JP2017177016A - バラスト水への塩素剤供給装置、バラスト水処理装置、バラスト水への塩素剤供給方法及びバラスト水処理方法 - Google Patents

バラスト水への塩素剤供給装置、バラスト水処理装置、バラスト水への塩素剤供給方法及びバラスト水処理方法 Download PDF

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勇祐 下野
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雅則 長藤
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Abstract

【課題】塩素剤水溶液の残留部分を殺菌処理できる、バラスト水への塩素剤供給装置、塩素剤供給方法、及び塩素剤水溶液を殺菌剤として使用するバラスト水処理装置、バラスト水処理方法を提供することである。【解決手段】上記塩素剤供給装置は、水に固体塩素剤を混合溶解し塩素剤水溶液を製造する混合溶解装置BMDと、製造された塩素剤水溶液をバラスト水の為の原水に供給する溶液供給ライン12と、混合溶解装置中の残留塩素剤溶液にアルカリ剤を供給するアルカリ剤供給装置ASDDと、を備える。上記バラスト水処理装置は、前記原水をバラストタンクに導くバラスト水取水管路と、この管路に介在され前記原水を濾過し前記原水中の生物を捕捉する濾過装置と、前記濾過後の原水中の生物を殺滅し細菌を殺菌する殺菌剤を供給する前記塩素剤供給装置である殺菌剤供給装置と、前記管路に介在され前記殺菌剤を前記濾過後の原水に混合する混合装置と、を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、船舶のバラストタンクに積み込まれるバラスト水用の原水に塩素剤を供給する塩素剤供給装置、及びこれを使用してバラスト水中の生物の殺滅及び殺菌処理を行うためのバラスト水処理装置、そして、バラスト水への塩素剤供給方法及びバラスト水処理方法に関する。
<バラスト水処理装置>
一般に、空荷または積荷が所定の重量よりも少ない状態の船舶は、プロペラ没水深度の確保、安定した航行の確保等の必要性から、航行前にバラストタンクにバラスト水用の原水(例えば海水又は河川水又は湖沼水)が注水される。逆に、所定の重量以上に積荷をして航行する場合には、バラストタンクからバラスト水が排出される。
相互に環境の異なる荷積み港と荷下し港との間を航行する船舶により、夫々の港でバラスト水用の原水の取水およびバラスト水の排水が行われると、取水が行われた港の水に含まれる細菌やプランクトンなどの生物が排水が行われた港の水域に持ち込まれる。その結果として、排水が行われた港の水域の本来の生態系が乱される。そこで、2004年2月に開催された船舶のバラスト水管理に関する国際会議において、船舶のバラスト水およびバラスト水中の沈殿物の規制および管理のための国際条約が採択され、バラスト水の処理が義務付けられた。
国際海事機構(IMO:International Maritime Organization)が定めるバラスト水の処理基準によれば、船舶から排出されるバラスト水に含まれる50μm以上の生物(主に動物プランクトン)の数は1m中に10個未満、10μm以上50μm未満の生物(主に植物プランクトン)の数は1mL中に10個未満、コレラ菌(Vibrio cholera)の数は100mL中に1cfu未満、大腸菌(Escherichia coli)の数は100mL中に250cfu未満、腸球菌(enterococcus)の数は100mL中に100cfu未満、になるように規定されている。
バラスト水のこのような処理としては、船外から取水したバラスト水用の水をろ過した後、ろ過後の水に酸化性物質を含有する殺菌剤を注入し、殺菌剤注入後の水をバラストタンクに収容又は漲水することが知られている(特許文献1〜3)。ここにおいては、酸化性物質を含有する殺菌剤として、酸化性を有する遊離有効塩素を含有する塩素系薬剤(塩素剤という)の水溶液が使用されている。当該塩素剤の水溶液は、固形の塩素剤を水に溶解させることにより用意することができる(特許文献4、5)。
特開2011-92899号公報 特開2013-75250号公報 特開2011-92898号公報 特開2013-56296号公報 WO2014/007171
塩素剤の水溶液(塩素剤水溶液という)を用意し、その塩素剤水溶液を用いてバラストタンクに収容する原水を殺菌(ここでは生物の殺滅処理を含む)する場合、通常、当該原水を殺菌するために本来必要な量よりも多目に、当該塩素剤水溶液が用意される。なぜなら、塩素剤水溶液を殺菌剤として上記原水に注入するためには、上記原水に注入する量の塩素剤水溶液以外に、少なくとも、当該塩素剤水溶液が準備される場所から、船外からバラストタンクまでバラスト水用の原水を導く為の配管まで当該塩素剤水溶液を導くための配管が必要なので、その塩素剤水溶液導入用配管内を満たす量の当該塩素剤水溶液が余分に必要になるからである。
しかし、塩素剤水溶液を本来必要な量よりも多目に用意すると、余分な量の当該塩素剤水溶液がバラスト水用の原水の殺菌処理に使用されることなく、固形の塩素剤を水で溶解して塩素剤水溶液を製造する塩素剤溶解装置等に残留する。
バラスト水用の原水の上述した如き処理(バラスト水処理)に使用されることなく塩素剤溶解装置に残留する塩素剤水溶液は高濃度の遊離有効塩素を含有しており、また塩素剤水溶液が弱酸性であることから、残留する塩素剤水溶液が塩素ガスを発生させて船舶内の環境に悪影響を及ぼしたり塩素剤溶解装置や塩素剤水溶液導入用配管に腐食を生じさせる危険性がある。後者の結果として、バラスト水処理装置が正常に機能しなくなりバラスト水処理の正常な実行が阻害される危険性が生じる。さらに時間の経過とともに塩素剤水溶液中の遊離有効塩素が自己分解して塩酸を生成し、塩素剤水溶液のpHがさらに低下するため、塩素ガスが発生するリスクがより増大する。
そのため、塩素剤溶解装置に残留する塩素剤水溶液を無害化処理して廃棄する必要がある。しかしながら、残留する塩素剤水溶液を適切に無害化処理する装置及び処理方法は確立していないので、残留する塩素剤水溶液がバラスト水処理を正常に実行する為の阻害要因となる。
本発明は上記事情の下でなされ、本発明の目的は、塩素剤を水に溶解した塩素剤水溶液の残留部分を適切に無害化処理することができるバラスト水への塩素剤供給装置及び塩素剤供給方法、そして、塩素剤水溶液を殺菌剤として使用するバラスト水処理の正常な実行の阻害要因の発生を抑制又は防止することができるバラスト水処理装置及びバラスト水処理方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る塩素剤供給装置は、:
水に固体塩素剤を混合し溶解させて塩素剤水溶液を製造する混合溶解装置と、混合溶解装置から塩素剤水溶液をバラスト水用に取水した原水に供給する溶液供給ラインと、混合溶解装置中に残留する塩素剤水溶液にアルカリ剤を供給するアルカリ剤供給装置と、を備えることを特徴としている。
そして前記混合溶解装置は、水中に固体塩素剤が混入された混合液を貯留する貯留槽と、該混合液を固体塩素剤が水に溶解している塩素剤水溶液と未溶解の固体塩素剤を含有する未溶解分含有液に分離するサイクロンと、貯留槽からサイクロンへ混合液を供給する混合液供給ラインと、上記混合液供給ラインに接続されサイクロンから排出された未溶解分含有液を上記混合液供給ラインへ帰還させる帰還ラインと、を含むことが好ましい。ここにおいては、該帰還ラインが上記混合液供給ラインに接続されることで循環ラインを形成している。
さらに前記アルカリ剤供給装置は、アルカリ剤を上記貯留槽に供給するアルカリ剤供給ラインを含むことが好ましい。
上記目的を達成する為に、この発明に係るバラスト水処理装置は:
バラスト水用に取水された原水をバラストタンクまで導くバラスト水取水管路と、前記バラスト水取水管路に介在され前記原水を濾過して前記原水中の生物を捕捉する濾過装置と、前記濾過後の原水中に存在する生物を殺滅させるとともに細菌を殺菌する殺菌剤を供給する殺菌剤供給装置と、前記バラスト水取水管路に介在され前記殺菌剤供給装置から供給された殺菌剤を前記濾過後の原水に混合する混合装置とを備え、前記殺菌剤供給装置は、上述した本発明に係る塩素剤供給装置であることを特徴としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る塩素剤供給方法は、:
混合溶解装置で水に固体塩素剤を混合し溶解させて塩素剤水溶液を製造する混合溶解工程と、混合溶解装置から塩素剤水溶液をバラスト水用に取水した原水に供給する溶液供給工程と、混合溶解装置中に残留する塩素剤水溶液にアルカリ剤を供給するアルカリ剤供給工程と、を備えることを特徴とするバラスト水への塩素剤供給方法である。
そして前記混合溶解工程は、水中に固体塩素剤が混入された混合液を貯留槽に貯留する貯留工程と、該混合液を、サイクロンで固体塩素剤が水に溶解している塩素剤水溶液と未溶解の固体塩素剤を含有する未溶解分含有液とに分離する分離工程と、貯留槽からサイクロンへ混合液供給ラインにより混合液を供給する混合液供給工程と、サイクロンから排出された未溶解分含有液を上記混合液供給ラインへ帰還させる未溶解分含有液帰還工程とを有することが好ましい。
さらに、前記アルカリ剤供給工程は、アルカリ剤を上記貯留槽に供給することが好ましい。
上記目的を達成する為に、この発明に係るバラスト水処理方法は:
バラスト水用に取水された原水をバラストタンクまで導くバラスト水取水工程と、前記原水を濾過して前記原水中の生物を捕捉する濾過工程と、前記濾過後の原水中に存在する生物を殺滅させるとともに細菌を殺菌する殺菌剤を供給する殺菌剤供給工程と、前記殺菌剤供給工程で供給された殺菌剤を前記濾過後の原水に混合する混合工程とを有し、前記殺菌剤供給工程は、上述した本発明に係る塩素剤供給方法であることを特徴としている。
<塩素剤水溶液の残留部分を適切に無害化処理するプロセスの原理説明>
固体塩素剤が水で溶解されることにより塩素剤水溶液が作成される混合溶解装置において塩素剤水溶液が使用された後には、混合溶解装置中に残留している塩素剤水溶液にアルカリ剤を投入して、塩素ガス発生を抑制するとともに、遊離有効塩素を有する次亜塩素酸の自己分解を促進させ、塩素剤水溶液を無害化する。
固体塩素剤として塩素化イソシアヌル酸塩の一例であるジクロロイソシアヌル酸ナトリウムが用いられ、アルカリ剤として、例えば水酸化ナトリウム水溶液もしくは炭酸ナトリウムの粉末又は水溶液が使用された場合の、残留塩素剤水溶液の無害化処理のプロセスについて、以下に説明する。
下記の化学式1には、固体塩素剤としてのジクロロイソシアヌル酸ナトリウムが水に溶解されるとイソシアヌル酸ナトリウムと次亜塩素酸が生成されることが示されている。
次亜塩素酸は遊離有効塩素を有し強い殺菌作用を生じさせるので、これにより殺菌作用を有する塩素剤水溶液が作られる。
しかしながら次亜塩素酸(2HOCl)は、時間の経過とともに下記の如く自己分解して塩酸(HCl)と酸素(O)に分解する。
2HOCl→2HCl+O (次亜塩素酸の自己分解反応式)
さらに、次亜塩素酸(2HClO)は、次亜塩素酸から上述した如く自己分解した後の塩酸(HCl)と以下の如く反応して、塩素ガス(Cl)と水(HO)を発生させる。
HClO+HCl→Cl+HO (塩素の発生反応式)
ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの濃度が12重量%程度の塩素剤水溶液は、pH5.6程度の弱酸性溶液である。
下記の化学式2中に示されている如く、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの塩素剤水溶液中で、生成しているイソシアヌル酸(trione構造)は、シアヌル酸(triol構造)との互変異性を有する。
そして、塩素剤水溶液のpHが低い(酸性)ときはイソシアヌル酸の形態となり、pHが高い(塩基性)ときはシアヌル酸の形態となる。
混合溶解装置中に残留するジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの塩素剤水溶液にアルカリ剤を供給することにより、塩素剤水溶液のpHを高くすることが出来る。アルカリ剤として例えば炭酸ナトリウムを加えると塩素剤水溶液のpHが9程度になる。塩素剤水溶液のpHをこのように高くすることにより、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムと水との反応により生じたイソシアヌル酸をシアヌル酸の形態に変異させることができる。
その結果、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムと水との反応によりイソシアヌル酸ナトリウムとともに生じている次亜塩素酸がイソシアヌル酸ナトリウムと結合してジクロロイソシアヌル酸ナトリウムに戻る逆反応(化学式1の右辺から左辺への反応)において、イソシアヌル酸ナトリウムがシアヌル酸ナトリウムに変異していて存在量が少なくなっているため、この逆反応を抑制して、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムと水から次亜塩素酸を生成させる反応(化学式1の左辺から右辺への反応)を促進し、残留するジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを反応させて消尽する。
さらに、次亜塩素酸を生成させる反応(化学式1の左辺から右辺への反応)を促進することにより、次亜塩素酸の発生量を増大させ、その結果、次亜塩素酸の自己分解反応式の左辺から右辺への反応を促進させ、次亜塩素酸を消尽する。次亜塩素酸の存在量を低減することにより、次亜塩素酸と塩酸との反応による塩素ガスの発生を抑制する。かくして、残留するジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの塩素剤水溶液にアルカリ剤として炭酸ナトリウムを供給することにより、塩素剤水溶液からの塩素ガスの発生を抑制し無害化する。
ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの水溶液に炭酸ナトリウムを供給した場合に、炭酸ナトリウムは水中で5%程度の炭酸イオン(CO3 2−)と、残りの炭酸水素イオン(HCO3 )として存在し、供給後の水溶液のpHは9程度になり、上記のように水溶液中の生成物の形態が変異する。
次亜塩素酸の自己分解反応の際に、生成する塩酸はアルカリ剤で中和されるので、塩酸によるpHの低下が抑制される。特にアルカリ剤として炭酸ナトリウムを供給する場合には、塩酸は炭酸水素イオンと以下の如く反応して塩化物イオンと炭酸になるため、pHの低下が抑制される
HCl+HCO →Cl+HCO (塩酸と炭酸水素イオンの反応式)
ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム2水和物の25℃における溶解度は26.2質量%であり、比較的高いが、アルカリ剤を供給されpHを高くされた水溶液に存在するシアヌル酸の溶解度は0.27質量%と比較的低いため、シアヌル酸が析出する。そのため、シアヌル酸の沈殿を生成して水溶液のpHを中性〜弱アルカリ性に保つこととなる。
炭酸ナトリウム(分子量106)の必要量は理論上塩素剤のジクロロイソシアヌル酸ナトリウムと等モルである。例えば、貯留槽に残留する塩素剤水溶液がジクロロイソシアヌル酸ナトリウム2水和物(分子量256)の濃度が12質量%の水溶液である場合には、炭酸ナトリウムの濃度を12×106/256=4.9質量%になるように炭酸ナトリウム粉末を供給する。ただし、炭酸による酸緩衝能により、必要供給量はモル比で塩素剤の0.5倍以上あればよいことを確認した。
0℃における炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムの溶解度はそれぞれ6.54質量%、6.48質量%なので、アルカリ剤として炭酸ナトリウムを供給処理後の溶液を0℃の環境に放置しても炭酸塩が析出することはない。
上記の説明では、固体塩素剤として塩素化イソシアヌル酸塩の一例であるジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを用いる場合について説明したが、固体塩素剤として他の塩素化イソシアヌル酸塩を用いる場合についても同様の塩素ガスの発生を抑制し無害化するプロセスを行うことができ、同様の効果を得ることができる。
他の塩素化イソシアヌル酸塩として、ジクロロイソシアヌル酸カリウム、モノクロロイソシアヌル酸ナトリウム及びモノクロロイソシアヌル酸カリウム、を用いてもよいし、塩素化イソシアヌル酸を用いても良い。またこれらの2種以上の混合物を使用することもできる。
本発明に係る塩素剤供給装置においては、水に固体塩素剤を混合し溶解させて塩素剤水溶液を製造する混合溶解装置中に、バラスト水用に取水した原水に溶液供給ラインを介して供給されずに残留している塩素剤水溶液にアルカリ剤供給装置によりアルカリ剤を供給することにより、塩素剤水溶液の残留部分を適切に無害化処理することができる。即ち、残留する塩素剤水溶液が塩素ガスを発生させなくさせ、ひいては塩素ガスにより船舶内の環境に悪影響を及ぼす危険性や塩素剤水溶液導入用配管に腐食を生じさせる危険性を無くすことが出来る。
この発明に係るバラスト水処理装置においては、バラスト水用に取水された原水をバラストタンクまで導くバラスト水取水管路に濾過装置が介在されていて、濾過装置が前記バラスト水取水管路中の前記原水を濾過して前記原水中の生物を捕捉し、さらに殺菌剤供給装置が前記濾過後の原水中に存在する生物を殺滅させるとともに細菌を殺菌する殺菌剤を供給し、混合装置が前記バラスト水取水管路に介在され前記殺菌剤供給装置から供給された殺菌剤を前記濾過後の原水に混合するが、前記殺菌剤供給装置が上述した本発明に係る塩素剤供給装置であることを特徴としているので、上述した本発明に係る塩素剤供給装置により得られるのと同じ効果を得ることが出来る。従って、バラスト水処理装置は常に正常に機能することが出来、バラスト水処理の正常な実行が阻害される危険性が抑制される又は無くなる。
また、本発明に係る塩素剤供給方法によれば、塩素剤水溶液の残留部分を適切に無害化処理することができる。即ち、残留する塩素剤水溶液が塩素ガスを発生させなくさせ、ひいては塩素ガスにより船舶内の環境に悪影響を及ぼす危険性や塩素剤水溶液導入用配管に腐食を生じさせる危険性を無くすことが出来る。
この発明に係るバラスト水処理方法によれば、上述した本発明に係る塩素剤供給方法により得られるのと同じ効果を得ることが出来る。従って、バラスト水処理方法は常に正常に実行することが出来、バラスト水処理の正常な実行が阻害される危険性が抑制される又は無くなる。
図1は、本発明の一実施形態としてのバラスト水への塩素剤供給装置の構成を概略的に示す図である。 図2は、図1の塩素剤供給装置を使用した、この発明の一実施形態に従ったバラスト水処理装置の構成を概略的に示す図である。
<バラスト水への塩素剤供給装置>
以下、添付の図1を参照しながら本発明の一実施形態としてのバラスト水への塩素剤供給装置を説明する。
図1において、符号1はホッパであり、該ホッパ1内には、水に混合され殺菌剤として使用される固体塩素剤粉体が収容されている。該ホッパ1の下部には、ホッパ1内の固体塩素剤粉体を所望量切り出す為の例えばロータリバルブ、スクリューフィーダ等の固体塩素剤粉体供給機2が設けられている。
固体塩素剤としては、例えば、塩素化イソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸カリウム、モノクロロイソシアヌル酸ナトリウム、モノクロロイソシアヌル酸カリウム、またはこれらの2種以上の混合物が使用できる。
固体塩素剤粉体供給機2の下方には、貯留槽3が設けられている。貯留槽3は、固体塩素剤粉体供給機2から固体塩素剤粉体を定量だけ受ける。貯留槽3の上部側壁に、給水ポンプ4及び給水弁5が設けられた給水ライン6が接続されている。かくして、貯留槽3は、固体塩素剤粉体供給機2から受けた定量の固体塩素剤粉体が給水ライン6から供給された水に混入された混合液を貯留する。ここで、混合液は、固体塩素剤粉体が水に均一に混合している場合も、また不均一に混合している場合もあるが、均一に混合していることが好ましい。そのためには、貯留槽3に図示されていない攪拌装置を設けるとよい。通常、混合液は、固体塩素剤粉体供給機2から供給された定量の固体塩素剤粉体の一部が給水ライン6から供給された水に溶解し、未溶解の固体塩素剤粉体を含む状態である。貯留槽3の下部に混合液排出口3Bが設けられている。
貯留槽3の混合液排出口3Bは、循環ポンプ7が介在されている混合液供給ライン8によりサイクロン9の上部側部に設けられている混合液受入口9Cに接続されている。即ち、混合液供給ライン8は貯留槽3からサイクロン9へと循環ポンプ7により混合液を供給する。
サイクロン9は、貯留槽3から受け入れた混合液をその内部で旋回させ、遠心力で混合液を固体塩素剤粉末が水に溶解している塩素剤水溶液と未溶解の固体塩素剤粉体を含有している未溶解分含有液とに分離する。固体塩素剤粉体が水に十分に溶解している塩素剤水溶液は未溶解の固体塩素剤粉体を含有している未溶解分含有液に比し比重が小さい。したがって、サイクロン9内の混合液が旋回されることにより混合液に生じる遠心力により、比重の小さい塩素剤水溶液はサイクロン9内の中心部に集まり、そして、塩素剤水溶液よりも比重の大きい未溶解分含有液はサイクロン9内の周囲部に集まる。サイクロン9の上部中央位置には塩素剤水溶液排出口9Aが設けられ、そしてサイクロン9の下向きのテーパの底面である下部中央位置には未溶解分含有液排出口9Bが設けられている。サイクロン9の中心部に集まっている比重の小さい塩素剤水溶液は塩素剤水溶液排出口9Aから排出され、サイクロン9の周囲部に集まっている比重の大きい未溶解分含有液は旋回しながらテーパ底面に沿って中央位置に向って降下し未溶解分含有液排出口9Bから排出される。
未溶解分含有液排出口9Bには未溶解分含有液の帰還ライン10が接続されており、帰還ライン10は循環ポンプ7よりも上流で混合液供給ライン8に接続されている。かくして、混合液供給ライン8と帰還ライン10は閉ループの循環ライン11を形成する。
溶液排出口9Aからは、バラスト水用に取水された原水(海水又は河川水又は湖沼水であり、ここではバラスト水という)を図示されていない船舶のバラストタンクまで導くバラスト水取水管路BWLに接続される溶液供給ライン12が延びており、溶液供給ライン12には、供給弁13及びポンプ14が設けられている。
この実施形態のバラスト水への塩素剤供給装置においては、ホッパ1,固体塩素剤粉体供給機2,貯留槽3,給水ライン6,混合液供給ライン8,サイクロン9,そして帰還ライン10が、水に固体塩素剤(この実施形態では固体塩素剤粉末)を混合し溶解して塩素剤水溶液を製造する混合溶解装置BMDを構成している。
この実施形態のバラスト水への塩素剤供給装置はさらに、混合溶解装置BMD中に残留している塩素剤水溶液にアルカリ剤を供給するアルカリ剤供給装置ASDを備える。
アルカリ剤供給装置ASDは、アルカリ剤が収容されているアルカリ剤貯槽20を含む。本実施形態では、アルカリ剤として水酸化ナトリウム水溶液等の液体アルカリ剤が用いられる。アルカリ剤貯槽20からは、アルカリ剤を混合溶解装置BMDの貯留槽3中の塩素剤水溶液を含む混合液に供給する為に貯留槽3に接続されるアルカリ剤供給ライン21が延びている。アルカリ剤供給ライン21には、ポンプ22そして開閉弁23が設けられている。アルカリ剤として炭酸ナトリウム粉体等の粉体アルカリ剤を用いる場合には、ポンプ22及び開閉弁23に代わって、ロータリバルブ、スクリューフィーダ等の粉体アルカリ剤をアルカリ剤貯槽20から切り出すための粉体アルカリ剤供給機が設けられる。
このように構成されている本実施形態のバラスト水への塩素剤供給装置では、バラスト水への塩素剤の供給そして混合溶解装置BMD中に残留している塩素剤水溶液の無害化処理は次のように行われる。
(1).固体塩素剤粉体がホッパ1から固体塩素剤粉体供給機2によって貯留槽3へ定量供給され、これとともに水が給水ライン6を経て貯留槽3へ供給される。貯留槽3内には、固体塩素剤粉体と水とが均一もしくは不均一に混合された混合液が貯留される。混合液は、水に固体塩素剤粉体の一部が溶解し、未溶解の固体塩素剤粉体を含む状態である。
(2).貯留槽3内の混合液は、貯留槽3の下部の混合液排出口3Bから混合液供給ライン8へ流入する。
(3).混合液供給ライン8へ流入した混合液は、循環ポンプ7によりサイクロン9へ供給される。サイクロン9では、前述したように、混合液が水に固体塩素剤粉末が溶解している塩素剤水溶液と未溶解の固体塩素剤粉体を含有している未溶解分含有液とに分離される。塩素剤水溶液はサイクロン9から塩素剤水溶液排出口9Aを介し塩素剤水溶液供給ライン12へ排出され、未溶解分含有液はサイクロン9から未溶解分含有液排出口9Bを介し帰還ライン10へ排出される。
塩素剤水溶液供給ライン12の供給弁13を開き、ポンプ14を作動させることよって、塩素剤水溶液は塩素剤水溶液供給ライン12からバラスト水取水管路BWL中を図示されていない船舶のバラストタンクに向かい流れているバラスト水中に供給される。
未溶解分含有液は、サイクロン9の未溶解分含有液排出口9Bから帰還ライン10を経て循環ポンプ7の上流で混合液供給ライン8に戻される。未溶解分含有液は、未溶解の固体塩素剤粉体が水に十分溶解されるまで混合液供給ライン8及び循環ライン11を循環する。その循環中に循環ポンプ7による攪拌作用を受け未溶解の固体塩素剤粉体が水に順次溶解する。未溶解の固体塩素剤粉体が水に十分溶解した後の塩素剤水溶液はサイクロン9の塩素剤水溶液排出口9Aから溶液供給ライン12に排出される。
未溶解分含有液が循環ライン11を循環する間にも、貯留槽3から新たに混合液供給ライン8に混合液が流入することで、塩素剤供給装置は固体塩素剤水溶液の追加を受ける。
本実施形態では、未溶解分含有液を循環ライン11及び混合液供給ライン8中を循環させるので、未溶解分含有液が循環する間に固体塩素剤粉末を水に十分溶解させることが出来、未溶解分を含まず、かつ、従来の塩素剤供給装置では得ることができないような高い所定濃度の固体塩素剤水溶液を得ることができる。
かくして、この実施形態の塩素剤供給装置は、従来の塩素剤供給装置では得ることができないような高い所定濃度の塩素剤水溶液をバラスト水取水管路BWL中を図示されていない船舶のバラストタンクに向かい流れているバラスト水中に供給することができる。
(4).バラスト水取水管路BWL中を図示されていない船舶のバラストタンクに向かい流れているバラスト水中への供給が終了した後に、アルカリ剤供給ライン21の開閉弁23を開きポンプ22を作動させアルカリ剤貯槽20からアルカリ剤を混合溶解装置BMDの貯留槽3内に残留している塩素剤水溶液に供給し、前述した如く残留している塩素剤水溶液の無害化処理が行われる。この結果として、残留している塩素剤水溶液からの塩素ガスの発生が抑制又は防止される。
混合溶解装置BMDの貯留槽3内にアルカリ剤を供給する際に、アルカリ剤貯槽20からアルカリ剤供給ライン21の開閉弁23を開きポンプ22を作動させて供給する代わりに、人の手作業によりアルカリ剤を供給するようにしてもよい。
<バラスト水処理装置>
次に、図2を参照しながらこの発明の一実施形態に従ったバラスト水処理装置を説明する。この実施形態のバラスト水処理装置は、図1を参照して説明したこの発明の一実施形態に従った塩素剤供給装置を使用する。
このバラスト水処理装置は、図2中に示されているように、バラスト水用の原水(例えば海水又は河川水又は湖沼水であり、以下バラスト水という)を船舶内のバラストタンク40に取り込むために船舶の外表面の水面下に設けられている取水口42と、船舶内に設けられ取水口42において取水されたバラスト水をバラストタンク40まで導くバラスト水取水管路44と、バラスト水取水管路44に介在され取水口42において取水されたバラスト水をバラスト水取水管路44を介してバラストタンク40まで圧送するポンプ45と、バラスト水取水管路44においてポンプ45の下流側に介在されバラスト水を濾過しバラスト水中に存在するプランクトンを含む生物を捕捉する濾過装置46と、濾過後のバラスト水中に存在する細菌を殺菌しプランクトンを含む生物を殺滅する殺菌剤を供給する殺菌剤供給装置47と、バラスト水取水管路44において濾過装置46の下流側に介在され殺菌剤供給装置47から供給された殺菌剤を濾過後のバラスト水に注入する注入部IPと、注入部IPから注入された殺菌剤を前記濾過後のバラスト水中に拡散し均一に混合する混合装置48を備えており、混合装置48において殺菌剤が均一に混合されたバラスト水はさらにバラスト水取水管路44の一部である処理水送水管路44aにより混合装置48からバラストタンク40に送られ、バラストタンク40に貯留される。
本実施形態では、殺菌剤供給装置47として、図1を参照しながら前述した一実施形態の塩素剤供給装置を使用する。この場合、固体塩素剤水溶液が殺菌剤として使用されることになる。
濾過装置46は、取水口42から取水されポンプ45によってバラスト水取水管路44を介して濾過装置46へ送られてきたバラスト水中のプランクトンを含む生物を従来知られている濾過材で捕捉する。濾過材は、濾過用開口が30μm〜100μmの濾過材を用いることが好ましい。濾過用開口を30μm〜100μmにするのは、プランクトンを含む生物の捕捉率を一定のレベルに保ちつつ、前記濾過用開口の目詰まりを防止する為に必要な逆流洗浄の頻度を少なくして寄港地でのバラスト水処理時間を短縮するためである。濾過用開口が100μmより大きいと、プランクトンを含む生物の捕捉率が著しく低くなる。濾過用開口が30μmより小さいと目詰まりし易く逆流洗浄の頻度が多くなりバラスト水処理時間が長くなる。
濾過装置46としては、ノッチワイヤフィルタ(notch wire filter)、ウェッジワイヤフィルタ(wedge wire filter)又は積層ディスク(disc)を濾過材とする濾過装置を用いることが好ましい。また、濾過装置46として、濾過材が金属メッシュフィルタ(mesh filter)又は樹脂クロスフィルタ(cloth filter)で構成されている濾過装置を用いることも好ましい。
濾過用開口が30μm〜100μm程度の濾過材を使用した濾過装置46は、バラスト水中のプランクトンを含む生物の大部分を捕捉する。濾過装置46を通過した後のバラスト水中で殺菌剤によって殺菌しなければならないのは、濾過装置46により濾過されなかった微小なプランクトンと細菌となる。そのため、濾過装置46を用いずにバラスト水中のプランクトンを含む生物及び細菌を殺菌剤のみを使用して殺菌する場合に比べて、殺菌剤の使用量を大幅に減少させることが出来る。その結果、殺菌剤の買い入れ費用を低減でき、さらに殺菌剤供給装置47における殺菌剤貯留槽(この実施形態では図1の塩素剤供給装置の混合溶解装置BMDの貯留槽3)を小さくできるので、バラスト水処理装置の為に船舶内に必要になる空間を減少させることが出来る。また、バラストタンク40からバラスト水を船舶外へ排水する時に必要となる、殺菌剤中の殺菌成分を無害化するための殺菌成分無害化剤の使用を不要に出来るか、あるいは使用量を大きく減らすことができる。
混合装置48として、静止型流体混合装置を用いることが好ましい。
混合装置48にて殺菌剤供給装置47からの殺菌剤をバラスト水取水管路44中のバラスト水に混合する際に、バラスト水中の殺菌剤濃度をプランクトンと細菌を殺菌するために十分な所定濃度及び所定供給量とするように、殺菌剤供給装置47から所定濃度で所定供給量の殺菌剤が混合装置48に供給される。この実施形態に於いては、図1を参照しながら前述した一実施形態の塩素剤供給装置の混合溶解装置BMDにおいて所定濃度に調製された固体塩素剤水溶液が供給弁13を介し、ポンプ14の作動によって所定供給量で混合装置48に供給される。
次に、図2中に示されている本実施形態のバラスト水処理装置の動作を説明する。
船舶のバラストタンク40にバラスト水を貯留する場合には、バラスト水取水管路44のポンプ45を作動させることによって、バラスト水取水管路44の取水口42からバラスト水が取水され、取水されたバラスト水はバラスト水取水管路44によりバラストタンク40に向かい送られる。この間にバラスト水から濾過装置46の濾過材により濾過材の濾過用開口の寸法よりも大きなプランクトンを含む生物が捕捉される。
濾過装置46で捕捉され濾過材に付着したプランクトンを含む生物は、濾過材を逆洗浄することにより船外へ排出される。即ち、濾過材に捕捉された生物は、バラスト水を取水した船外の水中、例えば海水中又は河川中又は湖沼水中、に戻される。このように水中に戻しても、この水の水域はバラスト水を取水した水域と同一なので前記水域の生態系に悪影響を生じさせない。
濾過装置46で濾過された後のバラスト水には、混合装置48の上流側の注入部IPで殺菌剤供給装置47から殺菌剤が供給され、さらに混合装置46により前記殺菌剤が拡散されて均一に混合される。これにより濾過後のバラスト水の殺菌処理(濾過されなかったプランクトンを含む小さな生物の殺滅処理及び細菌の殺菌処理)が行われる。殺菌処理後のバラスト水は、バラスト水取水管路44の一部である処理水送水管路44aにより混合装置48からバラストタンク40に導かれ、バラストタンク40内に貯留される。
バラストタンク40内に貯留されているバラスト水には、前述した殺菌剤の殺菌成分が所定濃度以上で残存することが好ましい。バラストタンク40内に所定濃度以上で残存する殺菌成分は、プランクトンや細菌の再成長を抑制する。バラストタンク40内に残存させる殺菌成分の濃度は、殺菌剤の種類およびバラストタンク40の材質や塗装の種類によって適宜に決定され、この決定に基づいて殺菌剤供給装置47により混合装置48へ供給する前記殺菌剤の濃度と供給量とが調整される。
図2を参照した以上の説明から明らかなように、本実施形態に従ったバラスト水処理装置においては、バラスト水取水管路44の取水口42からバラスト水用の原水(バラスト水)として取水された例えば海水又は河川水又は湖沼水がバラスト水取水管路44によりバラストタンク40にまで導かれる間に、濾過装置46で30μm〜100μm以上のプランクトンを含む生物が捕捉され、その後に殺菌剤供給装置47から注入部IPを介し混合装置48へと供給された殺菌剤により、濾過後のバラスト水中に残存している細菌やプランクトンが確実に殺菌及び殺滅される。その結果、バラスト水用の原水(バラスト水)として取水された例えば海水又は河川水又は湖沼水がどのような水質であっても、このバラスト水は確実かつ安価に国際海事機構(IMO)が定めるバラスト水基準を満たすよう処理されることができる。また、本実施形態に従ったバラスト水処理装置の構成が簡素でコンパクトであり設置に要する空間が小さいので、本実施形態に従ったバラスト水処理装置を既存の船舶に容易に適用することができる。
そして、この実施形態のバラスト水処理装置は、図1中に示されていた一実施形態の殺菌剤供給装置を殺菌剤供給装置47として使用することにより、塩素剤を水に溶解した塩素剤水溶液が殺菌剤供給装置47中に残留したとしても、残留している塩素剤水溶液は図1を参照した一実施形態の殺菌剤供給装置の説明において前述した如く適切に無害化処理される。従って、この実施形態のバラスト水処理装置は、塩素剤水溶液を殺菌剤として使用するバラスト水処理の正常な実行の阻害要因の発生を抑制又は防止することができる。
1…ホッパ、2…固体塩素剤粉体供給機、3…貯留槽、3B…混合液排水出口、4…給水ポンプ、5…給水弁、6…給水ライン、7…循環ポンプ、8…混合液供給ライン、9…サイクロン、9A…塩素剤水溶液排出口、9B…未溶解分含有液排出口、10…帰還ライン、11…循環ライン、BWL…バラスト水取水管路、12…溶液供給ライン、13…供給弁、14…ポンプ、BMD…混合溶解装置、ASD…アルカリ剤供給装置、20…アルカリ剤貯槽,21…アルカリ剤供給ライン、22…ポンプ、23…開閉弁、40…バラストタンク、42…取水口、44…バラスト水取水管路、44a…処理水送水管路、45…ポンプ、46濾過装置、47…殺菌剤供給装置、IP…注入部、48…混合装置。

Claims (6)

  1. 水に固体塩素剤を混合し溶解させて塩素剤水溶液を製造する混合溶解装置と、
    混合溶解装置から塩素剤水溶液をバラスト水用に取水した原水に供給する溶液供給ラインと、
    混合溶解装置中に残留する塩素剤水溶液にアルカリ剤を供給するアルカリ剤供給装置と、
    を備えることを特徴とするバラスト水への塩素剤供給装置。
  2. 前記混合溶解装置は、
    水中に固体塩素剤が混入された混合液を貯留する貯留槽と、
    該混合液を、固体塩素剤が水に溶解している塩素剤水溶液と未溶解の固体塩素剤を含有する未溶解分含有液とに分離するサイクロンと、
    貯留槽からサイクロンへ混合液を供給する混合液供給ラインと、
    上記混合液供給ラインに接続され、サイクロンから排出された未溶解分含有液を上記混合液供給ラインへ帰還させる帰還ラインと、を含み、
    前記アルカリ剤供給装置は、
    アルカリ剤を上記貯留槽に供給するアルカリ剤供給ラインを含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載のバラスト水への塩素剤供給装置。
  3. バラスト水用に取水された原水をバラストタンクまで導くバラスト水取水管路と、
    前記バラスト水取水管路に介在され前記原水を濾過して前記原水中の生物を捕捉する濾過装置と、
    前記濾過後の原水中に存在する生物を殺滅させるとともに細菌を殺菌する殺菌剤を供給する殺菌剤供給装置と、
    前記バラスト水取水管路に介在され前記殺菌剤供給装置から供給された殺菌剤を前記濾過後の原水に混合する混合装置と、を備え、
    前記殺菌剤供給装置は、請求項1又は請求項2に記載の塩素剤供給装置である、
    ことを特徴とするバラスト水処理装置。
  4. 混合溶解装置で水に固体塩素剤を混合し溶解させて塩素剤水溶液を製造する混合溶解工程と、
    混合溶解装置から塩素剤水溶液をバラスト水用に取水した原水に供給する溶液供給工程と、
    混合溶解装置中に残留する塩素剤水溶液にアルカリ剤を供給するアルカリ剤供給工程と、
    を備えることを特徴とするバラスト水への塩素剤供給方法。
  5. 前記混合溶解工程は、
    水中に固体塩素剤が混入された混合液を貯留槽に貯留する貯留工程と、
    該混合液を、サイクロンで固体塩素剤が水に溶解している塩素剤水溶液と未溶解の固体塩素剤を含有する未溶解分含有液とに分離する分離工程と、
    貯留槽からサイクロンへ混合液供給ラインにより混合液を供給する混合液供給工程と、
    サイクロンから排出された未溶解分含有液を上記混合液供給ラインへ帰還させる未溶解分含有液帰還工程とを有し、
    前記アルカリ剤供給工程は、アルカリ剤を上記貯留槽に供給する、
    ことを特徴とする請求項4に記載のバラスト水への塩素剤供給方法。
  6. バラスト水用に取水された原水をバラストタンクまで導くバラスト水取水工程と、
    前記原水を濾過して前記原水中の生物を捕捉する濾過工程と、
    前記濾過後の原水中に存在する生物を殺滅させるとともに細菌を殺菌する殺菌剤を供給する殺菌剤供給工程と、
    前記殺菌剤供給工程で供給された殺菌剤を前記濾過後の原水に混合する混合工程と、を有し、
    前記殺菌剤供給工程は、請求項4又は請求項5に記載の塩素剤供給方法である、
    ことを特徴とするバラスト水処理方法。
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