JP3650510B2 - 浄化システム - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、生産工程で使用した被処理液に混入される不純物を除去する浄化システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
生産工程で使用される被処理液としては、例えば、洗浄作業で使用される洗浄液や、研削作業で使用される研削液(クーラント)等がある。一般に、これらの被処理液には、種々の不純物が混入されるため、再利用する際は、一旦浄化する必要がある。
【0003】
この被処理液を浄化する手段としては、種々の提案がなされている。例えば、特開昭58−174211号公報には、マグネットドラムに磁性体を主とする切削粉等の不純物を吸着させ、このマグネットドラムに吸着された不純物をスクレーパで剥離して除去すると共に、沈澱した砥粒等の非磁性体の不純物をスクレーパチェーンで掻出除去する技術が開示されている。
【0004】
また、例えば、特開昭59−39309号公報には、タンクの側壁に超音波振動板を配設し、この超音波振動板から発振する超音波により被処理液に混濁されている油分を主体とする不純物を加振し互いに凝集されると共に浮遊させ、この浮遊した不純物をスキーマで除去する技術が開示されている。
【0005】
さらに、例えば、特開平4−129643号公報には、表面に複数の溝をスパイラル或いは同心円状に有する回転板の下側を、被処理液タンクに貯留する被処理液に垂直に浸漬して、ゆっくりと回転させることで、被処理液の液面に浮遊する油分を主体とする不純物を上記回転板の表面に付着させて被処理液から分離させ、その後、上記回転板の表面に付着した不純物をスクレーパで払拭して所定に集積する技術が開示されている。
【0006】
また、例えば、特開平3−294142号公報には、回転ドラムの胴体に濾布フィルタを張設し、この濾布を通過し回転ドラム内に入った切削油を導管から回収漕にくみ出す技術が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の何れかの浄化法を採用し、或いはこれらを組み合わせた浄化システムでは、ある程度の浄化作用は期待できるものの、被処理液に混入されているより緻密な不純物を除去することはできなかった。
【0008】
このため、上記各浄化法を採用した従来の浄化システムによって浄化された被処理液においては、緻密な残留物の腐食等によって被処理液が劣化し易く、交換サイクルを長期化するには限界があり、ランニングコスト,廃液処理コスト等の高騰を招く。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、被処理液の浄化作用を大幅に向上させて、被処理液を長期に亘り繰り返し使用することを可能とするとともに、ランニングコスト,廃液処理コスト等を低くすることのできる浄化システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による浄化システムは、生産工程で使用される被処理液の循環回路に介装し、この被処理液中に混入されている不純物を除去する第1の浄化装置と、上記第1の浄化装置に併設可能な第2の浄化装置とを備え、上記第1の浄化装置は、被処理液中の不純物を沈殿させて分離するダーティー側タンク室と上記ダーティー側タンク室にて不純物を沈殿分離させた後の被処理液を貯留すると共に貯留した被処理液を撹拌するエアー撹拌機を備えたクリーン側タンク室からなり、上記第2の浄化装置に、上記被処理液を貯留する被処理液貯留タンクと、上記被処理液タンク内の上下方向の中部よりやや上側に配置され上記被処理液タンク内を区画する濾過フィルタと、上記被処理液貯留タンクの略中央に上記濾過フィルタを上下方向に貫通して挿通された被処理液導入筒と、上記被処理液導入筒の上記被処理液貯留タンクの底部に臨まされた下端部近傍に上記被処理液導入筒の外周に処理液を均等に拡散すべく設けられた複数の被処理液拡散孔と、上記被処理液貯留タンクの上端部に形成した堰と、上記堰の内周に配設すると共に、その下端を上記堰より低い位置に臨ませる油液分離壁と、上記堰の外周に併設した集液溝とを有し、上記クリーン側タンク室と上記被処理液導入筒を連結自在に連結し、被処理液を被処理液導入筒に供給可能とする被処理液流入管と、上記集液溝を上記クリーン側タンク室に連結可能にする被処理液流出管とを備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明による浄化システムでは、第1の浄化装置で被処理液が浄化されるとともに、第2の浄化装置でより高いレベルでの被処理液の浄化が行われる。すなわち、第1の浄化装置では、ダーティー側タンク室にて不純物が沈殿分離された被処理液がクリーン側タンク室に貯留される。その際、クリーン側タンク室では、エアー撹拌機によって残留不純物の沈殿が防止される。クリーン側タンク室に貯留された被処理液の一部は、被処理液流入管によって被処理液導入筒に流入される。第2の浄化装置では、被処理液導入筒に導入された被処理液が被処理液拡散孔から被処理液貯留タンクの下端部近傍で均等に拡散される。この拡散された被処理液は被処理液貯留タンクの上方に流れ、このとき不純物が沈殿される。上記処理液はさらに上昇し、濾過フィルタを通過する際に不純物が濾過され、さらに、被処理液貯留タンクの堰からオーバーフローして集液溝に流入される際に油液分離壁によって油分が除去される。このように浄化された清澄な被処理液は、被処理液流出管によってクリーン側タンク室に還流される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1〜図7に、本発明の一実施の形態として、ハイポイドギヤセットの歯形成型用のコンパウンドラップ盤によるラップ作業後の洗浄工程における洗浄機に用いられる洗浄液の浄化システムを示す。図1は、上記浄化システムの平面図であり、図2は、上記浄化システムを構成する第2の浄化装置を示す斜視図、図3は、図1における上記第2の浄化装置のI-I断面図、図4は、上記浄化システムを構成する第1の浄化装置の第1の浄化機構を示すII-II断面図、図5は、上記第1の浄化装置のIII-III断面図、図6は、上記第1の浄化装置の第2の浄化手段を示す斜視図、図7は、上記第1の浄化装置のエアー撹拌機を示す斜視図である。
【0014】
図1に示すように、上記浄化システムは、第1の浄化装置1と、この第1の浄化装置1に連結可能な第2の浄化装置2とでその主要部が構成されている。
【0015】
上記第1の浄化装置1は、被処理液を浄化する第1の浄化手段3,第2の浄化手段4、および、エアー撹拌機5等が、第1の浄化装置本体としての第1の被処理液貯留タンク6にそれぞれ配設されて構成されている。
【0016】
上記第1の被処理液貯留タンク6は、このタンクの正面側の壁面から該タンクの中途まで延出された仕切板7によって区画され、ダーティー側タンク室8とクリーン側タンク室9とに分割されている。
【0017】
上記ダーティー側タンク室8の正面側の壁面には、被処理液流入口10が開口されている。この被処理液流入口10は、図示しない洗浄機の被処理液流出口と連通されており、上記ダーティー側タンク室8には、上記洗浄機からの不純物を多量に含んだ被処理液が流入される。
【0018】
上記ダーティー側タンク室8には、上記第1の浄化手段3が配設されている。
この第1の浄化手段3は、上記被処理液に含まれるスラッジを沈澱除去するものであり、沈澱された上記スラッジを掻き取り除去するためのスクレーパ12を複数備えた周知のコンベア11を主体に構成されている。
【0019】
上記コンベア11は、図4に示すように、上記被処理液流入口6に臨まされ、中途から上方へ湾曲され、その上端が上記ダーティー側タンク室8の背面側の壁の上方に突出されている。
【0020】
また、上記ダーティー側タンク室8の底面には、コンベア11の下側の形状と略同形の面を有し上記スクレーパ12に摺接される底部13が形成されている。
【0021】
また、上記第1の被処理液タンク4の背面の上記コンベア8の上端が臨まされる位置には、スラッジ受け14が設置されており、上記スクレーパ12で掻き集められたスラッジは、このスラッジ受け14で収集される。
【0022】
上記クリーン側タンク室9の正面寄りには、エアー撹拌機5のエアー噴出部16が、例えば2個配設されている。
このエアー噴出部16には、複数のエア噴出孔16a(図7参照)が穿設されており、図示しないエアー供給手段から供給されるエアーがこのエアー噴出孔16aから噴出されてクリーン側タンク室9内の被処理液が撹拌される。
【0023】
また、上記クリーン側タンク室9内の背面寄りには、上記第2の浄化手段4が配設されている。
この第2の浄化手段4は、液面の油成分や浮遊スラッジなどを除去するためのものであり、上記油成分や浮遊スラッジ等を吸着する材質で形成された回転板17と、この回転板の側面に摺接するスクレーパとを主体に構成されている。
【0024】
詳しくは、上記クリーン側タンク室9の背面寄りであって、上記第1の被処理液貯留タンク6に貯留された液面よりもやや上に位置する場所に、上記第2の浄化手段4を設置する架台19が架設されている。
【0025】
上記架台19には、例えば2本のスリット19a,19aが形成されており、このスリット19a,19aには、それぞれ回転板17,17が挿入されている。
【0026】
上記回転板17,17は、下側が上記クリーン側タンク室8に滞留する被処理液に浸漬された状態で、軸受け20aに支持された回転軸20によって上記架台上に軸支されている。
【0027】
上記回転軸20にはプーリ21aが軸着されており、このプーリ21aがギアドモータ22の主軸に軸着されたプーリ21bにベルト23を介して連接されている(図6参照)。
【0028】
また、上記回転板17,17の上記被処理液に浸漬されていない部分の両側面には、一対の上記スクレーパ18,18がそれぞれ摺接されており、これらのスクレーパ18,18は傾斜された状態で、その基端側が上記クリーン側タンク室9の背面側に突出されている。
【0029】
さらに、上記クリーン側タンク室9の背面には、突出された複数の上記スクレーパ18,18,…の基端側が臨まされる位置に、スラッジ受け24が設置されている。
【0030】
また、上記クリーン側タンク室9の上記回転板17付近の壁面には、被処理液流出口25が開口されている。この被処理液流出口25は、上記図示しない洗浄機の被処理液流入口、または、この洗浄機に被処理液を供給するための被処理液貯留タンク(図示せず)に連通されており、上記被処理液流入口10から流入され、浄化システムで浄化された被処理液が流出される。
【0031】
上記第2の浄化装置2は、上記第1の浄化装置1の近傍に移動自在に併設されている。
この第2の浄化装置2は、図1〜3に示すように、上面が開口した箱形の、第2の浄化装置本体としての、第2の被処理液貯留タンク30を有して構成されており、この第2の被処理液タンク30の略中央部には、角筒状の被処理液導入筒31が立設されている。
【0032】
上記被処理液導入筒31の上部の開口部は被処理液流入口31aとして形成されており、この被処理液流入口31aには、被処理液流入管32の一端側が臨まされている。
【0033】
また、上記被処理液流入管32の他端側は上記クリーン側タンク室9の被処理液中に連結自在に臨まされている。
【0034】
さらに、この被処理液流入管32の途中には、上記クリーン側タンク室9の被処理液を上記被処理液導入筒31に汲み上げるためのポンプ33が介装されている。ここで、上記ポンプ33によって、上記被処理液導入筒31に汲み上げられる被処理液の流量は、本実施の形態では、上記ダーティー側タンク室8に被処理液流入口10から流入される被処理液の流量の略半分程度に設定されている。
【0035】
上記被処理液導入筒31の下部には、複数の被処理液拡散孔31bが穿設されており、上記被処理液流入管32より供給された被処理液は、この被処理液拡散孔31bから上記第2の被処理液貯留タンク30内に均一に拡散される。
【0036】
また、上記第2の被処理液貯留タンク30内の中部よりやや上側に偏倚した位置には、濾過フィルタ保持部35が配設されている。
【0037】
上記濾過フィルタ保持部35には、濾過フィルタ34が着脱自在に保持され、この濾過フィルタ34によって上記被処理液貯留タンク30が区画されている。なお、上記濾過フィルタ34には、例えば、線径が約5μmφのグラスウールを約5cmの厚さに積層形成した建材用の断熱防音グラスウールが採用されている。
【0038】
さらに、上記第2の被処理液貯留タンク30の上端は、堰30aとして形成されており、この堰30aの外周には集液溝36が形成され、また、上記堰30aの内周には、この堰30aの内壁に沿って、該堰30aに対して所定の間隙を有する、油液分離壁37が形成されている。
【0039】
上記集液溝36は、上記堰30aからオーバーフローした被処理液を集水するためのものであり、この集液溝36は、底面で被処理液流出管38に連通されている。この被処理液流出管38は、上記クリーン側タンク室8の被処理液流出口25の近傍で、該クリーン側タンク室8に対して着脱自在に連結されている。
【0040】
また、上記油液分離壁37の下端部は、上記堰30aよりも所定量だけ下側に臨まされ、また、この油液分離壁37の上端部は、上記堰30aよりも所定量高所に位置する。
【0041】
また、上記第2の被処理液貯留タンク30の外壁の一側の下方位置と中間位置には、ドレインバルブ39,40がそれぞれ形成されている。
【0042】
次に、上記構成による浄化システムの作用について説明する。
被処理液流入口10を介して、図示しない洗浄機からダーティー側タンク室8内に流入された被処理液は、上記ダーティー側タンク室8内を正面側から背面側に向けて緩やかに流動され、スラッジ等の不純物がダーティー側タンク室8の底面に沈殿分離される。このとき、第1の浄化手段3のコンベア11は、図示しない駆動機構によって、図4中矢印Aの方向に動作されており、上記沈殿スラッジは、スクレーパ12によって底部13に沿って掻き集められ、スラッジ受け14に回収される。
【0043】
次に、上記ダーティー側タンク室8を通過し、スラッジが沈澱除去された上記被処理液は、クリーン側タンク室9に流入され、このクリーン側タンク室9内に緩やかな流速で拡散される。
【0044】
このクリーン側タンク室9では、エアー撹拌機5のエアー噴出部16から噴出されるエアーによって被処理液が常に撹拌されており、上記被処理液内に残留したスラッジ等の不純物が沈澱するのを防止する。
【0045】
ここで、被処理液の交換サイクルを短くする大きな要因の1つとして、被処理液内に残留する微細なスラッジ等の不純物がタンク室の底部に沈澱され、腐敗して、上記被処理液の劣化を早めることがあげられるが、上記エアー撹拌機5によって、上記スラッジ等の残留不純物は、被処理液内に浮遊させられるため、上記不純物の沈澱,腐敗による被処理液の劣化を防止することができる。
【0046】
また、上記エアー撹拌機5の撹拌による振動によって、上記被処理液内に含まれる油分が油液分離される。そして、この分離された油分は、被処理液液面で浮遊する。
【0047】
第2の浄化手段4の回転板17,17は、ギアドモータ22によって、図4,6中矢印Bの方向に回転されており、この回転板17,17には、上記エアー撹拌機5によって沈澱されることなく浮遊させられた残留スラッジ等の不純物および油液分離され浮遊された油分が液面付近で吸着され、液面から分離される。
【0048】
そして、この回転板17,17によって被処理液から分離された不純物は、スクレーパ18,…,18によって回転板17,17から掻き取られ、この掻き取られた不純物は上記スクレーパ18,…,18の傾斜に沿って移動し、スラッジ受け24に収集される。
【0049】
尚、本実施の形態では、上記回転板17の回転数は、7〜10rpm程度に設定されている。この範囲の低回転域で不純物除去を行うと、除去される油分やスラッジ等に含まれる水分が少量となり効率がよい。
【0050】
上述のようにして、第1の浄化装置1では、被処理液内に含まれる不純物が除去される。そして、浄化された被処理液は、被処理液流出口25から再び、洗浄機へ供給され循環する。
【0051】
ところで、上記第1の浄化装置1により浄化される被処理液には、微細な不純物が残留しており、この微細な残留不純物が腐食し被処理液を汚染するため、この第1の浄化装置1のみの浄化作用では、比較的早いサイクルで被処理液を交換する必要がある。
そこで、上記微細な不純物をより高いレベルで除去して被処理液の交換サイクルを大幅に引き延ばすため、第2の浄化装置2によって、上記第1の浄化装置では除去することが困難な被処理液中の微細な残留不純物の除去を行う。
【0052】
ポンプ33によって上記クリーン側タンク室9内の被処理液が汲み上げられ、被処理液導入筒31に供給されると、この被処理液は、被処理液拡散孔31bから第2の被処理液貯留タンク30の下側に緩やかな流速で流入し、上記第2の被処理液タンク30内で略全方向に均一に拡散される。ここで、被処理液導入筒31に上記クリーン側タンク室9から流入される被処理液は、ある程度浄化されたクリーンな被処理液である。
【0053】
上記第2の被処理液貯留タンク30内に流入された被処理液は、図3中矢印Cで示すように、緩やかな流速で上方に流れる。このとき、上記被処理液内に僅かに残留しているスラッジ等の不純物が沈澱分離され第2の被処理液貯留タンク30の底面に堆積される。
【0054】
上記被処理液は、さらに上方に流れ、濾過フィルタ34を通過すると、沈澱分離されずに被処理液内に僅かに残留されたスラッジ等の不純物が濾過される。
【0055】
ここで、上記被処理液は不純物が沈澱分離された後の被処理液であるため、上記濾過フィルタ34に捕捉される不純物は僅かな量であり、また、この被処理液の濾過は、下方から上方に向けての濾過であるため、上記濾過フィルタ34で捕捉された不純物は、ある程度の量になると上記第2の貯留タンク30の底面側に沈澱される。このため、濾過フィルタ34の交換寿命を長く維持することができる。
【0056】
上記濾過フィルタ34によって濾過された被処理液は、さらに上方に流れ、堰30aよりオーバーフローし集液溝36に流れ込む。このとき、上記被処理液に僅かに残留した油分等は、被処理液よりも比重が軽いため、液面に浮遊する。この浮遊した油分等は、油液分離壁37によってせき止められ、上記集液溝36には、被処理液のみが図3中矢印Dで示すように流入される。この集液溝36に流入されたクリーンな被処理液は、被処理液流出管38を通って上記クリーン側タンク室9に戻される。
【0057】
尚、上記油液分離壁37によって分離された油分は、バキュームエアー等によって人為的に適宜除去される。
【0058】
このように、上記第2の浄化装置2の被処理液貯留タンク30は、下から順に沈澱槽、濾過槽、油液分離槽として作用し、上記第1の浄化装置1で浄化された被処理液をより清澄な被処理液とすることができる。従って、上記被処理液は高いレベルでの浄化状態が維持され、被処理液の交換サイクルが飛躍的に延びる。
【0059】
ここで、上記第1の浄化装置1のみで洗浄機用の被処理液(洗浄液)を洗浄した場合と、上記第1の浄化装置1と上記第2の浄化装置2とを併用して上記被処理液を浄化する場合とを比較すると、上記第1の浄化装置のみで浄化作用を行った場合、被処理液の交換サイクルが4週間程度であったのに対し、上記第1の浄化装置1と上記第2の浄化装置とを併用した本発明による浄化システムでは、被処理液の交換サイクルは6ヶ月程度となる。このため、廃液処理回数を減少させることが可能となり、ランニングコスト,廃液処理コストの削減が可能となる。また、廃液処理回数を減少させることは、廃液排出量を減少させることにもつながり、環境にも良い。
【0060】
尚、上記第2の浄化装置2を常時に稼動させなくても充分な浄化作用を得ることができる場合は、上記第2の浄化装置2を断続的に稼動させ浄化作用を行っても良い。この場合、複数の第1の浄化装置1,1,…を併設し、1台の第2の浄化装置2を所定期間毎に連結して、順次、各第1の浄化装置1の被処理液を浄化することができる。また、上記第2の浄化装置2を台車の移動手段に乗せ、複数の第1の浄化装置1,1,…間を移動させて、順次、被処理液の浄化を行っても良い。
【0061】
ところで、上記第2の浄化装置2を清掃する際は、まず、ドレインバルブ40を開弁して被処理液の上澄み部分を抜き取る。次いでドレインバルブ39を開弁し、第2の浄化装置2の底部に堆積された、スラッジ等を多く含む被処理液を抜き取り清掃を行う。尚、上記被処理液の上澄み部分は、再利用可能である。
【0062】
尚、本実施の形態では、洗浄機で使用される洗浄液を被処理液とし、この洗浄液の浄化システムを説明したが、上記被処理液は洗浄液に限らず、例えば、上記浄化システムを研削作業時に用いられる研削液(クーラント)の浄化に適用しても良い。
【0063】
また、本実施の形態では、上記第1の浄化装置1は、浄化機構としてスクレーパ付のコンベアと回転板とを備えた構成としたが、その他の浄化機構を備えたものを第1の浄化装置とし、この第1の浄化装置に上記第2の浄化装置2を連結して浄化システムを構成しても良い。
【0064】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、第1の浄化装置に第2の浄化装置を併設し、上記第2の浄化装置を上記第1の浄化装置と併用することにより、第1の浄化装置では除去することが困難であった微細な不純物を浄化し、被処理液を長期に亘り使用することを可能にするとともに、ランニングコスト,廃液処理コスト等を低くすることが可能な浄化システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】浄化システムの平面図
【図2】浄化システムを構成する第2の浄化装置を示す斜視図
【図3】図1における第2の浄化装置のI-I断面図
【図4】浄化システムを構成する第1の浄化装置の第1の浄化機構を示すII-II断面図
【図5】第1の浄化装置のIII-III断面図
【図6】第1の浄化装置の第2の浄化手段を示す斜視図
【図7】第1の浄化装置のエアー撹拌機を示す斜視図
【符号の説明】
1 … 第1の浄化装置
2 … 第2の浄化装置
30 … 第2の被処理液貯留タンク(被処理液貯留タンク)
31 … 被処理液導入筒
31a … 被処理液流入口
31b … 被処理液拡散孔
32 … 被処理液流入管
34 … 濾過フィルタ
36 … 集液溝
37 … 油液分離壁
38 … 被処理液流出管
【発明の属する分野】
本発明は、生産工程で使用した被処理液に混入される不純物を除去する浄化システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
生産工程で使用される被処理液としては、例えば、洗浄作業で使用される洗浄液や、研削作業で使用される研削液(クーラント)等がある。一般に、これらの被処理液には、種々の不純物が混入されるため、再利用する際は、一旦浄化する必要がある。
【0003】
この被処理液を浄化する手段としては、種々の提案がなされている。例えば、特開昭58−174211号公報には、マグネットドラムに磁性体を主とする切削粉等の不純物を吸着させ、このマグネットドラムに吸着された不純物をスクレーパで剥離して除去すると共に、沈澱した砥粒等の非磁性体の不純物をスクレーパチェーンで掻出除去する技術が開示されている。
【0004】
また、例えば、特開昭59−39309号公報には、タンクの側壁に超音波振動板を配設し、この超音波振動板から発振する超音波により被処理液に混濁されている油分を主体とする不純物を加振し互いに凝集されると共に浮遊させ、この浮遊した不純物をスキーマで除去する技術が開示されている。
【0005】
さらに、例えば、特開平4−129643号公報には、表面に複数の溝をスパイラル或いは同心円状に有する回転板の下側を、被処理液タンクに貯留する被処理液に垂直に浸漬して、ゆっくりと回転させることで、被処理液の液面に浮遊する油分を主体とする不純物を上記回転板の表面に付着させて被処理液から分離させ、その後、上記回転板の表面に付着した不純物をスクレーパで払拭して所定に集積する技術が開示されている。
【0006】
また、例えば、特開平3−294142号公報には、回転ドラムの胴体に濾布フィルタを張設し、この濾布を通過し回転ドラム内に入った切削油を導管から回収漕にくみ出す技術が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の何れかの浄化法を採用し、或いはこれらを組み合わせた浄化システムでは、ある程度の浄化作用は期待できるものの、被処理液に混入されているより緻密な不純物を除去することはできなかった。
【0008】
このため、上記各浄化法を採用した従来の浄化システムによって浄化された被処理液においては、緻密な残留物の腐食等によって被処理液が劣化し易く、交換サイクルを長期化するには限界があり、ランニングコスト,廃液処理コスト等の高騰を招く。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、被処理液の浄化作用を大幅に向上させて、被処理液を長期に亘り繰り返し使用することを可能とするとともに、ランニングコスト,廃液処理コスト等を低くすることのできる浄化システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による浄化システムは、生産工程で使用される被処理液の循環回路に介装し、この被処理液中に混入されている不純物を除去する第1の浄化装置と、上記第1の浄化装置に併設可能な第2の浄化装置とを備え、上記第1の浄化装置は、被処理液中の不純物を沈殿させて分離するダーティー側タンク室と上記ダーティー側タンク室にて不純物を沈殿分離させた後の被処理液を貯留すると共に貯留した被処理液を撹拌するエアー撹拌機を備えたクリーン側タンク室からなり、上記第2の浄化装置に、上記被処理液を貯留する被処理液貯留タンクと、上記被処理液タンク内の上下方向の中部よりやや上側に配置され上記被処理液タンク内を区画する濾過フィルタと、上記被処理液貯留タンクの略中央に上記濾過フィルタを上下方向に貫通して挿通された被処理液導入筒と、上記被処理液導入筒の上記被処理液貯留タンクの底部に臨まされた下端部近傍に上記被処理液導入筒の外周に処理液を均等に拡散すべく設けられた複数の被処理液拡散孔と、上記被処理液貯留タンクの上端部に形成した堰と、上記堰の内周に配設すると共に、その下端を上記堰より低い位置に臨ませる油液分離壁と、上記堰の外周に併設した集液溝とを有し、上記クリーン側タンク室と上記被処理液導入筒を連結自在に連結し、被処理液を被処理液導入筒に供給可能とする被処理液流入管と、上記集液溝を上記クリーン側タンク室に連結可能にする被処理液流出管とを備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明による浄化システムでは、第1の浄化装置で被処理液が浄化されるとともに、第2の浄化装置でより高いレベルでの被処理液の浄化が行われる。すなわち、第1の浄化装置では、ダーティー側タンク室にて不純物が沈殿分離された被処理液がクリーン側タンク室に貯留される。その際、クリーン側タンク室では、エアー撹拌機によって残留不純物の沈殿が防止される。クリーン側タンク室に貯留された被処理液の一部は、被処理液流入管によって被処理液導入筒に流入される。第2の浄化装置では、被処理液導入筒に導入された被処理液が被処理液拡散孔から被処理液貯留タンクの下端部近傍で均等に拡散される。この拡散された被処理液は被処理液貯留タンクの上方に流れ、このとき不純物が沈殿される。上記処理液はさらに上昇し、濾過フィルタを通過する際に不純物が濾過され、さらに、被処理液貯留タンクの堰からオーバーフローして集液溝に流入される際に油液分離壁によって油分が除去される。このように浄化された清澄な被処理液は、被処理液流出管によってクリーン側タンク室に還流される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1〜図7に、本発明の一実施の形態として、ハイポイドギヤセットの歯形成型用のコンパウンドラップ盤によるラップ作業後の洗浄工程における洗浄機に用いられる洗浄液の浄化システムを示す。図1は、上記浄化システムの平面図であり、図2は、上記浄化システムを構成する第2の浄化装置を示す斜視図、図3は、図1における上記第2の浄化装置のI-I断面図、図4は、上記浄化システムを構成する第1の浄化装置の第1の浄化機構を示すII-II断面図、図5は、上記第1の浄化装置のIII-III断面図、図6は、上記第1の浄化装置の第2の浄化手段を示す斜視図、図7は、上記第1の浄化装置のエアー撹拌機を示す斜視図である。
【0014】
図1に示すように、上記浄化システムは、第1の浄化装置1と、この第1の浄化装置1に連結可能な第2の浄化装置2とでその主要部が構成されている。
【0015】
上記第1の浄化装置1は、被処理液を浄化する第1の浄化手段3,第2の浄化手段4、および、エアー撹拌機5等が、第1の浄化装置本体としての第1の被処理液貯留タンク6にそれぞれ配設されて構成されている。
【0016】
上記第1の被処理液貯留タンク6は、このタンクの正面側の壁面から該タンクの中途まで延出された仕切板7によって区画され、ダーティー側タンク室8とクリーン側タンク室9とに分割されている。
【0017】
上記ダーティー側タンク室8の正面側の壁面には、被処理液流入口10が開口されている。この被処理液流入口10は、図示しない洗浄機の被処理液流出口と連通されており、上記ダーティー側タンク室8には、上記洗浄機からの不純物を多量に含んだ被処理液が流入される。
【0018】
上記ダーティー側タンク室8には、上記第1の浄化手段3が配設されている。
この第1の浄化手段3は、上記被処理液に含まれるスラッジを沈澱除去するものであり、沈澱された上記スラッジを掻き取り除去するためのスクレーパ12を複数備えた周知のコンベア11を主体に構成されている。
【0019】
上記コンベア11は、図4に示すように、上記被処理液流入口6に臨まされ、中途から上方へ湾曲され、その上端が上記ダーティー側タンク室8の背面側の壁の上方に突出されている。
【0020】
また、上記ダーティー側タンク室8の底面には、コンベア11の下側の形状と略同形の面を有し上記スクレーパ12に摺接される底部13が形成されている。
【0021】
また、上記第1の被処理液タンク4の背面の上記コンベア8の上端が臨まされる位置には、スラッジ受け14が設置されており、上記スクレーパ12で掻き集められたスラッジは、このスラッジ受け14で収集される。
【0022】
上記クリーン側タンク室9の正面寄りには、エアー撹拌機5のエアー噴出部16が、例えば2個配設されている。
このエアー噴出部16には、複数のエア噴出孔16a(図7参照)が穿設されており、図示しないエアー供給手段から供給されるエアーがこのエアー噴出孔16aから噴出されてクリーン側タンク室9内の被処理液が撹拌される。
【0023】
また、上記クリーン側タンク室9内の背面寄りには、上記第2の浄化手段4が配設されている。
この第2の浄化手段4は、液面の油成分や浮遊スラッジなどを除去するためのものであり、上記油成分や浮遊スラッジ等を吸着する材質で形成された回転板17と、この回転板の側面に摺接するスクレーパとを主体に構成されている。
【0024】
詳しくは、上記クリーン側タンク室9の背面寄りであって、上記第1の被処理液貯留タンク6に貯留された液面よりもやや上に位置する場所に、上記第2の浄化手段4を設置する架台19が架設されている。
【0025】
上記架台19には、例えば2本のスリット19a,19aが形成されており、このスリット19a,19aには、それぞれ回転板17,17が挿入されている。
【0026】
上記回転板17,17は、下側が上記クリーン側タンク室8に滞留する被処理液に浸漬された状態で、軸受け20aに支持された回転軸20によって上記架台上に軸支されている。
【0027】
上記回転軸20にはプーリ21aが軸着されており、このプーリ21aがギアドモータ22の主軸に軸着されたプーリ21bにベルト23を介して連接されている(図6参照)。
【0028】
また、上記回転板17,17の上記被処理液に浸漬されていない部分の両側面には、一対の上記スクレーパ18,18がそれぞれ摺接されており、これらのスクレーパ18,18は傾斜された状態で、その基端側が上記クリーン側タンク室9の背面側に突出されている。
【0029】
さらに、上記クリーン側タンク室9の背面には、突出された複数の上記スクレーパ18,18,…の基端側が臨まされる位置に、スラッジ受け24が設置されている。
【0030】
また、上記クリーン側タンク室9の上記回転板17付近の壁面には、被処理液流出口25が開口されている。この被処理液流出口25は、上記図示しない洗浄機の被処理液流入口、または、この洗浄機に被処理液を供給するための被処理液貯留タンク(図示せず)に連通されており、上記被処理液流入口10から流入され、浄化システムで浄化された被処理液が流出される。
【0031】
上記第2の浄化装置2は、上記第1の浄化装置1の近傍に移動自在に併設されている。
この第2の浄化装置2は、図1〜3に示すように、上面が開口した箱形の、第2の浄化装置本体としての、第2の被処理液貯留タンク30を有して構成されており、この第2の被処理液タンク30の略中央部には、角筒状の被処理液導入筒31が立設されている。
【0032】
上記被処理液導入筒31の上部の開口部は被処理液流入口31aとして形成されており、この被処理液流入口31aには、被処理液流入管32の一端側が臨まされている。
【0033】
また、上記被処理液流入管32の他端側は上記クリーン側タンク室9の被処理液中に連結自在に臨まされている。
【0034】
さらに、この被処理液流入管32の途中には、上記クリーン側タンク室9の被処理液を上記被処理液導入筒31に汲み上げるためのポンプ33が介装されている。ここで、上記ポンプ33によって、上記被処理液導入筒31に汲み上げられる被処理液の流量は、本実施の形態では、上記ダーティー側タンク室8に被処理液流入口10から流入される被処理液の流量の略半分程度に設定されている。
【0035】
上記被処理液導入筒31の下部には、複数の被処理液拡散孔31bが穿設されており、上記被処理液流入管32より供給された被処理液は、この被処理液拡散孔31bから上記第2の被処理液貯留タンク30内に均一に拡散される。
【0036】
また、上記第2の被処理液貯留タンク30内の中部よりやや上側に偏倚した位置には、濾過フィルタ保持部35が配設されている。
【0037】
上記濾過フィルタ保持部35には、濾過フィルタ34が着脱自在に保持され、この濾過フィルタ34によって上記被処理液貯留タンク30が区画されている。なお、上記濾過フィルタ34には、例えば、線径が約5μmφのグラスウールを約5cmの厚さに積層形成した建材用の断熱防音グラスウールが採用されている。
【0038】
さらに、上記第2の被処理液貯留タンク30の上端は、堰30aとして形成されており、この堰30aの外周には集液溝36が形成され、また、上記堰30aの内周には、この堰30aの内壁に沿って、該堰30aに対して所定の間隙を有する、油液分離壁37が形成されている。
【0039】
上記集液溝36は、上記堰30aからオーバーフローした被処理液を集水するためのものであり、この集液溝36は、底面で被処理液流出管38に連通されている。この被処理液流出管38は、上記クリーン側タンク室8の被処理液流出口25の近傍で、該クリーン側タンク室8に対して着脱自在に連結されている。
【0040】
また、上記油液分離壁37の下端部は、上記堰30aよりも所定量だけ下側に臨まされ、また、この油液分離壁37の上端部は、上記堰30aよりも所定量高所に位置する。
【0041】
また、上記第2の被処理液貯留タンク30の外壁の一側の下方位置と中間位置には、ドレインバルブ39,40がそれぞれ形成されている。
【0042】
次に、上記構成による浄化システムの作用について説明する。
被処理液流入口10を介して、図示しない洗浄機からダーティー側タンク室8内に流入された被処理液は、上記ダーティー側タンク室8内を正面側から背面側に向けて緩やかに流動され、スラッジ等の不純物がダーティー側タンク室8の底面に沈殿分離される。このとき、第1の浄化手段3のコンベア11は、図示しない駆動機構によって、図4中矢印Aの方向に動作されており、上記沈殿スラッジは、スクレーパ12によって底部13に沿って掻き集められ、スラッジ受け14に回収される。
【0043】
次に、上記ダーティー側タンク室8を通過し、スラッジが沈澱除去された上記被処理液は、クリーン側タンク室9に流入され、このクリーン側タンク室9内に緩やかな流速で拡散される。
【0044】
このクリーン側タンク室9では、エアー撹拌機5のエアー噴出部16から噴出されるエアーによって被処理液が常に撹拌されており、上記被処理液内に残留したスラッジ等の不純物が沈澱するのを防止する。
【0045】
ここで、被処理液の交換サイクルを短くする大きな要因の1つとして、被処理液内に残留する微細なスラッジ等の不純物がタンク室の底部に沈澱され、腐敗して、上記被処理液の劣化を早めることがあげられるが、上記エアー撹拌機5によって、上記スラッジ等の残留不純物は、被処理液内に浮遊させられるため、上記不純物の沈澱,腐敗による被処理液の劣化を防止することができる。
【0046】
また、上記エアー撹拌機5の撹拌による振動によって、上記被処理液内に含まれる油分が油液分離される。そして、この分離された油分は、被処理液液面で浮遊する。
【0047】
第2の浄化手段4の回転板17,17は、ギアドモータ22によって、図4,6中矢印Bの方向に回転されており、この回転板17,17には、上記エアー撹拌機5によって沈澱されることなく浮遊させられた残留スラッジ等の不純物および油液分離され浮遊された油分が液面付近で吸着され、液面から分離される。
【0048】
そして、この回転板17,17によって被処理液から分離された不純物は、スクレーパ18,…,18によって回転板17,17から掻き取られ、この掻き取られた不純物は上記スクレーパ18,…,18の傾斜に沿って移動し、スラッジ受け24に収集される。
【0049】
尚、本実施の形態では、上記回転板17の回転数は、7〜10rpm程度に設定されている。この範囲の低回転域で不純物除去を行うと、除去される油分やスラッジ等に含まれる水分が少量となり効率がよい。
【0050】
上述のようにして、第1の浄化装置1では、被処理液内に含まれる不純物が除去される。そして、浄化された被処理液は、被処理液流出口25から再び、洗浄機へ供給され循環する。
【0051】
ところで、上記第1の浄化装置1により浄化される被処理液には、微細な不純物が残留しており、この微細な残留不純物が腐食し被処理液を汚染するため、この第1の浄化装置1のみの浄化作用では、比較的早いサイクルで被処理液を交換する必要がある。
そこで、上記微細な不純物をより高いレベルで除去して被処理液の交換サイクルを大幅に引き延ばすため、第2の浄化装置2によって、上記第1の浄化装置では除去することが困難な被処理液中の微細な残留不純物の除去を行う。
【0052】
ポンプ33によって上記クリーン側タンク室9内の被処理液が汲み上げられ、被処理液導入筒31に供給されると、この被処理液は、被処理液拡散孔31bから第2の被処理液貯留タンク30の下側に緩やかな流速で流入し、上記第2の被処理液タンク30内で略全方向に均一に拡散される。ここで、被処理液導入筒31に上記クリーン側タンク室9から流入される被処理液は、ある程度浄化されたクリーンな被処理液である。
【0053】
上記第2の被処理液貯留タンク30内に流入された被処理液は、図3中矢印Cで示すように、緩やかな流速で上方に流れる。このとき、上記被処理液内に僅かに残留しているスラッジ等の不純物が沈澱分離され第2の被処理液貯留タンク30の底面に堆積される。
【0054】
上記被処理液は、さらに上方に流れ、濾過フィルタ34を通過すると、沈澱分離されずに被処理液内に僅かに残留されたスラッジ等の不純物が濾過される。
【0055】
ここで、上記被処理液は不純物が沈澱分離された後の被処理液であるため、上記濾過フィルタ34に捕捉される不純物は僅かな量であり、また、この被処理液の濾過は、下方から上方に向けての濾過であるため、上記濾過フィルタ34で捕捉された不純物は、ある程度の量になると上記第2の貯留タンク30の底面側に沈澱される。このため、濾過フィルタ34の交換寿命を長く維持することができる。
【0056】
上記濾過フィルタ34によって濾過された被処理液は、さらに上方に流れ、堰30aよりオーバーフローし集液溝36に流れ込む。このとき、上記被処理液に僅かに残留した油分等は、被処理液よりも比重が軽いため、液面に浮遊する。この浮遊した油分等は、油液分離壁37によってせき止められ、上記集液溝36には、被処理液のみが図3中矢印Dで示すように流入される。この集液溝36に流入されたクリーンな被処理液は、被処理液流出管38を通って上記クリーン側タンク室9に戻される。
【0057】
尚、上記油液分離壁37によって分離された油分は、バキュームエアー等によって人為的に適宜除去される。
【0058】
このように、上記第2の浄化装置2の被処理液貯留タンク30は、下から順に沈澱槽、濾過槽、油液分離槽として作用し、上記第1の浄化装置1で浄化された被処理液をより清澄な被処理液とすることができる。従って、上記被処理液は高いレベルでの浄化状態が維持され、被処理液の交換サイクルが飛躍的に延びる。
【0059】
ここで、上記第1の浄化装置1のみで洗浄機用の被処理液(洗浄液)を洗浄した場合と、上記第1の浄化装置1と上記第2の浄化装置2とを併用して上記被処理液を浄化する場合とを比較すると、上記第1の浄化装置のみで浄化作用を行った場合、被処理液の交換サイクルが4週間程度であったのに対し、上記第1の浄化装置1と上記第2の浄化装置とを併用した本発明による浄化システムでは、被処理液の交換サイクルは6ヶ月程度となる。このため、廃液処理回数を減少させることが可能となり、ランニングコスト,廃液処理コストの削減が可能となる。また、廃液処理回数を減少させることは、廃液排出量を減少させることにもつながり、環境にも良い。
【0060】
尚、上記第2の浄化装置2を常時に稼動させなくても充分な浄化作用を得ることができる場合は、上記第2の浄化装置2を断続的に稼動させ浄化作用を行っても良い。この場合、複数の第1の浄化装置1,1,…を併設し、1台の第2の浄化装置2を所定期間毎に連結して、順次、各第1の浄化装置1の被処理液を浄化することができる。また、上記第2の浄化装置2を台車の移動手段に乗せ、複数の第1の浄化装置1,1,…間を移動させて、順次、被処理液の浄化を行っても良い。
【0061】
ところで、上記第2の浄化装置2を清掃する際は、まず、ドレインバルブ40を開弁して被処理液の上澄み部分を抜き取る。次いでドレインバルブ39を開弁し、第2の浄化装置2の底部に堆積された、スラッジ等を多く含む被処理液を抜き取り清掃を行う。尚、上記被処理液の上澄み部分は、再利用可能である。
【0062】
尚、本実施の形態では、洗浄機で使用される洗浄液を被処理液とし、この洗浄液の浄化システムを説明したが、上記被処理液は洗浄液に限らず、例えば、上記浄化システムを研削作業時に用いられる研削液(クーラント)の浄化に適用しても良い。
【0063】
また、本実施の形態では、上記第1の浄化装置1は、浄化機構としてスクレーパ付のコンベアと回転板とを備えた構成としたが、その他の浄化機構を備えたものを第1の浄化装置とし、この第1の浄化装置に上記第2の浄化装置2を連結して浄化システムを構成しても良い。
【0064】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、第1の浄化装置に第2の浄化装置を併設し、上記第2の浄化装置を上記第1の浄化装置と併用することにより、第1の浄化装置では除去することが困難であった微細な不純物を浄化し、被処理液を長期に亘り使用することを可能にするとともに、ランニングコスト,廃液処理コスト等を低くすることが可能な浄化システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】浄化システムの平面図
【図2】浄化システムを構成する第2の浄化装置を示す斜視図
【図3】図1における第2の浄化装置のI-I断面図
【図4】浄化システムを構成する第1の浄化装置の第1の浄化機構を示すII-II断面図
【図5】第1の浄化装置のIII-III断面図
【図6】第1の浄化装置の第2の浄化手段を示す斜視図
【図7】第1の浄化装置のエアー撹拌機を示す斜視図
【符号の説明】
1 … 第1の浄化装置
2 … 第2の浄化装置
30 … 第2の被処理液貯留タンク(被処理液貯留タンク)
31 … 被処理液導入筒
31a … 被処理液流入口
31b … 被処理液拡散孔
32 … 被処理液流入管
34 … 濾過フィルタ
36 … 集液溝
37 … 油液分離壁
38 … 被処理液流出管
Claims (1)
- 生産工程で使用される被処理液の循環回路に介装し、この被処理液中に混入されている不純物を除去する第1の浄化装置と、上記第1の浄化装置に併設可能な第2の浄化装置とを備え、
上記第1の浄化装置は、被処理液中の不純物を沈殿させて分離するダーティー側タンク室と上記ダーティー側タンク室にて不純物を沈殿分離させた後の被処理液を貯留すると共に貯留した被処理液を撹拌するエアー撹拌機を備えたクリーン側タンク室からなり、
上記第2の浄化装置に、
上記被処理液を貯留する被処理液貯留タンクと、
上記被処理液タンク内の上下方向の中部よりやや上側に配置され上記被処理液タンク内を区画する濾過フィルタと、
上記被処理液貯留タンクの略中央に上記濾過フィルタを上下方向に貫通して挿通された被処理液導入筒と、
上記被処理液導入筒の上記被処理液貯留タンクの底部に臨まされた下端部近傍に上記被処理液導入筒の外周に処理液を均等に拡散すべく設けられた複数の被処理液拡散孔と、
上記被処理液貯留タンクの上端部に形成した堰と、
上記堰の内周に配設すると共に、その下端を上記堰より低い位置に臨ませる油液分離壁と、
上記堰の外周に併設した集液溝とを有し、
上記クリーン側タンク室と上記被処理液導入筒を連結自在に連結し、被処理液を被処理液導入筒に供給可能とする被処理液流入管と、
上記集液溝を上記クリーン側タンク室に連結可能にする被処理液流出管とを備えたことを特徴とする浄化システム。
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