JP4816681B2 - バラスト水処理方法及び装置 - Google Patents
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Description
ところで、環境の異なる荷積み港と荷下し港との間を往復する船舶によりバラスト水の注排水が行われると、バラスト水に含まれる微生物の差異により沿岸生態系に悪影響を及ぼすことが懸念されている。
そこで、船舶のバラスト水管理に関する国際会議において2004年2月に船舶のバラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際条約が採択され、バラスト水の処理が義務付けられることとなった。
そのため、海水中の殺菌剤濃度を検出して適正な濃度となるようにすることで殺菌剤の過剰供給にならないように調整することが必要となる。
しかしながら、処理経路に配置したフィルタの目詰まり、バラストタンクへの供給流量の変動などに起因して、同量の殺菌剤を供給しても殺菌剤の残留濃度が異なることがある。
また、殺菌剤を供給してから海水中に拡散するまでの時間や、殺菌剤が殺菌効果を発現するまでの時間(次亜塩素酸ナトリウムでは遊離塩素が発生するまでの時間)などの時間遅れもある。
このため、一般的なフィードバック(PID)制御では適正な供給量制御が困難であるという問題がある。
また、第2に使用機器に不具合を生じさせることなく殺菌剤の供給量を適正に制御できるバラスト水の処理装置を提供することを目的する。
一定量供給工程で供給する一定量は、バラスト水中で分解される殺菌剤量を考慮して設定され、例えば残留塩素濃度目標値の2倍に相当する量とする。
目標とする殺菌剤濃度は、例えば事前に行なった実験などによって予め設定した値である。
該殺菌剤供給量制御装置は、殺菌剤の供給当初において予め定めた一定量の殺菌剤供給量を殺菌剤供給装置に指示する一定量供給指示手段と、残留する殺菌剤濃度が飽和状態になるときの殺菌剤濃度を推定する殺菌剤飽和濃度推定手段と、推定された殺菌剤飽和濃度と予め定めた殺菌剤濃度目標値との濃度差を求め、該濃度差に基づいて減量すべき殺菌剤供給量を演算する減量殺菌剤供給量演算手段と、減量殺菌剤供給量演算手段の演算値に基づいて減量すべき殺菌剤供給量を前記殺菌剤供給装置に指示する減量供給指示手段とを備え、
前記殺菌剤飽和濃度推定手段は、殺菌剤の供給量と殺菌剤残留濃度との関係をむだ時間と一次遅れ系を導入したモデルとして捉え、サンプリングデータにより前記モデルのむだ時間、ゲイン及び時定数を特定して前記殺菌剤飽和濃度を推定することを特徴とするものである。
Rn=Rn-1+(xs−xave)・a・w ・・・・ (1)
Rn;不感帯制御率
Rn-1;1回前の不感帯制御率
xs;殺菌剤濃度目標値
xave;殺菌剤濃度平均値
a;所定の係数
w;不感帯制御幅
計測装置は、殺菌剤が供給された海水中の殺菌剤濃度を計測して演算手段に出力する。
記憶手段には、以下の(a)〜(c)に示すデータが記憶されている。
(a)海水中の細菌類を死滅させるに必要最低限の殺菌剤の濃度目標値として予め定められた殺菌剤濃度目標値(xs)
(b)殺菌剤濃度目標値に対して許容され得る殺菌剤濃度の上下限範囲として予め定められた不感帯範囲(xs(1-cL)≦不感帯範囲≦xs(1+cH))、
cL;不感帯下限幅(例えば0より大きく、0.20未満)
cH;不感帯上限幅(例えば0より大きく、0.50未満)
cLとcHが等しい場合もある。
(c)殺菌剤供給量(y)と殺菌剤濃度(x)との関係として予め定められた関係式(y=ax+b、a;所定の係数(傾き)であり、0より大きく1未満の数、b;切片であり、0より大きく1未満の数)
上記の関係式は、供給した殺菌剤が拡散され、有効な殺菌成分として効力を発現するまでの過程に影響を与える条件を考慮して、殺菌剤供給量(y)と殺菌剤濃度(x)との関係を定めるものである。
なお、殺菌剤濃度目標値xsに対する殺菌剤供給量ysは、ys=axs+bとなる。
制御手段は、演算手段の演算結果に基づいて、供給ポンプの回転数等の出力および/または供給量調整バルブの開度の調整制御を行う。
制御の手順は以下の通りである。
減量供給指示された後、所定時間(例えば5分)経過後において、計測装置が海水中の殺菌剤濃度を計測し、計測結果を演算手段に出力する。
演算手段は、計測結果を入力して、所定時間の殺菌剤濃度平均値xaveを求める。そして、この殺菌剤濃度平均値xaveが予め定めた殺菌剤濃度の不感帯範囲を逸脱しているかどうかを判断し、逸脱している場合に、殺菌剤供給量yを、目標とする殺菌剤濃度に応じた殺菌剤供給量ysに不感帯制御率Rnを乗じた殺菌剤供給量y(y=ys・Rn)を求める。
求められた殺菌剤供給量yになるように殺菌剤供給量を調整することで、殺菌剤濃度平均値xaveが殺菌剤濃度目標値に対して許容され得る殺菌剤濃度の上下限範囲を超えている場合に、殺菌剤濃度平均値xaveが上下限範囲に入るように調整される。
なお、不感帯制御率Rnは(1)式で示される。
Rn=Rn-1+(xs−xave)・a・w ・・・・ (1)
Rn-1:1回前の不感帯制御率
a:所定の係数(0より大きく1未満)
w:不感帯制御幅(0より大きく1未満)
また、殺菌剤濃度目標値に対して許容され得る殺菌剤濃度の上下限範囲を不感帯範囲としてあらかじめ定めておき、不感帯範囲を逸脱している場合に、殺菌剤供給量を調整する操作を行うようにするので、供給用ポンプの回転数等の出力調整やバルブの開度調整を頻繁に行う必要がなく、各機器に不具合が生じにくい。
そこで、海水流量の変動を考慮した制御を行うことによって、より適切な殺菌剤供給量の制御ができる。
具体的には、殺菌剤供給量yを下式に基づいて調整する。
y=ys・R・(Qave/Qs)
Qave;流量平均値
Qs;基準流量
なお、流量平均値とは予め定めた所定時間における平均流量である。また、基準流量とは、目標とする殺菌剤濃度に対応する殺菌剤供給量ysを求めるときの海水の流量である。
記憶手段には、バラストタンクから排出される海水中の殺菌剤を分解するのに必要な殺菌剤分解剤の供給量(z)と、バラストタンクから排出される海水中の殺菌剤濃度(x)との関係(z=cx+d、c;所定の係数(傾き)、d;切片)が記憶されている。
z´=z・(Qave/Qs)
Qave:流量平均値
Qs:基準流量
本発明の第6の形態においては、海水流量の変動に応じて殺菌剤分解剤供給量を補正するため、殺菌剤分解剤供給量をより精度よく制御することができる。
なお、流量平均値とは予め定めた所定時間における平均流量である。また、基準流量とは、基準となる殺菌剤濃度に対応する殺菌剤分解剤供給量zsを求めるときの海水の流量である。
このように、ベンチュリ管によるキャビテーションの拡散作用により殺菌剤の海水中への混合を促進するため、殺菌剤を供給するだけの場合に比べて殺菌剤の供給量を低減できる。このため、殺菌剤による環境への影響を低減でき、また殺菌剤を無害化するための殺菌剤分解剤の供給を不要にするかまたは低減できる。
また、殺菌剤をベンチュリ管ののど部に供給する場合には、ベンチュリ管のエジェクタ作用により自吸されるので供給ポンプが不要となる。
ろ過装置によって海水中の動物性プランクトン等比較的大型の水生生物を捕捉して除去するため、植物性プランクトン等比較的小型の水生生物や細菌類を殺滅するのに必要な殺菌剤を供給すればよく、殺菌剤の供給量を低減でき、環境への影響を低減でき、また殺菌剤を無害化するための殺菌剤分解剤の供給を不要にするかまたは低減できる。
また、殺菌剤濃度目標値に対して許容され得る殺菌剤濃度の上下限範囲を不感帯範囲としてあらかじめ定めておき、不感帯範囲を逸脱している場合に、殺菌剤供給量を調整する操作を行うようにするので、頻繁に供給用ポンプの回転数等の出力調整やバルブの開度調整を行う必要がなく、供給用ポンプ等の機器類に不具合が生じにくい。
以下、図面を用いて、本発明に係るバラスト水処理装置について、最良の形態の一例を具体的に説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態に係るバラスト水の処理装置を示すブロック図である。
本実施の形態のバラスト水処理装置は、海水取入ライン1と、粗ろ過装置2と、ポンプ3と、ろ過装置4と、殺菌剤供給装置5と、ベンチュリ管6と、殺菌剤分解剤供給装置7と、殺菌処理水送水ライン8と、バラストタンク9と、殺菌剤分解処理ライン11と、殺菌剤分解処理水排水ライン12と、を備えている。
以下の説明では、バラスト水の積込み時に海水中の生物殺滅処理を行ない、バラスト水の排出時にバラストタンク9に貯留されたバラスト水を送水しながら、バラスト水に殺菌剤分解剤を供給して殺菌剤を分解処理して海中に排出する場合について説明する。
まず、この場合に使用する各構成について詳細に説明する。
殺菌剤分解剤供給装置7は、殺菌剤が残留しているバラスト水に殺菌剤分解剤を供給する。殺菌剤分解処理水排水ライン12は、殺菌剤分解剤を供給され殺菌剤分解処理が終ったバラスト水を海に排出する。
以下、各装置をさらに詳細に説明する。
粗ろ過装置2は、船側部に設けられたシーチェスト(海水吸入口)から取水され、ポンプ3によって海水取水ライン1を通して取水される海水中に含まれる大小様々な夾雑物、水生生物のうち10mm程度以上の粗大物を除去するためのものである。
粗ろ過装置としては10mm程度の孔を設けた筒型ストレーナ(こし器)、水流中の粗大物を比重差により分離するハイドロサイクロン、回転スクリーンにより粗大物を捕捉し掻揚げ回収する装置等を用いることができる。
ろ過装置4は粗ろ過装置2によって粗大物が除去された海水中に存在するプランクトン類を除去するものであり、目開き10〜200μmのものを用いる。
目開きを10〜200μmにしたのは動物性プランクトン、植物性プランクトンの捕捉率を一定のレベルに保ちつつ、逆流洗浄頻度を少なくして寄港地でのバラスト水処理時間を短縮するためである。逆に言えば、目開きが200μmより大きいと動物性プランクトン、植物性プランクトンの捕捉率が著しく低くなるし、目開きが10μmより小さいと逆流洗浄頻度が多くなり寄港地でのバラスト水処理時間が長くなるので好ましくない。特に目開き20〜35μm程度のものを用いるのが、捕捉率と逆流洗浄頻度とを最適に設定できるので、好ましい。
また、ろ過装置4は、ろ過面積1m2あたり1日200m3以上のろ過速度が得られることが望ましい。ただし、ろ過モジュールの集積によって、より小型化が可能な場合には特に限定しない。
ノッチワイヤフィルタとは、ノッチ(突起)を設けたワイヤを枠体に巻きつけてノッチによりワイヤ同士の間隔を保持してろ過通路寸法を10〜200μmにした筒型のエレメントをケーシング内に保持し、送水と逆洗浄のためのバルブと配管を設けたものである。このノッチワイヤフィルタの具体例としては、神奈川機器工業製ノッチワイヤフィルタがある。
このノッチワイヤフィルタをろ過エレメントとして複数備え、逆洗手段を備えたものが特開2001−170416に開示されている。ろ過エレメント集合基板や、それぞれのろ過エレメントに小型超音波振動子を取り付け、逆洗時に超音波振動を付加することにより、逆洗浄効果を増大させ、逆洗浄の間隔を延ばしてろ過効率を高めることができる。
ウェッジワイヤフィルタとは、断面が三角形のワイヤを枠体に巻きつけてワイヤ同士の間隔を調整してろ過通路寸法を10〜200μmにした筒型のエレメントをケーシング内に保持し、送水と逆洗浄のためのバルブと配管を設けたものである。このウェッジワイヤフィルタの具体一例としては、東洋スクリーン工業製ウェッジワイヤフィルタがある。
なお、積層ディスク型ろ過器においては、逆洗時にはディスクの圧締を解除して、間隙を大きくしてろ過残渣を除去する。
この積層ディスク型ろ過器の具体例としては、Arkal Filtration Systems製のSpin Klin Filter Systemsがる。
なお、ろ過装置4としては、上記の2種類のろ過装置の他、例えば密閉型砂ろ過器、ろ布ろ過器、金属繊維ろ過器など他の種々のろ過装置を用いることができる。
殺菌剤供給装置5はろ過装置4によってろ過されベンチュリ管6に供給される海水に細菌類を死滅させる殺菌剤を供給するものである。
殺菌剤供給装置は、図2に示すように、殺菌剤を貯留する殺菌剤貯槽21、殺菌剤貯槽21内の殺菌剤をベンチュリ管側に供給するための配管23、該配管23の先端側に設けられて殺菌剤を供給先に注入する注入口25、殺菌剤貯槽内の殺菌剤をベンチュリ管側に供給するための供給ポンプ27、殺菌剤の供給量を調整するバルブ29などを備えている。
供給する殺菌剤としては、塩素、二酸化塩素、次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素、オゾン、過酢酸またはこれらの2種以上の混合物が使用できるが、これ以外の殺菌剤を使用することも可能である。
その理由は、有効塩素量の濃度が1mg/lより小さいと次亜塩素酸が水中の還元性物質、有機物と反応して残留しないし、100mg/lより大きいと腐食の問題や次亜塩素酸ナトリウムの貯留槽が大きくなり高コストとなる等の問題があり、不具合が生じるからである。
なお、殺菌剤をベンチュリ管6の上流側に供給するためには、ベンチュリ管6よりも上流側の直管路に殺菌剤の注入口を設けておけばよい。
また、殺菌剤をベンチュリ管6ののど部に供給する場合には、ベンチュリ管6のエジェクタ作用により自吸されるので供給ポンプが不要となる。
殺菌剤供給装置5は、図2に示す殺菌剤供給量制御装置101によって制御され、適正な量の殺菌剤が所定の箇所に供給される。
殺菌剤供給量制御装置101は、ベンチュリ管6から排出された海水中の殺菌剤濃度を計測する殺菌剤濃度計33と、ベンチュリ管6から排出された海水の流量を計測する流量計35と、各種のデータを記憶する記憶手段103と、殺菌剤の供給当初において予め定めた一定量の殺菌剤供給量を殺菌剤供給装置に指示する一定量供給指示手段105と、残留する殺菌剤濃度が飽和状態になるときの殺菌剤濃度を推定する殺菌剤飽和濃度推定手段107と、推定された殺菌剤飽和濃度と予め定めた殺菌剤濃度目標値との濃度差を求め、該濃度差に基づいて減量すべき殺菌剤供給量を演算する減量殺菌剤供給量演算手段109と、減量殺菌剤供給量演算手段109の演算値に基づいて減量すべき殺菌剤供給量を前記殺菌剤供給装置に指示する減量供給指示手段111と、減量供給指示された後において、供給すべき殺菌剤供給量をフィードバック制御するフィードバック制御手段113と、を備えている。
また、記憶手段103には殺菌剤の供給当初において供給すべき殺菌剤の供給量が記憶されている。
殺菌剤飽和濃度推定手段107は、残留する殺菌剤濃度が飽和状態になるときの殺菌剤濃度を推定する。
殺菌剤飽和濃度推定手段107による推定は、殺菌剤の供給量と殺菌剤残留濃度との関係をむだ時間と一次遅れ系を導入したモデルとして捉え、サンプリングデータにより前記モデルのむだ時間、ゲイン及び時定数を特定して前記殺菌剤飽和濃度を推定する。
以下、殺菌剤飽和濃度推定手段107の推定方法をバラスト水給水時において殺菌剤として次亜塩素酸ナトリウムを注入した場合について具体的に説明する。
<モデル>
毎時刻t=t2でパラメータT、Kを推定するが、この推定値の変化が予め設定した許容値の範囲内となったときに、適正な推定値Kが得られたと判定する。そして、適正な推定値Kが得られるとその推定値Kに基づいて残留塩素飽和濃度を推定する。
なお、どのような状態を飽和と定義するかについては特に限定されないが、例えば推定した残留塩素飽和濃度の時間変化率が予め定めた変化率以下になったときとすればよい。
図8のグラフの一次遅れ曲線(実線部分およびこれに連続する点線)は、上述した毎時刻t=t2でパラメータT、Kを推定し、この推定値の変化が予め設定した許容値の範囲内となったときのパラメータT、Kに基づく曲線を示している。一次遅れ曲線における実線の部分は実際にサンプリングした時刻までを示し、点線の部分はそれ以降を示している。
また、図8のグラフの水平線(実線部分およびこれに連続する点線)は、上述した次亜塩素酸ナトリウムの一定注入量を示しており、実線部分が実際に注入した時点までを示している。
図8に示す一次遅れ曲線から分かるようにパラメータT、Kが特定されることで残留塩素飽和濃度を推定できるのである。
例えば、殺菌剤として次亜塩素酸ナトリウムを注入している場合について具体例を示すと以下の通りである。
y:次亜塩素酸ナトリウム一定注入量[L/min]
dy:飽和値より計算した減量すべき次亜塩素酸ナトリウム注入量
dC:殺菌剤飽和濃度と予め定めた殺菌剤濃度目標値との差
Qr:定格流量[m3/h]
とすれば、
dy=(dC×Qr)/(0.12×1.1×60×103)
フィードバック制御手段113は、減量供給指示された後において、供給すべき殺菌剤供給量をフィードバック制御する。フィードバック制御は例えば一般的なフィードバック(PID)制御であってもよいし、実施の形態2で示す不感帯制御であってもよい。もっとも、不感帯制御によれば、頻繁に供給用ポンプの回転数等の出力調整やバルブの開度調整を行う必要がなく、供給用ポンプ等の機器類に不具合が生じにくいという効果が得られる。
ベンチュリ管6は、ろ過装置4を通過した生物に対してベンチュリ管により発生せるキャビテーションにより損傷を与えるか殺滅すると共に殺菌剤供給装置5から供給された殺菌剤を海水中に拡散させるものである。
ベンチュリ管6は、管路断面積が徐々に小さくなる絞り部、最小断面積部であるのど部、徐々に管路断面積が広がる広がり部(ディフューザ部)からなる。のど部での流速の急上昇に伴う静圧の急激な低下によりキャビテーション気泡が発生し、広がり部での流速の低下に伴う急激な圧力上昇により成長したキャビテーション気泡が急激に崩壊する。海水中の水生生物はキャビテーション気泡が崩壊することによる衝撃圧、せん断力、高温、酸化力の強いOHラジカルの作用などにより、損傷を受けるか破壊されて死滅する。
このベンチュリ管6のキャビテーションによれば、特に、比較的固い殻を有する原虫類、動物性プランクトンの外殻を破壊し、死滅させることができる。
この理由は、海水を取水してバラストタンクに通水する配管の途中にバラスト水処理装置を設置した場合、配管内の海水の流速がベンチュリ管入り口では通常2〜3m/sであるが、ベンチュリ管のど部の流速が10m/secより小さいと、のど部での流速の上昇比率が十分でなくこれに伴う静圧の急激な低下が十分でないため、大気圧下においてもキャビテーションが発生しない。他方、ベンチュリ管のど部の流速が40m/sより大きいとキャビテーション現象が過剰に発生しベンチュリ管通過に伴う圧力損失が過大となり送水のために消費されるエネルギーが過大となるため、ポンプ動力が過大となり高コストとなるからである。
殺菌剤分解剤供給装置7は、殺菌剤を添加された海水に殺菌剤分解剤を供給して海水中に残存する殺菌剤を分解することで、無害化するものである。
この実施形態では、殺菌剤分解剤供給装置7は殺菌剤分解処理ライン11に設けられ、バラスト水の排出時にバラストタンク9に貯留された殺菌剤が残留しているバラスト水に、殺菌剤分解剤を供給して殺菌剤を分解処理して海中に排出するようにしている。
殺菌剤分解剤供給装置7は、図3に示すように、殺菌剤分解剤を貯留する殺菌剤分解剤貯槽51、殺菌剤分解剤貯槽51内の殺菌剤分解剤を殺菌剤分解処理ライン11に供給するための配管53、該配管53の先端側に設けられ、また殺菌剤分解処理ライン11のポンプ3の上流側に設けられて殺菌剤分解剤を殺菌剤が残留しているバラスト水に注入する注入口55、殺菌剤分解剤貯槽51内の殺菌剤分解剤を殺菌剤分解処理ライン11に供給するための供給ポンプ57、殺菌剤分解剤の供給量を調整するバルブ59などを備えている。
また、過酸化水素に対して供給される殺菌剤分解剤としては、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム(亜硫酸水素ナトリウム)、チオ硫酸ナトリウム及びカタラーゼ等の酵素を使用することができる。但し、これらのみには限定されない。カタラーゼ等の酵素は分解反応の触媒として働き、反応時間が長期間のものである。
殺菌剤分解剤供給装置7は、図3に示す殺菌剤分解剤供給量制御装置61によって制御され、適正な量の殺菌剤分解剤が所定の箇所に供給される。
殺菌剤分解剤供給量制御装置61は、バラストタンク9から排出された海水中の殺菌剤残留濃度を計測する殺菌剤濃度計63と、バラストタンク9から排出される海水の流量を計測する流量計65と、殺菌剤分解剤が供給され殺菌剤が分解された海水中の殺菌剤残留濃度を計測する殺菌剤濃度計66と、各種のデータを記憶する記憶手段67と、殺菌剤分解剤供給量を演算する演算手段69と、演算手段69の演算結果に基づいて機器を制御する制御手段71と、を備えている。
殺菌剤濃度計63として、例えば塩素殺菌剤に由来する残留塩素を計測する場合に、高濃度残留塩素計(例えば計測範囲が0〜30mg/l)と低濃度残留塩素計(例えば計測範囲が0〜3mg/l)を用いて、残留塩素濃度のスプリット検出を行うことにより、低濃度の残留塩素の検出精度を向上させることができる。
記憶手段67には、殺菌剤分解剤供給量(z)と殺菌剤残留濃度(x)との関係として予め定められた関係式(z=cx+d、c;所定の係数(傾き)、d;切片)が記憶されている。
上記の関係式は、供給された殺菌剤分解剤が拡散され、有効な殺菌剤分解成分として効力を発現するまでの過程に影響を与える条件を考慮して、殺菌剤分解剤供給量(z)と殺菌剤残留濃度(x)との関係を定めるものである。
また、供給すべき殺菌剤分解剤供給量を、殺菌剤残留濃度平均値および記憶手段67に記憶されたデータに基づいて演算する。具体的な殺菌剤分解剤供給量の演算方法は後述する。
制御手段71は、演算手段69の演算結果に基づいて、供給ポンプ57の回転数等の出力および/または供給量調整用のバルブ59の開度の調整制御を行う。
また、演算手段69は、殺菌剤濃度計66の計測結果を入力して、殺菌剤残留濃度が許容値より大きい場合には、供給すべき殺菌剤分解剤供給量を調整するように制御手段71に出力したり、図示しない殺菌剤濃度指示計に殺菌剤濃度を出力したりするようにしてもよい。
図1に示されたバラスト水処理装置を用いて、バラスト水の積込み時に細菌類やプランクトンの死滅処理を行い、バラスト水の排出時に海水中に残留している殺菌剤を分解して無害化処理を行なうバラスト水の処理方法について説明する。
バラスト水の積込み時には、ポンプ3を稼動して海水取入ライン1から海水を船内に取り入れ、粗ろ過装置2により粗大物を除去し、ろ過装置4によりろ過装置4の目開きに応じた大きさのプランクトン等を除去する。
ろ過装置4でろ過された海水には殺菌剤供給装置5で殺菌剤が供給される。殺菌剤の供給量は殺菌剤供給量制御装置101によって制御される。
殺菌剤供給装置5の運転を開始すると、まずタイマーによって時間T1の間だけ起動運転を開始する(S1)。起動運転は、殺菌剤貯槽21から供給される殺菌剤が殺菌剤濃度計33を設置した位置に至るまでの間行う運転である。
殺菌剤一定量供給運転を開始すると、殺菌剤濃度計33によって殺菌剤残留濃度を測定する(S7)。殺菌剤残留濃度は、図5に示すように、所定の時間(むだ時間)を経過後急激に増加する。
殺菌剤濃度測定を開始すると、殺菌剤飽和濃度推定手段107によって残留する殺菌剤濃度が飽和状態になるときの殺菌剤濃度を推定する。
殺菌剤飽和濃度推定手段107による推定は、前述したように、時定数TとゲインKの推定値の変化が予め設定した許容値の範囲内となったかどうか判断し(S11)、許容値の範囲内に入るまで、殺菌剤濃度測定と時定数TとゲインKの推定を繰り返す。時定数TとゲインKの推定値の変化が予め設定した許容値の範囲内になれば、そのときのゲインKを適正な推定値とし、それに基づいて殺菌剤飽和濃度を推定する(S13)。
殺菌剤量が一気に減量されることにより、残留する殺菌剤濃度は速やかに目標値に近づいていく(図5参照)。
減量供給指示された後、所定時間(例えば5分)経過すると、フィードバック制御手段113が、殺菌剤濃度を目標値としてフィードバック制御する(S19)。
フィードバック制御を終了するかどうかを判断し(S21)、終了する場合には運転制御を終了する。
ベンチュリ管6で処理された海水は、殺菌処理水送水ライン8を介してバラストタンク9に送られ貯留される。バラストタンク9内に貯留される海水には、殺菌剤供給装置5で供給された殺菌剤が、適切な濃度で残存することが好ましい。これにより、細菌類やプランクトンの再成長を抑制することができる。
そして、本実施の形態においては、飽和状態になるとして設定した一定量の殺菌剤を海水中に供給し、飽和状態となる殺菌剤残留濃度を推定し、この推定値と目標とする殺菌剤濃度との濃度差を求め、該濃度差に基づいて前記一定量供給している供給量から減量すべき殺菌剤の量を求め、該減量した殺菌剤供給量を供給するようにしたので、目標とする殺菌剤残留濃度になるまでに要する時間が短縮され、それ故に供給する殺菌剤の量を少なくできる。
バラスト水の排出時には、ポンプ3を稼動してバラストタンク9からバラスト水を導入し、殺菌剤分解処理ライン11に設けられた殺菌剤分解剤供給装置7から殺菌剤分解剤を供給し、残留する殺菌剤を分解する。
殺菌剤分解剤の供給量は、殺菌剤分解剤供給量制御装置61によって制御され、適正な量の殺菌剤分解剤が所定の箇所に供給される。以下、殺菌剤分解剤の供給量の制御方法を説明する。
演算手段69は、殺菌剤濃度計63の計測結果を入力して、所定時間における殺菌剤残留濃度平均値xaveを求める。殺菌剤残留濃度平均値xaveが求まると、関係式(z=cx+d、c;所定の係数(傾き)、d;切片)に基づいて、殺菌剤分解剤供給量zを求める。
制御手段71は、演算手段69の演算結果に基づいて、供給ポンプ57の回転数等の出力および/または供給量調整用のバルブ59の開度の調整制御を行う。
適量の殺菌剤分解剤が供給されて殺菌剤の分解処理の終ったバラスト水は、殺菌剤分解処理水排水ライン12を介して、海中に排出される。
また、演算手段69は、殺菌剤濃度計66の計測結果を入力して、殺菌剤残留濃度が許容値より大きい場合には、供給すべき殺菌剤分解剤供給量を調整するように制御手段71に出力したり、殺菌剤濃度指示計に殺菌剤濃度を出力するようにしてもよい。殺菌剤濃度指示計による殺菌剤濃度の表示により、残留殺菌剤が分解されてなくなっていることを確認できる。
z´=z・(Qave/Qs)
Qave;流量平均値
Qs;基準流量
この場合は、未処理の海水は、図示していない未処理海水送水ラインを介してバラストタンク9に貯留される。このバラスト水をバラストタンク9から排出する際に、バラストタンク9内の未処理のバラスト水を、図示していないバラスト水供給ラインを介してろ過装置4側に導入して、以降は上記と同様の処理を行う。
生物殺滅処理の終ったバラスト水は、殺菌剤分解剤供給装置7に導入され殺菌剤分解剤を供給され残留する殺菌剤が分解される。殺菌剤の分解処理の終ったバラスト水は、海中に排出される。
また、海水をバラストタンク9に積み込む際とバラストタンク9から排出する際との両方でバラスト水中の生物殺滅処理を行うようにしてもよい。その場合にはバラスト水の排出時の生物殺滅処理は軽度でよい。
図6はフィードバック制御手段113として不感帯制御を行なう場合の構成を示したものである。なお、図2に示した構成と同じ構成は同符号を付し、殺菌剤供給制御装置31の構成のうちフィードバック制御手段113以外は図示を省略している。
本実施の形態に係るフィードバック制御手段113は、各種のデータを記憶する記憶手段37と、殺菌剤供給量を演算する演算手段39と、演算手段39の演算結果に基づいて機器を制御する制御手段41と、を備えている。
殺菌剤濃度計33は、ベンチュリ管6から排出された海水中の殺菌剤濃度を計測して演算手段39に出力する。流量計35は、ベンチュリ管6から排出された海水の流量を計測して演算手段39に出力する。
(a)海水中の細菌類を死滅させるに必要最低限の殺菌剤の濃度目標値として予め定められた殺菌剤濃度目標値(xs)
(b)殺菌剤濃度目標値に対して許容され得る殺菌剤濃度の上下限範囲として予め定められた不感帯範囲(xs(1-cL)≦不感帯範囲≦xs(1+cH))、
cL;不感帯下限幅(例えば0より大きく、0.20未満)
cH;不感帯上限幅(例えば0より大きく、0.50未満)
cLとcHが等しい場合もある。
不感帯下限幅cLの範囲を不感帯上限幅cHの範囲より小さくしているのは、殺菌剤濃度の下限を高めにして、確実に生物殺滅処理が行なわれるようにするためである。
(c)殺菌剤供給量(y)と殺菌剤濃度(x)との関係として予め定められた関係式(y=ax+b、a;所定の係数(傾き)であり、0より大きく1未満の数;所定の係数、b;切片、0より大きく1未満の数)
上記の関係式は、供給された殺菌剤が拡散され、有効な殺菌成分として効力を発現するまでの過程に影響を与える条件を考慮して、殺菌剤供給量(y)と殺菌剤濃度(x)との関係を定めるものである。
なお、殺菌剤濃度目標値xsに対する殺菌剤供給量ysは、ys=axs+bとなる。
また、殺菌剤濃度平均値が殺菌剤濃度目標値に対して許容され得る殺菌剤濃度の上下限範囲を逸脱しているかどうかを判断する。そして、逸脱している場合に、供給すべき殺菌剤供給量を記憶手段37に記憶されたデータに基づいて演算する。具体的な殺菌剤供給量の演算方法は後述する。
制御手段41は、演算手段39の演算結果に基づいて、供給ポンプ27の出力および/または供給量調整用のバルブ29の開度の調整制御を行う。
運転開始からフィードバック制御運転までの動作は実施の形態1で説明したのと同じであるので(図4参照)、以下においてはフィードバック制御について説明する。
図7は本実施の形態のフィードバック制御の手順を示すフローチャートである。以下、図7に基づいてフィードバック制御運転について説明する。
そして、この殺菌剤濃度平均値xaveが予め定めた殺菌剤濃度の不感帯範囲(xs(1-cL)≦不感帯範囲≦xs(1+cH),cL;不感帯下限幅(例えば0より大きく、0.20未満),cH;不感帯上限幅(例えば0より大きく、0.50未満))を逸脱しているかどうかを判断する(S39)。
なお、不感帯制御率Rnは(1)式で示される。
Rn=Rn-1+(xs−xave)・a・w ・・・・ (1)
Rn-1:1回前の不感帯制御率(Rの初期値R1=1)
a:所定の係数(0より大きく1未満)
w:不感帯制御幅(0より大きく1未満)
y=ys・Rn・(Qave/Qs)
Qave;流量平均値
Qs;基準流量
また、殺菌剤濃度目標値に対して許容され得る殺菌剤濃度の上下限範囲を不感帯範囲としてあらかじめ定めておき、不感帯範囲を逸脱している場合に、殺菌剤供給量を調整する操作を行うようにするので、頻繁に供給用ポンプの回転数等の出力調整やバルブの開度調整を行う必要がなく、供給用ポンプ等の機器類に不具合が生じにくい。
2 粗ろ過装置
3 ポンプ
4 ろ過装置
5 殺菌剤供給装置
6 ベンチュリ管
7 殺菌剤分解剤供給装置
8 殺菌処理水送水ライン
9 バラストタンク
11 殺菌剤分解処理ライン
12 殺菌剤分解処理水排水ライン
33 殺菌剤濃度計
35 流量計
37、103 記憶手段
39 演算手段
41 制御手段
101 殺菌剤供給量制御装置
105 一定量供給指示手段
107 殺菌剤飽和濃度推定手段
109 減量殺菌剤供給量演算手段
111 減量供給指示手段
113 フィードバック制御手段
Claims (8)
- 飽和状態になるとして設定した一定量の殺菌剤を海水中に供給する一定量供給工程と、残留する殺菌剤濃度が飽和状態になるときの殺菌剤濃度を推定する殺菌剤飽和濃度推定工程と、推定された殺菌剤飽和濃度と目標とする殺菌剤濃度との濃度差を求め、該濃度差に基づいて前記一定量供給工程で注入している供給量から減量すべき殺菌剤の量を求め、該減量した殺菌剤供給量を供給する減量供給工程とを備え、
前記殺菌剤飽和濃度推定工程は、殺菌剤の供給量と殺菌剤残留濃度との関係をむだ時間と一次遅れ系を導入したモデルとして捉え、サンプリングデータにより前記モデルのむだ時間、ゲイン及び時定数を特定して前記殺菌剤飽和濃度を推定するようにしたことを特徴とするバラスト水処理方法。 - 殺菌剤を海水中に供給する殺菌剤供給装置と、殺菌剤が供給された後の海水中の殺菌剤濃度を検出する殺菌剤濃度検出手段と、殺菌剤供給装置による殺菌剤の供給量を制御する殺菌剤供給量制御装置とを有し、
該殺菌剤供給量制御装置は、殺菌剤の供給当初において予め定めた一定量の殺菌剤供給量を殺菌剤供給装置に指示する一定量供給指示手段と、残留する殺菌剤濃度が飽和状態になるときの殺菌剤濃度を推定する殺菌剤飽和濃度推定手段と、推定された殺菌剤飽和濃度と予め定めた殺菌剤濃度目標値との濃度差を求め、該濃度差に基づいて減量すべき殺菌剤供給量を演算する減量殺菌剤供給量演算手段と、減量殺菌剤供給量演算手段の演算値に基づいて減量すべき殺菌剤供給量を前記殺菌剤供給装置に指示する減量供給指示手段とを備え、
前記殺菌剤飽和濃度推定手段は、殺菌剤の供給量と殺菌剤残留濃度との関係をむだ時間と一次遅れ系を導入したモデルとして捉え、サンプリングデータにより前記モデルのむだ時間、ゲイン及び時定数を特定して前記殺菌剤飽和濃度を推定することを特徴とするバラスト水処理装置。 - 殺菌剤供給量制御装置は、減量供給指示された後において、供給すべき殺菌剤供給量をフィードバック制御するフィードバック制御手段を有し、該フィードバック制御手段は、海水中の殺菌剤濃度を計測し所定時間の殺菌剤濃度平均値を求め、該殺菌剤濃度平均値が予め定めた殺菌剤濃度の不感帯範囲を逸脱している場合に、前記殺菌剤供給装置が供給する殺菌剤供給量を、目標とする殺菌剤濃度に応じた殺菌剤供給量に(1)式で示す不感帯制御率Rnを乗じた供給量とするように調整することを特徴とする請求項2に記載のバラスト水処理装置。
Rn=Rn-1+(xs−xave)・a・w ・・・・ (1)
Rn;不感帯制御率
Rn-1;1回前の不感帯制御率
xs;殺菌剤濃度目標値
xave;殺菌剤濃度平均値
a;所定の係数
w;不感帯制御幅 - 殺菌剤供給量制御装置は、処理される海水流量を計測し、所定時間の流量平均値を求め、殺菌剤供給量を前記流量平均値に応じて調整することを特徴とする請求項3に記載のバラスト水処理装置。
- 殺菌剤が供給された海水に殺菌剤分解剤を供給する殺菌剤分解剤供給装置と、海水中に残留する殺菌剤濃度を計測し、計測された殺菌剤濃度に基づき、前記殺菌剤分解剤供給装置の殺菌剤分解剤供給量を調整する殺菌剤分解剤供給量制御装置と、を備えたことを特徴とする請求項3又は4に記載のバラスト水処理装置。
- 前記殺菌剤分解剤供給量制御装置は、処理される海水流量を計測し所定時間の流量平均値を求め該流量平均値に基づき、殺菌剤分解剤供給量を調整することを特徴とする請求項5に記載のバラスト水処理装置。
- 殺菌剤が供給された海水の供給を受けて該海水中にキャビテーションを発生させて海水中に前記殺菌剤を拡散させると共に海水中の水生生物に対して損傷を与えるか死滅させるベンチュリ管を備え、殺菌剤濃度検出手段は前記ベンチュリ管の出口側の海水中の殺菌剤濃度を検出するように構成されていることを特徴とする請求項2〜6のいずれか一項に記載のバラスト水処理装置。
- 殺菌剤供給装置の上流側に、海水をろ過して水生生物を捕捉するろ過装置を備えたことを特徴とする請求項2〜7のいずれか一項に記載のバラスト水処理装置。
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