JP3650309B2 - 水の浄化システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、病院や老人施設或は温泉などの浴場又は公衆浴場などの大型浴場、プール、家庭用浴槽、貯水タンク、冷却塔などに好適に使用される水の浄化システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、大型浴場やプールなどに用いられる水の浄化システムは、被処理水の循環経路にろ過器と塩素殺菌装置を設け、このろ過器により被処理水をろ過して有機物などの汚れを除去し、塩素殺菌装置から注入される塩素剤により殺菌を行っている。前記ろ過器としては、主に砂を用いた砂ろ過タイプのものが用いられている。また、24時間いつでも入れる家庭用浴槽つまり24時間風呂と称されるものの浄化システムは、生物活性を利用して水中の汚れを分解し、紫外線やオゾンなどにより水の殺菌消毒を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、大型浴場などに用いられるろ過器と塩素殺菌装置による水の浄化システムは、次のような問題がある。
(1)浴槽やプールは、人が入ることにより汗や油脂分などの有機物及び大腸菌や各種の細菌類が水中に持ち込まれる。
【0004】
(2)自然界の土壌や淡水に生息しているレジオネラ属菌は、大気中の粉塵や補給水とともに浴槽やプールに入り込む。レジオネラ属菌は、所謂レジオネラ症と称される肺炎などの呼吸器感染症を引き起こす。
【0005】
(3)浴槽やプールの水は、省エネルギー及び省資源のため、毎日の換水は行わず、1〜2週間の間隔で換水を行うのが通常である。特に、浴槽など水温が高くて開放系のものでは、水面から水が蒸発するので、換水期間が長いと、水が濃縮されて水中における溶存物質の濃度が高くなる。
【0006】
(4)水が濃縮されて溶存物質の濃度が高くなれば、水中における窒素やリンなどの栄養源及び懸濁物質の濃度も高くなるので、細菌や藻類が増殖しやすくなる。
【0007】
(5)レジオネラ属菌は、細菌や藻類の代謝物を利用し、またアメーバなどの細菌捕食性原生動物に寄生して増殖して宿主を死滅させ、新たな宿主へと次々にに寄生していく。また、特に浴槽の水の温度は42℃程度であるため、レジオネラ属菌の発育温度域25〜43℃と合致している。このような浴槽などでは、レジオネラ属菌の発育に必要な条件が整っているので、レジオネラ属菌の大繁殖を招きやすい。
【0008】
以上の理由から、前述したようなろ過や殺菌を行っているが、上記従来の方法では、水の濃縮による細菌や藻類の増殖つまりレジオネラ属菌の繁殖及び繁殖環境については、何ら考慮されていない。また、水質についても、公衆衛生法に規定された水質基準に適合すれば問題はないと考えられているが、これは飲料水の水質基準と較べれば、かなり緩い条件と言える。
【0009】
また、被処理水を塩素剤で殺菌するときには、次のような問題が発生する。この塩素剤としては、次亜塩素酸ソーダ、塩素化イソシアヌール酸、次亜塩素酸カルシウムなどが通常使用されている。この塩素剤を水に注入すれば、次亜塩素酸HOClが発生する。このHOClの一部は水中で解離して、次亜塩素酸イオンOCl- になる。優れた殺菌力を発揮するのは次亜塩素酸HOClの方である。水のPHがアルカリ側に傾くと、殺菌力が低下する次亜塩素酸イオンOCl- の解離率が増加するので、PHが中性付近となるように水の管理を行う必要がある。
【0010】
一方、入浴者などが持ちこむ汗や尿などに含まれている尿素は、水中でアンモニアと炭酸に加水分解される。このとき、アンモニアが殺菌のために注入された塩素成分と反応してクロラミンを生成する。また、汗や尿などに含まれるアミン類やアミノ酸類が加水分解されて生成されるアンモニアも、同様にクロラミンとなる。なお、以下では、クロラミンを生成する前のアンモニアをアンモニア性窒素と総称し、またクロラミンを結合塩素と言い、これの水中残留成分を結合残留塩素と言う場合がある。
【0011】
つまり、被処理水中には、通常使用されるPHの範囲5.8〜8.6では、次式で示すように、モノクロラミンとジクロラミンの結合残留塩素が存在している。
NH3 +HOCl→NH2 Cl+H2 O
NH2 Cl+HOCl→NHCl2 +H2 O
【0012】
ここで、塩素剤を用いることの問題点は、浴室などに入ると鼻をつくような塩素臭が発生すること、また入浴者などの目や粘膜などに炎症や刺激を与えることであり、これらは前記モノクロラミンやジクロラミンの結合残留塩素に起因して発生する。
【0013】
また、浴槽水中への塩素投入量と残留塩素量(結合残留塩素と遊離残留塩素)との関係は、図4に示す曲線O.B.C.Dのようになる。すなわち、塩素投入量が少ないと、HOClはアンモニア性窒素と化合して結合残留塩素となって存在している。またB点以上に塩素投入量を増やすと、HOClは結合塩素の酸化に用いられ、結合残留塩素の量が次第に減少して、C点(ブレークポイント)で最小となる。このC点を越えて塩素投入量を増やすと、浴槽水中の窒素塩素化合物は新たにアンモニア性窒素が持ち込まれなければ、C点以上に増加することはなく、遊離残留塩素量が塩素投入量に比例して増加する。このとき、遊離塩素のみが殺菌消毒に有効に作用するので、投入塩素量はC点以上の量とする必要がある。
【0014】
しかし、ここで問題となるのは、塩素剤による殺菌消毒方法では、通常被処理水は溜り水なので、入浴者などの累計に比例してアンモニア性窒素が増加することである。この結果、酸化しきれない結合塩素が経時的に増加して蓄積されていく。これに伴い結合残留塩素と遊離塩素の比率が変わり、所定の遊離塩素量を確保するためには、多量の塩素剤を投入する必要がある。このため、換水期間を長くすればするほど、塩素剤の投入量を増やし続けなければならず、結果的に結合残留塩素の増加を招いて、塩素弊害を顕在化させる結果となる。
【0015】
また、一般的に浴槽水などを衛生管理する上で大腸菌を指標としているのは、この大腸菌は大型の菌であるため検査し易く、塩素消毒に対して比較的強い菌であり、大腸菌が死滅すれば、他のビールス性細菌も死滅していると考えられるからである。
【0016】
しかし、最近のレジオネラ属菌の研究では、浴槽水中に大腸菌が検出されなかった場合でも、浴槽の内壁や循環経路の内部などにはレジオネラ属菌の増殖原因となる生物膜(バイオフィルム)が形成されていることが確認されている。この生物膜は、細菌、真菌、原生動物などの微生物の温床となり、生物膜の内部に存在する微生物は消毒剤やその他の外界からの不利な要因から保護されている。特に、レジオネラ属菌は、細菌補食性であるアメーバなどの原生動物の食胞内に取り込まれても消化死滅しないので、これらの中で増殖し、やがて細胞を破壊して外界に遊出し、新しい宿主に入って増殖を繰り返す。従って、生物膜内に生息するレジオネラ属菌を有効に死滅させる塩素剤に替わる殺菌消毒法が緊急に求められている。
【0017】
また、塩素剤などの薬品による殺菌消毒処理では、薬品に対して抵抗力を備えた耐性菌が出現する可能性があり、これを死滅させるには、さらに高濃度の薬品を使用する必要がある。一方、塩素剤は、鋼や銅などの金属材料に対し高い腐食性を有しているので、あまり高濃度にはできない。高濃度にすると、機器の寿命を縮めたり破損させる恐れがある。このように、耐性菌に対しては相矛盾する問題を解決する必要があるので、その対策には非常な困難を伴うことになる。
【0018】
さらに、24時間風呂の浄化システムは、レジオネラ属菌が高レベルで検出され、社会問題となっている。この浄化システムは、循環経路に浄化装置を設け、その内部に設置したセラミックス、活性炭、麦飯石、珪石、サンゴ、不織布、スポンジなどの坦体に好気性微生物を付着増殖させ、その酵素活性により皮脂などの有機汚染物を分解消化させて、浴槽水を浄化(混濁と臭気の除去)させるようにしている。
【0019】
しかし、この浄化システムは、浄化能の大部分を好気性微生物の生物活性に依存しているため、循環水系の全体を殺菌消毒することは、好気性微生物の死滅を招くことになるので採用できない。また、浄化装置に用いられる坦体には生物膜が形成されるので、前述した場合と同様に、レジオネラ属菌などの繁殖原因となる。なお、以上の浄化システムには、紫外線やオゾンなどを発生させる殺菌装置が付設されているが、これら殺菌装置では十分な殺菌処理が行えず、特に殺菌処理は好気性微生物による浄化の後に行う必要があるので、レジオネラ属菌などの繁殖を有効に抑制することができず、前記浄化装置で発生したレジオネラ属菌などが浴槽側に遊出することがある。
【0020】
そこで、本発明の目的は、レジオネラ属菌などの微生物を確実に殺菌消毒することができる安全性に優れた水の浄化システムを提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、被処理水が貯溜される槽とろ過器を備え、このろ過器で被処理水をろ過して槽に戻すようにした水の浄化システムにおいて、ろ過器の出入口の間に分岐管を接続し、これにオゾン発生器を設けて、このオゾン発生器で発生するオゾンをろ過器の入口側に注入する。
【0022】
オゾン発生器で発生したオゾンは分岐管を通ってろ過器の入口側に送られ、この分岐管からろ過器に至る間で水に溶解されてオゾン水となり、このオゾン水がろ過器を通過するとき、そのオゾンによりろ過器内に生存するレジオネラ属菌などの微生物を殺菌不活性化させる。つまり、図5から明らかなように、オゾンは自然界においてフッ素に次ぐ殺菌力を有し、その殺菌力は各種の塩素よりもはるかに強力であり、例えば一般的な腸内細菌、アメーバシスト、ウイルスなどの微生物や殺菌胞子に対し、オゾンは各種塩素に較べて10〜100倍の殺菌不活性化効力がある。また、オゾン水はレジオネラ属菌などの微生物に対する接触効率が高くて殺菌不活性化能に優れており、しかもオゾンは生物膜などがあっても、これを貫通して微生物を瞬時に死滅させてしまう。そして、オゾン水の一部はろ過器でろ過された水と共に槽に送られ、この槽内に生存する微生物を殺菌不活性化させる。これらのことにより、槽とろ過器の循環経路全体が殺菌消毒される。さらに、開放系の浴槽などにおいて換水期間を長く設定して高濃縮運転を行う場合にも、循環経路全体を確実に殺菌消毒することが可能となり、換言すれば運転コストを低廉として省エネルギー、省資源的に優れた運転システムを採用しながらも、有害微生物の発生を確実に抑制できる。
【0023】
また、人体の汗や尿などに起因する有機物(主にアンモニア性窒素)は、通常過マンガン酸カリウムの消費量として測定される。公衆浴場法では、過マンガン酸カリウムの消費量が25mg/l以下という規定がある。しかし、前記有機物は、以上のようなオゾン殺菌を行うときに、そのオゾンによる酸化によりクロラミン(結合塩素)を生成させることなく分解される。このことについて、プール水で試験を行った場合、オゾン量が6〜8mg/lの場合、過マンガン酸カリウムの消費量は5mg/l程度にまで低下する。このことから、オゾン殺菌により結合塩素の発生が効果的に抑制され、これに伴う塩素弊害もなくなることが理解できる。
【0024】
以上の浄化システムに用いるオゾン発生器としては、水電解式オゾン発生装置が好適に使用される。この水電解式オゾン発生装置は、無色放電方式などに較べてオゾンの発生量が多いので、強力な殺菌消毒効果を発揮する高濃度のオゾン水が得られる。
【0025】
また、以上の浄化システムには、さらに塩素殺菌装置を設けて、ろ過器へのオゾン水の注入を停止してから、塩素殺菌装置による塩素で被処理水及びこれの循環経路の殺菌を行うことが好ましい。このようにすれば、オゾン水は残留性がほとんどないにも拘らず、オゾン水の注入停止後に供給される残留性の長い塩素により、循環経路全体に対する殺菌消毒効果が長時間にわたって保持される。つまり、長期間換水を行なわない高濃縮運転を行う場合でも、安全で衛生的な水質が保証される。また塩素は、塩素弊害の原因物質である有害な結合塩素を生成しようとするが、この結合塩素の生成はオゾンの強力な酸化分解作用により抑制される。よって、塩素殺菌装置を用いるにも拘らず、塩素弊害の起きにくい浄化システムとなる。
【0026】
前記ろ過器及び分岐管は、耐オゾン性素材で形成することが好ましい。このようにすれば、オゾン発生器で発生するオゾンを分岐管からろ過器に注入して殺菌を行うにも拘らず、ろ過器や分岐管のオゾンによる劣化破損などを招くことなく所期目的が確実に達成される。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、浴場などで用いられる水の浄化システムの配管系統図を示している。この浄化システムは、浴槽1、ミキシングバルブや電動弁などを備えた適温水ユニット2、オーバーフロー槽3、浄化ユニット4が設けられている。また、浄化ユニット4には、ろ過器5、ろ過ポンプ6、オゾン発生器7、溶解ポンプ8、塩素殺菌ポンプ91を付設した塩素殺菌装置9などを備えている。そして、前記ろ過器5でろ過された水をろ過水往ラインRSから浴槽1に供給し、浴槽1からのオーバーフロー水をオーバーフローラインOBを介してオーバーフロー槽3に供給し、オーバーフロー槽3からろ過水還ラインRRを介してろ過ポンプ6によりろ過器5に再び還流させる。このように浴槽1とろ過器5の間で湯を循環させることにより、常に清浄な湯を浴槽1に供給する。さらに、前記適温水ユニット2には、図示しない給湯源から給湯ラインHを介して湯が、また給水ラインWからは水が供給され、これら湯と水が適温水ユニット2で混合されて適温水としてオーバーフロー槽3に送られる。
【0028】
以上の浄化システムにおいて、前記ろ過器5の入口側と出口側の間に分岐管10を接続し、これに前記オゾン発生器7を介装させて、このオゾン発生器7で発生するオゾンO3 を前記分岐管10を介してろ過器5の入口側に注入する。図の実施形態では、前記ろ過水往ラインRSにおけるろ過器5の出口側近くと、ろ過器5の入口側近くのろ過水還ラインRRに前記分岐管10を接続して、この分岐管10に前記オゾン発生器7とエゼクタ11及び溶解ポンプ8をそれぞれ介装させる。そして、オゾン発生器7で発生するオゾンO3 をエゼクタ11に吸込ませて溶解ポンプ8に供給し、ここで水に溶解させてオゾン水O3 Hとして前記ろ過水還ラインRRにおけるろ過器5の入口側近くに注入し、ろ過器5の内部に送って殺菌消毒を行う。
【0029】
前記オゾン水O3 Hは、そのオゾンO3 のほとんどがろ過器5内でレジオネラ属菌などの微生物の殺菌不活性化に消費されたり自己分解したりする。また、ろ過器5で消費されなかったオゾン水O3 Hの一部は、前記ろ過水還ラインRRから浴槽1へと送られて、この浴槽1の殺菌消毒に使用され、また残りのオゾン水O3 Hの一部は、前記ろ過水往ラインRSの出口側から分岐管10を経てエゼクタ11に送られ、このエゼクタ11にオゾン水O3 Hと前記オゾン発生器7からのオゾンO3 が共に吸込まれて溶解ポンプ8へと送られる。
【0030】
また、前記ろ過器5の上部側には、排気ライン12が接続され、これに排気弁13と排オゾン分解器14が設けられて、前記ろ過器5でオゾン水O3 Hから分離したりして内部に存在するオゾンO3 を排気弁13から排オゾン分解器14に送り、これの内部に装填した活性炭などによりオゾンO3 を吸着除去させ、無害化して系外に排出する。
【0031】
図2は、前記ろ過器5の概略を示している。このろ過器5としては、浄化機能を生物活性に依存しない砂式のものが用いられており、本体ケーシング50の内方下半部に砂(例えばシリカサンド)などのろ過材51を装填し、内方上部には前記ろ過水還ラインRRに接続される散水装置52を設け、また内方底部には集水装置53が配置されて前記ろ過水往ラインRSに接続されている。そして、前記散水装置51からオゾン水が混入された水をろ過材51に散水して、本体ケーシング50の内部や濾過材51に生存する微生物を殺菌消毒する。以上の砂式ろ過器5を使用する理由は、仮に浄化機能を生物活性に依存するものを用いると、オゾンがろ過器内に注入されたとき、浄化機能を発揮する生物が死滅してしまうからである。
【0032】
また、前記オゾン発生器7としては、図1に示すように、本体ケーシング70の内部に陽極71と陰極72を設け、これらの間にイオン交換膜73を配置した水電解式のものが使用される。そして、前記給水ラインWの一部から水電解式オゾン発生器7の本体ケーシング70内に水を供給し、前記陽極71と陰極72の間に通電することにより、陽極71側にO2 とO3 を、陰極72側にH2 を発生させ、このO3 を殺菌消毒用として利用し、H2 は排水素ライン74から系外に排出する。また、前記本体ケーシング70内の水は排水ライン75から排水桝15へと排出する。
【0033】
以上の水電解式オゾン発生器7は、レジオネラ属菌などの微生物に対し極めて強い殺菌不活性化能を発揮する高濃度のO3 を発生し、残りはO2 を発生する。このとき、O3 は腐食性が非常に高いので、このO3 が直接接触する前記分岐管10、溶解ポンプ8、ろ過器5、分岐管10が接続されるろ過水還ラインRR及びろ過水往ラインRSとろ過器5の間の一部を、耐オゾン性素材例えば耐オゾンFRP、高級ステンレス、チタン、テフロンなどの素材で形成する。このようにすれば、通常のオゾン殺菌装置に用いられているオゾンと水を溶解させるための溶解槽を別途使用する必要がなくなり、浄化システムのコンパクト化が可能となる。また、通常のオゾン殺菌装置では、ろ過器と溶解槽の両者及びそれらの配管系を高級ステンレス(例えばSUS304以上の材質)やチタンなどの高価な素材で形成する必要があったが、本発明のようにオゾン発生器7で発生したO3 を分岐管10からろ過器5に至る途中で水に溶解させてO3 Hとし、このO3 Hでろ過器5内の殺菌消毒を行うことにより、高価な素材を必要とする前記溶解槽を設置する必要性がなくなって、コストの低減化も可能となる。特に、前記分岐管10としてテフロンチューブなどを用い、これをろ過器5の出入口の間に直接接続させれば、高級素材の使用個所が少なくなってコストの低減化が行える。
【0034】
さらに、以上の浄化システムには、前記ろ過水往ラインRSにおけるろ過器5と浴槽1の中間に塩素殺菌ポンプ91を備えた塩素殺菌装置9が設けられる。そして、ろ過器5へのオゾンの注入を停止してから前記塩素殺菌装置9で生成した塩素剤をポンプ91によりろ過水往ラインRSに注入して、前記浴槽1と各ラインなど循環経路全体の殺菌消毒を行う。以上のようにすれば、オゾン水は残留性がほとんどないにも拘らず、オゾン水の注入停止後に供給される残留性の長い塩素成分により、循環経路全体に対する殺菌消毒効果が長時間にわたって保持される。つまり、長期間換水を行なわない場合でも、安全で衛生的な水質が保証される。また塩素成分は、塩素弊害の原因物質である有害な結合塩素を生成しようとするが、この結合塩素の生成はオゾンの強力な酸化分解作用により抑制される。このため、塩素殺菌装置9を用いるにも拘らず、塩素弊害の起きにくい浄化システムが構築される。
【0035】
図1の実施形態では、前記ろ過水往ラインRSに熱交換器16を介装させて、温水往ラインHSと温水還ラインHRから熱交換器16に給排される温水と前記ろ過水往ラインRSを通るろ過水との間で熱交換を行うようにしている。また、前記浴槽1には逆洗浄ラインBRが接続されて、前記オーバーフロー槽3を閉止し、かつろ過器5から浴槽1への給湯を停止した状態で、前記ろ過ポンプ6を駆動させて逆洗浄ラインBRからの逆洗浄水をろ過器5の底部から上方に流すことにより、その内部のろ過材51などに吸着された微生物の死骸などを含む汚物を洗浄して前記排水桝15に排出する。さらに、前記ろ過器5には電動切換弁54が設けられ、これの切換動作によりろ過器5への逆流による逆洗と順流による洗浄が行われる。
【0036】
また、前記浴槽1にはレベルラインLが接続され、これには水位計17が設けられ、この水位計17で検出される水位に基づいて浴槽1内の水位を一定に保持する。さらに、前記オーバーフロー槽3にも複数の水位計18が設けられ、これら水位計18の検出値に基づきオーバーフロー槽3内の水位を一定に保持する。図1において、19は前記ろ過水還ラインRRに介装したヘアキャッチャ、20は測温器で、これにより測定された温水温度に基づき前記温水往ラインHSと温水還ラインHRから温水を熱交換器16に給排制御して、浴槽1に至る温水温度を一定に保持する。また、21はコントローラで、これに内装したウィクリータイマーなどより全システムの運転制御を行う。22は前記逆洗浄ラインBRに設けた逆洗弁、23は前記ろ過水還ラインRRのオーバーフロー槽3の近くに設けたろ過弁である。
【0037】
次に、以上の浄化システムを用いて浄化を行う場合の手順を図3のプログラミングチャートに基づいて説明する。同図では、1日のサイクルを示しており、またろ過時の水の流れを実線矢印で示し、逆洗時の水の流れを点線矢印で示している。
前記コントローラ20に内装したウィクリータイマーにより、1日におけるろ過サイクル、逆洗サイクル、ろ過サイクルの終了運転及び休止が設定される。そして、先ずろ過サイクルにおいては、前記ろ過ポンプ6及びオゾン発生器7が駆動され、また前記ろ過弁22が開かれて、ろ過サイクルでのろ過運転(立上り時間、使用時間)が行われ、これと同時にオゾン発生器7によるオゾンが分岐管10よりろ過器5内に注入されて、入浴者が持ち込む殺菌類やろ過器5などに生存するレジオネラ属菌などの微生物が殺菌不活性化される。
【0038】
前記ろ過器5で消費されなかったオゾン水の一部は、浴槽1に送られて殺菌消毒に使用され、また残りのオゾン水の一部は前記分岐管10に送られ、前記オゾン発生器7によるオゾンと共に溶解ポンプ8からろ過器5へと送られる。
【0039】
このとき、例えば浄化能力20m3 /Hの仕様の浄化システムでは、オゾン発生器7としてオゾン発生量2g/H(オゾン量15〜18wt%)の能力を有するものが、また溶解ポンプ8としては、0.5m3 /Hの能力を有するものが用いられ、これにより4ppm濃度のオゾン水が生成される。そして、分岐管10とろ過水還ラインRRの接続個所近くでは、オゾン水濃度が約0.1ppmとなり、この高濃度のオゾン水がろ過器5に注入される。このようにすれば、例えばレジオネラ症防止指針(厚生省生活衛生局企画課監修)の目標値は10CFU/100mlであるのに対し、ほとんど0CFU/100mlにできる。また、一般的にはオゾン水濃度が0.1ppmであれば、臭気があって鼻や喉に刺激臭を感じ、0.2〜0.5ppmで3〜6時間曝されれば視覚が低下すると言われている。しかし、以上によれば、ろ過器5への注入時のオゾン水濃度が約0.1ppmであるので、浴槽1内に供給されるオゾン水濃度は当然0.1ppm以下にでき、これにより入浴者にオゾンによる害を及ぼすことはない。
【0040】
そして、ろ過サイクルが終了すると逆洗サイクルが開始され、前記逆洗弁22が開かれ、またろ過器5に設けた電動切換弁54が随時切換えられて、ろ過器5への逆流による逆洗と順流による洗浄作業が行われる。これにより、ろ過器5内のろ過材51で捕捉された汚濁物質や死滅又は不活性化した微生物が系外(排水桝15)に排出される。この逆洗サイクルによって水が消費されると、この消費量と同量の新たな新鮮水が前記給水ラインWからオーバーフロー槽3に補給される。これにより、濃縮係数が低下(希釈)され、容存有機物濃度も低下する。
【0041】
また、逆洗サイクルが終了すると、ろ過サイクルの終了運転が開始され、このとき前記塩素殺菌装置9のポンプ91が駆動されて、塩素殺菌装置9による塩素剤が浴槽1などの循環経路全体にわたって流され、この循環経路全体の塩素殺菌消毒が行われる。このとき前記ろ過弁22は、逆洗サイクルを除く全期間にわたり開かれてろ過を行う。これにより、休止期間中も残留性の長い塩素剤により循環経路全体の殺菌消毒が行える。この塩素剤により循環経路全体の殺菌消毒を行う場合の水の処理量は、浴槽容量の2倍以上に設定することが好ましく、これによれば例えば1時間運転すると、浴槽水が2回以上循環することになるので、塩素剤が循環経路全体に行き渡り、確実な殺菌消毒が可能となる。特に、運転終了時の塩素濃度が、遊離残留塩素で0.6ppm程度となるように保持すれば、循環経路全体に残留塩素が存在することになるので、より確実な殺菌消毒が可能となる。このとき、運転終了してからろ過運転を開始する直前の残留塩素濃度は、大体0.2ppm程度となる。
【0042】
ところで、以上のように塩素注入を行うと、前述したように、入浴者などが持ち込む尿素のアンモニアと塩素が反応して結合残留塩素(クロラミン)を生成する。しかし、塩素注入後に行われるろ過サイクル運転時にオゾンが注入されるので、このオゾンにより前記結合残留塩素が次のように分解されて、結合残留塩素による弊害が除去される。つまり、
NH2 Cl+3O3 →HNO3 +HCl+3O2
NH2 Cl+NHCl2 +O3 →N2 O+3HCl+O2
となり、硝酸や塩酸及び窒素酸化物に分解されて無害化される。このことは、プールにおいて、プール水の塩素臭気や屋内空気中の塩素臭が大幅に減少したことにより確認されている。
【0043】
さらに、以上のように結合残留塩素が分解されて濃度が低くなると、塩素投入量と残留塩素量との関係は、図4の点線で示す曲線O.B1 .C1 .D1 のようになり、遊離残留塩素と結合残留塩素の線が有効残留塩素理論量線に沿うようになる。つまり、遊離残留塩素を残留させるために必要な投入塩素量が少なくて済み、ランニングコストの低廉化が可能となる。
【0044】
以上の実施形態では、浴槽の浄化を行う場合について説明したが、本発明は、その他にも家庭用浴槽やプール又は貯水タンク或は冷却塔などの浄化にも使用することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、本発明の水の浄化システムによれば、レジオネラ属菌などの微生物を確実に殺菌消毒することができて、安全性に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる浄化システムの一実施形態を示す配管系統図である。
【図2】同システムに用いられるろ過器の概略的な断面図である。
【図3】同システムによるプログラミングチャート図である。
【図4】塩素投入量と残留塩素量の関係を示す図面である。
【図5】オゾンと各種塩素の殺菌効果を示す比較図である。
【符号の説明】
1 槽(浴槽)
5 ろ過器
7 オゾン発生器
9 塩素殺菌装置
10 分岐管
Claims (4)
- 被処理水が貯溜される浴槽と、該浴槽の被処理水を循環する循環経路と、該循環経路の途中に介装され前記被処理水をろ過するろ過器を備え、
前記ろ過器の出口側循環経路であるろ過水往ラインから、前記ろ過器の入口側循環経路であるろ過水還ラインへ分岐管が接続され、該分岐管の途中には、オゾン発生器から発生したオゾンを吸込ませるエゼクタと、前記ろ過水還ラインへ向けて前記分岐管を流れる被処理水に前記オゾンを溶解させてオゾン水とする溶解ポンプとが前記ろ過水還ラインへ向けて順次介装され、
さらに前記分岐管を越えた前記ろ過水往ラインの途中には、塩素殺菌装置で生成した塩素剤を注入する配管が接続されてなる浴槽水の浄化システムであって、
浄化システムの運転中には、前記塩素殺菌装置を停止させた状態で、前記オゾン発生器を駆動して前記分岐管内で生成したオゾン水を前記ろ過水還ラインへ供給しつつ、前記浴槽と前記循環経路に被処理水を循環させるろ過運転と、
浄化システムの休止前には、前記オゾン発生器を停止して、前記浴槽と前記循環経路に被処理水を循環させつつ、前記塩素殺菌装置を駆動して、生成した塩素剤を前記ろ過水往ラインへ注入し、所定時間経過後に前記被処理水の循環を停止するとともに、前記塩素殺菌装置を停止する終了運転を1日のサイクルとして行う制御手段を備えた浴槽水の浄化システム。 - 前記ろ過運転と前記終了運転の間に、前記オゾン発生器を停止するとともに、前記ろ過水往ラインを閉止し、前記ろ過器への被処理水の逆流による逆洗と順流による洗浄を行い、これによりろ過器内の汚染物質や死滅又は不活性化した微生物を系外へ排出する逆洗運転を行うことを特徴とする請求項1記載の浴槽水の浄化システム。
- 請求項1において、オゾン発生器が水電解式オゾン発生装置である浴槽水の浄化システム。
- 請求項1において、ろ過器及び分岐管が耐オゾン性素材で形成されている浴槽水の浄化システム。
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