JP2011092898A - バラスト水処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】塩素剤供給装置5は、固形塩素剤を海水に溶解する溶解槽14と、海から取水した海水の温度を計測する海水温度計9と、該海水を溶解槽14に供給する海水供給装置11と、固形塩素剤が溶解された海水からなる塩素剤溶液を、バラストタンク8に注水する海水に注入する塩素剤溶液注入装置16とを備え、海水供給装置11が、海水をそのまま溶解槽14に供給する海水送水経路17と、海水を加温する海水加温装置19により加温された海水を溶解槽14に供給する加温海水送水経路18とを備え、海水温度計9により計測された海水温度が所定温度より高温であるときは海水送水経路17を、海水温度が所定温度以下であるときは加温海水送水経路18を選択可能となっている。
【選択図】図1
Description
バラスト水処理装置を設置スペースの制約のある船舶に搭載する観点から見ると、固形塩素剤を溶解する溶解槽の大きさはできるだけコンパクトにすることが望まれており、処理するバラスト水量や処理速度、バラスト水中での好ましい有効塩素濃度等を勘案して、バラストタンクに注水する海水に供給する塩素剤溶液の有効塩素濃度を所定の濃度(以下、「必要濃度」という)以上とすることが、溶解槽をコンパクトにする上で必要となる。
2)溶解槽内の海水を加温する。
3)淡水を溶解槽へ供給する。
かかるバラスト水処理装置において、第一発明では、塩素剤供給装置は、固形塩素剤を海水に溶解する溶解槽と、海から取水した海水の温度を計測する海水温度計測手段と、海から取水した海水を溶解槽に供給する海水供給手段と、前記固形塩素剤が溶解された海水からなる塩素剤溶液を、バラストタンクに注水する海水に注入する塩素剤溶液注入手段とを備え、前記海水供給手段が、海水をそのまま溶解槽に供給する海水送水経路と、海水を加温する加温手段により加温された海水を溶解槽に供給する加温海水送水経路とを備え、前記海水温度計測手段により計測された海水温度が所定温度より高温であるときは海水送水経路を、前記海水温度が所定温度以下であるときは加温海水送水経路を選択可能となっていることを特徴としている。
かかるバラスト水処理装置において、第二発明では、塩素剤供給装置は、固形塩素剤を海水に溶解する溶解槽と、海から取水した海水の温度を計測する海水温度計測手段と、海から取水した海水を溶解槽に供給する海水供給手段と、溶解槽内の海水を加温する溶解槽加温手段と、前記固形塩素剤が溶解された海水からなる塩素剤溶液を、バラストタンクに注水する海水に注入する塩素剤溶液注入手段とを備え、前記海水温度計測手段により計測された海水温度が所定温度以下であるときは溶解槽加温手段により溶解槽内の海水を加温するようになっていることを特徴としている。
かかるバラスト水処理装置において、第三発明では、塩素剤供給装置は、固形塩素剤を海水又は淡水に溶解する溶解槽と、海から取水した海水の温度を計測する海水温度計測手段と、海から取水した海水を溶解槽に供給する海水供給手段と、淡水を溶解槽に供給する淡水供給手段と、前記固形塩素剤が溶解された海水又は淡水からなる塩素剤溶液を、バラストタンクに注水する海水に注入する塩素剤溶液注入手段とを備え、前記海水温度計測手段により計測された海水温度が所定温度より高温であるときは海水供給手段により海水を溶解槽に供給し、前記海水温度が所定温度以下であるときは淡水供給手段により淡水を溶解槽に供給するようになっていることを特徴としている。
図1は本実施形態に係るバラスト水処理装置1を示す図である。図1に示されるように、バラスト水処理装置1は、海水を船内に取り込むための海水取水ライン2、海水取水ライン2によって海水を取り込みろ過装置4に送水するためのポンプ3、海水中に存在するプランクトン類を除去するろ過装置4、ろ過装置4でろ過された海水に細菌類を死滅させる塩素剤を供給する塩素剤供給装置5、ろ過装置4でろ過された海水に塩素剤供給装置5から供給された塩素剤を拡散させる拡散器を兼ねるキャビテーション装置6、塩素剤を添加された処理水をバラストタンク8に送水する処理水送水ライン7、処理水送水ライン7から送水される処理水を貯留するバラストタンク8を備えている。
ろ過装置4は、船側部に設けられたシーチェスト(海水吸入口)から取水され、ポンプ3によって海水取水ライン2を通して取水される海水中に存在するプランクトン類を除去するものであり、目開き10〜200μmのフィルタを備えたものを用いる。目開きを10〜200μmにしたのは動物性プランクトン、植物性プランクトンの捕捉率を一定のレベルに保ちつつ、逆流洗浄頻度を少なくして寄港地でのバラスト水処理時間を短縮するためである。逆に言えば、目開きが200μmより大きいと動物プランクトン、植物プランクトンの捕捉率が著しく低くなるし、目開きが10μmより小さいと逆流洗浄頻度が多くなり寄港地でのバラスト水処理時間が長くなるので好ましくない。特に目開き50μm程度のものを用いるのが、捕捉率と逆流洗浄頻度とを最適に設定できるので、好ましい。
塩素剤供給装置5は、ろ過装置4によってろ過されてキャビテーション装置6に供給される海水に、細菌類を死滅させる塩素剤を供給するものである。
海から取水した海水の温度を計測し、温度データを海水供給装置11の後述の制御装置21へ出力する(図1における破線)。
海水供給装置11は、海水温度計9により計測された海水の温度が10℃以下である場合は該海水を加温して溶解槽14へ供給する。該海水供給装置11は、ポンプ10によって送水された海水をそのまま溶解槽14に供給する海水送水経路17と、加温された海水を溶解槽14に供給する加温海水送水経路18と、加温海水送水経路18に接続され海水を加温する加温手段としての海水加温装置19と、海水送水経路17および加温海水送水経路18のいずれかを選択するための切換弁20と、海水温度計9からの温度データを受けて、海水温度が10℃より高温であるときは海水送水経路17を、該海水温度が10℃以下であるときは加温海水送水経路18を選択するように切換弁20を操作する制御装置21とを有している。
貯留槽12は、粉粒体状の固形塩素剤を貯留するホッパである。該固形塩素剤としては、例えば、塩素化イソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸カリウム、モノクロロイソシアヌル酸ナトリウム、モノクロロイソシアヌル酸カリウム、トリクロロイソシアヌル酸ナトリウム及びトリクロロイソシアヌル酸カリウムのうち少なくとも一つが用いられる。
例えばロータリーバルブ等、粉粒体を切り出すのに適した装置であればよい。
溶解槽14内には撹拌機(図示せず)が設けられており、貯留槽12から切り出された固形塩素剤を海水に溶解して塩素剤溶液を生成する。
塩素剤溶液注入装置16は、溶解槽14で固形塩素剤が海水に溶解されて生成された塩素剤溶液を、ろ過装置4でろ過された海水に注入する。該塩素剤溶液注入装置16は、例えば、上記ろ過された海水をバラストタンク8へ送水する配管に設けられ該配管内に塩素剤溶液を注入するための複数のノズル(図示せず)を有しており、塩素剤溶液の注入量をポンプ15又は流量調整弁(図示せず)により制御できるようになっている。
キャビテーション装置6は、ろ過装置4によりろ過された海水中に塩素剤を拡散させる拡散器を兼ねており、例えば、ベンチュリ管を用いることが好ましい。ベンチュリ管は塩素剤を海水中に拡散させると共に、ろ過装置4を通過したプランクトンに対してベンチュリ管により発生するキャビテーションにより損傷を与えるか殺滅するものである。
本実施形態は、溶解槽内に設けられた溶解槽加温装置により該溶解槽内の海水を加温可能となっている点で、加温海水送水経路にて海水加温装置により海水を加温可能となっている第一実施形態と構成が異なっている。本実施形態では、第一実施形態との相違点を中心に説明し、第一実施形態と同一の部分には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態は、ポンプ10によって船内に取り込まれた海水の温度が10℃以下であるとき、塩素剤溶液の溶解有効塩素濃度の上限値を常に5wt%以上とするために、該海水を淡水化するようになっている点で、該海水を加温する第一実施形態と構成が異なっている。本実施形態では、第一実施形態との相違点を中心に説明し、第一実施形態と同一の部分には同一符号を付して説明を省略する。
5 塩素剤供給装置
8 バラストタンク
9 海水温度計(海水温度計測手段)
11 海水供給装置(海水供給手段)
14 溶解槽
16 塩素剤溶液注入装置(塩素剤溶液注入手段)
17 海水送水経路、
18 加温海水送水経路
19 海水加温装置(加温手段)
22 溶解槽加温装置(溶解槽加温手段)
23 淡水化装置
Claims (5)
- 船舶のバラストタンクに注水する海水に塩素剤を供給する塩素剤供給装置を備えたバラスト水処理装置であって、
塩素剤供給装置は、固形塩素剤を海水に溶解する溶解槽と、海から取水した海水の温度を計測する海水温度計測手段と、海から取水した海水を溶解槽に供給する海水供給手段と、前記固形塩素剤が溶解された海水からなる塩素剤溶液を、バラストタンクに注水する海水に注入する塩素剤溶液注入手段とを備え、
前記海水供給手段が、海水をそのまま溶解槽に供給する海水送水経路と、海水を加温する加温手段により加温された海水を溶解槽に供給する加温海水送水経路とを備え、
前記海水温度計測手段により計測された海水温度が所定温度より高温であるときは海水送水経路を、前記海水温度が所定温度以下であるときは加温海水送水経路を選択可能となっていることを特徴とするバラスト水処理装置。 - 船舶のバラストタンクに注水する海水に塩素剤を供給する塩素剤供給装置を備えたバラスト水処理装置であって、
塩素剤供給装置は、固形塩素剤を海水に溶解する溶解槽と、海から取水した海水の温度を計測する海水温度計測手段と、海から取水した海水を溶解槽に供給する海水供給手段と、溶解槽内の海水を加温する溶解槽加温手段と、前記固形塩素剤が溶解された海水からなる塩素剤溶液を、バラストタンクに注水する海水に注入する塩素剤溶液注入手段とを備え、
前記海水温度計測手段により計測された海水温度が所定温度以下であるときは溶解槽加温手段により溶解槽内の海水を加温するようになっていることを特徴とするバラスト水処理装置。 - 船舶のバラストタンクに注水する海水に塩素剤を供給する塩素剤供給装置を備えたバラスト水処理装置であって、
塩素剤供給装置は、固形塩素剤を海水又は淡水に溶解する溶解槽と、海から取水した海水の温度を計測する海水温度計測手段と、海から取水した海水を溶解槽に供給する海水供給手段と、淡水を溶解槽に供給する淡水供給手段と、前記固形塩素剤が溶解された海水又は淡水からなる塩素剤溶液を、バラストタンクに注水する海水に注入する塩素剤溶液注入手段とを備え、
前記海水温度計測手段により計測された海水温度が所定温度より高温であるときは海水供給手段により海水を溶解槽に供給し、前記海水温度が所定温度以下であるときは淡水供給手段により淡水を溶解槽に供給するようになっていることを特徴とするバラスト水処理装置。 - 淡水供給手段は、海水を淡水化する淡水化装置であることを特徴とする請求項3に記載のバラスト水処理装置。
- 固形塩素剤が、塩素化イソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸カリウム、モノクロロイソシアヌル酸ナトリウム、モノクロロイソシアヌル酸カリウム、トリクロロイソシアヌル酸ナトリウム及びトリクロロイソシアヌル酸カリウムのうち少なくとも一つであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のバラスト水処理装置。
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