JP3651952B2 - 合成繊維の溶融紡糸における断糸処理方法 - Google Patents
合成繊維の溶融紡糸における断糸処理方法 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、合成繊維を溶融紡糸し、巻き取る工程において、巻取機で断糸が発生した際に、紡出される糸条をパネルアスピレータで確実に吸引して断糸を処理する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
紡糸頭と冷却装置からなる紡糸部、冷却筒からなる冷却部、引取ローラと巻取機からなる巻取部から構成される溶融紡糸装置において、紡出された糸条を巻取機で巻き取る際に、切り替えが失敗したり、上流の引取ローラとの摩擦で単糸切れが生じることによって、断糸が発生することがある。
このように断糸が発生すると、巻取機の直上に設けた糸切れセンサで断糸を検知し、糸切れセンサからの信号によって冷却筒と引取ローラの間に設けたヤーンカッタで糸条を切断し、パネルアスピレータで紡糸部より紡糸される糸条を吸引して巻き取りを一時停止するという断糸処理方法を採用している。
【0003】
しかしながら、このような方法では、特に巻取速度を3000m/分以上として高速で紡糸したり、極細糸やハイマルチ糸を紡糸する場合は、糸条の張力が高くなるため、ヤーンカッタで糸条を切断すると、糸条が跳ね上がり、パネルアスピレータで糸条を吸引できなくなる。
切断時に跳ね上がり、パネルアスピレータで吸引されなかった糸条は、紡糸部にまで吹き上がり、このため、巻き取りを再開する際、巻取部に糸条を投下するのに多大な時間を要し、製品の収率や作業性が悪化する。さらには、糸条の吹き上がりによって、汚れが口金面に付着したり、冷却装置の前面付近の集束されていない糸条の単糸が冷却風によって吹き上げられて口金面に付着し、再開時の紡糸性が悪くなるという問題もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、糸条の張力を高くして溶融紡糸し、巻き取る工程においても、巻取機で断糸が発生した場合に、糸条を切断した後、紡糸される糸条を確実に吸引することができ、作業性や紡糸性の悪化を防ぐことができる断糸処理方法を提供することを技術的な課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究の結果、巻取機で断糸が発生すると、下降気流を噴射して糸条の張力を下げてから糸条を切断すると、パネルアスピレータで糸条を確実に吸引できるということを見出し、本発明に到達した。
【0006】
すなわち、本発明は、紡糸頭と冷却装置からなる紡糸部、冷却筒からなる冷却部、引取ローラと巻取機からなる巻取部から構成される溶融紡糸装置において、冷却筒の入口部に下降気流発生装置を、冷却筒と引取ローラの間に上流側よりパネルアスピレータとヤーンカッタを、巻取機の直上に糸切れセンサを設け、巻取機で断糸が発生すると次の(1) 〜(3) の順序で断糸の処理を行うことを特徴とする合成繊維の溶融紡糸における断糸処理方法を要旨とするものである。(1) 糸切れセンサの断糸信号により、下降気流発生装置からエアーを噴出させ、糸条の張力を下げる。
(2) ヤーンカッタで糸条を切断する。
(3) パネルアスピレータで糸条を吸引する。
【0007】
以下、本発明を図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の断糸処理方法を適用する溶融紡糸巻取装置の一実施態様を示す概略図である。
まず、紡糸部において、紡糸頭1より紡糸された糸条は、冷却装置2で冷却され、油剤付与装置3で油剤付与され、集束される。次に、集束された糸条は、冷却部の冷却筒4を通過しながら冷却された後、巻取部で引取ローラ5a、5bで引き取られ、巻取機6に巻き取られる。
本発明においては、上記以外に冷却筒4の入口部に下降気流発生装置7を設け、冷却筒4と引取ローラ5aの間に上流側よりパネルアスピレータ9とヤーンカッタ10を設け、巻取機6の直上に糸切れセンサ8を設けた装置を用いる。
【0008】
次に、巻取機6で断糸が発生した際の断糸の処理方法を説明する。
まず、巻取機6の直上に設けた糸切れセンサ8が断糸を検知すると、信号により下降気流発生装置7からエアーを冷却筒4の方向(下流)に向かって噴出させ、糸条の張力を下げる。次に、エアーを噴出させた状態で、ヤーンカッタ10で糸条を切断し、ヤーンカッタ10の上流に設けたパネルアスピレータ9で糸条を吸引する。
【0009】
このように、本発明の断糸処理方法においては、巻取機で断糸が発生すると、糸切れセンサの断糸信号によって下降気流発生装置からエアーを噴出させるので、紡糸部より紡糸される糸条は引取ローラに向かって積極的に送り出され、糸条の張力を下げることができる。このため、糸条をヤーンカッタで切断しても、跳ね上がることがなく、確実にパネルアスピレータで吸引でき、糸条の吸引成功率を向上させることが可能となる。
【0010】
また、巻取速度を3000m/分以上として高速で紡糸する場合に、糸切れセンサ8が断糸を検知すると、信号により、まず引取ローラ5aの速度を2000m/分以下に減速させ、次に、下降気流発生装置7でエアーを噴出させ、前記のような順序で糸条の吸引を行うと、十分に糸条の張力を低下させてから切断が行えるので、糸条の張力が高い高速紡糸の場合でも、パネルアスピレータ9での糸条の吸引成功率を向上させることができる。
【0011】
糸条の張力を下げるために下降気流発生装置より噴出させるエアーの流速については特に限定されるものではないが、10〜50m/秒が好ましい。
流速が10m/秒未満であると、糸条の張力の低下が小さいため、ヤーンカッタで糸条を切断すると、糸条が跳ね上がり、パネルアスピレータで糸条を吸引しにくくなる。流速が50m/秒を超えると、下降気流によってパネルアスピレータの吸引力が弱められ、吸引しにくくなる。
【0012】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
なお、糸条の張力は、ロッシールド社製ELECTRONIC-TENSIONMETER R−3192を使用し、引取ローラ5aの直上で測定した。
また、下降気流発生装置は、日本科学工業製ANEMOMASTER MODEL 24−6131を使用した。
実施例1〜3
図1に示す溶融紡糸装置を用い、極限粘度(フェノールと四塩化エタンの等重量混合溶媒を用い、20℃で測定した。)0.63のポリエチレンテレフタレートを295 ℃で紡糸頭より紡出させた。糸条を冷却固化させた後、油剤を付与して集束し、引取速度3500m/分で引き取り、表1に示す繊度の糸条を8糸条ずつ1台の巻取機に巻き取った。
このとき、巻取機の直上の糸条を故意に切断して断糸を発生させ、糸切れセンサが糸切れを検知すると、下降気流発生装置より表1に示すような流速の下降気流を噴出させ、糸条をヤーンカッタで切断し、パネルアスピレータで紡糸部より紡糸される糸条を吸引した。
なお、糸条の切断を合計で80回行った。
通常巻取時と下降気流を噴出させて張力を低下させた時の糸条の張力、パネルアスピレータでの糸条の吸引成功率を併せて表1に示す。
【0013】
実施例4〜6
巻取機の直上に設けた糸切れセンサが糸切れを検知すると、まず、信号により引取ローラの速度を2000m/分に減速するようにした以外は、実施例1と同様に行った。なお、実施例5の繊度は実施例2、実施例6の繊度は実施例3と同じである。
通常巻取時と下降気流を噴出させて張力を低下させた時の糸条の張力、パネルアスピレータでの糸条の吸引成功率を併せて表1に示す。
【0014】
比較例1〜3
巻取機の直上に設けた糸切れセンサが糸切れを検知しても、下降気流発生装置より下降気流が噴射しないようにした以外は実施例1と同様に行った。なお、比較例2の繊度は実施例2、比較例3の繊度は実施例3と同じである。
通常巻取時の糸条の張力、パネルアスピレータでの糸条の吸引成功率を併せて表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
実施例1〜6では、下降気流を噴出させ、糸条の張力を低下させてから切断を行ったので、糸条は跳ね上がることがなく、パネルアスピレータで確実に吸引が行え、吸引成功率が高かった。特に、実施例4〜6では、糸切れセンサが糸切れを検知した後、引取ローラの速度を2000m/分に減速してから下降気流を噴出させたので、糸条の張力を大きく低下させることができ、糸条の吸引成功率をさらに高めることができた。
一方、比較例1〜3では、断糸が発生した後、糸条の張力を低下させることなくヤーンカッタで糸条を切断したので、糸条が跳ね上がり、糸条の吸引成功率が低かった。このため、巻き取りを再開する際に多大な時間を要し、操業性が悪かった。さらには、糸条が跳ね上がったために汚れや単糸が口金面に付着し、再度紡糸を行った際の紡糸性も悪化した。
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、糸条の張力を高くして溶融紡糸し、巻き取る工程において、巻取機で断糸が発生した場合に、ヤーンカッタで糸条を切断しても跳ね上がることがなく、パネルアスピレータで紡糸部から紡糸される糸条を確実に吸引することができる。このため、巻き取りの再開がスムーズに行え、また、汚れが口金面に付着することもないので、作業性や紡糸性も向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の断糸処理方法を適用する溶融紡糸巻取装置の一実施態様を示す概略図である。
【符号の説明】
1 紡糸頭
2 冷却装置
3 油剤付与装置
4 冷却筒
5a、5b 引取ローラ
6 巻取機
7 下降気流発生装置
8 糸切れセンサ
9 パネルアスピレータ
10 ヤーンカッタ
【産業上の利用分野】
本発明は、合成繊維を溶融紡糸し、巻き取る工程において、巻取機で断糸が発生した際に、紡出される糸条をパネルアスピレータで確実に吸引して断糸を処理する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
紡糸頭と冷却装置からなる紡糸部、冷却筒からなる冷却部、引取ローラと巻取機からなる巻取部から構成される溶融紡糸装置において、紡出された糸条を巻取機で巻き取る際に、切り替えが失敗したり、上流の引取ローラとの摩擦で単糸切れが生じることによって、断糸が発生することがある。
このように断糸が発生すると、巻取機の直上に設けた糸切れセンサで断糸を検知し、糸切れセンサからの信号によって冷却筒と引取ローラの間に設けたヤーンカッタで糸条を切断し、パネルアスピレータで紡糸部より紡糸される糸条を吸引して巻き取りを一時停止するという断糸処理方法を採用している。
【0003】
しかしながら、このような方法では、特に巻取速度を3000m/分以上として高速で紡糸したり、極細糸やハイマルチ糸を紡糸する場合は、糸条の張力が高くなるため、ヤーンカッタで糸条を切断すると、糸条が跳ね上がり、パネルアスピレータで糸条を吸引できなくなる。
切断時に跳ね上がり、パネルアスピレータで吸引されなかった糸条は、紡糸部にまで吹き上がり、このため、巻き取りを再開する際、巻取部に糸条を投下するのに多大な時間を要し、製品の収率や作業性が悪化する。さらには、糸条の吹き上がりによって、汚れが口金面に付着したり、冷却装置の前面付近の集束されていない糸条の単糸が冷却風によって吹き上げられて口金面に付着し、再開時の紡糸性が悪くなるという問題もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、糸条の張力を高くして溶融紡糸し、巻き取る工程においても、巻取機で断糸が発生した場合に、糸条を切断した後、紡糸される糸条を確実に吸引することができ、作業性や紡糸性の悪化を防ぐことができる断糸処理方法を提供することを技術的な課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究の結果、巻取機で断糸が発生すると、下降気流を噴射して糸条の張力を下げてから糸条を切断すると、パネルアスピレータで糸条を確実に吸引できるということを見出し、本発明に到達した。
【0006】
すなわち、本発明は、紡糸頭と冷却装置からなる紡糸部、冷却筒からなる冷却部、引取ローラと巻取機からなる巻取部から構成される溶融紡糸装置において、冷却筒の入口部に下降気流発生装置を、冷却筒と引取ローラの間に上流側よりパネルアスピレータとヤーンカッタを、巻取機の直上に糸切れセンサを設け、巻取機で断糸が発生すると次の(1) 〜(3) の順序で断糸の処理を行うことを特徴とする合成繊維の溶融紡糸における断糸処理方法を要旨とするものである。(1) 糸切れセンサの断糸信号により、下降気流発生装置からエアーを噴出させ、糸条の張力を下げる。
(2) ヤーンカッタで糸条を切断する。
(3) パネルアスピレータで糸条を吸引する。
【0007】
以下、本発明を図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の断糸処理方法を適用する溶融紡糸巻取装置の一実施態様を示す概略図である。
まず、紡糸部において、紡糸頭1より紡糸された糸条は、冷却装置2で冷却され、油剤付与装置3で油剤付与され、集束される。次に、集束された糸条は、冷却部の冷却筒4を通過しながら冷却された後、巻取部で引取ローラ5a、5bで引き取られ、巻取機6に巻き取られる。
本発明においては、上記以外に冷却筒4の入口部に下降気流発生装置7を設け、冷却筒4と引取ローラ5aの間に上流側よりパネルアスピレータ9とヤーンカッタ10を設け、巻取機6の直上に糸切れセンサ8を設けた装置を用いる。
【0008】
次に、巻取機6で断糸が発生した際の断糸の処理方法を説明する。
まず、巻取機6の直上に設けた糸切れセンサ8が断糸を検知すると、信号により下降気流発生装置7からエアーを冷却筒4の方向(下流)に向かって噴出させ、糸条の張力を下げる。次に、エアーを噴出させた状態で、ヤーンカッタ10で糸条を切断し、ヤーンカッタ10の上流に設けたパネルアスピレータ9で糸条を吸引する。
【0009】
このように、本発明の断糸処理方法においては、巻取機で断糸が発生すると、糸切れセンサの断糸信号によって下降気流発生装置からエアーを噴出させるので、紡糸部より紡糸される糸条は引取ローラに向かって積極的に送り出され、糸条の張力を下げることができる。このため、糸条をヤーンカッタで切断しても、跳ね上がることがなく、確実にパネルアスピレータで吸引でき、糸条の吸引成功率を向上させることが可能となる。
【0010】
また、巻取速度を3000m/分以上として高速で紡糸する場合に、糸切れセンサ8が断糸を検知すると、信号により、まず引取ローラ5aの速度を2000m/分以下に減速させ、次に、下降気流発生装置7でエアーを噴出させ、前記のような順序で糸条の吸引を行うと、十分に糸条の張力を低下させてから切断が行えるので、糸条の張力が高い高速紡糸の場合でも、パネルアスピレータ9での糸条の吸引成功率を向上させることができる。
【0011】
糸条の張力を下げるために下降気流発生装置より噴出させるエアーの流速については特に限定されるものではないが、10〜50m/秒が好ましい。
流速が10m/秒未満であると、糸条の張力の低下が小さいため、ヤーンカッタで糸条を切断すると、糸条が跳ね上がり、パネルアスピレータで糸条を吸引しにくくなる。流速が50m/秒を超えると、下降気流によってパネルアスピレータの吸引力が弱められ、吸引しにくくなる。
【0012】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
なお、糸条の張力は、ロッシールド社製ELECTRONIC-TENSIONMETER R−3192を使用し、引取ローラ5aの直上で測定した。
また、下降気流発生装置は、日本科学工業製ANEMOMASTER MODEL 24−6131を使用した。
実施例1〜3
図1に示す溶融紡糸装置を用い、極限粘度(フェノールと四塩化エタンの等重量混合溶媒を用い、20℃で測定した。)0.63のポリエチレンテレフタレートを295 ℃で紡糸頭より紡出させた。糸条を冷却固化させた後、油剤を付与して集束し、引取速度3500m/分で引き取り、表1に示す繊度の糸条を8糸条ずつ1台の巻取機に巻き取った。
このとき、巻取機の直上の糸条を故意に切断して断糸を発生させ、糸切れセンサが糸切れを検知すると、下降気流発生装置より表1に示すような流速の下降気流を噴出させ、糸条をヤーンカッタで切断し、パネルアスピレータで紡糸部より紡糸される糸条を吸引した。
なお、糸条の切断を合計で80回行った。
通常巻取時と下降気流を噴出させて張力を低下させた時の糸条の張力、パネルアスピレータでの糸条の吸引成功率を併せて表1に示す。
【0013】
実施例4〜6
巻取機の直上に設けた糸切れセンサが糸切れを検知すると、まず、信号により引取ローラの速度を2000m/分に減速するようにした以外は、実施例1と同様に行った。なお、実施例5の繊度は実施例2、実施例6の繊度は実施例3と同じである。
通常巻取時と下降気流を噴出させて張力を低下させた時の糸条の張力、パネルアスピレータでの糸条の吸引成功率を併せて表1に示す。
【0014】
比較例1〜3
巻取機の直上に設けた糸切れセンサが糸切れを検知しても、下降気流発生装置より下降気流が噴射しないようにした以外は実施例1と同様に行った。なお、比較例2の繊度は実施例2、比較例3の繊度は実施例3と同じである。
通常巻取時の糸条の張力、パネルアスピレータでの糸条の吸引成功率を併せて表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
実施例1〜6では、下降気流を噴出させ、糸条の張力を低下させてから切断を行ったので、糸条は跳ね上がることがなく、パネルアスピレータで確実に吸引が行え、吸引成功率が高かった。特に、実施例4〜6では、糸切れセンサが糸切れを検知した後、引取ローラの速度を2000m/分に減速してから下降気流を噴出させたので、糸条の張力を大きく低下させることができ、糸条の吸引成功率をさらに高めることができた。
一方、比較例1〜3では、断糸が発生した後、糸条の張力を低下させることなくヤーンカッタで糸条を切断したので、糸条が跳ね上がり、糸条の吸引成功率が低かった。このため、巻き取りを再開する際に多大な時間を要し、操業性が悪かった。さらには、糸条が跳ね上がったために汚れや単糸が口金面に付着し、再度紡糸を行った際の紡糸性も悪化した。
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、糸条の張力を高くして溶融紡糸し、巻き取る工程において、巻取機で断糸が発生した場合に、ヤーンカッタで糸条を切断しても跳ね上がることがなく、パネルアスピレータで紡糸部から紡糸される糸条を確実に吸引することができる。このため、巻き取りの再開がスムーズに行え、また、汚れが口金面に付着することもないので、作業性や紡糸性も向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の断糸処理方法を適用する溶融紡糸巻取装置の一実施態様を示す概略図である。
【符号の説明】
1 紡糸頭
2 冷却装置
3 油剤付与装置
4 冷却筒
5a、5b 引取ローラ
6 巻取機
7 下降気流発生装置
8 糸切れセンサ
9 パネルアスピレータ
10 ヤーンカッタ
Claims (2)
- 紡糸頭と冷却装置からなる紡糸部、冷却筒からなる冷却部、引取ローラと巻取機からなる巻取部から構成される溶融紡糸装置において、冷却筒の入口部に下降気流発生装置を、冷却筒と引取ローラの間に上流側よりパネルアスピレータとヤーンカッタを、巻取機の直上に糸切れセンサを設け、巻取機で断糸が発生すると次の(1) 〜(3) の順序で断糸の処理を行うことを特徴とする合成繊維の溶融紡糸における断糸処理方法。
(1) 糸切れセンサの断糸信号により、下降気流発生装置からエアーを噴出させ、糸条の張力を下げる。
(2) ヤーンカッタで糸条を切断する。
(3) パネルアスピレータで糸条を吸引する。 - 巻取速度を3000m/分以上として高速で紡糸する場合に、巻取機で断糸が発生すると、糸切れセンサの断糸信号により引取ローラの速度を2000m/分以下に減速し、次いで、(1) 〜(3) の順序で断糸の処理を行う請求項1記載の合成繊維の溶融紡糸における断糸処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04355695A JP3651952B2 (ja) | 1995-02-07 | 1995-02-07 | 合成繊維の溶融紡糸における断糸処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04355695A JP3651952B2 (ja) | 1995-02-07 | 1995-02-07 | 合成繊維の溶融紡糸における断糸処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08217335A JPH08217335A (ja) | 1996-08-27 |
JP3651952B2 true JP3651952B2 (ja) | 2005-05-25 |
Family
ID=12667034
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04355695A Expired - Fee Related JP3651952B2 (ja) | 1995-02-07 | 1995-02-07 | 合成繊維の溶融紡糸における断糸処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3651952B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6681307B2 (ja) * | 2015-10-30 | 2020-04-15 | Tmtマシナリー株式会社 | 紡糸引取装置 |
CN114808218B (zh) * | 2022-06-01 | 2023-03-31 | 河南平棉纺织集团股份有限公司 | 一种适纺亚麻赛络纱的细纱断头自停装置 |
-
1995
- 1995-02-07 JP JP04355695A patent/JP3651952B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08217335A (ja) | 1996-08-27 |
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