えている。このため、ポリエチレンを用いた場合よりも上記強度が高いため、加工において切断、破れ等が形成され難い。
また、成形時の粘性が適当であるため、比重0.9以上1.0未満(好適には0.90以上0.98以下)の発泡ゴム成形体を得やすい。さらに、表面粗度15μm以下の発泡ゴム成形体を効率よく得ることができる。
【0028】
なお、発泡ゴム部分9以外の部分、すなわち中空シール部5及びリップシール部6は、種々の方法で設けることができる。好ましくは、発泡ゴム部分9と各シール部5,6とは、一体成形される。例えば、発泡ゴム部分9を形成後に、シール部5,6を二色成形によって形成しても良いし、発泡ゴム部分9とともに、同時押し出し成形によって形成しても良い。
【0029】
(実施例1)
表1に示す配合割合のEPDM及びポリプロピレンのポリマーアロイに、表1に示す割合の補強性充填剤と、表2に示す割合の加硫系薬剤以外の副資材を加えて、ニーダー(神戸製鋼所製、MIXTRON BB-120 バンバリーミキサー)を用いて140〜150℃で、3〜5分かけて混練した。次に、表1に示す配合割合に基づく熱分解型発泡剤と表2に示す割合の加硫系薬剤とを加えて、ロールを用いて約80℃で90秒間混練した。このゴム配合物を平板状に6m/分で押し出し成形して、試料1〜3を作成し、比重、圧縮永久歪み、表面粗度、及び低温捻じり特性を測定した。測定結果を表4に示す。
【0030】
なお、EPDMとポリプロピレンのポリマーアロイとしては、三井化学(株)製の三井エプタロイPX−043PPを使用した。
また、熱分解型発泡剤として永和化成工業(株)製のネオセルボンN1000Mを使用した。
また、補強性充填剤としてはMAFカーボンを、加硫系薬剤として一般のイオウ加硫系薬剤を使用した。
また、全ての試料について、EPDM100重量部に対してプロセスオイル40重量部を添加した。
【0031】
比重は、JIS K 6301の水中置換法に準じて上述の通りに測定した。 表面粗度は、表面粗さ形状測定器(サーフコム300A、東京精密(株)製)を用いて上述の通りに測定した。
圧縮永久歪みについては、JIS K 6301に準じて以下の条件で測定した。試験片は、各試料1〜3の平板状押出品から、切り出した厚さ12.70±0.13mm、直径29.0mmの直円柱形とした。試験片を約25%圧縮した状態で、70±1℃に保たれた恒温槽に入れて、70時間放置した。各試料1〜3の圧縮永久歪みについては、各試料から切り出した3つの試験片の圧縮永久歪み率を平均して求めた。
【0032】
また、低温特性は、JIS K 6261に準じて以下の条件で測定した。
試験片は、JIS K 6250の5.5の方法によって採取した幅3.0±0.2mm、厚さ2.0±0.2mm、長さ40±2.5mmの長方形板状体とした。低温捻じり試験装置は、TM−502、上島製作所(株)製を用いた。また、捻じりワイヤとしては、捻じり定数2.81mN・m/rad(0.500gf・m/度)の焼き入れしたスプリングワイヤを使用した。測定は、最低の試験温度をマイナス摂氏65度として、5℃間隔で恒温槽内の温度を上昇させて、所定の温度に5分放置後ごとに測定し、摂氏23±2度における捻じり角との差が10度以内となるまで続けた。
【0033】
また、比較例として表3に示す配合割合のEPDM及びポリエチレンのポリマーアロイと、表3の配合割合に基づく補強性充填剤と、表2に示す配合割合に基づく副資材とを用いて、試料1〜3と同様の工程によって、比較試料1〜3を作成し、試料1〜3と同様に、比重、圧縮永久歪み、表面粗度、及びマイナス摂氏40度における低温捻じり特性を測定した。測定結果を表4に示す。
【0034】
なお、EPDMとポリエチレンのポリマーアロイとしては、三井化学(株)製の三井エプタロイPX-049PEを使用した。その他の材料については、試料1〜3と同一のものを使用した。また、EPDM100重量部に対してプロセスオイル40重量部を添加した。
【0035】
【表1】
【表2】
【表3】
表1に示すように、試料1〜3では、EPDM100重量部に対してポリプロピレンが10重量部以上30重量部以下で、ポリプロピレンと補強性充填剤との和が100重量部となるよう調製した。比較試料1〜3では、EPDM100重量部に対してポリエチレンが10重量部以上30重量部以下で、ポリエチレンと補強性充填剤との和が100重量部となるよう調製した。また、発泡剤は、一律EPDM100重量部に対して0.2重量部とした。
【0036】
【表4】
表4に示すように、試料1〜3では、比重が0.90以上0.98以下であり、表面粗度が8μm以上11μmの範囲内であった。この試料1〜3では、圧縮永久歪みが25%以下と小さな値を示し、ドアオープニングトリムとして良好な物性を有することが明らかとなった。また、試料3では、低温捻じり特性がマイナス摂氏40度で捻じり角度120度と大きく、冬場や寒冷地での使用にも十分耐え得ることが分かった。
一方、比較試料1〜3では、比重は比較試料1,2では、比重が1.0を超え、望ましい軽量化を達成できなかった。また、表面粗度は、10μm以上15μm以下で、同じ重量比でポリプロピレンを含有させた試料1〜3と比較して、いずれも大きかった。また、圧縮永久歪みも同じ重量比でポリプロピレンを含有させた試料1〜3と比較してそれぞれ7〜10%以上大きな値を示し、ゴム弾性に乏しいことが明らかとなった。また、低温捻じり特性も、比較試料3では、試料3と比較して約40度小さい値を示した。
【0037】
(実施例2)
実施例1と同様の方法で、表5に示す配合割合で試料4〜10を作成し、比重、圧縮永久歪み、表面粗度、及び引張強度について測定した。
なお、副資材は、表2の配合割合で添加し、プロセスオイルについてはEPDM100重量部に対して80重量部とした。
【0038】
なお、引張強度については、JIS K 6301に準じて以下の条件で測定し、その他の値については、実施例1と同様にして測定した。
引張り強度を求めるための試験片は、JIS K 6301の3.2.4に基づくダンベル状3号形試験片を4個ずつとした。装置は、島津製作所(株)製のオートグラフAGS-500Dを用いて500±25mm/minの移動つかみ速さで引張った。
【0039】
【表5】
【表6】
表6に示すように各試料とも、比重0.90以上1.00未満で、7.5MPa以上の引張り強度を示した。また、圧縮永久歪みは30%未満で、特に試料4〜9では、25%以下であった。また、表面粗度も試料5以外は5μm以上12μm以下を示した。特に、試料8の発泡ゴム組成物では、比重0.95と小さく、引張り強度8.23MPa、圧縮永久歪み22%とゴム弾性及び強度が大きく、表面粗度も9μmと滑らかな表面肌を備える発泡ゴム体であることが分かった。
【0040】
【発明の効果】
この発明に係わる車両用ドアオープニングトリムは、トリム部が発泡したゴムでその比重が1.0を下回るので軽量であり、更にトリム部は発泡ゴムであるにも拘わらず、発泡ゴム部を特定の材料を特定の量だけ加えた成形材料から成形しているので、表面粗度が小さく圧縮永久歪みが少なく低温特性も良好である。この結果、車体パネルの端縁を挟んでドアオープニングトリムを車体に組み付けたときに、常温ならずとも低温においても係合片によるパネル端縁への係合強度は維持され、滑らかな表面肌を失わないドアオープニングトリムとなる。
また、本発明に係わる車両用ドアオープニングトリムの製造方法によれば、特定の材料を特定の量だけ加えて特定の順序で混練した成形材料を用いて押出成形し、特定の条件で加硫及び発泡処理することによって前述の優れた効果を呈するドアオープニングトリムを製造することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の一実施の形態に係るシーリング部材である車両用のドアオープニングトリムの横断面図である。
【符号の説明】
1 ドアオープニングトリム
3 トリム部
31 係合片
32a,32b 側壁
4 補強材
5 中空シール部
6 リップシール部
7 意匠部
9 発泡ゴム部分
Claims (6)
- 車体パネルの端縁を挟んで組み付け可能で、横断面形状が略U字形をなし、その内側に前記端縁に係合する係合片を備えたトリム部と、前記略U字形横断面形状のトリム部の一方の側壁に車体パネルとドアパネルとの間を密閉可能とする中空シール部とを有する車両用のドアオープニングトリムであって、
前記中空シール部は発泡性ゴムから押出成形されており、
前記係合片を含むトリム部は、EPDMとポリプロピレンと補強性充填剤と熱分解型発泡剤とを含有し、EPDM100重量部に対してポリプロピレン10重量部以上20重量部未満、熱分解型発泡剤0.1重量部以上0.6重量部以下及び補強性充填剤が適宜量添加された成形材料を押出成形して加硫され、前記中空シール部の発泡性ゴムとは異なる発泡ゴム部分から成形され、前記発泡ゴム部分は、その比重が0.90以上0.98以下であり、且つその表面粗度が15μm以下であることを特徴とする車両用ドアオープニングトリム。 - 前記トリム部の内部には横断面形状が略U字形の長尺な補強材が埋設されると共に、前記トリム部には前記中空シール部を設けた側壁と反対側に当該中空シール部と反対方向に向けて突出する発泡ゴム部分から成るリップ状の意匠部を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の車両用ドアオープニングトリム。
- 前記トリム部は前記中空シール部が設けられた側のトリム部の側壁の先端部分に発泡性ゴムのリップシール部を更に備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用ドアオープニングトリム。
- 前記発泡ゴム部分は圧縮永久歪みが30%以下で、且つマイナス摂氏40度における低温捻じり特性の捻じり角度が100度以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の車両用ドアオープニングトリム。
- 車体パネルの端縁を挟んで組み付け可能で、横断面形状が略U字形をなし、その内側に前記端縁に係合する係合片を備えたトリム部と、前記略U字形横断面形状のトリム部の一方の側壁に車体パネルとドアパネルとの間を密閉可能とする中空シール部とを有する車両用のドアオープニングトリムの製造方法であって、
EPDM100重量部に対して予めポリプロピレンが10重量部以上20重量部未満配合されたポリマーアロイに適宜量の補強性充填剤を加えて一次混練する工程と、
一次混練した材料に加硫剤及び前記EPDM100重量部に対して0.1重量部以上0.6重量部以下の熱分解型発泡剤を加えて、前記発泡剤が発泡しない温度下で二次混練して成形材料を得る工程と、
前記係合片を含むトリム部を前記成形材料から、前記中空シール部を発泡性ゴム材料から長尺状部材として同時押出成形する工程と、
前記長尺状部材を加硫及び発泡が可能な温度に加熱して加硫処理すると共に発泡させる工程、
を含むことを特徴とする車両用ドアオープニングトリムの製造方法。 - 前記成形材料は、前記EPDM100重量部に対してポリプロピレンを15重量部以上20重量部未満加えたポリマーアロイと、前記熱分解型発泡剤としてOBSHを0.2重量部以上0.6重量部以下加えることを特徴とする請求項5に記載の車両用ドアオープニングトリムの製造方法。
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