JP3648414B2 - 交流電源装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば出力電圧を一定に制御する交流電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から用いられている交流電源装置は、複数の電力変換器を互いに並列に接続して構成される。そして、交流電源装置は、各々の電力変換器の運転方式によって、電流制御をべ一スに運転を行う電流制御方式と、電圧制御をべ一スに運転を行う電圧制御方式とに大別される。
【0003】
図19は、この種の従来から用いられている電流制御方式の交流電源装置の一例を示す回路構成図である。
【0004】
すなわち、図19に示すように、蓄電池や1次電池、もしくは整流器などによって構成される直流電源1a〜1cから供給される直流電圧は、互いに並列に接続された複数(図19では3台)の電力変換器2a〜2cに供給され、そこで交流電圧に変換された後、出力母線16a〜16cを介して出力される。
【0005】
更にこの交流電圧は、出力母線16a〜16cの途中に設けているフィルタリアクトル3a〜3cと、出力母線16a〜16cから分岐接続している分岐線17a〜17c上に設けているフィルタコンデンサ4a〜4cによって、フィルタ効果でキャリア周波数成分が除去される。
【0006】
その後、この交流電圧は、出力母線16a〜16cの途中に設けている連系リアクトル5a〜5cを介して、各電力変換器2a〜2cに共通の共通出力母線6に送られる。更にそれらの出力は、共通の出力線7を介して負荷母線8に送られることによって、負荷母線8に接続された負荷9a〜9dに電力が供給される。
【0007】
ここで、フィルタリアクトル3a〜3c、または連系リアクトル5a〜5cのいずれかには、変圧器が用いられる場合もある。この場合には、連系リアクトル5a〜5cは省略されることもある。
【0008】
出力線7を流れる負荷電流は、全負荷電流検出器10により検出された後、分配器11により並列台数分の1に除されて(図19の場合1/3)、各電力変換器2a〜2cに分配される。各電力変換器2a〜2cの制御器12a〜12cは、各々の変換器電流検出器13a〜13cによって検出される出力電流が、分配器11によって分配された値となるように制御を行う。
【0009】
ただし、各電力変換器2a〜2cが独立に電流制御を行った場合、出力電圧が一定値になる保証は無い。そこで、これを防止して出力電圧を一定に保つために、出力電圧検出器14a〜14cの信号も制御器12a〜12cの内部に取り込み、電圧指令値からずれた分を補正するように、各電力変換器2a〜2cの出力電流を調整する。
【0010】
なお、全負荷電流検出器10を用いる代わりに、各電力変換器2a〜2cの出力電流検出器15a〜15cの和をとって、代用することもできる(公知例:平成3年電気学会産業応用部門全国大会予稿集108頁)。
【0011】
一方、図20は、従来から用いられている電圧制御方式の交流電源装置の一例を示す回路構成図である。
【0012】
すなわち、図20に示すように、各制御器12a〜12cは出力電圧検出器14a〜14cにより得られる出力電圧が一定値となるように制御を行う。また、変換器電流検出器13a〜13cの信号は、各制御器12a〜12cを安定に動作させるための補助信号として使用される。
【0013】
各制御器12a〜12cが独立に電圧制御を行うと、互いの電力変換器2a〜2cの間で横流が発生し、過大な電流が電力変換器2a〜2cに流れる恐れがある。そこで、これを抑制するために、各電力変換器2a〜2cの制御器12a〜12cは、自機のみでなく他機の出力電流検出器15a〜15cの出力をリアルタイムで受け取り、自機の出力電力と他機の出力電力との有効分および無効分の差を演算して、自機の出力電圧振幅や周波の調整を行なうことにより、横流の発生を防止するようにしている。
【0014】
従って、図20に示す電圧制御方式の交流電源装置の構成は、出力線7を流れる負荷電流を検出する全負荷電流検出器10と、それに接続されている分配器11とを不要としている点が、図19に示した電流制御方式の交流電源装置の構成と異なる点である(公知例:平成3年電気学会全国大会予稿集506頁)。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の各方式の交流電源装置では、以下のような問題がある。
【0016】
すなわち、図19に示した電流制御方式の交流電源装置では、全負荷電流検出器10および分配器11が必要となる。この部分は、全ての電力変換器2a〜2cが共通に使用する部分である。
【0017】
従って、例えば、全負荷電流検出器10あるいは分配器11が故障したり配線が破損したりすると、交流電源装置全体が停止してしまうという問題がある。全負荷電流検出器10の代替として、出力電流検出器15a〜15cを用いる場合においても、いずれか1台が故障するだけで、上述の問題と同様の問題が発生する。
【0018】
一方、図20に示した電圧制御方式の交流電源装置では、全ての電力変換器2a〜2cに共通する部分は少ないものの、各制御器12a〜12cの間で、リアルタイムでの信号のやり取りを行なうことが必要となる。
【0019】
従って、それら信号のやり取りのために多くの信号線が必要となり、電力変換器2の台数を増設したような場合には、信号線の引き回しが非常に煩雑になるという問題が発生する。
【0020】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、各電力変換器の間で共通に使用する部分を減らして、部品故障による運転停止が極力発生しないようにすることが可能な交流電源装置を提供することを目的とする。
【0021】
また、第2の目的は、各電力変換器の間での信号のやり取りを極力無くして、各電力変換器の分散制御を可能とし、電力変換器の増設を容易に行なうことが可能な交流電源装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0023】
すなわち、請求項1の発明では、互いに並列に接続された複数の電力変換器を備えて構成された交流電源装置において、出力電圧を所定電圧値に制御して運転を行なう電圧制御モードで運転している自己の電力変換器の出力電流が、所定電流範囲内にあることを判定する出力電流判定手段と、出力電流を所定電流値に制御して運転を行なう電流制御モードで運転している自己の電力変換器の出力電圧が、所定電圧範囲内にあることを判定する出力電圧判定手段と、電圧制御モードで運転している自己の電力変換器の出力電流が、予め定めた閾電流値に達した場合に、自己の電力変換器の運転モードを電圧制御モードから電流制御モードへと切り替え、電流制御モードで運転している自己の電力変換器の出力電圧が、予め定めた閾電圧値に達した場合に、自己の電力変換器の運転モードを電流制御モードから電圧制御モードへと切り替える第1の運転切替手段とを、複数の電力変換器にそれぞれ備える。
【0024】
従って、請求項1の発明の交流電源装置においては、自己の電力変換器の出力電流、電圧のみに基づいて自己の電力変換器の制御を行なう。
【0025】
請求項2の発明では、互いに並列に接続された複数の電力変換器を備えて構成された交流電源装置において、出力電圧を所定電圧値に制御して運転を行なう電圧制御モードで運転している自己の電力変換器の出力電流が、所定電流範囲内にあることを判定する出力電流判定手段と、出力電流を所定電流値に制御して運転を行なう電流制御モードで運転している自己の電力変換器の出力電圧が、所定電圧範囲内にあることを判定する出力電圧判定手段と、電圧制御モードで運転している自己の電力変換器の出力電流が、予め定めた第1の閾電流値を所定時間超えた場合に、自己の電力変換器の運転モードを電圧制御モードから電流制御モードへと切り替え、電圧制御モードで運転している自己の電力変換器の出力電流が、第1の閾電流値よりも高い予め定めた第2の閾電流値に達した場合に、自己の電力変換器の運転モードを電圧制御モードから電流制御モードへと切り替え、電流制御モードで運転している自己の電力変換器の出力電圧が、予め定めた閾電圧値に達した場合に、自己の電力変換器の運転モードを電流制御モードから電圧制御モードへと切り替える第1の運転切替手段とを、複数の電力変換器にそれぞれ備える。
【0026】
従って、請求項2の発明の交流電源装置においては、電力変換器の運転モードの頻繁な切り替えを回避することができる。
【0027】
請求項3の発明では、請求項1または請求項2の発明の交流電源装置において、電圧制御モードから電流制御モードヘと運転モードが切り替えられた電力変換器は、所定電流値を、閾電流値、第1の閾電流値および第2の閾電流値と異なる値として当該電力変換器を運転する。
【0028】
従って、請求項3の発明の交流電源装置においては、負荷に整流器などの高調波電流を流すものが接続されたような場合においても、電力変換器の運転モードの頻繁な切り替えを回避することができる。
【0029】
請求項4の発明では、請求項1乃至3のうちいずれか1項の発明の交流電源装置において、自己の電力変換器の運転モードの情報を他の電力変換器に伝達する運転モード伝達手段と、運転モード伝達手段により伝達される他の電力変換器の運転モード情報に基づき、電圧制御モードで運転している他の電力変換器が存在せず、かつ自己の電力変換器が電流制御モードで運転している場合に、自己の電力変換器の運転モードを、電流制御モードから電圧制御モードへと切り替える第2の運転切替手段とを、複数の電力変換器にそれぞれ備える。
【0030】
従って、請求項4の発明の交流電源装置においては、電流制御モードから電圧制御モードヘのよりスムーズな切り替えが実現できるとともに、何れかの電力変換器が必ず電圧制御モードで運転されるようになる。
【0031】
請求項5の発明では、請求項4の発明の交流電源装置において、運転モード伝達手段は、自己の電力変換器の運転モードが電圧制御モードから電流制御モードへと切り替えられた場合に、この切り替えられた場合における電流値を他の電力変換器に伝達し、電流制御モードで運転している電力変換器の第2の運転切替手段は、当該電力変換器の出力電流がその切り替えられた場合における電流値付近である場合に、当該電力変換器を電圧制御モードヘ切り替えないようにする。
【0032】
従って、請求項5の発明の交流電源装置においては、電圧制御モードヘの切り替え可能な電力変換器を限定することによって、電力変換器の運転モードの頻繁な切り替えを防止することができる。
【0033】
請求項6の発明では、請求項1乃至5のうちいずれか1項の発明の交流電源装置において、出力電力が零近傍で運転している電力変換器のうちの少なくとも1台を停止させる。
【0034】
従って、請求項6の発明の交流電源装置においては、余分な電力の消費を抑えつつ、安定した状態で運転を継続することができる。
【0035】
請求項7の発明では、請求項4乃至6のうちいずれか1項の発明の交流電源装置において、運転モード伝達手段は、電圧制御モードで運転している電力変換器の出力電流値を、他の電力変換器に伝達し、自己の電力変換器が電流制御モードで運転している場合に、自己の電力変換器の出力電流を、運転モード伝達手段から伝達された出力電流値に近づけるように運転する第1の運転制御手段を、複数の電力変換器にそれぞれ備える。
【0036】
従って、請求項7の発明の交流電源装置においては、負荷が急激に変動したような場合であっても、電圧制御モードの電力変換器が対応した後、電流制御モードの電力変換器が随時追従することにより、過渡時の安定性を保ちつつ、定常時の負荷分担バランスを改善することができる。
【0037】
請求項8の発明では、請求項1乃至7のうちいずれか1項の発明の交流電源装置において、自己の電力変換器が電流制御モードで運転されている場合に、その運転状態が力行状態か回生状態かの運転状態情報を他の電力変換器に伝達する第1の運転状態伝達手段と、第1の運転状態伝達手段から伝達される他の電力変換器の運転状態情報に基づき、力行状態の電流制御モードで運転している電力変換器が存在し、かつ、自己の電力変換器が電圧制御モードで運転している場合に、自己の電力変換器の運転状態を力行状態とし、回生状態の電流制御モードで運転している電力変換器が存在し、かつ、自己の電力変換器が電圧制御モードで運転している場合に、自己の電力変換器の運転状態を回生状態とする第2の運転制御手段とを、複数の電力変換器にそれぞれ備える。
【0038】
従って、請求項8の発明の交流電源装置においては、電力変換器相互間での有効電力の横流の発生を防止することができる。
【0039】
請求項9の発明では、請求項1乃至8のうちいずれか1項の発明の交流電源装置において、自己の電力変換器が電流制御モードで運転されている場合に、その運転状態が進み力率か遅れ力率かの運転状態情報を他の電力変換器に伝達する第2の運転状態伝達手段と、第2の運転状態伝達手段から伝達される他の電力変換器の運転状態情報に基づき、遅れ力率の電流制御モードで運転している電力変換器が存在し、かつ、自己の電力変換器が電圧制御モードで運転している場合に、自己の電力変換器の運転状態を進み力率とし、進み力率の電流制御モードで運転している電力変換器が存在し、かつ、自己の電力変換器が電圧制御モードで運転している場合に、自己の電力変換器の運転状態を遅れ力率とする第3の運転制御手段とを、複数の電力変換器にそれぞれ備える。
【0040】
従って、請求項9の発明の交流電源装置においては、電力変換器相互間での無効電力の横流の発生を防止することができる。
【0041】
請求項10の発明では、請求項1乃至9のうちいずれか1項の発明の交流電源装置において、自己の電力変換器が、電圧制御モードで運転している場合に、自己の電力変換器の出力電圧を、自己の電力変換器の出力電流の値に応じて制御する第4の運転制御手段を、複数の電力変換器にそれぞれ備える。
【0042】
従って、請求項10の発明の交流電源装置においては、電圧制御モードにある電力変換器の負担を軽減して、安定性を向上することができる。
【0043】
請求項11の発明では、請求項1乃至10のうちいずれか1項の発明の交流電源装置において、自己の電力変換器が、電流制御モードで運転している場合に、自己の電力変換器の出力電流を、自己の電力変換器の出力電圧の値に応じて制御する第5の運転制御手段を、複数の電力変換器にそれぞれ備える。
【0044】
従って、請求項11の発明の交流電源装置においては、電流制御モードにある電力変換器の負荷を軽減して、安定性を向上することができる。
【0045】
請求項12の発明では、請求項1乃至11のうちいずれか1項の発明の交流電源装置において、電力変換器が電力の供給を行なう負荷と並列に、UPS、自家発電設備、商用電源等の電圧源を接続する。
【0046】
従って、請求項12の発明の交流電源装置においては、負荷に対して、既設の電圧源を付加したような場合においても、上記請求項1、2、10、11の発明の交流電源装置と同様の作用を奏することができる。
【0047】
請求項13の発明では、請求項12の発明の交流電源装置において、電圧源の出力電圧と出力電流とを検知する出力検知手段と、出力検知手段により検知された結果を、複数の電力変換器のそれぞれに伝送する出力伝達手段とを、電圧源自体に備える。
【0048】
従って、請求項13の発明の交流電源装置においては、電圧源からの入出力をコントロールすることも可能となり、より木目細かな協調制御を行なうことができる。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0050】
なお、以下の各実施の形態の説明に用いる図中の符号は、図19、図20と同一部分については同一符号を付して示すことにする。
【0051】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を図1と図2とを用いて説明する。
【0052】
図1は、第1の実施の形態に係る交流電源装置の一例を示す回路構成図である。
【0053】
本実施の形態に係る交流電源装置においては、各電力変換器2の制御器12は、自己の電力変換器2の出力電流・電圧のみの制御を行なう。また、従来必要としていた電力変換器2の共通出力母線6を省略することにより、構成を簡素化している。
【0054】
すなわち、本実施の形態に係る交流電源装置の構成は、直流電源1と、電力変換器2と、フィルタリアクトル3と、フィルタコンデンサ4と、連系リアクトル5と、負荷母線8と、負荷9と、制御器12と、変換器電流検出器13と、出力電圧検出器14と、出力電流検出器15と、出力母線16と、分岐線17とを備えている。
【0055】
なお、本実施の形態に係る交流電源装置では、複数の電力変換器2が用いられるが、図1では、3台の電力変換器2a〜2cを備えた交流電源装置を代表的に示している。
【0056】
また、本実施の形態に係る交流電源装置では、複数の負荷9に交流電源が供給されるが、図1では、4基の負荷9a〜9dを備えた交流電源装置を代表的に示している。
【0057】
電力変換器2は直流電源1と接続しており、各々の電力変換器2a〜2cは、それぞれ直流電源1a〜1cから直流電圧の供給を受けるとともに、それを交流電圧に変換してそれぞれの出力母線16a〜16cに出力する。
【0058】
出力母線16は、電力変換器2側から順に、フィルタリアクトル3と、連系リアクトル5とを途中に備えており、最終的に負荷母線8に接続している。また、出力母線16のフィルタリアクトル3と連系リアクトル5との間には、分岐線17を備えている。更に、この分岐線17の途中に、フィルタコンデンサ4を備えている。
【0059】
負荷母線8には、この出力母線16a〜16cを並列にそれぞれ接続している。また、負荷母線8には、負荷9a〜9dもそれぞれ並行に接続している。
【0060】
更に、出力母線16においては、電力変換器2とフィルタリアクトル3との間に変換器電流検出器13、連系リアクトル5と負荷母線8との間に出力電流検出器15をそれぞれ備えている。
【0061】
これら変換器電流検出器13と出力電流検出器15とは制御器12に接続しており、それぞれの電力変換器2の出力電流情報を、その電力変換器2の制御器12に入力するようになっている。
【0062】
また、フィルタコンデンサ4は出力電圧検出器14を備えており、この出力電圧検出器14も制御器12に接続しており、それぞれの電力変換器2からの出力電力情報を、その電力変換器2の制御器12に入力するようになっている。
【0063】
制御器12は、自己の電力変換器2の出力情報が、変換器電流検出器13、出力電流検出器15、出力電圧検出器14から入力されるようになっているとともに、電力変換器2に接続している。そして、これらの出力情報に基づいて制御演算を行い、この演算結果に基づいて自己の電力変換器2を制御する。
【0064】
また、制御器12は、運転モードとして、変換電流を一定に保つように運転する電流制御モードと、出力電圧を一定に保つように運転する電圧制御モードとの2つの運転モードを有する。
【0065】
そして、定常状態においては、複数台ある電力変換器2a〜2cのうち、原則として1台の電力変換器(仮に「電力変換器2a」とする)2aのみを電圧制御モードで運転して、負荷母線8の電圧を一定に保ち、残りの電力変換器2b、2cを電流制御モードで運転し、負荷母線8に対して連系運転を行う。
【0066】
なお、電流制御モードで運転する場合における電流値は、あらかじめ定めた範囲内から決定する。
【0067】
電圧制御モードで運転する電力変換器2は、特定の1台に限定されず、負荷9a〜9dの状態や電力変換器2の起動順序により変化する。
【0068】
制御器12は、このような運転状態を実現するために、以下に示すような制御規則に従って運転する。
【0069】
1.電力変換器2の起動時において、負荷母線8の電圧が正常範囲にない場合には、その電力変換器2を電圧制御モードで起動する。一方、負荷母線8の電圧が正常範囲にある場合には、その電力変換器2を電流制御モードで起動する。なお、電流制御モードで運転する場合、その電流値(電流指令値)は、予め設定してある範囲における下限値とする。
【0070】
2.電力変換器2を電圧制御モードで運転している間に、電流振幅が予め設定してある範囲における上限値または下限値に達した場合に、その値を電流指令値として電流制御モードに移行する。
【0071】
3.電力変換器2を電流制御モードで運転している間に、負荷母線8の電圧の異常を検出した場合には、電圧制御モードに移行する。
【0072】
次に、以上のように構成した本実施の形態に係る交流電源装置の動作についてフローチャートを用いて説明する。
【0073】
図2は、第1の実施の形態に係る交流電源装置の運転方法を示すフローチャートである。
【0074】
まず、交流電源装置の起動時においては、負荷電圧は零であり、正常運転時における電圧範囲では無い(S1:No)ので、電力変換器(仮に「電力変換器2a」とする)2aを電圧制御モードで起動して、負荷電圧を立ち上げる(S2)。
【0075】
負荷9の容量が大きくて、要求する電力を電力変換器2aのみでは賄いきれなくなった場合には、電力変換器2aの電流を徐々に上げることにより対応する。
【0076】
しかしながら、電力変換器2aの電流が予め設定された上限値(例えば電力変換器2aの定格出力)に達してもなお、要求する電力を賄うことができない場合には(S3:No)、電力変換器2aの電流指令値を上限値に設定して(S5)、電力変換器2aの運転モードを電流制御モードに移行する(S8)。
【0077】
次に、2台目に起動する電力変換器(仮に「電力変換器2b」とする)2bは、負荷電圧が正常範囲にある場合(S1:Yes)には、既に起動している電力変換器2aで負荷9が要求する電力を賄えている状態であるので、電流指令値を予め設定された下限値(例えば零)として(S7)、電流制御モードで起動する(S8)。
【0078】
一方、負荷電圧が正常範囲にない場合(S1:No)には、既に起動している電力変換器2aで、負荷9が要求する電力を賄いきれていない状態であるので、電圧制御モードで起動(S2)して、負荷電圧を確保する。
【0079】
次に、負荷9の量が増加した場合における交流電源装置の動作について説明する。
【0080】
いま、最初に起動した電力変換器2aが、電圧制御モードで運転して全ての負荷電流を賄い、それ以降に起動した電力変換器2b、2cは、予め設定された下限値にて電流制御モードで運転している状態を考える。
【0081】
この状態で負荷9の容量が増加すると、電圧制御モードで運転している1台目の電力変換器2aは、電流を徐々に上げ始める。そして、その出力電流が、予め設定された上限値を越えた段階(S3:No)(S5)で、電力変換器2aは電流制御モードに移行する(S8)。
【0082】
すると、電力変換器2aからは、これ以上電力が供給されなくなるために、負荷電力を賄いきれなくなり、負荷母線8の電圧異常が発生する。
【0083】
このとき、電流指令値が予め設定された下限値にて電流制御モード(S8)で運転している電力変換器2b、2cのうち、最初に負荷母線8の電圧異常を検出(S9:No)した電力変換器(仮に「電力変換器2b」とする)2bが電圧制御モードに移行して(S2)、負荷9a〜9dで消費される電力の不足分を供給する。
【0084】
更に負荷9の量が増加して、2台目の電力変換器2bの出力電流も予め設定された上限値に達して(S3:No→S5)、電流制御モードに移行する(S8)と、3台目の電力変換器2cが電流制御モードから電圧制御モードに移行して(S8→S9:No→S2)、電力の不足分を補う。
【0085】
逆に、複数台数の電力変換器(仮に「電力変換器2b、2c」とする)2b、2cが予め設定された上限値にて電流制御モードで運転中に、負荷9の量が減少した場合は、電圧制御モードで運転している電力変換器(仮に「電力変換器2a」とする)2aの出力電流を下げる。
【0086】
そして、電力変換器2aの電流が予め設定された下限値に到達する(S4:No)と、電流指令値をこの下限値とした状態(S6)で、電力変換器2aが電流制御モードに移行する(S8)。
【0087】
すると、これ以上供給電力を下げることが出来なくなるので、交流電源装置からの電力供給が過剰となる。その結果、負荷電圧の異常が発生し、予め設定された上限値にて運転している電力変換器(仮に「電力変換器2b、2c」とする)2b、2cのうち、負荷電圧の異常を最初に検知(S9:No)した電力変換器(仮に「電力変換器2b」とする)2bが電圧制御モードに移行し(S2)、電流を下げることによって出力電圧を一定に制御する。
【0088】
更に負荷9の量が減少し、この電力変換器2bの電流も予め設定された下限値に到達して(S4:No→S6)電流制御モードに移行(S8)すれば、残っている予め設定された上限値にて運転中の電力変換器(仮に「電力変換器2c」とする)2cが、負荷出力の異常を検知(S9:No)して電圧制御モードに移行(S2)し、電流を下げることによって出力電圧を一定に制御する。
【0089】
なお、このような運転の場合に問題となるのは、負荷電圧の異常を検知して、2台以上の電力変換器2(この場合電力変換器2bと電力変換器2c)が同時に電圧制御モードに移行した場合である。この場合、電圧制御モードに移行した複数台の電力変換器2bと電力変換器2cとは互いに協調をとる手段が無いため、これら電圧制御モードに移行した電力変換器2bと電力変換器2cとの間に横流が発生する。
【0090】
この横流電流により、出力電流が予め設定された上限値もしくは下限値に到達した電力変換器2bまたは電力変換器2cのうち、いずれか1台は再び電流制御モードに移行する。従って、最終的には、少なくとも1台の電力変換器2bまたは電力変換器2cが電圧制御モードで残る。2台以上の電力変換器2が電圧制御モードのまま残ってしまっても、その電流値が予め設定された上限値と下限値の間に入っていれば、問題はない。
【0091】
このように、本実施の形態に係る交流電源装置は、互いに並列に接続された3台の電力変換器2を備えた交流電源装置において、電圧制御モードで運転している電力変換器2の出力電流が、所定電流範囲内にあることを判定する制御器12と、電流制御モードで運転している自己の電力変換器2の出力電圧が、所定電圧範囲内にあることを判定する制御器12と、電圧制御モードで運転している自己の電力変換器2の出力電流が、予め定めた閾電流値に達した場合には、自己の電力変換器2の運転モードを電圧制御モードから電流制御モードへと切り替えるとともに、電流制御モードで運転している自己の電力変換器2の出力電圧が、予め定めた閾電圧値に達した場合には、自己の電力変換器2の運転モードを電流制御モードから電圧制御モードへと切り替える制御器12とを、複数の電力変換器2にそれぞれ備えたことを特徴とする交流電源装置である。
【0092】
なお、請求項1でいう出力電流判定手段、出力電圧判定手段、第1の運転切替手段は、いずれも本実施の形態において制御器12に相当する。
【0093】
上述したように、本実施の形態に係る交流電源装置においては、他の電力変換器2a〜2cの制御器12a〜12cとの間では信号のやり取りを行なわず、各電力変換器2a〜2cの制御器12a〜12cを、自己の電力変換器2a〜2cの出力電流・電圧のみの制御に使用するようにしているので、各電力変換器2a〜2cの分散制御が可能となり、電力変換器2a〜2cの間での運転情報を伝達するような共通の情報伝達手段が不要となるため、電力変換器2a〜2cの増設を容易に行なうことができる交流電源装置を実現することが可能となる。
【0094】
また、各電力変換器2a〜2cで共通する部品を極力減らしているので、部品故障による運転停止が極力発生しないようにすることができる交流電源装置を実現することが可能となる。
【0095】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態を図3と図4とを用いて説明する。
【0096】
第1の実施の形態で示した運転方法を適用した交流電源装置の場合、例えば、負荷9での消費電力が、ちょうど電力変換器2の1台分の定格値前後で微少な変動をしているような場合には、制御系の遅れや検出誤差によりチャタリングが生じて、運転モードの頻繁な切替が発生して、運転が不安定になる可能性がある。
【0097】
本実施の形態に係る交流電源装置は、この点を改善するものであり、その構成は第1の実施の形態に係る交流電源装置と同一であり、その運転方法が異なるのみである。したがって、ここではその構成に関する説明を省略して、運転方法の説明のみを行なう。
【0098】
図3は、第2の実施の形態に係る交流電源装置の運転方法を示すフローチャートである。
【0099】
図4は、第2の実施の形態に係る交流電源装置の運転方法において、電圧制御モードから電流制御モードへの移行条件と、電圧制御モードにおける運転電流範囲とを示した模式図である。
【0100】
本実施の形態に係る交流電源装置の運転方法は、図2のフローチャートに示すS3、S4、S5、S6、S7の各ステップを、それぞれステップS13、S14、S15、S16、S17としたものであり、その他のステップは同様である。したがって、以下に異なるステップのみについて説明する。
【0101】
いま、電力変換器(仮に「電力変換器2a」とする)2aが電圧制御モードで運転されている場合(S2)を考える。このとき、負荷9の容量が増大した場合、この負荷電力を賄うために、電力変換器2aの出力電流を上げる。
【0102】
そして、この出力電流が予め設定された第2の上限値(例えば定格の+105%)に到達した場合(S13:No)には、電流指令値を、第2の上限値よりも低い第1の上限値(例えば定格の+95%)として(S15)電流制御モードでの運転に移行する(S8)。
【0103】
逆に、負荷9の量が減少した場合には、電力変換器2aの出力電流を下げる。そして、この出力電流が予め設定された第2の下限値(例えば定格の−5%、回生運転)まで低下した場合(S14:No)には、電流指令値を、第2の下限値よりも高い第1の下限値(例えば定格の+5%)として(S16)電流制御モードでの運転に移行する(S8)。
【0104】
電圧制御モードにおける出力電流が、図4において斜線で図示する第2の上限値と第2の下限値の間の範囲内にあれば(S14:Yes)、そのまま電圧制御モードでの運転を継続する。
【0105】
また、電力変換器2aが既に電圧制御モードで運転中である場合において、2台目に起動する電力変換器(仮に「電力変換器2b」とする)2bは、負荷電圧が正常範囲にある場合(S1:Yes)には、既に起動している電力変換器2aで負荷9が要求する電力を賄える状態であるので、電流制御モードで起動する。
【0106】
ただし、そのときの電流指令値を、第1の下限値(例えば定格の+5%)として(S17)、電流制御モードで運転する(S8)。
【0107】
上述したような運転方法を適用した交流電源装置では、例えば仮に、負荷9での消費電力が、1台の電力変換器2の定格の90〜110%の範囲で変動したとしても、運転モードの頻繁な切替は発生しない。
【0108】
すなわち、第1の実施の形態で示した運転方法を適用した交流電源装置の場合、例えば、負荷9の消費電力が、ちょうど電力変換器2の1台分の定格値前後で微少な変動をしているような場合には、制御系の遅れや検出誤差によりチャタリングが生じて、電力変換器2の運転モードの頻繁な切り替えが発生し、運転が不安定になる可能性がある。
【0109】
この点、本実施の形態に係る交流電源装置においては、電圧制御モードで運転している電力変換器2を、電流制御モードに移行する条件を緩和することによって、ヒステリシス特性を持たせてチャタリングを防止することができる。
【0110】
その結果、電力変換器2の運転モードの頻繁な切替を回避し、もって安定した状態で運転を継続することができる交流電源装置を実現することが可能となる。
【0111】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態を図5と図6とを用いて説明する。
【0112】
前述したチャタリングの問題は、負荷9に整流器などの高調波電流を流す要素が接続された場合にも発生する。
【0113】
本実施の形態に係る交流電源装置は、このように負荷9に整流器などの高調波電流を流すものが接続された場合におけるチャタリング対策をとったものであり、その構成は第1の実施の形態に係る交流電源装置と同一であり、その運転方法が異なるのみである。したがって、ここではその構成に関する説明を省略して、運転方法の説明のみを行なう。
【0114】
図5は、第3の実施の形態に係る交流電源装置の運転方法を示すフローチャートである。
【0115】
図6は、第3の実施の形態に係る交流電源装置の運転方法において、電圧制御モードから電流制御モードへの移行条件と、電圧制御モードにおける運転電流範囲とを示した模式図である。
【0116】
本実施の形態に係る交流電源装置の運転方法は、図5に示すように、図3のフローチャートに示す運転方法の一部を変形したものであり、ステップS13の代わりにステップS21〜S23を、ステップS14の代わりにステップS24〜S26をそれぞれ適用したものである。その他のステップについては同様であるので、以下に図3のフローチャートから変更になったステップのみについて説明する。
【0117】
いま、電力変換器2(仮に「電力変換器2a」とする)が、電圧制御モードで運転されている場合(S2)を考える。このとき、負荷9の容量が増大した場合、この負荷電力を賄うために、電力変換器2aの出力電流を上げる。
【0118】
そして、電力変換器2aの出力電流が、予め設定された第3の上限値(例えば連続定格電流の+200%)に到達した場合(S21:No)には、電流指令値を、第3の上限値よりも低い第1の上限値(例えば定格の+95%)として(S15)、電力変換器2aの運転モードを電流制御モードに移行する(S8)。
【0119】
更に、電力変換器2aの出力電流が、第3の上限値未満(S21:Yes)で、かつ第3の上限値よりも低く第1の上限値よりも高い第2の上限値(例えば定格の+105%)以上である場合(S22:No)には、その状態がある一定時間(例えば1/2サイクル程度)継続した場合(S23:Yes)に、電流指令値を第1の上限値として(S15)、電力変換器2aの運転モードを電流制御モードに移行する(S8)。
【0120】
電力変換器2aの出力電流が、第3の上限値未満でかつ第2の上限値以上であっても(S22:No)、その電流の継続時間が一定時間に至らなければ(S23:No)、電力変換器2aは、電圧制御モードのまま運転を継続する。
【0121】
逆に、負荷9の量が減少した場合には、電力変換器2aは出力電流を下げる。そして、電力変換器2aの出力電流が、予め設定された第3の下限値まで低下した場合(S24:No)には、電力変換器2aは、電流指令値を第3の下限値よりも高い第1の下限値(例えば定格の+5%)として(S16)電流制御モードでの運転に移行する(S8)。
【0122】
電力変換器2aの出力電流が、第3の下限値以上(S24:Yes)で、かつ第3の下限値よりも高く第1の下限値よりも低い第2の下限値以下である場合(S25:No)には、その状態がある一定時間(例えば1/2サイクル程度)継続する(S26:Yes)と、電力変換器2aは、電流指令値を第1の下限値として(S16)電流制御モードに移行する(S8)。
【0123】
電力変換器2aの電圧制御モードにおける出力電流が、第2の上限値と第2の下限値の間の範囲内にあれば(S25:Yes)、電力変換器2aは、そのまま電圧制御モードで運転を継続する。
【0124】
このように、本実施の形態に係る交流電源装置は、互いに並列に接続された複数の電力変換器2を備えた交流電源装置において、電圧制御モードで運転している自己の電力変換器2の出力電流が、所定電流範囲内にあることを判定する制御器12と、電流制御モードで運転している自己の電力変換器2の出力電圧が、所定電圧範囲内にあることを判定する制御器12と、電圧制御モードで運転している自己の電力変換器2の出力電流が、予め定めた第1の閾電流値を所定時間超えた場合には、自己の電力変換器2の運転モードを電圧制御モードから電流制御モードへと切り替え、電圧制御モードで運転している自己の電力変換器2の出力電流が、第1の閾電流値よりも高い予め定めた第2の閾電流値に達した場合には、この電力変換器2の運転モードを電圧制御モードから電流制御モードへと切り替えるとともに、電流制御モードで運転している自己の電力変換器2の出力電圧が、予め定めた閾電圧値に達した場合には、自己の電力変換器2の運転モードを電流制御モードから電圧制御モードへと切り替える制御器12とを複数の電力変換器2にそれぞれ備えたことを特徴とする交流電源装置である。
【0125】
なお、請求項2でいう出力電流判定手段、出力電圧判定手段、第1の運転切り替え手段は、いずれも本実施の形態において制御器12に相当する。また、請求項2でいう第1の閾電流値は第2の上限値または第2の下限値、第2の閾電流値は第3の上限値または第3の下限値にそれぞれ相当する。
【0126】
また、本実施の形態に係る交流電源装置は、更に、電圧制御モードから電流制御モードヘと運転モードを切り替えられた電力変換器2は、所定電流値を、閾電流値、第1の閾電流値および第2の閾電流値と異なる値として当該電力変換器2を運転することを特徴とする交流電源装置でもある。
【0127】
なお、請求項3でいう所定電流値とは、本実施の形態において電流指令値に相当する。
【0128】
次に、上述した本実施の形態に係る交流電源装置の動作について説明する。
【0129】
上述したような運転方法を適用した交流電源装置では、電力変換器2の電流が予め設定された上限値を越え、更にそれより高く設定された第3の上限値をも越えた場合には、即刻、電流制御モードに移行するが、電流が、第3の上限値未満でかつ第3の上限値よりも低い第2の上限値以上であっても、その電流の継続時間が一定時間に至らなければ、電圧制御モードのまま運転を継続する。下限値側についても同様である。
【0130】
したがって、電力変換器2に使用する素子の電流容量に余裕を持たせておけば、負荷9a〜9dに整流器など高調波電流を流すためピーク値の高い電流を要求する機器が接続された場合にも、運転モードの頻繁な切替を防ぐことが可能となる。
【0131】
例えば、UPS用の電力変換器の場合、通常、整流器負荷が接続されることを考慮して、電源の1サイクルに満たない短時間であれば、連続定格の+200%程度の電流を流すことを許容している。
【0132】
よって、本実施の形態による運転方法を適用した交流電源装置を用いることによって、負荷9に整流器などの高調波電流を流すものが接続された場合においても、電力変換器2が、電流制御モードに移行する条件を緩和することによって、ヒステリシス特性を持たせてチャタリングを防止することができる。
【0133】
その結果、電力変換器2の運転モードの頻繁な切替を回避し、もって、負荷9に整流器などの高調波電流を流すものが接続された場合においても、安定した状態で運転を継続することができる交流電源装置を実現することが可能となる。
【0134】
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態を図7と図8とを用いて説明する。
【0135】
本実施の形態に係る交流電源装置は、電力変換器2を、電流制御モードから電圧制御モードへとスムーズに移行させることができる。これは、各電力変換器2の運転状態を伝達する補助通信回線20を各電力変換器2a〜2cの間に設けることによって実現される。
【0136】
図7は、このような第4の実施の形態に係る交流電源装置の一例を示す回路構成図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0137】
すなわち、本実施の形態に係る交流電源装置の構成は、図1に示す交流電源装置の構成に、各制御器12a〜12cを相互に接続する補助通信回線20を付加した構成としている。
【0138】
この補助通信回線20は、電圧制御モードにある電力変換器2が存在するか否かのみを各制御器12a〜12cに伝える。したがって、従来技術において既に説明したような電流/電圧の数値データもしくはアナログ量の引き渡しを行う必要は無いために簡便なものでよい。
【0139】
また、現在の運転モードを、例えばオープンコレクタタイプなどのワイヤードオアをとることが可能なもので出力すれば、並列運転を行なう電力変換器2の台数が何台であろうとも、1本の補助通信回線20を引き通すのみで、電圧制御モードにある電力変換器2の有無を判定可能な構成としている。
【0140】
次に、以上のように構成した本実施の形態に係る交流電源装置の動作についてフローチャートを用いて説明する。
【0141】
図8は、第4の実施の形態に係る交流電源装置の運転方法を示すフローチャートである。
【0142】
図8に示す運転方法は、図2のフローチャートに示すステップS9の下流に新たなステップであるS30を追加したものであり、その他のステップは同様である。したがって、以下に図2のフローチャートと異なるステップのみについて説明する。
【0143】
各制御器12a〜12dには、補助通信回線20によって、電圧制御モードで運転している電力変換器2の有無が通知される。
【0144】
したがって、仮に電流制御モードで運転している電力変換器(ここでは仮に「電力変換器2a」とする)2aの負荷電圧が、正常範囲にある場合(S9:Yes)であっても、他に電圧制御モードで運転している電力変換器2が無い場合(S30:No)においては、この電力変換器2aは運転モードを電圧制御モードに移行する。
【0145】
このように、本実施の形態に係る交流電源装置は、第1から第3の実施の形態にて示した交流電源装置の複数の電力変換器2に、更に、自己の電力変換器2の運転モードの情報を他の電力変換器2に伝達する補助通信回路20と、補助通信回路20から伝達される他の電力変換器2の運転モード情報に基づき、電圧制御モードで運転している他の電力変換器2が存在せず、かつ自己の電力変換器2が電流制御モードで運転している場合には、自己の電力変換器2の運転モードを、電流制御モードから電圧制御モードへと切り替える制御器12とをそれぞれ備えたことを特徴とする交流電源装置である。
【0146】
なお、請求項4における運転モード伝達手段と、第2の運転切替手段とはそれぞれ本実施の形態において、補助通信回路20、制御器12に相当する。
【0147】
これにより、電力変換器2の、電流制御モードから電圧制御モードヘのよりスムーズな移行が実現できるとともに、何れかの電力変換器2が必ず電圧制御モードで運転することになる。
【0148】
その結果、安定した状態で運転を継続することができる交流電源装置を実現することが可能となる。
【0149】
なお、図7に示す本実施の形態に係る交流電源装置に、図3または図5のフローチャートに示す運転方法を適用することも可能である。この場合、図3または図5のフローチャートのステップS9の下流にステップS30を追加した運転方法となる。
【0150】
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態を図9を用いて説明する。
【0151】
本実施の形態に係る交流電源装置は、電圧制御モードから電流制御モードに移行した電力変換器2の移行原因(電流が上限値に達したことにより電流制御モードに移行したのか、あるいは、電流が下限値に達したことにより電流制御モードに移行したのか)を考慮して、電流制御モードから電圧制御モードへと移行する電力変換器2を選定する。
【0152】
本実施の形態に係るこのような交流電源装置は、その構成は図7に示す第4の実施の形態に係る交流電源装置と同一であり、その運転方法が異なるのみである。したがって、その構成にかかる説明を省略し、運転方法の説明のみを行なう。
【0153】
図9は、第5の実施の形態に係る交流電源装置の運転方法を示すフローチャートである。
【0154】
交流電源装置の起動時においては、負荷電圧は零であり、正常範囲では無い(S1:No)ので、電力変換器(仮に「電力変換器2a」とする)2aは電圧制御モードで起動する(S40)。
【0155】
そして負荷出力を賄える状態であって、出力電流が上限値以下(S41:Yes)でかつ下限値以上(S42:Yes)であれば、電力変換器2aは、このまま電圧制御モードでの運転を継続する。
【0156】
この状態で、2台目の電力変換器(仮に「電力変換器2b」とする)2bを起動する場合、既に起動している電力変換器2aによって、負荷9が要求する電力を賄える状態(S1:Yes)なので、電力変換器2bは、電流指令値を予め設定された下限値とした電流制御モードで起動する(S50)。
【0157】
ここで、負荷9の量が増加し、要求する電力を賄いきれなくなった場合を想定する。この場合、まず電力変換器2aの電流を徐々に増加させる。そして、要求する電力を賄うことができないまま電力変換器2aの電流が予め設定された上限値に達した場合には(S41:No)、電力変換器2aの電流指令値を上限値に設定して、電力変換器2aの運転モードを電流制御モードに移行する(S60)。
【0158】
このとき、電力変換器2aを制御している制御器12aは、自己が制御している電力変換器2aが、電流値が予め設定された上限値に達したことによって電圧制御モードから電流制御モード移行したことを、補助通信回線20を介して他の電力変換器2b、2cの制御器12b、12cに伝達する。
【0159】
ここで、負荷電力が賄えている状態(S61:Yes)であれば、電力変換器2aはそのまま電流制御モードによる運転を継続する。また、電力変換器2bもそのまま電流制御モードによる運転を継続する(S51:Yes)。
【0160】
しかしながら、このとき電力変換器2a、2bともに電流制御モードで運転しており、電圧制御モードによって運転されている電力変換器2は存在しなくなり(S52:No)(S62:No)、交流電源装置の運転状態が不安定となる。したがって、このような場合、以下の判断ロジックに従い、電流制御モードで運転している電力変換器2a、2bのうちいずれか1台を電圧制御モードに移行する。
【0161】
電流指令値が下限値で運転している電力変換器2bの制御器12bにおいては、一番最近に電流制御モードに移行した電力変換器2が、電流上限で移行したのか否かを比較する(S53)。この場合、一番最近に電流制御モードに移行した電力変換器2aは、電流上限で移行している(S53:Yes)ので、電力変換器2bが電圧制御モードに移行する(S54→S40)。
【0162】
一方、電流指令値が上限値で運転している電力変換器2aの制御器12aにおいても、一番最近に電流モードに移行した電力変換器2が電流上限で移行したのか、電流下限で移行したのかを比較する(S63)。この場合、一番最近に電流制御モードに移行したのは、電力変換器2a自身であり、移行原因が電流上限で移行しているため、電力変換器2aは引き続き電流制御モードで運転を継続する(S63:No)
このように、本実施の形態に係る交流電源装置は、第4の実施の形態にて示した記載の交流電源装置において更に、補助通信回路20は、自己の電力変換器2の運転モードが電圧制御モードから電流制御モードへと切り替えられた場合には、この切り替えられた場合における電流値を他の電力変換器2に伝達し、電流制御モードで運転している電力変換器2の制御器12は、当該電力変換器2の出力電流がこの切り替えられた場合における電流値付近である場合には、当該電力変換器2を電圧制御モードヘ切り替えないようにしたことを特徴とした交流電源装置である。
【0163】
なお、請求項4でいう運転モード伝達手段、第2の運転切替手段は、本実施の形態において補助通信回路20、制御器12にそれぞれ相当する。
【0164】
上述したように、本実施の形態に係る交流電源装置においては、一時的に電圧制御モードによって運転されている電力変換器2が存在しない状態になって場合においても、電流制御モードで運転している電力変換器2a、2bのいずれか1台を電圧制御モードに移行することができる。
【0165】
このようにして、電圧制御モードヘの移行する電力変換器2を限定することによって、電力変換器2の運転モードの頻繁な切替が防止でき、もって、安定した状態で運転を継続することができる交流電源装置を実現することが可能となる。
【0166】
なお、図9に示す運転方法を、図3または図5に示す運転方法を組み合わせても良い。すなわち、電力変換器2が、電圧制御モードから電流制御モードへ移行するときの条件として、第2の上下限値、または第3の上下限値を設けてもよい。この場合においては、電力変換器2の電圧制御モードから電流制御モードへの移行頻度を更に減少させることができ、より安定した状態で運転を継続することができる交流電源装置を実現することが可能となる。
【0167】
(第6の実施の形態)
本発明の第6の実施の形態を図10を用いて説明する。
【0168】
ここまで説明してきた交流電源装置は、負荷9の量がさほど大きくない場合においては、何台もの電力変換器2が零出力付近で運転していることになり、交流電源装置全体としての効率が悪くなる。
【0169】
本実施の形態に係る交流電源装置は、このような問題を解決するものであり、その構成は、図7に示す第4の実施の形態に係る交流電源装置と同一であり、その運転方法が異なるのみである。したがって、その構成に関する説明を省略し、運転方法の説明のみを行なう。
【0170】
図10は、第6の実施の形態に係る交流電源装置の運転方法を示すフローチャートである。
【0171】
本実施の形態に係る交流電源装置の運転方法は、図8のフローチャートに示すステップS4とS6との間にステップS70とS71とを追加したものであり、その他のステップは同様である。したがって、図8のフローチャートと異なる点を中心に、本実施の形態に係る交流電源装置の運転方法を以下に説明する。
【0172】
交流電源装置の起動時においては、負荷電圧は零であり、負荷電圧は正常範囲では無い(S1:No)ので、電力変換器(仮に「電力変換器2a」とする)2aを電圧制御モードで起動し、負荷電圧を立ち上げる(S2)。
【0173】
そして電力変換器2aの出力電流が、所定の範囲内で運転可能な限り(S3:Yes)(S4:Yes)、そのまま電圧制御モードで電力変換器2aの運転を継続する。
【0174】
このような状態において、2台目の電力変換器2bを起動すると、負荷電圧は正常である(S1:Yes)ので、電力変換器2bは、電流指令値を下限値とした(S7)電流制御モードで運転される(S8)。通常、電流指令値の下限値は零に近い値である。
【0175】
このように負荷電圧が正常な状態においては、更に3台目、4台目と別の電力変換器2を起動しても、2台目の電力変換器2bと同様に、電流指令値を下限値とした電流制御モードで運転されることになる。すなわち、負荷9の量が小さい場合には、複数の電力変換器2を、全て零出力に近い電流で運転することになる。
【0176】
ここで、負荷9の量が減少した場合には、電圧制御モードで運転している電力変換器2aの電流を下げることによって対処する。そして、電力変換器2aの出力電流が下限値に達する(S4:No)と、その情報は、補助通信回線20により各制御器12a〜12cに取得される。そして、電流指令値を下限値として運転している電力変換器2b〜が存在する場合(S70:Yes)には、その電力変換器2b〜のうちのいずれか1台は、自己を制御している制御器12b〜によって運転を停止させられる(S71)。
【0177】
このように、本実施の形態に係る交流電源装置は、第1から第5の実施の形態にて示した交流電源装置において、更に、出力電力が零近傍で運転している電力変換器2の少なくとも1台を停止させる。
【0178】
すなわち、負荷9の量が小さい場合には、何台もの電力変換器2b〜が全て零出力に近い電流で運転することになり、交流電源装置全体として運転効率が悪くなるが、本実施の形態に係る交流電源装置では、電圧制御モードにて運転している電力変換器2aの出力電流が、予め設定された下限値に到達した場合、既に零出力に近い電流にて電流制御モード運転を行なっている電力変換器2b〜が存在すれば、その電力変換器2b〜を停止させる。
【0179】
これによって、余分な電力の消費を抑えつつ、安定した状態で運転を継続することができる交流電源装置を実現することが可能となる。
【0180】
なお、図10に示す運転方法では、他に1台でも零出力に近い電流で運転している電力変換器2b〜が存在する場合には、零出力に近い電流で運転している電力変換器2b〜のうちいずれか1台を停止させているが、起動して零出力に近い電流で運転する(S7)ようなロジックが成立した段階で、即時にこの電力変換器2を停止させてもよい。
【0181】
零出力に近い電流の電流制御モードで運転している電力変換器2b〜を停止すると、交流電源装置の運転効率が向上する。このような、本実施の形態に係る交流電源装置は、負荷9の量が急激に増加しないような場合に対して有効である。
【0182】
(第7の実施の形態)
本発明の第7の実施の形態を図11を用いて説明する。
【0183】
本実施の形態に係る交流電源装置は、各電力変換器2の間の負荷分担バランスを改善することができる。これは、補助通信回線20によって、各電力変換器2の間の電流値を相互に伝達することによって実現される。
【0184】
このような本実施の形態に係る交流電源装置は、その構成は図7に示す第4の実施の形態に係る交流電源装置と同一であり、その運転方法が異なるのみである。従って、その構成に関する説明を省略し、運転方法の説明のみを行なう。
【0185】
図11は、第7の実施の形態に係る交流電源装置の運転方法を示すフローチャートである。
【0186】
本実施の形態に係る交流電源装置の運転方法は、図8のフローチャートに示すステップS7を省略し、更にステップS8の代わりにステップS80を適用したものであり、その他のステップは図8と同様である。したがって、図8のフローチャートと異なる点を中心に、本実施の形態に係る交流電源装置の運転方法を以下に説明する。
【0187】
電力変換器(仮に「電力変換器2a」とする)2aが電圧制御モードで既に運転されており(S2)、かつこの電力変換器2aで負荷電力を賄っている状態を考える。
【0188】
この様な状態において、更にもう1台の電力変換器2bを起動すると、負荷電圧は正常である(S1:Yes)ので電流制御モードで運転される(S80)。
【0189】
ここで、電力変換器2bの電圧は、既に電圧制御モードで運転している電力変換器2aの電流に徐々に近づくように制御される。この場合の電流変化速度は、制御器12a、12bの応答速度よりも十分遅くし、電力変換器2aと電力変換器2bとの間での相互干渉を防止する。
【0190】
なお、電力変換器2aの電流値は、リアルタイムでない遅い補助通信回線20によって、電力変換器2bの制御器12bに対して送信される。
【0191】
その他の動作については図8で既に説明したものと同様であるのでその説明を省略する。
【0192】
本実施の形態に係る交流電源装置は、第4から第6の実施の形態にて示した交流電源装置において、更に、補助通信回路20は、電圧制御モードで運転している電力変換器2の出力電流値を、他の電力変換器2に伝達し、自己の電力変換器2が電流制御モードで運転している場合には、自己の電力変換器2の出力電流を、補助通信回路20から伝達された出力電流値に近づけるよう運転する制御器12を複数の電力変換器2にそれぞれ備えたことを特徴とする交流電源装置である。
【0193】
なお、請求項7でいう運転モード伝達手段、第1の運転制御手段は、本実施の形態において補助通信回路20、制御器12にそれぞれ相当する。
【0194】
次に、以上のように構成した本実施の形態に係る交流電源装置の作用について説明する。
【0195】
このような運転方法を採用することで、負荷9が急激に変動した場合には、まず、電圧制御モードの電力変換器2aが対応した後、電流制御モードの電力変換器2bが随時追従することにより、過渡時の安定性を保ちつつ、定常時の負荷分担バランスを改善することができる。
【0196】
なお、図11のフローチャートに示すような運転方法は、並列運転を行なう全ての電力変換器2に適用する必要はなく、直流電源の状態に応じて一定電流で運転を行なっても構わない。その場合には、本運転方法を適用した電力変換器2のみで、負荷バランスの分担をとることが可能となる。
【0197】
上述したように、本実施の形態に係る交流電源装置においては、上記のような作用により、各電力変換器2の間で現在の電流値を、リアルタイムでない遅い補助通信回線20で互いに伝達することにより、電力変換器2同士の負荷分担のバランスの改善を行なうことが可能となる。
【0198】
なお、図11に示す運転方法を、図3、図5、図9または図10に示す運転方法を組み合わせても良い。
【0199】
(第8の実施の形態)
本発明の第8の実施の形態を図12と図13とを用いて説明する。
【0200】
第1から第7の実施の形態までに述べてきた制御方式では、負荷9が要求する電力の方向は一定であることを前提として検討を行なってきた。通常、無停電電源装置においては、負荷9は電力を消費するのみで、正常な運転状態では負荷9から電源側にエネルギーが回生されるような状態は存在せず、運転範囲は力行のみに限定しても検討を行なっても問題はない。
【0201】
しかし、例えば、巨大な慣性モーメントをもつ逆起電力を有する負荷9が接続された場合など、電源側に連続的にエネルギーを回生するような状態が想定される場合には、これまで検討してきた制御方式では問題が生じる。
【0202】
このような場合、前述したアルゴリズムでは、各電力変換器2は、順次予め設定された下限値(例えば零)で電流制御モードに移行していくが、全ての電力変換器2が電流制御モードに入った段階で、回生電力の行き場所が無くなってしまう。
【0203】
そこで、これを防ぐためには、電圧制御モードから電流制御モードヘ移行する際の電流下限値を、負の大きな値、具体的には上限値の極性を変更した値に設定すれば良い。
【0204】
しかしながら、これを実施すると、ある条件において、予め設定された上限値で電流制御モードに入っている(例えば、電力変換器2が定格で力行動作中の)電力変換器2と、予め設定された下限値で電流制御モードに入っている(例えば、電力変換器2が定格で回生動作中の)電力変換器2が同時に存在してしまう。
【0205】
そのため、電力変換器2の間でのみ電力のやりとりを行なうものの、負荷9に電力が供給されていない状態が発生し、効率などの面で非常に不利になる。
【0206】
本実施の形態に係る交流電源装置は、これを改善するものであり、その構成は図7に示す第4の実施の形態に係る交流電源装置と同一であり、その運転方法が異なるのみである。したがって、その構成に関する説明を省略し、運転方法の説明のみを行なう。
【0207】
図12は、第8の実施の形態に係る交流電源装置の運転方法を示すフローチャートである。
【0208】
図13は、第8の実施の形態に係る交流電源装置の運転範囲を示す模式図である。
【0209】
本実施の形態に係る交流電源装置の運転方法は、図8のフローチャートに示すステップS7の代わりにステップS90を適用し、ステップS2とS3との間にステップS91を、ステップS3とS4との間にステップS93を、更に、ステップS91でYesの場合にはステップS3をバイパスしステップS93に移行するステップS92を、ステップS93でYesの場合にはステップS4をバイパスするステップS94をそれぞれ追加したものであり、その他のステップは図8と同様である。
【0210】
したがって、図8のフローチャートと異なる点を中心に、本実施の形態に係る交流電源装置の運転方法を以下に説明する。
【0211】
交流電源装置の起動時においては、負荷電圧は零であり、正常範囲では無い(S1:No)ので、1台目の電力変換器(仮に「電力変換器2a」とする)2aを電圧制御モードで起動し、負荷電圧を立ち上げる(S2)。
【0212】
この場合、他に運転している電力変換器2は存在しない(S91:No)ので、電力変換器2aの出力電流が、予め設定された上限値に到達すれば(S3:No)、電力変換器2aは、電流指令値を上限値として(S5)力行側で電流制御モードに移行する(S8)。
【0213】
また、電力変換器2aの出力電流が予め設定された下限値に到達すれば(S4:No)、電力変換器2aは、電流指令値を下限値として(S6)回生側で電流制御モードに移行する(S8)。
【0214】
2台目に起動する電力変換器2bは、負荷母線8の電圧が正常範囲内にて運転中の電力変換器2aが存在する場合(S1:Yes)、予め設定された零近傍での電流指令値にて(S90)電流制御モードでの運転を行なう(S8)。
【0215】
電力変換器2bが電流制御モード(S8)において、負荷母線8の電圧が正常範囲外であるか(S9:No)、もしくは電圧制御モードで運転している電力変換器2がなければ(S30:No)、電力変換器2bは電圧制御モードに移行する。
【0216】
ただし、この場合、既に電流制御モードで運転していた電力変換器2aが力行状態であれば、電力変換器2bは、運転範囲が力行側に制限された状態で電圧制御モードに移行する。また、電流制御モードで運転していた電力変換器2aが回生状態であれば、電力変換器2bは、運転範囲が回生側に制限された状態で電圧制御モードに移行する(S2)。
【0217】
電力変換器2bが電圧制御モード(S2)に移行した状態において、負荷9の量が増加した場合、電力変換器2aが回生中ではなく(S91:No)、かつ電力変換器2bの出力電流が予め設定された上限値を超えれば(S3:No)、電力変換器2bは、電流指示値を上限値として(S5)電流制御モードに移行する(S8)。
【0218】
一方、電力変換器2aが回生中であり(S91:Yes)、かつ電力変換器2bの出力電流が力行範囲であれば(S92:Yes)、電力変換器2bは、出力電流が予め設定された上限値に至ってなくとも、電流指示値を零近傍の値とした(S90)電流制御モードに移行する(S8)。
【0219】
このとき、電力変換器2bの出力電流が力行範囲でなければ(S92:No)、S93に移行する。
【0220】
一方、負荷9の量が減少した場合、電力変換器2aが力行中ではなく(S93:No)、かつ電力変換器2bの出力電流が予め設定された下限値を下回れば(S4:No)、電力変換器2bは、電流指示値を下限値として(S6)電流制御モードに移行する(S8)。
【0221】
また、電力変換器2aが力行中であり(S93:Yes)、かつ電力変換器2bの出力電流が回生範囲であれば(S94:Yes)、電力変換器2bは、出力電流が予め設定された下限値を下回らなくとも電流指示値を零近傍の値として(S90)電流制御モードに移行する(S8)。なお、このとき、電力変換器2bの出力電流が回生範囲でなければ(S94:No)、電力変換器2bは、電圧制御モード(S2)のままで運転を継続する。
【0222】
このように、本実施の形態に係る交流電源装置は、第1から第7の実施の形態にて示した交流電源装置に、更に、自己の電力変換器2が電流制御モードで運転されている場合には、この運転状態が力行状態か回生状態かを他の電力変換器2に伝達する補助通信回路20と、補助通信回路20から伝達される他の電力変換器2の運転状態情報に基づき、力行状態の電流制御モードで運転している電力変換器2が存在し、かつ、自己の電力変換器2が電圧制御モードで運転している場合には、自己の電力変換器2の運転状態を力行状態とし、回生状態の電流制御モードで運転している電力変換器2が存在し、かつ、自己の電力変換器2が電圧制御モードで運転している場合には、自己の電力変換器2の運転状態を回生状態とする制御器12とを複数の電力変換器2にそれぞれ備えたことを特徴とする交流電源装置である。
【0223】
なお、請求項8でいう第1の運転状態伝達手段と、第2の運転制御器とはそれぞれ、補助通信回路20、制御器12にそれぞれ相当する。
【0224】
上述したように、本実施の形態に係る交流電源装置では、電圧制御モードにおける電力変換器2の電流の上限値を正の適当な値(例えば力行側定格値)に、下限値を負の適当な値(例えば回生側定格値)に設定する。更に、他の電流制御モードにある電力変換器2の運転状態によって、その運転範囲を力行側または回生側のみに制限する。
【0225】
すなわち、このようにして、電力変換器2の間での有効電力の横流を防止することができる交流電源装置を実現することが可能となる。
【0226】
図12は図8のフローチャートに示す運転方法を基にした運転方法であるが、組み合わせなくても実施可能である。また、図3、図5、図9、図10、図11の各フローチャートに示す運転方法と組み合わせて実施することも可能である。
【0227】
(第9の実施の形態)
本発明の第9の実施の形態を図14を用いて説明する。
【0228】
第8の実施の形態では、有効電力の制御方法について記載したが、本実施の形態は、無効電力の制御方法を記載したものであり、その構成は図7に示す第4の実施の形態に係る交流電源装置と同一であり、その運転方法が異なるのみである。したがって、その構成に関する説明を省略し、運転方法の説明のみを行なう。
【0229】
図14は、第9の実施の形態に係る交流電源装置の運転方法を示すフローチャートである。
【0230】
本実施の形態に係る交流電源装置の運転方法は、図12のフローチャートに示すステップS91、S92、S3の代わりにステップS101、S102、S103、S104、S105を適用し、更にステップS93、S94、S4、S6を省略したものであり、その他のステップは図12と同様である。
【0231】
本実施の形態に係る交流電源装置においては、電圧制御モードにある電力変換器(仮に「電力変換器2a」とする)2aは、電流制御モードで運転中の他の電力変換器(仮に「電力変換器2b、2c」とする)2b、2cが進み電力を出力している(進み力率)か、遅れ電力を出力している(遅れ力率)かによって、運転範囲の制限を受ける。電流制御モードの電力変換器2b、2cが、全て零近傍の電流設定値にて運転中の場合にのみ、電圧制御モードにある電力変換器2aの運転範囲の制限は解除される。
【0232】
このような本実施の形態に係る交流電源装置の運転方法を、図14のフローチャートを用いて以下に説明する。
【0233】
交流電源装置の起動時においては、負荷電圧はゼロであり、正常範囲では無い(S1:No)ので、1台目の電力変換器(仮に「電力変換器2a」とする)2aを電圧制御モードで起動し、負荷電圧を立ち上げる(S2)。
【0234】
この場合、他に運転している電力変換器2は存在しない(S101:No)(S103:Yes)ので、電力変換器2aの出力電流が予め設定された上限値に到達すれば(S105:Yes)、電力変換器2aは、電流指令値を上限値として(S5)力行側で電流制御モードに移行する(S8)。なお、このとき、電力変換器2aは、力率をそのまま保存して電流制御モードへと移行する。
【0235】
また、電流制御モードで運転中の他の電力変換器(仮に「電力変換器2b、2c」とする)2b、2cが存在する場合において、電力変換器2aが電圧制御モードで運転している場合を想定する。
【0236】
更にこのとき、電力変換器2b、2cともに遅れ力率の電流制御モードで運転している(S101:Yes)ものとする。
【0237】
このとき、電力変換器2aが遅れ力率であれば(S102:Yes)、電力変換器2aは、電流指令値を零近傍の値として(S90)電流制御モードに移行する(S8)。
【0238】
一方、電力変換器2aが進み力率であれば(S102:No)、S103に移行する。ここで、他の電力変換器2b、2cはともに遅れ力率の電流制御モードで運転しており、進み力率の電流モードで運転している電力変換器2は無い(S103:No)のでS105に移行する。
【0239】
電力変換器2aの出力電流振幅が上限値を超えた場合(S105:Yes)においては、電力変換器2aは、電流指令値を上限値として(S5)電流制御モードに移行する(S8)。
【0240】
電力変換器2aの出力電流振幅が上限値以下の場合(S105:No)においては、電力変換器2aは、電圧制御モードを継続する(S2)。
【0241】
次に、電力変換器2aが電圧制御モードで運転しており、かつ電力変換器2b、2cともに進み力率の電流制御モードで運転している(S101:No)(S103:Yes)ものとする。
【0242】
このとき、電力変換器2aが進み力率であれば(S104:Yes)、電力変換器2aは、電流指令値を零近傍の値として(S90)電流制御モードに移行する(S8)。
【0243】
一方、電力変換器2aが遅れ力率であれば(S104:No)、電力変換器2aはS105に移行する。
【0244】
次に、電力変換器2aが電圧制御モードで運転しており、かつ電力変換器2bが進み力率の電流制御モードで、電力変換器2cが遅れ力率の電流制御モードでそれぞれ運転しているものとする。
【0245】
すなわち、遅れ力率の電流制御モードで運転している電力変換器2cが存在する(S101:Yes)ので、電力変換器2aはS102に移行する。
【0246】
このとき、電力変換器2aが遅れ力率であれば(S102:Yes)、電力変換器2aは、電流指令値を零近傍の値として(S90)電流制御モードに移行する(S8)。
【0247】
一方、電力変換器2aが進み力率であれば(S102:No)、S103に移行する。更に、S103では、進み力率の電流制御モードで運転している電力変換器2bが存在する(S103:Yes)ので、S104に移行する。
【0248】
このとき、電力変換器2aが進み力率であれば(S104:Yes)、電力変換器2aは、電流指令値を零近傍の値として(S90)電流制御モードに移行する(S8)。
【0249】
一方、電力変換器2aが遅れ力率であれば(S104:No)、S105に移行する。
【0250】
このように、本実施の形態に係る交流電源装置は、第1から第8の実施の形態にて示した交流電源装置の複数の電力変換器2に、更に、自己の電力変換器2が電流制御モードで運転されている場合には、この運転状態が進み力率か遅れ力率かを他の電力変換器2に伝達する補助通信回路20と、補助通信回路20から伝達される他の電力変換器2の運転状態情報に基づき、遅れ力率の電流制御モードで運転している電力変換器2が存在し、かつ、自己の電力変換器2が電圧制御モードで運転している場合には、自己の電力変換器2の運転状態を進み力率とし、進み力率の電流制御モードで運転している電力変換器2が存在し、かつ、自己の電力変換器2が電圧制御モードで運転している場合には、自己の電力変換器2の運転状態を遅れ力率とする制御器12とをそれぞれ備えたことを特徴とする交流電源装置である。
【0251】
なお、請求項9でいう第2の運転状態伝達手段、第3の運転制御手段とは、本実施の形態において補助通信回路20、制御器12にそれぞれ相当する。
【0252】
このように、本実施の形態に係る交流電源装置においては、電圧制御モードにある電力変換器2は、電流制御モードで運転中の他の電力変換器2が進み電力を出力している(進み力率)か、遅れ電力を出力している(遅れ力率)かによって、運転範囲を制限される。
【0253】
このようにして、電力変換器2の間での無効電力の横流を防止することができる交流電源装置を実現することが可能となる。
【0254】
更に、本実施の形態と、第8の実施の形態とを組み合わせれば、有効電力と無効電力との双方についての横流を防止することができる交流電源装置を実現することが可能となる。
【0255】
図14は図8のフローチャートに示す運転方法を基にした運転方法であるが、組み合わせなくても実施可能である。また、図3、図5、図9、図10、図11の各フローチャートに示す運転方法と組み合わせて実施することも可能である。
【0256】
(第10の実施の形態)
本発明の第10の実施の形態を図15(a)、(b)を用いて説明する。
【0257】
第1から第9の実施の形態では、電圧制御モードの場合には、出力電圧の大きさは、負荷9の大きさによらず一定になるように制御される。
【0258】
このため2台以上の電力変換器2が同時に電圧制御モードに入った場合、その主回路定数や制御系応答速度の個体差により電力変換器2の間に横流電流が発生し、電流があらかじめ設定された上限値または下限値に到達したものから、順次電流制御モードに移行していくという運転方法であった。
【0259】
しかし、電圧制御モードにおける電力変換器2の出力電圧と出力電流との間に、あるレギュレーションカーブをもたせておけば、2台以上の電力変換器2を電圧制御モードのままで安定して運転継続させることが容易になる。
【0260】
本実施の形態に係る交流電源装置は、このように電圧制御モード運転における電力変換器2の出力電圧と出力電流との間に、あるレギュレーションカーブを持たせ、その定義に従って運転するものであり、その構成は、図1または図7に示すものと同一であり、運転方法についても図2、図3、図5、図8、図9、図10、図11、図12、図14のフローチャートに示すもののうちいずれであっても良い。
【0261】
したがって、その構成に関する説明を省略し、運転方法の説明のみを行なう。
【0262】
図15(a)、(b)は、電力変換器2の出力電流と出力電圧との関係の一例を示す特性図である。
【0263】
図15(a)は、これまで説明してきた実施の形態に適用してきた運転特性であり、電圧制御モードにおける電圧は、出力電流の値によらず一定となる。
【0264】
一方、図15(b)は、本実施の形態に係る電圧制御モードにおける電流−電圧特性を示すものであり、出力電流が大きい場合には、出力電圧を下げて運転する。
【0265】
このような電流−電圧特性は、各電力変換器2の個別の特性に応じて予め定めておく。そして、複数の電力変換器2が電圧制御モードに入ってしまった場合は、この特性カーブの傾きによって、負荷電力の分担割合を定めるように運転する。
【0266】
このように、本実施の形態に係る交流電源装置においては、電圧制御モードにおいて、出力電圧値をその時の出力電流によって調整されるようなレギュレーションカーブを持たせる。
【0267】
すなわち、図15(b)に示すように、出力電流が低くなった場合には電圧値を高めに、出力電流が高くなった場合には電圧値を低目に設定する。
【0268】
このように、本実施の形態に係る交流電源装置は、第1から第9の実施の形態にて示した交流電源装置の複数の電力変換器2に、更に、自己の電力変換器2が、電圧制御モードで運転している場合には、自己の電力変換器2の出力電圧を、自己の電力変換器2の出力電流の値に応じて制御する制御器12をそれぞれ備えたことを特徴とする交流電源装置である。
【0269】
すなわち、請求項10でいう第4の運転制御手段は、本実施の形態において制御器12に相当する。
【0270】
このように、電圧制御モードにおける電力変換器2に、出力電圧値をその時の負荷電流によって調整されるようなレギュレーションカーブを持たせることにより、電圧制御モードにある電力変換器2の負担を軽減し、安定性を向上することができる交流電源装置を実現することが可能となる。
【0271】
なお、全ての電力変換器2が電圧制御モードのままで並列運転した状態において、なおかつ負荷分担バランスも改善しようとすると、この電流−電圧特性カーブの設定は困難になる。
【0272】
しかしながら、本実施の形態においては、第1から第9の実施の形態で述べた交流電源装置に適用する。特に、第7の実施の形態で説明した交流電源装置に適用する場合には、一旦電流制御モードに切り換わった後、S80においてあらためて負荷分担を行えば良いので、レギュレーションカーブは厳密に設定する必要はなく大雑把でよい。
【0273】
また、直流電源の状態など、運転条件に応じてこのカーブを変化させても良い。
【0274】
(第11の実施の形態)
本発明の第11の実施の形態を図16(a)、(b)を用いて説明する。
【0275】
第1から第10の実施の形態では、電流制御モードの場合には、出力電流の大きさは、負荷9の大きさによらず一定になるように制御される。
【0276】
図16(a)、(b)は、第11の実施の形態に係る交流電源装置における電力変換器2の出力電流と出力電圧との関係の一例を示す特性図である。
【0277】
図16(a)は、本実施の形態に係る電流−電圧特性の一例を示すものであり、電流値を下限値としてゼロ近傍で運転している場合においても、また、電流値を上限値として定格近傍で運転している場合においても、電圧が高い場合には、出力電流を下げて運転する例を示すものである。
【0278】
なお、このとき電力変換器2の電圧を、変動許容の範囲内になるようにしている。また、電圧制御モードの電力変換器2は、出力電流に対して一定の電圧で運転するものとしている。
【0279】
図16(b)は、本実施の形態に係る電流−電圧特性の別の一例を示すものであり、図16(a)と同様に、電圧が高い場合には、出力電流を下げて運転するが、電流値を下限値として零電流近傍で運転している場合においては、出力電圧が変動許容範囲を超えても良く、また、電流値を上限値として定格近傍で運転している場合においては、出力電圧がマイナス側で変動許容範囲を下回っていても良い。また、電圧制御モードの電力変換器2は、出力電流が高くなると出力電圧を低くして運転するものとしている。
【0280】
すなわち図16(b)は、第10の実施の形態で述べた出力電流に応じて出力電圧を変化させる電圧制御モード運転と、本実施の形態による出力電圧に応じて出力電流を変化させる電流制御モードとを組み合わせた運転方法である。
【0281】
このように、本実施の形態に係る交流電源装置は、第1から第10の実施の形態にて示した交流電源装置の複数の電力変換器2に、更に、自己の電力変換器2が、電流制御モードで運転している場合には、自己の電力変換器2の出力電流を、自己の電力変換器2の出力電圧の値に応じて制御する制御器12をそれぞれ備えたことを特徴とする交流電源装置である。
【0282】
すなわち、請求項10でいう第5の運転制御手段は、本実施の形態において制御器12に相当する。
【0283】
このように、本実施の形態に係る交流電源装置では、電流制御モードにおける電力変換器2に、出力電流値をその時の負荷電圧によって調整されるようなレギュレーションカーブを持たせることにより、電流制御モードにある電力変換器2の負荷を軽減し、安定性を向上することができる交流電源装置を実現することが可能となる。
【0284】
すなわち、図16(a)に示すように、負荷電圧が低くなった場合には電流値を高めに、負荷電圧が高くなった場合には電流値を低目に設定し、電圧制御モードにある電力変換器2の負担を軽減する。
【0285】
本実施の形態も、第1から第10の実施の形態で述べた交流電源装置に適用するので、第10の実施の形態で述べたのと同様に、このカーブの設定はラフでよい。
【0286】
(第12の実施の形態)
本発明の第12の実施の形態を図17を用いて説明する。
【0287】
図17は、第12の実施の形態に係る交流電源装置の一例を示す回路構成図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0288】
すなわち、本実施の形態に係る交流電源装置の構成は、図1に示す交流電源装置の構成に、負荷母線8に対して、既設UPSや自家発電設備、もしくは商用系統からの直接受電部などの既設電圧源22を付加した構成としている。
【0289】
そして、この運転方法は、図2のフローチャートに示す通りである。
【0290】
上記のような本実施の形態に係る交流電源装置の動作について図2のフローチャートを用いて説明する。
【0291】
すなわち、既設電圧源22が正常に機能している状態では、負荷電圧が正常であるので(S1:Yes)、各電力変換器2a〜2cは、電流制御モードで動作する(S8)。
【0292】
なおこの場合、必ずしも各電力変換器2a〜2cは、電流下限値(もしくは零電流近傍)にて待機している必要はなく、各直流電源1a〜1cの状態など、各電力変換器2a〜2cの運転条件に応じた電流値にて運転を行っても良い。
【0293】
たとえば、負荷9の量が増大して、既設電圧源22だけでは電力が賄いきれなくなった場合には、負荷電圧が正常範囲からはずれる(S1:No)ので、電力変換器2a〜2cのうちの1台は電圧制御モードに移行し(S2)、負荷電圧の維持動作に入る。
【0294】
このように、本実施の形態に係る交流電源装置は、第1から第11の実施の形態にて示した交流電源装置において、更に、電力変換器2が電力を供給する負荷に並列に、UPS、自家発電設備、商用電源等の電圧源22を接続したことを特徴とする交流電源装置とする。
【0295】
この時の電圧制御値を予め調整しておくことにより、既設電圧源22との間での負荷分担バランスをとることができる。
【0296】
なお、これらの既設電圧源22が自家発電設備や商用系統である場合、各電力変換器2a〜2cの直流部に蓄エネルギー手段を備えることによって、負荷9側から充電することが可能となる。
【0297】
また、図17の例では、第1の実施の形態に対応する運転方法のみを例に示したが、電力変換器2の運転方法に図3、図5の各フローチャートに示す運転方法、および図15、図16の電圧−電流特性を適用した運転とすることもできる。
【0298】
上述したように、本実施の形態に係る交流電源装置においては、上記のような作用により、負荷母線8に対して、既設UPSや自家発電設備、もしくは商用系統からの直接受電部などの既設電圧源22を付加した構成においても、第1、第2、第10、第11の各実施の形態で得られた効果と同様の効果が得られる交流電源装置を実現することができる。
【0299】
(第13の実施の形態)
本発明の第13の実施の形態を図18を用いて説明する。
【0300】
図18は、第13の実施の形態に係る交流電源装置の一例を示す回路構成図であり、図17と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0301】
すなわち、本実施の形態に係る交流電源装置は、図17に示す交流電源装置に、既設電圧源22の出力電流を検知する既設電圧源出力電流検知器24と、既設電圧源22の出力電圧を検知する既設電圧源出力電圧検知器25と、更にそれらによって検知された値をモニタする既設電圧源運転状態検知器26とを付加している。更に、この既設電圧源運転状態検知器26と各制御器12とを相互に接続する補助通信回線20を付加している。
【0302】
次に、以上のように構成した本実施の形態に係る交流電源装置の動作について図2のフローチャートを用いて説明する。
【0303】
すなわち、既設電圧源22が正常に機能している状態では、負荷電圧が正常であるので(S1:Yes)、各電力変換器2a〜2cは、電流制御モードで動作する(S8)。
【0304】
なおこの場合、必ずしも各電力変換器2a〜2cは、電流下限値(もしくは零電流近傍)にて待機している必要はなく、各直流電源1a〜1cの状態など、各電力変換器2a〜2cの運転条件に応じた電流値にて運転を行っても良い。
【0305】
たとえば、負荷9の量が増大して、既設電圧源22だけでは電力が賄いきれなくなった場合には、負荷電圧が正常範囲からはずれる(S1:No)ので、電力変換器2a〜2cのうちの1台は電圧制御モードに移行し(S2)、負荷電圧の維持動作に入る。
【0306】
このとき、補助通信回線20を介して得られる各電力変換器2a〜2cの出力電流に基づいて、電圧制御モードに移行すべき電力変換器2が選択される。
【0307】
このように、本実施の形態に係る交流電源装置では、第12の実施の形態に示した交流電源装置に、更に、電圧源22の出力電圧と出力電流とを検知する既設電圧源運転状態検知器26と、既設電圧源運転状態検知器26により検知される結果を、複数の電力変換器2のそれぞれに伝送する補助通信回路20とを電圧源22に備えたことを特徴とする交流電源装置である。
【0308】
なお、請求項13でいう出力検知手段、出力伝達手段は、本実施の形態において既設電圧源運転状態検知器26、補助通信回路20にそれぞれ相当する。
【0309】
また、図18の例では、第1の実施の形態に対応する運転方法のみを例に示したが、電力変換器2の運転方法に図3、図5、図15、図16の各フローチャートに示す運転方法を適用することもできる。
【0310】
更に、本実施の形態に係る交流電源装置においては、各電力変換器2a〜2cの制御器12a〜12cの間に補助通信回線20を設置することにより、第4から第9の実施の形態にも適用することができる。
【0311】
また、既設電圧源22の出力をモニタする既設電圧源運転状態検知器26と、その値を相互に各電力変換器2に伝達する補助通信回線20とによって、既設電圧源22からの入出力をコントロールすることも可能となり、各電力変換器2の間でより木目細かな協調制御を行なうことができる交流電源装置を実現することができる。
【0312】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、各電力変換器の間で共通に使用する部分を減らし、部品故障による運転停止が極力発生しないようにすることが可能な交流電源装置を実現することができる。
【0313】
また、各電力変換器の間での信号のやり取りを極力無くし、各電力変換器の分散制御を可能とし、電力変換器の増設を容易に行なうことが可能な交流電源装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る交流電源装置の一例を示す回路構成図。
【図2】第1の実施の形態に係る交流電源装置の運転方法を示すフローチャート。
【図3】第2の実施の形態に係る交流電源装置の運転方法を示すフローチャート。
【図4】第2の実施の形態に係る交流電源装置の運転方法において、電圧制御モードから電流制御モードへの移行条件と、電圧制御モードにおける運転電流範囲とを示した模式図。
【図5】第3の実施の形態に係る交流電源装置の運転方法を示すフローチャート。
【図6】第3の実施の形態に係る交流電源装置の運転方法において、電圧制御モードから電流制御モードへの移行条件と、電圧制御モードにおける運転電流範囲とを示した模式図。
【図7】第4の実施の形態に係る交流電源装置の一例を示す回路構成図。
【図8】第4の実施の形態に係る交流電源装置の運転方法を示すフローチャート。
【図9】第5の実施の形態に係る交流電源装置の運転方法を示すフローチャート。
【図10】第6の実施の形態に係る交流電源装置の運転方法を示すフローチャート。
【図11】第7の実施の形態に係る交流電源装置の運転方法を示すフローチャート。
【図12】第8の実施の形態に係る交流電源装置の運転方法を示すフローチャート。
【図13】第8の実施の形態に係る交流電源装置の運転範囲を示す模式図。
【図14】第9の実施の形態に係る交流電源装置の運転方法を示すフローチャート。
【図15】電力変換器2の出力電流と出力電圧との関係の一例を示す特性図。
【図16】第11の実施の形態に係る交流電源装置における電力変換器2の出力電流と出力電圧との関係の一例を示す特性図。
【図17】第12の実施の形態に係る交流電源装置の一例を示す回路構成図。
【図18】第13の実施の形態に係る交流電源装置の一例を示す回路構成図。
【図19】従来から用いられている電流制御方式の交流電源装置の一例を示す回路構成図。
【図20】従来から用いられている電圧制御方式の交流電源装置の一例を示す回路構成図。
【符号の説明】
1…直流電源、
2…電力変換器、
3…フィルタリアクトル、
4…フィルタコンデンサ、
5…連系リアクトル、
6…共通出力母線、
7…出力線、
8…負荷母線、
9…負荷、
10…全負荷電流検出器、
11…分配器、
12…制御器、
13…変換器電流検出器、
14…出力電圧検出器、
15…出力電流検出器、
16…出力母線、
17…分岐線、
20…補助通信回線、
22…既設電圧源、
24…既設電圧源出力電流検知器、
25…既設電圧源出力電圧検知器、
26…既設電圧源運転状態検知器。

Claims (13)

  1. 互いに並列に接続された複数の電力変換器を備えて構成された交流電源装置において、
    出力電圧を所定電圧値に制御して運転を行なう電圧制御モードで運転している自己の電力変換器の出力電流が、所定電流範囲内にあることを判定する出力電流判定手段と、
    出力電流を所定電流値に制御して運転を行なう電流制御モードで運転している自己の電力変換器の出力電圧が、所定電圧範囲内にあることを判定する出力電圧判定手段と、
    前記電圧制御モードで運転している自己の電力変換器の出力電流が、予め定めた閾電流値に達した場合に、自己の電力変換器の運転モードを前記電圧制御モードから前記電流制御モードへと切り替え、前記電流制御モードで運転している自己の電力変換器の出力電圧が、予め定めた閾電圧値に達した場合に、自己の電力変換器の運転モードを前記電流制御モードから前記電圧制御モードへと切り替える第1の運転切替手段とを、
    前記複数の電力変換器にそれぞれ備えたことを特徴とする交流電源装置。
  2. 互いに並列に接続された複数の電力変換器を備えて構成された交流電源装置において、
    出力電圧を所定電圧値に制御して運転を行なう電圧制御モードで運転している自己の電力変換器の出力電流が、所定電流範囲内にあることを判定する出力電流判定手段と、
    出力電流を所定電流値に制御して運転を行なう電流制御モードで運転している自己の電力変換器の出力電圧が、所定電圧範囲内にあることを判定する出力電圧判定手段と、
    前記電圧制御モードで運転している自己の電力変換器の出力電流が、予め定めた第1の閾電流値を所定時間超えた場合に、自己の電力変換器の運転モードを前記電圧制御モードから前記電流制御モードへと切り替え、前記電圧制御モードで運転している自己の電力変換器の出力電流が、前記第1の閾電流値よりも高い予め定めた第2の閾電流値に達した場合に、自己の電力変換器の運転モードを前記電圧制御モードから前記電流制御モードへと切り替え、前記電流制御モードで運転している自己の電力変換器の出力電圧が、予め定めた閾電圧値に達した場合に、自己の電力変換器の運転モードを前記電流制御モードから前記電圧制御モードへと切り替える第1の運転切替手段とを、
    前記複数の電力変換器にそれぞれ備えたことを特徴とする交流電源装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の交流電源装置において、
    前記電圧制御モードから前記電流制御モードヘと運転モードが切り替えられた電力変換器は、
    前記所定電流値を、前記閾電流値、前記第1の閾電流値および前記第2の閾電流値と異なる値として当該電力変換器を運転することを特徴とする交流電源装置。
  4. 請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の交流電源装置において、
    自己の電力変換器の運転モードの情報を他の電力変換器に伝達する運転モード伝達手段と、
    前記運転モード伝達手段により伝達される他の電力変換器の運転モード情報に基づき、前記電圧制御モードで運転している他の電力変換器が存在せず、かつ自己の電力変換器が前記電流制御モードで運転している場合に、自己の電力変換器の運転モードを、前記電流制御モードから前記電圧制御モードへと切り替える第2の運転切替手段とを、
    前記複数の電力変換器にそれぞれ備えたことを特徴とする交流電源装置。
  5. 請求項4に記載の交流電源装置において、
    前記運転モード伝達手段は、自己の電力変換器の運転モードが前記電圧制御モードから前記電流制御モードへと切り替えられた場合に、この切り替えられた場合における電流値を他の電力変換器に伝達し、
    前記電流制御モードで運転している電力変換器の前記第2の運転切替手段は、当該電力変換器の出力電流がその切り替えられた場合における電流値付近である場合に、当該電力変換器を前記電圧制御モードヘ切り替えないようにしたことを特徴とする交流電源装置。
  6. 請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の交流電源装置において、
    出力電力が零近傍で運転している電力変換器のうちの少なくとも1台を停止させることを特徴とする交流電源装置。
  7. 請求項4乃至6のうちいずれか1項に記載の交流電源装置において、
    前記運転モード伝達手段は、前記電圧制御モードで運転している電力変換器の出力電流値を、他の電力変換器に伝達し、
    自己の電力変換器が前記電流制御モードで運転している場合に、自己の電力変換器の出力電流を、前記運転モード伝達手段から伝達された出力電流値に近づけるように運転する第1の運転制御手段を、前記複数の電力変換器にそれぞれ備えたことを特徴とする交流電源装置。
  8. 請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の交流電源装置において、
    自己の電力変換器が前記電流制御モードで運転されている場合に、その運転状態が力行状態か回生状態かの運転状態情報を他の電力変換器に伝達する第1の運転状態伝達手段と、
    前記第1の運転状態伝達手段から伝達される他の電力変換器の運転状態情報に基づき、前記力行状態の電流制御モードで運転している電力変換器が存在し、かつ、自己の電力変換器が前記電圧制御モードで運転している場合に、自己の電力変換器の運転状態を力行状態とし、前記回生状態の電流制御モードで運転している電力変換器が存在し、かつ、自己の電力変換器が前記電圧制御モードで運転している場合に、自己の電力変換器の運転状態を回生状態とする第2の運転制御手段とを、
    前記複数の電力変換器にそれぞれ備えたことを特徴とする交流電源装置。
  9. 請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載の交流電源装置において、
    自己の電力変換器が前記電流制御モードで運転されている場合に、その運転状態が進み力率か遅れ力率かの運転状態情報を他の電力変換器に伝達する第2の運転状態伝達手段と、
    前記第2の運転状態伝達手段から伝達される他の電力変換器の運転状態情報に基づき、前記遅れ力率の電流制御モードで運転している電力変換器が存在し、かつ、自己の電力変換器が前記電圧制御モードで運転している場合に、自己の電力変換器の運転状態を前記進み力率とし、前記進み力率の電流制御モードで運転している電力変換器が存在し、かつ、自己の電力変換器が前記電圧制御モードで運転している場合に、自己の電力変換器の運転状態を遅れ力率とする第3の運転制御手段とを、
    前記複数の電力変換器にそれぞれ備えたことを特徴とする交流電源装置。
  10. 請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載の交流電源装置において、
    自己の電力変換器が、前記電圧制御モードで運転している場合に、自己の電力変換器の出力電圧を、自己の電力変換器の出力電流の値に応じて制御する第4の運転制御手段を、前記複数の電力変換器にそれぞれ備えたことを特徴とする交流電源装置。
  11. 請求項1乃至10のうちいずれか1項に記載の交流電源装置において、
    自己の電力変換器が、前記電流制御モードで運転している場合に、自己の電力変換器の出力電流を、自己の電力変換器の出力電圧の値に応じて制御する第5の運転制御手段を、前記複数の電力変換器にそれぞれ備えたことを特徴とする交流電源装置。
  12. 請求項1乃至11のうちいずれか1項に記載の交流電源装置において、
    前記電力変換器が電力の供給を行なう負荷と並列に、UPS、自家発電設備、商用電源等の電圧源を接続したことを特徴とする交流電源装置。
  13. 請求項12に記載の交流電源装置において、
    前記電圧源の出力電圧と出力電流とを検知する出力検知手段と、
    前記出力検知手段により検知された結果を、前記複数の電力変換器のそれぞれに伝送する出力伝達手段とを、
    前記電圧源自体に備えたことを特徴とする交流電源装置。
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