JP2015167937A - バラスト水処理装置およびバラスト水の処理方法 - Google Patents

バラスト水処理装置およびバラスト水の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 装置の設置スペースや薬剤の保管ペースを大きく必要とせず、かつ長期間の航海においても薬剤を安全に保管することができるバラスト水処理装置を提供する。【解決手段】 バラスト水処理装置10は、取排水部1と、メインライン2と、バラストタンク3と、殺菌剤溶解槽4と、固型殺菌剤貯留槽5とを備える。固型殺菌剤貯留槽5にて貯留される殺菌剤は、固形次亜塩素酸ナトリウムであり、固型殺菌剤貯留槽5は、固形次亜塩素酸ナトリウムの融点以下となるように固形次亜塩素酸ナトリウムの温度を管理する温度調整手段を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、船舶のバラストタンクに積み込まれるバラスト水に含まれる細菌類およびプランクトンなどの微細水性生物を殺菌するためのバラスト水処理装置およびバラスト水の処理方法に関する。
一般に船舶、特に貨物船は、積載貨物などの重量を含めて設計されているため、空荷または積荷が少ない状態の船舶は、プロペラ没水深度の確保、空荷時における安全航行の確保等の必要性から、出港前に港において海水を取水して船舶のバランスを取るが、このバラストとして用いられる水のことをバラスト水とよぶ。バラスト水は、無積載で出港するとき、その出港地で港の海水などをバラストタンクに積み込む一方、逆に港内で積荷をするときには、バラスト水の排水を行う。
ところで、環境の異なる荷積み港と荷下し港との間を往復する船舶によってバラスト水の注排水が行われると、荷積み港と荷下し港におけるバラスト水に含まれる微生物の差異により沿岸生態系に悪影響を及ぼすことが懸念されている。そこで、船舶のバラスト水管理に関する国際会議において2004年2月に船舶のバラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際条約(バラスト水管理条約)が採択され、バラスト水の処理が義務付けられることとなった。
バラスト水の処理基準として国際海事機構(IMO)が定める基準(D−2基準)は、船舶から排出されるバラスト水に含まれる50μm以上の生物(主に動物プランクトン)の数が1m3中に10個未満、10μm以上50μm未満の生物(主に植物プランクトン)の数が1ml中に10個未満、コレラ菌の数が100ml中に1cfu未満、大腸菌の数が100ml中に250cfu未満、腸球菌の数が100ml中に100cfu未満となっている。
また、バラスト水管理条約では、塩素や塩素系の殺菌剤、過酸化水素、オゾン等の活性物質をバラスト水処理に用いる場合、バラスト水排水時の活性物質濃度にも基準が設けられている。このようなバラスト水の処理基準を満たすために、バラスト水処理システムとして、塩素系の殺菌剤、過酸化水素、オゾン等の活性物質(殺菌剤)の貯蔵装置もしくはこれらの船上生成装置と、これら活性物質のバラスト水への添加装置と、バラスト水の排出時にバラスト水に残存する活性物質を除去するための手段としての活性物質除去手段とを組み合わせたシステムが採用されることが多い。例えば、特許文献1には、バラスト水に次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸カルシウムなどの塩素系の殺菌剤を添加して、滞留時間を確保することにより微生物等を殺菌するともに、亜硫酸ナトリウムやチオ硫酸ナトリウム等の塩素還元剤を添加するバラスト水の処理システムが開示されている。
このようなバラスト水の処理システムにおいては、微生物等が再び増殖してしまわないように、航海中はバラストタンク内に適切な濃度で活性物質を残存させる必要がある。その一方で荷積み港でのバラスト水排水前には、前述のようにバラスト水中の活性物質を除去することが必要となるため、バラスト水の排水流路においてバラスト水から活性物質を除去することが多い。例えば、特許文献2には、電解水生成装置により海水の一部を電気分解して次亜塩素酸を含む電解水を生成し、バラスト水に注入することにより微生物等を殺菌するともに、残留塩素除去のためにバラスト水の排水流路に中和剤を投入する中和剤投入装置を備えたバラスト水処理装置が開示されている。
特開2009−297610号公報 特開2011−173058号公報
バラスト水は、荷積み港においてはほぼ全量が環境中に排出される。ここで、毒物である殺菌能のある活性物質の濃度が高すぎると、環境に排出された後に環境破壊の原因となりうるため、活性物質の濃度を必要最低限に近いレベルに制御する必要がある。その一方で、殺菌能のある活性物質の濃度が低いと、バラスト水中の有害微生物の殺菌が不十分となる。さらに、バラスト水の原水に含まれる有害微生物の種類や量が、原水を取水する荷下し港の環境により異なる等の理由により、バラスト水処理の要求基準は様々に異なることになる。このため、活性物質の濃度は、処理の要求基準に応じて、その殺菌に必要十分な濃度に厳密に制御することが好ましい。ここで、殺菌剤による薬剤処理は、添加量を調整することで処理の要求基準の変化に柔軟に対応可能であるため、非常に好ましい。
前述したような殺菌剤を使用する場合、液体の方が固体よりも添加が容易である。しかし、液体の薬剤の場合、単位質量あたりの塩素(活性物質)濃度が低いため、不純物や大型生物が混入すると、薬剤が過剰に消費されコスト高になり、また積載量が多くなるという問題点がある。そのため、薬剤の使用量をできるだけ低減させるべく、バラスト水の全量を濾過などの固液分離手段により固形物としての不純物や大型生物を分離する方法が知られている。しかし、この場合大型の濾過装置が必要となり、設置スペースを確保する必要が生じてしまう。
これに対し、単位質量あたりの塩素濃度が高い固形の塩素剤を用いることが考えられる。固形の塩素剤としては、塩素化イソシアヌル酸や次亜塩素酸カルシウムが挙げられる。しかし、これらの固形塩素剤は反応性が高いため、航海が長期間にわたる場合、その保管および使用には十分な注意が必要である。また、次亜塩素酸カルシウムは、海水に溶解すると硫酸カルシウムが析出し、スケールとなるため、淡水化のための装置を設けるか、スケールの除去が必要となってしまうため、使用量が多くなる場合には利用しにくい。
本発明は、装置の設置スペースや薬剤の保管ペースを大きく必要とせず、かつ長期間の航海においても薬剤を安全に保管することができるバラスト水処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、第一に本発明は、殺菌剤を貯留する殺菌剤貯留槽を備えたバラスト水処理装置であって、前記殺菌剤は、固形次亜塩素酸ナトリウムであり、前記殺菌剤貯留槽は、前記固形次亜塩素酸ナトリウムの融点以下となるように前記固形次亜塩素酸ナトリウムの温度を管理する温度調整手段を備えることを特徴とするバラスト水処理装置を提供する(発明1)。
本発明において「固形」とは、20℃・1気圧の環境下において実質的に流動性を有しない状態をいい、固体状のほか、ゲル状の状態も包含する。また、本発明において「殺菌剤」とは、殺菌剤と殺藻剤とを包含する概念であり、また殺菌とは殺藻を包含する概念である。
上記発明(発明1)によれば、殺菌剤として固形の次亜塩素酸ナトリウムを用いることで、処理装置の設置スペースや薬剤の保管ペースを大きく必要としない。また、殺菌剤貯留槽が温度調整手段を備えることで、長期間の航海においても薬剤を安全に保管することができる。
上記発明(発明1)において、前記殺菌剤貯留槽は、防液堤をさらに備えることが好ましく(発明2)、また、塩素ガス排出手段をさらに備えることが好ましい(発明3)。
上記発明(発明1〜3)において、前記殺菌剤は、次亜塩素酸ナトリウム・5水和物であることが好ましい(発明4)。
上記発明(発明4)において、前記温度調整手段は、前記次亜塩素酸ナトリウム・5水和物の温度を2〜10℃に管理する冷蔵手段であることが好ましい(発明5)。
第二に本発明は、前記バラスト水処理装置(発明1〜5)を用いることを特徴とするバラスト水の処理方法を提供する(発明6)。
第三に本発明は、使用の都度、使用したい量の固形次亜塩素酸ナトリウム・5水和物を水に溶解し、得られる水溶液を被処理水に添加することを特徴とするバラスト水の処理方法を提供する(発明7)。
本発明に係るバラスト水処理装置および処理装置によれば、装置の設置スペースや薬剤の保管ペースを大きく必要とせず、かつ長期間の航海においても薬剤を安全に保管することができる。
本発明の一実施形態に係るバラスト水処理装置の一例を表す概略図である。
以下、図1を参照して、本実施形態に係るバラスト水処理装置について説明する。
図1において、バラスト水処理装置10は、荷下し港においてはバラスト水としての原水を取水するとともに、荷積み港においてはバラスト水を排水するための取排水部1と、取排水部1に接続したバラスト水を送給するメインライン2と、メインライン2の末端に設けられたバラストタンク3とを備え、メインライン2の途中には送水手段としてのバラストポンプ(図示しない)が設けられている。
また、バラスト水処理装置10には、殺菌剤を水に溶解するための殺菌剤溶解槽4が設けられていて、この殺菌剤溶解槽4には、水注入管4aが接続されている。殺菌剤溶解槽4は、メインライン2の途中であってバラストタンク3寄りの位置に、殺菌剤注入ポンプ(図示しない)と殺菌剤供給ライン4bとを介して接続されている。さらに、殺菌剤溶解槽4の近傍には、殺菌剤を貯留・保管するための固型殺菌剤貯留槽5が設けられている。
さらに、メインライン2における殺菌剤供給ライン4bとの接続点とバラストタンク3との間には、塩素濃度計(図示しない)が設置されている。塩素濃度計は制御システムに接続されており、塩素濃度計が示す値に応じて殺菌剤注入ポンプの駆動が制御される。
固型殺菌剤貯留槽5は、殺菌剤溶解槽4の近傍に設けられ、殺菌剤である固形次亜塩素酸ナトリウムを貯留する槽である。固形次亜塩素酸ナトリウムは、金属を腐食させる性質を有するとともに、常温では液化・分解してしまうため、ポリエチレン等の容器にて保管され、冷凍コンテナ等を用いて搬入され、遮光条件にて保管される。
固型殺菌剤貯留槽5は、貯留する固形次亜塩素酸ナトリウムの温度が融点以下になるように管理するための温度調整手段を備えている。温度調整手段は、固形次亜塩素酸ナトリウムが液化・分解してしまうことを防止するためのものであり、例えば、殺菌剤が固形次亜塩素酸ナトリウム・5水和物であれば、その融点である27℃以下になるように固形次亜塩素酸ナトリウム・5水和物の温度を調整する。温度調整手段は、冷蔵手段であることが好ましく、具体的には、固形次亜塩素酸ナトリウム・5水和物の温度が2〜10℃になるように、より好ましくは5〜7℃になるように調整する手段であることが好ましい。温度調整手段を備えることで、固形次亜塩素酸ナトリウムを長期間安定に貯留することが可能となる。温度調整手段の電源は特に制限されないが、例えば、ディーゼルエンジンの発電機等を用いることができる。
固型殺菌剤貯留槽5は、固形次亜塩素酸ナトリウムないしその容器の周辺を覆う防液堤を備えることが好ましい。これにより、前述した温度調整手段の電源に停電等の事故が発生した場合に、次亜塩素酸ナトリウムが液化してしまっても、高濃度の液体次亜塩素酸ナトリウムが固型殺菌剤貯留槽5から漏洩、拡散することを防止することができる。防液堤の構造は特に制限されず、例えば、チタン、ガラス、陶磁器、硬質塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、フッ素樹脂、軟化塩化ビニル等の耐久性のある材料にて、固形次亜塩素酸ナトリウムないしその容器の底面および側面を必要十分な範囲で囲えばよい。
また、前述したような停電などの事故が発生して次亜塩素酸ナトリウムの温度が上昇すると、有害な塩素ガスが発生するおそれがある。そのため、固型殺菌剤貯留槽5は、塩素ガス排出手段を備えることが好ましい。塩素ガス排出手段の具体例としては、固型殺菌剤貯留槽5に接続した塩素ガス排出管と、塩素ガス排出管の途中に備えられた塩素ガス除去装置との組み合わせ等が挙げられる。塩素ガス除去装置は特に制限されず、例えば活性炭等の塩素ガス吸着材を充填したカラムなどが挙げられる。
なお、本実施形態に係るバラスト水処理装置10は、メインライン2の途中に、バラスト水原水から固形物としての不純物や大型生物を分離するための固液分離手段を備えないことが好ましい。フィルターなどの固液分離手段を備えると、殺菌剤を処理する前に殺菌の対象となる水生生物を一定程度減少することで殺菌剤を節約でき、殺菌剤の保管スペースが小さくて済むが、この場合固液分離手段の設置スペースを確保する必要があり、すなわち殺菌剤の保管スペースと固液分離手段の設置スペースとはトレードオフの関係にあった。また、固液分離手段を設ける場合、またバラストポンプ3の処理能力を低下させ大量の電力を必要とするという問題があった。しかし、本実施形態においては、殺菌剤として固形の次亜塩素酸ナトリウムを用いるため殺菌剤の保管スペースを大きく確保する必要がなく、かつ固液分離手段を設けない場合であっても、効果的にバラスト水原水を殺菌することができる。また、固液分離手段を設けない場合、大量の電力を必要としない。そのため、本実施形態に係るバラスト水処理装置10は、設置スペースや電力に余裕のない就航船、特に大量の殺菌剤を必要とする大型の船舶に適している。
次に、図1に示されたバラスト水処理装置10を用いて、バラスト水の積込み時に細菌類やプランクトンの殺滅処理を行うとともに、バラスト水の排水時に活性物質の除去処理を行うバラスト水の処理方法について以下説明する。
まず、出港の際の原水(バラスト水)の注水時には、取排水部1を開放してバラストポンプを駆動することにより、バラスト水を取排水部1からメインライン2を通過してバラストタンク3に注入する。
また、水注入管4aを介して溶解水が殺菌剤溶解槽4に供給され、固型殺菌剤貯留槽5にて貯留されていた固形次亜塩素酸ナトリウムが殺菌剤溶解槽4にて溶解される。得られた殺菌剤水溶液は、殺菌剤供給ライン4bを通過して、メインライン2を通過するバラスト水原水(被処理水)に注入され、原水を殺菌する。
本実施形態においては、殺菌剤として、固形の次亜塩素酸ナトリウムを用いる。固形の次亜塩素酸ナトリウムを用いることで、従来使用されていた次亜塩素酸ナトリウム水溶液と比較して、貯留する殺菌剤の質量および容量が小さくなるため、殺菌剤の搬入が容易になるとともに、保管スペースを大幅に削減することができる。例えば、バラスト水量が10万mの船舶において、バラスト水に対する殺菌剤の添加量を10mg(Cl2)/Lとした場合、固形次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸ナトリウム・5水和物,40% as Cl2,比重1.575g/cm)と次亜塩素酸ナトリウム水溶液(濃度:12%,比重1.2g/cm)とは、質量および容量は以下の通りとなる。
Figure 2015167937
また、固形の次亜塩素酸ナトリウムは融点が低く(次亜塩素酸ナトリウム・5水和物の場合は27℃)、長期間貯留しようとすると液化・分解してしまうため、長期間の貯留を要する船舶バラスト水の殺菌剤としては不適であるという問題があった。しかし、本実施形態においては、固型殺菌剤貯留槽5が温度調整手段を備えているため、液化・分解することなく長期間安定に貯留することができ、例えば上記表1のように、複数航海分の殺菌剤をまとめて貯留することも可能となる。
本実施形態において使用する固形の次亜塩素酸ナトリウムとしては、次亜塩素酸ナトリウムの1水和物、2.5水和物、5水和物などが挙げられるが、中でもなかでも、次亜塩素酸ナトリウム・5水和物が好ましい。次亜塩素酸ナトリウム・5水和物(CAS No. 10022-70-5)は、融点が27℃であり、冷蔵保存すれば120日以上の長期保管が可能であるという特徴があるため、本実施形態の殺菌剤として特に好適である。
本実施形態においては、使用の都度、すなわちバラスト水を殺菌する度に、使用したい量の固形次亜塩素酸ナトリウム・5水和物を水に溶解し、得られる水溶液を、被処理水であるバラスト水に添加して殺菌処理を行うことが好ましい。すなわち、本実施形態においては、殺菌剤を次亜塩素酸ナトリウム水溶液として貯留せず、固形次亜塩素酸ナトリウムとして貯留することが好ましい。
次亜塩素酸ナトリウムを水に溶解すると次亜塩素酸イオン(ClO)が生じ、アルカリ性では安定であるが、弱酸性では次亜塩素酸(HClO)となる。殺菌力は次亜塩素酸イオンよりも次亜塩素酸の方が強いが、次亜塩素酸は容易に分解して塩素ガスを生成し危険である。このため、従来のバラスト水処理システムにおいては、殺菌剤としてpHを12以上に調整した次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用い、さらには殺菌剤溶解槽に大掛かりな温度調整手段を設けることで、次亜塩素酸イオンまたは次亜塩素酸の分解を抑制していた。しかし、本実施形態においては、殺菌剤として固形次亜塩素酸ナトリウムを用い、かつ、バラスト水の処理時(殺菌時)に都度溶解して用いることで次亜塩素酸ナトリウム水溶液として貯留せずに使い切ってしまうため、殺菌力の強い弱酸性(例えばpH6〜7など)で使用することができる。また、殺菌剤溶解槽に大掛かりな温度調整手段を設ける必要もない。
なお、本実施形態において使用する殺菌剤は、固形次亜塩素酸ナトリウムのほか、本実施形態の効果を損なわない範囲で、例えばハロゲン系化合物等のその他の殺菌剤を併用してもよい。ハロゲン系化合物としては、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウムなどの次亜塩素酸塩、ジクロロイソシアヌル酸、トリクロロイソシアヌル酸などのイソシアヌル酸、二酸化塩素などを例示することができる。
固型殺菌剤貯留槽5にて貯留していた固形の次亜塩素酸ナトリウムは、使用時に、殺菌剤溶解槽4にて、水注入管4aを介して供給された溶解水に溶解する。得られた殺菌剤水溶液を、殺菌剤供給ライン4bを介し、メインライン2を通過するバラスト水(被処理水)に供給することにより、殺菌剤から発生する有効塩素によりバラスト水中のプランクトンや細菌類を死滅させることができる。
次に、着港又は寄港の際のバラスト水の排出時について説明する。バラスト水をバラストタンク3から排出する際には、バラスト水中の残留塩素濃度に応じて中和剤供給装置(図示せず)からに中和剤を供給することにより、バラスト水を環境に安全な状態で排水できるレベルにまでバラスト水中の残留塩素濃度を低減する。
上記中和剤は活性物質に応じて適宜選択されればよく、例えば活性物質が塩素の場合は、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム(亜硫酸水素ナトリウム)、チオ硫酸ナトリウムなどを用いることができる。特に亜硫酸ナトリウムを用いるのが好ましい。
以上述べた本発明に係るバラスト水処理装置および処理方法によれば、殺菌剤として固形の次亜塩素酸ナトリウムを用いることで、処理装置の設置スペースや薬剤の保管ペースを大きく必要としない。また、固型殺菌剤貯留槽が温度調整手段を備えることで、長期間の航海においても薬剤を安全に保管することができる。
以上、本発明について添付図面を参照して説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形実施が可能である。例えば、上記実施形態においては、バラスト水の注水時にも排水時にもメインライン2をバラスト水の供給ラインとして兼用しているが、注水用配管と排水用配管とを別々に設けてもよい。この場合において、バラスト水の注水時および排水時以外には、バラスト水が循環可能な構成としてもよい。
本発明のバラスト水処理装置および処理方法は、バラスト水処理装置の設置スペースや電力に余裕のない就航船、特に大量の殺菌剤を必要とする大型の船舶に
好適に使用できる。
1…取排水部
2…メインライン
3…バラストタンク
4…殺菌剤溶解槽
4a…水注入管
4b…殺菌剤供給ライン
5…固型殺菌剤貯留槽

Claims (7)

  1. 殺菌剤を貯留する殺菌剤貯留槽を備えたバラスト水処理装置であって、
    前記殺菌剤は、固形次亜塩素酸ナトリウムであり、
    前記殺菌剤貯留槽は、前記固形次亜塩素酸ナトリウムの融点以下となるように前記固形次亜塩素酸ナトリウムの温度を管理する温度調整手段を備える
    ことを特徴とするバラスト水処理装置。
  2. 前記殺菌剤貯留槽は、防液堤をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のバラスト水処理装置。
  3. 前記殺菌剤貯留槽は、塩素ガス排出手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載のバラスト水処理装置。
  4. 前記殺菌剤は、次亜塩素酸ナトリウム・5水和物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバラスト水処理装置。
  5. 前記温度調整手段は、前記次亜塩素酸ナトリウム・5水和物の温度を2〜10℃に管理する冷蔵手段であることを特徴とする請求項4に記載のバラスト水処理装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のバラスト水処理装置を用いることを特徴とするバラスト水の処理方法。
  7. 使用の都度、使用したい量の固形次亜塩素酸ナトリウム・5水和物を水に溶解し、得られる水溶液を被処理水に添加することを特徴とするバラスト水の処理方法。
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