JP3654572B2 - 触媒燃焼装置およびその制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気化した液体燃料を触媒燃焼する触媒燃焼装置およびその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
火炎燃焼に比べて燃焼温度が低く無炎で燃焼する触媒燃焼が知られている。触媒燃焼は、NOxなどの燃焼排ガスの排出が少なく、また、希薄混合気の燃焼が可能で、燃焼量の調整範囲が広く、放射熱量が大きい等の様々なメリットを有している。このため、触媒燃焼を温風あるいは赤外線を放出する暖房機器などに用いることが検討されている。その1つとして、前方にプレート状の触媒層を設け、この触媒層の後方に、噴霧された液体燃料を気化する気化室が配置された触媒燃焼装置が検討されている。
【0003】
この触媒燃焼装置では、先ず、気化室内に液体燃料を噴霧し、火炎燃焼させることにより、気化室およびその下流に配置された触媒層を触媒燃焼が可能な活性温度以上に予熱し、その後に触媒燃焼に移行する。したがって、触媒燃焼中は、その触媒燃焼により温度が上がった触媒層の熱(輻射熱)で気化室が加熱される。このため、ヒータなどを用いずに触媒燃焼の熱で液体燃料を気化することができ、気化した液体燃料と空気が混合された状態で触媒層に供給され、触媒燃焼が継続される。したがって、気化用のヒータなどが不要なので簡易な構成で触媒燃焼を安定して継続できる触媒燃焼装置である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この触媒燃焼装置では、触媒燃焼中に、気化室の温度が上がると、気化された燃料が有炎燃焼する、いわゆる逆火現象が生じる可能性が上昇する。炎が発生すると上述した触媒燃焼の効果が得られないので、このような現象は避けるようにする必要がある。一方、気化室の温度が下がると噴霧された液体燃料の気化が不十分になり、触媒燃焼層において安定した燃焼が継続でき難くなる。したがって、このような状態を避けることが必要になる。
【0005】
気化室の温度は触媒層からの輻射熱によって変わるので、気化室の温度を上げるには触媒層に供給する燃料を増やして発熱量を上げることが望ましい。しかしながら、気化室の温度が低く気化が不十分な状態で燃料量を増やすことは難しく、さらに触媒燃焼の状態を不安定にしてしまう可能性がある。また、触媒層の発熱量を下げるために燃料を減らすと気化室内において気化する液体燃料が減るので一時的には気化室の温度が上昇する方向となり、逆火現象が生じやすくなる可能性がある。したがって、この触媒燃焼装置では、単に燃料量を制御するだけでは気化室の温度を適当な範囲に制御することが難しい。
【0006】
そこで、本発明においては、気化室の温度を確実に制御できる制御手段および制御方法を提供することにより、触媒燃焼を安定して制御することが可能で、触媒燃焼をさらに安定して維持することができる触媒燃焼装置およびその制御方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明においては、気化室の温度に基づいて送風機の風量を制御することにより、気化室の温度を調整できるようにしている。すなわち、本発明の触媒燃焼装置は、気化した液体燃料を触媒燃焼する触媒層と、液体燃料を気化して触媒層に供給する気化室と、この気化室に燃焼用空気を供給する送風機と、気化室の温度により送風機の風量を制御する制御装置とを有する。また、本発明の、気化室で気化した液体燃料を触媒層に供給して触媒燃焼する触媒燃焼装置の制御方法においては、気化室の温度によりこの気化室に燃焼用空気を供給する送風機の風量を制御する工程を有することを特徴としている。
【0008】
本願の発明者らは、送風機の風量を制御することにより気化室の温度が変わる、すなわち、風量を下げると気化室の温度が上昇し、風量を上げると気化室の温度がさがるという現象に着目し、触媒燃焼中の気化室の温度を、気化室に供給される風量を制御することにより行えるようにした。風量を制御するのであれば、上記のように気化室の温度が低いときに燃料を投入して不完全燃焼の原因となったり、気化室の温度が高いときに燃料を絞って温度があがりやすくなったりすることはないので、極めて安全に、そして安定して気化室の温度を制御することができる。燃料量を変えて燃焼を行う場合は、燃料の投入量に比例して風量を変えて適当な過剰空気率になるようにする制御が行われることがあるが、それとは別に、あるいはそれに加えて燃焼が不安定にならない範囲で風量を変えることにより穏やかに気化室の温度を制御することが可能であり、気化室を備えた触媒燃焼装置においては極めて有効な温度制御方法である。
【0009】
さらに、触媒燃焼中のみならず、液体燃料を気化室で火炎燃焼する予備燃焼中も風量を制御することにより気化室の温度制御が可能である。このため、本発明により、予備燃焼および触媒燃焼において、気化室の温度を所定の範囲に保持あるいは維持することが容易な触媒燃焼装置を提供することができる。したがって、本発明の触媒燃焼装置は、安全で、触媒燃焼を維持しやすい燃焼装置となり、高効率で有害な未燃焼成分が少なく、さらに静かであるという触媒燃焼のメリットを容易に得ることができる。
【0010】
そして、本発明の制御方法は、触媒層の発熱量に大きな影響を与えずに気化室の温度制御が可能なので、触媒層の輻射熱を利用して気化する気化室を備えた触媒燃焼装置に好適なものである。例えば、触媒層の後方に触媒層に面した気化室を配置した触媒燃焼装置、あるいは、触媒層に面してセラミック製で多孔性の輻射板などを配置してさらに気化を容易にした触媒燃焼装置に適した制御方法である。
【0011】
さらに具体的には、本発明の制御装置および制御方法では、気化室の温度が低下した場合には、送風機の風量を下げる操作を行い、また、気化室の温度が上昇した場合には、送風機の風量を上げる操作を行うように制御する。風量調整のためにブロワ−あるいはファンの出入り口にベーンなどの風量制御装置を設けても良いが、もっとも簡単なのはモータの回転数を変えて風量を制御することである。そして、気化室の温度が上昇したときに送風機の出力が大きくなるように補正することにより、触媒燃焼中に気化室の温度が上がり過ぎるのを防ぐことが可能となり、それに伴い逆火現象が発生するのを未然に回避できる。このため、無炎燃焼が特徴の触媒燃焼を安定して継続できる。
【0012】
一方、気化室の温度が下がったときに送風機の出力が小さくなるように補正することにより、気化室の温度が下がり過ぎるのを防ぐことができる。このため、噴霧された液体燃料の気化が十分に行われ、触媒層の燃焼効率も上がり、発熱量が上昇する。このため、結果的に触媒層から輻射熱が増えて気化室の温度が上がる傾向になるので、さらに安定した燃焼が継続できる。そして、所定の温度に達したときに通常の風量となるようにすることにより、その状態を安定して保持することができる。
【0013】
また、触媒燃焼に先立って行われる予備燃焼においても、風量を制御することで、所望の温度に上げて、気化室を加熱することができる。したがって、気化室の温度を、触媒燃焼に移行するのに十分な温度まで短い時間で無理なく上昇させることができる。
【0014】
このように、本発明においては風量を制御することにより気化室の温度を燃焼状態を不安定にすることなく安全に制御することができる。したがって、ユーザに使用しやすく、触媒燃焼のメリットを十分に発揮させることができる燃焼装置を提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1に、本発明に係る触媒燃焼装置の概略構成を縦断面図で示してある。本例の触媒燃焼装置5は、灯油などの液体燃料70を気化室12で気化させた後、触媒層20で燃焼させて赤外線73を出力できるものである。
【0016】
本例の触媒燃焼装置5は、水平方向に延びた筒状のハウジング10を備えており、このハウジング10の前方10aが段階状に広がり開口部9となっている。この開口部9は外界に面して略長方形となっており、気化された燃料71を触媒燃焼するプレート状の触媒層20が取付けられ赤外線放射面21を形成している。本例の触媒層20は、セラミック製の部材であり、例えば、アルミン酸石灰−溶解シリカ−酸化チタンなどが用いられる。そして、このセラミックが白金などの燃焼用の触媒の担体となり、所定の温度で気化された燃料が酸素(空気)と共に供給されると触媒燃焼が行われる。
【0017】
触媒層20の後方は、触媒層20の輻射熱74により液体燃料70を加熱気化する気化室(気化筒)12となっている。気化室12は、SUS430およびアルミ含有のフェライト系などの耐熱性の材料により外殻(シェル)11が形成された中空のスペースであり、その後方には、液体燃料70を噴霧する燃料噴霧部13、燃焼用空気を供給するブロワ(送風機)15、およびブロワ15を駆動するブロワモータ15aが配置されている。本例の燃料噴霧部13は、バーナーとしての機能も備えており、気化室12および触媒層20予熱するときはこのバーナー13から噴霧された液体燃料にイグナイター14で点火し火炎を形成する。一方、触媒燃焼中は、バーナー13から液体燃料を噴霧し、火炎を形成することなく気化室12でガス化した燃料が触媒プレート20に供給される。
【0018】
気化室12には、さらに、触媒層20に面し、これとほぼ平行に対峙するように多孔性の輻射板30が配置されている。輻射板30は、多孔性のセラミック板、あるいはパンチングメタルにセラミックが溶射された材料などにより形成される。この輻射板30は、触媒層20の後方の面22に面して配置され、触媒層20の輻射熱74を直に受けるようになっている。したがって、触媒燃焼が開始すると、その熱を受けて高温となり、気化室12の後方から供給される液体燃料70と接触し、その気化を促進する役割を担っている。
【0019】
本例の触媒燃焼装置5は、制御用のセンサーをいくつか備えている。先ず、気化室12の後方の燃料噴霧部13の近傍に、気化室内の火炎72を検出する火炎センサー40が設置されている。火炎センサー40としては火炎の発する波長の光を検出する光センサーを用いることができ、本例ではCdS(カドミウムセル)を採用している。
【0020】
さらに、3つの温度センサーを備えている。第1の温度センサー41は気化室12の室内温度を検出可能なように気化室の壁(シェル)11に配置されている。第2の温度センサー42は、輻射板30の温度を検出可能なように設置されている。第3の温度センサー43は、触媒層20の温度を検出可能なように設置されている。温度センサー41としては接触型の測温抵抗体などが用いられる。温度センサー42および43としては非接触型の赤外線センサーなどが採用されている。センサーの種類は上記に限定されるものではなく、熱電対あるいはサーミスタなどの他の温度センサーを採用することも可能であるが、触媒層20および輻射板30の温度を検出するセンサーとしては非接触型の赤外線センサーの方が配置あるいはメンテナンスなどの点で好ましい。
【0021】
これらセンサー40、41、42および43からの出力は、図1に破線で示すように制御部(制御装置)50の入力となり、触媒燃焼装置5においては、これらのセンサーの出力に基づいて燃料ポンプ7、ブロワモータ15aなどを制御し、触媒燃焼あるいは予熱の制御を行い、また、それらの燃焼状態によって安全な処置が行えるようになっている。制御装置50には、さらに、燃料ポンプをオンオフして燃焼装置5をスタートおよびストップするスイッチ8などの操作手段とも接続されている。特に、本例の制御装置50は、気化室の温度センサー41の出力によってブロワモータ15aの回転数を制御するブロワ制御部51を備えており、ブロワ15から気化室12に供給される風量によって気化室12を適切な温度に保持できるようにしている。
【0022】
すなわち、ブロワ15により気化室12に送り込まれる燃焼用の空気78は、適切な過剰空気量が確保されるように設定され、触媒燃焼装置5で要求される出力の変動および制御範囲が広い場合は、液体燃料70の投入量に比例あるいは適当な関数に基づいて制御されることが多い。本例の触媒燃焼装置5の制御装置50においては、これに加えて、ブロワ制御部51の機能により、気化室12の温度が低下するとブロワ15から出力される空気78の風量を下げる操作が行われ、また、気化室12の温度が上昇するとブロワ15から出力される空気78の風量を上げる操作が行われるようになっている。ブロワ15から気化室12に供給される空気78の風量が減ると、気化室内の風速が減少するので空気による冷却効果が小さくなり、気化室12の温度は上昇する。したがって、気化室12の温度が下がることにより噴霧された液体燃料71の気化率が下がっていたのを回復させることができる。したがって、触媒層20の燃焼量を増して輻射熱を上げたのと同じ効果をブロワ15からの風量を制御することにより得ることが可能である。このため、気化率が低下している気化室に輻射熱を得るために燃料を入れて不完全燃焼を起こすようなことをせずに、触媒燃焼を効率よく維持できる状態に制御することができる。
【0023】
一方、ブロワ15から出力される空気78の風量が増えれば、気化室内の風速が増加し、空気による冷却効果が大きくなる。したがって、気化室12の温度は低下する。このため、気化室の温度が上がりすぎて逆火現象が発生するような事態になるのを未然に防ぐことができる。したがって、触媒層20の燃焼量を下げて輻射熱を低下させたのと同じ効果をブロワ15からの風量を制御することにより得ることができる。このため、燃料量を絞って一時的に気化室の温度が高温になるような事態を発生させずに、安全に気化室の温度を制御することができる。
【0024】
また、本例の触媒燃焼装置5においては、燃料量を変えずに、すなわち、発熱量あるいは出力を変えずに気化室の状態を適切に制御することが可能である。このため、触媒燃焼装置5により部屋あるいはその他の温度制御しているときに、その制御対象に影響を与えずに燃焼状態が適切な状態になるようにセルフコントロールすることが可能である。したがって、ユーザが非常に使いやすく、その上、安全で不完全燃焼が発生したりすることのない、触媒燃焼のメリットを最大限に活かした燃焼装置を提供することができる。
【0025】
図2ないし図4に、本例の触媒燃焼装置5において触媒燃焼を行う過程をフローチャートに示してある。これらを参照しながら、制御部50に組み込まれたシーケンサあるいはプログラマブルな制御機構などにより本発明に係る制御方法が実行される様子を説明する。
【0026】
本例の燃焼装置5は、ST1においてスイッチ8をオンすることにより起動する。起動直後は、先ず、プレパージを行うため、ST10において、火炎センサー40により、気化室12の炎72の有無を判断する。火炎が検出されるときは異常なので、ST11で警報を出力し起動を中断する。炎がない場合には、ST12でブロワモータ15aをオンしてブロワ15を駆動し、同時にイグナイター14をオンしてプレパージを行う。
【0027】
プレパージが終了すると、ST13で燃料ポンプ7をオンし、予備燃焼工程ST2をスタートする。燃料ポンプ7がスタートすると、燃焼タンク(不図示)から灯油などの液体燃料70がバーナー13に供給され、気化室12の内部に噴霧される。その結果、噴霧された液体燃料はイグナイター14によって着火し、火炎燃焼がスタートする。
【0028】
予備燃焼中は、ST14で、火炎センサー40により気化室12に火炎72が形成されているか否を判断し、予備燃焼が始まったことを確認する。また、予備燃焼中は、火炎センサー40により火炎が検出されることを正常とし、火炎センサー40で火炎が検出されないときは、ST15で警報処理が取られ、触媒燃焼装置5の起動を中断する。予備燃焼中は、さらに、ST16で、燃料ポンプ7をスタートした予備燃焼を介してしてからの経過時間S1と、輻射板30の温度を監視する。予備燃焼を開始してから所定の時間S1が経過しても輻射板30の温度が上がらない場合は、何らかの異常があるとしてST17で警報を発し、触媒燃焼装置5の起動を停止する。
【0029】
一方、ST18で所定の経過時間S2が経過した後に、ST19で気化室の温度センサー41により気化室12の温度が低いと、外気温などの影響により温度が上がりにくい状態になっていると判断され、ST20においてブロワモータ15aの回転数を低下させる。これにより、気化室12に送込まれる空気78の風量が減るので、気化室12の温度が上昇し、気化室12および触媒燃焼プレート20および輻射板30を触媒燃焼に移行するのに十分な温度に所定の時間で達するようにすることができる。このように、本例の燃焼装置5においては、予備燃焼中においても、ブロワ15の風量により気化室12の温度制御が行われるようになっている。したがって、外気が低いなどの環境的な条件の違いがあってもそれほど起動時間が延びずに触媒燃焼を開始させることが可能となる。
【0030】
さらに、ST21において予備燃焼により、輻射板の温度(温度センサー42)が所定値X(本例では、400℃)に達したことが検出されると、ST22で燃料ポンプ7およびイグナイター14をオフする。これにより火炎が消えるので、予備燃焼は終了する。
【0031】
次に、図3に示すように、ST23で燃料ポンプ7を停止した状態で時間S3が経過して火炎が完全に消えるのを待つ。その後、ST24で、燃料ポンプ7を再稼動することにより液体燃料70が噴霧装置13に供給され、気化室12に噴霧される。気化室12および輻射板30は、予備燃焼により加熱されているので、噴霧された液体燃料70は加熱気化され、同様の予熱された触媒層20に達すると、触媒の作用によって触媒燃焼が始まる。この触媒燃焼の過程ST3では触媒層20の触媒燃焼によって発生した主なエネルギーは、外界に面した赤外線放射面21から赤外線73として出力される。同時に、触媒層20は、気化室12および輻射板30にも面しているので、触媒層20からの輻射熱74により気化室12および輻射板30が加熱され、気化室12および輻射板30が液体燃料を気化するのに適した温度に維持される。
【0032】
触媒燃焼中も、ST25で火炎センサー40により気化室12に火炎72が形成されているか否か判断される。しかしながら、触媒燃焼は無炎燃焼であり、触媒の温度が上がりすぎ、あるいは、輻射板30、さらには気化室12の温度が上がりすぎると火炎燃焼に移行する可能性があるのを防止するためであり、触媒燃焼中は、火炎が検出されないことを正常とする。したがって、ST25で火炎が検出されると、逆火現象をキャッチしたことになり、異常状態なので、ST26で警報処理を行い燃焼を緊急停止する。
【0033】
さらに、触媒燃焼中において、上述したように気化室12の温度を温度センサー42により監視し、ブロワ15の風量を制御することにより気化室12の温度が触媒燃焼に最適な温度になるように調整する処理をST27からST32で行う。先ず、ST27で気化室12の温度が所定の温度より低いときには、ST28でブロワモータ15aの回転数fをすでに下げているか否かを判断する。ブロワモータ15aの回転数fを下げられる場合には、ST29でブロワモータ15aの回転数fを下げて気化室12にブロワ15により供給する空気78の風量を減らす。これにより、空気による気化室12の冷却率が小さくなるので気化室12の温度は上昇傾向となる。一方、ST28で、既にブロワモータ15aの回転数fを低くしている場合は、風量の調整では気化室の温度が制御できない状態にあることを示している。したがって、気化率が不足して未燃焼分が増えるなどの異常な状態になる可能性があるのでST35に移行して警報を出力し、さらに、燃焼停止する等の処理が取られる。
【0034】
一方、ST30では、気化室12の温度が所定の温度よりも高いときは、ST31でブロワモータ15aの回転数fが上げられているか否かを判断する。ブロワ15の回転をさらに上げられる場合には、ST32で、ブロワモータ15aの回転数fを上げて気化室12に供給する空気78の風量を増やす。これにより、空気78による気化室12の冷却率が大きくなり気化室12の温度は低下傾向となる。一方、ST30で、既にブロワモータ15aの回転数fを上げている場合は、風量の調整では気化室の温度上昇を制御できない状態にあることを示している。したがって、気化室の温度が上昇しすぎて逆火が発生したり、構造的な問題などが発生する可能性がある。このため、ST37に移行し警報を出力し、過熱防止と同様の処理が取られる。
【0035】
図5にブロワ15の風量制御により気化室12を温度調整する様子をグラフにより示してある。時刻t1に気化室12の温度が上昇して所定の温度T4に達すると、ST30で気化室12の温度を判断し、ステップST32でブロワモータ15aの回転数fを通常の2600rpmから2700rpmに上昇する。その結果、実線68に示すように、気化室12の温度は徐々に低下する。
【0036】
しかしながら、風量により温度制御できない場合は、破線69に示すよう気化室の温度は上昇を続ける。そして、時刻t2に温度T5に達するとST31によってその状況が判断され、ST37に移行して電磁ポンプ(燃料ポンプ)7を停止するなどの過熱防止処理がとられる。
【0037】
気化室12の温度が順調に下がり、時刻t3に温度T3になると、ブロワモータ15aの回転数fを2700rpmから2600rpmの通常値に戻す。これにより通常の運転状態になる。一方、何らかの原因により気化室12の温度がさらに下がって、時刻t4に温度T2になると、ST27で気化室12の温度を判断しST29においてブロワ15(モータ15a)の回転数2600rpmから2500rpmに下げる。これにより、実線68で示すように、徐々に気化室12の温度が上昇し、時刻t5に気化室12の温度が通常温度T3に達すると、ブロワモータ15aの回転数fを再び2500rpmから2600rpmの通常値にもどす。このようにして風量を制御することにより気化室12の温度を所定の温度範囲、たとえば温度T2からT4の範囲に保つことができる。
【0038】
一方、破線69で示すように、気化室12の温度が上昇せず、時刻t6に温度T1に達してしまう場合は、気化室12の温度が制御できない状態にある。このため、ST28低下するのであれば気化不足の状態が変わらないので、ST35に移行し、気化不足に対処する処理を行う。多くの場合は燃焼が不安定になるので燃焼を停止する。
【0039】
このように、液体燃料70を気化するプロセスにおいて重要な役割を持つ気化室12の温度を監視し、その温度をブロワ15による風量の出力を補正することができる。したがって、気化室12内の温度を触媒燃焼に最適な温度にし、噴霧された液体燃料の気化不足や逆火を防止することができる。
【0040】
触媒燃焼中は、気化室12の温度のみならず、触媒層20の温度なども監視され、温度が所定の範囲を超えると警報あるいは燃焼中止などの処置がとられる。ST33では、触媒層の温度センサー43を介して、触媒層20の温度を判断する。そして、触媒層20の温度が活性化温度などを考慮した所定の下限Y1を下回っているときは異常があったものと判断し、気化室12の温度が低すぎる状態になったときと同様にST35で警報処理を行い、消火または燃焼停止などの処理を行う。
【0041】
なお、予備燃焼から触媒燃焼に切替えた当初は触媒燃焼が始まっていても触媒層20が所定の温度に達するまでに時間がかかる。このため、ST34で経過時間S4を待つようにしている。
【0042】
一方、触媒層20の温度が上限Y2を上回ると、逆火が発生する可能性や触媒層20が割れる等の耐久性の問題も生ずる。このため、ST36で触媒層20の温度が上限温度Y2を上回ると、気化室12の温度が高すぎる状態になったときと同様にST37で警報を出し、緊急停止などの過熱防止の処理を行う。本例の触媒燃焼装置5においては、触媒層20の温度は単に触媒燃焼ができる温度ではなく、輻射板30および気化室12をガス化可能な状態まで加熱できる値(700℃〜800℃の範囲)に保持すること目的として制御が行われる。
【0043】
このようにして本例の燃焼装置5においては、ST38でオンオフスイッチ8により燃焼をストップする指示があるまで、触媒燃焼中は、上記のプロセスにより温度センサー41、42および43さらには火炎センサー40により触媒燃焼を安定して維持できるように監視され、安全で効率の良い触媒燃焼が行われる。なお、説明のために、図2ないし4のフローチャートでは、これらを監視するプロセスを順番に記載しているが、この順番は特定されたものではなく、平行して処理されてももちろん良い。
【0044】
このように、本例の触媒燃焼装置5は、制御部50を介して、気化室12の温度に基づいて、ブロワモータ15aの回転数を変動させ、ブロワ15の出力を補正することにより気化室12の温度を最適に維持できるようにしている。したがって、気化室における液体燃料70の気化不足や逆火が未然に防止されており、安全で効率の良い触媒燃焼を安定して保持することができる。
【0045】
また、風量の調節は予備燃焼の際も有効であり、気化室12の温度を監視し、温度が高くならないときはブロワ15の出力を減らすことにより温度を上昇させることができる。したがって、所定の時間程度で気化室12のコンディションを触媒燃焼を開始できる状態に整え、どのような環境状態でも比較的短時間で触媒燃焼に移行させることが可能となる。
【0046】
したがって、本例の触媒燃焼装置5およびフローチャートに基づき説明した燃焼方法においては、風量を制御することにより触媒層の輻射熱により加温されるタイプの気化室の条件を最適な状態に自動制御することが可能である。このため、予備燃焼から触媒燃焼を安全に、そして確実に安定して行うことができる。したがって、触媒層からの輻射熱により気化室を加熱して燃料を気化する触媒燃焼装置において、無炎で、窒素酸化物などの有害物質の生成割合が低く、さらに匂いや騒音も少ないという数多くのメリットを備えた触媒燃焼を最大限に生かすことができる。そして、電熱ヒータなどを用いずに、触媒層の発熱を一部用いて燃料を気化する比較的構造が簡易な触媒燃焼装置において、触媒燃焼により発生した熱を暖房などに活用することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の触媒燃焼装置は、気化室の温度に基づいて送風機の風量を補正できる制御装置および制御方法により送風機の風量を制御し、気化室の温度を触媒燃焼に最適な温度に調整できるようにしている。したがって、触媒燃焼中に、気化室の温度が上がり過ぎることを防ぎ、逆火現象を未然に回避できる。また、気化室の温度が下がり過ぎるのを防ぐことにより、気化不足により触媒燃焼が不安定になるのも防止できる。
【0048】
このように、本発明の触媒燃焼装置およびその制御方法においては、電熱ヒータなどの他の制御要素を加えなくても風量制御により気化室の温度が制御できる。このため、上述した触媒層あるいは触媒プレートからの輻射熱により液体燃料を気化する気化室を備えた比較的簡易な構成の触媒燃焼装置に好適である。したがって、本発明により、簡易な構成でありながら、噴霧された液体燃料が十分に気化され、過熱することもない、高効率で安全な触媒燃焼を安定して維持できる触媒燃焼装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る触媒燃焼装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示す触媒燃焼装置の予備燃焼工程を示すフローチャートである。
【図3】図2に示す予備燃焼工程以降の触媒燃焼工程を示すフローチャートである。
【図4】図3に示す触媒燃焼工程の続きを示すフローチャートである。
【図5】図1に示す触媒燃焼装置の気化室の温度変化を示すグラフである。
【符号の説明】
5 触媒燃焼装置
7 燃料ポンプ
8 オンオフスイッチ
9 開口部
10 ハウジング
10a ハウジング前方
11 気化室の壁
12 気化室
13 噴霧装置(バーナー)
14 イグナイター
15 ブロワ
15a ブロワモータ
20 触媒層
30 輻射板
40 火炎センサー
41 気化室の温度センサー
42 輻射板の温度センサー
43 触媒層の温度センサー
50 制御部(制御装置)
70 液体燃料(灯油)

Claims (4)

  1. 気化した液体燃料を触媒燃焼する触媒層と、
    液体燃料を気化して前記触媒層に供給する気化室と、
    この気化室に燃焼用空気を供給する送風機と、
    前記気化室の温度により前記送風機の風量を制御する制御装置とを有し、
    前記制御装置は、前記気化室の温度が低下すると前記送風機の風量を下げる操作、および前記気化室の温度が上昇すると前記送風機の風量を上げる操作の少なくともいずれかを行うことを特徴とする触媒燃焼装置。
  2. 請求項1において、前記気化室は前記触媒層の輻射熱により前記液体燃料を気化することを特徴とする触媒燃焼装置。
  3. 気化室で気化した液体燃料を触媒層に供給して触媒燃焼する触媒燃焼装置の制御方法であって、前記気化室の温度によりこの気化室に燃焼用空気を供給する送風機の風量を制御する工程を有し、
    前記送風機の風量を制御する工程では、前記気化室の温度が低下すると前記送風機の風量を下げる操作、および前記気化室の温度が上昇すると前記送風機の風量を上げる操作の少なくともいずれかを行うことを特徴とする触媒燃焼装置の制御方法。
  4. 請求項3において、前記気化室は前記触媒層の輻射熱により前記液体燃料を気化することを特徴とする触媒燃焼装置の制御方法。
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