JP3649647B2 - 有機廃棄物の処理方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は嫌気発酵を利用して有機廃棄物を処理する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
嫌気発酵を利用して有機廃棄物を処理する技術は長い歴史があり、多くの従来技術が知られている。例えば、嫌気発酵後の固液混合物を液体と固形分に分離してから、その液体と固形分について適切な処理をする方法について、液体を嫌気発酵槽に返送する技術(特開平9−294969号、特公平6−45034号、特開昭54−146452号)や、固形分を乾燥してコンポスト化する技術(特公昭55−5996号、特開平10−118607号)や、固形分をフラッシュ蒸発してからコンポスト化する技術(特開昭54−124555号、特開昭58−139794号、特開昭58−177200号)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
嫌気発酵を利用した有機物の処理方法においては、コストが安く、動作が安定していて、管理が簡単で、かつ、汚水と固形廃棄物を出さない技術が求められている。上述した従来の処理方法は、個々の技術については有効に機能してはいるが、処理システム全体としてみると、上述のような要求を完全に満たすようなシステムにはなっていない。
【0004】
また、嫌気発酵後の残渣を固液分離する場合に、従来は遠心分離法やプレス法を多く用いているが、これらの方法は固形分の含水量を下げるには効果的であるが、設備が高価で作業管理も難しい。さらに、固液分離後の固形分をコンポスト化するには固形分の更なる乾燥が必要であるが、天日乾燥では、時間がかかるし場所を取り、手間がかかる。また、通常の好気性菌の発酵熱で乾燥させるには酸素を供給する必要があるので、水分調整材を添加する必要があり、コストと体積が増加する。
【0005】
上述の乾燥の問題を解決するには、水分の含有量を多くした状態でフラッシュ蒸発することが有効である。嫌気発酵後の固形分をフラッシュ蒸発したものは、既に易分解性の物質を嫌気性発酵で分解した状態になっているので、炭素に対する窒素とリンの比率が高い良質な有機肥料になっている。しかし、そのまま乾燥して肥料とするには、次の問題がある。嫌気発酵後の固形分をフラッシュ蒸発後してそのまま肥料にすると、これは嫌気状態にあるので酸化還元電位が低くて、肥料として土壌に入ると、土壌中の酸素を奪って、土壌が一時的に嫌気状態になる。したがって、例えば、土壌中の硝酸イオンを窒素に変えてしまい、窒素が発散して減少してしまう。さらに、硫化水素のような嫌気ガスが土壌中に発生して作物に悪影響を及ぼす。
【0006】
ところで、固液分離装置とフラッシュ蒸発装置とを備える有機廃棄物処理システムを考えると、固液分離能装置の処理能力とフラッシュ蒸発装置の処理能力とを等しくする必要がある。これが崩れると、処理システムの連続運転が不可能になる。そこで、固液分離装置の処理能力とフラッシュ蒸発装置の処理能力が等しくなるように処理システムを設計する訳であるが、これらの装置が常に設計通りの能力を発揮するとは限らず、現実のシステムを運用するには、これらの装置の処理能力をマッチングさせることが問題になる。さらに、嫌気発酵では、窒素の相当な部分はアンモニアになり、固液分離装置で分離された固体分をそのまま蒸発工程に送れば、窒素はアンモニアとして揮発してしまい、肥料の有効成分の低下を招く。
【0007】
この発明は、以上のような問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、(1)処理システムから汚水と固形廃棄物を排出しないこと、(2)コストが安く、動作が安定していて、管理が簡単であること、(3)土壌に投入しても問題が生じないような良質の肥料が得られること、(4)固液分離工程とフラッシュ蒸発工程との処理能力の変動誤差を吸収できること、(5)肥料中の窒素の損失を防ぐことにより有効成分の多い肥料が得られること、などを達成できる有機廃棄物の処理方法及び装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る処理方法について、その構成と働きを図1を参照して説明する。この処理システムにおける原料すなわち有機廃棄物10は破砕調整槽12に流入する。この破砕調整槽12では、塊状の有機廃棄物が破砕され、また、水分量が調整される。破砕調整槽12から排出される廃棄物14は嫌気発酵槽16に流入する。嫌気発酵槽16では嫌気発酵によってメタンガス18が発生する。このメタンガス18は脱臭浄化装置20で脱臭浄化されてから発電機22に送られる。脱臭浄化装置20ではメタンガス18に含まれる硫化水素及び二酸化炭素を除去している。発電機22ではメタンガス18を燃焼したときの熱エネルギーを利用して発電する。
【0009】
嫌気発酵槽16から排出される残渣すなわち固液混合物24は固液分離装置26で液体28と固形分30に分離される。固液分離装置26としては、重力沈降式、またはその改良型の傾斜板式、あるいは浮上式のものを使うことができる。これらの構造のものは、低コストで、操作が簡単で、安定運転ができる。また、密閉運転できるのでガス漏れ防止もしやすい。固液分離する際には凝集剤44(例えば、ポリ塩化アルミニウムやポリアクリルアミド)を用いて凝集沈殿を促進させてもよい。固液分離装置26で分離された液体28は、そのすべてが返送経路を経由して嫌気発酵槽16に返送される。なお、返送される液体の一部はpH調整槽46を通ってから嫌気発酵槽16に戻るようになっている。このpH調整槽46は返送液体のpHを10.5〜13.5、好ましくは11〜13、に調整するものであり、pH調整槽46にはpH調整用の水酸化ナトリウム48が投入される。
【0010】
なお、この明細書における「固形分」の用語は、水分を相当量含んでいるスラリー状のものから水分が完全に蒸発したものまでを含む広い概念である。例えば、固液分離装置26で分離された「固形分」は水分を相当量含んでいるスラリー状であり、後述するフラッシュ蒸発のあとの「固形分」は水分がかなり減少した状態である。
【0011】
嫌気発酵槽16と固液分離装置26の両方あるいはいずれか一方には、アンモニアを非揮発性物質に変化させる物質(例えば、リン酸水素カルシウム、過リン酸石灰など)を添加するのが好ましい。その理由は次のとおりである。有機廃棄物に含まれる窒素成分のかなりの部分は、嫌気発酵によってアンモニアになり、このアンモニアは揮発して固形分から窒素分が失われやすい。したがって、固液分離装置26で分離された固形分30をそのまま酸化槽以降の工程に送ると、酸化段階や加熱段階、乾燥段階などでアンモニアが揮発して、最終的に得られる肥料中の窒素分が低下するおそれがある。そこで、アンモニアが揮発するのを防ぐために、上述のように、嫌気発酵槽16と固液分離装置26の少なくとも一方に、リン酸系の物質を添加するのが好ましい。リン酸水素カルシウムや過リン酸石灰などのようなリン酸系物質を添加することにより、アンモニアは、リン酸水素アンモニウムとリン酸二水素アンモニウムになる。その結果、肥料中に、窒素分がそのまま残ると共に、リンも肥料中に含まれることになり、好都合である。なお、アンモニアを非揮発性物質に変化させるためには、強酸化剤を使って酸化させて硝酸の形態に変換することも考えられるが、強酸化剤のコストが高くつき、また、その後の工程に悪影響を与えるおそれがあるので、好ましくない。
【0012】
固液分離装置26から排出されるスラリー状の固形分30は、バッファタンクを兼用した酸化槽32に送られる。酸化槽32では、通常の散気管を用いて、スラリー状の固形分30に空気34を吹き込んでいる。この吹き込みにより、スラリーの撹伴作用も伴う。次亜塩酸ソーダのような酸化剤を併用してもよい。酸化槽32での曝気によって、固形分の水分量を減らしながら、固形分の酸化還元電位がプラス状態になるようにしている。なお、この酸化槽32では、微生物反応による処理はしていない。この酸化槽32はバッファタンクを兼用している。バッファタンクとしての酸化槽32の容積は、必要容積の1.5倍以上を確保するのが好ましい。ここで、酸化槽32の必要容積とは、「固液分離装置26から加熱装置50に至るまでの経路に流通する固形分の通常の流量」に「酸化槽32で酸化処理に要する平均的な時間」を掛けたものである。酸化槽32がこのような大きな容積を備えることにより、この酸化槽32は、固液分離装置26の処理能力と、後述するフラッシュ蒸発装置の処理能力との変動誤差を吸収するためのバッファ機能を果たすことになる。例えば、固液分離装置26から排出される固形分30の流量が、フラッシュ蒸発装置54の処理能力を一時的に上回った場合には、その差分は、酸化槽32に一時的に滞留することになる。このように、酸化槽32にバッファ機能をもたせることによって、酸化槽32の前工程と後工程との間での処理能力の一時的な変動を吸収することができる。
【0013】
なお、図1の例では、酸化槽とバッファタンクを兼用させているが、両者を別個に設けてもよい。その場合は、酸化槽32の直前(すなわち、固液分離装置26と酸化槽の間)あるいは酸化槽32の直後(すなわち、酸化槽32と加熱装置50の間)にバッファタンクを設けることができる。
【0014】
酸化槽32から排出される空気36は、固形分を通過したことにより嫌気発酵に由来する臭気を相当含んでいるので、脱臭装置38で脱臭して、ほぼ無臭の空気40にしてから大気中に放出している。
【0015】
酸化槽32から排出された固形分42は加熱装置50で加熱される。この加熱装置50は、後述するフラッシュ蒸発装置54のために、固形分42をあらかじめ加熱するためのものである。加熱装置50で使用する熱エネルギーとしては、発電機22から得られるエネルギー23(すなわち、嫌気発酵槽で発生したメタンガスに由来するエネルギーである)を利用している。発電機22から得られるエネルギー23の形態としては、メタンガスを燃焼したときの高温の排ガスや、この排ガスで加熱された温水や、発電機22で発生した電力などが挙げられる。排ガスや温水を用いる場合は、これを加熱装置50に導いて、加熱装置50内の固形分と熱交換させればよい。電力を用いる場合は、この電力で電気ヒータを加熱したり、マイクロ波加熱をしたりできる。このように、この処理システム内で発生したエネルギーを加熱装置50のエネルギー源としている。
【0016】
加熱装置50で加熱された固形分52はフラッシュ蒸発装置54でフラッシュ蒸発処理される。これにより、固形分52中の水分が蒸発する。蒸発した水分56は気体の状態で大気中に放出されるか、あるいは凝縮されて凝縮水として放出される。凝縮水には汚染物質はあまり含まれていないので、凝縮水としてシステム外に排出しても、この処理システムから汚水が排出されることにはならない。フラッシュ蒸発装置54からの排出物は良質の有機質肥料58になる。この肥料58は、酸化槽32によって酸化還元電位がプラス状態に変換されているので、そのまま土壌にまいても問題がない。
【0017】
なお、フラッシュ蒸発装置54から放出される気体は、かなり高温になっているので、これを加圧ポンプによって加熱装置50や嫌気発酵槽16、酸化槽兼バッファタンク32、pH調整槽46に供給して、これらの加熱源として利用することもできる。
【0018】
以上説明したように、この処理システムでは、システムの外部に汚水や固形廃棄物が一切排出されない。この処理システムから出てくるものは、脱臭装置38から出てくる湿気を帯びた空気40と、フラッシュ蒸発装置44から出てくる水分56(水蒸気または凝縮水の形で出てくる)と、有機質肥料58と、脱臭浄化装置20から出てくる硫黄及び二酸化炭素21と、メタンガス18中の水分(通常、凝縮水として排出される。図示していない)と、発電機22から出てくるメタンガスの燃焼排ガスくらいである。このシステムに流入してくる水分は、最終的に、水蒸気の状態で空気中に放出される(一部が凝縮水の形で出てくる)か、あるいは、有機質肥料58中に含まれた状態で排出される。また、このシステムに流入してくる固体分は、有機質肥料58のほかに、メタンガス、二酸化炭素、硫化水素、水などに生まれ変わる。
【0019】
次に、この発明の変更例を図2を参照して説明する。この図2は、図1のフラッシュ蒸発装置54以後の工程として、さらに乾燥工程を追加したものである。この追加の乾燥工程により、この処理システムから排出される固形分(肥料)はさらに乾燥度が高まる。
【0020】
図2(A)は、乾燥工程として熱風乾燥装置60を用いるものである。加熱装置から排出された固形分52がフラッシュ蒸発装置54でフラッシュ蒸発処理されるところまでは図1に示す発明と同じである。フラッシュ蒸発装置54から排出された固形分62は熱風乾燥装置60に送られる。熱風乾燥装置60では熱風64が固形分62に吹き付けられて、固形分62が乾燥する。熱風乾燥装置60からは湿気を含んだ熱風65が排出され、固形の排出物は有機質肥料66となる。この熱風乾燥装置60に供給する熱風64の加熱源としては、図1の加熱装置50の場合と同様に、発電機22から得られるエネルギー23を用いることができる。
【0021】
図2(B)は、乾燥工程としてマイクロ波乾燥装置68を用いるものである。フラッシュ蒸発装置54から排出された固形分62はマイクロ波乾燥燥装置68に送られる。マイクロ波乾燥装置68ではマイクロ波が固形分62に照射されて固形分62が乾燥する。マイクロ波を発生させる電気エネルギーとしては、図1の発電機22から得られるエネルギー23(この場合は電力としてのエネルギー)を用いることができる。マイクロ波乾燥装置68からは水蒸気70が放出され、固形の排出物は有機質肥料66となる。なお、マイクロ波乾燥装置68を図1の加熱装置50の手前に配置してもよい。すなわち、マイクロ波乾燥装置68で固形分を加熱乾燥したあとに、加熱装置50で加熱してフラッシュ蒸発装置54でフラッシュ蒸発することで肥料58を得る、という手順にしてもよい。
【0022】
図2(C)は、乾燥工程として第2のフラッシュ蒸発装置72を用いるものである。フラッシュ蒸発装置54から排出された固形分62は第2の加熱装置74に送られ、ここで加熱された固形分76が第2のフラッシュ蒸発装置72に送られる。第2のフラッシュ蒸発装置72では固形分76がさらにフラッシュ蒸発処理される。第2のフラッシュ蒸発装置72からは水分78が水蒸気または凝縮水の形で排出され、固形の排出物は有機質肥料66となる。
【0023】
上述の追加の乾燥装置(図2に示したような例)で発生した水蒸気は、加圧ポンプを用いて、加圧、加温することで、別の工程の加熱源とすることができる。
【0024】
【実施例】
実施例1
図1の処理システムにおいて、バッファタンクを兼用する酸化槽32では、散気管で空気34を槽内に導入して、固液分離装置26の発酵残渣すなわち固形分30を3時間曝気した。これにより、固形分30の酸化還元電位をプラス状態にした。その後、酸化槽32から排出した固形分42を加熱装置50に送って、170〜200℃の熱風で30〜40分間、間接加熱した。それから、加熱された固形分52をフラッシュ蒸発装置54に送って、固形分52の水分を減らして濃縮した。さらに、図2(A)に示すように、フラッシュ蒸発装置54で濃縮された固形分62を熱風乾燥装置60で200〜300℃の熱風で乾燥して、取り扱いの容易な有機質肥料66を得た。
【0025】
実施例2
図1の処理システムにおいて、固液分離装置26で分離した液体28は、pH調整槽46に間欠的に送った。pH調整槽46では、活性ソーダ液でpHを12.5〜13に調整して、40〜50℃で2時間維持することにより、微生物細胞の溶解処理をした。その後、pH調整槽46の液体を定量ポンプで嫌気発酵槽16に返送した。その際、嫌気発酵槽16に設けたpHセンサの出力に応じて定量ポンプのオン・オフをコントロールした。
【0026】
バッファタンクを兼用する酸化槽32では、散気管で空気34を槽内に導入して、固液分離装置26の発酵残渣すなわち固形分30を2〜3時間曝気した。これにより、固形分30の酸化還元電位をプラス状態にした。その後、酸化槽32から排出した固形分42を加熱装置50に送って、145〜160℃のスチームで40〜50分間、間接加熱した。それから、加熱された固形分52をフラッシュ蒸発装置54に送って、固形分52の水分を減らして濃縮した。さらに、図2(C)に示すように、フラッシュ蒸発装置54で濃縮された固形分62を、第2の加熱装置74において170〜200℃の熱風で加熱してから、第2のフラッシュ蒸発装置72に送って、さらに蒸発乾燥させた。第2のフラッシュ蒸発装置72からは、取り扱いの容易な有機質肥料66を得た。また、第2のフラッシュ蒸発装置72で生じた水蒸気78は、加圧ポンプで150℃の過熱水蒸気として、これを図1の酸化槽32とフラッシュ蒸発装置54の加熱源とした。
【0027】
実施例3
図1の処理システムにおいて、固液分離装置26で分離した液体28は、上述の実施例2と同様な方法で、pH調整槽46を経由して嫌気発酵槽16に返送した。固液分離装置26では凝集剤44としてポリ塩化アルミニウムを定量ポンプで添加して凝集を促進させた。バッファタンクを兼用する酸化槽32では、発電機22における燃焼排ガスと空気との混合ガスを散気管で槽内に導入して、固液分離装置26の発酵残渣すなわち固形分30を3〜5時間曝気した。これにより、固形分30の酸化還元電位をプラス状態にするとともに、水分の蒸発を促進した。その後、酸化槽32から排出した固形分42を加熱装置50に送って、145〜160℃のスチームで40〜50分間、間接加熱した。それから、加熱された固形分52をフラッシュ蒸発装置54に送って、蒸発乾燥させ、取り扱いの容易な有機質肥料58を得た。また、フラッシュ蒸発装置54で生じた水蒸気56は、加圧ポンプで150℃の過熱水蒸気として、これを酸化槽32とpH調整槽46の加熱源とした。
【0028】
【発明の効果】
この発明の有機廃棄物の処理方法は、次のような効果がある。(1)処理システムの外部に汚水や固形廃棄物を一切排出しないので、環境に負荷をかけることがない。(2)発酵残渣を酸化槽で酸化させることで酸化還元電位をプラス状態にしているので、最終的に得られる肥料を直接土壌にまいても問題がない。(3)固液分離装置とフラッシュ蒸発装置の間にバッファタンクを設けているので、固液分離装置とフラッシュ蒸発装置の間での処理能力の一時的な変動をバッファタンクで吸収でき、処理システムの連続運転が容易になる。(4)必要に応じて、フラッシュ蒸発処理のあとにさらに乾燥工程を追加しているので、水分量の減少した取り扱いの容易な肥料が得られる。(5)嫌気発酵で発生したメタンガスに由来するエネルギーを利用して、処理システムの各種のエネルギー源とすることができるので、外部からのエネルギーをあまり必要としない。(6)嫌気発酵工程または固液分離工程においてリン酸系物質を添加すれば、得られる肥料中の窒素の損失を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の処理方法の工程系統図である。
【図2】追加の乾燥工程を示す工程系統図である。
【符号の説明】
10 有機廃棄物
12 破砕調整槽
16 嫌気発酵槽
18 メタンガス
20 脱臭浄化装置
22 発電機
26 固液分離装置
32 酸化槽兼バッファタンク
38 脱臭装置
46 pH調整槽
50 加熱装置
54 フラッシュ蒸発装置
58 肥料

Claims (18)

  1. 次の段階を有する有機廃棄物の処理方法。
    (a)有機廃棄物を嫌気発酵槽で嫌気発酵させる段階。
    (b)前記嫌気発酵槽から排出された固液混合物を固液分離装置で液体と固形分に分離する段階。
    (c)前記固液分離装置で分離された液体のすべてを前記嫌気発酵槽に返送する段階。
    (d)前記固液分離装置で分離された固形分を酸化槽で酸化させて固形分の酸化還元電位をプラス状態にする段階。
    (e)前記酸化槽から排出された固形分を加熱装置で加熱する段階。
    (f)前記加熱装置から排出された固形分をフラッシュ蒸発装置でフラッシュ蒸発処理して固形分の水分を減らす段階。
  2. 請求項1に記載の処理方法において、前記固液分離装置と前記フラッシュ蒸発装置の間にバッファタンクを配置して前記固液分離装置の処理能力と前記フラッシュ蒸発装置の処理能力の変動を吸収させることを特徴とする処理方法。
  3. 請求項2に記載の処理方法において、前記酸化槽に前記バッファタンクの機能を兼用させることを特徴とする処理方法。
  4. 請求項1に記載の処理方法において、前記嫌気発酵槽と前記固液分離装置の少なくとも一方にリン酸系の物質を添加することを特徴とする処理方法。
  5. 請求項1に記載の処理方法において、前記フラッシュ蒸発装置から排出された固形分をさらに追加の乾燥装置で乾燥処理することを特徴とする処理方法。
  6. 請求項5に記載の処理方法において、前記フラッシュ蒸発装置から排出された固形分を第2のフラッシュ蒸発装置でフラッシュ蒸発処理することによって乾燥処理することを特徴とする処理方法。
  7. 請求項5に記載の処理方法において、前記フラッシュ蒸発装置から排出された固形分をマイクロ波加熱装置で加熱することによって乾燥処理することを特徴とする処理方法。
  8. 請求項5に記載の処理方法において、前記フラッシュ蒸発装置から排出された固形分を熱風乾燥装置で乾燥処理することを特徴とする処理方法。
  9. 請求項1または5に記載の処理方法において、前記フラッシュ蒸発装置または前記追加の乾燥装置から排出される水蒸気を加圧ポンプで過熱水蒸気にしてから、これを、ほかの装置の加熱源として利用することを特徴とする処理方法。
  10. 請求項1に記載の処理方法において、前記固液分離装置で分離された液体の少なくとも一部を、水酸化ナトリウムによってpHが10.5〜13.5に調整されたpH調整槽を経由して、前記嫌気発酵槽に返送することを特徴とする処理方法。
  11. 請求項1または10に記載の処理方法において、前記固液分離装置は重力沈降式、傾斜板式及び浮上式のいずれかの方式の固液分離装置であり、この固液分離装置に凝集剤を添加することで固液分離を促進することを特徴とする処理方法。
  12. 請求項1に記載の処理方法において、前記加熱装置において、前記嫌気発酵槽で発生したメタンガスに由来するエネルギーを利用して固形分を加熱することを特徴とする処理方法。
  13. 次の構成を有する有機廃棄物の処理装置。
    (a)有機廃棄物を嫌気発酵させる嫌気発酵槽。
    (b)前記嫌気発酵槽から排出された固液混合物を液体と固形分に分離する固液分離装置。
    (c)前記固液分離装置で分離された液体のすべてを前記嫌気発酵槽に返送する返送経路。
    (d)前記固液分離装置で分離された固形分を酸化させて固形分の酸化還元電位をプラス状態にする酸化槽。
    (d)前記酸化槽から排出された固形分を加熱する加熱装置。
    (e)前記加熱装置で加熱された固形分をフラッシュ蒸発処理して固形分の水分を減らすフラッシュ蒸発装置。
  14. 請求項13に記載の処理装置において、前記固液分離装置と前記フラッシュ蒸発装置の間に、前記固液分離装置の処理能力と前記フラッシュ蒸発装置の処理能力の変動を吸収させるバッファタンクを配置したことを特徴とする処理装置。
  15. 請求項14に記載の処理装置において、前記酸化槽に前記バッファタンクの機能を兼用させることを特徴とする処理装置。
  16. 請求項13に記載の処理装置において、前記フラッシュ蒸発装置から排出された固形分をさらに乾燥処理する乾燥装置を有することを特徴とする処理装置。
  17. 請求項16に記載の処理装置において、前記乾燥装置は、第2のフラッシュ蒸発装置とマイクロ波加熱装置と熱風乾燥装置のいずれかであることを特徴とする処理装置。
  18. 請求項13に記載の処理装置において、前記固液分離装置から排出された液体の少なくとも一部がpH調整槽に流入し、このpH調整槽から排出された液体が前記嫌気発酵槽に返送されることを特徴とする処理装置。
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