JP3650819B2 - カーボンナノチューブの切断方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーボンナノチューブの切断方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、カーボンナノチューブは、水素貯蔵用担体、燃料電池用電極材、電界放出ティスプレイ用エミッタなどの広範な分野への応用が盛んに研究されている。ところで、カーボンナノチューブの有する機能を十分に活用するためには、その微細な加工が必要とされている。
【0003】
なかでも、カーボンナノチューブを切断する方法としては、カーボンナノチューブをプラスチックに練り込んで、プラスチックと共に粉砕する方法が知られているが、この方法では、粉砕後にプラスチックを除去することはきわめて難しいうえに、通常プラスチックを1000nm以下に微粉砕することは困難であり、粉砕時に液体窒素を用いて冷却する特殊な操作を必要とするなどの問題がある。他方、カーボンナノチューブを硝酸溶液中に入れ、超音波により切断する方法も知られているが、この方法では、極少量しか得ることができず、また後処理などにも問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の技術における上記した実状に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、カーボンナノチューブを簡易な手法で効率的に切断する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、カーボンナノチューブを糖類溶液中に分散させた混合溶液を、加熱乾燥して固化させた後、粉砕することによりカーボンナノチューブを切断させることを特徴とするカーボンナノチューブの切断方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、カーボンナノチューブの切断方法について鋭意検討を重ねた結果、特定の固化剤を用いることにより、カーボンナノチューブを容易に切断できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、糖類をカーボンナノチューブの固化剤として用いるものであって、カーボンナノチューブを糖類溶液中に分散させた後、これを加熱条件下に乾燥させることにより固化させて飴(キャンディ)状物とし、これを機械的に粉砕することにより、所望の長さに切断されたカーボンナノチューブを得るものである。
【0007】
一般に、キャンディは、無水状態ではガラスと同様に脆性破壊するものである。その際、キャンディ内部にカーボンナノチューブが分散していると、そのカーボンナノチューブは、キャンディの破壊面で切断されることになる。このように脆性破壊するものは、湿式粉砕により1000nm以下の長さに容易に粉砕することができる。またその後、得られた粉砕物を水または温水に入れると、キャンディは溶解して容易に除去され、その粉砕物に相当する長さに切断されたカーボンナノチューブが得られることになる。
【0008】
本発明に用いる糖類としては、水などの溶剤に容易に溶解し、その溶剤を除去すると飴状に固化するものであればよく、例えば、果糖、蔗糖、多糖類などが挙げられ、これらを単独で、或いはこれらの2種以上を混合して用いることができる。
【0009】
カーボンナノチューブを糖類溶液中に均一に分散させるには、超音波処理を施すことが好ましい。この超音波処理を行うと、絡まっていたカーボンナノチューブを解くことができる。本発明における超音波処理の条件としては、カーボンナノチューブを溶液中に均一に分散させるに足る強度及び処理時間であれば何ら制限されず、例えば、100〜600Wで5〜20分間で行うことが好ましい。
【0010】
糖類溶液中に分散させた混合溶液を乾燥させて固化させるには、飴の製造と同様に、乾燥機などを用いて加熱乾燥させることが好ましい。また、その固化物を粉砕するには、通常の粉砕用機器を用いて粗粉砕及び微粉砕を行う。
【0011】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例1
カーボンナノチューブ1gと果糖15gとを純水20mlに入れ、この溶液に100Wで20分間の超音波処理を施すことにより果糖水溶液中にカーボンナノチューブを分散させた。この分散溶液を140℃の乾燥機中で脱水し、常温に1時間放置したところ、飴状の固化物12.5gが得られた。
次に、この固化物をスタンプミルを用いて粗粉砕し、さらに乳鉢にて粉砕したところ、平均粒子径約1mmの粗粉砕粒子11.6gを得た。この粗粉砕粒子の顕微鏡写真を図1に示す。
次いで、200mlの容器中に、粗粉砕粒子11.6g、エタノール20ml及び鋼球(径5mm)270gを入れ、振動ボールミルを用いて2時間微粉砕した。この微粉砕後の粒子の顕微鏡写真を図2に示す。
これをエタノール中に分散させた後、濾過することにより濾過物9.5gを得た。これを100℃の温水中に分散させた後、濾過する操作を3回繰り返したところ、果糖が除去されて、長さ約0.3〜1μmに切断されたカーボンナノチューブを得た。得られたカーボンナノチューブの顕微鏡写真を図3に示す。
【0012】
【発明の効果】
本発明によれば、カーボンナノチューブを簡易な操作で容易に切断することができるから、カーボンナノチューブの新たな機能を発現させることができるから、多様な応用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明におけるカーボンナノチューブの分散した固化物の一例の粗粉砕粒子の顕微鏡写真である。
【図2】 本発明におけるカーボンナノチューブの分散した固化物の一例の微粉砕粒子の顕微鏡写真である。
【図3】 本発明における切断されたカーボンナノチューブの一例の顕微鏡写真である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーボンナノチューブの切断方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、カーボンナノチューブは、水素貯蔵用担体、燃料電池用電極材、電界放出ティスプレイ用エミッタなどの広範な分野への応用が盛んに研究されている。ところで、カーボンナノチューブの有する機能を十分に活用するためには、その微細な加工が必要とされている。
【0003】
なかでも、カーボンナノチューブを切断する方法としては、カーボンナノチューブをプラスチックに練り込んで、プラスチックと共に粉砕する方法が知られているが、この方法では、粉砕後にプラスチックを除去することはきわめて難しいうえに、通常プラスチックを1000nm以下に微粉砕することは困難であり、粉砕時に液体窒素を用いて冷却する特殊な操作を必要とするなどの問題がある。他方、カーボンナノチューブを硝酸溶液中に入れ、超音波により切断する方法も知られているが、この方法では、極少量しか得ることができず、また後処理などにも問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の技術における上記した実状に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、カーボンナノチューブを簡易な手法で効率的に切断する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、カーボンナノチューブを糖類溶液中に分散させた混合溶液を、加熱乾燥して固化させた後、粉砕することによりカーボンナノチューブを切断させることを特徴とするカーボンナノチューブの切断方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、カーボンナノチューブの切断方法について鋭意検討を重ねた結果、特定の固化剤を用いることにより、カーボンナノチューブを容易に切断できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、糖類をカーボンナノチューブの固化剤として用いるものであって、カーボンナノチューブを糖類溶液中に分散させた後、これを加熱条件下に乾燥させることにより固化させて飴(キャンディ)状物とし、これを機械的に粉砕することにより、所望の長さに切断されたカーボンナノチューブを得るものである。
【0007】
一般に、キャンディは、無水状態ではガラスと同様に脆性破壊するものである。その際、キャンディ内部にカーボンナノチューブが分散していると、そのカーボンナノチューブは、キャンディの破壊面で切断されることになる。このように脆性破壊するものは、湿式粉砕により1000nm以下の長さに容易に粉砕することができる。またその後、得られた粉砕物を水または温水に入れると、キャンディは溶解して容易に除去され、その粉砕物に相当する長さに切断されたカーボンナノチューブが得られることになる。
【0008】
本発明に用いる糖類としては、水などの溶剤に容易に溶解し、その溶剤を除去すると飴状に固化するものであればよく、例えば、果糖、蔗糖、多糖類などが挙げられ、これらを単独で、或いはこれらの2種以上を混合して用いることができる。
【0009】
カーボンナノチューブを糖類溶液中に均一に分散させるには、超音波処理を施すことが好ましい。この超音波処理を行うと、絡まっていたカーボンナノチューブを解くことができる。本発明における超音波処理の条件としては、カーボンナノチューブを溶液中に均一に分散させるに足る強度及び処理時間であれば何ら制限されず、例えば、100〜600Wで5〜20分間で行うことが好ましい。
【0010】
糖類溶液中に分散させた混合溶液を乾燥させて固化させるには、飴の製造と同様に、乾燥機などを用いて加熱乾燥させることが好ましい。また、その固化物を粉砕するには、通常の粉砕用機器を用いて粗粉砕及び微粉砕を行う。
【0011】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例1
カーボンナノチューブ1gと果糖15gとを純水20mlに入れ、この溶液に100Wで20分間の超音波処理を施すことにより果糖水溶液中にカーボンナノチューブを分散させた。この分散溶液を140℃の乾燥機中で脱水し、常温に1時間放置したところ、飴状の固化物12.5gが得られた。
次に、この固化物をスタンプミルを用いて粗粉砕し、さらに乳鉢にて粉砕したところ、平均粒子径約1mmの粗粉砕粒子11.6gを得た。この粗粉砕粒子の顕微鏡写真を図1に示す。
次いで、200mlの容器中に、粗粉砕粒子11.6g、エタノール20ml及び鋼球(径5mm)270gを入れ、振動ボールミルを用いて2時間微粉砕した。この微粉砕後の粒子の顕微鏡写真を図2に示す。
これをエタノール中に分散させた後、濾過することにより濾過物9.5gを得た。これを100℃の温水中に分散させた後、濾過する操作を3回繰り返したところ、果糖が除去されて、長さ約0.3〜1μmに切断されたカーボンナノチューブを得た。得られたカーボンナノチューブの顕微鏡写真を図3に示す。
【0012】
【発明の効果】
本発明によれば、カーボンナノチューブを簡易な操作で容易に切断することができるから、カーボンナノチューブの新たな機能を発現させることができるから、多様な応用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明におけるカーボンナノチューブの分散した固化物の一例の粗粉砕粒子の顕微鏡写真である。
【図2】 本発明におけるカーボンナノチューブの分散した固化物の一例の微粉砕粒子の顕微鏡写真である。
【図3】 本発明における切断されたカーボンナノチューブの一例の顕微鏡写真である。
Claims (2)
- カーボンナノチューブを糖類溶液中に分散させた混合溶液を、加熱乾燥して固化させた後、粉砕することによりカーボンナノチューブを切断させることを特徴とするカーボンナノチューブの切断方法。
- 糖類が、果糖又は蔗糖であることを特徴とする請求項1に記載のカーボンナノチューブの切断方法。
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JP2002204954A JP3650819B2 (ja) | 2002-07-15 | 2002-07-15 | カーボンナノチューブの切断方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002204954A JP3650819B2 (ja) | 2002-07-15 | 2002-07-15 | カーボンナノチューブの切断方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004043258A JP2004043258A (ja) | 2004-02-12 |
JP3650819B2 true JP3650819B2 (ja) | 2005-05-25 |
Family
ID=31710379
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002204954A Expired - Lifetime JP3650819B2 (ja) | 2002-07-15 | 2002-07-15 | カーボンナノチューブの切断方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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JP4484780B2 (ja) * | 2004-07-27 | 2010-06-16 | 株式会社堀場製作所 | カーボンナノチューブ解析方法 |
JP4925577B2 (ja) * | 2004-11-30 | 2012-04-25 | ナノフロンティアテクノロジー株式会社 | Cntの配向・パターニング固化複合体とその製造方法 |
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JP4965300B2 (ja) * | 2007-03-23 | 2012-07-04 | 一般財団法人 化学物質評価研究機構 | カーボンナノチューブの水分散方法 |
WO2009060721A1 (ja) * | 2007-11-05 | 2009-05-14 | Nec Corporation | カーボンナノチューブの切断方法 |
US8029526B2 (en) | 2008-08-14 | 2011-10-04 | Abbott Diabetes Care Inc. | Cocking mechanism for lancing device |
-
2002
- 2002-07-15 JP JP2002204954A patent/JP3650819B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JP2004043258A (ja) | 2004-02-12 |
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