JP4130175B2 - 温泉水の消毒方法及びシステム - Google Patents

温泉水の消毒方法及びシステム Download PDF

Info

Publication number
JP4130175B2
JP4130175B2 JP2003433421A JP2003433421A JP4130175B2 JP 4130175 B2 JP4130175 B2 JP 4130175B2 JP 2003433421 A JP2003433421 A JP 2003433421A JP 2003433421 A JP2003433421 A JP 2003433421A JP 4130175 B2 JP4130175 B2 JP 4130175B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hot spring
spring water
chlorine dioxide
water
storage tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003433421A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005186007A (ja
Inventor
三郎 阿部
利明 齋藤
哲也 木村
昌子 細田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamato Co Ltd
Original Assignee
Yamato Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamato Co Ltd filed Critical Yamato Co Ltd
Priority to JP2003433421A priority Critical patent/JP4130175B2/ja
Publication of JP2005186007A publication Critical patent/JP2005186007A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4130175B2 publication Critical patent/JP4130175B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Devices For Medical Bathing And Washing (AREA)
  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)
  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)

Description

本発明は水処理システムについての発明であって、特に無機、有機の複雑な溶存物質を含有する温泉水を消毒するための方法及びシステムに関するものである。
温泉は日本人が古来から慣れ親しんできた気分転換及び健康回復手段である。最近では精神的リフレッシュを求める傾向から、在来の天然の湧泉に加えて都市近郊でもボーリングによる温泉、鉱泉が多く開設されるようになっている。
このような温泉施設においては、一定の温泉水量を確保するために、温泉水を消毒して循環させる方式が取られる場合が多い。
閉鎖型水路における消毒方法としては、通常は塩素によって行うのが主であるが、クリプトスポジウムのような微生物を塩素により死滅させるのは難しい。特に近年循環方式を採用する温泉施設においては、レジオネラ菌による肺炎の感染症が問題になっており、この菌も塩素による消毒方法では死滅させることができない。
特許文献1には水処理用除菌剤としてアミノ配糖体系抗生物質、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル及びチアゾリルスルファミド化合物から選ばれた少なくとも1種または2種以上を含有した除菌剤がレジオネラ菌の増殖を防ぐことができる旨記載されているが、温泉施設のような大きい浴場を備え多量の温泉水を使用する場所には該除菌剤を使用することは経済的でない。
さらに塩素による消毒方法以外のものとして、紫外線照射による方法や、オゾン等を使用した浄化方法や消毒方法が存在している(例えば非特許文献1)。
しかしながら、温泉の水質すなわち泉質は、その性質上多量の無機質、有機物ガス等を溶存しており、又PH値も高いものから低いものまで様々であるため、温泉水の消毒方法には困難が伴い、従来の消毒方法では十分な消毒効果を得ることはできない。
例えばフミン酸類を多量に含有する温泉水に塩素を注入すると、塩素はこれらの有機物と反応し、トリハロメタン類を生成する。特に温泉水は水温が高いので、その反応速度も大きくなる。揮発性のハロゲン化物であるトリハロメタンには、クロロホルムを代表し複数の物質が存在するが、いずれも発癌性を有する毒物である。
又、このようなフミン質類をはじめとする溶存有機物の多い水は、塩素が有機物の酸化のために消費され、消毒効果が得られないため、通常の水の浄化に用いられる塩素量より多くの塩素を注入する必要がある。そうすると前述のトリハロメタンが多量に生成し、人体に有害な影響を及ぼしてしまう。
さらにフミン質類を多量に含有する温泉水は茶褐色であるが、このような着色水を紫外線殺菌により消毒しても、色度の影響を受け、紫外線の光線が行き届かず、十分な殺菌をすることができない。
加えてオゾンを使用した浄化方法も、オゾンがもともと温泉に存在している溶存有機物と酸化し消費されてしまうことで、塩素による消毒と同様、十分な消毒をするに至らない。
次にアンモニア性窒素を多く含有する温泉水を消毒する場合の困難性について説明する。アンモニアが溶存している水に塩素注入を行うと、塩素は水中のアンモニアと反応し結合塩素(クロラミン)に変化することにより、殺菌能力が著しく低下し、遊離有効塩素の1/25の効果しかなさないといわれている。尚、遊離有効塩素とは水中に次亜塩素酸及び次亜塩素酸イオンの形で存在する塩素のことであり、塩素による殺菌作用の主たる働きをなすものである。又、結合塩素はウイルスに対する消毒力もない。
そのため、遊離有効塩素を得るためには溶存アンモニア量に対して略10倍量の塩素注入が必要となる。循環させる温泉水には人間のし尿等に含まれるアンモニアが多量に含有されることとなり、このため注入せねばならない塩素量も大きくなり、経済的でない。
次にPH値の高いアルカリ性の温泉水の消毒の困難性について説明する。温泉水はPH値が高いアルカリ性のものが多く存在する。このようなPH値の高いアルカリ性の温泉水に塩素を注入すると、遊離有効塩素の生成過程において、次亜塩素酸(HCLO)よりも著しく殺菌効力の劣る次亜塩素酸イオン(CLO)が多く生成されてしまい、消毒効果が低下することとなる。
逆にPH値の低い酸性の温泉水に塩素を用いて消毒しようとすると、塩素ガスを発生し、人体に危険が及ぶので、紫外線照射等の他の消毒方法を検討しなければならない。
そこで塩素代替消毒技術として二酸化塩素を適用することが提案されており、例えば二酸化塩素を用いて水泳用プールの消毒を行うシステムが特許文献2に掲載されている。しかしながら、二酸化塩素の生成過程において爆発する危険性があるため、取り扱いを厳重にする必要があり、現場で生成するには困難が伴っていた。そのため当該先行技術文献の方法では生成済みの二酸化塩素を貯留して使用しているため、二酸化塩素の運搬に苦労を要していた。
一般の浄水方法において二酸化塩素を使用する場合には、亜塩素酸ソーダ溶液に次亜塩素酸ソーダ溶液と、場合によって塩酸を添加して二酸化塩素ガスを発生させる方法がとられているが、フミン酸が溶存する温泉水では塩素の介入によりトリハロメタンが生成することとなり、不向きであるし、又、二酸化塩素を発生させてから処理水に混合するので、反応装置も必要であった。そこで塩素を生じないように、かつ反応装置も用いないで二酸化塩素を生成する方法が必要であった。
さらに二酸化塩素を発生させてから処理水に混合すると、すぐに二酸化塩素が反応してしまうため、二酸化塩素の残存性が悪くなる。温泉施設のように菌の繁殖がし易い場所においては、貯留槽から浴槽へ温泉水が供給された場合に、該浴槽の菌の繁殖を抑えられるようにするため、温泉水に二酸化塩素が残存している方が好都合であった。
特開平11−12107
特開平6−39376 遠藤士朗,「上水道工学」,森北出版,1988,p.111−115
そこで、本発明は無機、有機の複雑な溶存物質を含有する温泉水を消毒するために、簡易かつ安全に、現場において二酸化塩素を生成して温泉水を浄化し、その効果を残存させるようにした消毒方法及び装置を提供しようとするものである。
少なくとも、フミン質等の溶存有機物質を含有する温泉水、アンモニア性窒素が溶存する温泉水、アルカリ性の温泉水、のいずれか一つを含む温泉水の処理方法において、亜塩素酸ソーダと、酸性溶液若しくは酸性を呈する溶解性塩類と、を前記温泉水に接触せしめて該温泉中に二酸化塩素を発生させることにより温泉水の消毒を行うことを特徴とする温泉水の消毒方法を提供する。
上記の方法において、温泉水を循環させながら亜塩素酸ソーダと酸性溶液を注入して該温泉中に二酸化塩素を発生させることにより、温泉水の消毒を行うことを特徴とする温泉水の消毒方法を提供する。
又、温泉水を循環させながら、該温泉水中に亜塩素酸ソーダを注入するとともに、前記温泉水を、その循環経路内に配した酸性を呈する溶解性塩類の固形物若しくは粗結晶体に接触させることにより、該温泉中に二酸化塩素を発生させ、温泉水の消毒を行うことを特徴とする温泉水の消毒方法を提供する。
上記方法により消毒された温泉水に、食塩水を電気分解することにより発生した強酸性電解水を注入することを特徴とする温泉水の消毒方法を提供する。
少なくとも、フミン質等の溶存有機物質を含有する温泉水、アンモニア性窒素が溶存する温泉水、アルカリ性の温泉水、のいずれか一つを含む温泉水を消毒するための温泉水の消毒システムであって、前記温泉水の貯留槽と、温泉水を循環させるためのポンプ及び配管とにより温泉水を循環させ、その循環経路内に亜塩素酸ソーダの貯留槽及び注入部と酸性溶液の貯留槽及び注入部を設けたことを特徴とする温泉水の消毒システムを提供する。
さらに、少なくとも、フミン質等の溶存有機物質を含有する温泉水、アンモニア性窒素が溶存する温泉水、アルカリ性の温泉水、のいずれか一つを含む温泉水を消毒するための温泉水の消毒システムであって、前記温泉水の貯留槽と、温泉水を循環させるためのポンプ及び配管とにより温泉水を循環させ、その循環経路内に亜塩素酸ソーダの貯留槽及び注入部と、温泉水と酸性を呈する溶解性塩類の固形物若しくは粗結晶体を接触させるようにした前記溶解性塩類の固形物若しくは粗結晶体の貯留槽とを設けて、該温泉中に二酸化塩素を発生させることを特徴とする温泉水の消毒システムを提供する。
加えて、少なくとも、フミン質等の溶存有機物質を含有する温泉水、アンモニア性窒素が溶存する温泉水、アルカリ性の温泉水、のいずれか一つを含む温泉水を消毒するための温泉水の消毒システムであって、第一循環経路と、当該第一循環経路に繋がる第二循環経路と、前記第一循環経路及び第二循環経路に二酸化塩素を供給する注入部とを備え、前記第一循環経路には温泉水を貯留するための第一貯留槽が設けられ、前記第二循環経路には第一循環経路から流入させた温泉水を貯留するための第二貯留槽と当該第二貯留槽内の温泉水の濾過手段が設けられたことを特徴とする温泉水の消毒システムを提供する。
本発明の消毒システムは二酸化塩素を用いて温泉水の消毒を行うので、フミン質等の有機物質を含む温泉水について消毒を行なった場合にトリハロメタンのような人体に有害な影響を及ぼす有機塩素化合物を生成することなく、安全に温泉水を消毒することができる。
又、アンモニア性窒素を多く含有する温泉水に対しても、遊離有効塩素と比較して消毒能力が劣る結合塩素(クロラミン)を多く生じないので、有効に消毒効果を発揮できる。
PH値の高いアルカリ性の処理水に対して塩素による消毒を行なうと次亜塩素酸(HCLO)よりも著しく殺菌効力の劣る次亜塩素酸イオン(CLO)が生成し、消毒効果が低減するが、本消毒システムでは二酸化塩素を使用しているので、このような問題が生じることなく有効に消毒効果を発揮できる。
加えて、本消毒システムは、温泉水に亜塩素酸ソーダと活性化薬剤を接触させて二酸化塩素を発生させるので、二酸化塩素の生成過程において塩素を発生しない。そのためトリハロメタンを生じることもないし、塩素特有の臭気が出ることもない。
さらに、二酸化塩素が温泉水自体の有効な成分と化合することがないので、泉質に影響を与えることなく消毒ができる。
二酸化塩素を生成する際には劇物を使用し、反応のさせ方によっては爆発することがあり、危険を伴うものであるが、本発明の消毒システムを使用すれば徐々に二酸化塩素を発生させ、急激な反応をしないので、危険が少なく、一定の二酸化塩素濃度を維持することができる。
本消毒システムは二酸化塩素発生装置を用いないで二酸化塩素を発生させることができ、複雑な装置を要しない。そのためメンテナンスが容易で、システムの故障も少なく、容易に二酸化塩素による消毒の効果を得られる。
本発明は温泉水を循環させるという温泉施設の特色を生かし、同一のシステムによって貯留槽のみならず循環濾過機の濾材の洗浄や循環配管の洗浄を合わせて行うことができるため、常に清潔な温泉水を提供することができる。
本発明の実施の形態を図面に基き説明する。図1は亜塩素酸ソーダと活性化薬剤を温泉水に接触させ消毒を行う第一循環経路を有する本発明の基本的構造を表す図である。図2は温泉水に亜塩素酸ソーダと、活性化薬剤として酸性溶液を注入し消毒を行う第一循環経路を表している。図3は活性化薬剤として酸性を呈する溶解性塩類の固形物若しくは粗結晶体に温泉水を接触させる時の図を表している。図4は第一循環経路から流出した温泉水を強酸性電解水を用いて消毒し、第二循環経路に流入させた消毒システムの図である。図5は二酸化塩素を第一循環経路と第二循環経路に供給する消毒システムの図である。
まず第一循環経路10について説明する。第一循環経路10は温泉の原泉の消毒を行うための循環経路である。湧泉やボーリングによる温泉水及び鉱泉の温泉水は11の第一貯留槽に溜められている。この温泉水には有機質、無機質の多種の温泉成分が含有している。第一貯留槽11に溜められている温泉水を循環させるように、12の配管と13のポンプが設けられている。17の流量計の数値を読みつつ、一時間当たりの流量が第一貯水槽11の有効容量の概ね2倍程度になるように設定する。つまり、第一貯水槽11の有効容量が10tとすると、1時間当たり20tの温泉水が流量計17を通過するように設定することになる。
図1及び図4において、この第一循環経路10内に亜塩素酸ソーダの注入部14と酸性を呈する溶解性塩類の固形物若しくは粗結晶体の接触槽15が設けられている。タンク16に配置されている亜塩素酸ソーダは注入部14から第一循環経路10内に注入される。その注入方法はポンプ等の手段によって行われるが、その方法は問わない。
亜塩素酸の固体は安定であり、分解温度は180℃〜200℃である。このため通常の状態に於いては二酸化塩素を発生しないが、活性化薬剤によって分解し、二酸化塩素を生成する。本発明において用いる亜塩素酸ソーダに変えて、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウムなどのアルカリ金属塩、亜塩素酸カルシウムなどのアルカリ土類金属を用いることもできる。
活性化薬剤である酸性を呈する溶解性塩類の固形物若しくは粗結晶体3は接触槽15に保持され、図3に示すように該接触槽に亜塩素酸ソーダが注入された温泉水が流入することによって酸性を呈する溶解性塩類の固形物若しくは粗結晶体3が溶解し、亜塩素酸ソーダと反応して二酸化塩素を生じる。二酸化塩素が生成した後に温泉水に加えるのでなく、温泉水中で亜塩素酸ソーダと活性化薬剤である酸性を呈する溶解性塩類の固形物若しくは粗結晶体の溶解物質を化合させているので、二酸化塩素を長時間温泉中に残留させることができるという利点を有する。
尚、活性化薬剤である酸性を呈する溶解性塩類の固形物若しくは粗結晶体としては、好ましくはトリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸カリウム及びそれらの混合物からなる塩素化シアヌール酸や硫酸水素ナトリウム一水和物を使用することができる。二酸化塩素の発生速度は上記物質の重量比組成を変化させることによって調節可能である。しかしながら過剰に入れると、亜塩素酸イオンが過剰に生成され、その上限値は「遊泳用プールの衛生基準について(平成13年:厚生労働省通達)」の中で1.2mg/lと定められているので、その基準値を超えないように調整を行う必要がある。注入量は温泉水の成分によって変化するので、注入量を適宜決定する必要があるが、注入率において25%の亜塩素酸ソーダで0.1〜100mg/l、好ましくは0.1〜30mg/l加えるのがよい。酸性を呈する溶解性塩類の固形物若しくは粗結晶体は0.1〜60mg/l、好ましくは0.1〜20mg/lの範囲内で加えるのがよい。
上記方法により第一循環経路10内で亜塩素酸ソーダと活性化薬剤を含有した温泉水は第一貯留槽11に戻り、撹拌される。そして徐々に二酸化塩素が生成され、第一貯留槽11の温泉水を消毒することとなる。
次に第二循環経路20について説明すると、第一循環経路10によって温泉の原水は消毒され、第一貯留槽11の温泉水の一部が第二貯留槽21へ流入する。第二貯留槽21は浴槽であり、人間が該貯留槽に入浴することから、再び有機物質等の汚濁物質が混入する。この汚濁物質を除去するために、濾過手段24が設けられており、第二貯留槽21と濾過手段24で第二循環経路20を形成している。濾過手段24には現在用いられている濾過装置が使用できる。
上述したように、本システムによれば酸性を呈する溶解性塩類の固形物若しくは粗結晶体が段々と溶解し亜塩素酸ソーダと反応することによって、二酸化塩素を徐々に生成することができるため、一定の二酸化塩素濃度を長時間維持することができ、第二貯留槽においても消毒効果を期待することができる。
尚、第一循環経路10は図2に図示するシステムでもよい。本システムにおいては活性化薬剤として酸性溶液を使用しているので、タンク18に配置される酸性溶液は注入部19から第一循環経路10内に注入されることとなる。この時に用いられる溶液は硫酸や塩酸等を用いることができる。又、溶解性塩類の固形物若しくは粗結晶体をあらかじめ溶解させた溶液も使用できる。その注入量は活性化薬剤として酸性を呈する溶解性塩類の固形物若しくは粗結晶体を用いる場合と同様である。但し、溶解性塩類の固形物若しくは粗結晶体をあらかじめ溶解させた溶液を使用する場合は、該溶質の質量で注入量を決定する。
図4に示すシステムでは第一循環経路10において消毒された温泉水に、強酸性電解水槽31に貯留してある該強酸性電解水を注入部32から注入することによって消毒した後第二循環経路20に流出させている。二酸化塩素のみでも消毒効果は高いが、二酸化塩素だけでは不活性化できない一般細菌も存在している。そこで本システムでは二酸化塩素と強酸性電解水を併用することによって、其々が不活性化できない細菌を補いあうようにしている。尚、強酸性電解水は既存の発生装置によって生成することができる。
図5に示すシステムでは第一循環経路及び第二循環経路に二酸化塩素を供給する注入部を備え、第二循環経路20内にも二酸化塩素を注入し、濾過手段24及び配管22の消毒を行なっている。当該システムは、通常より高濃度の二酸化塩素を濾過手段24及び配管22に注入することにより、濾過手段24及び配管22に存在するレジオネラ菌、生物膜を強力に除去することを目的としている。該システムの場合、二酸化塩素発生装置によって二酸化塩素を生成し、濾過手段に注入してもよいし、第一循環経路10内で亜塩素酸ソーダと活性化薬剤を注入したのと同様の方法で二酸化塩素を生成させてもよい。
表1は温泉水Aの成分表である。
Figure 0004130175
温泉水Aはアンモニア性窒素が32.3mg/lと、非常に多く含有されているため、仮に塩素で消毒を行うと、アンモニアが塩素と結合し、消毒効果の低い結合塩素であるクロラミンが多く発生する。又、本温泉水Aは、過マンガン酸カリウム消費量が183mg/lとなっていることから、フミン質等の有機物質が多く含まれていることがわかる。このような温泉水に対し塩素による消毒を行うと、フミン質等の有機物質が消毒用の塩素と反応し、トリハロメタンを生じてしまう。加えて本温泉水のPH値は8前後のアルカリ性であるため、塩素消毒を行うと次亜塩素酸イオン(CLO)が多く生じるために消毒力が極めて弱くなる。
そこで図1に示す第一循環経路を用いて該温泉水の消毒を行い、第二循環経路へ該温泉水の一部が流入するようにした。ここで、温泉中に25%の亜塩素酸ソーダを添加率で9.2mg/l、活性化薬剤としてトリクロロイソシアヌル酸を添加率で5.6mg/lになるように注入し、該温泉中に二酸化塩素を生成させた。表2は本発明を実施したときの、第一貯水槽(原水タンク)と第二貯水槽(浴槽)の二酸化塩素濃度を示している。
Figure 0004130175
この結果は、本発明により残存性のある二酸化塩素の生成が可能であることを示している。残留二酸化塩素濃度が0.3〜0.5mg/lで接触時間が15分の場合、大腸菌やレジオネラ菌を不活性化させることができるとされているが、本実施例においては、残留二酸化塩素濃度が第一貯水槽(原水タンク)で1.2mg/l、第二貯水槽(浴槽)でそれぞれ0.5mg/l、0.3mg/lとなっているので、第一貯留槽、第二貯留槽のどちらにおいても効果的に殺菌が行われていると思われる。
尚、当該システムにより、月1回の頻度で3ヶ月レジオネラ菌の検出測定を行ったが、いずれの浴槽からもレジオネラ菌は発見されず、効果的に殺菌が行われたことを確認できた。
表3は温泉水Bの成分表である。
Figure 0004130175
この温泉水も温泉水A同様、アンモニア性窒素を多く含有しており、アルカリ性であるが、温泉水Aと比較して過マンガン酸カリウム消費量が48.2mg/lとなっており有機物質の含有量が少ない。本温泉水は図4に示す二酸化塩素による消毒を行った後に強酸性電解水を注入する方法で消毒を行った。ここで、二酸化塩素の生成のために、25%の亜塩素酸ソーダを12mg/l、活性化薬剤としてトリクロロイソシアヌル酸を5mg/lの添加率になるように注入した。
表4は薬剤の注入状況とその効果についての結果を表している。
Figure 0004130175
強酸性電解水と二酸化塩素を併用することにより、細菌の数が大幅に減少していることがわかる。これは二酸化塩素によって不活性化される細菌と強酸性電解水によって不活性化される細菌とが異なるので、両者を用いることによって消毒の効果が高まるのである。
表5は温泉水Cの成分表である。
Figure 0004130175
この温泉水はPH値が6.1であり、又フミン質等の有機物質の含有率が少ない。しかしながら、アンモニア性窒素も2.1mg/含まれているので、塩素を使用した消毒方法をとることはできない。そこで図1に示す方法により該温泉水の消毒を行った。ここで、温泉中に25%の亜塩素酸ソーダを3mg/l、活性化薬剤としてトリクロロイソシアヌル酸を1.22mg/lの添加率になるように注入し、二酸化塩素を生成させた。
表6はレジオネラ菌の測定結果を示している。二酸化塩素消毒前にはレジオネラ菌が検出されていた所でも、二酸化塩素消毒後には不検出となっており、本システムによってC温泉が安全かつ安定して消毒されているといえる。
Figure 0004130175
表7は図5に示す方法により、第二循環経路内の濾過器内の消毒を行った場合の試験結果を表している。
Figure 0004130175
二酸化塩素を濾過器内に注入することにより、消毒を行った。二酸化塩素を注入したことによって一般細菌がすべて死滅し、効果的に消毒できていることが分かる。尚、二酸化塩素を注入した後にばっ気を行うことにより、湯垢等がその主成分であって、レジオネラ菌の生育場所となるバイオフィルムを物理的に破壊する効果がある。そのため、各種菌類がほぼ完全に二酸化塩素と接触することにより消毒効果を高めることができる。
本消毒システムの基本的構造 亜塩素酸ソーダと液体の活性化薬剤を注入し消毒を行う第一循環経路 固体の活性化薬剤に温泉水を接触させる時の図示 強酸性電解水を用いた消毒システム 二酸化塩素を第一循環経路と第二循環経路に供給する消毒システム
符号の説明
3 酸性を呈する溶解性塩類の固形物若しくは粗結晶体
10 第一循環経路
11 第一貯留槽
12、22 配管
13、23 ポンプ
14 亜塩酸ソーダ注入部
15 活性化薬剤接触槽
16 亜塩素酸ソーダタンク
17 流量計
18 酸性溶液タンク
19 活性化薬剤注入部
20 第二循環経路
21 第二貯留槽
24 濾過手段
31 強酸性電解水貯留槽
32 強酸性電解水注入部
41 二酸化塩素発生装置
42 二酸化塩素注入部

Claims (6)

  1. 少なくとも、フミン質等の溶存有機物質を含有する温泉水、アンモニア性窒素が溶存する温泉水、アルカリ性の温泉水、のいずれか一つを含む温泉水の処理方法において、亜塩素酸ソーダと、酸性溶液若しくは酸性を呈する溶解性塩類と、を前記温泉水に接触せしめて該温泉中に二酸化塩素を発生させることにより温泉水の消毒を行うことを特徴とする温泉水の消毒方法。
  2. 請求項1記載の方法において、温泉水を循環させながら亜塩素酸ソーダと酸性溶液を注入して該温泉中に二酸化塩素を発生させることにより、温泉水の消毒を行うことを特徴とする温泉水の消毒方法。
  3. 請求項1記載の方法において、温泉水を循環させながら、該温泉水中に亜塩素酸ソーダを注入するとともに、前記温泉水を、その循環経路内に配した酸性を呈する溶解性塩類の固形物若しくは粗結晶体に接触させることにより、該温泉中に二酸化塩素を発生させ、温泉水の消毒を行うことを特徴とする温泉水の消毒方法。
  4. 請求項1乃至請求項3記載の方法により消毒された温泉水に、食塩水を電気分解することにより発生した強酸性電解水を注入することを特徴とする温泉水の消毒方法。
  5. 少なくとも、フミン質等の溶存有機物質を含有する温泉水、アンモニア性窒素が溶存する温泉水、アルカリ性の温泉水、のいずれか一つを含む温泉水を消毒するための温泉水の消毒システムであって、前記温泉水の貯留槽と、温泉水を循環させるためのポンプ及び配管とにより温泉水を循環させ、その循環経路内に亜塩素酸ソーダの貯留槽及び注入部と酸性溶液の貯留槽及び注入部を設けたことを特徴とする温泉水の消毒システム。
  6. 少なくとも、フミン質等の溶存有機物質を含有する温泉水、アンモニア性窒素が溶存する温泉水、アルカリ性の温泉水、のいずれか一つを含む温泉水を消毒するための温泉水の消毒システムであって、前記温泉水の貯留槽と、温泉水を循環させるためのポンプ及び配管とにより温泉水を循環させ、その循環経路内に亜塩素酸ソーダの貯留槽及び注入部と、温泉水と酸性を呈する溶解性塩類の固形物若しくは粗結晶体を接触させるようにした前記溶解性塩類の固形物若しくは粗結晶体の貯留槽とを設けて、該温泉中に二酸化塩素を発生させることを特徴とする温泉水の消毒システム。
JP2003433421A 2003-12-26 2003-12-26 温泉水の消毒方法及びシステム Expired - Lifetime JP4130175B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003433421A JP4130175B2 (ja) 2003-12-26 2003-12-26 温泉水の消毒方法及びシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003433421A JP4130175B2 (ja) 2003-12-26 2003-12-26 温泉水の消毒方法及びシステム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005186007A JP2005186007A (ja) 2005-07-14
JP4130175B2 true JP4130175B2 (ja) 2008-08-06

Family

ID=34790809

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003433421A Expired - Lifetime JP4130175B2 (ja) 2003-12-26 2003-12-26 温泉水の消毒方法及びシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4130175B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5114014B2 (ja) * 2006-03-29 2013-01-09 日本カーリット株式会社 魚類飼育用水産系使用水に対する亜塩素酸ナトリウムの注入装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005186007A (ja) 2005-07-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10934179B2 (en) Liquid treatment system and method
CA2475443C (en) Method for sterilisation and cleaning of water supply systems, in particular in swimming and bathing pool units and device for carrying out the same
KR20100057847A (ko) 살균·살조방법
JP5942373B2 (ja) 船舶バラスト水の処理システム
ES2706982T3 (es) Procedimiento para la preparación y el uso de biocidas enriquecidos en radicales activos antes del uso
ES2449492T3 (es) Soluciones de ácido hipobromoso estabilizadas
JP2015167937A (ja) バラスト水処理装置およびバラスト水の処理方法
JP2008012462A (ja) 濾過装置の洗浄殺菌方法及びその洗浄殺菌システム
JP4130175B2 (ja) 温泉水の消毒方法及びシステム
Eichelsdörfer et al. Long contact time ozanation for swimming pool water treatment
JP2011153095A (ja) 消毒液及びその製造方法
JP7250612B2 (ja) 水系の殺菌方法、および水系のニトロソアミン化合物の除去方法
JP2004224626A (ja) 二酸化塩素水の製造方法および殺菌装置
JP2004330163A (ja) 水循環路洗浄方法
RU2182125C1 (ru) Комбинированный способ обеззараживания воды
US10836660B2 (en) Method and composition for use in the cyclic process for the efficient generation of chlorine dioxide in dilute solutions
JP2001286871A (ja) 殺菌剤の製法と水の殺菌方法及びそれらに用いられる装置
KR101825648B1 (ko) 해수를 이용한 선박 살균시스템
LaBonne Ozonation of Marine Mammal Pool Waters
Petrushin The harmful effects of chlorine in water
Aizawa et al. DISINFECTANT AND DISINFECTANT BY-PRODUCTS
Lievens et al. ELECTROCHEMICAL and copper DISINFECTION with minimal CHLORINATION: A TWO-YEAR CASE STUDY IN AN intense bather loaded PUBLIC training POOL
JP3088397U (ja) 滅菌浄化システム
JP2004243166A (ja) 浴槽湯の殺菌浄化方法および殺菌浄化装置
JPH05213706A (ja) 冷却水系の殺藻、殺菌方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050921

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080327

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080415

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080508

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080520

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4130175

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110530

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110530

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120530

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120530

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130530

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140530

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term