JP3650130B2 - 3―ヘテロ芳香族基置換されたアクリロニトリル化合物を共現像剤として含有する白黒光熱写真要素および熱転写要素 - Google Patents

3―ヘテロ芳香族基置換されたアクリロニトリル化合物を共現像剤として含有する白黒光熱写真要素および熱転写要素 Download PDF

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Description

技術分野
3−ヘテロ芳香族基置換されたアクリロニトリル化合物は、非常に高いコントラストの白黒光熱写真および 写真要素を製造するためのヒンダードフェノール現像剤と組み合わせると共現像剤として有用である。
背景技術
液体現像せずに熱で現像するハロゲン化銀含有光熱写真材料(すなわち、熱現像性写真要素)は、従来から既知である。
前記材料は、「乾燥銀」組成物またはエマルションとしても既知であり、通常、(a)放射線照射すると、銀原子を発生する感光性化合物;(b)比較的非感光性の還元性銀発生源;(c)例えば、非感光性の還元性銀発生源中の銀イオンのような銀イオンのための還元剤(すなわち、現像剤);および(d)バインダーで被覆された支持体を含んでいる。
感光性化合物は、通常、非感光性の還元性銀発生源と触媒的に接近していなければならない写真用ハロゲン化銀である。触媒的な接触は、感光性ハロゲン化銀の放射線または光での露光によって(銀斑点、クラスターまたは核としても知られている)銀原子を発生するときに、上記銀原子が還元性銀発生源の還元を触媒作用し得るような、この2種の物質の密な物理的関係を要する。銀原子(Ag゜)は銀イオン還元用の触媒であって、感光性ハロゲン化銀は、非感光性の還元性銀発生源と、多数の異なる形態で触媒的に接近させて配置できるものと長年解されてきた。ハロゲン化銀は、例えば、ハロゲン含有発生源を還元性銀発生源に添加して部分複分解することによって(例えば、米国特許第3,457,075号公報参照);ハロゲン化銀と還元性銀発生源の共沈によって(例えば、米国特許第3,839,049号公報参照)現場で(″in si tu″)で生成され得る。ハロゲン化銀を、別所(″ex s itu″)で生成して(すなわち、予備形成して)、有機銀塩に添加することもある。ハロゲン化銀の光熱写真材料への添加は、リサーチ・ディスクロージャー(Reserch Disclosure)1978年6月、第17029項に記載されている。当該分野において、ハロゲン化銀を別所で生成すると、粒子の組成や寸法をより正確に制御できることから、現場法で生成するよりも、もっと具体的な特性を光熱写真要素に付与し、またより矛盾なく行うことができることも報告されている。
非感光性の還元性銀発生源は、銀イオンを含有する物質である。通常、好ましい非感光性の還元性銀発生源は、炭素数10〜30の長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩である。ベヘン酸または同等の分子量の酸の混合物の銀塩が、一般に使用される。他の有機酸または他の有機物質の塩(例えば、銀イミダゾレート)も提案されている。米国特許第4,260,677号公報には、非感光性の還元性銀発生源としての無機または有機銀塩の錯体の使用が開示されている。
写真用および光熱写真エマルションの両者において、写真用ハロゲン化銀の露光は、銀原子(Ag゜)の小さなクラスターを生成する。このクラスターの画像態様の分布は、当該分野では潜像として知られている。この潜像は、一般に、通常の手段では視認できない。したがって、可視画像を得るためには、感光性エマルションをさらに現像しなければならない。これは、銀原子のクラスター(すなわち、潜像)を有するハロゲン化銀粒子と触媒的に接近している銀イオンの還元によって達成される。これによって、白黒画像が製造される。写真要素では、ハロゲン化銀を還元して、白黒画像を形成する。光熱写真要素では、非感光性の銀発生源を還元して可視の白黒画像を形成するが、多数のハロゲン化銀は、ハロゲン化銀として残留し、還元されない。
光熱写真要素において、有機銀塩のための還元剤(「現像剤」とも呼ばれる。)は、銀イオンを金属銀に還元することができる物質、好ましくは有機物質であり得る。高温において、潜像の存在下で、非感光性の還元性銀発生源(例えば、ベヘン酸銀)の銀イオンを、銀イオン用還元剤によって還元する。これによって、銀原子のネガ型白黒画像が生成される。
メチルガレート、ヒドロキノン、置換ヒドロキノン、カテコール、ピロガロール、アルコルビン酸およびアスコルビン酸誘導体のような通常の写真現像剤は有用であるが、それらは非常に反応し易い光熱写真組成物となって、光熱写真要素の調製および塗布中にカブル傾向がある。結果として、一般には、ヒンダードフェノール現像剤が好ましかった。
液体現像ではなく、熱で現像される熱写真画像形成構造物(すなわち、熱現像性材料)は、画像形成分野において広く知られており、画像の生成を助けるために熱の使用に頼っている。上記要素は、通常、(a)熱感応性の還元性銀発生源;(b)熱感応性の還元性銀発生源のための還元剤(すなわち、現像剤);および(c)バインダーを上に被覆した(紙、プラスチック、金属、ガラス等のような)支持体または基材を含んでいる。
一般的な熱写真構造物において、画像形成層は、長鎖脂肪酸の銀塩をベースとしている。通常、好ましい非感光性の還元性銀発生源は、炭素数10〜30の長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩である。ベヘン酸または同等の分子量の酸の混合物の銀塩が通常使用される。高温において、ベヘン酸銀を、メチルガレート、ヒドロキノン、置換ヒドロキノン、ヒンダードフェノール、カテコール、ピロガロール、アルコルビン酸およびアスコルビン酸誘導体等のような銀イオン用還元剤で還元することにより、銀原子の画像が形成される。
ある種の熱写真構造物は、それらを熱写真記録装置(例えば、サーマルプリンター、サーマルファクシミリ等)のサーマルヘッドと接触させて画像形成する。例えば、非粘着層を画像形成層の一番上に塗布して、使用する装置のサーマルヘッドへの熱写真構造物の粘着を防止する。その後、前記熱写真構造物を高温(通常、約60〜225℃)に加熱すると、画像が形成される。
画像形成技術者は、長年、光熱写真および熱写真技術分野が写真技術分野とははっきりと区別されると認識してきた。光熱写真および熱写真要素は、湿式現像を要する従来のハロゲン化銀写真要素とは明らかに異なる。例えば、米国特許出願第08/530,066号および同第08/530,694号(いずれも1995年9月19日出願)。
米国特許第5,496,695号公報には、白黒光熱写真および熱写真要素のための共現像剤として、ヒドラジド化合物が有用であると記載されている。これらの要素は、(i)ヒンダードフェノール現像剤および(ii)トリチルヒドラジドまたはホルミルフェニルヒドラジン共現像剤を含有し、高いDmax(>5.00)、速い感光スピードおよび高コントラスト(>20.0)を有する要素を提供する。
米国特許出願第08/529,982号(1995年9月19日出願)には、白黒光熱写真要素および熱写真要素のための共現像剤として、ヒンダードフェノール現像剤とアクリロニトリル化合物との組み合わせが記載されている。上記組み合わせには、さらにトリチルヒドラジドまたはホルミルフェニルヒドラジン共現像剤を含んでいてもよい。
米国特許第出願第08/530,024号(1995年9月19日出願)には、白黒光熱写真要素および熱写真要素用の共現像剤として、ヒンダードフェノール現像剤、トリチルヒドラジドまたはホルミルフェニルヒドラジンおよびアミン化合物の組み合わせが記載されている。
米国特許第08/530,066号(1995年9月19日出願)には、白黒光熱写真および熱写真要素用の共現像剤として、ヒンダードフェノール現像剤、トリチルヒドラジドまたはホルミルフェニルヒドラジン、および水素原子供与化合物の組み合わせが記載されている。
米国特許出願第08/530,694号(1995年9月19日出願)には、白黒光熱写真および熱写真要素用の共現像剤として、ヒンダードフェノール現像剤、トリチルヒドラジドまたはホルミルフェニルヒドラジンおよびヒドロキサミン化合物の組み合わせが記載されている。
米国特許出願第08/615,359号(1996年3月14日出願)には、白黒光熱写真および熱写真要素用のヒンダードフェノール現像剤と2−置換されたマロンジアルデヒド共現像剤との組み合わせが記載されている。
米国特許出願第08/615,928号(1996年3月14日出願)には、白黒光熱写真および熱写真要素用の共現像剤として、ヒンダードフェノール現像剤と4−置換されたイソオキサゾールの組み合わせが記載されている。
乾燥型光熱写真または熱写真要素において、湿式ハロゲン化銀材料で従来得られている高いコントラストを達成できることが、特に望ましい。上記乾燥系の反応性を高め、銀被覆重量を低下させることによって銀の量を低減し、高コントラストを達成するのに要する現像剤と共現像剤化合物の量を減らし、かつコストを低下させるるのが有利であろう。そのため、光熱写真および熱写真要素で使用するための新規な現像剤系が望まれている。
発明の要旨
本発明は、(i)少なくとも1種のヒンダードフェノール現像剤および(ii)少なくとも1種の3−置換されたヘテロ芳香族基置換されたアクリロニトリル化合物共現像剤を含有する還元剤系(すなわち、現像剤系)が、高コントラストおよび高い画像濃度(Dmax)を有する白黒光熱写真および熱写真要素を提供することを示唆している。
本発明の白黒光熱写真要素は、
(a)感光性ハロゲン化銀、
(b)非感光性の還元性銀発生源、
(c)非感光性の還元性銀発生源用の還元剤系、および
(d)バインダー
を含む少なくとも1層の感光性画像形成用光熱写真エマルション層を有する支持体を含み、前記還元剤系は、
(i)少なくとも1種のヒンダードフェノール現像剤、および
(ii)式:
Figure 0003650130
[式中、Rは、芳香族基または電子吸引性基を表し、およびHETは、非4級環窒素原子を介して結合された5−または6員ヘテロ芳香環基を表す。好ましくは、ヘテロ芳香環は、炭素原子および(4個までの)窒素原子のみから構成され、より好ましくは、前記環は少なくとも2個の窒素原子を含有し、さらに好ましくは前記環は3個の窒素原子を含有する。最も好ましくは、前記環は、5員環原子から構成されるものであって、{その後ベンゾトリアゾール、ベンゾジアゾール(例えば、ベンズイミダゾール)、フェニルメルカプトテトラゾールなどを形成するような融合環または置換環を含む}環外置換を有するかまたは有しないジアゾール(例えば、イミダゾール)核、トリアゾール核、ピロール核およびテトラゾール核から選ばれる。]
で表される少なくとも1種の共現像剤(3−ヘテロ芳香族基置換されたアクリロニトリル化合物)
を含有する。
本発明は、高い感光スピード、安定性、高い画像濃度と、高解像度、良好な鮮明性、高コントラストおよび優れた保存安定性を提供し得る、熱現像可能な光熱写真および熱写真要素を提供する。350〜450nmでの低い吸収の可能性は、コンタクト印刷、プルーフィングおよび複写(「デューピング」)のようなグラフィックアート用途での本発明の要素の使用を促進する。
本発明で使用される光熱写真要素は、画像態様での露光の後または露光と同時に、好ましくは約80℃〜約250℃(176〜482F゜)の温度で約1秒〜約2分間、水を実質上含まない条件下で熱現像されると、白黒銀画像が得られる。
本発明の光熱写真要素では、感光性ハロゲン化銀と非感光性の還元性銀発生源を含有する層を、エマルション層と呼ぶ。本発明によれば、還元剤系の1つ以上の成分は、エマルション層またはそのエマルション層に隣接する層に添加される。エマルション層に隣接する層は、例えば、保護用トップコート層、プライマー層、中間層、不透明層、帯電防止層、ハレーション防止層、バリアー層、補助層等であってよい。還元剤系は、光熱写真エマルション層またはトップコート層中に含まれることが好ましい。
本発明は、最初に電磁波で露光された後、上記光熱写真要素を加熱することによって可視画像を形成する方法も提供する。
本発明は、
(a)紫外線または短波長の可視光を透過する支持体上の本発明の光熱写真要素を、前記要素の感光性ハロゲン化銀が感応する電磁波で露光し、潜像を生成させる工程、
(b)露光された要素を加熱して、可視画像中に潜像を現像する工程、
(c)可視画像をその上に有する前記要素を、紫外線または短波長の可視光エネルギーを発光する光源と紫外線または短波長の可視光感光性画像形成媒体との間に配置する工程、および
(d)その後、前記要素上の可視画像を介して画像形成媒体を紫外線または短波長の可視光で露光することにより、前記要素上の可視画像を有する領域内では紫外線または短波長の可視光を吸収し、および要素上の可視画像を有しない領域内では紫外線または短波長の可視光を透過する工程
を含む方法も提供する。
前記工程(a)では、光熱写真要素を、可視光、赤外線またはレーザ光で露光することができる。
本発明の熱現像性白黒熱写真要素は、
(a)非感光性の還元性銀発生源、
(b)非感光性の還元性銀発生源用の還元剤系、および
(c)バインダー
を上に塗布した支持体
を含んで成り、前記還元剤系は、
(i)少なくとも1種のヒンダードフェノール現像剤、および
(ii)式:
Figure 0003650130
(式中、RおよびHETはいずれも上記と同様の意味を有する。)
で表される少なくとも1種の共現像剤(3−ヘテロ芳香族基置換されたアクリロニトリル化合物)
を含有する。
本発明の熱写真要素において、非感光性の還元性銀発生源を含有する層は、熱写真層または熱写真エマルション層と呼ぶ。本発明の熱写真要素に使用する場合、還元剤系の1つ以上の成分は、熱写真エマルション層または前記エマルション層と隣接する層に添加される。熱写真エマルション層と隣接する層は、例えば、保護用トップコート層、プライマー層、帯電防止層、不透明層、バリアー層、補助層等であってよい。還元剤系は、熱写真層またはトップコート層中に含まれていることが好ましい。
本発明に使用される熱写真要素は、好ましくは約80〜約250℃(176〜482゜F)の温度で約1秒〜約2分間、水を実質上含まない条件下で熱現像すると、白黒銀画像が得られる。
本発明は、上述の本発明の熱写真要素を加熱することによる可視画像の形成方法も提供する。
さらに、本発明は、
(a)紫外線または短波長の可視光を透過する支持体上の熱写真要素を加熱して、前記要素上に可視画像を形成する工程、
(b)可視画像をその上に有する熱写真要素を、紫外線または短波長の可視光の発生源と紫外線または短波長可視光感光性の画像形成媒体との間に配置する工程、および
(c)その後、要素上の可視画像を介して、画像形成媒体を紫外線または短波長の可視光で露光することにより、要素上の可視画像を有する領域内では紫外線または短波長の可視光を吸収し、および要素上の可視画像を有しない領域内では紫外線または短波長の可視光を透過する工程
を含む方法も提供する。
本発明で使用される還元剤系(すなわち、現像剤と共現像剤の組み合わせ)は、既知の現像剤またはその組み合わせを含む光熱写真および熱写真要素に比べると、画像コントラストが顕著に向上している。
本発明の光熱写真および熱写真要素は、白黒画像を調製するのに使用できる。本発明の光熱写真材料は、例えば、通常の白黒光熱写真技術において、電子的に発生する白黒ハードコピー記録において、グラフィックアート分野(例えば、光植字)において、デジタルプルーフィングにおいて、およびデジタルX線写真画像形成において使用できる。本発明の材料は、高い感光スピード、強く吸収する白黒画像、並びに乾燥型でかつ迅速なプロセスを与える。
本発明において、水を実質上含まない条件下での加熱とは、80〜250℃の温度での加熱を意味する。「水を実質上含まない条件」とは、反応系が空気中の水とほぼ平衡しており、反応を誘導または促進するための水が、外部から要素へ特別にもしくは積極的には供給されないという意味である。そのような条件は、T.H.James著、ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス(The Theory of the Photographic Process)、第4版、Macmillan出版、1977年、374頁に記載されている。
本明細書において使用する下記の用語を以下の通り定義する。
「アリール」は、(融合環および置換された環を含む)芳香環式構造を意味し、好ましくはフェニルまたはナフチルを表す。
「エマルション層」とは、感光性ハロゲン化銀と非感光性の還元性銀発生源物質を含有する光熱写真要素の層;あるいは非感光性の還元性銀発生源物質を含有する熱写真要素の層を意味する。
また、「スペクトルの赤外線領域」とは、約750〜約1,400nmを意味し、「スペクトルの可視領域」とは、約400〜約750nmを意味し、および「スペクトルの赤色領域」とは、約640〜約750nmである。好ましくは、スペクトルの赤色領域は、約650〜約700nmである。
「光熱写真要素」とは、少なくとも1層の光熱写真エマルション層および支持体、トップコート層、受像層、ブロッキング層、ハレーション防止層、下地またはプライマー層等を含む構造物を意味し;
「スペクトルの短波長の可視領域」とは、約400〜約450nmまでのスペクトル領域を意味し;および
熱写真要素」とは、少なくとも1層の熱写真エマルション層および支持体、トップコート層、受像層、ブロッキング層、ハレーション防止層、下地またはプライマー層等を含む構造物を意味する。
「スペクトルの紫外領域」とは、約400nm以下、好ましくは約100〜約400nmのスペクトル領域である。特に好ましくは、スペクトルの紫外領域は、約190〜約400nmの間の領域である。
前述の式において、RおよびHETは、別の置換基を含んでいてもよい。当該分野において周知の如く、置換は、容認されるのみならず望ましい場合もあり、本発明で使用される化合物については置換が予想されるものとする。特定の置換基の論議および説明を簡略化するために、「基」および「部位」という用語を使用して、置換できる化学種と置換できない化学種とを区別する。すなわち、「アリール基」のように「基」という用語を用いて置換基を説明する場合、前記置換基は、基本的な基の正確な定義を超えて更に別の置換基の使用を包含する。「部位」を使用して置換基を説明する場合、未置換の基のみを包含するものとする。例えば、「アルキル基」という言葉は、メチル、エチル、プロピル、t−ブチル、シクロヘキシル、イソオクチル、オクタデシル等のような単なる炭化水素アルキル鎖のみならず、ヒドロキシル、アルコキシ、フェニル、ハロゲン原子(F、Cl、BrおよびI)、シアノ、ニトロ、アミノ、カルボキシ等のような当該分野において既知の置換基を有するアルキル鎖も包含するものとする。例えば、アルキル基は、エーテル基(例えば、CH3−CH2−CH2−O−CH2−)、ハロアルキル類、ニトロアルキル類、カルボキシアルキル類、ヒドロキシアルキル類、スルホアルキル類等を包含する。他方、「アルキル部位」は、メチル、エチル、プロピル、t−ブチル、シクロヘキシル、イソオクチル、オクタデシル等のような単なる炭化水素アルキル鎖のみの包含に限定される。非常に強い電子吸引性または酸化性の置換基のように、他の活性な成分と反応する置換基は、当業者によって当然、不活性でないかまたは無害でないとして除外される。
本発明の他の観点、長所および利益は、詳細な説明、実施例および請求の範囲から自明である。
本発明の詳細な説明
光熱写真要素では、露光後、現像すると高いコントラストを現す製品が望まれている。このような要望は、コントラストが鮮明性の発現に直接関係するという認識に基づいている。すなわち、高いコントラストを表す製品は、高い鮮明性という可視的な印象も与える。
一般的に、コントラストは、D−LogE曲線から派生する2つの方法で定義される。第1の方法は、2つの特定の濃度の間のD−LogE曲線の直線部の勾配で定義されるγの決定法である。第2の方法は、D−LogE曲線の部の全体的なシャープさからの決定法である。部のシャープさは、一般には、通常のD−LogE曲線の部での露光量に対する濃度の相対変化を意味する。例えば、シャープな部は、露光量に対する(低レベルの濃度での)濃度の上昇が非常に早いことに相当するが、緩慢な部は、露光量に対する(低レベルの濃度での)濃度の上昇が非常に緩やかであることを表す。γ値が高いかまたは部がシャープであれば、画像のコントラストは、比較的高い。γ値が低いかまたは部が緩慢であれば、画像のコントラストは、比較的低い。コントラストは、露光領域全体を通しても維持されなければならない。従って、約2.0〜Dmaxの間の濃度での高いγも、鮮明な画像を達成するためには必要である。
コントラストは、それぞれの特定の使用において、最適化されなければならない。ある種の使用においては、感度曲線の特定部を変化させて製品のコントラストを増減しなければならない。
光熱写真系および熱写真系は、遅いスピード、低いDmax、乏しいコントラスト、および高いDmaxでの不十分な鮮明性のために、画像形成系における湿式ハロゲン化銀用の代替品としては、未だ幅広い使用が見い出されていなかった。欧州特許出願公開第0627660号および米国特許第5,434,043号公報には、例えば、ハレーション防止機能、平均粒径0.10μm未満のハロゲン化銀粒子、医療用またはグラフィックアートのレーザ記録利用に対する要求を満たす赤外線光熱写真物品を導く赤外線超増感のような、光熱写真要素が発現する特徴や性質がほとんど記載されている。
ビスフェノール現像剤のみを含む従来の光熱写真要素は、約3.0以上のγをめったに示さない。このような材料は、連続トーン再生が要求される医療用画像形成や同様の用途には十分適しているが、非常に高いγ(例えば、>5.0)を要するグラフィックアート用途には適さない。
3−置換芳香族基置換されたアクリロニトリル化合物を共現像剤として含む本発明の光熱写真要素におけるD−LogE感度曲線のシャープさは、従来の湿式現像されたハードドット白黒ハロゲン化銀画像形成フィルムにおける伝染性現像曲線で観られるシャープさと同程度である。このことは、画像印刷利用、コンタクトプルーフおよびグラフィックアートにも有用な複写フィルムにおけるプレートの再生に有用な、高画質の改良されたハードドット乾燥銀マスクの調製を可能にする。上記マスクは、現在、従来の湿式ハロゲン化銀材料から製造されている。
非感光性の還元性銀発生源用還元剤系
本発明の白黒光熱写真および熱写真要素において、有機銀塩用の還元剤系(すなわち、現像剤系)は、少なくとも1種のヒンダードフェノール化合物と、式:
Figure 0003650130
(式中、RおよびHETは上記と同様の意味を現す。)
で表される少なくとも1種の共現像剤を含む。
ヒンダードフェノール現像剤は、特定のフェニル環上に水酸基を1つだけ含有し、その水酸基に対してオルト位に少なくとも1つの別の置換基を有する化合物である。前記現像剤は、(ヒドロキノンのように)同一のフェニル環上に2つの水酸基を含有する通常の写真現像剤とは異なる。ヒンダードフェノール現像剤は、水酸基がそれぞれ別のフェニル環上に配置されている限り、水酸基を1つ以上含有できる。ヒンダードフェノール現像剤としては、例えば、ビナフトール類(すなわち、ジヒドロキシビナフチル)、ビフェノール類(すなわち、ジヒドロキシビフェニル)、ビス(ヒドロキシナフチル)メタン類、ビス(ヒドロキシフェニル)メタン類、ヒンダードフェノール類、およびヒンダードナフトール類が挙げられ、いずれも様々に置換されていてよい。
非限定的な代表的なビナフトール類としては、1,1'−ビ−2−ナフトール、1,1'−ビ−4−メチル−2−ナフトールおよび6,6'−ジブロモ−ビ−2−ナフトールが挙げられる。別の化合物については、米国特許第5,262,295号公報の第6欄12から13行が参照され、その内容をここに挿入する。
非限定的な代表的なビフェノール類としては、2,2'−ジヒドロキシ−3,3'−ジ−t−ブチル−5,5−ジメチルビフェニル;2,2'−ジヒドロキシ−3,3',5,5'−テトラ−t−ブチルビフェニル;2,2'−ジヒドロキシ−3,3'−ジ−t−ブチル−5,5'−ジクロロビフェニル;2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4−メチル−6−n−ヘキシルフェノール、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'5,5'−テトラ−t−ブチルビフェニル;および4,4'−ジヒドロキシ−3,3',5,5'−テトラメチルビフェニルが挙げられる。別の化合物については、米国特許第5,262,295号公報の第4欄17〜47行が参照され、その内容をここに挿入する。
非限定的な代表的なビス(ヒドロキシナフチル)メタン類としては、4,4'−メチレンビス(2−メチル−1−ナフトール)が挙げられる。別の化合物については、米国特許第5,262,295号公報の第6欄14〜16行が挙げられ、その内容をここに挿入する。
非限定的な代表的なビス(ヒドロキシフェニル)メタン類としては、ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)メタン(CAO−5);1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン[パーマナックス(Permanax);登録商標]、1,1−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン:4,4−エチリデン−ビス(2−t−ブチル−6−メチルフェノール);および2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンが挙げられる。別の化合物については、米国特許第5,262,295号公報の第5欄63行〜第6欄8行が参照され、その内容をここに挿入する。
非限定的な代表的なヒンダードフェノール類としては、2,6−ジ−t−ブチルフェノール;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール;2,4−ジ−t−ブチルフェノール;2,6−ジクロロフェノール;2,6−ジメチルフェノール;および2,t−ブチル−6−メチルフェノールが挙げられる。
非限定的な代表的なヒンダードナフトール類としては、1−ナフトール;4−メチル−1−ナフトール:4−メトキシ−1−ナフトール;4−クロロ−1−ナフトール;および2−メチル−1−ナフトールが挙げられる。別の化合物については、米国特許第5,262,295号公報の第6欄17〜20行参照。
共現像剤は、3−ヘテロ芳香族基置換されたアクリロニトリル化合物またはその混合物であってよい。
3−ヘテロ芳香族基置換されたアクリロニトリル化合物は、式中に示す位置に電子吸引基Rが結合していることも要求される。ヘテロ芳香族基置換されたアクリロニトリル化合物の2−置換位にあるR基は、置換されていてもよい。
本発明において、Rの電子吸引性は、その「ハメット定数σρ」によって決定される。ハメット定数σρは、ハメット則:LogK/K゜=σρρ(ただし、K゜は、25℃における水溶液中での対照試料の酸解離定数であり、Kは、パラ置換された酸の解離定数であり、およびρは、パラ置換安息香酸の解離定数であって、1.0である。)で定義される。正のハメット定数(σ)は、その基が電子吸引性であることを示す。フェニルは、文献値ではハメット定数σρは−0.01もしくは0であるが、容認されるべきである。
Rは、アリール基または電子吸引性基であり得る。アリール基は、置換基を有するかまたは有しない芳香族単環または多重環を包含し、例えば、フェニル、ナフチル、トリル、ピリジル、フリルなどが挙げられる。3−ヘテロ芳香族基置換されたアクリロニトリル化合物の2位に影響を及ぼすアリール基は、電子吸引性であることが好ましい。電子吸引性基は、ハメット定数σρが0.20以上であることも好ましく、特に0.35以上であることが好ましい。非限定的な電子吸引基の例としては、シアノ、ハロゲン(例えば、ブロモ、クロロ、ヨード)、ホルミル、アルコキシカルボニル、メタロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル、ニトロ、アセチル、パーフルオロアルキル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、並びにLange著、ハンドブック・オブ・ケミストリー(Handbook of Chemistry)、第14版、McGraw−Hill出版(1992年):第9章、2〜7頁に列挙されたその他の基が挙げられる。
HETは、非4級窒素原子を介して結合した5−または6員のヘテロ芳香環を構成する。好ましくは、芳香環は、炭素原子と(4個までの)窒素原子のみから構成され、より好ましくは芳香環は、少なくとも2個の窒素原子を含有し、さらに好ましくは芳香環は3個の窒素原子を含有する。もっとも好ましくは、芳香環は、5個の環員原子から構成され、(ベンゼン環上に別の置換基を有するかまたは有しないベンゾヂアゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾテトラゾール、ベンゾピロール等の形成のような融合されたベンゼン環の形成を包含する)環外置換基を有するかまたは有しないジアゾール核、トリアゾール核、ピロール核およびテトラゾール核から選択される。HETヘテロ芳香環内での「非4級環窒素」を介してのHETの結合は、本発明の実施に重要であると考えられる。窒素原子を介しての結合は、必須であって、3個の供給結合原子を含む環窒素原子を介しての結合(そして、その結果、N+の電荷を有さずに4級でないこと)も重要であると考えられる。
3−ヘテロ芳香族基置換されたアクリロニトリル化合物は、適当に置換されたヘテロ芳香族化合物と3−クロロアクリルニトリル化合物との反応によって調製してよい。代表的な3−ヘテロ芳香族基置換されたアクリロニトリル化合物を以下に示す。これらの代表的な化合物は例示であって、これらに限定されるものではない。
Figure 0003650130
還元剤系において、ヒンダードフェノール現像剤は、画像形成層の1〜15重量%で含まれていなければならない。3−ヘテロ芳香族基置換された化合物である共現像剤は、画像形成層の0.01〜1.5重量%で含まれていなければならない。
本発明の光熱写真または熱写真要素に添加される還元剤系の上述の還元剤の量は、使用する特定の化合物に依存して、エマルション層の種類によって、および還元剤系の化合物がエマルション層中に位置するのかまたはトップコート層中に位置するのかによって変化してよい。しかしながら、エマルション層中に含まれる場合、ヒンダードフェノールは、ハロゲン化銀1モルに対し、0.01〜50モルの量、好ましくは0.05〜25モルで含まれていなければならず;3−ヘテロ芳香族基置換されたアクリロニトリル化合物は、ハロゲン化銀1モルに対し、0.0005〜25モルの量、好ましくは0.0025〜10モルで含まれていなければならない。
多重構造物において、還元剤系の現像剤の1種がエマルション層以外の層に添加されているのであれば、わずかに高い割合が必要とされることがあり、ヒンダードフェノールは、含まれる層の2〜20重量%でなければならず;使用される置換された3−ヘテロ芳香族基置換されたアクリロニトリル化合物である共現像剤は、含まれる層の0.2〜20重量%でなければならない。
本発明の光熱写真要素は、他の共現像剤または共現像剤の混合物を、本発明の3−ヘテロ芳香族基置換されたアクリロニトリル化合物共現像剤と組み合わせて含有していてよい。例えば、米国特許第5,496,695号公報に記載のトリチルヒドラジドまたはホルミルフェニルヒドラジン化合物;米国特許出願第08/529,982号(1995年9月19日出願)に記載のアクリロニトリル化合物;米国特許出願第08/530,024号(1995年9月19日出願)に記載のアミン化合物が使用でき;米国特許出願第08/530,066号(1995年9月19日出願)に記載の水素原子供与化合物;米国特許出願第08/530,694号(1995年9月19日出願)に記載のヒドロキサミン酸化合物;米国特許出願第08/615,359号(1996年3月14日出願)に記載の2−置換されたマロンジアルデヒド化合物;および米国特許出願第08/615,928号(1996年3月14日出願)に記載の4−置換されたイソキサゾール化合物も使用できる。
本発明の光熱写真要素は、保存安定剤、トーナー、現像促進剤、アキュタンス染料、現像後安定剤または安定剤前駆体、および他の画像変調剤のような他の添加物をさらに含有していてもよい。
感光性ハロゲン化銀
上述のように、本発明は、光熱写真要素に使用する場合、感光性ハロゲン化銀を含有する。感光性ハロゲン化銀は、臭化銀、ヨウ化銀、塩化銀、ヨウ化臭化銀、ヨウ化臭化塩化銀、臭化塩化銀等のようないかなる感光性ハロゲン化銀でもあり得る。感光性ハロゲン化銀は、還元性銀の発生源として供給する非感光性の還元性銀化合物と触媒的に接近して配置されている限り、どのような形態でもエマルション層に添加することができる。
ハロゲン化銀は、立方晶、8面体晶、12面体斜方晶、オルト斜方晶、4面体晶、他の多角形晶等を含む感光性の形態であってよいが、それらに限定されるものではなく、その上に結晶をエピタキシャル成長することもできる。
ハロゲン化銀粒子は、全体を通して均一なハロゲン化物比を有していてよく;例えば臭化銀とヨウ化銀のように、比が連続的に変化する、勾配のついたハロゲン化物含量を有してもよく;また、あるハロゲン化物比の別個のコアと、別のハロゲン化物比の別個のシェルから成るコア−シェル型であってもよい。光熱写真要素に有用なコア−シェルハロゲン化銀粒子および上記材料を調製する方法は、米国特許第5,382,504号公報に記載されている。イリジウムドープしたコアを有するコア−シェル型ハロゲン化銀粒子が特に好ましい。この種のイリジウムドープしたコア−シェル型粒子は、米国特許第5,434,043号公報に記載されている。
ハロゲン化銀は、別所で調製(すなわち、予備成形)されて、コーティング溶液を調製する前に、バインダー中で有機銀塩と混合されてよい。ハロゲン化銀は、例えば、米国特許第3,839,049号公報に従って、どのような方法で予備成形されてもよい。例えば、長時間かけてホモゲナイザーを用いてハロゲン化銀と有機銀塩をブレンドすることが有効である。この種の材料は、しばしば「予備成形エマルション」と呼ばれる。上記ハロゲン化銀と有機銀塩を調製する方法およびそれらをブレンドする方法は、リサーチ・ディスクロージャー(Reserch Disclosure)1978年6月、第17029項;米国特許第3,700,458号公報および同第4,076,539号公報;並びに特開昭49(1974年)−13224号、同昭51(1976年)−42529号および同昭50(1975年)−17216号に記載されている。
本発明の実施では、赤外線増感される光熱写真材料中において、0.10μm未満の予備成形ハロゲン化銀粒子を使用することが望ましい。欧州特許出願公開第0627660号および米国特許第5,434,043号公報に開示されているように、イリジウムドープしたハロゲン化銀粒子とイリジウムドープしたコア−シェル型ハロゲン化銀粒子を使用することも好ましい。
本発明の材料中で使用する場合、予備成形したハロゲン化銀エマルションは、未洗浄であっても、または溶解性塩を除去するために洗浄することもできる。後者の場合、溶解性塩を、冷却および濾過によって除去するか、エマルションを、例えば、米国特許第2,618,556号公報;同第2,614,928号公報;同第2,565,418号公報;同第3,241,969号公報;および同第2,489,341号公報に記載の手順で、凝固洗浄することもできる。
現場法(すなわち、ハロゲン含有化合物を有機銀塩に添加して、有機銀塩の銀をハロゲン化銀に部分転化する方法)を使用することも有効である。
本発明で使用する感光性ハロゲン化銀は、非感光性の還元性銀塩1モルに対し、約0.005〜約0.5モルの範囲、好ましくは約0.01〜約0.15モル、特に0.03〜0.12モルの範囲で用いることができる。
本発明で使用されるハロゲン化銀は、常套の湿式現像型ハロゲン化銀写真材料または、従来技術の熱現像可能な写真材料を増感するのと同様の方法で化学増感およびスペクトル増感できる。
例えば、前記ハロゲン化銀は、化学増感剤(例えば、硫黄、セレン、テルル等を含有する化合物、または金、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、もしくはそれらの組み合わせ等を含有する化合物)、ハロゲン化錫等のような還元剤、あるいはそれらの組み合わせを用いて化学増感することができる。この手法の詳細は、T.H.James著、ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス、第4版、第5章、149〜169頁に記載されている。適した化学増感手順は、米国特許第1,623,499号公報[シェパード(Shepard)];同第2,399,083号公報[ウォーラー(Waller)];同第3,297,447号公報[マクヴェイ(McVeigh)];および同第3,297,446号公報[ダン(Dunn)]にも開示されている。
感光性ハロゲン化銀への増感染料の添加は、スペクトル増感によって、可視光および赤外光に対する高い感度を与えるのに役立つ。すなわち、感光性ハロゲン化銀は、ハロゲン化銀をスペクトル増感する様々な既知の染料でスペクトル増感できる。使用できる増感染料の非限定的な例としては、シアニン染料、メロシアニン染料、錯体シアニン染料、錯体メロシアニン染料、ホロ極性シアニン染料、ヘミシアニン染料、スチリル染料およびヘミオキサノール染料が挙げられる。上記染料の内、シアニン染料、メロシアニン染料および錯体メロシアニン染料が特に有用である。米国特許第5,441,866号公報および米国特許出願第08/425,860号(1995年4月20日出願)に記載のシアニン染料は、特に有効である。
添加する増感染料の適した量は、ハロゲン化銀1モルにつき、一般に、約10-10〜10-1モル、好ましくは約10-8〜10-3モルである。
超増感剤
光熱写真要素のスピードを最大レベルまで上げて、更に感度も向上させるために、超増感剤を使用することが望ましいことがある。感度を増加させる超増感剤であれば如何なる超増感剤も使用できる。例えば、好ましい赤外線超増感剤は、欧州特許出願公開第0559228号に記載されており、式:
Ar−S−M
Ar−S−S−Ar
(式中、Mは、水素原子またはアルカリ金属原子を表す。)
で表されるヘテロ芳香族メルカプト化合物またはヘテロ芳香族ジスルフィド化合物が挙げられる。
上記の超増感剤において、Arは、芳香環、複素環、または1つ以上の窒素原子、硫黄原子、酸素原子セレン原子またはテルル原子を含有する複素環と融合した芳香環を表す。
好ましい超増感剤は、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプト−5−メチルベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールおよび2−メルカプトベンズオキサゾールである。
超増感剤は、エマルション層中に、銀1モルにつき増感剤少なくとも0.001モルの一般的な量で使用される。通常、その範囲は、銀1モルにつき、超増感剤化合物0.001〜1.0モルの間、好ましくは0.01〜0.3モルの間である。
非感光性の還元性銀発生源物質
本発明は、光熱写真および熱写真要素において使用される場合、非感光性の還元性銀発生源を包含する。本発明で使用できる非感光性の還元性銀発生源は、還元性銀イオンの発生源を含有する如何なる化合物でもあり得る。そのような化合物は、好ましくは、光に比較的安定で、露光した光触媒(例えば、ハロゲン化銀)と還元剤の存在下、80℃以上に加熱すると銀画像を形成する銀塩である。
有機酸の銀塩、特に長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩が好ましい。鎖は、通常、炭素数が10〜30、好ましくは15〜28である。適した有機銀塩としては、カルボキシル基を有する有機化合物の銀塩が挙げられる。その例としては、脂肪族カルボン酸の銀塩および芳香族カルボン酸の銀塩が挙げられる。脂肪族カルボン酸の銀塩の好ましい例としては、ベヘン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプリン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、マレイン酸銀、フマル酸銀、酒石酸銀、フロ酸銀、リノール酸銀、酪酸銀、および樟脳酸銀、並びにそれらの混合物が挙げられる。ハロゲン原子または水酸基で置換され得る銀塩も有効に使用できる。芳香族カルボン酸および他のカルボキシル基含有化合物の銀塩の好ましい例としては、安息香酸銀、置換安息香酸銀塩(例えば、3,5−ジヒドロキシ安息香酸銀、o−メチル安息香酸銀、m−メチル安息香酸銀、p−メチル安息香酸銀、2,4−ジクロロ安息香酸銀、アセトアミド安息香酸銀、p−フェニル安息香酸銀等);ガレ酸銀;タンニン酸銀;フタル酸銀;テレフタル酸銀;サリチル酸銀;フェニル酢酸銀;ピロメリット酸銀;米国特許第3,785,830号に記載の3−カルボキシメチル−4−メチル−4−チアゾリン−2−チオンの銀塩等、および米国特許第3,330,663号に記載のチオエーテル基含有脂肪族カルボン酸の銀塩が挙げられる。
メルカプト基もしくはチオン基を含有する化合物およびそれらの誘導体の銀塩を使用することができる。上記の化合物の好ましい例としては、3−メルカプト−4−フェニル−1,2,4−トリアゾールの銀塩、2−メルカプトベンズイミダゾールの銀塩、2−メルカプト−5−アミノチアジアゾールの銀塩、2−(2−エチルグリコールアミド)ベンゾチアゾールの銀塩、S−アルキルチオグリコール酸(ただし、アルキル基の炭素数は12〜22である。)の銀塩のようなチオグリコール酸の銀塩、ジチオ酢酸の銀塩のようなジチオカルボン酸の銀塩、チオアミドの銀塩、5−カルボキシル−1−メチル−2−フェニル−4−チオピリジンの銀塩、メルカプトトリアジンの銀塩、2−メルカプトベンズオキサゾールの銀塩、米国特許第4,123,274号に記載の銀塩(例えば、3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,4−チオアゾールの銀塩のような1,2,4−メルカプトチオアゾール誘導体の銀塩)、並びに米国特許第3,201,678号に開示されているような3−(2−カルボキシエチル)−4−メチル−4−チオアゾリン−2−チオンの銀塩のようなチオン化合物の銀塩が挙げられる。
さらに、イミノ基含有化合物の銀塩を使用することができる。この化合物の好ましい例としては、ベンゾチトリアゾールおよび置換されたその誘導体の銀塩(例えば、銀メチルベンゾトリアゾールおよび銀5−クロロベンゾトリアゾール等)、米国特許第4,220,709号に記載の1,2,4−トリアゾール類または1−H−テトラゾール類の銀塩、並びにイミダゾールおよびイミダゾール誘導体の銀塩が挙げられる。
アセチレンの銀塩も使用できる。銀アセチリドは、米国特許第4,761,361号公報および同第4,775,613号公報に記載されている。
銀ハーフ石けんを使用することが便利であることも分かっている。銀ハーフ石けんの好ましい例は、ベヘン酸銀とベヘン酸の等モル混合物であって、その混合物中の銀分は約14.5重量%と分析され、市販のベヘン酸のナトリウム塩の水溶液からの沈殿によって調製される。
透明フィルム裏地上に製造された透明シート材料は、透明コーティングを要する。この目的のために、遊離ベヘン酸約15%以下を含有しかつ銀分(分析値)が約22%のベヘン酸銀フル石けんを使用することができる。
銀石けんエマルションの製造に用いられる方法は、当業者に周知であり、リサーチ・ディスクロージャー、1983年4月号、第22812項および同1983年10月号、第23419項、並びに米国特許第3,985,565号に開示されている。
現像の出発点を形成するハロゲン化銀と非感光性の還元性銀発生源物質は、触媒的に接近(すなわち、反応的 組合せ)していなければならない。「触媒的に接近」または「反応的組合せ」とは、同じ層内、隣接する層内、または厚さ1μm未満の中間層によって互いに分離された層内にあるべきであることを意味する。ハロゲン化銀と非感光性の還元性銀発生源物質は、同じ層内に含まれていることが好ましい。
本発明によって、予備形成されたハロゲン化銀を含有する光熱写真エマルションは、上述の化学増感剤またはスペクトル増感剤で増感できる。
還元性銀発生源物質は、通常、エマルション層の約5〜約70重量%を占めている。それは、好ましくは、エマルション層の約10〜約50重量%のレベルで含まれている。
バインダー
本発明で使用される感光性ハロゲン化銀、非感光性の還元性銀発生源、還元剤系、およびその他の添加剤は、通常、少なくとも1種のバインダーに添加される。本発明において使用できるバインダーは、別個に、または互いに組み合わせて使用できる。バインダーは、例えば、溶液または懸濁液中の他の成分を保持するのに十分な極性の天然および合成の樹脂のようなポリマー材料から選ばれることが好ましい。
典型的な親水性バインダーは、透明または半透明の親水性コロイドである。親水性バインダーの例としては、天然物質(例えば、ゼラチン、ゼラチン誘導体、セルロース誘導体等のようなタンパク質;澱粉、アラビアガム、プルラン、デキストリン等のような多糖類);および合成ポリマー(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリルアミドポリマー等のような水溶性ポリビニル化合物)が挙げられる。親水性バインダーのもう一つの例は、写真要素の寸法安定性を高めるために使用されるラテックス形態の分散されたビニル化合物である。
典型的な疎水性バインダーの例は、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、酢酸セルロース、ポリオレフィン類、ポリエステル類、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート類、メタクリレートコポリマー、無水マレイン酸エステルコポリマー、ブタジエン−スチレンコポリマー等である。コポリマー(例えば、ターポリマー)もポリマーの範疇に包まれる。ポリビニルブチラールおよびポリビニルホルマールのようなポリビニルアセタール、並びにポリ酢酸ビニルおよびポリ塩化ビニルのようなビニルコポリマーが特に好ましい。
バインダーは、親水性でも疎水性でもあり得るが、銀含有層中では好ましくは疎水性である。場合により、上記ポリマーを2種以上組み合わせて使用してよい。
バインダーは、好ましくは、エマルション層の約30〜90重量%のレベルで、特に約45〜85重量%のレベルで使用される。非感光性の還元性銀発生源に対する還元剤系の割合および活性が、特定の現像時間および温度を要する場合、バインダーは、その条件下で耐えることができなければならない。通常、バインダーは、250゜F(121℃)において60秒間で分解しないかまたはその構造保全性を失わないことが好ましく、350゜F(177℃)において60秒間で分解しないかまたはその構造保全性を失わないことがより好ましい。
ポリマーバインダーは、その中に分散される成分を担持するのに十分な量、すなわち、バインダーとしての作用の有効な範囲内で使用される。有効な範囲は、当業者によって適宜決定することができる。
光熱写真および熱写真組成物
光熱写真および熱写真エマルション層用組成物は、バインダー、感光性ハロゲン化銀、(使用する場合には)非感光性の還元性銀発生源、非感光性の還元性銀発生源のための還元剤系、および任意の添加物を、例えば、トルエン、2−ブタノンまたはテトラヒロドフランのような不活性な有機溶媒中に溶解や分散することによって調製できる。
画像を向上させる「トーナー」またはその誘導体の使用は、非常に望ましいが、本発明の要素に必須ではない。トーナーは、エマルション層の約0.01〜10重量%の量、好ましくは約0.1〜10重量%で含まれ得る。トーナーは、米国特許第3,080,254号公報;同第3,847,612号公報;および同第4,123,282号公報に示されているように、光熱写真および熱写真技術において周知の化合物である。
トーナーの例としては、フタルイミドおよびN−ヒドロキシフタルイミド;スクシンイミド、ピラゾリン−5−オン、キナゾリノン、1−フェニルウラゾール、3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンおよび2,4−チアゾリジンジオンのような環状イミド類;N−ヒドロキシ−1,8−ナフタルイミドのようなナフタルイミド類;コバルト−ヘキサミントリフルオロ酢酸のようなコバルト錯体類;3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2,4−ジメルカプトピリミジン、3−メルカプト−4,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾールおよび2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールのようなメルカプタン類;(N,N−ジメチルアミノメチル
)フタルイミドおよびN−(ジメチルアミノメチル)ナフタレン−2,3−ジカルボキシイミドのようなN−(アミノメチル)アリールジカルボキシイミド類;N,N'−ヘキサメチレンビス(1−カルバモイル−3,5−ジメチルピラゾール)、1,8−(3,6−ジアザオクタン)ビス(イソチウロニウム)トリフルオロ酢酸および2−(トリブロモメチルスルホニルベンゾチアゾール)の組み合わせのような、ブロック化ピラゾール類、イソチウロニウム誘導体およびある種の光漂白剤の組み合わせ;3−エチル−5−[(3−エチル−2−ベンゾチアゾリニリデン)−1−メチルエチリデン]−2−チオ−2,4−o−アゾリジンジオンのようなメロシアニン染料類;フタラジノン、フタラジノン誘導体、または金属塩もしくはその誘導体[例えば、4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメトキシフタラジノンおよび2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン];フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸およびテトラクロロフタル酸無水物、キナゾリンジオン類、ベンズオキサジンまたはナフトキサジン誘導体のような、フタラジンと1種以上のフタル酸誘導体との組み合わせ;アンモニウムヘキサクロルローデート(III)、臭化ロジウム、硝酸ロジウムおよびカリウムヘキサクロルローデート(III)のような、トーン変調剤としてのみならずハロゲン化銀の現場形成用のハロゲン化物イオン発生源としても機能するロジウム錯体類;アンモニウムペルオキシジスルフェートおよび過酸化水素のような、無機過酸化物および過硫化物;1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオン、8−メチル−1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオンおよび6−ニトロ−1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオンのようなベンズオキサジン−2,4−ジオン類;2,4−ジヒドロキシピリミジン、2−ヒドロキシ−4−アミノピリミジンおよびアザウラシルのような、ピリミジン類およびアシメトリートリアジン類;並びに3,6−ジメルカプト−1,4−ジフェニル−1H,4H−2,3a,5,6a−テトラアザペンタレンおよび1,4−ジ−(o−クロロフェニル)−3,6−ジメルカプト−1H,4H−2,3a,5,6a−テトラアザペンタレンのようなテトラアザペンタレン誘導体が挙げられる。
本発明において使用される光熱写真要素は、さらに ブリの生成を保護し、貯蔵中の感度の低下を安定化することができる。本発明の実施において必要ではないが、水銀(II)塩をエマルション層にカブリ防止剤として添加することが有利であることもある。この目的の為に好ましい水銀(II)塩は、酢酸水銀および臭化水銀である。
単独でまたは組み合わせて使用できる他の適したカブ 防止剤および安定化剤は、米国特許第2,131,038号公報および同第2,694,716号公報に記載のチアゾリウム塩;米国特許第2,886,437号公報に記載のアザインデン類;米国特許第2,444,605号公報に記載のトリアザインドリジン類;米国特許第2,728,663号公報に記載の水銀塩;米国特許第3,287,135号公報に記載のウラゾール類;米国特許第3,235,652号公報に記載のスルホカテコール類;英国特許第623,448号公報に記載のオキシム類;米国特許第2,839,405号公報に記載の多価金属塩;米国特許第3,220,839号公報に記載のチウロニウム塩;米国特許第2,566,263号公報および同第2,597,915号公報に記載のパラジウム塩、白金塩および金塩;並びに米国特許第5,460,938号公報に記載の2−(トリブロモメチルスルホニル)キノリン類が挙げられる。現像中に熱を加えると安定化剤を発生し得る安定化剤前駆体化合物を、本発明の安定化剤と組み合わせて使用することもできる。そのような前駆体化合物は、例えば、米国特許第5,158,866号公報、同第5,175,081号公報、同第5,298,390号公報および同第5,300,420号公報に記載されている。
本発明の光熱写真および熱写真要素は、米国特許第2,960,404号公報に記載の種類の多価アルコールおよびジオール;米国特許第2,588,765号公報および同第3,121,060号公報に記載されているような脂肪酸またはエステル等;並びに英国特許第955,061号公報に記載されているようなシリコーン樹脂のような可塑剤と潤滑剤を含有し得る。
前述のエマルション層を含有する光熱写真および熱写 要素は、デンプン、二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、および米国特許第2,992,101号公報および同第2,701,245号公報に記載の種類のビーズを含むポリマービーズのようなマット化剤を含有してもよい。
本発明のエマルションは、溶解性塩(例えば、塩化物、硝酸化物等)を含む層、蒸着した金属層、米国特許第2,861,056号公報および同第3,206,312号公報に記載されているようなイオン性ポリマー、または米国特許第3,428,451号公報に記載されているような不溶性無機塩を含む層のような帯電防止層または導電性層を含有する光熱写真および熱写真要素内で使用できる。
本発明の光熱写真および熱写真要素は、帯電効果を低減し、かつ現像用装置を通しての輸送を高めるために、導電性下地層を含有していてもよい。そのような層は、米国特許第5,310,640号公報に記載されている。
光熱写真用構造物
本発明の光熱写真および熱写真要素は、支持体上に1層以上の層を含み得る。単層の要素は、(使用するのであれば)ハロゲン化銀、非感光性の還元性銀発生源物質、非感光性の還元性銀発生源のための還元剤系、バインダー、並びにトーナー、アキュタンス染料、コーティング助剤および他の助剤のような任意の物質を含んでいなければならない。
2層構造物は、あるエマルション層(通常、支持体と隣接する層)中に(使用するのであれば)ハロゲン化銀と非感光性の還元性銀発生源を含有させ、その他の成分を、第2層に含有させるかあるいは上記の両方の層に分配しなければならない。全ての成分を含有する単一エマルション層コーティングと保護用トップコートから成る2層構造物も考えられる。
本発明の光熱写真および熱写真要素は、ワイヤー巻きロッドコーティング、ディップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンコーティング、または米国特許第2,681,294号公報に記載の種類のホッパーを用いる押出コーティングを含む、様々なコーティング法で塗布できる。所望により、米国特許第2,761,791号公報;同第5,340,613号公報;および英国特許第837,095号公報に記載の方法によって、2層以上を同時に塗布することができる。エマルション層の湿潤膜厚は、通常、約10〜150μmであって、層は、対流空気中、約20〜100℃の温度で乾燥され得る。マクベス・カラー・デンシトメーター(MacBeth Color Densitometer)TD504型で測定した場合、最大画像濃度0.2以上、特に0.5〜4.0の範囲を与えるように層の厚さを選ぶことが好ましい。
本発明の光熱写真および熱写真要素は、アキュタンス染料およびハレーション防止染料を含有することがある。前記染料は、既知の技術に従って、アキュタンス染料として光熱写真エマルション層中に組み込まれてもよい。前記染料は、既知の技術に従って、ハレーション防止用裏地層、ハレーション防止用下地層としてまたはオーバーコートのようなハレーション防止層中に組み込まれてもよい。
本発明の光熱写真要素は、ハレーション防止コーティングを、エマルションやトップコート層が塗布される面とは反対側の支持体上に含有することが好ましい。
本発明において有用なハレーション防止染料およびアキュタンス染料は、米国特許第5,135,842号公報;同第5,226,452号公報;同第5,314,795号公報;および同第5,380,635号公報に記載されている。
現像条件は、使用する構造物によって変化するが、通常、画像態様で露光した材料を、適した高温に加熱することを伴う。光熱写真要素に使用する場合、露光後に得られた潜像を、約80〜250℃、好ましくは約100〜200℃の中程度の高温で、十分な時間、一般には約1秒〜約2分間加熱することによって現像できる。加熱は、ホットプレート、アイロン、ホットローラーのような通常の加熱手段、カーボンまたはチタン白等を用いた熱発生源、要素中の抵抗層等によって行ってよい。
所望により、画像形成した要素を、潜像の安定化を増強するのには十分であるが、可視画像を生成するのには不十分な温度および時間において第1加熱工程に付した後、可視画像を生成するのに十分な温度および時間での第2加熱工程に付してよい。そのような方法およびその利点は、米国特許第5,279,928号公報に記載されている。
熱写真要素に使用する場合、画像は、熱スタイラスまたは印刷ヘッドを用いて上記温度に加熱するか、あるいは熱吸収材料と接触させながら加熱するだけで現像できる。
本発明の熱写真要素は、レーザ放射線での露光による直接現像を促進するために、染料を含んでいてもよい。好ましくは、染料は赤外線吸収染料であり、レーザは赤外線を発光する半導体レーザである。放射線露光すると、染料によって吸収された放射線が、熱写真要素を現像する熱に転化される。
支持体
本発明において使用される光熱写真および熱写真エマルションは、広く様々な支持体上に塗布できる。支持体または基材は、画像形成要件に依存して、広範な材料から選択できる。支持体は、透明であるか、または少なくとも半透明であり得る。通常の支持体としては、ポリエステルフィルム、下塗りされたポリエステルフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムまたはポリエチレンナフタレート)、酢酸セルロースフィルム、セルロースエステルフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、ポリオレフィンフィルム(例えば、ポリエチレンもしくはポリプロピレンまたはそれらの混合物)、ポリカーボネートフィルム、および関連材料または樹脂状の材料、並びにガラス、紙等が挙げられる。通常、可撓性支持体が用いられ、特に、部分アセチル化できるかまたはポリマー下塗り剤もしくはプライマー剤で被覆できるポリマーフィルム支持体であり得る。支持体に好ましいポリマー材料は、ポリエステルのような良好な熱安定性を有するポリマーを包含する。特に好ましいポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートである。
光熱写真または熱写真要素をフォトマスクとして使用する場合、支持体は透明であるか、または最終画像形成工程において使用される放射線(すなわち、紫外線または短波長の可視光)に対して非常に高い透過性を有していなければならない。
裏面に耐熱層を有する支持体は、米国特許第4,374,921号公報に示されるような光熱写真画像形成系に使用できる。
フォトマスクとしての使用
上述のような350〜450nmの範囲における光熱写真および熱写真要素の非画像形成部の低い吸光度の可能性は、紫外線または短波長の可視光に感光性を有する画像形成可能媒体のその後の露光工程における、本発明の光熱写真および熱写真要素の使用を促す。例えば、光熱写真または熱写真要素を画像形成した後、現像することにより、可視画像が得られる。現像された光熱写真または 写真要素は、可視画像がある領域では紫外線または短波長の可視光を吸収し、可視画像のない領域では紫外線または短波長の可視光を透過する。その後、現像された要素は、マスクとして使用され、紫外線または短波長の可視光のエネルギー源と、例えば感光性ポリマー、ジアゾ化合物またはフォトレジストのような紫外線または短波長の可視光感光性の画像形成媒体との間に配置され得る。この工程は、画像形成媒体が印刷用プレートを含んで成り、かつ光熱写真または熱写真要素が画像形成用フィルムとして供給される場合に、特に有用である。
本発明の目的および利点を、以下の実施例によって示すが、これらの実施例に引用された特定の物質およびその量、並びに他の条件および詳細は、本発明を不当に限定するものではないと考えるべきである。
実 施 例
以下の実施例において使用される物質はいずれも、特に特定していない限り、アルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Co.、ミルウォーキー、ウイスコンシン州)等の標準的な商品供給源から容易に入手した。本実施例において、特に断りのない限り、%はすべて重量%を表す。以下の別称および材料を使用した。
アクリロイド(Acryloid)登録商標)A−21は、ローム・アンド・ハース(Rohm&Haas、フィラデルフィア、ペンシルバニア州)製のアクリル系コポリマーである。
ブトヴァール(Butvar、登録商標)B−79は、モンサント・カンパニー[(Monsanto Company)、セント・ルイス(St.Loues)、ミズーリ州]製ポリビニルブチラール樹脂である。
CAB171−15Sは、イーストマン・ケミカル・カンパニー(Eastman Chemical Co.)製の酢酸セルロースブチレート樹脂である。
CBBAは、2−(4−クロロベンゾイル)安息香酸である。
デスモドゥール(Desmodur、登録商標)N3300は、バイエル・ケミカルズ(Bayer Chemical、ピッツバーグ、フィラデルフィア州)製の脂肪族ヘキサメチレンジイソシアネートである。
MEKは、メチルエチルケトン(すなわち、2−ブタノン)である。
MeOHは、メタノールである。
MMBIは、2−メルカプト−5−ベンズイミダゾールである。
4−MPAは、4−メチルフタル酸である。
パーマナックス(Parmanax)登録商標)WSOは、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン[CAS RN=7292−14−0]であり、セント・ジーン・フォトケミカルズ・インコーポレイテッド[(St.Jean PhotoChemicals,Inc.)、ケベック]製である。これは、非感光性の還元性銀発生源のための現像剤(すなわち、ヒンダードフェノール現像剤)であって、ノノックス(Nonox、登録商標)としても知られている。
PETは、ポリエチレンテレフタレートである。
PHPは、ピリジニウムハイドロブロマイド過臭化物である。
PHZは、フタラジンである。
TCPAは、テトラクロロフタル酸である。
増感染料−1は、米国特許出願第08/425,860号(1995年4月20日出願)に記載されており、以下の構造を有する。
Figure 0003650130
カブリ防止剤Aは、2−(トリブロモメチルスルホニル)キノリンである。この調製法は、米国特許第5,460,938号公報に開示されており、以下の構造を有する。
Figure 0003650130
ビニルスルホン−1(VS−1)は、欧州特許出願公開第0600589A2に記載されており、以下の構造を有する。
H2C=CH−SO2−CH2−CH(OH)−CH2−SO2−CH=CH2
ハレーション防止染料−1(AH−1)は、以下の構造を有する。この化合物の調製は、米国特許第5,380,635号公報の実施例1fに記載されている。
Figure 0003650130
試料は、赤外線安全光の下でデュアルナイフコーターを用いて塗布した。光熱写真エマルションおよびトップコート組成物を、CAB171−15S樹脂中にAH−1を含有するハレーション防止裏地被覆を設けた7miL(177.8μm)厚の青みがかったポリエチレンテレフタレート支持体上に塗布した。蝶番付きナイフを上げた後、支持体をコーターベッドの所定の位置に置いた。次いで、ナイフを下げて、所定の位置でロックした。ナイフの高さは、スクリューノブで制御されかつ電流計で測定されるウエッジで調節した。ナイフ#1を、支持体と層#1の湿潤厚の和から成る所望の厚さに相当するクリアランスまで上げた。ナイフ#2を、支持体、層#1の湿潤厚および層#2の湿潤厚の和から成る所望の厚さに等しい高さまで上げた。
溶液#1と#2のアリコートを、支持体上の対応する各ナイフの前に同時に流し出した。即座に、両方のナイフを通り越すように支持体を引っ張り出し、オーブンに入れて、2層コーティングを生成した。次に、被覆された光熱写真または熱写真要素を、ブルーM(登録商標)オーブン内で回転しているベルトに支持体を貼付して乾燥させた。
以下の実施例は、本発明の化合物を用いた場合の合成手順例および調製手順例を示している。
エチル3−クロロ−2−シアノアクリレートは、Chem Ber.1970年、103号、1982〜1991頁に記載の通りに調製した。
エチル3−(1−ベンゾトリアゾール)−2−シアノア クリル酸(HET−01)の調製:
エチル3−クロロ−2−シアノアクリレート(1.0g、0.006モル)とベンゾトリアゾール(0.75g、0.006モル)のトルエン30mL溶液を2時間還流温度に加熱した。溶液を氷浴中で冷却し、残存固体を回収した。個体をトルエンで洗浄し、乾燥して、所望の生成物1.00gを得た。
エチル3−(1−イミダゾール)−2−シアノアクリル 酸(HET−02)の調製:
エチル3−クロロ−2−シアノアクリレート(0.5g、0.003モル)とイミダゾール(0.21g、0.003モル)のトルエン20mL溶液を2時間還流温度に加熱した。
溶液を氷浴中で冷却し、残存固体を回収した。個体をトルエンで洗浄し、乾燥して、所望の生成物0.45gを得た。
エマルション調製
以下の実施例は、ヒンダードフェノール現像剤と組み合わせた3−ヘテロ芳香族基置換されたアクリロニトリル化合物の使用を説明している。
実施例で使用した予備形成した臭化ヨウ化銀エマルション、銀石けん分散液、ホモジナートおよびハロゲン化ホモジナート溶液の調製を以下に示す。
組成物A−以下の組成物を調製した。3−ヘテロ芳香族基置換されたアクリロニトリル化合物共現像剤は、トップコート層中に組み込んだ。
予備形成したイリジウムドープしたコア−シェル型ベヘン酸銀石けんは、米国特許第5,434,043号公報に記載の方法と同様にして調製し、その内容をここに挿入する。
予備形成した石けんは、直径0.05μmのイリジウムドープしたコア−シェル型臭化ヨウ化銀エマルション(ヨウ化物含量8%および臭化物含量92%のコア25%;およびイリジウム1×10-5モルを含有する全て臭化物から成るシェル75%)2.0重量%を含有していた。このベヘン酸銀石けんの分散液を、ブトヴァール(登録商標)B−79ポリビニルブチラール樹脂1.00%を含有する2−ブタノン中で固形分26.1%となるまで均質化した。
この銀石けん分散液172.0gに、2−ブタノン27g、およびピリジニウムハイドロブロマイド過臭化物2.10mLのメタノール1.88g溶液2.10mLを添加した。1時間混合した後、カルシウムブロマイド0.170gのメタノール1.35g溶液1.50mLを添加した。30分後、以下の赤外線増感染料プレミックスを添加した。
材料 重量
CBBA 1.520g
増感染料−1 0.006g
MMBI 0.140g
メタノール 4.800g
1.5時間混合した後、ブトヴァールB−79ポリビニルブチラール45.8gを添加した。30分撹拌した後、2−(トリブロモメチルスルホニル)キノリン1.23gおよび1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン(パーマナックス、登録商標)10.06gを添加した。15分後、デスモドゥールN33000.580gの2−ブタノン4.7g溶液5.28gを添加した。15分後、4−メチルフタル酸0.470gおよびテトラクロロフタル酸0.350gを加えた後、さらにフタラジン1.05gを添加した。
以下の方法で、トップコート溶液を調製した。アクリロイド−21(登録商標)ポリメチルメタクリレート4.52gおよびCAB171−15S酢酸セルロースブチレート115gを、2−ブタノン1.236Kg中に溶解するまで混合した。その後、このプレミックス100gに、ベンゾトリアゾール0.090g、ビニルスルホン−1(VS−1)0.25g、および以下の実施例において記載する量の3−ヘテロ芳香族基置換されたアクリロニトリルを加えた。
感度測定:
塗布し乾燥した、上記組成物Aから調製した光熱写真要素を、1.5インチ×11インチ(3.8cm×27.9cm)の試験片にカットした。811nmの光を発光する半導体レーザーを組み込んだレーザー感度計で6秒間露光した。コーティングを、以下の実施例において示す時間、ロール現像機で現像した。
光熱写真要素の感度に適合したフィルターを用いて、特別仕様のコンピューター走査型デンシトメーターで感度測定を行った。この測定は、市販のデンシトメーターから得られる測定結果と同等であると考えられる。
Dminは、現像後の未露光部の濃度である。それは、校正マークの露光面における8個の最も低い濃度の値の平均値である。
Dmaxは、校正マークの露光面における最も高い濃度である。
スピード−2は、Dmin上の濃度1.00に相当する値:Log1/E+4[式中、Eは、露光量(Erg/cm2)を示す。]である。
スピード−3は、Dmin上の濃度2.90に相当する値:Log1/E+4[式中、Eは、露光量(Erg/cm2)を示す。]である。
コントラスト−1は、Dmin上の濃度点0.60と2.00を結んだ線の傾きの絶対値である。
コントラスト−2は、Dmin上の濃度点1.00と2.40を結んだ線の傾きの絶対値である。
コントラスト−3は、Dmin上の濃度点2.40と2.90を結んだ線の傾きの絶対値である。
3−ヘテロ芳香族基置換されたアクリロニトリル化合物は、ヒンダードフェノール現像剤としてパーマナックス(登録商標)を用いたヒンダードフェノール現像剤系で評価した。評価した3−ヘテロ芳香族基置換されたアクリロニトリル化合物は、HET−01およびHET−02であった。これら化合物の構造は、上記の通りである。
実施例1
上記の如く調製したトップコート溶液20gに、以下のうち、1つを添加した。
HET−01:1.65×10-4モル
HET−02(−):1.05×10-4モル
HET−02(+):2.10×10-4モル
パーマナックス(登録商標)現像剤のみを含有する試料を、対照として使用した。
ハレーション防止裏地被覆中にAH−1を含有する7miL(178μm)厚のポリエステル支持体上に光熱写真エマルション層およびトップコート層をデュアルナイフ塗布した。光熱写真エマルション層用の第1ナイフギャップは、支持体から2.5miL(64μm)上に設定し、トップコート層のための第2ナイフギャップを、支持体から3.5miL(89μm)上に設定した。試料は、ブルーM(登録商標)オーブンにおいて180゜F(82.2℃)で4分間乾燥した。
以下に示す感度結果は、3−ヘテロ芳香族基置換されたアクリロニトリル化合物の添加により、ヒンダードフェノール現像剤を含む光熱写真エマルションのコントラスト、スピードおよびDmaxが高まったことを示している。Dmaxが高まると同時に、Dminが抑制されていることも注目すべきである。感度は、高コントラストのハイブリッド湿式ハロゲン化銀エマルションについて計測された値と同等である。
Figure 0003650130
Figure 0003650130
請求の範囲で規定するような本発明の精神または範囲を逸脱することなく、先の記載から適当な改良および変更が可能である。

Claims (5)

  1. (a)感光性ハロゲン化銀、
    (b)非感光性還元性銀発生源、
    (c)銀イオンのための還元剤系、および
    (d)バインダー
    を含む少なくとも1層の感光性画像形成光熱写真エマルション層を有する支持体を含む白黒光熱写真要素であって、還元剤が
    (i)少なくとも1種のヒンダードフェノール、および
    (ii)式:
    Figure 0003650130
    (式中、Rはアリール基または電子吸引基を表し、およびHETは、5−または6員環の非4級環窒素原子を介して結合した5−または6員ヘテロ芳香環基を表し、該ヘテロ芳香環は炭素原子および4個までの窒素原子のみから構成されたものである。)
    で表される少なくとも1種の化合物
    を含有する白黒光熱写真要素。
  2. Rがシアノ、ハロゲン、ホルミル、アルコ キシカルボニル、ヒドロキシカルボニル、メタロキシカ ルボニル、ニトロ、アセチル、パーフルオロアルキル、 アルキルスルホニルおよびアリールスルホニルから成る 群より選ばれ、そして
    HETがピロール環基、ジアゾール環基、トリアゾール環 基またはテトラゾール環基を表す請求項1記載の光熱写 真要素。
  3. (a)紫外線または短波長の可視光を透過する支持体上の請求項1記載の光熱写真要素を、該要素の感光性ハロゲン化銀が感応して潜像を生成する電磁波で露光した後、該要素を加熱して、該要素上に可視画像を形成する工程、
    (b)該可視画像をその上に有する前記要素を、紫外線または短波長の可視光発生源と紫外線または短波長可視光感光性の画像形成媒体との間に配置する工程、および
    (c)その後、前記要素上の可視画像を介して紫外線または短波長の可視光感光性画像形成媒体を紫外線または短波長の可視光で露光することにより、該要素上の可視画像を有する領域内では紫外線または短波長の可視光を吸収し、および該要素上の可視画像を有しない領域内では紫外線または短波長の可視光を透過する工程を含む方法。
  4. (a)非感光性の還元性銀発生源、
    (b)銀イオン用還元剤系、および
    (c)バインダーを含む少なくとも1層の画像形成用 写真エマルション層を有する支持体を含む白黒熱写真要素であって、前記還元剤系が、
    (i)少なくとも1種のヒンダードフェノール、および
    (ii)式:
    Figure 0003650130
    (式中、Rはアリール基または電子吸引基を表し、およびHETは、5−または6員環の非4級環窒素原子を介して結合した5−または6員ヘテロ芳香環基を表し、該ヘテロ芳香環は、炭素原子および4個までの窒素原子のみから構成されたものである。)
    で表される少なくとも1種の共現像剤
    を含有する白黒熱写真要素。
  5. (a)紫外線または短波長の可視光を透過する支持体上の請求項4記載の熱写真要素を加熱して、該要素上に可視画像を形成する工程、
    (b)該可視画像をその上に有する前記要素を、紫外線または短波長の可視光発生源と紫外線または短波長可視光感光性の画像形成媒体との間に配置する工程、および
    (c)その後、該要素上の可視画像を介して、紫外線または短波長の可視光感光性画像形成媒体を紫外線または短波長の可視光で露光することにより、該要素上の可視画像を有する領域内では紫外線または短波長の可視光を吸収し、および該要素上の可視画像を有しない領域内では紫外線または短波長の可視光を透過する工程
    を含む方法。
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