JP3650388B2 - アレルゲン除去剤 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通常の清掃では除去することが難しいアレルゲンを効果的に除去するための剤及びその方法に関するものであり、特には、ダニの死骸や糞、カビの胞子、花粉などのアレルギーの抗原となる物質であるアレルゲンを効率良く除去することを可能とするための剤及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ダニ、ユスリカ、ゴキブリ及びこれらの死骸もしくはこれらの糞が塵化したもの、ペットの体毛の破断物、花粉、並びに、カビの胞子は、これらを抗原としたアレルギー症状を引き起こすと考えられており、いわゆるアレルゲンによる人体への影響は社会的な問題になっている。特にダニ類に関しては、室内環境の快適化と引き換えにその繁殖が助長され、喘息、アトピー性皮膚炎あるいはアレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患の原因物質の存在が顕在化している。特に、ヤケヒョウヒダニ、ケナガコナダニあるいはコナヒョウヒダニなどのダニ類は、畳、絨毯などの敷物類や毛布、布団などの寝具などに生息し増殖しており、このようなダニ類の駆除はアレルギー疾患を持つ人たちばかりでなく、一般の家庭においても高い関心が持たれている。抗ダニ剤や殺ダニ剤に関しては多くの技術が提案されている。例えば、特許文献1には、抗ダニ成分としてフェニルイソチオシアネートを含有し、フェニルイソチオシアネートの刺激臭緩和成分としてセスキテルペン化合物、脂環式化合物又は芳香系化合物から選ばれる香料を含有させた抗ダニ剤が記載されている。しかしながら、その死骸や糞などもアレルゲンになることが知られており、これらアレルゲンの無害化が検討されている。
【0003】
特許文献2には没食子酸やその低級アルコールエステル等の特定の化合物を用いたアレルゲンの除去方法が開示されている。特許文献3にはタンニン酸と特定の溶剤を含有したアレルゲンの除去剤が開示されている。また、特許文献4には特定の溶剤がアレルゲンの無害化に有効であることが開示されている。
【0004】
その他アレルゲン除去方法の技術として、特許文献5には、有機溶剤、タンニン酸などのポリフェノール類、ヒドロキシアパタイト、カチオン系界面活性剤から選ばれる一種以上を用いる化合物を含有するアレルゲン除去剤を微小粒子にして空間に放出し、該放出粒子によってアレルゲンを除去する剤と方法が記載されており、さらには該剤を液体、粉体、シート状、ハニカム状の担持体で保持収納する容器内に物理的吸引によってアレルゲンを含有する空気を通過させてトラップするアレルゲン除去方法が記載されている。同様に特許文献6には、アレルゲンを不活性化又は除去するハウスダスト処理剤を含有する溶液または分散液を特定噴霧粒子径でスプレーする方法が記載されている。
【0005】
また、高分子化合物を用いたアレルゲンを抑制する技術も知られている。特許文献7には皮膜形成性ポリマーを含有したアレルゲン抑制剤の技術が開示されている。特許文献8にはポリビニルアルコールを用いたハウスダストの不活性化に関する技術が開示されている。特許文献9には第4級アンモニウム基を有する高分子化合物を含有する抗アレルゲン組成物の技術が開示されている。特許文献10にはスルホン酸変性ポリビニルアルコ−ル系共重合体を用いたアレルゲンを不活性化させ、花粉症用マスク、カ−テン、カ−ペット等に有用な花粉症アレルゲン除去材の技術が開示されている。
【0006】
しかしながら、これらの従来のアレルゲン除去方法ないし除去剤は、タンパク質を変性させアレルギー発症の要因となるIgE抗体との結合能力を低下させ無害化させることを“除去”と称しているものであったり、吸着性のある物質と接触吸着させることで、アレルギーの発症を抑制しようとするというものである。また、高分子化合物を用いる方法は、アレルゲン固着剤あるいは凝集剤として用いるものである。
【0007】
特許文献11には、ダストコンロールテストにより繊維に残留するダストの量が30%以上であり、且つ摩擦率解析法によるMIU値が3.0以下のアレルゲン無害化組成物が記載されており、具体的な化合物として高分子重合体が記載されている。本出願は、アレルゲンをポリマーを用いることで対象表面からの飛散を抑制させることを目的としている。更に特許文献12には、アレルゲン無害化金属イオンと溶媒を含有するスプレー可能なアレルゲン中和組成物が記載されており、無害化金属イオンとして2価金属イオンが挙げられており、更にアレルゲン変性剤としてポリフェノール、過酸化水素、安息香酸、クエン酸他の剤を含有することが記載されている。特許文献13には、アルミニウムイオンの少なくとも60%が硫酸、塩素、硝酸、硫酸カリウムから選ばれるアニオンの塩として供給されるアルミニウムイオンと溶媒を含有する非生物対象に使用するためのアレルゲン無害化組成物が開示されている。これら技術はいずれも、アレルゲンを除去することが目的ではなく、アレルゲンを改質させ無害化を目的とするものである。
【0008】
従って、従来のアレルゲン除去剤は、固体表面からのアレルゲンの除去を目的とするものではなく、処理後もアレルゲン又はその前駆物質は依然として残存しているため、十分にアレルゲンの影響を排除するものではない。またこれらの技術により変性されたアレルゲンに繰り返し暴露されると変性されたアレルゲンそのものが新たなアレルゲン物質となり、アレルギー発症の要因となり得る。さらに、対象物に繰り返し使用すると対象物に上記除去剤が蓄積され、べとつくなどの感触の変化を引き起こすという問題も生じる。
【0009】
ところで、ダニや、ダニの糞、花粉、カビの胞子などの生物に由来するアレルゲンは、掃除機などの掃除道具を用いて丁寧に清掃することが有効であることが知られているが、畳、絨毯などの敷物類や毛布、布団などの寝具にはこれらの奥底にまでアレルゲン物質が存在するため容易には除去することができない。例えば床の掃除には1m2当たり20秒以上掃除機をかけることや、寝具類においても1週間に1回は丁寧に掃除機をかけるなどの方法がダニアレルゲンを室内環境から効率よく除去するための方法として推奨されているが、日常的に行っていくことは非常に困難を伴うものである。このため、簡単な清掃操作でアレルゲンを効率よく除去する方法が求められている。
【0010】
清掃の面から従来技術としては、ダニが生息するカーペット用洗浄剤として、洗浄液を含浸させた粉末をカーペットに散布した後、ブラシを用いて粉末とカーペットを擦りつけた後、掃除機で粉末を吸引することでカーペットを洗浄する方法が知られている。また、その他のカーペット用洗浄剤としては、特許文献14には、ラウリルアルコール80〜95部、デシルアルコール5〜20部を配合して得られる混合アルコールの硫酸エステルのリチウム塩とビルダーとしてP25を70〜85%含有するポリリン酸のリチウム塩よりなる組成物の全固形物が10〜40%となる如く水を含有させた液体のカーペットシャンプー組成物の発明が記載されており、更には該カーペットシャンプーをカーペットに噴射し、カーペット表面に広げブラッシュにより擦り洗いを行い、乾燥後粉末化した洗液残渣をバキューム除去することが記載されている。また特許文献15には、水溶性有機界面活性剤、高級膨潤性脂肪アルコール及び水不溶性の珪酸化合物からなる絨毯等に用いる洗浄用組成物が記載されており、該組成物からなる泡を絨毯上に生成させ、泡が消失し乾燥してから真空掃除機で処理することが記載されている。このように、カーペットの洗浄のために粉末又は液体を塗布し、乾燥後の粉末を掃除機などで吸引する方法は既に知られている。しかしながら、これらのカーペット洗浄は、アレルゲン除去を目的とするものではなく、カーペット汚れの除去を目的とする洗浄剤であるため、界面活性剤を多く含み、更には塗布状況が目で見てわかるように、粉末であったり、或いは乾燥後判りやすくするために固体源物質濃度が高い。アレルゲン除去において剤中の固体源物質の濃度は少量で十分な効果を得ることができ、一方で界面活性剤濃度が高い場合は、処理表面に残りやすくなり好ましくない。
【0011】
【特許文献1】
特開平9−157116号公報
【特許文献2】
特開平6−279273号公報
【特許文献3】
特開昭61−44821号公報
【特許文献4】
特開2000−63207号公報
【特許文献5】
特開2000−264837号公報
【特許文献6】
特開2002−128659号公報
【特許文献7】
特開昭56−49080号公報
【特許文献8】
特開2002−128680号公報
【特許文献9】
特開2001−354573号公報
【特許文献10】
特開平7−171387号公報
【特許文献11】
国際公開第02/28179号パンフレット
【特許文献12】
国際公開第02/28187号パンフレット
【特許文献13】
国際公開第02/062354号パンフレット
【特許文献14】
特開昭53−130704号公報
【特許文献15】
英国特許第1343312号明細書(特開昭46−2934号公報のパテントファミリー)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の課題は、固体表面に付着した通常の清掃では除去しにくいアレルゲン物質を簡単な清掃操作で効率よく除去でき、しかも被処理物の感触を変化させないアレルゲン除去剤及びアレルゲン除去方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記(a)成分、(b)成分、(c)成分、及び(d)成分を含有するアレルゲン除去剤に関する。
(a)成分:水と共沸混合物を形成し、1013.25hPaにおける水との共沸温度が100℃未満になる有機化合物
(b)成分:水
(c)成分:(a)成分及び(b)成分の少なくとも一方に溶解し、該アレルゲン除去剤中の液体成分の蒸発により固体を生成させる固体源物質〔但し、下記(d)成分を除く〕
(d)成分:重量平均分子量1000以上の水溶性高分子化合物〔但し、固体源物質としてのポリオキシアルキレンアルキルエーテルは(c)成分とする〕
また、本発明は、上記本発明のアレルゲン除去剤をアレルゲンが存在する被処理物に接触させること、該接触部分に前記アレルゲン除去剤に由来する固体を析出させること、及び該固体と共にアレルゲンを被処理物から除去すること、を含むアレルゲンの除去方法に関する。
なお、本発明において、アレルゲンとは、通常、広くアレルギーの原因物質を指すが、本発明では特にダニ、ユスリカ、ゴキブリ及びこれらの死骸もしくは糞が塵化したもの、ペットの体毛の破断物、ペットの唾液中のタンパク質の乾燥物、花粉、並びに、カビの胞子を指すものとする。本発明のアレルゲン除去剤は、これらのアレルゲン中でも清掃除去が難しい100μm以下のものを除去するのに効果的である。
【0014】
本発明のアレルゲン除去剤及び除去方法は、アレルゲンが存在する表面上で固体を析出させることで、対象表面、特にはカーペット等のアレルゲンが発生しやすく、除去が困難な繊維製品等からのアレルゲンの除去を容易にし、アレルゲンの発現を抑制すると共に、更には、掃除機などを使用してアレルゲンを除去する際に、アレルゲンの紙パックや集じんフィルターなどへの捕集性を向上させるという作用を有する。
【0015】
【発明の実施の形態】
<(a)成分>
本発明の(a)成分は水と共沸混合物を形成し、1013.25hPa(760mmHg)における水との共沸温度が100℃未満になる有機化合物であり、化学便覧基礎編 改訂4版 日本化学会編 丸善(株) II−147頁 表8・43に記載の水と共沸混合物を形成する化合物から共沸温度が100℃未満、好ましくは60〜90℃の化合物を用いることができる。(a)成分を併用することにより、本発明のアレルゲン除去剤で処理された繊維の乾燥が促進され、(c)成分に由来する固体の生成が促される。(a)成分の好ましい具体例としてはエタノール、シクロヘキサン、2−ブタノール、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、シクロヘキサン、トルエン、1-ブタノール、2-ブタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ヘキサノール、ヘキサン、1−ヘプタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノールを挙げることができ、炭素数2〜7のアルコール化合物が好ましい。特にエタノール、1−プロパノール、2−プロパノールがアレルゲン除去効果の点から最も好ましい。
【0016】
<(b)成分>
本発明の(b)成分は水であり、(a)成分、(c)成分、(d)成分及びその他成分を含有する剤の残部であるが、一部の(c)成分の溶媒でもある。水は多少の金属イオンを含んだもの(そのイオンは(c)成分となってもよい)を使用してもよいが、保存安定性の上でイオン交換水を用いることが好ましい。
【0017】
<(c)成分>
本発明の(c)成分は(a)成分及び/又は(b)成分に溶解し、その溶液の乾燥後に(c)成分自体又は(c)成分に起因する固体を生成する性質を示す。(c)成分は、アレルゲン除去剤中の少なくとも(a)成分及び/又は(b)成分に溶解して存在し、該除去剤中の液体成分の蒸発により固体を生成させる固体源物質〔但し、下記(d)成分を除く〕である。ここで、液体成分の蒸発とは、液状成分の全てが蒸発することではなく、固体の生成に十分な液状成分の蒸発量を意味する。すなわち、本発明のアレルゲン除去剤中の液状成分は主に(a)成分と(b)成分であるが、後述の香料等、揮発性の低い液状成分を少量含む場合、それらは必ずしも蒸発する必要はない。このような性質を示す(c)成分を含有することで、本発明に係わるアレルゲン除去剤は、アレルゲンが存在する繊維に噴霧ないし塗布等された後、当該処理部分の乾燥により固体を生成する。その際、該固体が、アレルゲンを担持して生成する、あるいは繊維の表面からアレルゲンの剥離を容易にする、などの理由により、簡単な除去操作によるアレルゲンの除去効率を向上させるものと考えられる。
【0018】
本発明のアレルゲン除去剤において、(c)成分は、下記(c1)成分及び(c2)成分から選ばれる1種以上の化合物が好ましい。
(c1)成分:1013.25hPa、25℃で固体状態である有機化合物(但し高分子化合物を除く)
(c2)成分:無機性陽イオンと無機性陰イオンの組合せ。
【0019】
このうち、(c1)成分は、下記の(c1−1)成分、(c1−2)成分及び(c1−3)成分から選ばれる一種以上が好ましい。
(c1−1)成分:融点が25℃以上の有機化合物〔但し、高分子化合物、(c1−2)及び(c1−3)を除く〕
(c1−2)成分:含水率が5質量%以下で、25℃において固体状態である界面活性剤
(c1−3)成分:クエン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、マロン酸、マレイン酸、アジピン酸、乳酸、フタル酸、テレフタル酸、アスパラギン酸、アゼライン酸、グルタミン酸、グルタル酸、蓚酸、グリシン及びこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩
(c1−1)成分は、夏場などの暑い季節を考慮するならば、好ましくは35℃以上の融点を有するものが好ましい。
【0020】
(c1−1)成分は、処理後のアレルゲンが繊維表面から除去されやすいように吸湿性の低いものが好ましい。吸湿性については、下記の吸湿性試験により測定される吸湿度が0〜2、好ましくは0〜1、特に0〜0.5の化合物が好適である。
【0021】
(吸湿性試験)
(c1−1)成分を粉砕し、篩により500〜1000μmに分級する。この分級したもの1g(Wa)を直径7cm、深さ1.5cmの円柱状のガラス製シャーレに入れ、全体の質量を測定する(Wb)。次に湿度80%、温度20℃の恒温室に24時間放置した後の全体の質量を測定し(Wc)、次式により吸湿度を求める。
吸湿度=(Wc−Wb)/Wa
また、(c1−1)成分は水に対する溶解性に乏しいものが好ましい。具体的には、20℃における水への溶解度が好ましくは0.02g/100g以下、より好ましくは0.01g/100g以下であるが、(c1−1)成分はアレルゲン除去剤中、溶解した状態にあることが好ましく、従って、20℃における(a)成分への溶解度が好ましくは0.05g/100g以上、より好ましくは0.1g/100g以上である。ここで溶解度は化学大辞典9(共立出版社)、399頁、溶解度試験に記載の方法で求めることができる。
【0022】
(c1−1)成分の具体的に好ましい化合物としては下記(c1−1−1)成分、(c1−1−2)成分及び(c1−1−3)成分から選ばれる化合物が好適である。
(c1−1−1)成分:融点が40〜250℃、好ましくは60〜210℃、炭素数10〜25、好ましくは10〜20の脂環式化合物
(c1−1−2)成分:融点が35℃以上、好ましくは35〜200℃、炭素数8〜36、好ましくは12〜20の脂肪族化合物
(c1−1−3)成分:融点が40〜200℃、炭素数7〜24、好ましくは7〜20の芳香族化合物
(c1−1−1)成分の具体的に好ましい化合物としてはカンフェン、l−メントール、ボルネオール、セドロール、t−ブチルシクロヘキサノール、ショウノウ、p−t−ブチルシクロヘキサノン、マルトール、シクロペンタデカノン、ヒノキチオール、カリオフィレンオキサイド、ブッコキシム(Dragoca社製)、を挙げることができる。
【0023】
(c1−1−2)成分の具体的に好ましい化合物としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、n−テトラデシルアルデヒドを挙げることができる。
【0024】
(c1−1−3)成分の具体的に好ましい化合物としてはジメチルフェニルカルビノール、フェニルグリコール、バニリン、エチルバニリン、ベンゾフェノン、メチルナフチルケトン、クマリン、ムスクキシレン、ムスクケトン、ムスクアンブレット、ムスクチベテン、ムスクモスケン(ジボダン社製)、セレストリド(IFF社製)、ベルサリド(ジボダン社製)、トナリド(PFWアロマケミカル社製)、ジメチルハイドロキノン、チモール、トランス−ベンジルイソオイゲノール、β−ナフトールメチルエーテル、安息香酸、桂皮酸、フェニル酢酸、ヒドロ桂皮酸、酢酸イソオイゲノール、桂皮酸シンナミル、サリチル酸フェニルエチル、アニス酸メチル、インドール、スカトール、ローズフェノン、メチルアトラレート、ラズベリーケトン、ヘリオトロピルアセトン、3−メチル−4−イソプロピルフェノール、p−クロロ−m−キシレノールを挙げることができる。これら(c1−1−3)の化合物は20℃における水への溶解度が0.02g/100g以下であり、且つ20℃における(a)成分への溶解度が0.05g/100g以上のものである。
【0025】
本発明に係わるアレルゲン除去剤では(c1−1)成分としては、特にセドロール、l−メントール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、カンフェン、チモールが好ましい。
【0026】
なお、(c1−1)成分からは、後述の(c1−2)成分のような界面活性剤と後述の(c1−3)成分の有機酸又はその塩とが除かれるが、本発明の界面活性剤とはc.m.c(臨界ミセル濃度)を有するか、又は界面活性剤便覧(産業図書株、昭和35年発行)319頁に記載の方法で求めたHLBが6以上であるか、もしくはその両方の性質を有する化合物であり、これら性質を持たず、且つ融点が25℃以上の化合物は(c1−1)成分として取り扱うものとする。
【0027】
(c1−2)成分は、含水率が5質量%以下において、25℃、好ましくは35℃で固体状態である界面活性剤である。(c1−2)成分としては、前記の吸湿性試験において吸湿度が0〜2、好ましくは0〜1、特に0〜0.5の化合物である。
【0028】
(c1−2)成分としては、炭素数8〜20のアルキル基を有する非イオン界面活性剤及び炭素数8〜20のアルキル基を有する陰イオン界面活性剤が好ましく、特に下記(c1−2−1)成分〜(c1−2−3)成分の界面活性剤を挙げることができる。
(c1−2−1)成分:炭素数14〜20のアルキル基と、硫酸エステル基及び/又はスルホン酸基とを有する陰イオン界面活性剤
(c1−2−2)成分:炭素数8〜20の脂肪族アルコールにアルキレンオキシド、好ましくはエチレンオキシド(以下、EOと表記する)を20〜150モル付加させたポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル
(c1−2−3)成分:炭素数14〜18の飽和脂肪酸塩
(c1−2−1)成分の具体的な好ましい例としては、炭素数14〜20のアルキル硫酸エステル塩、炭素数14〜20のアルキル基及び平均付加モル数1〜6のポリオキシアルキレン(好ましくはエチレン)アルキルエーテル硫酸エステル塩、炭素数14〜20のα−オレフィンスルホン酸塩、炭素数14〜20のα−スルホ脂肪酸低級アルキル(炭素数1〜3)エステル塩、アルキル基の炭素数が5〜19のアルキルベンゼンスルホン酸塩から選ばれる1種以上であり、特にアルキル硫酸エステル塩がアレルゲン除去効果の点から好ましい。塩としてはナトリウム塩又はカリウム塩が良好である。
【0029】
(c1−2−2)成分の化合物としては、下記一般式(1)の化合物が好ましい。
1−O−(R2O)a−H (1)
〔式中、R1は、炭素数8〜18、好ましくは10〜18、特に好ましくは14〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、R2は炭素数2又は3のアルキレン基であり、好ましくはエチレン基である。aは平均付加モル数として20〜150、好ましくは30〜150、特に好ましくは30〜100の数を示す。〕
一般式(1)の化合物において特に好ましい化合物は下記一般式(1−1)の化合物又は一般式(1−2)の化合物を挙げることができる。
3−O(EO)b−H (1−1)
〔式中、R3は炭素数14〜18の一級の直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基又は二級のアルキル基である。EOはエチレンオキサイドであり、bは平均付加モル数として20〜150、好ましくは30〜150、特に好ましくは30〜100である。〕
4−O[(EO)c/(PO)d]−H (1−2)
〔式中、R4は炭素数14〜18の一級のアルキル基である。EOはエチレンオキサイド、POはプロピレンオキサイドを示す。cは平均付加モル数20〜150、dは平均付加モル数1〜60である。EOとPOはランダム付加又はEOを付加した後、POを付加してもよく、またその逆のようなブロック付加体でもよい。〕。
【0030】
(c1−2−3)成分の化合物としては、ミリスチン酸、パルミチン酸及びステアリン酸のナトリウム塩及び/又はカリウム塩が好ましい。
【0031】
本発明に係わる(c1−2)成分としては(c1−2−1)が最も好ましく、特に炭素数14〜20のアルキル硫酸エステル塩、好ましくはナトリウム塩もしくはカリウム塩が好適である。
【0032】
また、(c1−3)成分として特に好ましい化合物はクエン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、マロン酸、マレイン酸、アジピン酸、フタル酸、テレフタル酸及びこれらの塩(好ましくはナトリウム塩及び/又はカリウム塩)であり、特にフタル酸及びその塩がアレルゲン除去効果の点から最も好ましい。
【0033】
なお、(c1−2)成分の界面活性剤は、何れも含水率〔(c1−2)成分中の水分〕が、5質量%以下の状態において、25℃、好ましくは35℃で、固体状態であることを規定しているが、含水率が5質量%を超える場合には、エタノール又はイソプロパノールを加え、エバポレーターにより減圧下共沸脱水を行い、含水率を5質量%以下にした後、そのものを直径7cm、深さ1.5cmの円柱状のガラス製シャーレに1g入れ、25℃、好ましくは35℃の恒温室に24時間放置した後、目視で(c1−2)成分の状態を観察することで確認できる。又は、DSC(示差走査熱量)測定において、25℃以上、好ましくは35℃以上の温度で、融解による熱量の吸熱ピークが存在することでも確認できる。また、水分はカールフィッシャー法(JIS K 33625)で求めることができる。
【0034】
(c2)成分は、無機性陽イオンと無機性陰イオンの組合せであって、これらイオンを含有する水溶液を乾燥してできる無機化合物が潮解性を示さないものである無機陽イオンと無機陰イオンの組合せである。(c2)成分において、本発明のアレルゲン除去剤を乾燥して析出する固体は、これら無機陽イオンと無機陰イオンを物質源として生成するものであり、水和物として析出する場合も考えられる。また多様な種類の無機イオンを混合する場合、その生成される固体は定かではないが、本発明では固体が析出するための無機イオンの組合せであればよい。
【0035】
(c2)成分をこのように規定する理由は、本発明の特徴が、乾燥後に固体を生成するという点にあるためであり、例えば、配合した化合物が複数の場合、更にはpH調整としてのアルカリ剤・酸剤の添加や、イオン解離性の界面活性剤や有機酸塩を併用するような場合、固体として析出してくる物質が、当初配合した物質と異なってくる可能性があるからである。しかしながら、本発明は、潮解性のない電解質の無機固体[(c2’)成分とする]を直接配合することを否定するものではない。本発明において“潮解性のない”とは、後述する低い吸湿性の化合物を指すものとする。
【0036】
(c2)成分は、無機性陽イオンがアルカリ金属イオン及びアルカリ土類金属イオンから選ばれる1種以上であり、無機性陰イオンが、硫酸イオン、炭酸イオン(炭酸水素イオンを含む)、リン酸イオン(リン酸1水素イオン、リン酸2水素イオンを含む)、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオンから選ばれる1種以上であることが好ましく、特には(c2)成分は、カリウムイオン、ナトリウムイオン及びマグネシウムイオンから選ばれる陽イオン(c2−c)と硫酸イオン、炭酸イオン(特に炭酸水素イオン)、フッ素イオン及び塩素イオンから選ばれる陰イオン(c2−a)の組合せが好ましい。ただし、得られる固体が潮解性になると考えられるイオンのみの組み合わせは好ましくない。
【0037】
このため、本発明では、潮解性のない電解質[本発明では水に溶解し、無機性陽イオンと無機性陰イオンを生成するものとする。]の無機固体[(c2’)成分]を含有するものであってもよい。具体的には、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、及び塩化カリウムから選ばれる1種以上の無機塩を配合することが好ましい。さらに、本発明で好ましい無機塩は、下記の吸湿性試験により測定される吸湿度が0〜2、更に0〜1、特に0〜0.5の化合物である。
【0038】
(吸湿性試験)
(c)成分の供給源となる無機塩10gを100mlの水に溶解させ、縦20cm、横16cm、深さ3cmのステンレス製バットに入れ、減圧乾燥機で水を除去する(乾燥時の温度は30℃、減圧度は200mmHg、乾燥時間は1週間である)。析出した結晶を粉砕し、篩により500〜1000μmに分級する。この分級したもの1g(W1)を直径7cm、深さ1.5cmの円柱状のガラス製シャーレに入れ、全体の質量を測定する(W2)。次に湿度80%、温度20℃の恒温室に24時間放置した後の全体の質量を測定し(W3)、次式により吸湿度を求める。
吸湿度=(W3−W2)/W1
より具体的に好ましい無機塩[(c2’)成分]としては、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、及び塩化カリウムを挙げることができ、特に硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、フッ化ナトリウム、及び塩化ナトリウムから選ばれる1種以上が好適である。
【0039】
本発明の(c)成分は(c1)成分と(c2)成分[(c2’)成分]の混合物であってもよく、(c1−2)成分がイオン性の界面活性剤の場合や(c1−3)成分が有機酸塩の場合は、その対イオンについては、(c2)として考慮してもよい。基本的には(c)成分を含有する本発明のアレルゲン除去剤から固体が析出するような組合せであればよい。
【0040】
なお、本発明の(c)成分のうち、より好ましいものは、(c1−1)成分及び/又は(c2)成分であり、最も好ましいものは、(c2−c)成分と(c2−a)成分の組合せ、又は(c2’)成分としての、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウムを挙げることができ、特に硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、フッ化ナトリウム及び塩化ナトリウムから選ばれる1種以上が好適である。しかしながら、(c1)で示される有機化合物、特に(c1−2)などの界面活性剤は、対象表面へ残留することが懸念されるため、その配合量は控えめにすることが好ましい。
【0041】
<(d)成分>
本発明の(d)成分は重量平均分子量1000以上の水溶性高分子化合物〔但し、固体源物質としてのポリオキシアルキレンアルキルエーテルは(c)成分とする〕である。ここで本発明でいう水溶性とは、撹拌や加熱等の操作によって100gのイオン交換水に0.5g溶解させた場合に、20℃における外観が均一になる物質と定義する。
【0042】
具体的に好ましい水溶性高分子化合物としては、下記ポリマ−(1)〜ポリマー(4)の化合物から選ばれる化合物が好適である。
ポリマー(1);セルロース誘導体及び/または化工澱粉
ポリマー(2);アクリル酸もしくはメタクリル酸のホモポリマー及び/又はアクリル酸もしくはメタクリル酸と他のビニル系モノマーの1種又は2種以上とのコポリマー並びにこれらの塩
ポリマー(3);アクリル酸及び/又はメタクリル酸とそれらのアルキルエステルの1種又は2種以上とを重合して得られるコポリマー又はその塩
ポリマー(4);分子中に陽イオン基及びビニル基又はアリル基を有する単量体を重合して得られるポリマー、又は該単量体と共重合可能な単量体とのコポリマー
以下、各高分子化合物について詳細に説明する。
【0043】
〔ポリマー(1)〕
本発明のポリマー(1)はセルロース誘導体及び/又は化工澱粉である。セルロース誘導体としては、ヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)セルロース、アルキル(炭素数1〜3)セルロース(好ましくはメチルセルロース、エチルセルロース)、カルボキシメチルセルロース、第4級アンモニウム基を有するカチオン化セルロースから選ばれる1種以上が好ましい。
【0044】
化工澱粉としては、ヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)澱粉、アルキル(炭素数1〜3)澱粉、カルボキシメチル化澱粉、第4級アンモニウム基を有するカチオン化澱粉、及びこれらを過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤又は酵素により低粘度化したもの等の化工澱粉が挙げられる。
【0045】
本発明では特にセルロース、ヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)セルロース、アルキル(炭素数1〜3)セルロースから選ばれるセルロース誘導体、及び澱粉、ヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)澱粉、アルキル(炭素数1〜3)澱粉、カルボキシメチル化澱粉から選ばれる澱粉誘導体のヒドロキシ基の水素原子の一部又はすべてが下記一般式(2)で示される基で置換された高分子化合物が好ましい。
【0046】
−R5−(OR6)e−E−R7 (2)
[式中、R5はヒドロキシ基又はオキソ基が置換していてもよい炭素数1〜6、好ましくはエチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、2−ヒドロキシトリメチレン基、1−ヒドロキシトリメチレン基、1−オキソエチレン基、1−オキソトリメチレン基、1−メチル−2−オキソエチレン基であり、特に2−ヒドロキシトリメチレン基、1−ヒドロキシトリメチレン基が好ましい。R6は炭素数1〜6のアルキレン基、好ましくはエチレン基、プロピレン基であり、R7はヒドロキシ基で置換していてもよい炭素数4〜30、好ましくは5〜25、より好ましくは6〜20のアルキル基であるか、又はヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜5のスルホアルキル基、好ましくは2−スルホエチル基、3−スルホプロピル基、3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基、2−スルホ−1−(ヒドロキシメチル)エチル基である。Eはエーテル基又はオキシカルボニル基、好ましくはエーテル基であり、eは平均付加モル数であり、好ましくは0〜50、より好ましくは0〜40、さらに好ましくは0〜30、特に好ましくは0〜20、最も好ましくは10〜20の数である。また、e個の(OR6)は同一でも異なっていてもよい]。
【0047】
セルロ−ス誘導体及び澱粉誘導体のアルキル基又はヒドロキシアルキル基の置換度は構成単糖残基当たり好ましくは0.01〜3.5、より好ましくは0.1〜3、さらに好ましくは1〜3、特に1.5〜2.8が好ましい。また、一般式(2)の置換基の置換度は構成単糖残基当たり好ましくは0.0001〜1、より好ましくは0.0005〜0.5、さらに好ましくは0.001〜0.1、特に0.001〜0.05が好ましい。また、一般式(2)においてR7がスルホアルキル基の場合にはスルホアルキル基の置換度は構成単糖残基当たり好ましくは0〜1、より好ましくは0〜0.8、特に0〜0.5が好ましい。さらに、該高分子化合物の重量平均分子量は、好ましくは1万〜200万、より好ましくは5万〜150万、特に好ましくは10万〜60万が好適である。なお、重量平均分子量はパルスアンペロメトリック検出器付き高性能陰イオン交換クロマトグラフィー(HPAEC)やキャピラリー電気泳動法により求めることができる。
【0048】
また、該高分子化合物はWO00/73351号公報記載の方法でセルロース誘導体又は澱粉誘導体とR8−(OR6)e−E−R7[R8は炭素数3〜6のエポキシ化アルキル基、又はヒドロキシ基で置換していてもよい炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、又はカルボキシ基若しくは炭素数2〜6のカルボキシアルキル基若しくはそれらの誘導体を示し、R6、e、E、R7は前記と同一の意味である]で示される化合物と反応させ、所望により通常のスルホン化剤でスルホン化することで得られる。
【0049】
〔ポリマー(2)〕
ポリマー(2)は、アクリル酸もしくはメタクリル酸のホモポリマー及び/又はアクリル酸もしくはメタクリル酸と他のビニル系モノマー〔但し、後述するアクリル酸及び/又はメタクリル酸のアルキルエステル並びに一般式(3)のモノマーは除く〕の1種又は2種以上とのコポリマー並びにこれらの塩である。ポリマー(2)がコポリマーである場合には、アクリル酸もしくはメタクリル酸に由来するモノマー単位が30モル%以上、好ましくは50モル%以上が好適である。
【0050】
ポリマー(2)においてアクリル酸もしくはメタクリル酸と共重合可能なその他のビニル系モノマーとしては、マレイン酸、無水マレイン酸、ヒドロキシエチルアクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリル酸、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブテン、ペンテン、イソプレン、2−メチル−1−ブテン、n−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ブテン、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、インデン、ブタジエン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエンが挙げられる。これらの中でもマレイン酸、無水マレイン酸、ヒドロキシエチルアクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリル酸等の水溶性モノマー及びこれらのモノマーの塩が好ましい。特にアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸及びそれらの塩とスチレンが好ましい。
【0051】
ポリマー(2)の重量平均分子量は、1000〜600万が好ましく、更に好ましくは5000〜100万、特に好ましくは1万〜50万である。
【0052】
〔ポリマー(3)〕
ポリマー(3)は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸(3−1)とそれらのアルキルエステルの1種又は2種以上(3−2)とを重合して得られるコポリマー又はその塩であり、アルキルエステルのアルキル基の炭素数は8〜20、好ましくは10〜18である。ポリマー(3)の重量平均分子量は、好ましくは1000〜100万、より好ましくは5000〜50万、特に好ましくは1万〜10万である。また、上記(3−1)、(3−2)のモル比は、(3−1)/(3−2)=95/5〜5/95、更に90/10〜10/90が好ましい。
【0053】
〔ポリマー(4)〕
ポリマー(4)は、分子中に陽イオン基及びビニル基又はアリル基を有する単量体を重合して得られるポリマー、又は該単量体と共重合可能な単量体とのコポリマーである。
【0054】
陽イオン基及びビニル基を有する単量体の好ましい例として、下記一般式(3)の化合物を挙げることができる。
【0055】
【化1】
Figure 0003650388
【0056】
〔式中、R9、R10、R11は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基又は炭素数1〜3のアルキル基である。Xは炭素数1〜12のアルキレン基、−COOR15−、−CONHR15−、−OCOR15−、−R16−OCO−R15−から選ばれる基である。ここでR15、R16は、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキレン基である。R12は炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基又はR910C=C(R11)−X−である。R13は炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ベンジル基であり、R14はヒドロキシ基、カルボキシル基、スルホン酸基もしくは硫酸エステル基で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基又はベンジル基であり、R14がアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はベンジル基の場合は、Y-は陰イオンを示す。また、R14がカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基を含む場合、Y-は存在せず、R14中のこれらの基は陰イオンとなる。Y-の陰イオンとしては、ハロゲンイオン、硫酸イオン、炭素数1〜3のアルキル硫酸エステルイオン、炭素数1〜3のアルキル基で置換されていてもよい芳香族スルホン酸イオン、ヒドロキシイオンを挙げることができる。〕。
【0057】
これらの中でもアクリロイル(又はメタクリロイル)アミノアルキル(炭素数1〜5)−N,N,N−トリアルキル(炭素数1〜3)4級アンモニウム塩、アクリロイル(又はメタクリロイル)オキシアルキル(炭素数1〜5)−N,N,N−トリアルキル(炭素数1〜3)4級アンモニウム塩、N−(ω−アルケニル(炭素数3〜10))−N,N,N−トリアルキル(炭素数1〜3)4級アンモニウム塩、N,N−ジ(ω−アルケニル(炭素数3〜10))−N,N−ジアルキル(炭素数1〜3)4級アンモニウム塩が好ましく、特にジアリルジメチルアンモニウム塩が良好である。
【0058】
本発明のポリマー(4)は上記単量体に該単量体と共重合可能な他の単量体とのコポリマーであってもよい。この場合、ブロック、交互、周期、統計(ランダムを含む)、グラフト型の何れであってもよい。この共重合可能な他の単量体としては、下記群(i)〜(v)から選ばれる単量体が好ましく、(i)〜(iii)又は(v)の単量体がより好ましく、特に防汚効果の点から(i)、(ii)又は(v)の単量体が最も好ましい。
(i)アクリル酸又はその塩、メタクリル酸又はその塩、マレイン酸又はその塩、無水マレイン酸、スチレンスルホン酸塩、スルホプロピルメタクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸またはその塩、リン酸モノ−ω−メタクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜12)から選ばれる陰イオン基含有化合物
(ii)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリル酸(又はメタクリル酸)アミド、N,N−ジメチルアクリル(又はメタクリル)アミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリル酸(又はメタクリル酸)アミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリル酸(又はメタクリル酸)アミド、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−2−ピロリドンから選ばれるアミド基含有化合物(iii)アクリル酸(又はメタクリル酸)アルキル(炭素数1〜5)、アクリル酸(又はメタクリル酸)2−ヒドロキシエチル、アクリル酸(又はメタクリル酸)−N,N−ジメチルアミノアルキル(炭素数1〜5)、酢酸ビニルから選ばれるエステル基含有化合物
(iv)エチレン、プロピレン、N−ブチレン、イソブチレン、N−ペンテン、イソプレン、2−メチル−1−ブテン、N−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ブテン、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、アリルアミン、N,N−ジアリルアミン、N,N−ジアリル−N−アルキル(炭素数1〜5)アミン、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジンから選ばれる化合物
(v)二酸化硫黄。
【0059】
本発明のポリマー(4)は、上記陽イオン基及びビニル基を有する化合物に由来する構成単位が好ましくは50〜100モル%、より好ましくは70〜100モル%、特に好ましくは90〜100モル%である。また、重量平均分子量は、好ましくは1000〜500万、より好ましくは5000〜200万、特に好ましくは10万〜100万である。
【0060】
本発明のアレルゲン除去剤には特にポリマー(1)及びポリマー(4)の高分子化合物が好適であり、最も好ましくはポリマー(1)の高分子化合物である。
【0061】
なおポリマー(2)〜ポリマー(4)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーでポリエチレングリコールを標準物質として求めることができる。
【0062】
<その他の成分>
本発明では前記(a)成分〜(d)成分に加えて(e)成分として、(c)成分以外の香料を含有してもよく、特に殺ダニ剤、忌避剤などの作用効果を有するものが好ましい。
【0063】
(e)成分としては、「香料の化学」(赤星亮一著、日本化学会編 産業化学シリーズ 昭和58年9月16日発行)や「合成香料 化学と商品知識」(印藤 元一著、化学工業日報社、1996年3月6日発行)や「香料と調香の実際知識」(中島 基貴著、産業図書(株)、1995年6月21日発行)に記載のものを用いることができる。また、本発明ではアレルゲン除去効果を向上させる目的から、「周知・慣用技術集(香料) 第一部 香料一般」 2.6.4節記載の『誘引剤・忌避剤・フェロモン』および2.6.5節記載の『殺虫剤』や、特願2001−94696号公報記載のものから選ばれる1種以上を用いることが好適である。
【0064】
具体的には、ジャスモン、ジヒドロジャスモン、ジャスモン酸低級アルキル(炭素数1〜5)エステル、ジヒドロジャスモン酸アルキル(炭素数1〜5)エステル、ファルネソール、ネロリドール、フィトール、イソフィトール、ゲラニルゲラニオール、ゲラニルリナロール、サリチル酸ヘキシル、サリチル酸シス−3−ヘキセニル、サリチル酸ベンジル、L−メントン、ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、α−アミルケイ皮アルデヒド、桂皮アルコール、桂皮酸エチル、安息香酸ヘキシル、安息香酸シス−3−ヘキセニル、シトロネロール、d−リモネン、ゲラニオール、テルピネオール、1,8−シネオール、オイゲノール、α−ヘキシルケイ皮アルデヒド、ベンジルアセテート、ベンジルプロピオネート、サリチル酸アミル、サリチル酸イソアミル、ベンズアルデヒド、桂皮アルデヒド、桂皮酸プロピル、桂皮酸イソプロピル、安息香酸アミル、安息香酸イソアミル、安息香酸ヘプチル、イロン(Irone)、ダマスコン(Damascone)、シトラール、ピネン、イオノン(Ionone)、メチルオイゲノール、イソオイゲノール、酢酸シンナミル、安息香酸オクチル、テトラハイドロリナロール(Tetrahydrolinalool)、ボルニルアセテート(Bornyl Acetate)、ミルセニルアセテート(Myrcenyl Acetate)、セドリルアセテート(Cedryl Acetate)、ラベンダリーアセテート(Lavandulyl Acetate)、シトロネリルイソブチレート(Citronellyl Isobutyrate)、テルピニルプロピオネート(Terpinyl Propionate)、リナリルホルメート(Linalyl Formate)、シトロネリルチグレート(Citronellyl Tigrate)、ノピルアセテート(NopylAcetate)、ベチベリルアセテート(Vetiveryl Acetate)、リラール(Lyral:IFF社製)、シトロネリルオキシアセトアルデヒド(Citronellyloxyacetaldehyde)、2,6,10−トリメチル−9−ウンデカナール(2,6,10−Trimethyl−9−Undecanal)、ヌートカトン(Nootkatone)、セドリルメチルエーテル(Cedryl Methyl Ether)、イソメントン(Isomenthone)、シトロネラール、p−メンタン、p−メンタン−8−エン−1,2−ジオール、ベンジルホーメイト、ベンジルブチレート、ベンジルバレレート、ベンジルカプリレート、安息香酸ベンジル、カリオフィレン、サンタロール、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ギ酸リナリル、シンナミックアルデヒド、安息香酸フェニルエチル、サリチル酸ブチル、サリチル酸イソブチル、サリチル酸メチル、ヘキサン酸ベンジル、オクタン酸ベンジル、フェニルプロピルアルコールから選ばれる1種以上が好ましく、より好ましくはジャスモン、ジヒドロジャスモン、ジャスモン酸低級アルキル(炭素数1〜5)エステル、ジヒドロジャスモン酸アルキル(炭素数1〜5)エステル、ファルネソール、ネロリドール、フィトール、イソフィトール、ゲラニルゲラニオール、ゲラニルリナロール、サリチル酸ヘキシル、サリチル酸シス−3−ヘキセニル、サリチル酸ベンジル、L−メントン、ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、α−アミルケイ皮アルデヒド、桂皮アルコール、桂皮酸エチル、安息香酸ヘキシル、安息香酸シス−3−ヘキセニル、シトロネロール、d−リモネン、ゲラニオール、テルピネオール、1,8−シネオール、オイゲノール、α−ヘキシルケイ皮アルデヒド、ベンジルアセテート、ベンジルプロピオネート、サリチル酸アミル、サリチル酸イソアミル、ベンズアルデヒド、桂皮アルデヒド、桂皮酸プロピル、桂皮酸イソプロピル、安息香酸アミル、安息香酸イソアミル、安息香酸ヘプチル、イロン(Irone)、ダマスコン(Damascone)、シトラール、ピネンから選ばれる1種以上であり、更に好ましくはジャスモン、ジヒドロジャスモン、ジャスモン酸低級アルキル(炭素数1〜5)エステル、ジヒドロジャスモン酸アルキル(炭素数1〜5)エステル、ファルネソール、ネロリドール、フィトール、イソフィトール、ゲラニルゲラニオール、ゲラニルリナロール、サリチル酸ヘキシル、サリチル酸シス−3−ヘキセニル、サリチル酸ベンジル、L−メントン、ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、α−アミルケイ皮アルデヒド、桂皮アルコール、桂皮酸エチル、安息香酸ヘキシル、安息香酸シス−3−ヘキセニル、シトロネロール、d−リモネン、ゲラニオール、テルピネオール、1,8−シネオール、オイゲノール、α−ヘキシルケイ皮アルデヒド、ベンジルアセテート、ベンジルプロピオネートから選ばれる1種以上である。また、本発明ではこのような香料成分を単独で用いることができるが、2種以上の香料組成物として用いることもできる。
【0065】
本発明では(e)成分として植物から抽出した天然精油を用いることも好適である。天然精油としては、イランイラン油、オレンジ油、クローブ油、サンダルウッド油、樟脳油、スペアミント油、セダーウッド油、タイム油、ティーツリー油、ハッカ油、パルマローザ油、ヒノキ油、ヒバ油、ペニーロイヤル油、ペパーミント油、ベルガモット油、ユーカリ油、ラベンダー油、レモングラス油、レモン油、ローズマリー油、アーモンド油、アニス油、オールスパイス油、ガーリック油、カシア油、カッシー油、カナンガ油、カヤブテ油、カラムス油、グレープフルーツ油、米油、シソ油、シトロネラ油、シナモン油、ジンジャー油、スターアニス油、ナツメグ油、バチュリ油、フェンネル油、ベチバー油、ペッパー油、ボアドローズ油、マジョラム油、マンダリン油、メース油、ユズ油、ライム油、リセアキュベバ油、レモンバーム油、レモンベルベナ油、ローズ油、ローレル油、パリョウリ油、ガジェプット油、バルク油、ガージン油、カンポー油、キュウベブュ油、コーンミント油、ラング油、タイムス油、ニーム油、シナモンリーフ油等を挙げることができる。
【0066】
これらの中でも特にイランイラン油、オレンジ油、クローブ油、サンダルウッド油、樟脳油、スペアミント油、セダーウッド油、タイム油、ティーツリー油、ハッカ油、パルマローザ油、ヒノキ油、ヒバ油、ペニーロイヤル油、ペパーミント油、ベルガモット油、ユーカリ油、ラベンダー油、レモングラス油、レモン油、ローズマリー油から選ばれる1種以上が好ましい。
【0067】
なお、これら精油中には融点が25℃以上の化合物も含まれるが、本発明においては天然精油中の融点が25℃以上の化合物は(c)成分として取り扱うものとする。
【0068】
本発明ではアレルゲンの除去効果の持続性の点で、(e)成分としてジャスモノイド、鎖状セスキテルペンアルコール及び鎖状ジテルペンアルコールから選ばれる1種以上の化合物を使用することが好ましく、特に1013.25hPaにおける沸点が230℃以上、さらに230℃〜400℃の化合物がアレルゲン除去効果の持続性の点から良好である。ジャスモノイドとしてはジャスモン、ジヒドロジャスモン、ジャスモン酸低級アルキル(アルキル基の炭素数1〜5)エステル、ジヒドロジャスモン酸アルキル(アルキル基の炭素数1〜5)エステルが好ましい。また、鎖状セスキテルペンアルコールとしてはファルネソール及びネロリドールが好適である。また、鎖状ジテルペンアルコールとしてはフィトール、イソフィトール、ゲラニルゲラニオール、ゲラニルリナロールが良好である。本発明で最も好ましい(e)成分としては、ジャスモン、ジヒドロジャスモン、ジャスモン酸メチル、ジャスモン酸エチル、ジヒドロジャスモン酸メチル、ジヒドロジャスモン酸エチル、ファルネソール、ネロリドール、フィトールである。
【0069】
本発明のアレルゲン除去剤には、(c)成分による固体生成を妨げない限り、その他成分を配合してもよい。その他の成分としては、(c)成分に該当しない界面活性剤、ハイドロトロープ剤、粘度調整剤、抗菌・抗カビ剤、pH調整剤等を挙げることができる。pHを調整する上で、アルカリ金属水酸化物や、硫酸、酢酸などを含有してもよいが、そのイオンは(c2)成分として算入される場合がある。
【0070】
(c)成分に該当しない界面活性剤〔以下、(f)成分という〕としては、特に組成物に透明な外観を付与する目的、及び/又は貯蔵安定性の点から非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、及び陽イオン界面活性剤が好適である。
【0071】
非イオン界面活性剤としては下記一般式(4)及び/又は一般式(5)の化合物が好ましい。
17−O−(R18O)n−H (4)
〔式中、R17は、炭素数8〜18、好ましくは10〜16のアルキル基又はアルケニル基であり、R18は炭素数2又は3のアルキレン基であり、好ましくはエチレン基である。nは平均付加モル数として3以上20未満、好ましくは4以上15以下、特に好ましくは5以上10以下の数を示す。〕
19−(OR20)pq (5)
〔式中、R19は直鎖の炭素数8〜16、好ましくは10〜16、特に好ましくは10〜14のアルキル基、R20は炭素数2〜4のアルキレン基、好ましくはエチレン基又はプロピレン基、特にエチレン基であり、Gは還元糖に由来する残基、pは平均値0〜6の数、qは平均値1〜10、好ましくは1〜5、特に好ましくは1〜2の数を示す。〕。
【0072】
一般式(4)の化合物において特に好ましい化合物は下記一般式(4−1)の化合物又は一般式(4−2)の化合物を挙げることができる。
20−O(EO)r−H (4−1)
〔式中、R20は炭素数10〜18、好ましくは10〜16の一級の直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基又は二級のアルキル基である。EOはエチレンオキサイドであり、rは平均付加モル数として3以上20未満である。〕
21−O[(EO)s/(PO)t]−H (4−2)
〔式中、R21は炭素数10〜18、好ましくは10〜16の一級のアルキル基である。EOはエチレンオキサイド、POはプロピレンオキサイドを示す。sは平均付加モル数3〜15、tは平均付加モル数1〜5であり、sとtの合計は20未満である。EOとPOはランダム付加又はEOを付加した後、POを付加してもよく、またその逆のようなブロック付加体でもよい。〕。
【0073】
一般式(5)の化合物において、Gは還元糖に由来する残基であり、原料の還元糖としては、アルドースとケトースの何れであっても良く、また、炭素数が3〜6個のトリオース、テトロース、ペントース、ヘキソースを挙げることができる。アルドースとして具体的にはアピオース、アラビノース、ガラクトース、グルコース、リキソース、マンノース、ガロース、アルドース、イドース、タロース、キシロースを挙げることができ、ケトースとしてはフラクトースを挙げることができる。本発明ではこれらの中でも特に炭素数5又は6のアルドペントースあるいはアルドヘキソースが好ましく中でもグルコースが最も好ましい。
【0074】
陰イオン界面活性剤としては炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を有する、アルキル又はアルケニルベンゼンスルホン酸塩が挙げられる。
【0075】
アルキル又はアルケニルベンゼンスルホン酸塩としては、洗剤用界面活性剤市場に一般に流通しているものの中で、アルキル鎖の炭素数が10〜18のものであればいずれも用いることができ、例えば花王(株)製のネオペレックスF25、Shell社製のDobs102等を用いることができる。また、工業的には、洗剤用原料として広く流通しているアルキルベンゼンをクロルスルホン酸、亜硫酸ガス等の酸化剤を用いてスルホン化して得ることもできる。アルキル基の炭素数は10〜14が好ましい。
【0076】
塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルカノールアミン塩、アンモニウム塩が好適であり、洗浄効果の点からナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩が好ましい。
【0077】
陽イオン界面活性剤としては、下記一般式(6)〜(8)の化合物を用いることもアレルゲンの除去効果の点から好適である。
【0078】
【化2】
Figure 0003650388
【0079】
〔式中、R22及びR27は、それぞれ炭素数5〜16、好ましくは6〜14のアルキル基又はアルケニル基、好ましくはアルキル基であり、R24及びR25は、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。Tは−COO−、OCO−、−CONH−、−NHCO−、
【0080】
【化3】
Figure 0003650388
【0081】
である。gは0又は1の数である。R23は、炭素数1〜6のアルキレン基、又は−(O−R32)n−である。ここでR32はエチレン基もしくはプロピレン基、好ましくはエチレン基でありであり、nは平均値として1〜10、好ましくは1〜5の数である。R26は炭素数1〜5、好ましくは2又は3のアルキレン基である。また、R28、R29、R30、R31はこれらの内2つ以上(好ましくは2つ)は炭素数8〜12のアルキル基であり、残りが炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。さらにZ-は陰イオン基、好ましくはハロゲンイオン、炭素数1〜3のアルキル硫酸イオンである。〕
本発明の最も好ましい陽イオン界面活性剤として下記のものを挙げることができる。
【0082】
【化4】
Figure 0003650388
【0083】
<アレルゲン除去剤>
本発明のアレルゲン除去剤において(a)成分の含有量は、(c)成分、(d)成分、及び所望により(e)成分、(f)成分を組成物中に均一に溶解させる目的及び噴霧や塗布後の乾燥を促進し、且つ(c)成分の対象物表面への析出を促進させる目的で、好ましくはアレルゲン除去剤中1〜70質量%、より好ましくは3〜60質量%、最も好ましくは5〜60質量%である。(b)成分の水は、該アレルゲン除去剤中に好ましくは10〜99質量%、より好ましくは15〜98質量、最も好ましくは20〜96質量%含有される。また(c)成分の含有量は、アレルゲン除去剤中に、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上であり、且つ好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下であり、最も好ましくは0.01質量%〜2質量%である。なお、処理表面からのアレルゲンの除去性を考えた場合は(c1−2)成分は、1質量%以下が好ましく、更に0.4質量%以下が好ましく、特には0.1質量%以下が好ましい。さらに(d)成分はアレルゲンを不活性化する効果及びアレルゲン除去効果を向上させる作用を有する化合物であり、除去剤中に0.001質量%以上、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上であり、10質量%以下である。ただ、(d)成分を多量に配合すると(c)成分の固体の析出を妨げるため、除去剤中に好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下、最も好ましくは0.5質量%である。また、(c)成分の固体の析出を妨げずにアレルゲンを不活性化する効果及びアレルゲン除去効果を向上させる作用を付与する目的から(c)成分/(d)成分は質量比で好ましくは1〜400、より好ましくは5〜80、特に好ましくは10〜40である。
【0084】
本発明のアレルゲン除去剤において、特に(a)成分、(b)成分、(c)成分、及び(d)成分は、アレルゲン除去剤中に、合計で、好ましくは95〜100質量%、より好ましくは97〜100質量%、最も好ましくは98〜100質量%となるように含有されることが望ましい。
【0085】
(e)成分は、殺ダニ剤、忌避剤などの作用効果を有することから本発明のアレルゲン除去剤に含有されることが好ましく、除去剤中に0.001質量%以上、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上であり、10質量%以下である。ただ、(e)成分を多量に配合すると(c)成分の固体の析出を妨げるため、除去剤中に好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下、最も好ましくは0.5質量%以下である。また、(c)成分の固体の析出を妨げずに殺ダニ効果及び忌避効果を付与する目的から(c)成分/(e)成分の質量比は、好ましくは2〜1000、より好ましくは5〜200、特に好ましくは10〜100である。
【0086】
(f)成分は、組成物の外観及び貯蔵安定性の点から配合することが可能であるが、多量に用いると(c)成分の固体の析出を妨げるため、好ましくは組成物中に1質量%以下、好ましくは0.4質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下、特に含有しないことが好適であり、更には(c1−2)成分及び(d)成分の合計が好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.4質量%以下、最も好ましくは0.2質量%であることが望ましい。
【0087】
本発明では(a)成分、(c)成分、(d)成分以外の有機化合物〔但し溶剤は除く。ここで本発明でいう溶剤とは溶剤ハンドブック 講談社、1993年9月20日第13刷発行に記載の化合物である。〕の含有量は固体の析出を抑制しない量以下とされるべきであり、その合計量はアレルゲン除去剤中に好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。なお、(d)成分も固体の析出に影響を与えるので、最も好ましくは(a)成分、(c)成分以外で前記濃度である。
【0088】
特に(c)成分に由来する固体の析出は、(a)成分、(c)成分、(d)成分以外の有機化合物により影響されやすいため、[(a)成分、(c)成分、(d)成分以外の有機化合物(但し、溶剤は除く)]/(c)成分の質量比、好ましくは[(a)成分、(c)成分以外の有機化合物(但し、溶剤は除く)]/(c)成分の質量比が、1以下、更に0.9以下、特に0.5以下であることが好ましい。
【0089】
本発明のアレルゲン除去剤は、(c)成分、(d)成分及びその他の成分を、(a)成分及び(b)成分に溶解させた水溶液の形態が好ましい。また、pHの設定には注意を要する。特に、塩類はpHにより平衡状態が変化するので、塩では固体であるが、酸やアルカリでは固化性の低い物質である場合、pHによっては固体が析出しにくくなる恐れがある。従って、本発明ではアレルゲン除去剤の25℃におけるpHを3〜12、好ましくは4〜9に調整することが好適である。pH調整剤は、(c)成分を構成するものであることが好ましい。具体的な酸剤としては、塩酸、硫酸などの無機酸や、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、マロン酸、マレイン酸などの有機酸が挙げられる。また、アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが挙げられる。酸剤とアルカリ剤を単独もしくは複合して用いることが好ましく、特に塩酸、硫酸、クエン酸から選ばれる酸と水酸化ナトリウム、水酸化カリウムから選ばれるアルカリ剤を用いることが好ましい。なお、アルカリ剤として、アンモニアやその誘導体、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン化合物を、固体の析出に影響しない程度に配合してもよいが、液性が強いので本発明では他のアルカリ剤を用いることが好ましい。
【0090】
本発明のアレルゲン除去剤は対象物への処理のし易さ及びアレルゲン除去効果を向上させる目的から、アレルゲン除去剤の20℃における粘度を15mPa・s以下、好ましくは10mPa・s以下に調整することが好適である。このような粘度に調整することで対象物を均一に処理することができ、さらに乾燥や(c)成分の析出を促進させることができる。本発明でいう粘度は以下のようにして測定する。まず、TOKIMEC.INC製B型粘度計モデルBMに、ローター番号No.1のローターを備え付けたものを準備する。試料をトールビーカーに充填し、20℃の恒温槽内にて20℃に調製する。恒温に調製された試料を粘度計にセットする。ローターの回転数を60r/mに設定し、回転を始めてから60秒後の粘度を本発明の粘度とする。
【0091】
本発明のアレルゲン除去剤は、被処理物に噴霧又は処理により適用され、該処理物の乾燥により固体を析出させる。固体は(c)成分から生成されるが、(c)成分が多種類である場合やその他の成分の影響を受ける場合、析出する固体も多様なものとなる可能性がある。また結晶水を有する場合も考えられる。析出する固体は、清掃による除去が容易な形態として析出することが好ましく、固体1つの最大の大きさが1〜100μmの物質として析出するものが好ましく用いられるが、それ以下の大きさであっても繰り返し適用することで大きな固体に成長させてもよい。また、析出する固体は、被処理物から清掃により容易に除去できることが好ましいため、潮解性や粘着性のないものが好ましい。なお、析出する固体の形状は特に問わない。例えば球状体、多面体、板状体、針状体等を挙げることができる。
【0092】
<アレルゲン除去方法>
本発明は、乾燥後に固体を生成する溶液をアレルゲンが付着した被処理物に接触させ、析出した固体と共にアレルゲンを被処理物から除去することによりアレルゲンを除去するという、全く新しい考え方のアレルゲン除去方法を提供する。析出した固体は清掃することで最終的に除去されるが、清掃方法としては、掃除機などで吸引する方法、繊維製品などで拭き取る方法、粘着性フィルムで吸着する方法、静電気により吸着させる方法及びホウキなどで掃き取る方法などが挙げられる。本発明では掃除機により析出した固体とアレルゲンを除去する方法と、繊維製品で拭き取ることにより繊維内に析出した固体とアレルゲンを閉じ込める方法が最も好ましい。アレルゲン除去剤を塗布又は噴霧してから清掃するまでの時間は、十分に効果を発揮するために、10秒以上、60分以下が好ましい。
【0093】
アレルゲン除去剤を噴霧する場合、噴霧器としては、トリガー式噴霧器を用いることが好ましい。
【0094】
トリガー式噴霧器を用いる場合、該噴霧器は1回のストロークで0.1g〜2.0g、好ましくは0.2〜1.5g、さらに好ましくは0.3g〜1.0g噴出するものが良好である。本発明で使用するトリガー式スプレー容器として特に好ましいものは、実開平4−37554号公報に開示されているような蓄圧式トリガーが、噴霧の均一性の点で特に良好である。
【0095】
噴霧特性としては、特に地面に垂直に置いた対象物に15cm離れた場所からスプレーしたときの液のかかる面積が100〜800cm2、好ましくは150〜600cm2になるトリガー式噴霧器が好ましい。また、本発明では(c)成分を対象物1000cm2当たり1〜10mg、好ましくは2〜5mgになるように均一に対象物にスプレーし、乾燥させることで高いアレルゲン除去効果を得ることができる。
【0096】
スプレー後は自然乾燥させた後、タオル等の布帛や掃除機などの清掃道具により対象物を除去することで、アレルゲンを効率的に除去することが可能となる。
【0097】
【実施例】
表1に示す配合成分を用いて表1に示すアレルゲン除去剤を調製した。これらアレルゲン除去剤のアレルゲン除去率及び感触の評価を下記の方法で求めた。結果を表1に示す。なお、表1中の化合物1、化合物2は以下の合成例により製造されたものである。
【0098】
<合成例1>
重量平均分子量20万、ヒドロキシエチル基の置換度が2.5のヒドロキシエチルセルロース(Natrosol 250G、ハーキュレス社製)200g、イソプロピルアルコール900g、イオン交換水160gを混合し、窒素雰囲気下室温で1時間攪拌した。この溶液に次式
【0099】
【化5】
Figure 0003650388
【0100】
で表されるポリオキシアルキレン化合物30.34g及び48%水酸化ナトリウム水溶液12.24gを加えて混合し、更に窒素雰囲気下室温にて30分間撹拌した。その後、溶液を昇温し、80℃で9時間反応させてポリオキシアルキレン化を行った。反応終了後、反応液を酢酸で中和し、反応生成物をろ別した。反応生成物をイソプロピルアルコール1200gで2回洗浄し、減圧下60℃で1昼夜乾燥し、ポリオキシアルキレン化されたヒドロキシエチルセルロース誘導体(化合物1)72gを得た。ポリオキシアルキレン基の置換度は0.014であった。
【0101】
<合成例2>
(1)馬鈴薯澱粉(片山化学社製)80g、50%イソプロピルアルコール640g及び48%水酸化ナトリウム水溶液5.5gを混合してスラリー液を調製し、窒素雰囲気下室温で30分間攪拌した。この溶液に次式
【0102】
【化6】
Figure 0003650388
【0103】
で表される化合物19.0gを加え、80℃で8時間反応させてポリオキシアルキレン化を行った。反応終了後、反応液を酢酸で中和し、反応生成物をろ別した。反応生成物を50%イソプロピルアルコール500gで2回、次いでアセトン500gで2回洗浄し、減圧下70℃で1昼夜乾燥し、ポリオキシアルキレン化された澱粉誘導体69.4gを得た。得られた澱粉誘導体のポリオキシアルキレン量を含む置換度は0.005であった。
【0104】
(2)(1)で得た澱粉誘導体35.5g、70%イソプロピルアルコール350g及び48%水酸化ナトリウム水溶液2.4gを混合してスラリー液を調製し、窒素雰囲気下室温で30分間攪拌した。反応液にモノクロロ酢酸ナトリウム25.1g及び48%水酸化ナトリウム18.0gを加え、50℃で5時間カルボキシメチル化を行った。反応生成物を70%イソプロピルアルコール400gで2回、次いでイソプロピルアルコール300gで2回洗浄し、減圧下70℃で1昼夜乾燥し、ポリオキシアルキレン化及びカルボキシメチル化された澱粉誘導体(化合物2)33.8gを得た。得られた澱粉誘導体のカルボキシメチル化度は0.48であった。
【0105】
<アレルゲン除去率の測定>
3年間家庭で使用された中古カーペット〔(株)サンゲツ製カーペット「サンセシール CL−1」〕を10cm四方に裁断した。
【0106】
裁断したカーペットにサンプルを均一に0.3gスプレー(花王(株)製スムーザー(商品名)のトリガーデバイスを用いた。1回のストロークの噴霧量は0.3gであり、垂直に置かれた対象面に15cm離れた場所からスプレーしたときの液のかかる面積が420cm2であった)し、室温で30分間乾燥させた後、新品の紙パックを装着した吸引仕事率250Wの掃除機で1秒間吸引した。この操作を20回繰り返した。
【0107】
その後、pH7.4±0.1りん酸バッファー液(KH2PO4、NaCl、Na2HPO4・7H2Oをそれぞれ0.144g/L、9.00g/L、0.795g/Lとなるように蒸留水に溶解したもの、以下PBSとする)50mLを用いて紙パックに捕集されたアレルゲンを抽出した(この抽出液を除去アレルゲン抽出液と呼ぶ)。また、カーペットに残留したアレルゲンを、PBS 50mLを用いて抽出した(この抽出液を残留アレルゲン抽出液と呼ぶ)。
【0108】
各々の抽出液について、サンドイッチELISA法を用いてDer f II(コナヒョウヒダニ虫体に含まれるアレルゲン)濃度の定量を行った。サンドイッチELISA法は以下のように行った。
1.モノクローナル抗体15E11(生化学工業(株))をPBSで2μg/mlの濃度に希釈しマイクロプレート(住友ベークライトELISA PLATE H TYPE)の各ウェルに50μlずつ分注し、室温で2時間静置する。
2.プレートをPBSで3回洗浄する。
3.1%BSAを含むPBS(大日本製薬 ブロックエース)を各ウェルに200μlずつ分注し室温で1時間静置し、ブロッキングを行う。
4.プレートをTween20(SIGMA)を0.05質量%含有するPBS(以下、T−PBSとする)で3回洗浄する。
5.スタンダードとしてrDer f II(生化学工業(株))を0.3μg/mlから9管T−PBSで2n倍希釈し、各々50μlを各ウェルに分注し、さらに陰性対照としてrDer f IIの替わりにT−PBSを50μl加えたウェルを用意する。測定する試料はT−PBSで適宜希釈してから各ウェルに50μlずつ分注する。室温で2時間静置する。
6.プレートをT−PBSで3回洗浄する。
7.至適濃度のHRP標識13A4(生化学工業(株))を各ウェルに50μl分注し室温で2時間静置する。
8.プレートをT−PBSで3回洗浄する。
9.ペルオキシダーゼ用発色キットT(住友ベークライト)を用いて発色を行う。まず発色剤10mLに基質液を0.1mL加えて混和して発色液とする。この発色液を各ウェルに100μlずつ分注し室温で発色させる。 その後停止液を各ウェルに100μlずつ分注して反応を止め、プレートリーダーで450nmにおける吸光度を測定する。
10.スタンダードの吸光度から得られる検量線を用いて測定する試料のDer f II濃度を算出する。
【0109】
得られたDer f II濃度について、除去アレルゲン抽出液のDer f II濃度をa、残留アレルゲン抽出液のDer f II濃度をbとすると、掃除機吸引によるアレルゲン除去率Rは以下の式で定義される。
R=a/(a+b)×100 (%)
各サンプルについて上記試験を5回行い、得られた5回分のアレルゲン除去率の平均値を該サンプルのアレルゲン除去率とした。
【0110】
<感触評価方法>
(株)サンゲツ製カーペット「サンセシール CL−101」を10cm角に切り出した物を試験片として用いた。試験片に対し、0.1cc/100cm2で処方液をスプレーし、充分乾燥させ、このスプレーと乾燥を50回繰り返したものをサンプルとした。10名のパネラーにて、何も処理していない試験片を基準とし、下記基準で官能評価を行い、平均値を求めた。
【0111】
4…基準よりも感触が良好である
3…基準と同等である
2…基準よりもやや感触が劣る
1…基準よりも明らかに感触が劣る
【0112】
【表1】
Figure 0003650388

Claims (2)

  1. 下記(a)成分、(b)成分、(c)成分、及び(d)成分を含有するアレルゲン除去剤。
    (a)成分:水と共沸混合物を形成し、1013.25hPaにおける水との共沸温度が100℃未満になる有機化合物
    (b)成分:水
    (c)成分:(a)成分及び(b)成分の少なくとも一方に溶解し、該アレルゲン除去剤中の液体成分の蒸発により固体を生成させる固体源物質〔但し、下記(d)成分を除く〕
    (d)成分:下記ポリマ−(1)〜ポリマー(4)から選ばれる、重量平均分子量1000以上の水溶性高分子化合物〔但し、固体源物質としてのポリオキシアルキレンアルキルエーテルは(c)成分とする〕
    ポリマー(1);セルロース誘導体及び/または化工澱粉
    ポリマー(2);アクリル酸もしくはメタクリル酸のホモポリマー及び/又はアクリル酸もしくはメタクリル酸と他のビニル系モノマーの1種又は2種以上とのコポリマー並びにこれらの塩
    ポリマー(3);アクリル酸及び/又はメタクリル酸とそれらのアルキルエステルの1種又は2種以上とを重合して得られるコポリマー又はその塩
    ポリマー(4);分子中に陽イオン基及びビニル基又はアリル基を有する単量体を重合して得られるポリマー、又は該単量体と共重合可能な単量体とのコポリマー
  2. 請求項1記載のアレルゲン除去剤をアレルゲンが存在する被処理物に接触させること、該接触部分に前記アレルゲン除去剤に由来する固体を析出させること、及び該固体と共にアレルゲンを被処理物から除去すること、を含むアレルゲンの除去方法。
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