JP3648610B2 - ゲーム機の景品払い出し装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の景品カプセルをストックし、規定条件をクリアした遊技者にその景品を払い出すゲーム機の景品払い出し装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のゲーム機の景品払い出し装置は、図9に示すように、景品カプセル1を補充する補充口11が、景品ストック部2の上部に設けられており、補充口11から景品カプセル1を落下させることにより縦方向に積み上げて補充作業を行っていた。
【0003】
また、景品カプセル1の払い出しは、景品カプセル1が景品ストック部2に複数個ストックされ、そのストックされた最下部の景品カプセル1aを押出し装置12で押し出すことにより、景品カプセル1aを遊技者側へ払い出していた。
【0004】
次に押出し装置12が最下部の景品カプセル1aを払い出した後に元の位置に戻る。すると、最下部の景品カプセル1a分のスペースが空くので、次回に払い出される最下部の景品カプセル1aの一つ上にある景品カプセル1bは、最下部の景品カプセル1aのあった位置まで落下し、最下部の景品カプセル1aと同じ位置でストックされる。そして、景品カプセルの払い出しがこの一連の動作の繰り返しにより適時行われていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した従来のゲーム機の景品払い出し装置は、景品カプセル1の補充口11が景品ストック部2の上部に設けられているため、補充口11の位置が補充する側から見て高い位置であったりすると、その位置において作業しなければならず、景品カプセル1の補充作業に多大な労力を要していたという問題があった。
【0006】
また、前述した従来のゲーム機の景品払い出し装置は、景品カプセル1を補充口に入れ落として補充するため、先に補充してある景品カプセルと入れ落とした景品カプセルとが衝突し、景品カプセルの落下する距離とその重量により、カプセル同士で割れ等が生じる可能性があった。
【0007】
さらに、前記ゲーム機の景品払い出し装置において、最下部の景品カプセル1aの払い出しが終わると、次回に払い出される景品カプセル1bは、最下部の景品カプセル1aの位置まで落下する。その結果、景品カプセル1bは、景品カプセルをストックする景品ストック部2の底面に衝突するので、その底面までの落下距離と景品カプセル1の重量により、割れ等が生じる可能性があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、複数の景品カプセルをストックし、重力によって移動させ、最下部の景品カプセルを払い出すゲーム機の景品払い出し装置であって、前記景品カプセルが一列に配列され、一方側に前記景品カプセルの配列ピッチごとに前記景品カプセルが挿入される挿入口を有する景品ストック部と、前記景品ストック部の前記各挿入口の間に設けられ、前記景品カプセルが飛び出すのを防止するストッパ部と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
請求項に係る発明は、請求項1に記載のゲーム機の景品払い出し装置において、最下部以外の景品カプセルを押さえながら前記最下部の景品カプセルを排出し、前記最下部以外の景品カプセルを排出位置まで保持しながら移動させる排出部を備えたことを特徴としている。
【0011】
請求項に係る発明は、請求項に記載のゲーム機の景品払い出し装置において、前記排出部は、複数の羽部材を有し、前記各羽部材間に前記景品カプセルを保持しながら回転することを特徴としている。
【0012】
請求項に係る発明は、請求項に記載のゲーム機の景品払い出し装置において、前記排出部は、前記羽部材の先端に前記カプセルとの接触抵抗を低減させるスムーサ部を備えたことを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について、さらに詳しく説明する。図1は、本発明によるゲーム機の景品払い出し装置を適用したゲーム機を示す外観斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態のゲーム機の景品払い出し装置を示す断面図であり、図2(a)は平面図、図2(b)は正面図である。
【0014】
図1又は図2に示すように、本発明のゲーム機の景品払い出し装置は、複数の景品カプセル1をストックする景品ストック部2と、その景品カプセル1をストックした際に景品ストック部2からカプセルが飛び出さないように設けられたストッパ部3と、景品カプセル1を遊技者側へ適時払い出す排出部4と、その排出部4を駆動するモータ10と、景品ストック部2の景品カプセル1を補充する側に設けられたドア部7とによって構成される。
さらに、景品カプセルのストック残量と払い出しの完了を検査するセンサ9が設けられている。
【0015】
景品カプセル1は、球形状であり、半透明のアクリル樹脂等からなる。この景品カプセル1は、半透明なので、異なる形状の景品を景品カプセル1に収容しても、その中にどのような景品が入っているかは、遊技者にとっては判断可能となる。
【0016】
景品ストック部2は、図1に示すように遊技者側から見える位置にあり、本発明が適用されるゲーム機の両脇に設けられている。
また図2(b)に示すように、景品カプセル1の挿入口8が景品カプセル1の配列ピッチごとに設けられている。景品カプセル1は、この挿入口8へ配列ピッチごとに挿入される。それゆえ、景品カプセル1の数回の払い出し後に生じる不足をゲーム機の正面側から補うことができる。
【0017】
また、景品ストック部2は、前述のように配列ピッチごとに補充するので、複数の景品カプセル1を縦一列に配列することになる。
景品カプセル1をこのように配列することにより、遊技者はそれぞれ異なった形状の景品が入った景品カプセル1の中身を観察できる。その結果、遊技者へのアイキャッチ効果を得ることができる。
【0018】
ストッパ部3は、景品カプセル1をストックするときに、景品カプセル1の飛び出しを防止するための部材であり、配列ピッチ間隔で設けられている。このストッパ部3を設けることにより、ストックされた景品カプセル1は、景品ストック部2から転がり落ちることなく保存される。
また、ストッパ部3も遊技者側から観察できる位置にあるので、景品カプセル1と同じく、半透明のアクリル樹脂等によって作成した棒形状のものが用いられる。
【0019】
排出部4は、景品ストック部の底部に設けられ、遊技者が規定条件をクリアすると、景品カプセルを遊技者に排出するための装置である。
また、景品カプセルを排出しながら、次回排出する景品カプセルを排出位置まで保持しながら移動させる。
【0020】
ドア部7は、透明アクリル板等によって作成した景品ストック部2を覆うカバーである。
このドア部7は、景品カプセル1の補充する側に設けられており、補充時に取り外しができるようになっている。
このドア部7を取り外して景品カプセル1の不足分を配列ピッチごとに補充することになる。
【0021】
図3は、景品カプセルを排出する排出部4をさらに詳しく説明するのに用いる図2(b)のA−A断面図である。
この排出部4は、3枚の羽からなる羽部材5と、各羽の先端に設けられたスムーサ部6とによって構成されている。
この排出部4を回転動作させるためにモータ10が用いられている。
また、羽部材5には、羽と羽との間に、景品カプセル1を収容するカプセル収容部13が3箇所設けられている。
【0022】
排出部4は、図3に示すように、カプセル収容部13の一つであるカプセル収容部13aに、排出される景品カプセル1aを収容しながら次回に排出される景品カプセル1bを羽部材5aの先端で保持する。
この排出部4は、一定の間隔をもって回転することにより、収容した景品カプセル1aを排出口に送り出す構造である。
それと同時に、排出部4は、次回払い出す景品カプセル1bを、羽部材5aの先端の位置からカプセル収容部13bの位置まで緩やかに収容する。
この排出部4の回転動作と、景品カプセル1の移動の繰り返しにより、景品カプセル1は、遊技者側へ適時払い出される。
【0023】
また、スムーサ部6は、羽部材5の先端に設けられており、前述した回転動作のときに、羽部材5と景品カプセル1が接する接触面の摩擦抵抗を低減する役割をはたすものである。このスムーサ部6には、景品カプセル1と羽部材5の接触面の滑りをよくするために、先端部にローラー又は滑りを良くする樹脂等からなる被覆層が用いられる。
【0024】
図4の(a),(b),(c),(d)は、排出部4の回転動作の開始から、次回払い出される景品カプセルを保持するまでの状態を示す図である。
【0025】
まず、図4(a)の排出部4は、景品カプセル1aを排出する回転動作の開始時が示されている。この排出部4は、排出される景品カプセル1aを収容しながら、次回排出されるカプセル1bを保持している。
【0026】
つぎに、図4(b)に示す排出部4は、景品カプセル1aを排出しながら、次回排出される景品カプセル1bを保持している。
【0027】
さらに、図4(c)に示す排出部4は、景品カプセル1aの排出を完了し、次に排出される景品カプセル1bを保持している。
【0028】
さらにまた、図4(d)に示す排出部4は、120°まで回転した状態であり、次回排出される景品カプセル1bを収容しながら、さらに次に排出されるカプセル1cを保持している。
【0029】
ここで、センサ10aは、排出部4が回転動作開始時から120°まで回転したのを確認し、その確認と同時に、排出部4を停止させる装置である。
このように、排出部4が回転動作開始時から120°まで回転し、停止することで、複数の景品カプセル1を緩やかに、かつ、スムーズに移動させることができる。
【0030】
図5(a)〜(c)は、景品カプセル1を景品ストック部2に補充する手順を示した図である。
この手順において、図5(a)は、景品ストック部からドア部7を取り外し、景品カプセル1の配列されるピッチごにと設けられた挿入口8に、景品カプセル1が挿入されることによって補充されるのを示している。
【0031】
つぎに、図5(b)は、ストッパ部3により、一列に配列された景品カプセル1が飛び出さない状態を示している。
【0032】
さいごに、図5(c)は、取り外したドア部7を元に戻すことにより、景品カプセル1の補充作業が完了する状態を示している。
【0033】
(第2の実施形態)
図6(a)は、本発明の第2実施形態であるゲーム機の景品払い出し装置の構成を示す平面図であり、図6(b)はこのゲーム機の景品払い出し装置の構成を示す正面図である。
なお、以降の各実施形態の説明では、第1実施形態と相違する部分のみを説明し、共通する部分については、同一の図中符号を付すことによって、それらの説明を省略する。
【0034】
本実施形態が第1実施形態と相違する部分は、ストッパ部3−1の形状と、排出部4−1の構造である。このストッパ部3−1及び排出部4−1をより具体的に説明する。
【0035】
第2実施形態におけるストッパ部3−1は、棒形状ではなく、半円形状に変更したものである。
ストッパ部3−1の形状をこのように変更することにより、遊技者側からの観察を遮る部分が少なくなり、景品カプセル1の観察がよりしやすくなるので、遊技者へのアイキャッチ効果が増すという効果を得ることができる。
また、ストッパ部3−1を半円形状にすることにより、ストッパ部3−1のピッチが変わらないという効果も得ることができる。
【0036】
また、第2実施形態における排出部4−1を図7において詳しく説明する。
図7は、第2実施形態における排出部4−1の構造を示す図6のB−B断面図である。
排出部4−1は、第1実施形態において3枚の羽部材であったものを、4枚の羽部材に変更したものである。
【0037】
次に、この排出部4−1の回転動作を図8に示す。
図8(a)〜(d)は、排出部4−1の回転動作の開始から、次回払い出される景品カプセル1bを保持するまでの状態を示すものであり、排出部4−1が90°回転するまでを示している。
【0038】
この回転動作は第1実施形態と同一であるが、排出部4−1の羽部材5−1を4枚に変更したことで、センサ10bによる排出部4−1の停止位置は、90°となる。
【0039】
その結果、羽部材5−1と景品カプセル1との接触回数が多くなり、保持するカプセル収容部11が4箇所に増えることとなるので、景品カプセル1の移動がスムーズになり、景品カプセル1の割れ等がさらに生じにくいという効果を得ることができる。
【0040】
(変形形態)
以上、説明した各実施形態では、景品カプセルを球形状としたが、本発明にかかるゲーム機の景品払い出し装置はこのような形態のみに限定されるものではなく、景品ストック部にストック可能な大きさで景品カプセルの形状を筒形状に替えて用いてもよい。
【0041】
また、本実施形態では、景品ストック部2は設置面に対して垂直に設けられているが、本発明のゲーム機の景品払い出し装置は、このような形態に限定されるものではなく、例えば、設置面に対して、後方に傾斜して設けてもよい。
その結果、ストッパ部を設けなくとも景品カプセルの飛び出しを防止でき、かつ、遊技者へのアイキャッチ効果も維持できる。
【0042】
さらに、本実施形態では、ストッパ部を棒形状あるいは、半円形状のものを用いていたが、この形態に限定されることなく、例えば、半楕円形状,三角形状,又は四角形状等でもよい。
【0043】
さらにまた、本実施形態では、景品カプセルの補充口を本発明を適用するゲーム機の正面側に設けたが、本発明はそのような形態のみに限定されるものではなく、そのゲーム機の側面、背面側に設けてもよい。
【0044】
【発明の効果】
このように、請求項1の発明によれば、上部からの落下による補充ではなく、景品カプセル1を一方の側面あるいは正面からの挿入による補充なので、補充者側の高さ位置に影響されることなく、景品カプセル1の補充作業が容易となる。また、上部から落下による補充により生じるおそれがあった景品カプセル1の割れ等を防ぐことができる。
また、景品カプセル1の形状が、球形状又は円筒形状であっても、ストッパ部3を備えているので、景品カプセル1の飛び出しを防ぐことができる
【0046】
さらに、請求項の発明によれば、最下部以外の景品カプセル1bを押さえながら最下部の景品カプセル1aを排出し、その最下部以外の景品カプセル1bを排出位置まで保持しながら移動させる排出部4を備えているので、景品カプセル1の排出をスムーズに行うことができる。
【0047】
さらにまた、請求項の発明によれば、排出部4は、複数の羽部材5を有し、各羽部材間に景品カプセル1を保持しながら回転することを特徴とするので、景品カプセル1の移動が緩やかになり、景品カプセル1の払い出しのときに生じるおそれがあった割れ等を防ぐことができる。
【0048】
さいごに、請求項の発明によれば、排出部4は、羽部材5の先端に景品カプセル1との接触抵抗を低減させるスムーサ部6を備えているので、排出部4の回転動作と、景品カプセル1の移動をよりスムーズに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるゲーム機の景品払い出し装置を適用したゲーム機を示す外観斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態のゲーム機の景品払い出し装置を示す断面図であり、図2(a)は平面図、図2(b)は正面図である。
【図3】本発明の第1実施形態における景品カプセル排出部4を説明する図2(b)のA−A断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態における景品カプセル排出部4の回転動作の動きを示した図である。
【図5】本発明の第1実施形態において、景品カプセル1を景品ストック部2に補充する手順を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態であるゲーム機の景品払い出し装置の構成を示す図であり、図6(a)は平面図、図6(b)は正面図である。
【図7】本発明の第2実施形態である排出部4−1の構造を示す図6のB−B断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態における景品カプセル排出部4−1の回転動作の動きを示した図である。
【図9】ゲーム機の景品払い出し装置の従来例を示した断面図である。
【符号の説明】
1 景品カプセル 9 センサ
2 景品ストック部 10 モータ
3 ストッパ部 10a モータセンサ
4 排出部 11 補充口
5 羽部材 12 押出し装置
6 スムーサ部 13 カプセル収容部
7 ドア部
8 挿入口

Claims (4)

  1. 複数の景品カプセルをストックし、重力によって移動させ、最下部の景品カプセルを払い出すゲーム機の景品払い出し装置であって、
    前記景品カプセルが一列に配列され、一方側に前記景品カプセルの配列ピッチごとに前記景品カプセルが挿入される挿入口を有する景品ストック部と
    前記景品ストック部の前記各挿入口の間に設けられ、前記景品カプセルが飛び出すのを防止するストッパ部と、
    を備えたことを特徴とするゲーム機の景品払い出し装置。
  2. 請求項1に記載のゲーム機の景品払い出し装置において、
    最下部以外の景品カプセルを押さえながら前記最下部の景品カプセルを排出し、前記最下部以外の景品カプセルを排出位置まで保持しながら移動させる排出部を備えたこと
    を特徴とするゲーム機の景品払い出し装置。
  3. 請求項に記載のゲーム機の景品払い出し装置において、
    前記排出部は、複数の羽部材を有し、前記各羽部材間に前記景品カプセルを保持しながら回転すること
    を特徴とするゲーム機の景品払い出し装置。
  4. 請求項に記載のゲーム機の景品払い出し装置において、
    前記排出部は、前記羽部材の先端に前記景品カプセルとの接触抵抗を低減させるスムーサ部を備えたこと
    を特徴とするゲーム機の景品払い出し装置。
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