JP3654680B2 - 形鋼加工機の素材供給装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は形鋼加工機の素材供給装置に係り、さらに詳しくは、長時間の連続運転ができる形鋼加工機の素材供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8には、従来よりアングル形鋼やH形鋼等のワークWを加工する形鋼加工機101、この形鋼加工機101にワークWを送材する送材装置103、この送材装置103にワークWを供給する素材供給装置105およびこれらを制御するNC制御装置107が示されている。
【0003】
図8に示される送材装置103について説明する。この送材装置103は、後述する形鋼加工機101にワークWを供給するためのものであり、土台Gに立設された多数のポスト109と、このポスト109の上端に設けられたローラテーブル111を有している。このローラテーブル111には、ワークWを移動自在に支持する多数のフリーローラ113が回転自在に設けられている。
【0004】
さらにこのローラテーブル111に並行して設けられてガイドレール115と、このガイドレール115上を送材方向(図8中左右方向)へ往復動する送材装置本体117を有している。この送材装置本体117の先端には送材グリッパ119が設けられており、フリーローラ113上に供給されたワークWの後端をグリップした状態で図示しない駆動装置によりガイドレール115上を移動してワークWを形鋼加工機101に搬入するものである。
【0005】
図9を併せて参照するに、素材供給装置105は前述の送材装置103にワークWを供給するためのものであり、例えば、チェーン式サプライヤ121を駆動することによりこのチェーン式サプライヤ121の上に載置されたワークW(ここではアングル形鋼)を順次ローラテーブル111へ供給するものがある。
【0006】
次に、図10も併せて参照して形鋼加工機101の概略を説明する。土台G上にベース123が設けられ、このベース123上には上下方向に切断するカッティングユニット125,互いに90度の角度で交差する2つのパンチングユニット127、位置決め用の突当て部材129(図8参照)等が設けられている。
【0007】
前記カッティングユニット125は、前述した送材装置103により搬入位置決めされたワークWに切断加工を行うものである。また、パンチングユニット127は送材装置103により搬入位置決めされたアングル材であるワークWの各面に対してパンチング加工を行うものである。
【0008】
以上のように構成されている形鋼加工機101では、素材供給装置105により送材装置103に供給されたワークWは送材装置103により送材されて突当て部材129(図8参照)に当接して位置決め固定され、カッティングユニット125により切断されたり、パンチングユニット127によりパンチング加工されたりする。
【0009】
また、別の素材供給装置131としては、図11に示すように回動自在のアーム133の先端にワークグリッパ135を設けたものがある。この素材供給装置105では、積載された最上のワークWをワークグリッパ135がクランプして、アーム133を回転軸137を中心として回動させることによりワークWを反転させてフリーローラ113上に搬入を行うものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の技術においては、先に述べたチェーン式サプライヤ121を用いる場合には広い設置面積が必要となるという問題がある。また、小ロット製品の加工時における段取りが大変である。さらに、長時間の連続運転ができないという問題がある。
【0011】
また、図11に示した素材供給装置131では、多種類のワークについての連続運転が困難であり、連続運転可能な装置にすると構造が複雑になると共に、コストアップするという問題がある。
【0012】
この発明の目的は、以上のような従来の技術に着目してなされたものであり、断面形状の異なる形鋼を少ない設置面積で効率よくストックすると共に長時間連続してワークを供給することにより稼働効率をあげることのできる形鋼加工機の素材供給装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、被加工物である形鋼を搬入する送材装置を備えた形鋼加工機であって、前記ワークを積載すると共に前記送材装置に対して接近離反自在の素材パレットと、この素材パレットから前記送材装置にワークを1個取りする搬送手段とを備え、前記素材パレットが荷崩れ防止用の鉛直部材により複数部分に区分けされていると共に、前記各鉛直部材の間にワークの形状に応じたブロックを取り付けることができるようになっている形鋼加工機の素材供給装置である。
【0014】
請求項2に記載の発明は、前記搬送手段が、形鋼を一枚取りして取り上げる上下移動手段と、この上下移動手段を有すると共に前記送材装置へ接近離反自在の水平移動手段と、を備えてなる請求項1に記載の形鋼加工機の素材供給装置である。
【0015】
請求項3に記載の発明は、前記鉛直部材の間隔が積載されるワークのサイズに対応して調整自在である特徴とする請求項1または請求項2に記載の形鋼加工機の素材供給装置である。
【0017】
【作用】
請求項1による形鋼加工機の素材供給装置では、送材装置がワークである形鋼を形鋼加工機に搬入し、形鋼加工機が搬入されたワークに加工を行なう。この際、素材パレットに前記ワークを積載しておき、この素材パレットを前記送材装置に対して接近させて、搬送手段がこの素材パレットからワークを1個取りして前記送材装置に供給する。また、素材パレットを前記送材装置から離反させた位置においてワークを素材パレットに積載するものである。また、前記素材パレットに荷崩れ防止用の鉛直部材を設けて複数部分に区分し、この区分された部分にワークを積載するものである。さらに、前記各鉛直部材の間にワークの形状に応じたブロックを取り付け、ワークの荷崩れを防止できるようになっているものである。
【0018】
請求項2による形鋼加工機の素材供給装置では、請求項1における搬送手段の水平移動手段により素材パレットに積載された所望のワークの上へ移動し、上下移動手段がワークを一枚取りする。そして、ワークを保持したまま水平移動手段により送材装置の上へ移動してワークを供給するものである。
【0019】
請求項3による形鋼加工機の素材供給装置では、請求項1または請求項2における鉛直部材の間隔が積載されるワークのサイズに対応して調整自在であるので、種々のサイズのワークを一度に積載することができる。
【0021】
【実施例】
以下、この発明の好適な一実施例を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1〜図3にはこの発明に係る形鋼加工機の素材供給装置1の一実施例が示されている。なお、前述した従来の形鋼加工機101や送材装置103についてはすでに説明してあるので、同じ部位には同じ符号を付して重複する説明を省略することとする。
【0023】
前述したように、形鋼であるワークWを切断加工したりパンチング加工したりする形鋼加工機101にはワークWを搬入する送材装置103が設けられており、この送材装置103にはワークWを供給する素材供給装置1が併設されている。
【0024】
この素材供給装置1では、ワークWの搬入方向に直交する方向(図1中左右方向)に伸びるパレット走行用ガイドレール3がローラテーブル111に近接した土台Gに所定の間隔で設けられている。
【0025】
前記パレット走行用ガイドレール3の上には、種々のワークWをストックした素材パレット5がローラテーブル111に接近離反自在に設けられている。この素材パレット5は、ワークWの幅に合わせて間隔調整自在な荷崩れ防止用の鉛直部材としての仕切りバー7が複数個設けられており、仕切りバー7の間にワークWを積載している。図4を併せて参照するに、必要な場合には、ワークWの下にワークWの形状に応じたブロック9を取りつけることができるようになっている。
【0026】
また、前記ローラテーブル111の前後(図2中左右)両端に対応する位置には、前記素材パレット5の幅に対応した幅の端フレーム11A,11Bが前記パレット走行用ガイドレール3と平行に設けられており、この端フレーム11A,11Bの上には前記ローラテーブル111の上方まで張り出したレールフレーム13A,13Bが設けられている。
【0027】
この前後のレールフレーム13A,13Bの上には、水平移動手段としての車輪15(図3参照)を両端に有する搬送手段としての走行ビーム17が走行自在に設けられている。
【0028】
従って、走行ビーム17は両端の車輪15を支点とする略ローラテーブル111と同じ長さの梁部材である。また、走行ビーム17には所定間隔で上下ガイド19が鉛直に設けられており、ワークWを吸着するために上下移動手段としての複数のマグネット21が取付けられたマグネット取付ビーム23が前記上下ガイド19に沿って上下動自在に設けられている。なお、前記マグネット21の駆動には図示しない無停電電源装置が用いられており、停電時にもワークWを落とすことがないようになっている。
【0029】
次に、以上説明した素材供給装置1の動作を説明する。
【0030】
まず、図5に示されるように、加工開始前または加工中に次の加工を行うワークWを積載して治具25でまとめておく。再び図1に戻って、素材パレット5をパレット走行用ガイドレール3に沿ってレールフレーム13A,13Bの外側位置(図1中二点鎖線で示す位置)に移動させ、予めまとめられているワークWを素材パレット5の所定位置にセットする。この時、必要な場合には素材パレット5にワークWの形状に対応したブロック9を取りつけておく。ワークWをセットしたら、素材パレット5をパレット走行用ガイドレール3に沿って素材供給位置(図1中実線で示す位置)に移動させる。
【0031】
続いて、レールフレーム13A,13Bに沿って走行ビーム17を移動させ、マグネット取付ビーム23を素材パレット5に積載された所望のワークWの上方へ位置決めする。マグネット21が一番上のワークWに接する位置まで上下ガイド19に沿ってマグネット取付ビーム23を下降させ、マグネット21をオンにしてワークWを吸着する。
【0032】
ワークWを吸着した状態でマグネット取付ビーム23を上昇させ、走行ビーム17を移動させてローラテーブル111のフリーローラ113の上に位置決めする。この走行ビーム17の移動・位置決めはNC制御装置107の制御により行われる。
【0033】
続いて、マグネット取付ビーム23を下降させて、ワークWをフリーローラ113の上に載せる。この時、図示しない確認センサによりワークWがフリーローラ113に正常に載ったことを確認する。そして、マグネット21をオフとしてマグネット取付ビーム23を上昇させてワークWの供給動作が完了する。
【0034】
このような形鋼加工機の素材供給装置によれば、素材パレット5を仕切りバー7により複数の部分に仕切り、この部分にワークWを積載するので少ない設置面積で種々のワークWを次々に供給することができる。これにより、長時間の連続自動運転が可能になる。
【0035】
また、ワークWのサイズに対応して間隔調整された仕切りバー7の間に積載されるので、ワークWは荷崩れすることなく多量に供給され得る。特に、ブロック9を用いることによりワークWを安定して積載することができる。
【0036】
また、素材パレット5が送材装置103への素材供給位置からレールフレーム13A,13Bの外側位置まで移動可能なので、形鋼加工機101による加工中に素材パレット5を外側位置に移動させてワークWを素材パレット5に積載することができる。このため、素材供給装置1へのワークWのセット時間が短縮化されて、形鋼加工機101の稼働率をアップさせることができる。
【0037】
また、素材パレット5にワークWを供給する作業は、レールフレーム13A,13Bの外側位置において行われるので、クレーン操作やロープ外し等の作業が容易且つ安全に行われる。
【0038】
なお、この発明は、前述した実施例に限定されることなく、適宜な変更を行なうことにより、その他の態様で実施し得るものである。すなわち、前述の実施例においてはマグネット21によりワークWを吸着する場合について説明したが、吸着手段はこれに限るものではない。
【0039】
また、前述の実施例においては、素材パレット5にアングル形鋼を積載する場合に対応した形状のブロック9を用いたが、これに代わって図6に示すような部材27を設けることによりアングル形鋼Wを安定して積載することもできる。
【0040】
さらに、素材パレット5そのものを二つ以上用意しておき、素材パレット5ごと交換することによりワークWの供給を行うようにしてもよい。
【0041】
さらにまた、前述の実施例における素材パレット5としては全体が一体のものであったが、図7に示すように、分離した個々の素材パレット5A,5B…を連結することにより種々のワークWが積載可能な素材パレット5としてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明による形鋼加工機の素材供給装置では、送材装置が被加工物である形鋼を形鋼加工機に搬入し、形鋼加工機が搬入されたワークに加工を行なう。この際、素材パレットに前記ワークを積載しておき、この素材パレットを前記送材装置に接近させて、搬送手段が素材パレットからワークを1個取りして前記送材装置に供給するので、連続して多量のワークを供給することができる。また、素材パレットを前記送材装置から離反させた位置でワークを素材パレットに積載することができるため、加工中に同時に素材パレットにワークをセットでき、形鋼加工機の稼動効率を向上させることができる。また、前記素材パレットに荷崩れ防止用の鉛直部材を設けて複数部分に区分し、この区分された部分にワークを積載するので荷崩れを起こすことなく少ない設置面積で多量のワークを重ねて積載できる。さらに、前記各鉛直部材の間にワークの形状に応じたブロックを取り付け、ワークの荷崩れを防止できるようになっているので、ワークを安定して積載することができる。
【0043】
請求項2による形鋼加工機の素材供給装置では、請求項1における搬送手段が、形鋼を一枚取りして取り上げる上下移動手段と、この上下移動手段を有すると共に前記送材装置へ接近離反自在の水平移動手段とを備えているので、素材パレットの任意の位置にある所望のワークを一枚づつ連続して送材装置へ供給することができる。
【0044】
請求項3による形鋼加工機の素材供給装置では、請求項1または請求項2における鉛直部材の間隔が積載されるワークのサイズに対応して調整自在であるので、種々のサイズのワークを一度に積載することができ、サイズの異なるワークを連続して加工できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る形鋼加工機の素材供給装置の一実施例を示す正面図である。
【図2】図1中II方向から見た平面図である。
【図3】図1中III 方向から見た側面図である。
【図4】素材パレットのブロックを示す説明図である。
【図5】ワークを素材パレットに搬送する状態を示す説明図である。
【図6】素材パレットに使用するブロックの別の実施例を示す説明図である。
【図7】素材パレットの別の実施例を示す説明図である。
【図8】従来の形鋼加工機の素材供給装置を示す平面図である。
【図9】図8中IX方向から見たチェーン式サプライヤを示す側面図である。
【図10】形鋼加工機の一例を示す説明図である。
【図11】従来の形鋼加工機の素材供給装置の別の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 素材供給装置
5 素材パレット
7 仕切りバー(鉛直部材)
15 車輪(水平移動手段)
17 走行ビーム(搬送手段)
21 マグネット(上下移動手段)
101 形鋼加工機
103 送材装置
W ワーク

Claims (3)

  1. 被加工物である形鋼を搬入する送材装置を備えた形鋼加工機であって、前記ワークを積載すると共に前記送材装置に対して接近離反自在の素材パレットと、この素材パレットから前記送材装置にワークを1個取りする搬送手段とを備え、前記素材パレットが荷崩れ防止用の鉛直部材により複数部分に区分けされていると共に、前記各鉛直部材の間にワークの形状に応じたブロックを取り付けることができるようになっていることを特徴とする形鋼加工機の素材供給装置。
  2. 前記搬送手段が、形鋼を一枚取りして取り上げる上下移動手段と、この上下移動手段を有すると共に前記送材装置へ接近離反自在の水平移動手段と、を備えてなることを特徴とする請求項1に記載の形鋼加工機の素材供給装置。
  3. 前記鉛直部材の間隔が積載されるワークのサイズに対応して調整自在であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の形鋼加工機の素材供給装置。
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