JP3652936B2 - 充電用給電パドル及び充電用給電パドルの製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、充電用給電パドルに係り、特に電気自動車等の車両用電池を充電するための車両用電磁誘導型非接触充電装置に用いられる給電パドルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電気自動車の充電方法としては、コンダクティブ方式とインダクティブ方式がある。詳しくは、コンダクティブ方式は、地上側の電源と車両に搭載した充電装置とを金属金具等により直接接触して接続するものであり、インダクティブ方式は電磁誘導型非接触方式とも呼ばれ、地上側の電源と車両に搭載した充電装置とを電磁誘導で接続するものである。インダクティブ方式はコンダクティブ方式と比べ、接触不良が起こり難く、さらに、比較的大きな充電装置を車両に搭載する必要がなく、小型化を図りやすい利点があるため、最近特に注目されている。
【0003】
電磁誘導型非接触充電装置には、例えば図5に示すように、地上に設けられた電源装置(図示しない)にケーブル67で接続された給電パドル61を、電気自動車に搭載された受電器71のパドル挿入口72に差し込んで充電を行うものがある。給電パドル61の外被は合成樹脂で形成されたパドルケース62を有し、その挿入部63には送電用コア64に巻装された送電用コイル65を内蔵している。受電器71には給電パドル61の送電用コイル65が重なり合う位置に受電用コア76の磁極突起部73aに巻装された受電用コイル74を内蔵している。
【0004】
そして、給電パドル61を受電器71のパドル挿入口72に差し込み、送電用コイル65を受電用コイル74に重ねた後、電源装置が電流(交流)を給電パドル61の送電用コイル65に流すことにより受電器71の受電用コイル74に電力が誘起されて給電が行われる。
【0005】
図6は、給電パドル61を受電器71のパドル挿入口72に差し込んで充電する際の送電用コア64と受電用コア76の斜視図を示している。送電用コア64は略円柱状に形成されている。受電用コア76はコア部材73、75から構成されており、コア部材73は受電用コイル74を収納する溝部を形成した断面略E字状に形成され、その中央部は前記受電用コイル74を巻装するための円柱状の磁極突起部73aを有し、コア部材75は前記溝部を塞ぐ板状に形成されている。また、受電用コア76は給電パドル61の挿入部63の通路を囲む略四角環形状をなしており、給電パドル61を受電器71のパドル挿入口72に完全に差し込んだ状態では、送電用コア64が受電用コア76の磁極突起部73aと板状のコア部材75に上下を挟まれる状態となって、送電用コイル64及び受電用コイル74と鎖交する閉磁気回路が形成される。
【0006】
このとき、送電用コイル64と受電用コイル74との間の電力の伝達効率を最大にする必要があり、閉磁気回路の漏れ磁束が最少となるように、送電用コア64と受電用コア76の磁極突起部73a及び板状のコア部材75との隙間は最小に設計されている。
【0007】
前記の隙間が最小に設計されているため、作業者が給電パドル61を受電器71のパドル挿入口72に差し込む際は、給電パドル61の挿入部63が受電用コア76に干渉させないで差し込むことは困難で、現実的には、該挿入部63が受電用コア76内の挿入部63用の通路域に干渉しながら差し込まれる。
【0008】
詳しくは図6において、まず、パドルケース62の先端部66の上面側が受電用コア76の板状のコア部材75の下端部77に接しながら入って行き、同時に、該先端部66の下面側が受電用コア76のコア部材73の磁極突起部73aの上端部78に接しながら入って行く。さらに給電パドル61を押し込むと、送電用コア64がコア部材73の磁極突起部73aと一致する時点で給電パドル61は受電器71内のストッパー(図示しない)に当たり、給電パドル61の差し込みは完了する。なお、この給電パドル61の挿入部63は表裏同形状のため、裏返しでも差し込めるようになっている。
【0009】
図7は、給電パドル61の差し込みが完了したときの断面図を示す。送電用コア64の表裏面はパドルケース62の表裏の面から一定距離低い位置に有り、差し込みの途中では、送電用コア64の表裏面は受電用コア76と干渉しないようになっている。又、差し込みが完了したときは、受電器71のコア部材73の磁極突起部73aはパドルケース62の送電用コア64用のへこみに嵌り込むようになっている。
【0010】
また、充電中は充電電流により送電用コイル64は発熱し、それに伴い送電用コア64は熱せられる。この熱を緩和させるために送電用コイル64の表面には樹脂コーティング68が施されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、給電パドル61のパドルケース62は薄肉の合成樹脂であるためその表面に歪み又は凹凸が発生し易く、パドルケース62の表裏方向の厚みを規定寸法に管理することが困難であった。つまり、図8に示すように、パドルケース62の面より送電用コア64表裏面が外方に飛び出すことが多々生じていた。
【0012】
この送電用コア64の表裏面がパドルケース62の面より飛び出した給電パドル61を受電器71に差し込んだ場合、送電用コア64がコア部材75の下端部77及び磁極突起部73aの上端部78と直接干渉しながら差し込まれることになる。その結果、送電用コア64の表面に施された樹脂コーティング68が剥がれるといった問題が生じていた。
【0013】
本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであって、その目的は、送電用コアの表面が損傷しないようにした給電パドルを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、パドルケースの装着部内に送電用コアと1次コイルを備え、そのパドルケースの装着部を受電用コアと2次コイルを備えた受電器に装着し、前記1次コイルに電力を供給することによって前記2次コイルに充電用の誘導起電力を発生させる充電用給電パドルにおいて、前記パドルケースの外側面にパドルケースの装着部に設けた前記送電用コアの露出面より高くなる干渉防止用凸条を突出形成したことをその要旨とする。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の充電用給電パドルにおいて、前記パドルケースは、装着部に貫通形成したコア固定用開口部に前記送電用コアを嵌合固定するとともに、その開口部の外周部のケース外側面に環状の干渉防止用凸条を突出形成したことをその要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の充電用給電パドルにおいて、前記送電用コアの露出面は、送電用コアにコーティングした樹脂コーティング層の露出面であることをその要旨とする。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の充電用給電パドルにおいて、前記送電用コアにコーティングした樹脂コーティング層は、テフロンコーティング層であることをその要旨とする。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1又は2に記載の充電用給電パドルにおいて、
前記パドルケースは、一対の合成樹脂製のパドルケース片を互いに重ね合わせて振動溶着により形成したことをその要旨とする。
【0018】
請求項6に記載の発明は、一対のパドルケース片を重ね合わせて接合することによってその装着部に送電用コアと1次コイルを備えたパドルケースが形成される充電用給電パドルの製造方法であって、各パドルケース片の外側面にパドルケースの装着部に設けた前記送電用コアの露出面より高くなる干渉防止用凸条を突出形成し、その一対のパドルケース片を互いに重ね合わせて振動溶着を開始し、両パドルケース片の干渉防止用凸条の上面をそれぞれ管理面とし、その両管理面の間隔が予め定めた間隔になった時、振動溶着を停止するようにしたことをその要旨とする。
【0019】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、パドルケースの装着部内に備えられた送電用コアの露出面は、受電器に装着される際、パドルケースの外側面より突出した干渉防止用凸条によって受電器と干渉することはない。
【0020】
請求項2に記載の発明によれば、パドルケースの装着部内に備えられた送電用コアは、その回りをケース外側面に形成された環状の干渉防止用凸条にて囲まれていることから、受電器に装着される際、送電用コアの露出面は受電器と干渉することはない。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、受電器に装着される際、送電用コアにコーティングした樹脂コーティング層は受電器と干渉することはない。
請求項4に記載の発明によれば、送電用コアにコーティングした樹脂コーティング層をテフロンコーティング層にしたことから、硬く且つ熱に強いため、コーティング層は損傷しにくい。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、一対の合成樹脂製のパドルケース片を互いに重ね合わせた振動溶着にてパドルケースを形成したので、接合部はむらなく均一な状態に形成されるとともに、簡単かつ短時間で精度の高いパドルケースを形成することができる。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、一対のパドルケース片を互いに重ね合わせて振動溶着にてパドルケースを形成したので、接合部はむらなく均一な状態に形成されるとともに、簡単かつ短時間で精度の高いパドルケースを形成することができる。しかも、両パドルケース片の干渉防止用凸条の両管理面間の間隔が予め定めた間隔になった時、振動溶着を停止するようにしたので、受電器に装着される際、送電用コアの露出面が、受電器と干渉しないパドルケースを形成することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を車両用の電磁誘導型非接触充電装置に具体化した一実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。
【0025】
図4に示すように、電磁誘導型非接触充電装置1は給電パドル2と、受電器としての受電用チャージポート3との一組からなる。給電パドル2は、装着部としての挿入部4とグリップ部5を有し、その挿入部4には図3に示すようにフェライトコアよりなる送電用コア6とその送電用コア6に巻装された1次コイルとしての送電用コイル7が設けられている。給電パドル2は、地上に設置された電力供給装置8から延びるケーブル9の先端に設けられている。そして、電力供給装置8はケーブル9を介して給電パドル2の送電用コイル7に電流を流すようになっている。
【0026】
一方、受電用チャージポート3は、電気自動車10の所定の個所(図4ではボンネット前部)に備えられている。受電用チャージポート3は、パドル挿入口11を有し、該挿入口11から給電パドル2が差し込まれるようになっている。又、受電用チャージポート3は、図3に示すように、内部にフェライトコアよりなるE型コア12とフラット型コア13が配設されている。E型コア12の中央部の磁極突起部12aは円柱状に形成され、その回りには2次コイルとしての受電用コイル14aが複数個積層されたコイル基板14が配設されている。又、この磁極突起部12aは、両側の磁極突起部12bより短く形成されている。つまり、給電パドル2が差し込まれたとき、磁極突起部12aとフラット型のフェライトコア13との間を給電パドル2の挿入部4が通過できるようにするためである。そして、給電パドル2が完全に差し込まれたとき、磁極突起部12aと給電パドル2の送電用コア6が相対向するようになっている。
【0027】
従って、給電パドル2が受電用チャージポート3に完全に差し込まれた状態で、電力供給装置8から所定の交流電流が給電パドル2の送電用コイル7に給電されると、電磁誘導の作用によって受電用チャージポート3の受電用コイル14aに充電用の誘導起電力を発生し、この誘導起電力に基づいて電気自動車10に搭載されたバッテリ15が充電されるようになっている。
【0028】
次に、給電パドル2の構成を図1及び図2に従って説明する。図1は給電パドル2の要部断面図、図2は給電パドル2の分解断面図である。
図2において、給電パドル2は、送電用コア6と、送電用コイル7と、パドルケース20とを備えている。送電用コア6は、円柱状に形成され、その中央外周面には環状の凸条6aが形成されている。送電用コイル7は、輪切り状に形成され前記ケーブル9と接続される。
【0029】
パドルケース20は、一対のケース片21とからなる。ケース片21は電気的に絶縁性の合成樹脂で形成されていて、両ケース片21外周の内側に延出形成された外周縁22の先端面22aを互いに溶着させることによってパドルケース20が形成される。ケース片21の後側部にはグリップ部5を形成するための第1開口部23が形成されている。又、ケース片21の前側部には、送電用コア6を露出させるためのコア固定用開口部を構成する第2開口部24が形成されている。この第2開口部24の内側周縁部には、内方に向かって円筒部25が延出形成されている。そして、一対のケース片21を互いに溶着させるとき、そのケース片21に形成した円筒部25の先端面25aも互いに溶着される。
【0030】
この円筒部25の内径は、前記送電用コア6に形成した環状の凸条6aの外形と同じになっていて、一対の円筒部25を溶着したときの軸線方向の長さが環状の凸条6aの幅と一致させている。つまり、溶着した一対の円筒部25内に環状の凸部6aが嵌合固定されるようになっている。一方、この円筒部25の外形は、送電用コイル7の内周面の内径と一致させている。つまり、溶着した一対の円筒部25外周面に送電用コイル7が嵌着固定されるようになっている。
【0031】
又、この第2開口部24の外側周縁部には、外方に向かって干渉防止用凸条としての環状の凸条26が延出形成されている。従って、ケース片21の挿入部4における部分の挿入面としての外側面4aより環状の凸条26は外方に突出している。この環状の凸条26の上面は平面であって、製造上の管理面27としている。
【0032】
又、環状の凸条26の内径は、円筒部25の内径より小さく前記送電用コア6の外形と一致させている。従って、送電用コア6の環状の凸条6aを除く外周面は環状の凸条26の内周面に挟持される。
【0033】
又、管理面27の外側面4aからの高さは、前記送電用コア6が円筒部25と凸条26とによって嵌合固定されているとき、該送電用コア6の露出面6bが該管理面27より突出することがない充分な高さに設定している。詳述すると、管理面27の外側面4aからの高さは、送電用コア6の露出面6bに形成されるテフロンコーティング層よりなる樹脂コーティング層28が同管理面27から突出することがない充分な高さに設定されている。本実施形態では、例えば、該送電用コア6の露出面6bから管理面27までの高さは0.1mm、該樹脂コーティング層28の厚みは20μmとしている。
【0034】
次に、前記送電用コア6と送電用コイル7をパドルケース20に組み付ける組み付け方法について図1及び図2を用いて説明する。
まず、一方のパドルケース片21を同ケース片21に形成した凸条26を下にして振動溶着機の部品固定テーブルに載置する。この時、部品固定テーブルに載置されたパドルケース片21は、このケース片21の外周縁22の先端面22aが水平になるように部品固定テーブルに載置されている。つまり、先端面22aが水平になるように、部品固定テーブルはパドルケース片21の外側面4a及び同外側面4aから突出形成した凸条26の管理面27をそれぞれ水平になるように当接支持している。
【0035】
この状態で、パドルケース片21の円筒部25の内側には送電用コア6が内嵌され、円筒部25の外側には送電用コイル7が外嵌される。この時、送電用コア6及び送電用コイル7はそれぞれ下側半分が円筒部25に対して嵌合する。
【0036】
次に、部品固定テーブルに載置された一方のパドルケース片21に対して上方から他方のパドルケース片21を重ね合わせる。詳述すると、両ケース片21外周に内側に延出形成された外周縁22の先端面22aを互いに重ね合わせるとともに、両ケース片21に形成した円筒部25の先端面25aを互いに重ね合わせる。従って、この時、重なり合った一対の円筒部25の内側に送電用コア6が完全に内嵌され、同一対の円筒部25の外側に送電用コイル7が完全に外嵌される。続いて、振動溶着機の振動板を上方から部品固定テーブルに向かって下動させる。振動板の下側面が上側のパドルケース片21に当接したとき、該振動板を振動させて振動溶着を開始させる。尚、振動板の下側面が上側のパドルケース片21に当接するとき、振動板の下側面は上側のパドルケース片21の外側面4a及び同外側面4aから突出形成した凸条26の管理面27をそれぞれ水平になるように当接する。
【0037】
振動溶着機は、振動板を下動させながら振動して上下のパドルケース片21の外周縁22の先端面22a間、及び、円筒部25の先端面25a間が溶融する。この時、振動溶着機は、部品固定テーブルに対する振動板の下動量を検出しており、その時々の部品固定テーブルと振動板の間に挟持されている下側のパドルケース片21に形成された凸条26の管理面27と上側のパドルケース21に形成された凸条26の管理面27間の間隔を演算している。
そして、上側の凸条26の管理面27と下側の凸条26の管理面27間の間隔が予め定めた間隔までになった時、振動溶着機は、振動板の下動及び振動を停止する。その結果、上下のパドルケース片21の外周縁22の先端面22a間、及び、円筒部25の先端面25a間が溶着されて、挿入部4に送電用コア6及び送電用コイル7が備えられたパドルケース20が形成される。尚、予め定めた間隔は、本実施形態では、送電用コア6の上下露出面6a間の間隔よりも大きい値であって、前記した露出面6aから管理面27までの高さ(0.1mm)が確保される値に設定されている。従って、パドルケース20は、受電用チャージポート3に装着可能になるとともに、送電用コア6の露出面6aは凸条26の管理面27より外側に突出することはない。
【0038】
次に、上記のように構成した、給電用パドル2の特徴を以下に記載する。
(1)上記実施形態では、パドルケース20の挿入部4内に備えられた送電用コア6は、その回りをケース外側面4aに形成された環状の凸条26にて囲まれていることから、受電用チャージポート3に差し込まれる際、送電用コア6の露出面6b(樹脂コーティング層28)は直接E型コア12の磁極突起部12a及びフラット型コア13に衝突することはない。
【0039】
しかも、外側面4aに送電用コア6を取り囲むように環状の凸条26を突出形成したので、パドルケース20が熱変形しても、送電用コア6の露出面6b(樹脂コーティング層28)は、凸条26の管理面27より外に飛び出すことはない。
【0040】
(2)上記実施形態では、樹脂コーティング層28をテフロンコーティング層にしたことから、硬く且つ熱に強いため、樹脂コーティング層28は損傷しにくい。
【0041】
(3)上記実施形態では、一対の合成樹脂製のパドルケース片21を振動溶着にて接合してパドルケース20を形成したので、接着剤で接合したり、超音波接合に比べて接合部はむらなく均一な状態に形成することができる。しかも、簡単かつ短時間で精度の高いパドルケースを形成することができる。
【0042】
又、さらにパドルケースが振動溶着により形成されるので、溶着する際に、上下のパドルケースを突き合わせる力及び加振周波数を調節することにより上下のパドルケースの管理面間の距離の調節が容易である。従って、管理面間の距離を設定寸法にでき、確実に嵌合できる。
【0043】
(4)上記実施形態では、振動溶着を行う際、両パドルケース片21の凸条26の両管理面27間の間隔が予め定めた間隔になった時、振動溶着を停止するようにしたので、送電用コア6の露出面6bと凸条26の両管理面27との相対位置を精度よく形成することができる。
【0044】
尚、発明の実施の形態は、上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように実施してもよい。
○ 上記実施形態では、外側面4aに送電用コア6を取り囲むように環状の凸条26を突出形成したが、全周に形成しなくても、一部、例えば送電用コア6を挟んで挿入方向側の両側に形成してもよい。
【0045】
○ 上記実施形態では、樹脂コーティグ層28をテフロンコーティング層にしたが、熱を緩和するコーティグ材でも代替可能である。
○ 上記実施形態では、接合部はむらなく均一な状態に形成するとともに、簡単かつ短時間で精度の高いパドルケース20を形成するために、振動溶着で接合したが、精度、時間等を考慮しないならばその他の接合方法でパドルケース20を形成してもよい。送電コイル7は、薄い平板状でなく、巻回されたリッツ線にて形成されてもよい。
【0046】
【発明の効果】
請求項1及び2に記載の発明によれば、送電用コアの表面は損傷することはない。
【0047】
請求項3及び4に記載の発明によれば、送電用コアの表面に施した樹脂コーティングが損傷することはない。加えて、請求項4に記載の発明によれば、コーティグ層は損傷しにくい。
【0048】
請求項5に記載の発明によれば、接合部はむらなく均一な状態に形成することができるとともに、簡単かつ短時間で精度の高いパドルケースを形成することができる。
【0049】
請求項6に記載の発明によれば、接合部をむらなく均一な状態に形成することができるとともに、簡単かつ短時間で精度の高いパドルケースを形成することができ、しかも、送電用コアの露出面が、受電器と干渉しない精度の高いパドルケースを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態を説明するための給電パドルの要部断面図
【図2】同じく給電パドルの分解斜視図
【図3】同じく給電パドルと受電用チャージポートの斜視図
【図4】同じく電磁誘導型非接触充電装置の使用例を示す斜視図
【図5】従来の給電パドルと受電用チャージポートの斜視図
【図6】同じく給電パドルと受電用チャージポートの受電用コアの斜視図
【図7】同じく給電パドルの要部断面図
【図8】同じく給電パドルの要部断面図
【符号の説明】
2…給電パドル、3…受電器としての受電用チャージポート、6…送電用コア、7…1次コイルとしての送電用コイル、12…受電用コアとしてのE型コア、13受電用コアとしてのフラット型コア、14a…2次コイルとしての受電用コイル、20…パドルケース、26…厚み寸法を管理する凸部としての環状の凸部、27…管理面、28…樹脂コーティング層。
【発明の属する技術分野】
本発明は、充電用給電パドルに係り、特に電気自動車等の車両用電池を充電するための車両用電磁誘導型非接触充電装置に用いられる給電パドルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電気自動車の充電方法としては、コンダクティブ方式とインダクティブ方式がある。詳しくは、コンダクティブ方式は、地上側の電源と車両に搭載した充電装置とを金属金具等により直接接触して接続するものであり、インダクティブ方式は電磁誘導型非接触方式とも呼ばれ、地上側の電源と車両に搭載した充電装置とを電磁誘導で接続するものである。インダクティブ方式はコンダクティブ方式と比べ、接触不良が起こり難く、さらに、比較的大きな充電装置を車両に搭載する必要がなく、小型化を図りやすい利点があるため、最近特に注目されている。
【0003】
電磁誘導型非接触充電装置には、例えば図5に示すように、地上に設けられた電源装置(図示しない)にケーブル67で接続された給電パドル61を、電気自動車に搭載された受電器71のパドル挿入口72に差し込んで充電を行うものがある。給電パドル61の外被は合成樹脂で形成されたパドルケース62を有し、その挿入部63には送電用コア64に巻装された送電用コイル65を内蔵している。受電器71には給電パドル61の送電用コイル65が重なり合う位置に受電用コア76の磁極突起部73aに巻装された受電用コイル74を内蔵している。
【0004】
そして、給電パドル61を受電器71のパドル挿入口72に差し込み、送電用コイル65を受電用コイル74に重ねた後、電源装置が電流(交流)を給電パドル61の送電用コイル65に流すことにより受電器71の受電用コイル74に電力が誘起されて給電が行われる。
【0005】
図6は、給電パドル61を受電器71のパドル挿入口72に差し込んで充電する際の送電用コア64と受電用コア76の斜視図を示している。送電用コア64は略円柱状に形成されている。受電用コア76はコア部材73、75から構成されており、コア部材73は受電用コイル74を収納する溝部を形成した断面略E字状に形成され、その中央部は前記受電用コイル74を巻装するための円柱状の磁極突起部73aを有し、コア部材75は前記溝部を塞ぐ板状に形成されている。また、受電用コア76は給電パドル61の挿入部63の通路を囲む略四角環形状をなしており、給電パドル61を受電器71のパドル挿入口72に完全に差し込んだ状態では、送電用コア64が受電用コア76の磁極突起部73aと板状のコア部材75に上下を挟まれる状態となって、送電用コイル64及び受電用コイル74と鎖交する閉磁気回路が形成される。
【0006】
このとき、送電用コイル64と受電用コイル74との間の電力の伝達効率を最大にする必要があり、閉磁気回路の漏れ磁束が最少となるように、送電用コア64と受電用コア76の磁極突起部73a及び板状のコア部材75との隙間は最小に設計されている。
【0007】
前記の隙間が最小に設計されているため、作業者が給電パドル61を受電器71のパドル挿入口72に差し込む際は、給電パドル61の挿入部63が受電用コア76に干渉させないで差し込むことは困難で、現実的には、該挿入部63が受電用コア76内の挿入部63用の通路域に干渉しながら差し込まれる。
【0008】
詳しくは図6において、まず、パドルケース62の先端部66の上面側が受電用コア76の板状のコア部材75の下端部77に接しながら入って行き、同時に、該先端部66の下面側が受電用コア76のコア部材73の磁極突起部73aの上端部78に接しながら入って行く。さらに給電パドル61を押し込むと、送電用コア64がコア部材73の磁極突起部73aと一致する時点で給電パドル61は受電器71内のストッパー(図示しない)に当たり、給電パドル61の差し込みは完了する。なお、この給電パドル61の挿入部63は表裏同形状のため、裏返しでも差し込めるようになっている。
【0009】
図7は、給電パドル61の差し込みが完了したときの断面図を示す。送電用コア64の表裏面はパドルケース62の表裏の面から一定距離低い位置に有り、差し込みの途中では、送電用コア64の表裏面は受電用コア76と干渉しないようになっている。又、差し込みが完了したときは、受電器71のコア部材73の磁極突起部73aはパドルケース62の送電用コア64用のへこみに嵌り込むようになっている。
【0010】
また、充電中は充電電流により送電用コイル64は発熱し、それに伴い送電用コア64は熱せられる。この熱を緩和させるために送電用コイル64の表面には樹脂コーティング68が施されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、給電パドル61のパドルケース62は薄肉の合成樹脂であるためその表面に歪み又は凹凸が発生し易く、パドルケース62の表裏方向の厚みを規定寸法に管理することが困難であった。つまり、図8に示すように、パドルケース62の面より送電用コア64表裏面が外方に飛び出すことが多々生じていた。
【0012】
この送電用コア64の表裏面がパドルケース62の面より飛び出した給電パドル61を受電器71に差し込んだ場合、送電用コア64がコア部材75の下端部77及び磁極突起部73aの上端部78と直接干渉しながら差し込まれることになる。その結果、送電用コア64の表面に施された樹脂コーティング68が剥がれるといった問題が生じていた。
【0013】
本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであって、その目的は、送電用コアの表面が損傷しないようにした給電パドルを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、パドルケースの装着部内に送電用コアと1次コイルを備え、そのパドルケースの装着部を受電用コアと2次コイルを備えた受電器に装着し、前記1次コイルに電力を供給することによって前記2次コイルに充電用の誘導起電力を発生させる充電用給電パドルにおいて、前記パドルケースの外側面にパドルケースの装着部に設けた前記送電用コアの露出面より高くなる干渉防止用凸条を突出形成したことをその要旨とする。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の充電用給電パドルにおいて、前記パドルケースは、装着部に貫通形成したコア固定用開口部に前記送電用コアを嵌合固定するとともに、その開口部の外周部のケース外側面に環状の干渉防止用凸条を突出形成したことをその要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の充電用給電パドルにおいて、前記送電用コアの露出面は、送電用コアにコーティングした樹脂コーティング層の露出面であることをその要旨とする。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の充電用給電パドルにおいて、前記送電用コアにコーティングした樹脂コーティング層は、テフロンコーティング層であることをその要旨とする。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1又は2に記載の充電用給電パドルにおいて、
前記パドルケースは、一対の合成樹脂製のパドルケース片を互いに重ね合わせて振動溶着により形成したことをその要旨とする。
【0018】
請求項6に記載の発明は、一対のパドルケース片を重ね合わせて接合することによってその装着部に送電用コアと1次コイルを備えたパドルケースが形成される充電用給電パドルの製造方法であって、各パドルケース片の外側面にパドルケースの装着部に設けた前記送電用コアの露出面より高くなる干渉防止用凸条を突出形成し、その一対のパドルケース片を互いに重ね合わせて振動溶着を開始し、両パドルケース片の干渉防止用凸条の上面をそれぞれ管理面とし、その両管理面の間隔が予め定めた間隔になった時、振動溶着を停止するようにしたことをその要旨とする。
【0019】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、パドルケースの装着部内に備えられた送電用コアの露出面は、受電器に装着される際、パドルケースの外側面より突出した干渉防止用凸条によって受電器と干渉することはない。
【0020】
請求項2に記載の発明によれば、パドルケースの装着部内に備えられた送電用コアは、その回りをケース外側面に形成された環状の干渉防止用凸条にて囲まれていることから、受電器に装着される際、送電用コアの露出面は受電器と干渉することはない。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、受電器に装着される際、送電用コアにコーティングした樹脂コーティング層は受電器と干渉することはない。
請求項4に記載の発明によれば、送電用コアにコーティングした樹脂コーティング層をテフロンコーティング層にしたことから、硬く且つ熱に強いため、コーティング層は損傷しにくい。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、一対の合成樹脂製のパドルケース片を互いに重ね合わせた振動溶着にてパドルケースを形成したので、接合部はむらなく均一な状態に形成されるとともに、簡単かつ短時間で精度の高いパドルケースを形成することができる。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、一対のパドルケース片を互いに重ね合わせて振動溶着にてパドルケースを形成したので、接合部はむらなく均一な状態に形成されるとともに、簡単かつ短時間で精度の高いパドルケースを形成することができる。しかも、両パドルケース片の干渉防止用凸条の両管理面間の間隔が予め定めた間隔になった時、振動溶着を停止するようにしたので、受電器に装着される際、送電用コアの露出面が、受電器と干渉しないパドルケースを形成することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を車両用の電磁誘導型非接触充電装置に具体化した一実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。
【0025】
図4に示すように、電磁誘導型非接触充電装置1は給電パドル2と、受電器としての受電用チャージポート3との一組からなる。給電パドル2は、装着部としての挿入部4とグリップ部5を有し、その挿入部4には図3に示すようにフェライトコアよりなる送電用コア6とその送電用コア6に巻装された1次コイルとしての送電用コイル7が設けられている。給電パドル2は、地上に設置された電力供給装置8から延びるケーブル9の先端に設けられている。そして、電力供給装置8はケーブル9を介して給電パドル2の送電用コイル7に電流を流すようになっている。
【0026】
一方、受電用チャージポート3は、電気自動車10の所定の個所(図4ではボンネット前部)に備えられている。受電用チャージポート3は、パドル挿入口11を有し、該挿入口11から給電パドル2が差し込まれるようになっている。又、受電用チャージポート3は、図3に示すように、内部にフェライトコアよりなるE型コア12とフラット型コア13が配設されている。E型コア12の中央部の磁極突起部12aは円柱状に形成され、その回りには2次コイルとしての受電用コイル14aが複数個積層されたコイル基板14が配設されている。又、この磁極突起部12aは、両側の磁極突起部12bより短く形成されている。つまり、給電パドル2が差し込まれたとき、磁極突起部12aとフラット型のフェライトコア13との間を給電パドル2の挿入部4が通過できるようにするためである。そして、給電パドル2が完全に差し込まれたとき、磁極突起部12aと給電パドル2の送電用コア6が相対向するようになっている。
【0027】
従って、給電パドル2が受電用チャージポート3に完全に差し込まれた状態で、電力供給装置8から所定の交流電流が給電パドル2の送電用コイル7に給電されると、電磁誘導の作用によって受電用チャージポート3の受電用コイル14aに充電用の誘導起電力を発生し、この誘導起電力に基づいて電気自動車10に搭載されたバッテリ15が充電されるようになっている。
【0028】
次に、給電パドル2の構成を図1及び図2に従って説明する。図1は給電パドル2の要部断面図、図2は給電パドル2の分解断面図である。
図2において、給電パドル2は、送電用コア6と、送電用コイル7と、パドルケース20とを備えている。送電用コア6は、円柱状に形成され、その中央外周面には環状の凸条6aが形成されている。送電用コイル7は、輪切り状に形成され前記ケーブル9と接続される。
【0029】
パドルケース20は、一対のケース片21とからなる。ケース片21は電気的に絶縁性の合成樹脂で形成されていて、両ケース片21外周の内側に延出形成された外周縁22の先端面22aを互いに溶着させることによってパドルケース20が形成される。ケース片21の後側部にはグリップ部5を形成するための第1開口部23が形成されている。又、ケース片21の前側部には、送電用コア6を露出させるためのコア固定用開口部を構成する第2開口部24が形成されている。この第2開口部24の内側周縁部には、内方に向かって円筒部25が延出形成されている。そして、一対のケース片21を互いに溶着させるとき、そのケース片21に形成した円筒部25の先端面25aも互いに溶着される。
【0030】
この円筒部25の内径は、前記送電用コア6に形成した環状の凸条6aの外形と同じになっていて、一対の円筒部25を溶着したときの軸線方向の長さが環状の凸条6aの幅と一致させている。つまり、溶着した一対の円筒部25内に環状の凸部6aが嵌合固定されるようになっている。一方、この円筒部25の外形は、送電用コイル7の内周面の内径と一致させている。つまり、溶着した一対の円筒部25外周面に送電用コイル7が嵌着固定されるようになっている。
【0031】
又、この第2開口部24の外側周縁部には、外方に向かって干渉防止用凸条としての環状の凸条26が延出形成されている。従って、ケース片21の挿入部4における部分の挿入面としての外側面4aより環状の凸条26は外方に突出している。この環状の凸条26の上面は平面であって、製造上の管理面27としている。
【0032】
又、環状の凸条26の内径は、円筒部25の内径より小さく前記送電用コア6の外形と一致させている。従って、送電用コア6の環状の凸条6aを除く外周面は環状の凸条26の内周面に挟持される。
【0033】
又、管理面27の外側面4aからの高さは、前記送電用コア6が円筒部25と凸条26とによって嵌合固定されているとき、該送電用コア6の露出面6bが該管理面27より突出することがない充分な高さに設定している。詳述すると、管理面27の外側面4aからの高さは、送電用コア6の露出面6bに形成されるテフロンコーティング層よりなる樹脂コーティング層28が同管理面27から突出することがない充分な高さに設定されている。本実施形態では、例えば、該送電用コア6の露出面6bから管理面27までの高さは0.1mm、該樹脂コーティング層28の厚みは20μmとしている。
【0034】
次に、前記送電用コア6と送電用コイル7をパドルケース20に組み付ける組み付け方法について図1及び図2を用いて説明する。
まず、一方のパドルケース片21を同ケース片21に形成した凸条26を下にして振動溶着機の部品固定テーブルに載置する。この時、部品固定テーブルに載置されたパドルケース片21は、このケース片21の外周縁22の先端面22aが水平になるように部品固定テーブルに載置されている。つまり、先端面22aが水平になるように、部品固定テーブルはパドルケース片21の外側面4a及び同外側面4aから突出形成した凸条26の管理面27をそれぞれ水平になるように当接支持している。
【0035】
この状態で、パドルケース片21の円筒部25の内側には送電用コア6が内嵌され、円筒部25の外側には送電用コイル7が外嵌される。この時、送電用コア6及び送電用コイル7はそれぞれ下側半分が円筒部25に対して嵌合する。
【0036】
次に、部品固定テーブルに載置された一方のパドルケース片21に対して上方から他方のパドルケース片21を重ね合わせる。詳述すると、両ケース片21外周に内側に延出形成された外周縁22の先端面22aを互いに重ね合わせるとともに、両ケース片21に形成した円筒部25の先端面25aを互いに重ね合わせる。従って、この時、重なり合った一対の円筒部25の内側に送電用コア6が完全に内嵌され、同一対の円筒部25の外側に送電用コイル7が完全に外嵌される。続いて、振動溶着機の振動板を上方から部品固定テーブルに向かって下動させる。振動板の下側面が上側のパドルケース片21に当接したとき、該振動板を振動させて振動溶着を開始させる。尚、振動板の下側面が上側のパドルケース片21に当接するとき、振動板の下側面は上側のパドルケース片21の外側面4a及び同外側面4aから突出形成した凸条26の管理面27をそれぞれ水平になるように当接する。
【0037】
振動溶着機は、振動板を下動させながら振動して上下のパドルケース片21の外周縁22の先端面22a間、及び、円筒部25の先端面25a間が溶融する。この時、振動溶着機は、部品固定テーブルに対する振動板の下動量を検出しており、その時々の部品固定テーブルと振動板の間に挟持されている下側のパドルケース片21に形成された凸条26の管理面27と上側のパドルケース21に形成された凸条26の管理面27間の間隔を演算している。
そして、上側の凸条26の管理面27と下側の凸条26の管理面27間の間隔が予め定めた間隔までになった時、振動溶着機は、振動板の下動及び振動を停止する。その結果、上下のパドルケース片21の外周縁22の先端面22a間、及び、円筒部25の先端面25a間が溶着されて、挿入部4に送電用コア6及び送電用コイル7が備えられたパドルケース20が形成される。尚、予め定めた間隔は、本実施形態では、送電用コア6の上下露出面6a間の間隔よりも大きい値であって、前記した露出面6aから管理面27までの高さ(0.1mm)が確保される値に設定されている。従って、パドルケース20は、受電用チャージポート3に装着可能になるとともに、送電用コア6の露出面6aは凸条26の管理面27より外側に突出することはない。
【0038】
次に、上記のように構成した、給電用パドル2の特徴を以下に記載する。
(1)上記実施形態では、パドルケース20の挿入部4内に備えられた送電用コア6は、その回りをケース外側面4aに形成された環状の凸条26にて囲まれていることから、受電用チャージポート3に差し込まれる際、送電用コア6の露出面6b(樹脂コーティング層28)は直接E型コア12の磁極突起部12a及びフラット型コア13に衝突することはない。
【0039】
しかも、外側面4aに送電用コア6を取り囲むように環状の凸条26を突出形成したので、パドルケース20が熱変形しても、送電用コア6の露出面6b(樹脂コーティング層28)は、凸条26の管理面27より外に飛び出すことはない。
【0040】
(2)上記実施形態では、樹脂コーティング層28をテフロンコーティング層にしたことから、硬く且つ熱に強いため、樹脂コーティング層28は損傷しにくい。
【0041】
(3)上記実施形態では、一対の合成樹脂製のパドルケース片21を振動溶着にて接合してパドルケース20を形成したので、接着剤で接合したり、超音波接合に比べて接合部はむらなく均一な状態に形成することができる。しかも、簡単かつ短時間で精度の高いパドルケースを形成することができる。
【0042】
又、さらにパドルケースが振動溶着により形成されるので、溶着する際に、上下のパドルケースを突き合わせる力及び加振周波数を調節することにより上下のパドルケースの管理面間の距離の調節が容易である。従って、管理面間の距離を設定寸法にでき、確実に嵌合できる。
【0043】
(4)上記実施形態では、振動溶着を行う際、両パドルケース片21の凸条26の両管理面27間の間隔が予め定めた間隔になった時、振動溶着を停止するようにしたので、送電用コア6の露出面6bと凸条26の両管理面27との相対位置を精度よく形成することができる。
【0044】
尚、発明の実施の形態は、上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように実施してもよい。
○ 上記実施形態では、外側面4aに送電用コア6を取り囲むように環状の凸条26を突出形成したが、全周に形成しなくても、一部、例えば送電用コア6を挟んで挿入方向側の両側に形成してもよい。
【0045】
○ 上記実施形態では、樹脂コーティグ層28をテフロンコーティング層にしたが、熱を緩和するコーティグ材でも代替可能である。
○ 上記実施形態では、接合部はむらなく均一な状態に形成するとともに、簡単かつ短時間で精度の高いパドルケース20を形成するために、振動溶着で接合したが、精度、時間等を考慮しないならばその他の接合方法でパドルケース20を形成してもよい。送電コイル7は、薄い平板状でなく、巻回されたリッツ線にて形成されてもよい。
【0046】
【発明の効果】
請求項1及び2に記載の発明によれば、送電用コアの表面は損傷することはない。
【0047】
請求項3及び4に記載の発明によれば、送電用コアの表面に施した樹脂コーティングが損傷することはない。加えて、請求項4に記載の発明によれば、コーティグ層は損傷しにくい。
【0048】
請求項5に記載の発明によれば、接合部はむらなく均一な状態に形成することができるとともに、簡単かつ短時間で精度の高いパドルケースを形成することができる。
【0049】
請求項6に記載の発明によれば、接合部をむらなく均一な状態に形成することができるとともに、簡単かつ短時間で精度の高いパドルケースを形成することができ、しかも、送電用コアの露出面が、受電器と干渉しない精度の高いパドルケースを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態を説明するための給電パドルの要部断面図
【図2】同じく給電パドルの分解斜視図
【図3】同じく給電パドルと受電用チャージポートの斜視図
【図4】同じく電磁誘導型非接触充電装置の使用例を示す斜視図
【図5】従来の給電パドルと受電用チャージポートの斜視図
【図6】同じく給電パドルと受電用チャージポートの受電用コアの斜視図
【図7】同じく給電パドルの要部断面図
【図8】同じく給電パドルの要部断面図
【符号の説明】
2…給電パドル、3…受電器としての受電用チャージポート、6…送電用コア、7…1次コイルとしての送電用コイル、12…受電用コアとしてのE型コア、13受電用コアとしてのフラット型コア、14a…2次コイルとしての受電用コイル、20…パドルケース、26…厚み寸法を管理する凸部としての環状の凸部、27…管理面、28…樹脂コーティング層。
Claims (6)
- パドルケースの装着部内に送電用コアと1次コイルを備え、そのパドルケースの装着部を受電用コアと2次コイルを備えた受電器に装着し、前記1次コイルに電力を供給することによって前記2次コイルに充電用の誘導起電力を発生させる充電用給電パドルにおいて、
前記パドルケースの外側面にパドルケースの装着部に設けた前記送電用コアの露出面より高くなる干渉防止用凸条を突出形成した充電用給電パドル。 - 請求項1に記載の充電用給電パドルにおいて、
前記パドルケースは、装着部に貫通形成したコア固定用開口部に前記送電用コアを嵌合固定するとともに、その開口部の外周部のケース外側面に環状の干渉防止用凸条を突出形成した充電用給電パドル。 - 請求項1又は2に記載の充電用給電パドルにおいて、
前記送電用コアの露出面は、送電用コアにコーティングした樹脂コーティング層の露出面である充電用給電パドル。 - 請求項3に記載の充電用給電パドルにおいて、
前記送電用コアにコーティングした樹脂コーティング層は、テフロンコーティング層である充電用給電パドル。 - 請求項1又は2に記載の充電用給電パドルにおいて、
前記パドルケースは、一対の合成樹脂製のパドルケース片を互いに重ね合わせて振動溶着により形成した充電用給電パドル。 - 一対のパドルケース片を重ね合わせて接合することによってその装着部に送電用コアと1次コイルを備えたパドルケースが形成される充電用給電パドルの製造方法であって、
各パドルケース片の外側面にパドルケースの装着部に設けた前記送電用コアの露出面より高くなる干渉防止用凸条を突出形成し、その一対のパドルケース片を互いに重ね合わせて振動溶着を開始し、両パドルケース片の干渉防止用凸条の上面をそれぞれ管理面とし、その両管理面の間隔が予め定めた間隔になった時、振動溶着を停止するようにした充電用給電パドルの製造方法。
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