JP3652597B2 - 乾式軟化処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はニッケル水素二次電池等の電池用電極板を乾式軟化処理する乾式軟化処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子部品の高集積化や実装技術の進歩により電子機器のポータブル化、コードレス化が進んでいる。これに伴い、電子機器を駆動するための電池に対する高容量化の要求が高まってきている。中でも、充電が可能なニッケル水素二次電池といった二次電池は、携帯電話、ノートパソコン、ビデオカメラ等を始めとして、近年ではハイブリッド電気自動車などにも用いられ、ますますその市場を広げつつある。
【0003】
円筒型のニッケル水素二次電池のケース内には、渦巻状に捲回された電極群が挿入されている。この電極群は、一般に、ニッケルを含む活物質が芯板に塗着し乾燥されてなる正極板と、水素吸蔵合金を含む活物質が芯板に塗着し乾燥されてなる負極板と、セパレータとの3者を重ね合わせて円形渦巻状に捲回して形成される。
【0004】
上記正極板や負極板、すなわち電極板は乾燥処理によって水分が除去されるので、その活物質の層は硬く脆くなっており、柔軟性に欠けている。このため渦巻状に捲回するとき、電極板の活物質層の外周側が3〜5mmの間隔を置いて間欠的に折損し、半径方向に走る大きなクラックが発生し、その結果真円度が低下して渦巻状の電極群のケース内への収納が困難になるという問題が生じ、また内部抵抗が増大したり、極端な場合、クラックの先端がセパレータを突き破って反対極の電極板と接触しショートするという問題がある。
【0005】
このような問題を解決するため、特開平5−41209号公報に掲載されるように、電極板の活物質層に、むしろ積極的に微細なクラック(マイクロクラック)を狭い間隔で発生させて電極板を軟化し、電極群の捲回動作を円滑に行わせることにより前記真円度の向上を図り、かつ大きなクラックの発生を防止して内部抵抗を低下させると共にショート等の発生を防ぐ技術が提案されている。
【0006】
この公報には、図4に示すように、芯板に活物質を塗着し乾燥してなる長尺状の電極板40を2枚のエンドレスベルト41で挟持し、これを波状となるように上下交互にずらして配列させた複数のローラ42間を通過させて、前記電極板40を前記複数のローラ42間で折り曲げることによりマイクロクラック43を形成する乾式軟化処理装置(第1従来例)が記載されている。
【0007】
またこの公報には、図5に示すように、ゴムローラ50と、ゴムローラ50に比較し極めて小径の金属ローラ51とを上下方向に配置し、両ローラ50、50の間に電極板52を通過させ、前記金属ローラ51を前記電極板52に向けて押圧してゴムローラ50の表面を凹状に変形させることによりマイクロクラック53を形成する乾式軟化処理装置(第2従来例)が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、第1従来例においては、単に電極板に曲率半径の大きな波状の変形が与えられるだけであるので、マイクロクラックの発生量が不十分であって、電極板を十分に軟化できないという問題点があった。従って、上述した真円度の問題や、捲回時の大きなクラックの発生という問題の解決には不十分であった。
【0009】
また、第2従来例においては、ゴムローラの凹状変形部に食い込む電極板の変形部の曲率半径が極端に小さくなるので、活物質層に大きな力が作用し、クラックが深く入って、クラックにより活物質層が剥離しやすいという問題や、内部抵抗を減少させるのには不十分であるという問題があった。さらに局部的な歪による電極板の反りが生じてしまうという問題があった。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑み、電極板の軟化に必要十分なマイクロクラックを発生させると共に、反りのない捲回動作に優れた電極板を作製できる乾式軟化処理装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、芯板に活物質を塗着・乾燥してなる電極板をローラ群によって搬送する間に前記活物質の層にマイクロクラックを発生させる乾式軟化処理装置において、金属ローラと、金属軸芯にゴムを被覆したゴムローラとを上下方向に圧接状態で配置してなるローラ対を、複数組水平方向に所定間隔をおいて配置して構成されるローラ群と、長尺状態で供給された電極板を上下から挟んで複数組のローラ対の上下ローラ間を通過する上下一対のエンドレスベルトと、各ローラ対の少なくとも一方のローラを回転駆動する駆動手段とを備え、前記金属ローラと前記ゴムローラとがほぼ同径で、複数組のローラ対の上側のローラが隣り合うもの同士で一方が金属ローラ、他方がゴムローラとなっており、かつ、前記ローラ群の搬送方向下流側に金属軸芯にゴムを被覆した一対のゴムローラを上下方向に圧接状態で配置してなるゴムローラ対を備え、このゴムローラ対の間に前記上下1対のエンドレスベルトを通過させるように構成したことを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、ローラ対の金属ローラとゴムローラをほぼ同径に形成することで、ゴムローラ表面のくい込み凹部の曲率半径を第2従来例に比較して大きくできるため、局所的に過度に大きな力が活物質層に加わることが回避できる。またローラ対の金属ローラとゴムローラの上下関係が、隣り合うローラ対ごとに交互に変わっているため、活物質層に形成されるマイクロクラックを電極板の表面において、ほどんど差がないように均等に形成することができる。本発明は上記のように構成されているため、マイクロクラックを深く入り過ぎることなく狭い間隔で均等に形成することができ、活物質層の剥離や内部抵抗の減少等の防止をすることができる。また電極板の反りの発生を防止することもできる。他方、第1従来例と比較して、ゴムローラ表面の適切なくい込み凹部でマイクロクラックを形成するため、その発生量は十分で軟化や真円度等の問題を解決することができる。また本発明によれば、ローラ群の搬送方向下流側にゴムローラ対を備えることで、電極板の歪除去を行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0014】
本実施形態では、ニッケル水素二次電池の正極板を軟化処理する乾式軟化処理装置に係るものである。
【0015】
前記正極板は、芯板に活物質を塗着・乾燥して得られるものであって、前記芯板としては、厚さ2.0mm、多孔度98%、平均孔径200μmの帯状のスポンジ状ニッケル金属多孔体を用意した。また前記活物質としては、水酸化ニッケル、水酸化コバルト、バインダー樹脂、水を重量比で100:10:0.5:30の割合で混合、攪拌してペースト状活物質を用意した。
【0016】
前記正極板の製造工程としては、図1に示すように、芯板11の厚みを調節する加圧工程(工程▲1▼)と、芯板11に活物質を塗着する塗着工程(工程▲2▼)と、活物質を乾燥させる乾燥工程(工程▲3▼)と、活物質を塗着した芯板11を圧延させる圧延工程(工程▲4▼)とを経て正極板10を作製し、続いて、図2に示す乾式軟化処理装置1にて正極板10に軟化処理を施すことによって、捲回動作に優れた正極板10を得ることができる。
【0017】
前記工程▲1▼では、厚さ2.0mmの芯板11を二つの鉄製調圧ロール20の間を通して厚さ1.8mmの厚みに調整する。
【0018】
前記工程▲2▼では、芯板11を走行させながら、芯板11の一方面にノズル21を用いて活物質を塗着する。このときノズル21と芯板11との接近距離を0.1mmに保つようにし、ノズル21からは一定量の活物質を吐出するようにした。なお、活物質の芯板11への塗着に当たって、その塗着面とは反対側である他方面に、活物質が貫通しないようにするため、芯板11の走行速度を7m/分と設定している。
【0019】
前記工程▲3▼では、芯板11に塗着された活物質を乾燥手段22により乾燥させる。
【0020】
前記工程▲4▼では、活物質を塗着・乾燥した芯板11に、圧延ローラ23によってローラプレスを行い、その最終的な厚みを0.6mmに圧延する。
【0021】
上記工程▲1▼〜工程▲4▼を経ることで、長尺状態の正極板10を作製することができる。
【0022】
次に、作製した正極板10が円滑な捲回動作を行えるようにするため、その表面にマイクロクラックを発生させる乾式軟化処理を施す。
【0023】
この軟化処理を施すための乾式軟化処理装置1は、図2に示すように、上下一対のエンドレスベルト2、2と、4組のローラ対5(5a〜5d)からなるローラ群55と、ゴムローラ対6とから構成されている。
【0024】
前記上下一対のエンドレスベルト2、2は、長尺状態で供給された正極板10を上下から挟み各ローラ間に導くものである。各エンドレスベルト2、2は厚さ1.6mmで幅280mmに形成されている。なお、正極板10の搬送方向は、図面に向かって左手から右手方向(図に示す矢印方向)である。また、図に示す8はエンドレスベルト2、2に張力を与えてガイドするガイドローラである。
【0025】
前記ローラ対5は、直径50mmの金属製円柱体から形成された金属ローラ3と、直径30mmの金属軸芯4a(図3参照)にビッカース硬度が50°のウレタンゴム4bを厚さ10mmで被覆して、直径50mmに形成されたゴムローラ4とを組み合わせて構成されており、前記金属ローラ3と前記ゴムローラ4とは上下方向に圧接状態で配置されている。なお、ローラ群55の4組のローラ対5をそれぞれ、図に示すように、前記搬送方向上流側から下流側に向かって第1ローラ対5a、第2ローラ対5b、第3ローラ対5c、第4ローラ対5dとする。
【0026】
このようにローラ対5は、金属ローラ3とゴムローラ4との間に正極板10を圧接させて、これをゴムローラ4に食い込ませながら金属ローラ3の曲周面形状に沿って曲げ変形を与えるため、正極板10の表面には搬送方向と直交する方向にマイクロクラック30(図3参照)を連続的に狭い間隔で形成することができる。
【0027】
このように金属ローラ3とゴムローラ4とは同径に形成されているが、金属ローラ3の径がゴムローラ4の径の80%〜120%となるように形成してもよく、90%〜110%に形成するとより好ましい。これは金属ローラ3の径がゴムローラ4の径の90%を著しく下回った径に形成された場合、金属ローラ3の食い込みにより、過度にゴムローラ4の曲周面を変形させ、極度な凹状変形部を形成することとなるので、正極板10の活物質層に大きな力が作用し、マイクロクラック30が深く入って、活物質層の剥離が生じる等の問題が生じるからであり、他方、110%を著しく越えた径の場合、金属ローラ3の食い込みによるゴムローラ4の曲周面の変形が少なくなり、微細なマイクロクラック30を得ることができないからである。
【0028】
また金属ローラ3とゴムローラ4の上下配置関係は、図2に示すように、第1ローラ対5aにおいては、上側に金属ローラ3、下側にゴムローラ4が配置され、第2ローラ対5bにおいては、上側にゴムローラ4、下側に金属ローラ3が配置され、続く第3ローラ対5cは第1ローラ対5aと同様、第4ローラ対5dは第2ローラ対5bと同様に配置されるように、金属ローラ3とゴムローラ4の上下関係が隣り合うローラ対5ごとに交互に入れ替わっている。このような配置により電極板10の表裏両面に均等にマイクロクラック30を形成することができる。
【0029】
さらに、各ローラ対5の配置関係は、図に示すように、4組のローラ対5の各圧接点7の高さ位置が正極板10の搬送方向に向かって上下交互になるように配置されている。なお、隣り合う圧接点7を結ぶ線の水平に対する傾斜角θは、14°に設定されている。また各ローラ対5の間隔h1、h2、h3は、同一間隔で、それぞれ260mmに配置されている。このように各ローラ対5を上下交互配置することで、正極板10が各ローラ対5の圧接点7を通過する際に、折り返し曲げ加工を受けることができ、より微細なマイクロクラック30を確実に形成することができる。
【0030】
なお、隣り合う圧接点7を結ぶ線の水平に対する傾斜角θにおいては、5°〜25°であることが好ましい。これは傾斜角が5°未満であると正極板10に対する折り返し曲げ加工による効果が不十分なため、マイクロクラック30を確実に形成することが不十分となり、また傾斜角が25°を超えると電極板に負荷がかかりすぎて、クラックが深く入り過ぎることにより、活物質層の剥離等が発生するからである。
【0031】
この乾式軟化処理装置1は、正極板10を搬送するために、ローラ群55の各ゴムローラ4を回転駆動させる駆動手段が備えられている。この駆動手段は、前記各ゴムローラ4をそれぞれ独立に回転できるように構成されており、各ゴムローラ4ごとに速度調整できるものである。第1ローラ対5aにおける回転速度は20.0m/minとなるように設定されており、第2ローラ対5bでは20.4m/min、第3ローラ対5cは20.8m/min、第4ローラ対5dは21.2m/minとなるように、各ローラ4の回転速度を正極板10の搬送方向に漸次速く(それぞれ0.02%増速)なるように設定されている。このように回転速度を各ローラ対5ごとに変えることで電極板10に適正なテンションを与えることができる。なお、第1ローラ対5aの回転速度と、第4ローラ対5dの回転速度が0.01%〜0.10%増速する範囲であれば好適である。
【0032】
また乾式軟化処理装置1は、正極板10を各ローラ対5で圧接して、その表面にマイクロクラック30を形成するために、ローラ群55の各金属ローラ3が対向するゴムローラ4に向かって加圧する加圧手段が備えられている。この加圧手段は、前記した各金属ローラ3をそれぞれ単独に加圧できるように構成されており、各金属ローラ3ごとに加圧調整できるものである。第1ローラ対5aにおける圧接力は6kgf/cm2となるように設定されており、第2ローラ対5bでは6kgf/cm2、第3ローラ対5cは10kgf/cm2、第4ローラ対5dは10kgf/cm2となるように、各ローラを加圧調整されている。
【0033】
前記ゴムローラ対6は、正極板10の歪除去作用を施すものであって、前記ローラ群55の正極板10の搬送方向下流側に配置され、一対のゴムローラ14、15を上下方向に圧接状態に組合わせて構成されている。このゴムローラ14、15は上述したゴムローラ4と同様に金属軸芯4aにウレタンゴム4bを被覆して形成されている。
【0034】
またゴムローラ対6は、前記ローラ群55の各ローラ対5の配置関係と同様に、前記第4ローラ対5dの圧接点7とこのゴムローラ対6の圧接点7を結ぶ線の水平に対する傾斜角θは14°に設定されると共に、第4ローラ対5dとの間隔h4は260mmとなるように配置されている。
【0035】
さらにゴムローラ対6は、一方の上側ゴムローラ14に前記加圧手段が設けられ、前記第3、4ローラ対5c、5dと同様の10kgf/cm2に加圧調整されている。他方、下側ゴムローラ15には前記駆動手段が備えられ、その回転速度は前記第4ローラ対5dより0.02%増速した21.6m/minとなるように設定されている。
【0036】
上述したような乾式軟化処理装置1において、長尺状態の正極板10をエンドレスベルト2、2に挟持させ、第1ローラ対5aからゴムローラ対6まで、搬送することにより、正極板10の表面にマイクロクラック30を有した、捲回動作に優れた正極板10を得ることができる。
【0037】
このようにして得られた正極板10を柔軟性及びクラック発生数、クラック幅、クラック深さ、歪・ソリ量を測定した。なお、柔軟性は作製された正極板を110mm×60mmに裁断した後、これを100mmの間隔をあけて配置した2つの支持治具上(図示せず)に載置し、正極板10の中央にロードセルで200gfの加重を加え、このときの曲げ深度を測定することにより求めた。また、歪・ソリ量は前記裁断した正極板10をフラットの面に置き、一方の端面部を押さえ、他方の端面部がフラット面から上昇した量を測定することにより求めた。
【0038】
この結果、柔軟性は9.8mm/200gf、クラック発生数は100本/20mm、クラック幅は0.16mm、クラック深さは0.20mm、歪・ソリ量は0.1mmであった。
【0039】
次に上記正極板10を用いたニッケル水素二次電池の作製について説明する。
【0040】
負極板としては、市販のMm(ミッシュメタル)La、Ni、Co、Mn、Alから構成される試料を秤量し、混合後アーク溶解法により加熱溶解し、合金組成としてMm3.55Co0.75Mn0.4Al0.8の組成からなる水素吸蔵合金を作製した。前記水素吸蔵合金を機械粉砕し、合金粉末100重量部に対してカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(以下CMCと称す)を0.15重量部、カーボンブラックを0.3重量部、スチレンーブタジエン共重合体(以下SBRと称す)を0.8重量部、分散媒として水を添加した後、混練して活性質を作製した。この活性質を芯材に塗着・乾燥をし、加圧プレスを行うことで、負極板素材を製作できる。この負極板素材を上述した乾式軟化処理装置1にて、軟化処理を施した後、これを裁断することによって負極板を得ることができる。
【0041】
次いで、軟化処理を施された正極板10と負極板とを、ポリプロピレン樹脂繊維の不織布からなるセパレータを介して重ね合わせた後、渦巻状に捲回することにより電極群をそれぞれ作製した。これら電極群と7NのKOHおよび1NのLiOHからなる電解液を有底円筒状容器に収納することによりAサイズの円筒形ニッケル水素二次電池を組み立てた。
【0042】
このニッケル水素二次電池を5000個用意し、短絡不良率を調べた。その結果、短絡不良率は0.7%であることがわかった。
【0043】
なお本発明は上記実施形態に示すほか、種々の態様に構成することができる。
【0044】
例えば、ローラ対5の配置関係において、複数のローラ対5の圧接点7が水平に一直線上に位置するように構成してもよい。
【0045】
このように構成した乾式軟化処理装置において、正極板10の表面にマイクロクラック30を形成した後、その柔軟性及びクラック発生数、クラック幅、クラック深さ、歪・ソリ量を測定した。この結果、柔軟性は8.0mm/200gf、クラック発生数は80本/20mm、クラック幅は0.19mm、クラック深さは0.23mm、歪・ソリ量は0.1mmであった。また、この正極板10を用いてニッケル水素二次電池を作製し、その短絡不良率を調べたところ、1.0%であることがわかった。
【0046】
なお、ローラ対やゴムローラ対の組数を増加して構成しても良い。また、金属ローラの径とゴムローラの径が若干異なるものを組み合わせた構成にしてもよい。さらに各ローラを圧接させる加圧手段の圧接力を同一のものとした構成にしてもよい。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、軟化に必要十分なマイクロクラックを発生させることにより、真円度、内部抵抗、内部短絡に関して優れた性質を持つと共に、反りのない捲回動作に優れた電極板を作製できる乾式軟化処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電極板素材を製造する工程を示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態の乾式軟化処理装置を示す構成図である。
【図3】そのローラ対の拡大図である。
【図4】第1従来例の乾式軟化処理装置を示す構成図である。
【図5】第2従来例の乾式軟化処理装置を示す構成図である。
【符号の説明】
1 乾式軟化処理装置
2 エンドレスベルト
3 金属ローラ
4 ゴムローラ
4a 金属軸芯
4b ゴム
5、5a〜5d ローラ対
6 ゴムローラ対
7 圧接点
10 正極板(電極板)
55 ローラ群

Claims (11)

  1. 芯板に活物質を塗着・乾燥してなる電極板をローラ群によって搬送する間に前記活物質の層にマイクロクラックを発生させる乾式軟化処理装置において、
    金属ローラと、金属軸芯にゴムを被覆したゴムローラとを上下方向に圧接状態で配置してなるローラ対を、複数組水平方向に所定間隔をおいて配置して構成されるローラ群と、
    長尺状態で供給された電極板を上下から挟んで複数組のローラ対の上下ローラ間を通過する上下一対のエンドレスベルトと、
    各ローラ対の少なくとも一方のローラを回転駆動する駆動手段とを備え、
    前記金属ローラと前記ゴムローラとがほぼ同径で、複数組のローラ対の上側のローラが隣り合うもの同士で一方が金属ローラ、他方がゴムローラとなっており、
    かつ、前記ローラ群の搬送方向下流側に金属軸芯にゴムを被覆した一対のゴムローラを上下方向に圧接状態で配置してなるゴムローラ対を備え、
    このゴムローラ対の間に前記上下1対のエンドレスベルトを通過させるように構成した
    ことを特徴とする乾式軟化処理装置。
  2. 金属ローラの径はこれと対をなすゴムローラの径の90%〜110%である請求項1記載の乾式軟化処理装置。
  3. 前記複数組のローラ対の各圧接点が水平に一直線上に位置する請求項1又は2記載の乾式軟化処理装置。
  4. 前記複数組のローラ対の各圧接点の高さ位置が電極板の搬送方向に向かって上下交互に設定されている請求項1又は2記載の乾式軟化処理装置。
  5. 前記複数組のローラ対における隣り合うローラ対の圧接点を結ぶ線の水平に対する傾斜角が5°〜25°である請求項4記載の乾式軟化処理装置。
  6. 前記複数組のローラ対における各ローラ対ごとに圧接力を設定できる加圧手段を設け、かつその圧接力は電極板の搬送方向の上流側に対して下流側が大となるように設定されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の乾式軟化処理装置。
  7. 前記複数組のローラ対の回転速度が、電極板の搬送方向に漸次速くなっている請求項1〜6のいずれかに記載の乾式軟化処理装置。
  8. 前記複数組のローラ対におけるローラ群の搬送方向上流側に配された最初のローラ対と、下流側に配された最後のローラ対とでは、その回転速度が、0.01%〜0.10%増加している請求項7記載の乾式軟化処理装置。
  9. 前記複数組のローラ対におけるローラ群は4組のローラ対から形成されている請求項1〜8のいずれかに記載の乾式軟化処理装置。
  10. 電極板がニッケル水素二次電池の正極板である請求項1〜9のいずれかに記載の乾式軟化処理装置。
  11. 電極板の芯板はニッケルを含有した金属多孔体であって、活物質はニッケルを含有したものである請求項10記載の乾式軟化処理装置。
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