JP3652857B2 - 吊り金具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、揚重設備に用いられる吊具装置に関し、特に長尺重量物を持ち上げるための中間吊り金具に関する。
【０００２】
【従来の技術】
重量物を移動するにはクレーン等の揚重設備やこれを組み入れた揚荷設備を使用するが、その重量物が相対的に長さが大きい場合は重量物を掴む点即ち吊り点を複数設け、クレーンのフックと重量物との間に中間吊り金具を用いる例が多い。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
而して、中間吊り金具を含む吊具装置は、吊り上げられる重量物の重量を支持するものであるからそれ自体重量物であることが多く、これらも揚重設備のフックに吊り下げられてその重量物に接近され、重量物に連結される。しかしながら、その重量物が傾斜していたり或いは揺動したりするものであったりすると、その連結は困難を極める。一般に揚重設備のフックは長いワイヤの下に連結されていて振れやすいものであると共に揚重設備の操縦者がその場所から離れた位置にいる場合が多いからである。
従って、本発明の課題は、重量物に連結しやすい中間吊り金具に使用できる吊り金具を提供することである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
如上の課題を解決するため、本発明による吊り金具は、揚重設備のフックにより直接吊り上げられる一次吊り金具乃至吊り上げ平衡フレームの両端に取り付けられる中間吊り金具として使用される。この吊り金具は、揚重設備のワイヤに吊り下げられる、吊り上げピンを有する吊り金具本体と、この吊り上げピンを介装する長穴からなる案内機構を構成し、一端を吊り金具本体に取り付けられたワイヤの他端に定滑車と動滑車を介して吊り下げられた、吊り上げられる重量物に対する連結部を有する揺動吊り金具と、前記動滑車に吊り下げられた、揺動吊り金具と等しい重量の錘とから構成されている。そして、このような構成にすることにより、吊り上げられる重量物にその連結部を連結する揺動吊り金具は、極めて小さい力即ち人力で容易に操作することができる。
【０００５】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
先ず図１を参照するに、図示しない揚重設備の吊り上げワイヤの先端に連結された両つりフック１に一次吊り金具である吊り上げ平衡フレーム３がピン等を介して取り付けられる。吊り上げ平衡フレーム３の両端部の下面には支持ブラケット５が突設され、これに連結ピン７を介して本発明の吊り金具すなわち中間吊り金具１０が取り付けられている。中間吊り金具１０の本体１１は、上部の連結プレートと下部のケーシングからなり、ケーシングの下端部には、吊り上げピン１３が水平に延びて取り付けられている。吊り上げられる重量物に連結される揺動吊り金具１５は、連結部である下部の目玉部１５ａと上部のスライダ部１５ｂとからなり、スライダ部１５ｂには、吊り上げピン１３が嵌合する長穴を有している。そして、揺動吊り金具１５のスライダ部１５ｂの上端に他端を取り付け、吊り金具本体１１のケーシングの天井部に一端を取り付けた、少なくとも２本のバランシングワイヤ１７が設けられ、これらのバランシングワイヤ１７は、可動の動滑車２１と本体１１に取り付けられた定滑車１９とに掛けられており、いわゆるワイヤ滑車機構が形成されている。この動滑車２１にはバランシングウェイト即ち錘２３が設けられ、この錘２３の重量は揺動吊り金具１５のほぼ半分の重量であり、２個の錘２３の合計重量は吊り揺動金具１５のそれとバランスしている。かくして、揺動吊り金具１５には、常に自己の重量とバランスする上向き力が作用しているので、その移動抵抗に打ち勝つだけの力を加えれば、揺動吊り金具１５は極めて容易に上下方向に動かすことができる。
【０００６】
以上のような中間吊り金具１０を含む吊具装置を利用して重量物を吊り上げる手順を説明する。図２を参照するに、吊り上げるべき重量物５０は、傾斜しておかれていて、両端部にトラニオン５１が突設されている。先ず、揚重設備を操作して、吊具装置全体をその上方の定位置で停止させる。そして、中間吊り金具１０の揺動吊り金具１５を引っ張り出してその連結部を近くのトラニオン５１に掛ける。図の左側のトラニオン５１に既に揺動吊り金具１５の連結部である目玉部が掛けられていて、右側のトラニオン５１に揺動吊り金具１５の目玉部１５ａがこれから掛けられようとしている。矢印は揺動吊り金具１５の引き出し方向を示している。尚、図２においては、中間吊り金具１０は、２個しか示されていないが、トラニオン５１の数に対応して設けられていると理解すべきである。例えば、トラニオン５１が吊り上げられる重量物５０の側面に対称的に４個設けられていれば、中間吊り金具１０は４個設けられていて、その取り付け幅が小さければ吊り上げ平衡フレーム３は梁状となる。
【０００７】
以上述べたような手順で、中間吊り金具１０の揺動吊り金具１５を重量物５０の全てのトラニオン５１に掛け終えたら、揚重設備を操縦して吊り上げワイヤを巻き上げ、両つりフック１を引き上げると、重量物５０は地面乃至下方支持構造物から離れ、図３に示すような状態になり安定的に吊り下げられる。
【０００８】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、中間吊り金具として使用される吊り金具が、揚重設備のワイヤに吊り下げられる、吊り上げピンを有する吊り金具本体と、この吊り上げピンを介装する長穴からなる案内機構を構成し、一端を吊り金具本体に取り付けられたワイヤの他端に定滑車と動滑車を介して吊り下げられた、吊り上げられる重量物に対する連結部を有する揺動吊り金具と、前記動滑車に吊り下げられた、揺動吊り金具と等しい重量の錘とから構成されているので、揺動吊り金具の引き出しを人力により容易に行うことができてクレーン操作を必要としないから、吊り上げられる重量物への連結乃至玉掛け操作が極めて容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の実施形態を示す全体図である。
【図２】 前記実施形態の作用説明図である。
【図３】 前記実施形態の作用説明図である。
【符号の説明】
１ 両つりフック
３ 吊り上げ平衡フレーム
５ 支持ブラケット
７ 連結ピン
１０ 吊り金具（中間吊り金具）
１１ 吊り金具本体
１３ 吊り上げピン
１５ 揺動吊り金具
１７ ワイヤ（バランシングワイヤ）
１９ 定滑車
２１ 動滑車
２３ 錘
Claims (1)
- 揚重設備のワイヤに吊り下げられる、吊り上げピンを有する吊り金具本体と、この吊り上げピンを介装する長穴からなる案内機構を構成し、一端を吊り金具本体に取り付けられたワイヤの他端に定滑車と動滑車を介して吊り下げられた、吊り上げられる重量物に対する連結部を有する揺動吊り金具と、前記動滑車に吊り下げられた、揺動吊り金具と等しい重量の錘とからなる吊り金具。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30296797A JP3652857B2 (ja) | 1997-11-05 | 1997-11-05 | 吊り金具 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30296797A JP3652857B2 (ja) | 1997-11-05 | 1997-11-05 | 吊り金具 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11139751A JPH11139751A (ja) | 1999-05-25 |
| JP3652857B2 true JP3652857B2 (ja) | 2005-05-25 |
Family
ID=17915324
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30296797A Expired - Lifetime JP3652857B2 (ja) | 1997-11-05 | 1997-11-05 | 吊り金具 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3652857B2 (ja) |
-
1997
- 1997-11-05 JP JP30296797A patent/JP3652857B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH11139751A (ja) | 1999-05-25 |
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