JP3653527B2 - ヘッドレスト調整装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用シートのヘッドレスト調整装置に関するものである。特に詳述すれば、車両用シートの長手(前後)方向への摺動によりシート位置の変更があったとき、変更位置に適したシートのヘッドレストの高さに、該ヘッドレストを移動させるためのヘッドレスト調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用シートは、一般に、その長手方向即ち前後方向に、車両用フロアに対してその位置を変えるためのシートスライド調整機構を有す。この結果、例えば背の高い人が着座すると、その背の高い乗員は、自分に適した姿勢を得るためにシートスライド調整機構を動作させ、シートを後方へ移動させることができる。この際、ヘッドレストの高さも該乗員の頭の位置に適したように変える必要がある。即ち、シートの位置に応じたヘッドレストの高さを選択可能とさせることが必要となる。
従来、この種のヘッドレスト調整装置としては、独国実用新案第9421781号公報に示されるものが知られている。
【0003】
これは、ヘッドレストを備えたシートをシート長手方向に沿う任意の位置まで移動させる第1の駆動手段と、ヘッドレストをシート高さ方向に沿う目標の位置まで移動させる第2の駆動手段と、第1の駆動手段によるシートの移動位置に応じて第2の駆動手段によるヘッドレストの目標移動位置までの移動を制御する制御手段とを有するもので、この制御手段は、シートの任意位置への移動に基づくヘッドレストの目標移動位置を特性曲線として設定した記憶手段を有す。
【0004】
この従来装置では、着座者がスイッチ操作により第1の駆動手段を作動させてシートをシート長手方向に沿う任意位置に移動させると、制御手段がシートの任意移動位置に応じたヘッドレストの目標移動位置を記憶手段から呼び出し、第2の駆動手段を作動させてヘッドレストをシート高さ方向に沿う目標移動位置まで移動させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記したヘッドレスト調整装置であると、シートの任意位置への移動に基づいてヘッドレストの目標移動位置が特性直線として設定されているので、シートの微調整移動を繰り返した場合、この微調整移動の都度、ヘッドレストも微調整移動されることになり、着座者に煩わしさを感じさせる恐れがある。又、これを防止するために、従来装置は、特性直線を階段状とすることで所定量のシートの移動がないかぎりヘッドレストの移動が行われないようにすることも開示している。しかしながら、特性直線が階段状となることによって、シートの移動位置に対するヘッドレストの位置調整を高精度に行うことが困難となり、ヘッドレストの位置が目標移動位置とは大きく異なる場合が生じる。
【0006】
故に、本発明は、上記した問題点を解消し、シートの微調整移動によるヘッドレストの微少移動を防ぎ、且つ、より高精度な位置調整を行うことのできるヘッドレスト調整装置を提供することを、その技術的課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題を解決するために、本発明は基本的には、シートの前後方向の摺動前のヘッドレストの目標位置と、摺動中のシートの任意位置でのヘッドレストの目標位置とが所定寸法以上離間したとき、ヘッドレストの上下方向の移動が開始し、そのときのシート位置に対応する新たな目標位置へと制御手段によりヘッドレストを昇降させる構成を採用する。
具体的には、本発明は、シートの前後移動に応じてヘッドレストを上下移動させるヘッドレスト調整装置において、記憶手段によって、前記シートの任意位置に対応する前記ヘッドレストの目標移動位置を記憶し、移動開始後の前記シートの移動位置に対応する前記ヘッドレストの目標移動位置が、移動開始前の前記シートの初期位置に対応する前記ヘッドレストの初期位置から所定寸法以上離間した時、前記ヘッドレストの上下移動を開始し、移動中の前記シートの位置に応じて変化する特性線として設定された目標移動位置へ前記ヘッドレストを移動する制御手段を有することを特徴とするヘッドレスト調整装置を提供する。
【0008】
さらに、本発明は、ヘッドレストを備えたシートをシート長手方向に沿う任意の位置へと移動させる第1の駆動手段と、前記ヘッドレストをシート高さ方向に沿って移動させる第2の駆動手段と、前記第1の駆動手段による前記シートの移動に応じて前記第2の駆動手段による前記ヘッドレストの移動を制御する制御手段とを有するヘッドレスト調整装置において、前記制御手段は、記憶手段によって、前記シートの任意位置に対応する前記ヘッドレストの目標移動位置を記憶し、移動開始後の前記シートの移動位置に対応する前記ヘッドレストの目標移動位置が、移動開始前の前記シートの初期位置に対応する前記ヘッドレストの初期位置から所定寸法以上離間した時、前記ヘッドレストの上下移動を開始し、移動中の前記シートの位置に応じて変化する特性線として設定された目標移動位置へ前記ヘッドレストを移動することを特徴とするヘッドレスト調整装置を提供する。
【0009】
この技術的手段によれば、シートの前後移動に応じてヘッドレストを上下移動させる際、移動開始後のシート位置に対応するヘッドレストの目標移動位置が、移動開始前のシート位置に対応したヘッドレストの初期位置と所定寸法以上離間するまでは、ヘッドレストの移動が開始されないので、シートの微調整移動に応じたヘッドレストの微少移動が防止される。また、移動開始後のヘッドレストは、移動中のシートの位置に応じて変化する特性線として設定された目標移動位置へと移動することによって、シート位置に応じたヘッドレストの位置調整を高精度に行うことができる。
【0010】
好ましい技術的手段によれば、着座者がスイッチ操作により第1の駆動手段を作動させてシートをシート長手方向に沿う任意位置に移動させると、制御手段がシートの任意の移動位置に応じたヘッドレストの目標移動位置を記憶手段から呼び出し、シートがヘッドレストの高さにより許容される移動位置領域外の任意位置へと移動すると、第2の駆動手段を作動させてヘッドレストをシート高さ方向に沿う目標移動位置まで移動させる。
シートがヘッドレストの高さにより許容される移動位置領域内の任意移動位置へと移動したときにはヘッドレストが移動することはなく、又、シートが許容される移動位置領域外の任意移動位置へと移動すると確実にヘッドレストが目標移動位置へと移動し得、従来に比べて、より高精度のヘッドレストの位置調整を行い得る。
【0011】
より好ましくは、前記第2の駆動手段を、前記ヘッドレストをシート高さ方向に沿う任意位置へと移動させる構成とし、前記制御手段を、前記ヘッドレストが前記許容移動位置領域に関わらず、又は前記許容移動位置領域内で独立して前記任意位置へと移動されるべく前記第2の駆動手段を作動させるよう構成する、と良い。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1に示されるように、車両シート1は、シートクッション2、シートバック3及びヘッドレスト4から構成されるものであって、車両シート1は、シートクション2の下部に配置された周知のスライド調整機構5を介して車両フロア(図示せず)上に車両前後方向であるシート長手方向に移動自在に支持されている。シートバック3は、シートクッション2の後部に配置されており、ヘッドレスト4は、シートバック3の上部に周知の調整機構6を介して車両上下方向であるシート高さ方向に移動自在に支持されている。
【0013】
シートスライド調整機構5は、車両フロアに固定されるロアレール51及びシートクッション2に固定されロアレール51に摺動自在に支持されたアッパレール52を備えており、アッパレール52は、スクリューシャフト、ナット部材、減速ギヤ構造及びスライドモータ71よりなる周知の駆動機構7の作動でロアレール51に対して摺動動作し、これにより、車両シート1は、シート長手方向に沿って任意位置へと移動し、車両シート1の前後位置の調整がなされる。
【0014】
ヘッドレスト調整機構6は、ヘッドレスト4に取り付けられシートバック3に取り付けられるホルダーに摺動自在に支持されるステー61を備えており、ステー61は、スクリューシャフト、ナット部材、減速ギヤ構造及びヘッドレストモータ81よりなる周知の駆動機構8の作動でホルダーに対して摺動動作し、これにより、ヘッドレスト4は、シート高さ方向に沿って移動し、ヘッドレスト4の上下位置調整がなされる。
【0015】
図2に示されるように、制御手段9のCPU91には、正転回路92及び逆転回路93を介して第1の駆動機構7のスライドモータ71及び第2の駆動機構8のヘッドレストモータ81が接続されている。CPU91には、入力処理回路94を介してスライドモータ71を駆動操作するためのスライドマニュアルスイッチ72及びヘッドレストモータ81を駆動操作するためのヘッドレストマニュアルスイッチ82が接続されている。スライドマニュアルスイッチ72は、フロント(前進)調整用スイッチ(以下、スライドFrSWと称する)72aとリヤ(後進)調整用スイッチ(以下、スライドRrSWと称する)72bとを備えている。このスライドFrSW72a及びスライドRrSW72bは、夫々、常開型のスイッチで、常時は、オフであって、押圧操作されている間のみオンする。
ヘッドレストマニュアルスイッチ82は、アップ(上昇)調整用スイッチ(以下、ヘッドレストUpSWと称する)82aとダウン(下降)調整用スイッチ(以下、ヘッドレストDownSWと称する)82bとを備えている。このヘッドレストUpSW82a及びヘッドレストDownSW82bは、夫々、常開型のスイッチで、常時は、オフにあって、押圧操作されている間のみオンとなる。
【0016】
CPU91は、スライドFrSW72aのオン時において車両シート1を前方に移動させるためにスライドモータ71を正転方向に駆動するべく正転回路92にスライド駆動信号を出力し、スライドRrSW72bのオン時において車両シート1を後方に移動させるためにスライドモータ71を逆転方向に駆動するべく逆転回路93にスライド駆動信号を出力し、ヘッドレストUpSW82aのオン時においてヘッドレスト1を上方に移動させるためにヘッドレストモータ81を正転方向に駆動するべく正転回路92にヘッドレスト駆動信号を出力し、ヘッドレストDownSW82bのオン時においてヘッドレスト1を下方に移動させるためにヘッドレストモータ81を逆転方向に駆動すべく逆転回路93にヘッドレスト駆動信号を出力する。
【0017】
又、CPU91には、位置検出回路95を介してスライド位置センサ73及びヘッドレスト位置センサ83が接続されている。スライド位置センサ73は、ホール素子を備え、スライドモータ71の駆動に伴い駆動パルスをカウントしていくパルスカウント式のものであって、CPU91は、このスライド位置センサ73からのパルス信号に基づいて車両シート1の現在前後位置(任意移動位置)を認識する(図3に示すようにフロントモースト位置を基準とした絶対位置)。
【0018】
ヘッドレスト位置センサ83は、ホール素子を備え、ヘッドレストモータ81の駆動に伴い駆動パルス数をカウントしていくパルスカウント式のものであって、CPU91は、このヘッドレスト位置センサ83からのパルス信号に基づいてヘッドレスト4の現在上下位置(任意位置)を算出する(図3に示すようにダウンモースト位置を基準とした絶対位置)。
【0019】
更に、CPU91には、記憶回路96が接続されており、この記憶回路96には、図3に示す如き、車両シート1の現在の前後位置に対するヘッドレスト4の目標上下位置(目標移動位置)及びその許容量(許容移動位置領域)を設定するマップ(特性範囲)が記憶されている。このマップにおけるヘッドレスト4の目標上下位置は、車両シート1に着座する人の平均的な体形データ(身長や座高等)から想定されており、許容量は、目標上下位置を基準として上下に設定されている(具体的には、図3に示されるように、上下にそれぞれ12mm)。
尚、許容量の境界を示す線図は、目標上下位置を示す線図と正比例しているが、必ずしも正比例する必要はなく、車両シート1の現在前後位置がリヤモースト位置(具体的には、図3に示されるように、基準となるフロントモースト位置から240mmの位置)に近づく或いはヘッドレスト4がアップモースト位置(具体的には、図3に示されるように、基準となるダウンモースト位置から80mmの位置)に徐々に近づくにつれて、許容量が徐々に小さくなるようにしてもよい。
【0020】
次に制御回路9の処理について図4ないし図7を参照して説明する。
【0021】
CPU91では、ステップS1、S2において、スライドマニュアルスイッチ72が操作されているか否かが判断される。スライドFrSW72aがオンであると、ステップS1からステップS3に進み、ステップS3において、正転回路92にスライド駆動信号を出力して駆動機構7のスライドモータ71を正転方向に駆動する。これにより、スライド調整機構5が作動して車両シート1が前方に移動する。又、スライドRrSW72bがオンであると、ステップS2からステップS4に進み、ステップS4において、逆転回路93にスライド駆動信号を出力して駆動機構7のスライドモータ71を逆転方向に駆動する。これにより、スライド調整機構5が作動して車両シート1が後方に移動する。
【0022】
車両シート1の前後位置調整中、CPU91では、ステップS3、S4からステップS6に進み、ステップS6において、車両シート1の現在前後位置がスライド位置センサ73による位置検出回路95からの信号に基づいて認識・記憶され、ステップS7において、認識・記憶した車両シート1の現在前後位置に対するヘッドレスト4の目標上下位置を記憶回路96に記憶されたマップから演算する。続いて、ステップS8において、ヘッドレスト4の現在上下位置をヘッドレスト位置センサ83による位置検出回路95からの信号に基づいて認識する。
【0023】
この後、CPU91では、ステップS8からステップS9へと進み、ステップS9、S10において、ステップS8で認識したヘッドレスト4の現在上下位置とステップS7で演算した目標上下位置との関係を比較判断する。ステップS9、S10において、ヘッドレスト4の現在上下位置が演算した目標上下位置及びその許容量外にあると判断すると、ステップS11において、ヘッドレスト4の調整開始フラグをオンとし、ステップS12でのフラグのオンオフ判断を介してステップS13、S14に進む。
【0024】
ステップS13、S14において、ヘッドレスト4の現在上下位置が目標上下位置より高いか低いかが判断され、現在上下位置が目標上下位置より低いと判断されると、ステップS14からステップS15に進み、ステップS15において、正転回路92にヘッドレスト駆動信号を出力して駆動機構8のヘッドレストモータ81を正転方向に駆動する。これにより、調整機構6が作動してヘッドレスト4が上方に移動する。
【0025】
又、現在上下位置が目標上下位置より高いと判断されると、ステップS13からステップS16に進み、ステップS16において、逆転回路93にヘッドレスト駆動信号を出力して駆動機構8のヘッドレストモータ81を逆転方向に駆動する。これにより、ヘッドレスト調整機構6が作動してヘッドレスト4が下方に移動する。この後、CPU1では、ステップS15、S16からステップS17に進み、ステップS17においてヘッドレスト4の現在上下位置がヘッドレスト位置センサ83による位置検出回路95からの信号に基づいて認識・記憶され、ステップ1に戻る。そして、車両シート1の前後位置調整中、前述したステップを繰り返す。
【0026】
ヘッドレスト4の現在上下位置が目標上下位置内となると、CPU91では、ステップS14からステップS18に進み、ステップS18において、正転回路92及び逆転回路93にヘッドレスト駆動停止信号を出力してヘッドレストモータ81を停止させると共にステップS19に進み、ヘッドレスト調整開始フラグをオフとする。そして、ステップS19からステップS17へと進んでステップS1に戻る。
【0027】
スライドマニュアルスイッチ72の操作をやめると、CPU91では、ステップS1、S2からステップS5に進み、正転回路92及び逆転回路93へのスライド駆動信号の出力をやめてスライドモータ71を停止させる。
【0028】
以上により、車両シート1を所望の前後位置に調整し得、ヘッドレスト4は、車両シート1の所望の前後位置に応じて着座者の体形に合わせた適正の上下位置に自動的に調整され得る。
【0029】
CPU91でのステップS9、S10による判断において、ヘッドレスト4の現在上下位置が演算した目標上下位置及びその許容量内にあると判断すると、CPU91では、ステップS11に進まず、ステップS10からステップS12に進み、ステップS12でのフラグのオフ判断を介してステップS20に進み、正転回路92及び逆転回路93へのヘッドレスト駆動信号の出力をやめてヘッドレストモータ81を停止させる。そして、ステップS17へと進んでステップS1に戻る。
【0030】
このことは、車両シート1が許容量内に位置しているかぎりはヘッドレスト4が高さ調整されないようにしている。具体的には、図8に示されるように、車両シート1がA位置からB位置又はD位置に前後移動する間は、ヘッドレスト4は、上下移動せず、B位置又はD位置を超えるC位置やE位置に前後移動するとヘッドレスト4が上下移動する。これにより、車両シート1の微前後調整を繰り返したとしても、この微前後調整の都度、ヘッドレスト4が自動的に微上下調整されることはなく、着座者に煩わしさを感じさせる恐れがない。
【0031】
CPU91では、ステップS21、S22において、ヘッドレストマニュアルスイッチ82が操作されているか否かが判断される。
【0032】
ヘッドレストUpSW82aがオンであると、ステップS21からステップS23に進み、ステップS23において、マップよりステップS6で認識・記憶した車両シート1の現在前後位置に対するヘッドレスト4の目標上下位置を、ステップS24において、ヘッドレスト位置センサ83による位置検出回路95からの信号に基づいてヘッドレスト4の現在上下位置を、夫々、認識して、ステップS25に進む。
【0033】
ステップS25において、ヘッドレスト4の現在上下位置がステップS23で演算した目標上下位置及びその上方の許容量より高いか低いかが判断される。そして、低いと判断されると、ステップS25からステップS26に進み、ステップS26において、正転回路92にヘッドレスト駆動信号を出力して駆動機構8のヘッドレストモータ81を正転方向に駆動する。これにより、ヘッドレスト調整機構6が作動してヘッドレスト4が上方に移動する。又、高いと判断されると、ステップS25からステップS27に進み、ステップS27において、正転回路92及び逆転回路93へのヘッドレスト駆動信号の出力をやめてヘッドレストモータ8を停止させる。
【0034】
この後、CPU91では、ステップS26、S27からステップS28に進み、ステップS28において、ヘッドレスト調整開始フラグをオフして、ステップS17に進み、ステップS17においてヘッドレスト4の現在上下位置がヘッドレスト位置センサ83による位置検出回路95からの信号に基づいて認識・記憶され、ステップ1に戻り、ヘッドレストUpSW82aを操作している間つまりヘッドレスト4の上方移動調整(マニュアル)中は、前述したステップを繰り返す。ヘッドレストUpSW82aの操作をやめると、ステップS12に進む。
【0035】
このように、ヘッドレストマニュアルスイッチ82のヘッドレストUpSW82aを操作して、ヘッドレスト4を上方に移動させる場合、スッテプS25の判断により、ヘッドレスト4が目標上下位置及びその許容量内でのみ上方に移動でき、目標上下位置及びその許容量より高くなった時点でヘッドレスト4の上方の移動は、自動的に停止する。具体的には、図9に示すように、ヘッドレスト4は、H位置からG位置の間においてのみマニュアル操作により上方へ位置調整でき、ヘッドレスト4が適正位置から大きく外れてしまうことがなく、着座者にとっては非常に安全である。
【0036】
ヘッドレストDownSW82bがオンであると、ステップS22からステップS29に進み、ステップS29において、マップよりステップS6で認識・記憶した車両シート1の現在位置に対するヘッドレスト4の目標上下位置を、ステップS30において、ヘッドレスト位置センサ83による位置検出回路95からの信号に基づいてヘッドレスト4の現在上下位置を、夫々、認識して、ステップS31に進む。
【0037】
ステップS31において、ヘッドレスト4の現在上下位置がステップS29で演算した目標上下位置及びその下方の許容量より低いか否かが判断される。そして、高いと判断されると、ステップS31からステップS32に進み、ステップS32において、逆転回路93にヘッドレスト駆動信号を出力して駆動機構8のヘッドレストモータ81を逆転方向に駆動する。これにより、ヘッドレスト調整機構6が作動してヘッドレスト4が下方に移動する。又、低いと判断されると、ステップS31からステップS33に進み、ステップS33において、正転回路92及び逆転回路93へのヘッドレスト駆動信号の出力をやめてヘッドレストモータ8を停止させる。
【0038】
この後、CPU91では、ステップS32、S33からステップS34に進み、ステップS34において、ヘッドレスト調整開始フラグをオフして、ステップS17に進み、ステップS17においてヘッドレスト4の現在上下位置がヘッドレスト位置センサ83による位置検出回路95からの信号に基づいて認識・記憶され、ステップ1に戻り、ヘッドレストDownSW82bを操作している間つまりヘッドレスト4の下方移動調整(マニュアル)中は、前述したステップを繰り返す。ヘッドレストDownSW82bの操作をやめると、ステップS12に進む。
【0039】
このように、ヘッドレストマニュアルスイッチ82のヘッドレストDownSW82bを操作して、ヘッドレスト4を下方に移動させる場合、ステップS31の判断により、ヘッドレスト4が目標上下位置及びその許容量内でのみ下方に移動でき、目標上下位置及びその許容量より低くなった時点でヘッドレスト4の下方の移動は、自動的に停止する。具体的には、図9に示すように、、ヘッドレスト4は、G位置からH位置の間においてのみマニュアル操作により下方へ位置調整でき、ヘッドレスト4が適正位置から大きく外れてしまうことがなく、着座者にとっては非常に安全である。
【0040】
尚、上記した実施形態においては、ヘッドレスト4がヘッドレストマニュアルスイッチ82の操作に応じて許容移動位置領域内で独立して任意な位置にヘッドレストモータ81によって上下動可能であるように制御回路9を構成したヘッドレスト調整装置に本発明を実施した。しかしながら、本発明は、ヘッドレスト4がヘッドレストマニュアルスイッチ82の操作に応じて許容移動位置領域に関わらず独立して任意な位置にヘッドレストモータ81によって上下動可能であるように制御回路を構成したヘッドレスト調整装置にも同様に実施し得るものである。この変形例では、制御回路は図2に示す構成を上記した実施形態と同様に備えるが、その作動が次のように変更される。つまり、制御回路は、図4のステップS21にてヘッドレストUpSWがオンであると、図6のフローチャートを実行することなく、ヘッドレストモータを正転した後、ステップS17に進み、また図4のステップS22にてヘッドレストDownSWがオンであると、図7のフローチャートを実行することなく、ヘッドレストモータを逆転した後、ステップS17に進むように作動する。この変形例によれば、許容移動位置領域外への任意な位置へもヘッドレストを位置調整することができるので、着座者の体型の個人差に関わらず、着座者にとって最適な位置へ位置調整でき非常に安全である。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、第1の駆動手段の作動による任意移動位置信号に基づいて第2の駆動手段をヘッドレストが所定の許容移動位置領域内で目標移動位置へと移動されるべく作動させるよう制御手段を構成したので、従来に比べて、より高精度にヘッドレストの適正位置への自動的な位置調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るヘッドレスト調整装置を採用した車両シートの斜視図である。
【図2】本発明に係るヘッドレスト調整装置の制御手段を示す回路図である。
【図3】本発明に係るヘッドレスト調整装置の作動を示す模式図ある。
【図4】本発明に係るヘッドレスト調整装置の制御手段の作動を示すフローチャート図である。
【図5】本発明に係るヘッドレスト調整装置の制御手段の作動を示すフローチャート図である。
【図6】本発明に係るヘッドレスト調整装置の制御手段の作動を示すフローチャート図である。
【図7】本発明に係るヘッドレスト調整装置の制御手段の作動を示すフローチャート図である。
【図8】本発明に係るヘッドレスト調整装置の作動を示す模式図ある。
【図9】本発明に係るヘッドレスト調整装置の作動を示す模式図ある。
【符号の説明】
1 車両シート(シート)
4 ヘッドレスト
7 駆動機構(第1の駆動手段)
8 駆動機構(第2の駆動手段)
9 制御回路(制御手段)
96 記憶回路(記憶手段)
Claims (5)
- シートの前後移動に応じてヘッドレストを上下移動させるヘッドレスト調整装置において、記憶手段によって、前記シートの任意位置に対応する前記ヘッドレストの目標移動位置を記憶し、移動開始後の前記シートの移動位置に対応する前記ヘッドレストの目標移動位置が、移動開始前の前記シートの初期位置に対応する前記ヘッドレストの初期位置から所定寸法以上離間した時、前記ヘッドレストの上下移動を開始し、移動中の前記シートの位置に応じて変化する特性線として設定された目標移動位置へ前記ヘッドレストを移動する制御手段を有することを特徴とするヘッドレスト調整装置。
- ヘッドレストを備えたシートをシート長手方向に沿う任意の位置へと移動させる第1の駆動手段と、前記ヘッドレストをシート高さ方向に沿って移動させる第2の駆動手段と、前記第1の駆動手段による前記シートの移動に応じて前記第2の駆動手段による前記ヘッドレストの移動を制御する制御手段とを有するヘッドレスト調整装置において、前記制御手段は、記憶手段によって、前記シートの任意位置に対応する前記ヘッドレストの目標移動位置を記憶し、移動開始後の前記シートの移動位置に対応する前記ヘッドレストの目標移動位置が、移動開始前の前記シートの初期位置に対応する前記ヘッドレストの初期位置から所定寸法以上離間した時、前記ヘッドレストの上下移動を開始し、移動中の前記シートの位置に応じて変化する特性線として設定された目標移動位置へ前記ヘッドレストを移動することを特徴とするヘッドレスト調整装置。
- 前記第2の駆動手段が、前記ヘッドレストを任意位置へ移動させる構成を有することを特徴とする請求項2に記載のヘッドレスト調整装置。
- 前記記憶手段は、前記シートの任意位置に対応する前記ヘッドレストの目標移動位置を該目標移動位置を基準とした所定の許容移動位置領域を持つ特性範囲として記憶し、前記制御手段は、前記シートの移動によって前記ヘッドレストの目標移動位置が前記許容移動位置領域の限界又は領域外となった時、前記ヘッドレストが前記許容移動位置領域内へと移動されるべく制御することを特徴とする請求項1乃至3に記載のヘッドレスト調整装置。
- 前記第2の駆動手段が、前記許容移動位置領域内の任意位置へ前記ヘッドレストを移動させる構成を有することを特徴とする請求項4に記載のヘッドレスト調整装置。
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