JP2007144391A - バラスト水処理装置及び処理方法 - Google Patents

バラスト水処理装置及び処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007144391A
JP2007144391A JP2006159150A JP2006159150A JP2007144391A JP 2007144391 A JP2007144391 A JP 2007144391A JP 2006159150 A JP2006159150 A JP 2006159150A JP 2006159150 A JP2006159150 A JP 2006159150A JP 2007144391 A JP2007144391 A JP 2007144391A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seawater
disinfectant
ballast
bactericide
water treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006159150A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4844244B2 (ja
Inventor
Yukihiko Okamoto
幸彦 岡本
Koji Fuchigami
浩司 渕上
Shigeki Fujiwara
茂樹 藤原
Keisuke Nakahara
啓介 中原
Masakuni Inoko
正邦 猪子
Sho Ishida
庄 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
JFE Engineering Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Engineering Corp filed Critical JFE Engineering Corp
Priority to JP2006159150A priority Critical patent/JP4844244B2/ja
Publication of JP2007144391A publication Critical patent/JP2007144391A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4844244B2 publication Critical patent/JP4844244B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】どのような水質であっても確実かつ安価にIMOが定めるバラスト水基準を満たすバラスト水の処理装置および処理方法を提供する。
【解決手段】海水をろ過して水生生物を捕捉するろ過装置4と、海水中の細菌類を死滅させる殺菌剤をろ過された海水中に供給する殺菌剤供給装置5と、殺菌剤が供給されたろ過水の供給を受けて該ろ過水中にキャビテーションを発生させてろ過水中に前記殺菌剤を拡散させると共にろ過水中の水生生物に対して損傷を与えるか死滅させるベンチュリ管6と、を備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、船舶のバラストタンクに積み込まれるバラスト水の処理装置および処理方法に係り、特に、バラスト水に含まれる有害細菌類およびプランクトンを効率的に死滅させるための装置および方法に関する。
一般に、空荷または積荷が少ない状態の船舶は、プロペラ没水深度の確保、空荷時における安全航行の確保等の必要性から、出港前にバラストタンクにバラスト水の注水を行う。逆に港内で積荷をする場合には、バラスト水の排出を行う。
ところで、環境の異なる荷積み港と荷下し港との間を往復する船舶によりバラスト水の注排水が行われると、バラスト水に含まれる微生物の差異により沿岸生態系に悪影響を及ぼすことが懸念されている。
そこで、船舶のバラスト水管理に関する国際会議において2004年2月に船舶のバラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際条約が採択され、バラスト水の処理が義務付けられることとなった。
バラスト水の処理基準として国際海事機構(IMO)が定める基準は、船舶から排出されるバラスト水に含まれる50μm以上の生物(主に動物プランクトン)の数が1m中に10個未満、10μm以上50μm未満の生物(主に植物プランクトン)の数が1ml中に10個未満、コレラ菌の数が100ml中に1cfu未満、大腸菌の数が100ml中に250cfu未満、腸球菌の数が100ml中に100cfu未満となっている。
バラスト水の処理技術としては、現在開発中のものが多いが、従来技術としては、船舶の主機関から排出される高温の排気ガスを利用することによりバラスト水の殺菌を行うための装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、バラスト水を排出する際にバラスト水中に含まれる有害プランクトンまたは有害藻類のシストを塩素系薬剤あるいは過酸化水素を用いて殺菌する方法が提案されている(例えば、特許文献2および特許文献3参照)。
さらに、バラスト水の給水、排水通路に電圧を印加して電場を発生させて電気ショックを与えることにより、副生成物を生じることなくバラスト水中の有害微生物の細胞膜を破壊して殺菌する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開2003−181443号公報 特開平4−322788号公報 特開平5−910号公報 特開2003−334563号公報
しかし、バラスト水として搭載される海水に含まれる生物の数は、海水を採取する日時、場所によって大きく異なり、海水1ml中に数個程度から数億個程度まで幅があるため、特許文献1の方法では国際海事機構(IMO)が定める基準のすべての項目を確実に達成することが難しい。
また、特許文献2および3に記載の方法では、比較的大型の動物プランクトンや耐性を有する微生物には効果がないという問題や、残留する薬剤がバラスト水とともに排出されることによる環境影響の問題がある。
さらに、前記特許文献4に記載の方法では、電圧を印加するための装置費や運転コストが高く、しかも電気ショックに耐性を有する微生物には効果がないという問題がある。
本発明は、かかる状況を鑑み、どのような水質であっても確実かつ安価にIMOが定めるバラスト水基準を満たすバラスト水の処理装置および処理方法を提供することを目的する。
本発明者らは、上記の課題に鑑みバラスト水に含まれる水生生物、プランクトン、細菌を除去、死滅させるに際し、既存船舶への適用が容易であり、また、薬剤処理や電気処理に耐性を有するプランクトン、細菌を効率的に殺菌するバラスト水処理装置および処理方法を提供するべく鋭意研究を行った結果、本発明を完成するに至ったものであり、具体的には以下の構成を有する。
(1)本発明に係るバラスト水処理装置は、海水をろ過して水生生物を捕捉するろ過装置と、殺菌剤をろ過された海水中に供給する殺菌剤供給装置と、殺菌剤が供給されたろ過水の供給を受けて該ろ過水中にキャビテーションを発生させてろ過水中に前記殺菌剤を拡散させると共にろ過水中の水生生物に対して損傷を与えるか死滅させるベンチュリ管と、を備えたことを特徴とするものである。
このような構成を備えることにより、海水中の水生生物と細菌類を死滅または除去して、有害生物を含まない船舶バラスト水を供給できる。なお、各構成の主な機能は以下の通りであり、各構成の機能が有機的に作用して海水中のプランクトン、細菌の死滅効果を高めている。
ろ過装置によって海水中の動物性プランクトン等比較的大型の水生生物を捕捉して除去し、殺菌剤により細菌類を死滅させ、ベンチュリ管によって殺菌剤を供給されたろ過水にキャビテーションを発生させて、植物性プランクトン等比較的小型の水生生物に対して損傷を与えるか死滅させ、さらにキャビテーションによってろ過水中に殺菌剤を急速に拡散させて殺菌剤による細菌類の殺菌作用を促進させる。このようにキャビテーションの拡散作用により殺菌剤の海水中への混合を促進するため、殺菌剤を注入するだけの場合に比べて殺菌剤の供給量を低減でき、環境への影響を低減でき、また殺菌剤を無害化するための殺菌剤分解剤の供給を不要にするかまたは低減できる。
また、供給される殺菌剤としては、次亜塩素酸ナトリウム、塩素、二酸化塩素、過酸化水素、オゾン、過酢酸、またはこれらの2種以上の混合物を使用することができる。
さらに、殺菌剤をベンチュリ管ののど部に供給するようにすると、殺菌剤が自吸されるので、殺菌剤供給のためのポンプを省くことができる。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、殺菌剤が供給されたろ過水に殺菌剤分解剤を供給する殺菌剤分解剤供給装置を、更に備えたことを特徴とするものである。
このような殺菌剤分解剤供給装置を備えることにより、海水中に残留する殺菌剤を分解し、バラスト水が排出される海域への影響をなくすことができる。
また、次亜塩素酸ナトリウム、塩素等の塩素殺菌剤に対して供給される殺菌剤分解剤としては、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム(亜硫酸水素ナトリウム)、チオ硫酸ナトリウム、を用いることができ、過酸化水素に対して供給される殺菌剤分解剤としては、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム(亜硫酸水素ナトリウム)、チオ硫酸ナトリウム及びカタラーゼ等の酵素を使用することができる。
(3)また、海水をろ過して水生生物を捕捉するろ過装置と、殺菌剤をろ過された海水中に供給する殺菌剤供給装置と、殺菌剤が供給されたろ過水を導入しそのろ過水中にキャビテーションを発生させるベンチュリ管と、海中から海水を取水し前記ろ過装置と前記殺菌剤供給装置と前記ベンチュリ管とを経てバラストタンクに海水を送る注水装置と、バラストタンクから抜き出された海水中に殺菌剤分解剤を供給する殺菌剤分解剤供給装置と、殺菌剤分解剤が供給された海水を導入し、その海水中に殺菌剤分解剤を拡散させる拡散装置と、バラストタンクから海水を抜き出し前記殺菌剤分解剤供給装置と前記拡散装置とを経て海中に海水を排水する排水装置と、を備えたことを特徴とするものである。
このような構成を備えることにより、海中から海水をバラストタンクに注水する時に、ろ過装置により海水中の動物性プランクトン等比較的大型の水生生物を捕捉して除去し、殺菌剤とベンチュリ管によるキャビテーションによって細菌類と比較的小型のプランクトンを死滅させて、生物を死滅処理した海水をバラストタンクに貯留することができる。さらに、バラストタンクから海水を海中に排水する時に、海水に残存する殺菌剤を殺菌剤分解剤により分解して殺菌剤の海域への影響をなくすことができる。
また、海水中に殺菌剤分解剤を拡散させる拡散装置を用いることにより、殺菌剤分解剤を短時間で海水中に拡散して短時間で殺菌剤を分解するので、海水をバラストタンクから海中へ排水しながら確実に無害化することができる。
また、拡散装置として海水をバラストタンクに注水する時の処理に用いるベンチュリ管を用いると、装置を兼用できるので有用である。もっとも拡散装置として他の攪拌混合装置を用いてもよい。
また、バラストタンク内で貯留する海水の殺菌剤濃度を適切に維持するようにすれば、細菌類やプランクトンの再成長を抑制することができる。
(4)また、上記(1)〜(3)に記載のものにおいて、ろ過装置の差圧を測定し、該差圧測定値に基づき、殺菌剤供給量を調整する殺菌剤供給量制御手段を備えたことを特徴とするものである。
(5)また、上記(1)〜(3)に記載のものにおいて、ろ過装置に供給する海水またはろ過装置によりろ過水の濁度または吸光光度を測定する水質測定手段を備え、該水質測定手段により測定された濁度または吸光光度の測定値に基づき、殺菌剤供給量を調整する殺菌剤供給量制御手段を備えたことを特徴とするものである。
(6)また、上記(1)〜(3)に記載のものにおいて、殺菌剤が次亜塩素酸ナトリウムであり、殺菌剤が供給された海水の酸化還元電位を測定する酸化還元電位測定手段を備え、該酸化還元電位測定手段により測定された酸化還元電位の測定値に基づいて殺菌剤供給量を調整する殺菌剤供給量制御手段を備えたことを特徴とするものである。
(7)上記(1)〜(6)に記載のものにおいて、殺菌剤が次亜塩素酸ナトリウムであり、海水の電解により次亜塩素酸ナトリウムを生成する装置を備えたことを特徴とするものである。
また、殺菌剤として次亜塩素酸ナトリウムを用いる場合に、次亜塩素酸ナトリウムの温度が上昇するのを防止する温度上昇防止手段を備えことが好ましい。
次亜塩素酸ナトリウムは30℃以上の高温で分解して濃度が低下することがある。そこで、次亜塩素酸ナトリウムの温度防止手段を設けることで、次亜塩素酸ナトリウムの温度が上昇するのを防止することにより、次亜塩素酸ナトリウムの分解を防止する。これによって、次亜塩素酸ナトリウムの消費量を抑制してバラスト水の処理費用を抑制することができる。
次亜塩素酸ナトリウムの温度上昇を防止する温度上昇防止手段の具体例として、例えば次亜塩素酸ナトリウム溶液の貯留槽を断熱して航行中に貯留槽内の次亜塩素酸ナトリウムの温度が上昇するのを防止する貯留槽断熱装置がある。
なお、次亜塩素酸ナトリウム溶液を予め冷却しておき、貯留槽断熱装置を備えた貯留槽に貯留するようにすれば、次亜塩素酸ナトリウムの温度管理を確実にでき、次亜塩素酸ナトリウムの分解をより確実に防止できる。
また、他の温度上昇防止手段として、貯留槽に設けられて貯留槽内の次亜塩素酸ナトリウム溶液を冷却する冷却熱交換器が挙げられる。冷却熱交換器には冷媒として冷却水を用いることもできるが、冷媒として海水を用いるようにすれば、冷却のための運転費を抑制できる。
なお、上記の例はいずれも次亜塩素酸ナトリウムの分解を防止するためのものであるが、海水、あるいは次亜塩素酸ナトリウムの分解によって生成した塩化ナトリウムを電解して次亜塩素酸ナトリウムを生成または再生する電解装置を備えるようにすれば、分解により減少した次亜塩素酸ナトリウムの濃度を回復させることができる。
(8)また、上記(1)〜(7)に記載のものにおいて、殺菌剤が次亜塩素酸ナトリウムであり、殺菌剤供給装置の上流に酸供給装置を備えたことを特徴とするものである。
(9)また、海水をろ過して水生生物を捕捉するろ過装置と、ろ過水または海水の供給を受けて該ろ過水中にキャビテーションを発生させてろ過水中または海水中の水生生物に対して損傷を与えるか死滅させるベンチュリ管と、ろ過水または海水中の細菌類を死滅させる紫外線照射殺菌装置と、を備えたことを特徴とするものである。
(10)また、海水をろ過して水生生物を捕捉するろ過装置と、過酸化水素をろ過された海水中に供給する過酸化水素供給装置と、過酸化水素が供給されたろ過水を導入しそのろ過水中にキャビテーションを発生させるベンチュリ管と、海中から海水を取水し前記ろ過装置と前記過酸化水素供給装置と前記ベンチュリ管とを経てバラストタンクに海水を送る注水装置と、バラストタンクから抜き出された海水中に過酸化水素分解剤を供給する過酸化水素分解剤供給装置と、過酸化水素分解剤が供給された海水を導入し、その海水中に過酸化水素分解剤を拡散させる拡散装置と、バラストタンクから海水を抜き出し前記過酸化水素分解剤供給装置と前記拡散装置とを経て海中に海水を排水する排水装置と、を備えたことを特徴とするものである。
このような構成を備えることにより、海中から海水をバラストタンクに注水する時に、ろ過装置により海水中の動物性プランクトン等比較的大型の水生生物を捕捉して除去し、過酸化水素とベンチュリ管によるキャビテーションによって細菌類と比較的小型のプランクトンを死滅させて、生物を死滅処理した海水をバラストタンクに貯留することができる。さらに、バラストタンクから海水を海中に排水する時に、海水に残存する過酸化水素を過酸化水素分解剤により分解して過酸化水素の海域への影響をなくすことができる。
さらに、殺菌剤として過酸化水素を用いるため有害な副生成物が生じない。
また、海水中に過酸化水素分解剤を拡散させる拡散装置を用いることにより、過酸化水素分解剤を短時間で海水中に拡散して短時間で過酸化水素を分解するので、海水をバラストタンクから海中へ排水しながら確実に無害化することができる。
また、拡散装置として海水をバラストタンクに注水する時の処理に用いるベンチュリ管を用いると、装置を兼用できるので有用である。もっとも拡散装置として他の攪拌混合装置を用いてもよい。
また、バラストタンク内で貯留する海水の過酸化水素濃度を適切(例えば1mg/L以上)に維持するようにすれば、細菌類やプランクトンの再成長を抑制することができる。また、供給される過酸化水素分解剤としては、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム(亜硫酸水素ナトリウム)、チオ硫酸ナトリウム等の過酸化水素を還元して分解する還元剤を使用することができる。
(11)また、上記(1)〜(10)のろ過装置は、目開きが10〜200μmの範囲のものであることを特徴とするものである。
ろ過装置は、海水中に存在するプランクトン類を除去するために設けられる。目開きを10〜200μmとするのは、動物性プランクトンや植物性プランクトンの捕捉率を一定のレベルに保ちつつ、逆流洗浄頻度を少なくして、寄港地でのバラスト水処理時間を短縮するためである。逆に言えば、目開きが200μmより大きいと、動物プランクトンや植物プランクトンの捕捉率が著しく低くなり、他方、目開きが10μmより小さいと、ろ過体の目詰まりが短時間で生ずるため、逆流洗浄頻度が多くなり寄港地でのバラスト水処理時間が長くなり、いずれも好ましくない。特に、目開き20〜35μm程度のフィルタを用いることが、捕捉率および逆流洗浄頻度を最適に設定することができるので、好ましい。
(12)また、上記(1)〜(11)のろ過装置は、ノッチワイヤフィルタ、ウェッジワイヤフィルタ及び積層ディスク型ろ過装置のうちのいずれかであることを特徴とするものである。
また、他のろ過装置としては、密閉型砂ろ過器、ろ布ろ過器及び金属繊維ろ過器のうちのいずれかを用いてもよい。
(13)また、本発明に係るバラスト水処理方法は、海水をろ過して水生生物を捕捉するろ過処理工程と、ろ過された海水中に殺菌剤を供給する殺菌剤供給工程と、殺菌剤が供給されたろ過水をベンチュリ管に導入して該ベンチュリ管によりろ過水中にキャビテーションを発生させて前記殺菌剤をろ過水中に拡散させると共にろ過水中の水生生物に対して損傷を与えるか死滅させるキャビテーション処理工程と、を備えたことを特徴とするものである。
(14)また、上記(13)に記載のものにおいて、殺菌剤が供給された海水に殺菌剤分解剤を供給する殺菌剤分解剤供給工程を、更に備えたことを特徴とするものである。
(15)また、海水をバラストタンクに送るときに海水中の生物の水生生物の除去と死滅処理を行なう注水時処理工程と、バラストタンクから海水を海中に排出するときに海水中の殺菌剤を分解処理する排水時処理工程と、を備えたバラスト水処理方法であって、注水時処理工程は、海水をろ過して水生生物を捕捉するろ過工程と、殺菌剤をろ過された海水中に供給する殺菌剤供給工程と、殺菌剤が供給された海水をベンチュリ管に導入し、その海水中にキャビテーションを発生させるキャビテーション処理工程と、キャビテーション処理を施した海水をバラストタンクに送る注水工程と、を備え、排水時処理工程は、バラストタンクから抜き出された海水中に殺菌剤分解剤を供給する殺菌剤分解剤供給工程と、殺菌剤分解剤が添加された海水を導入し、その海水中に殺菌剤分解剤を拡散させる拡散工程と、殺菌剤分解剤が拡散された海水を海中に排水する排水工程と、を備えたことを特徴とするものである。
このような構成を備えることにより、海中から海水をバラストタンクに注水する時に、海水をろ過することにより海水中の動物性プランクトン等比較的大型の水生生物を捕捉して除去し、殺菌剤とベンチュリ管によるキャビテーションによって細菌類と比較的小型のプランクトンを死滅させ、生物を死滅処理した海水をバラストタンクに貯留することができる。さらに、バラストタンクから海水を海中に排水する時に、海水に残存する殺菌剤を殺菌剤分解剤により分解して、殺菌剤の海域への影響をなくすことができる。また、海水中に殺菌剤分解剤を拡散させる工程を設けることにより、殺菌剤分解剤を短時間で海水中に拡散して短時間で殺菌剤を分解するので、バラストタンクから海水を排水しながら確実に無害化することができる。また、バラストタンク内の海水の殺菌剤濃度を適切に維持するようにすれば、細菌類やプランクトンの再成長を抑制することができる。
(16)また、上記(13)〜(15)の殺菌剤が次亜塩素酸ナトリウムであり、海水中の次亜塩素酸ナトリウムの重量濃度を1〜100mg/lとするように供給することを特徴とするものである。
(17)また、上記(13)〜(15)に記載のものにおいて、ろ過装置の差圧を測定し、該差圧測定値に基づき、殺菌剤供給量を調整する殺菌剤供給量制御工程を備えたことを特徴とするものである。
(18)また、上記(13)〜(15)に記載のものにおいて、ろ過装置に供給する海水またはろ過装置によりろ過したろ過海水の濁度または吸光光度を測定して、該濁度または吸光光度の測定値に基づき、殺菌剤供給量を調整する殺菌剤供給量制御工程を備えたことを特徴とするものである。
(19)また、上記(13)〜(15)に記載のものにおいて、殺菌剤が次亜塩素酸ナトリウムであり、殺菌剤が供給された海水の酸化還元電位を測定して、該該酸化還元電位の測定値に基づいて殺菌剤供給量を調整する殺菌剤供給量制御工程を備えたことを特徴とするものである。
(20)また、上記(19)に記載のものにおいて、殺菌剤が供給された海水の酸化還元電位を800mV以上とするように、殺菌剤供給量を調整することを特徴とするものである。
細菌類を死滅させるために供給する次亜塩素酸ナトリウムは海水中の還元性物質によっても消費されるが、バラスト水として取水する海水は海域によって水質が異なり、還元性物質の含有率も異なる。このため、細菌類を十分に死滅させるためには次亜塩素酸ナトリウムの供給量を水質に適合した量に調整する必要がある。
次亜塩素酸ナトリウムの供給量を水質に適合した量に調整するには、次亜塩素酸ナトリウムを供給した海水の酸化還元電位を測定して、酸化還元電位を銀/塩化銀電極に対して800mV以上とするように調整する。酸化還元電位を800mV以上とすることにより、海水中に残留する塩素濃度を細菌類の死滅に十分な濃度にすることができる。
(21)また、上記(13)〜(20)に記載のものにおいて、殺菌剤が次亜塩素酸ナトリウムであり、殺菌剤供給工程の前に酸供給工程を備えたことを特徴とするものである。
(22)また、上記(21)に記載のものにおいて、殺菌剤が供給される海水のpHを5〜7にすることを特徴とするものである。
殺菌剤が供給される海水に酸を供給して海水のpHを5〜7にすると、次亜塩素酸ナトリウムを供給した海水中の遊離残留塩素の形態が、次亜塩素酸(HOCl)がほとんどとなり、殺菌効力が高いため好ましい。海水のpHが5より低いと遊離残留塩素の形態は次亜塩素酸とClとなりpHが7より高いと遊離残留塩素の形態は次亜塩素酸と次亜塩素酸イオン(OCl-)となり、いずれも殺菌効力が他にくらべて100倍高い次亜塩素酸の割合が低くなり、殺菌効力が低下する。供給する酸としては塩酸または硫酸を用いる。
なお、微生物の死滅処理を行った処理済みのバラスト水に水酸化ナトリウム等のアルカリ剤を供給して中和し、バラスト水を周囲の海域に排出しても支障の生じないようにする。酸中和剤としては亜硫酸ナトリムを用いるのが好ましい。亜硫酸ナトリムには次亜塩素酸ナトリウムの中和作用もあるからである。
(23)また、海水をろ過して水生生物を捕捉するろ過工程と、ろ過水または海水をベンチュリ管に供給して該ベンチュリ管によりろ過水または海水にキャビテーションを発生させてろ過水中または海水中の水生生物に対して損傷を与えるか死滅させるキャビテーション処理工程と、ろ過水または海水中の細菌類を死滅させる紫外線照射殺菌工程と、を備えたことを特徴とすることを特徴とするものである。
(24)また、海水をバラストタンクに送るときに海水中の水生生物の除去と死滅処理を行なう注水時処理工程と、バラストタンクから海水を海中に排出するときに海水中の過酸化水素を分解処理する排水時処理工程と、を備えたバラスト水処理方法であって、注水時処理工程は、海水をろ過して水生生物を捕捉するろ過工程と、過酸化水素をろ過された海水中に供給する過酸化水素供給工程と、過酸化水素が供給された海水をベンチュリ管に導入し、その海水中にキャビテーションを発生させるキャビテーション処理工程と、キャビテーション処理を施した海水をバラストタンクに送る注水工程と、を備え、排水時処理工程は、バラストタンクから抜き出された海水中に過酸化水素分解剤を供給する過酸化水素分解剤供給工程と、過酸化水素分解剤が供給された海水を導入し、その海水中に過酸化水素分解剤を拡散させる拡散工程と、過酸化水素分解剤が拡散された海水を海中に排水する排水工程と、を備えたことを特徴とするものである。
このような構成を備えることにより、海中から海水をバラストタンクに注水する時に、海水をろ過することにより海水中の動物性プランクトン等比較的大型の水生生物を捕捉して除去し、過酸化水素とベンチュリ管によるキャビテーションによって細菌類と比較的小型のプランクトンを死滅させて、生物を死滅処理した海水をバラストタンクに貯留することができる。さらに、バラストタンクから海水を海中に排水する時に、海水に残存する過酸化水素を過酸化水素分解剤により分解して過酸化水素の海域への影響をなくすことができる。さらに、殺菌剤として過酸化水素を用いるため有害な副生成物が生じない。
また、海水中に過酸化水素分解剤を拡散させる拡散工程を設けることにより、過酸化水素分解剤を海水中に拡散して短時間で過酸化水素を分解するので、海水をバラストタンクから海中へ排水しながら確実に無害化することができる。
また、バラストタンク内で貯留する海水の過酸化水素濃度を適切(例えば1mg/L以上)に維持するようにすれば、細菌類やプランクトンの再成長を抑制することができる。
また、供給される過酸化水素分解剤としては、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム(亜硫酸水素ナトリウム)、チオ硫酸ナトリウム等の過酸化水素を還元して分解する還元剤を使用することができる。
(25)また、上記(13)〜(24)のろ過処理工程は、目開きが10〜200μmの範囲のろ過装置を用いることを特徴とするものである。
(26)また、上記(13)〜(25)に記載のものにおいて、ベンチュリ管ののど部における海水の流速を10〜40m/secとするように海水を送水することを特徴とするものである。
(27)また、上記(13)〜(25)に記載のものにおいて、ベンチュリ管の圧力損失水頭を5〜40mとするように海水を送水することを特徴とするものである。
本発明においては、海水をろ過して水生生物を捕捉するろ過装置と、海水中の細菌類を死滅させる殺菌剤をろ過された海水中に供給する殺菌剤供給装置と、殺菌剤が供給されたろ過水の供給を受けて該ろ過水中にキャビテーションを発生させてろ過水中に前記殺菌剤を拡散させると共にろ過水中の水生生物に対して損傷を与えるか死滅させるベンチュリ管と、を備えたことにより、従来方法の方法では達成が難しかったIMOの定めるバラスト水処理基準を、安価で確実に達成する処理が可能となり、外来生物や伝染性の病原菌の移動を抑制することが可能となる。
[実施の形態1]
以下、図面を用いて、本発明に係るバラスト水処理装置について、最良の形態の一例を具体的に説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態に係るバラスト水の処理装置を示すブロック図である。このバラスト水処理装置は、下記構成を備えている。海水取入ライン1は、海水を船内に取り入れる。粗ろ過装置2は、海水取入ライン1から取り入れられた海水中の粗大物を除去する。ポンプ3は、海水を取り込み、あるいは後述のバラストタンク9のバラスト水を後述のろ過装置4に送る。ろ過装置4は、粗ろ過装置2によって粗大物が除去された海水中に存在するプランクトン類を除去する。殺菌剤供給装置5は、ろ過装置4でろ過された海水に殺菌剤を供給して、細菌類やプランクトンを死滅させる。ベンチュリ管6は、殺菌剤および殺菌剤分解剤が添加された海水(ろ過水)を導入し、その海水中にキャビテーションを発生させ、海水中の水生生物に損傷を与えあるいはそれらを死滅させるとともに、殺菌剤供給装置5で供給された殺菌剤を海水中に拡散させる。殺菌剤分解剤供給装置7は、殺菌剤が添加された海水に殺菌剤分解剤を供給する。処理水送水ライン8は、ベンチュリ管6から排出された処理後の海水を後述のバラストタンク9に送る。バラストタンク9は、処理水送水ライン8から送られる処理後の海水、または未処理の海水を貯留する。処理バラスト水排水ライン10は、バラストタンク9内の処理済みのバラスト水を海に排出する。未処理海水送水ライン11は、未処理の海水をバラストタンク9に送る。バラスト水供給ライン12は、バラストタンク9内の未処理のバラスト水をろ過装置4側に送る。処理水排水ライン13は、処理が終ったバラスト水を海に排出する。
以下、各装置をさらに詳細に説明する。
1.粗ろ過装置
粗ろ過装置2は、船側部に設けられたシーチェスト(海水吸入口)から取水され、ポンプ3によって海水取水ライン1を通して取水される海水中に含まれる大小様々な夾雑物、水生生物のうち10mm程度以上の粗大物を除去するためのものである。
粗ろ過装置としては10mm程度の孔を設けた筒型ストレーナ(こし器)、水流中の粗大物を比重差により分離するハイドロサイクロン、回転スクリーンにより粗大物を捕捉し掻揚げ回収する装置等を用いることができる。
2.ろ過装置
ろ過装置4は粗ろ過装置2によって粗大物が除去された海水中に存在するプランクトン類を除去するものであり、目開き10〜200μmのものを用いる。
目開きを10〜200μmにしたのは動物性プランクトン、植物性プランクトンの捕捉率を一定のレベルに保ちつつ、逆流洗浄頻度を少なくして寄港地でのバラスト水処理時間を短縮するためである。逆に言えば、目開きが200μmより大きいと動物プランクトン、植物プランクトンの捕捉率が著しく低くなるし、目開きが10μmより小さいと逆流洗浄頻度が多くなり寄港地でのバラスト水処理時間が長くなるので好ましくない。特に目開き20〜35μm程度のものを用いるのが、捕捉率と逆流洗浄頻度とを最適に設定できるので、好ましい。
また、ろ過装置4は、ろ過面積1mあたり1日200m以上のろ過速度が得られることが望ましい。ただし、ろ過モジュールの集積によって、より小型化が可能な場合には特に限定しない。
ろ過装置4の具体例としては、ノッチワイヤフィルタまたはウェッジワイヤフィルタを用いることが好ましい。
ノッチワイヤフィルタとは、ノッチ(突起)を設けたワイヤを枠体に巻きつけてノッチによりワイヤ同士の間隔を保持してろ過通路寸法を10〜200μmにした筒型のエレメントをケーシング内に保持し、送水と逆洗浄のためのバルブと配管を設けたものである。このノッチワイヤフィルタの具体例としては、神奈川機器工業製ノッチワイヤフィルタがある。
このノッチワイヤフィルタをろ過エレメントとして複数備え、逆洗手段を備えたものが特開2001−170416に開示されている。ろ過エレメント集合基板や、それぞれのろ過エレメントに小型超音波振動子を取り付け、逆洗時に超音波振動を付加することにより、逆洗浄効果を増大させ、逆洗浄の間隔を延ばしてろ過効率を高めることができる。
ウェッジワイヤフィルタとは、断面が三角形のワイヤを枠体に巻きつけてワイヤ同士の間隔を調整してろ過通路寸法を10〜200μmにした筒型のエレメントをケーシング内に保持し、送水と逆洗浄のためのバルブと配管を設けたものである。このウェッジワイヤフィルタの具体一例としては、東洋スクリーン工業製ウェッジワイヤフィルタがある。
また、ろ過装置4の他の好ましい具体例として積層ディスク型ろ過器がある。積層ディスク型ろ過器とは、両面に複数の斜状溝を形成したドーナツ型のディスクを軸方向に圧締して積層して環状にしたものであり、隣接するディスクの溝によって形成される間隙に通水して、水生生物をろ過するものである。斜状溝の寸法を適宜設定することにより目開きを10〜200μmに設定してろ過する。
なお、積層ディスク型ろ過器においては、逆洗時にはディスクの圧締を解除して、間隙を大きくしてろ過残渣を除去する。
この積層ディスク型ろ過器の具体例としては、Arkal Filtration Systems製のSpin Klin Filter Systemsがる。
なお、ろ過装置4としては、上記の2種類のろ過装置の他、例えば密閉型砂ろ過器、ろ布ろ過器、金属繊維ろ過器など他の種々のろ過装置を用いることができる。
3.殺菌剤供給装置
殺菌剤供給装置5はろ過装置4によってろ過されベンチュリ管6に供給される海水に細菌類を死滅させる殺菌剤を供給するものである。供給する殺菌剤としては、塩素、二酸化塩素、次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素、オゾン、過酢酸またはこれらの2種以上の混合物が使用できるが、これ以外の殺菌剤を使用することも可能である。
なお、殺菌剤として次亜塩素酸ナトリウムを用いる場合には、海水中の有効塩素量の重量濃度を1〜100mg/lとするように供給することが好ましい。
その理由は、有効塩素量の重量濃度が1mg/lより小さいと次亜塩素酸が水中の還元性物質、有機物と反応して残留しないし、100mg/lより大きいと腐食の問題や次亜塩素酸ナトリウムの貯留槽が大きくなり高コストとなる等の問題があり、不具合が生じるからである。
殺菌剤はベンチュリ管6の上流側および/またはベンチュリ管6ののど部に供給される。殺菌剤をベンチュリ管6の上流側に供給する場合には、殺菌剤をキャビテーションが発生するベンチュリ管のど部に達するまでに管内である程度拡散させておき、次いでキャビテーションにより殺菌剤の拡散、混合を進めて、さらに殺菌剤の細菌類への浸透を促進して殺菌剤の殺滅効果を促進できる。
なお、殺菌剤をベンチュリ管6の上流側に供給するためには、ベンチュリ管6よりも上流側の直管路に殺菌剤の注入口を設けておけばよい。
また、殺菌剤をベンチュリ管6ののど部に供給する場合には、ベンチュリ管6のエジェクタ作用により自吸されるので供給ポンプが不要となる。
4.ベンチュリ管
ベンチュリ管6はろ過装置4を通過した生物に対してベンチュリ管により発生せるキャビテーションにより損傷を与えるか殺滅すると共に殺菌剤供給装置5から供給された殺菌剤を海水中に拡散させるものである。
ベンチュリ管6は、管路断面積が徐々に小さくなる絞り部、最小断面積部であるのど部、徐々に管路断面積が広がる広がり部(ディフューザ部)からなる。のど部での流速の急上昇に伴う静圧の急激な低下によりキャビテーション気泡が発生し、広がり部での流速の低下に伴う急激な圧力上昇により成長したキャビテーション気泡が急激に崩壊する。海水中の水生生物はキャビテーション気泡が崩壊することによる衝撃圧、せん断力、高温、酸化力の強いOHラジカルの作用などにより、損傷を受けるか破壊されて死滅する。
このベンチュリ管6のキャビテーションによれば、特に、比較的固い殻を有する原虫類、動物プランクトンの外殻を破壊し、死滅させることができる。
また、ベンチュリ管6によってキャビテーションを発生させて、植物性プランクトン等比較的小型の水生生物に対して損傷を与えるか死滅させると共に、キャビテーションによって海水中に殺菌剤を急速に拡散させて殺菌剤による細菌類の殺菌作用を促進させる。このようにキャビテーションの拡散作用により殺菌剤の海水中への混合が促進されるため、殺菌剤を注入するだけの場合に比べて殺菌剤の供給量を低減でき、環境への影響を低減でき、また殺菌剤を無害化するための殺菌剤分解剤の供給を不要にするかまたは低減できる。
なお、ベンチュリ管23に海水を供給する際には、ベンチュリ管23ののど部における海水の流速を10〜40m/secとするように海水を送水するのが好ましい。
この理由は、海水を取水してバラストタンクに通水する配管の途中にバラスト水処理装置を設置した場合、配管内の海水の流速がベンチュリ管入り口では通常2〜3m/sであるが、ベンチュリ管のど部の流速が10m/secより小さいと、のど部での流速の上昇比率が十分でなくこれに伴う静圧の急激な低下が十分でないため、大気圧下においてもキャビテーションが発生しない。他方、ベンチュリ管のど部の流速が40m/sより大きいとキャビテーション現象が過剰に発生しベンチュリ管通過に伴う圧力損失が過大となり送水のために消費されるエネルギーが過大となるため、ポンプ動力が過大となり高コストとなるからである。
また、なお、ベンチュリ管に海水を供給する際には、ベンチュリ管の圧力損失水頭を5〜40mとするように海水を送水することが好ましい。
この理由は、損失水頭が5mより小さいとキャビテーションを発生させる事が出来ず、40mより大きいと船舶に備えられているバラスト水ポンプとして用いられている大流量ポンプでは対応できなくなり不具合が生じるからである。
なお、キャビテーションを発生させるためにジェットノズルを用いることも可能であるが、圧力損失が高く、目詰まりも生じるため、ポンプの大型化や逆流洗浄頻度の上昇によりコストが増大することから、大量処理を必要とするバラスト水処理には不適である。
これに対して、キャビテーション発生のためにベンチュリ管を用いることで、少ない圧力損失でキャビテーションを発生することができることから、大量処理を必要とするバラスト水処理に適している。
5.殺菌剤分解剤供給装置
殺菌剤分解剤供給装置7は、殺菌剤を添加された海水に殺菌剤分解剤を供給して海水中に残存する殺菌剤を分解することで、無害化するものである。
この実施形態では、殺菌剤分解剤供給装置7はベンチュリ管6の下流側に設けられる。殺菌剤供給装置5から海水中に殺菌剤が供給され、ベンチュリ管6のキャビテーションにより殺菌剤が拡散されて細菌類やプランクトンを死滅させた後、海水中に残留する殺菌剤を分解して無害化するようになっている。
殺菌剤分解剤供給装置7の配置はこれに限らず、分解反応時間の遅い殺菌剤分解剤を用いる場合などには、殺菌剤供給装置5とベンチュリ管6との間に設けてもよい。ベンチュリ管6のキャビテーションにより、殺菌剤分解剤が海水中に急速に拡散される効果が得られる。
次亜塩素酸ナトリウム、塩素等の塩素殺菌剤に対して供給される殺菌剤分解剤としては、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム(亜硫酸水素ナトリウム)、チオ硫酸ナトリウムを用いることができる。また、過酸化水素に対して供給される殺菌剤分解剤としては、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム(亜硫酸水素ナトリウム)、チオ硫酸ナトリウム及びカタラーゼ等の酵素を使用することができる。但し、これらのみには限定されない。カタラーゼ等の酵素は分解反応の触媒として働き、反応時間が長期間のものである。
以上のように構成された本実施の形態の動作を説明する。海中から海水を取水しバラストタンクに送る際に、細菌類やプランクトンを死滅させる処理を行なう。
ポンプ3を可動することによって、海水取水ライン1から海水が船内に取りこまれる。その際、まず粗ろ過装置2によって海水中に存在する大小様々な夾雑物、水生生物のうち10mm程度以上の粗大物が除去される。
粗大物が除去された海水はろ過装置4に供給され、ろ過装置4の目開きに応じた大きさの動物性プランクトン、植物性プランクトン等が除去される。
粗ろ過装置2及びろ過装置4で捕捉された水生生物等は、粗ろ過装置2及びろ過装置4のフィルタ等を逆洗することにより洗い流されて海に戻される。海に戻しても同一の海域なので生態系に悪影響はない。つまり、この例ではバラスト水を積み込む際に処理をしているので、粗ろ過装置2及びろ過装置4の逆洗水をそのまま放流できるのである。
ろ過装置4でろ過された海水には殺菌剤供給装置5から殺菌剤が供給され、殺菌剤が供給された海水はベンチュリ管6に供給される。
ベンチュリ管6において、上述したメカニズムにより海水中にキャビテーション気泡が発生して成長し、さらに成長したキャビテーション気泡が急激に崩壊することにより、海水中の水生生物に衝撃圧、せん断力、高温、酸化力の強いOHラジカルの作用を及ぼし、水生生物に損傷を与えるか破壊して殺滅する。このとき、ベンチュリ管6に導入前の海水に殺菌剤を供給しているので、ベンチュリ管6におけるキャビテーションにより殺菌剤の海水中への拡散が促進され細菌類の殺滅効果を増進する。
殺菌剤が供給された海水に殺菌剤分解剤供給装置7によって殺菌剤分解剤を添加し、その後海水は処理水送水ライン8を通じてバラストタンク9に貯留される。
バラスト水を海中に排出する際には、バラストタンク9から処理水排水ライン10を介して海中に排出される。
もっとも、バラストタンク9に海水を貯留する場合には、殺菌剤供給装置5から供給される殺菌剤が残存することが好ましい。これは、仮にバラストタンク9内に有害細菌類が残存したとしても、残存する殺菌剤の効果によって、これらの細菌類の再成長を抑制することができるからである。殺菌剤を残存させる濃度は殺菌剤の種類、濃度、およびバラストタンク9の材質や塗装の種類によって適宜に決定し、この決定に基づいて殺菌剤分解剤供給装置7による殺菌剤分解剤の供給量を調整する。場合によっては、殺菌剤分解剤を供給しない場合もある。
また、上記の例では、殺菌剤をベンチュリ管6の上流側および/またはベンチュリ管6ののど部に供給するが、さらにベンチュリ管6の下流側にも供給してもよい。ベンチュリ管6の下流側にも供給する場合には、キャビテーションによりプランクトン等に付着している細菌類が剥されるため、ベンチュリ管6の下流側で殺菌剤を供給することで、この剥された細菌類に殺菌剤を作用させることで細菌類の殺滅効果を促進できる。
また、キャビテーションにより外殻に損傷を負いながら死滅しないプランクトンの体内に殺菌剤を浸透させることができ殺菌剤の殺滅効果を促進できると共に、殺菌剤耐性の強い種類に対しても、殺菌剤単独処理と比較して少ない殺菌剤添加量で殺滅することが可能である。
なお、上記の例は海水をバラストタンク9に積み込む際に処理を行う場合であるが、海水をバラストタンクに積み込む際には処理をしないで、バラストタンク9から排出する際に処理する場合もある。この場合は、未処理の海水は、未処理海水送水ライン11を介してバラストタンク9に貯留される。このバラスト水をバラストタンク9から排出する際に、バラストタンク9内の未処理のバラスト水を、バラスト水供給ライン12を介してろ過装置4側に導入して、以降は上記と同様の処理を行う。処理の終ったバラスト水は、処理水排水ライン13を介して、海に排出される。もっとも、この場合には、ベンチュリ管6の上流側で殺菌剤が添加されたバラスト水を、処理水排水ライン13を通じて海に排水することになるので、殺菌剤を完全に無害化する必要がある。そこで、この場合には、殺菌剤分解剤供給装置7によって供給する殺菌剤分解剤の量は、前述の処理水をバラストタンク9に供給する場合と違って、残存する殺菌剤が分解されバラスト水を排出する港湾の環境に対して影響のない状態にできる量にすることが必要である。
また、海水をバラストタンク9に積み込む際とバラストタンク9から排出する際との両方でバラスト水中の水生生物の死滅処理を行うようにしてもよい。その場合にはバラスト水の排出時の処理は軽度でよい。
以上のように、本実施の形態においては、ろ過装置4で10〜200μm以上の動物性プランクトン、植物性プランクトンを除去し、ベンチュリ管6でろ過装置4を通過した細菌類やプランクトンに損傷を与えるかあるいは死滅させ、さらに殺菌剤の供給により細菌類やプランクトンを死滅させるようにしたので、どのような水質であっても確実かつ安価にIMOが定めるバラスト水基準を満たすバラスト水の処理が実現できる。
また、装置の構成が単純であることから、既存船舶への適用が容易であり、また、殺菌剤処理や電気処理に耐性を有する微生物を効率的に殺滅することができる。
なお、図1に示した例は、バラスト水の無害化処理をバラストタンクへの積込時または/および海中への排水時に行うことを想定しているが、積込時、排水時のいずれか、あるいは両方のどのタイミングで処理を行うかは、取水する海域に生息する微生物量や船舶の運航条件によって定めることができる。
[実施の形態2]
図2は本発明の実施の形態2の説明図であり、実施の形態1と同一部分には同一の符号が付してある。本実施の形態が実施の形態1と異なる点は、殺菌剤分解剤供給装置7にバラスト水を送るバイバスライン14を設けて、バラスト水の積込み時にベンチュリ管6のキャビテーションと殺菌剤により死滅処理を行ない、バラスト水の排出時にバラストタンク9に貯留されたバラスト水を、バラスト水供給ライン12とバイバスライン14を介して送り、殺菌剤分解剤供給装置7により殺菌剤分解剤を供給して殺菌剤を分解処理して海中に排出するようにした点である。
図2に示されたバラスト水処理装置を用いて、バラスト水の積込み時に細菌類やプランクトンの死滅処理を行い、バラスト水の排出時に海水中に残留している殺菌剤を分解して無害化処理を行なうバラスト水の処理方法について説明する。
バラスト水の積込み時には、ポンプ3を稼動して海水取入ライン1から海水を船内に取り入れ、粗ろ過装置2により粗大物を除去しろ過装置4によりろ過装置4の目開きに応じた大きさのプランクトン等を除去する。ろ過装置4でろ過された海水には殺菌剤供給装置5で殺菌剤が供給され、殺菌剤が添加された海水はベンチュリ管6に導入される。ベンチュリ管6において、キャビテーションを発生させ水生生物に損傷を与えると共に、殺菌剤の海水中への拡散が促進され殺菌効果が増大される。
ベンチュリ管6で処理された海水は、処理水送水ライン8を介してバラストタンク9に送られ貯留される。バラストタンク9内に貯留される海水には、殺菌剤供給装置5で供給された殺菌剤が、適切な濃度で残存することが好ましい。これにより、細菌類やプランクトンの再成長を抑制することができる。
ここで、海水取入ライン1、ポンプ3、粗ろ過装置2からベンチュリ管6に到る配管および処理水送水ライン8が注水装置として構成されている。
次に、バラスト水の排出時には、ポンプ3を稼動してバラストタンク9からバラスト水供給ライン12を介してバラスト水を導入し、ろ過装置4と殺菌剤供給装置5を迂回するバイパスライン14を介して、殺菌剤分解剤供給装置7から殺菌剤分解剤を供給し、さらにベンチュリ管6に導入する。ベンチュリ管6において、キャビテーションを発生させ殺菌剤分解剤の海水中への拡散を促進して、短時間で残留する殺菌剤を分解する。殺菌剤の分解処理の終ったバラスト水は、処理水排水ライン13を介して、海中に排出される。
ベンチュリ管6によりキャビテーションを発生させ殺菌剤分解剤の海水中への拡散を促進して、短時間で殺菌剤を分解するので、海水をバラストタンクから海中へ排水しながら確実に無害化することができる。
ここで、バラスト水供給ライン12、ポンプ3、バイパスライン14、殺菌剤分解剤供給装置7からからベンチュリ管6に到る配管および処理水排水ライン13が排水装置として構成されている。
また、このバラスト水の排出時には、ベンチュリ管6は海水中へ殺菌剤分解剤を拡散させる拡散装置として用いられている。もっともベンチュリ管6を用いてキャビテーションを発生させ殺菌剤分解剤の海水中への拡散を促進させる代わりに、攪拌羽根により拡散混合するミキサ等、他の拡散装置を用いてもよい。
この実施の形態2では、バラストタンクへ海水を取込む際に、細菌類とプランクトンの死滅処理を行ない、バラストタンクに貯留中は殺菌剤を残留させて細菌類等の再成長を抑制し、バラスト水の排出時には残留する殺菌剤を短時間で分解して無害化するようにしている。ベンチュリ管6の拡散作用を殺菌剤の拡散と殺菌剤分解剤の拡散に利用しており、それぞれ短時間で海水中に拡散させる効果が得られる。
また、殺菌剤分解剤の分解反応が短時間で行なわれるので、残留する殺菌剤の海洋への影響を確実になくすことができる。
殺菌剤として過酸化水素を用いる場合について、さらに説明する。海水中に過酸化水素を適切な濃度で残留させてバラストタンクに貯留することにより、細菌類やプランクトンの再成長を抑制することができる。また、有害な副生成物が生成することがない。過酸化水素分解剤として亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムなどの還元剤を供給する。
過酸化水素分解剤として重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムを用いて、それぞれについて過酸化水素の分解時間を調べる実験を行なった。海水中に残留する過酸化水素濃度が20〜100mg/Lの場合に、重亜硫酸ナトリウムでは70〜350mg/L、亜硫酸ナトリウムでは80〜400mg/L、チオ硫酸ナトリウムでは200〜1000mg/Lをそれぞれ供給して拡散混合し、過酸化水素濃度が検出限界である0.1mg/L以下となるまでの分解所要時間を求めた。
分解所要時間はどの過酸化水素分解剤の場合も5秒以内であり、ごく短時間で過酸化水素を分解できることを確認した。このことにより海水をバラストタンクから海中へ排水しながら、確実に残留する過酸化水素を分解して無害化することができることを確認できた。
また、バラトタンクから導入する海水中の過酸化水素濃度を測定して、その測定値に基づき過酸化水素を確実に還元して分解するために十分な量の還元剤を供給するようにすることが好ましい。また、ベンチュリ管の下流側の処理水排水ライン13に過酸化水素濃度計や酸化還元電位計を設け、過酸化水素の残留がないことを確認するようにしてもよい。
このように殺菌剤として過酸化水素を用いてバラスト水を海中から取込む時に細菌類の死滅処理を行ない、バラスト水を海中に排出するときに過酸化水素の分解処理を行なうことにより、有害な副生成物が生成することなく、海水中の細菌類やプランクトンを死滅させたバラスト水を供給でき、バラストタンクに貯留中の再成長を抑制して、過酸化水素の残留のない海水を排出して海洋への影響のない処理を行なうことができる。
なお、上記の実施の形態においては、ベンチュリ管6を1本用いた例を示したが、図3に示すように2本のベンチュリ管6a、6bを直列に配置して用いてもよい。そして、この例ではベンチュリ管6aの入口側と出口側およびベンチュリ管6bの出口側の3箇所で殺菌剤注入を行うようにしている。
図3の構成によれば、上流側ベンチュリ管6aと下流側ベンチュリ管6bとが直列に配置されているので、上流側ベンチュリ管6bの入口圧力および出口圧力が、ベンチュリ管が1本の場合に比べて高くなる。従って、キャビテーション気泡の崩壊時に発生する高温、高圧が、ベンチュリ管が1本の場合に比べて高くなる。この結果、細菌類等の死滅効率が高くなる。
また、上流側ベンチュリ管6aで発生し、成長、崩壊したキャビテーション気泡群は、上流側ベンチュリ管6aの広がり部の出口においては、無数の微細気泡群になっており、これらの微細気泡群が、下流側ベンチュリ管6bに流入して、下流側ベンチュリ管6bに対する新たな気泡核となる。
従って、下流側ベンチュリ管6bの流入口において存在するキャビテーション気泡核は、上流側ベンチュリ管6aの流入口において存在するキャビテーション気泡核に比べて遥かに多くなっている。この多量のキャビテーション気泡核が下流側ベンチュリ管6bに流入して、上流側ベンチュリ管6aと同じように、のど部で成長し、広がり部で崩壊する。
このように、ベンチュリ管を2本直列に配置することによって、下流側ベンチュリ管6bに流入する気泡核の数は、飛躍的に増大し、海水と気泡の気液界面の面積は、ベンチュリ管が1本の場合に比べて、飛躍的に増大する。この結果、細菌類等の死滅効率も、ベンチュリ管が1本の場合に比較して、大幅に高まる。
さらに、図3に示す例では、殺菌剤の注入を3箇所で行っているので、この意味でも殺菌効果が飛躍的に高まっている。
なお、上流側ベンチュリ管6aと下流側ベンチュリ管6bを繋ぐ直管部15の長さは、上流側ベンチュリ管6aの広がり部の出口において生成された微細気泡群が、再結合、合体しないような長さにするのが好ましい。
図3の例では、2本のベンチュリ管6a、5bを直列に配置したものであるが、3本以上のベンチュリ管を直列に配置してもよい。この場合も、各ベンチュリ管間の直管路において殺菌剤注入を行うようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態の殺菌剤供給装置5から供給する殺菌剤の量を制御する殺菌剤供給量制御手段を設けてもよい。殺菌剤供給量制御手段の一例として、ろ過装置の差圧を測定して該差圧測定値に基づき、殺菌剤供給量を調整するようにする。具体的には、差圧が所定値よりも大きい場合には海水またはろ過水中の水生生物が多いことを示しているので、殺菌剤供給量を増加させる。逆に差圧が所定値よりも小さい場合には殺菌剤供給量を減少させる。
あるいは、ろ過装置が差圧を計測し、所定値に達すると逆洗浄を自動的に行うものであれば、逆洗浄間隔をモニタリングして、洗浄間隔が所定値よりも短い場合には、海水中の水生生物が多いことを示しているので、殺菌剤供給量を増加させる。逆に洗浄間隔が所定値よりも長い場合には殺菌剤供給量を減少させる。
また、殺菌剤供給量を制御する他の例として、ろ過装置に供給する海水またはろ過装置によりろ過されたろ過水の濁度または吸光光度を測定する水質測定手段と、該水質測定手段により測定された濁度または吸光光度の測定値に基づいて、殺菌剤供給量を調整する殺菌剤供給量制御手段とを備えるようにしてもよい。
この場合、水質測定手段による濁度または吸光光度の測定値が所定値よりも大きい場合には海水またはろ過水中の水生生物が多いことを示しているので、殺菌剤供給量制御手段によって殺菌剤供給量を増加させる。逆に濁度または吸光光度の測定値が所定値よりも小さい場合には殺菌剤供給量を減少させようにする。
このように、海水またはろ過水中の水生生物の量に応じて殺菌剤供給量を調整することにより水生生物を確実に死滅させることができると共に過剰な殺菌剤供給を防止できる。
また、殺菌剤供給量を制御する他の例として、殺菌剤が次亜塩素酸ナトリウムの場合には、殺菌剤が供給された海水の酸化還元電位を測定して、該該酸化還元電位の測定値に基づいて殺菌剤供給量を調整する殺菌剤供給量制御装置を備えるようにしてもよい。
細菌類を死滅させるために供給する次亜塩素酸ナトリウムは海水中の還元性物質によっても消費されるが、バラスト水として取水する海水は海域によって水質が異なり、還元性物質の含有率も異なる。このため、細菌類を十分に死滅させるためには次亜塩素酸ナトリウムの供給量を水質に適合した量に調整する必要がある。
そこで、次亜塩素酸ナトリウムの供給量を水質に適合した量に調整するには、次亜塩素酸ナトリウムを供給した海水の酸化還元電位を測定して、酸化還元電位を銀/塩化銀電極に対して800mV以上とするように調整する。酸化還元電位を800mV以上とすることにより、海水中に残留する塩素濃度を細菌類の死滅に十分な濃度にすることができる。
なお、上記の実施の形態において殺菌剤供給装置6が供給する殺菌剤として次亜塩素酸ナトリウムの場合もある旨を述べたが、この場合には海水を直接電気分解することによって次亜塩素酸ナトリウムを発生させる装置を用いればコストを低減できる。
また、次亜塩素酸ナトリウムは30℃以上の高温で分解して濃度が低下することがあるため、次亜塩素酸ナトリウムの貯留槽に次亜塩素酸ナトリウムの分解を防止するために、次亜塩素酸ナトリウムの温度が上昇するのを防止する温度上昇防止手段を設けることが好ましい。
これにより、次亜塩素酸ナトリウムの分解を防止でき、次亜塩素酸ナトリウムの消費量を抑制してバラスト水の処理費用を抑制することができる。
温度上昇防止手段の具体例として、例えば次亜塩素酸ナトリウム溶液の貯留槽を断熱して航行中に貯留槽内の次亜塩素酸ナトリウムの温度が上昇するのを防止する貯留槽断熱装置がある。
なお、次亜塩素酸ナトリウム溶液を予め冷却しておき、貯留槽断熱装置を備えた貯留槽に貯留するようにすれば、次亜塩素酸ナトリウムの温度管理を確実にでき、次亜塩素酸ナトリウムの分解をより確実に防止できる。
また、温度上昇防止手段の他の例として、貯留槽に設けられて貯留槽内の次亜塩素酸ナトリウム溶液を冷却する冷却熱交換器が挙げられる。冷却熱交換器には冷媒として冷却水を用いることもできるが、冷媒として海水を用いるようにすれば、冷却のための運転費を抑制できる。
なお、上記の例はいずれも次亜塩素酸ナトリウムの分解を防止するためのものであるが、海水、あるいは次亜塩素酸ナトリウムの分解によって生成した塩化ナトリウムを電解して次亜塩素酸ナトリウムを生成または再生する電解装置を備えるようにすれば、分解により減少した次亜塩素酸ナトリウムの濃度を回復させることができる。
また、上記の実施の形態において殺菌剤供給装置5が供給する殺菌剤として次亜塩素酸ナトリウムの場合もある旨を述べたが、この場合には、殺菌剤供給工程の前に酸供給工程を備え、殺菌剤が供給される海水のpHを5〜7にすることにより、細菌類の死滅効力を増大することができる。
殺菌剤が供給される海水に酸を供給して海水のpHを5〜7にすると、次亜塩素酸ナトリウムを供給した海水中の遊離残留塩素の形態が次亜塩素酸(HOCl)がほとんどとなり、殺菌効力が高いため好ましい。海水のpHが5より低いと遊離残留塩素の形態は次亜塩素酸とClとなりpHが7より高いと遊離残留塩素の形態は次亜塩素酸と次亜塩素酸イオン(OCl-)となり、いずれも殺菌効力が他にくらべて100倍高い次亜塩素酸の割合が低くなり、殺菌効力が低下する。
供給する酸としては塩酸または硫酸を用いる。
なお、微生物の死滅処理を行った処理済みのバラスト水に水酸化ナトリウム等のアルカリ剤を供給して中和し、バラスト水を周囲の海域に排出しても支障の生じないようにする。酸中和剤としては亜硫酸ナトリムを用いるのが好ましい。亜硫酸ナトリムには次亜塩素酸ナトリウムの中和作用もあるからである。
なお、上記の実施の形態において殺菌剤供給装置5が供給する殺菌剤として次亜塩素酸ナトリウムの場合もある旨を述べたが、殺菌剤として過酢酸を用いてもよい。この場合には、過酢酸の分解を防止するため温度を10℃以下にして貯留する。また、中和剤としてはチオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムを用いるのが好ましい。
また、上記の実施の形態ではろ過装置4の下流側にベンチュリ管6を配置したが、ベンチュリ管6をろ過装置4の上流側に配置して、ベンチュリ管6によって処理した後にろ過装置4によってろ過するようにし、さらにろ過装置4の下流側に殺菌剤を供給するようにすることもできる。
このような配置にすれば、ベンチュリ管6の直ぐ手前にポンプ3が配置されることになり、ベンチュリ管6とポンプ3の間に他の機器がないので、ベンチュリ管6への送水圧力を高くすることができ、ベンチュリ管6での処理効果を高めることができる。
また、この場合には海水がベンチュリ管6で処理された後にろ過装置4で処理されるので、ろ過装置4によって捕捉されるプランクトン等は死滅している。したがって、ろ過装置4のフィルタ等を逆洗した逆洗水を海に放流しても、当該海域に悪影響を及ぼすことがない。この意味で、この配置はバラスト水の積込み時には処理をせずに、バラスト水を積込んだのとは別の海域でバラスト水を排出する時に死滅処理する場合に適している。
また、この場合では殺菌剤供給装置5による殺菌剤の供給はろ過装置4を通過した海水に対してのみ行っており、実施の形態1のようにベンチュリ管6の入口側では行っていない。この理由は、ろ過装置4がベンチュリ管6の下流側に配置されたことから、ベンチュリ管6の入口側で殺菌剤の供給をすると殺菌剤で死滅したプランクトン等がろ過装置4で捕捉されるため、ろ過装置4の逆洗水を無害化処理してから放流しなければならなくなり、処理が煩雑になるからである。
なお、上記の実施の形態においては、殺菌装置として殺菌剤供給装置5を用いた例を示したが、この殺菌剤供給装置5に代えて紫外線照射装置を用いてもよい。
紫外線照射装置とは、海水を通水または貯留する配管または容器に紫外線ランプを設置し、細菌類を死滅させるのに必要な強度と時間、紫外線を照射するものである。
紫外線照射装置を用いた場合には殺菌剤を使用しないので、殺菌剤分解剤で中和処理する必要がなく、また、殺菌剤によって海水中に有害物が副生する懸念がない。
本発明の一実施の形態に係るバラスト水処理装置の説明図である。 本発明の他の実施の形態に係るバラスト水処理装置の説明図である。 本発明の実施の形態の変形例の説明図である。
符号の説明
2 粗ろ過装置、3 ポンプ、4 ろ過装置、5 殺菌剤供給装置、6 ベンチュリ管、7 殺菌剤分解剤供給装置、9 バラストタンク。

Claims (27)

  1. 海水をろ過して水生生物を捕捉するろ過装置と、殺菌剤をろ過された海水中に供給する殺菌剤供給装置と、殺菌剤が供給されたろ過水の供給を受けて該ろ過水中にキャビテーションを発生させてろ過水中に前記殺菌剤を拡散させると共にろ過水中の水生生物に対して損傷を与えるか死滅させるベンチュリ管と、を備えたことを特徴とするバラスト水処理装置。
  2. 前記殺菌剤が供給されたろ過水に殺菌剤分解剤を供給する殺菌剤分解剤供給装置を、更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のバラスト水処理装置。
  3. 海水をろ過して水生生物を捕捉するろ過装置と、殺菌剤をろ過された海水中に供給する殺菌剤供給装置と、殺菌剤が供給されたろ過水を導入しそのろ過水中にキャビテーションを発生させるベンチュリ管と、海中から海水を取水し前記ろ過装置と前記殺菌剤供給装置と前記ベンチュリ管とを経てバラストタンクに海水を送る注水装置と、
    バラストタンクから抜き出された海水中に殺菌剤分解剤を供給する殺菌剤分解剤供給装置と、殺菌剤分解剤が供給された海水を導入しその海水中に殺菌剤分解剤を拡散させる拡散装置と、バラストタンクから海水を抜き出し前記殺菌剤分解剤供給装置と前記拡散装置とを経て海中に海水を排水する排水装置と、を備えたことを特徴とするバラスト水処理装置。
  4. ろ過装置の差圧を測定し該差圧測定値に基づき、殺菌剤供給量を調整する殺菌剤供給量制御手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバラスト水処理装置。
  5. ろ過装置に供給する海水またはろ過装置によりろ過された海水の濁度または吸光光度を測定する水質測定手段を備え、該水質測定手段により測定された濁度または吸光光度の測定値に基づき、殺菌剤供給量を調整する殺菌剤供給量制御手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバラスト水処理装置。
  6. 殺菌剤が次亜塩素酸ナトリウムであり、殺菌剤が供給された海水の酸化還元電位を測定する酸化還元電位測定手段を備え、該酸化還元電位測定手段により測定された酸化還元電位の測定値に基づいて殺菌剤供給量を調整する殺菌剤供給量制御手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバラスト水処理装置。
  7. 薬剤が次亜塩素酸ナトリウムであり、海水の電解により次亜塩素酸ナトリウムを生成する装置を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のバラスト水処理装置。
  8. 殺菌剤が次亜塩素酸ナトリウムであり、殺菌剤供給装置の上流に酸供給装置を備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のバラスト水処理装置。
  9. 海水をろ過して水生生物を捕捉するろ過装置と、ろ過水または海水の供給を受けて該ろ過水中にキャビテーションを発生させてろ過水中または海水中の水生生物に対して損傷を与えるか死滅させるベンチュリ管と、ろ過水または海水中の細菌類を死滅させる紫外線照射殺菌装置と、を備えたことを特徴とするバラスト水処理装置。
  10. 海水をろ過して水生生物を捕捉するろ過装置と、過酸化水素をろ過された海水中に供給する過酸化水素供給装置と、過酸化水素が供給されたろ過水を導入しそのろ過水中にキャビテーションを発生させるベンチュリ管と、海中から海水を取水し前記ろ過装置と前記過酸化水素供給装置と前記ベンチュリ管とを経てバラストタンクに海水を送る注水装置と、
    バラストタンクから抜き出された海水中に過酸化水素分解剤を供給する過酸化水素分解剤供給装置と、過酸化水素分解剤が供給された海水を導入し、その海水中に過酸化水素分解剤を拡散させる拡散装置と、バラストタンクから海水を抜き出し前記過酸化水素分解剤供給装置と前記拡散装置とを経て海中に海水を排水する排水装置と、を備えたことを特徴とするバラスト水処理装置。
  11. ろ過装置は、目開きが10〜200μmの範囲のものであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のバラスト水処理装置。
  12. ろ過装置は、ノッチワイヤフィルタ、ウェッジワイヤフィルタ及び積層ディスク型ろ過装置のうちのいずれかであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のバラスト水処理装置。
  13. 海水をろ過して水生生物を捕捉するろ過工程と、ろ過された海水中に殺菌剤を供給する殺菌剤供給工程と、殺菌剤が供給されたろ過水をベンチュリ管に導入して該ベンチュリ管によりろ過水中にキャビテーションを発生させて前記殺菌剤をろ過水中に拡散させると共にろ過水中の水生生物に対して損傷を与えるか死滅させるキャビテーション処理工程と、を備えたことを特徴とするバラスト水処理方法。
  14. 前記殺菌剤が供給された海水に殺菌剤分解剤を供給する殺菌剤分解剤供給工程を、更に備えたことを特徴とする請求項13に記載のバラスト水処理方法。
  15. 海水をバラストタンクに送るときに海水中の水生生物の除去と死滅処理を行なう注水時処理工程と、バラストタンクから海水を海中に排出するときに海水中の殺菌剤を分解処理する排水時処理工程と、を備えたバラスト水処理方法であって、
    前記注水時処理工程は、海水をろ過して水生生物を捕捉するろ過工程と、殺菌剤をろ過された海水中に供給する殺菌剤供給工程と、殺菌剤が供給された海水をベンチュリ管に導入し、その海水中にキャビテーションを発生させるキャビテーション処理工程と、キャビテーション処理を施した海水をバラストタンクに送る注水工程と、を備え、
    前記排水時処理工程は、バラストタンクから抜き出された海水中に殺菌剤分解剤を供給する殺菌剤分解剤供給工程と、殺菌剤分解剤が供給された海水を導入しその海水中に殺菌剤分解剤を拡散させる拡散工程と、殺菌剤分解剤が拡散された海水を海中に排水する排水工程と、を備えたことを特徴とするバラスト水処理方法。
  16. 殺菌剤が次亜塩素酸ナトリウムであり、海水中の有効塩素量の重量濃度を1〜100mg/lとするように供給することを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載のバラスト水処理方法。
  17. ろ過装置の差圧を測定し、該差圧測定値に基づき、殺菌剤供給量を調整する殺菌剤供給量制御工程を備えたことを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載のバラスト水処理方法。
  18. ろ過装置に供給する海水またはろ過装置によりろ過したろ過海水の濁度または吸光光度を測定して、該濁度または吸光光度の測定値に基づき、殺菌剤供給量を調整する殺菌剤供給量制御工程を備えたことを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載のバラスト水処理方法。
  19. 殺菌剤が次亜塩素酸ナトリウムであり、殺菌剤が供給された海水の酸化還元電位を測定して、該酸化還元電位の測定値に基づいて殺菌剤供給量を調整する殺菌剤供給量制御工程を備えたことを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載のバラスト水処理方法。
  20. 殺菌剤が供給された海水の酸化還元電位を800mV以上とするように、殺菌剤供給量を調整することを特徴とする請求項19に記載のバラスト水処理方法。
  21. 殺菌剤が次亜塩素酸ナトリウムであり、殺菌剤供給工程の前に酸供給工程を備えたことを特徴とする請求項13〜20のいずれか一項に記載のバラスト水処理方法。
  22. 殺菌剤が供給される海水のpHを5〜7にすることを特徴とする請求項21に記載のバラスト水処理方法。
  23. 海水をろ過して水生生物を捕捉するろ過工程と、ろ過水または海水をベンチュリ管に供給して該ベンチュリ管によりろ過水または海水にキャビテーションを発生させてろ過水中または海水中の水生生物に対して損傷を与えるか死滅させるキャビテーション処理工程と、ろ過水または海水中の細菌類を死滅させる紫外線照射殺菌工程と、を備えたことを特徴とすることを特徴とするバラスト水処理方法。
  24. 海水をバラストタンクに送るときに海水中の水生生物の除去と死滅処理を行なう注水時処理工程と、バラストタンクから海水を海中に排出するときに海水中の過酸化水素を分解処理する排水時処理工程と、を備えたバラスト水処理方法であって、
    前記注水時処理工程は、海水をろ過して水生生物を捕捉するろ過工程と、過酸化水素をろ過された海水中に供給する過酸化水素供給工程と、過酸化水素が供給された海水をベンチュリ管に導入し、その海水中にキャビテーションを発生させるキャビテーション処理工程と、キャビテーション処理を施した海水をバラストタンクに送る注水工程と、を備え、
    前記排水時処理工程は、バラストタンクから抜き出された海水中に過酸化水素分解剤を供給する過酸化水素分解剤供給工程と、過酸化水素分解剤が供給された海水を導入し、その海水中に過酸化水素分解剤を拡散させる拡散工程と、過酸化水素分解剤が拡散された海水を海中に排水する排水工程と、を備えたことを特徴とするバラスト水処理方法。
  25. ろ過工程は、目開きが10〜200μmの範囲のろ過装置を用いることを特徴とする請求項13〜24のいずれか一項に記載のバラスト水処理方法。
  26. ベンチュリ管ののど部における海水の流速を10〜40m/secとするように海水を送水することを特徴とする請求項13〜25のいずれか一項に記載のバラスト水処理方法。
  27. ベンチュリ管の圧力損失水頭を5〜40mとするように海水を送水することを特徴とする請求項13〜25のいずれか一項に記載のバラスト水処理方法。
JP2006159150A 2005-06-10 2006-06-07 バラスト水処理装置及び処理方法 Expired - Fee Related JP4844244B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006159150A JP4844244B2 (ja) 2005-06-10 2006-06-07 バラスト水処理装置及び処理方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005171697 2005-06-10
JP2005171697 2005-06-10
JP2005322025 2005-11-07
JP2005322025 2005-11-07
JP2006159150A JP4844244B2 (ja) 2005-06-10 2006-06-07 バラスト水処理装置及び処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007144391A true JP2007144391A (ja) 2007-06-14
JP4844244B2 JP4844244B2 (ja) 2011-12-28

Family

ID=38206429

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006159150A Expired - Fee Related JP4844244B2 (ja) 2005-06-10 2006-06-07 バラスト水処理装置及び処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4844244B2 (ja)

Cited By (38)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001027023A (ja) * 1999-07-15 2001-01-30 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 薄膜太陽電池ダミーモジュール
WO2008041470A1 (fr) * 2006-09-27 2008-04-10 Tg Corporation Procédé de traitement de l'eau de ballastage d'un bateau
JP2009000583A (ja) * 2007-06-19 2009-01-08 Jfe Engineering Kk バラスト水処理装置
JP2009028569A (ja) * 2007-07-24 2009-02-12 Jfe Engineering Kk バラスト水処理装置およびバラスト水処理方法
JP2009039680A (ja) * 2007-08-10 2009-02-26 Jfe Engineering Kk バラスト水処理装置
JP2009066535A (ja) * 2007-09-13 2009-04-02 Jfe Engineering Kk ベンチュリ管装置及び該ベンチュリ管装置を用いたバラスト水処理装置
JP2009112978A (ja) * 2007-11-08 2009-05-28 Mitsubishi Heavy Ind Ltd バラスト水処理システム
JP2009125684A (ja) * 2007-11-26 2009-06-11 Toshiba Corp 水処理装置
JP2009247944A (ja) * 2008-04-02 2009-10-29 Jfe Engineering Corp バラスト水処理方法及び装置
JP2009285523A (ja) * 2008-05-27 2009-12-10 Jfe Engineering Corp バラスト水処理方法及び装置
JP2010019644A (ja) * 2008-07-09 2010-01-28 Bridgestone Corp キャビテーション評価装置、および、それを用いたキャビテーション評価方法
JP2010528832A (ja) * 2007-06-01 2010-08-26 セバーン トレント デ ノラ,エルエルシー バラストタンク循環管理システム
JP2010536540A (ja) * 2007-08-15 2010-12-02 シーメンス ウォーター テクノロジース コーポレイション バラスト水を処理するための方法及びシステム
JP2011092898A (ja) * 2009-10-30 2011-05-12 Jfe Engineering Corp バラスト水処理装置
WO2011062202A1 (ja) * 2009-11-19 2011-05-26 日本曹達株式会社 バラスト水の還元処理方法
JP2011110522A (ja) * 2009-11-30 2011-06-09 Takako:Kk 微生物量抑制装置およびシステム
JP2011519717A (ja) * 2008-04-18 2011-07-14 エコマリネ アーベー 海上物体を処理する方法
WO2011120250A1 (zh) 2010-03-30 2011-10-06 青岛海德威科技有限公司 船舶压载水水处理方法和系统
JP2012011263A (ja) * 2010-06-29 2012-01-19 Sanyo Electric Co Ltd バラスト水処理装置
JP2012152695A (ja) * 2011-01-26 2012-08-16 Jws Tecnica Kk 電気分解式塩水滅菌方法及び電気分解式塩水滅菌装置
JP2013006155A (ja) * 2011-06-24 2013-01-10 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 使用済排出海水の消泡装置及び方法、使用済排出海水の排出システム
JP2013507244A (ja) * 2009-10-16 2013-03-04 ウーシー ブライトスカイ エレクトロニック カンパニー リミテッド バラスト水処理システム
JP2013046892A (ja) * 2011-08-29 2013-03-07 Kurita Water Ind Ltd 船舶バラスト水の処理方法
JP2013046897A (ja) * 2012-03-29 2013-03-07 Kurita Water Ind Ltd 船舶バラスト水の処理方法
KR20130051433A (ko) 2010-03-05 2013-05-20 고쿠리츠 다이가쿠 호진 도호쿠 다이가쿠 밸러스트수 처리 장치와 상기 장치를 사용한 밸러스트수 무해화 처리 시스템 및 그 방법
JP2013094766A (ja) * 2011-11-04 2013-05-20 Kurita Water Ind Ltd 船舶バラスト水処理剤及びこれを用いた船舶バラスト水の処理方法
JP2013527798A (ja) * 2011-03-15 2013-07-04 セバーン トレント デ ノラ,エルエルシー バラスト水及びフィルタ処理用の方法並びにシステム
JP2013193000A (ja) * 2012-03-16 2013-09-30 Panasonic Corp バラスト水処理システム及びバラスト水処理方法
WO2013168745A1 (ja) * 2012-05-08 2013-11-14 Jfeエンジニアリング株式会社 静止型流体混合装置及びこれを使用するバラスト水処理装置
WO2014064942A1 (ja) * 2012-10-25 2014-05-01 パナソニック株式会社 バラスト水処理方法及びそれに用いるバラスト水処理装置
JP2014166611A (ja) * 2013-02-28 2014-09-11 Jfe Engineering Corp 濾過体、これを有する濾過装置及び海水処理装置
JP2014237107A (ja) * 2013-06-10 2014-12-18 栗田工業株式会社 バラスト水の処理方法
KR20150023828A (ko) 2012-07-03 2015-03-05 제이에프이 엔지니어링 가부시키가이샤 분체와 액체의 혼합 용해 장치 및 이를 사용하는 밸러스트수 처리 장치
WO2016024342A1 (ja) * 2014-08-12 2016-02-18 栗田工業株式会社 バラスト水の処理方法
JP2016521200A (ja) * 2013-03-22 2016-07-21 テックロス カンパニー リミテッド 船舶平衡水の処理システム
JP2017042710A (ja) * 2015-08-26 2017-03-02 森永乳業株式会社 電解生成物混合装置、バラスト水処理装置、船舶、吸引混合装置および電解生成物混合方法
WO2017187531A1 (ja) 2016-04-26 2017-11-02 Jfeエンジニアリング株式会社 バラスト水処理装置およびバラスト水処理方法
JP2021037502A (ja) * 2019-08-27 2021-03-11 上田 孝雄 感染性廃棄物の処理方法および処理装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04322788A (ja) * 1991-02-25 1992-11-12 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 船舶のバラスト水殺菌方法および殺菌装置
JP2001009315A (ja) * 1999-06-24 2001-01-16 Sanwa Marine Ltd 液中微生物粉砕装置
JP2001293474A (ja) * 2000-04-12 2001-10-23 Nippon Mitsubishi Oil Corp 海水の浄化方法及び海水の浄化装置
JP2004174325A (ja) * 2002-11-25 2004-06-24 Jfe Engineering Kk 水処理装置および水処理方法
JP2004534630A (ja) * 2000-11-28 2004-11-18 エコクロア、 インコーポレイテッド バラスト水内の有機体を制御する方法、装置および組成物
JP2005506179A (ja) * 2001-10-18 2005-03-03 シェブロン ユー.エス.エー. インコーポレイテッド バラスト水における不活性化可能な殺生剤

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04322788A (ja) * 1991-02-25 1992-11-12 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 船舶のバラスト水殺菌方法および殺菌装置
JP2001009315A (ja) * 1999-06-24 2001-01-16 Sanwa Marine Ltd 液中微生物粉砕装置
JP2001293474A (ja) * 2000-04-12 2001-10-23 Nippon Mitsubishi Oil Corp 海水の浄化方法及び海水の浄化装置
JP2004534630A (ja) * 2000-11-28 2004-11-18 エコクロア、 インコーポレイテッド バラスト水内の有機体を制御する方法、装置および組成物
JP2005506179A (ja) * 2001-10-18 2005-03-03 シェブロン ユー.エス.エー. インコーポレイテッド バラスト水における不活性化可能な殺生剤
JP2004174325A (ja) * 2002-11-25 2004-06-24 Jfe Engineering Kk 水処理装置および水処理方法

Cited By (58)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001027023A (ja) * 1999-07-15 2001-01-30 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 薄膜太陽電池ダミーモジュール
WO2008041470A1 (fr) * 2006-09-27 2008-04-10 Tg Corporation Procédé de traitement de l'eau de ballastage d'un bateau
JP5412111B2 (ja) * 2006-09-27 2014-02-12 株式会社 Tgコーポレーション 船舶のバラスト水の処理方法
JP2010528832A (ja) * 2007-06-01 2010-08-26 セバーン トレント デ ノラ,エルエルシー バラストタンク循環管理システム
JP2009000583A (ja) * 2007-06-19 2009-01-08 Jfe Engineering Kk バラスト水処理装置
JP2009028569A (ja) * 2007-07-24 2009-02-12 Jfe Engineering Kk バラスト水処理装置およびバラスト水処理方法
JP2009039680A (ja) * 2007-08-10 2009-02-26 Jfe Engineering Kk バラスト水処理装置
US8968575B2 (en) 2007-08-15 2015-03-03 Evoqua Water Technologies Llc Method and system for treating ballast water
US20110120956A1 (en) * 2007-08-15 2011-05-26 Ivanter Irina A Method and system for treating ballast water
JP2016047518A (ja) * 2007-08-15 2016-04-07 エヴォクア ウォーター テクノロジーズ エルエルシーEvoqua Water Technologiesllc バラスト水を処理するための方法及びシステム
JP2010536540A (ja) * 2007-08-15 2010-12-02 シーメンス ウォーター テクノロジース コーポレイション バラスト水を処理するための方法及びシステム
JP2009066535A (ja) * 2007-09-13 2009-04-02 Jfe Engineering Kk ベンチュリ管装置及び該ベンチュリ管装置を用いたバラスト水処理装置
JP2009112978A (ja) * 2007-11-08 2009-05-28 Mitsubishi Heavy Ind Ltd バラスト水処理システム
JP2009125684A (ja) * 2007-11-26 2009-06-11 Toshiba Corp 水処理装置
JP2009247944A (ja) * 2008-04-02 2009-10-29 Jfe Engineering Corp バラスト水処理方法及び装置
JP2011519717A (ja) * 2008-04-18 2011-07-14 エコマリネ アーベー 海上物体を処理する方法
JP2009285523A (ja) * 2008-05-27 2009-12-10 Jfe Engineering Corp バラスト水処理方法及び装置
JP2010019644A (ja) * 2008-07-09 2010-01-28 Bridgestone Corp キャビテーション評価装置、および、それを用いたキャビテーション評価方法
JP2013507244A (ja) * 2009-10-16 2013-03-04 ウーシー ブライトスカイ エレクトロニック カンパニー リミテッド バラスト水処理システム
JP2011092898A (ja) * 2009-10-30 2011-05-12 Jfe Engineering Corp バラスト水処理装置
EP2500322A4 (en) * 2009-11-19 2015-03-04 Nippon Soda Co REDUCTION PROCESSING METHOD FOR BALLAST WATER
AU2010320125B2 (en) * 2009-11-19 2013-08-15 Nippon Soda Co., Ltd. Reduction treatment method for ballast water
WO2011062202A1 (ja) * 2009-11-19 2011-05-26 日本曹達株式会社 バラスト水の還元処理方法
US9505640B2 (en) 2009-11-19 2016-11-29 Nippon Soda Co., Ltd. Composition for treatment of ballast water
CN102666403A (zh) * 2009-11-19 2012-09-12 日本曹达株式会社 压载水的还原处理方法
JPWO2011062202A1 (ja) * 2009-11-19 2013-04-04 日本曹達株式会社 バラスト水の還元処理方法
JP5564710B2 (ja) * 2009-11-19 2014-08-06 日本曹達株式会社 バラスト水の還元処理方法
JP2011110522A (ja) * 2009-11-30 2011-06-09 Takako:Kk 微生物量抑制装置およびシステム
KR20130051433A (ko) 2010-03-05 2013-05-20 고쿠리츠 다이가쿠 호진 도호쿠 다이가쿠 밸러스트수 처리 장치와 상기 장치를 사용한 밸러스트수 무해화 처리 시스템 및 그 방법
US8557122B2 (en) 2010-03-05 2013-10-15 Tohoku University Ballast water treatment equipment, a ballast water detoxifying treatment system using the same, and a method for treating the ballast water
JP2013523426A (ja) * 2010-03-30 2013-06-17 青▲島▼海▲徳▼威科技有限公司 船舶バラスト水処理方法及びシステム
WO2011120250A1 (zh) 2010-03-30 2011-10-06 青岛海德威科技有限公司 船舶压载水水处理方法和系统
JP2012011263A (ja) * 2010-06-29 2012-01-19 Sanyo Electric Co Ltd バラスト水処理装置
JP2012152695A (ja) * 2011-01-26 2012-08-16 Jws Tecnica Kk 電気分解式塩水滅菌方法及び電気分解式塩水滅菌装置
JP2013527798A (ja) * 2011-03-15 2013-07-04 セバーン トレント デ ノラ,エルエルシー バラスト水及びフィルタ処理用の方法並びにシステム
JP2013006155A (ja) * 2011-06-24 2013-01-10 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 使用済排出海水の消泡装置及び方法、使用済排出海水の排出システム
JP2013046892A (ja) * 2011-08-29 2013-03-07 Kurita Water Ind Ltd 船舶バラスト水の処理方法
JP2013094766A (ja) * 2011-11-04 2013-05-20 Kurita Water Ind Ltd 船舶バラスト水処理剤及びこれを用いた船舶バラスト水の処理方法
JP2013193000A (ja) * 2012-03-16 2013-09-30 Panasonic Corp バラスト水処理システム及びバラスト水処理方法
JP2013046897A (ja) * 2012-03-29 2013-03-07 Kurita Water Ind Ltd 船舶バラスト水の処理方法
KR20150003398A (ko) 2012-05-08 2015-01-08 제이에프이 엔지니어링 가부시키가이샤 정지형 유체 혼합 장치 및 이것을 사용하는 밸러스트수 처리 장치
JP2013252509A (ja) * 2012-05-08 2013-12-19 Jfe Engineering Corp 静止型混合装置及びこれを有するバラスト水処理装置
WO2013168745A1 (ja) * 2012-05-08 2013-11-14 Jfeエンジニアリング株式会社 静止型流体混合装置及びこれを使用するバラスト水処理装置
KR20150023828A (ko) 2012-07-03 2015-03-05 제이에프이 엔지니어링 가부시키가이샤 분체와 액체의 혼합 용해 장치 및 이를 사용하는 밸러스트수 처리 장치
JP5839121B2 (ja) * 2012-07-03 2016-01-06 Jfeエンジニアリング株式会社 バラスト水処理装置
US10287200B2 (en) 2012-10-25 2019-05-14 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Method for treating ballast water and device for treating ballast water used therefor
JPWO2014064942A1 (ja) * 2012-10-25 2016-09-08 パナソニックIpマネジメント株式会社 バラスト水処理方法及びそれに用いるバラスト水処理装置
WO2014064942A1 (ja) * 2012-10-25 2014-05-01 パナソニック株式会社 バラスト水処理方法及びそれに用いるバラスト水処理装置
JP2014166611A (ja) * 2013-02-28 2014-09-11 Jfe Engineering Corp 濾過体、これを有する濾過装置及び海水処理装置
JP2016521200A (ja) * 2013-03-22 2016-07-21 テックロス カンパニー リミテッド 船舶平衡水の処理システム
JP2014237107A (ja) * 2013-06-10 2014-12-18 栗田工業株式会社 バラスト水の処理方法
WO2016024342A1 (ja) * 2014-08-12 2016-02-18 栗田工業株式会社 バラスト水の処理方法
JP2017042710A (ja) * 2015-08-26 2017-03-02 森永乳業株式会社 電解生成物混合装置、バラスト水処理装置、船舶、吸引混合装置および電解生成物混合方法
WO2017187531A1 (ja) 2016-04-26 2017-11-02 Jfeエンジニアリング株式会社 バラスト水処理装置およびバラスト水処理方法
KR20180136543A (ko) 2016-04-26 2018-12-24 제이에프이 엔지니어링 가부시키가이샤 밸러스트 수 처리 장치 및 밸러스트 수 처리 방법
US10669173B2 (en) 2016-04-26 2020-06-02 Jfe Engineering Corporation Ballast water treatment device and ballast water treatment method
JP2021037502A (ja) * 2019-08-27 2021-03-11 上田 孝雄 感染性廃棄物の処理方法および処理装置
JP7093564B2 (ja) 2019-08-27 2022-06-30 株式会社エム・イー・エス 感染性廃棄物の処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4844244B2 (ja) 2011-12-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4844244B2 (ja) バラスト水処理装置及び処理方法
JP4821361B2 (ja) バラスト水処理方法
KR100963351B1 (ko) 밸러스트수 처리 장치 및 처리 방법
JP4978002B2 (ja) バラスト水処理方法
JP4877281B2 (ja) バラスト水処理装置およびバラスト水処理方法
JP5370925B2 (ja) バラスト水処理装置
JP4915313B2 (ja) バラスト水処理装置
JP4915295B2 (ja) バラスト水処理装置
JP2007229577A (ja) 液体の無害化処理方法とその装置及びこの装置をそなえた船舶
JP4816681B2 (ja) バラスト水処理方法及び装置
US10934179B2 (en) Liquid treatment system and method
JP4737157B2 (ja) バラスト水処理装置およびバラスト水処理方法
JP4841524B2 (ja) 生物捕捉除去装置
JP5034210B2 (ja) バラスト水処理装置
JP5132229B2 (ja) ベンチュリ管装置及び該ベンチュリ管装置を用いたバラスト水処理装置
JP4915811B2 (ja) ベンチュリ管装置及び該ベンチュリ管装置を用いたバラスト水処理装置
JP4816671B2 (ja) バラスト水処理方法及び装置
JP7212478B2 (ja) 膜ろ過システムおよび膜ろ過方法
JP2014171954A (ja) 船舶のバラスト水処理システム
JP2007021287A (ja) バラスト水の処理方法
WO2016028231A1 (en) Ballast water treatment system and method of ballast water treatment
WO2020012786A1 (ja) 水処理装置および水処理方法
JP7188942B2 (ja) 膜ろ過システムおよび膜ろ過方法
JP2009006213A (ja) 膜濾過装置の洗浄方法
JP2012217914A (ja) バラスト水処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080806

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100722

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100810

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101005

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101020

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110913

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110926

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141021

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees