JP3762240B2 - 自励式インバータの制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、交流電源のない電力系統に複数台並列に接続され、直流電力を交流電力に変換して電力系統に供給する、直流送電/直流連系システムあるいは電力供給システムに用いられる自励式インバータの制御装置に係り、特に各自励式インバータが、各自励式インバータの出力に偏りを生じることなく、かつ出力の動揺を抑制しながら負荷に適切な有効/無効電力を供給できるようにした自励式インバータの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、異なる電力系統間で電力融通を行なう場合には、各交流系統に交直変換器を設置し、それらの交直変換器の直流端子間を相互に接続する直流送電/直流連系システムが多く用いられている。
【0003】
また、電池等の直流電源から交流系統へ電力を供給する場合にも、交直変換器が使用されている。
【0004】
このような電力システムで使用される交直変換器としては、近年、自励式変換器が適用されるようになってきている。
【0005】
自励式変換器は、直流電力を交流電力に変換する、いわゆるインバータとして運転する場合、交流電源のない電力系統に接続されても運転を行なうことが可能であり、離島送電や孤立した電力系統への電力供給の手段として期待されている。
【0006】
ただし、電力系統へ適用される自励式インバータについては、交流電源のある電力系統へ接続された場合の制御方式は基本的に確立されている一方、無電源の電力系統へ接続した場合の制御方式は確立されていない。
【0007】
一方、無電源の回路へ電力を供給する小容量の交直変換器システムとしては、計算機等に適用される無停電電源装置(UPS)がある。
【0008】
図11は、複数台の無停電電源装置が並列に設置された場合の主回路および制御装置の構成例を示すブロック図である。
【0009】
図11において、直流電源1には自励式インバータ2が接続され、その交流側には、変圧器3を介して負荷4が接続されている。
【0010】
自励式インバータ2の制御装置では、負荷4のつながる交流回路の電圧の大きさVsを検出し、それを設定値Vrefと突合せて差分ΔVをとり、その値を例えば比例積分回路で構成された交流電圧制御回路5に入力する。
【0011】
この交流電圧制御回路5で得られた値を、パルス幅制御(PWM)回路6に与え、パルス幅制御(PWM)回路6では、この値を正弦波信号の波高値として使用する。
【0012】
PWM正弦波信号の波高値とインバータの交流出力電圧Viの波高値とは、ほぼ比例の関係にある。
【0013】
これにより、交流回路の電圧Vsが設定値Vref通りに保たれる。
【0014】
また、複数台の無停電電源装置が並列に運転されている場合には、自己の出力電流I1と並列した他の自励式インバータ7の出力電流I2との差分信号ΔIにより、交流電圧制御回路5の出力信号であるPWM正弦波信号波高値の値を補正する。
【0015】
すなわち、差分信号ΔIが正の信号の場合は、並列した自励式インバータ7よりも出力が大きい状態であり、この場合には正弦波信号の波高値を下げることにより、自励式インバータ2の出力電圧を小さくし、これによって出力を低下させる。
【0016】
差分信号ΔIが負の信号の場合は、逆に、並列した自励式インバータ7よりも出力が小さい状態であり、この場合には正弦波信号の波高値を上げることにより、自励式インバータ2の出力電圧を大きくし、これによって出力を増加させ、自己機と並列機の出力が均等となるように動作させる。
【0017】
自励式インバータに接続されている負荷に必要な有効/無効電力量を推定することは困難であるが、前述のように、負荷4側の電圧を一定値に保つように制御を行なうことにより、自動的に必要な電力が自励式インバータ2から供給され、また差分信号ΔIによる補正を行なうことで、並列に運転される他の自励式インバータ7との間で、均等に負荷4への電力供給を行なうことができる。
【0018】
図12は、交流電源のない電力系統に接続された自励式インバータの主回路および制御装置の構成例を示すブロック図である。
【0019】
無停電電源装置に対して、一般的な電力系統に接続された自励式インバータの違いとしては、負荷の種類や大きさが大きく変化し、不定であることがあげられる。また、不特定多数の需要家に電力を供給しているため、運転の安定性がより一層求められる。
【0020】
図12において、電源側系統の交流電力が、順変換器8により直流電力に変換され、それが自励式インバータ2により交流電力に変換され、変圧器3を介して負荷4に供給されている。
【0021】
自励式インバータ2の直流側には、キャパシタ9が設置されており、自励式インバータ2は、電圧型自励式変換器として動作する。
【0022】
順変換器8側では、直流電圧Edを検出して、設定値Edrefとの差分を零とするように直流電圧制御回路10による制御を行ない、その出力信号を基にパルス発生回路11から、順変換器8に対してパルス信号を与えている。
【0023】
一方、自励式インバータ2の制御装置は、負荷4のつながる交流系統の電圧の大きさVsを検出し、それを設定値Vrefと突合わせて差分ΔVをとり、その値を例えば比例積分回路で構成された交流電圧制御回路5に入力する。
【0024】
この交流電圧制御回路5で得られた値を、パルス幅制御(PWM)回路6に与え、パルス幅制御(PWM)回路6では、この値をPWM正弦波信号の波高値として使用し、パルス信号を発生して自励式インバータ2へ与える。
【0025】
PWM正弦波信号の波高値とインバータの交流出力電圧Viの波高値とは、ほぼ比例の関係にある。
【0026】
これにより、交流系統の電圧Vsが設定値Vref通りに保たれる。
【0027】
図12に示すシステムの制御が図11の無停電電源装置と異なるのは、出力電流の追従制御を行なっている点である。
【0028】
すなわち、自励式インバータ2の出力電流Iを検出し、その値を2軸変換回路12で直交する2軸量Id,Iqに変換し、それぞれに対して1次遅れ回路13,13′を介した値を電流指令値Idref,Iqrefとして、出力電流の2軸検出値Id,Iqと突合せを行ない、この差分を比例積分回路等で構成された電流追従制御回路14,14′に入力する。
【0029】
この電流追従制御回路14,14′の出力によって、電圧制御回路5の出力信号の補正を行なう。
【0030】
かかる電流追従制御による補正を行なうことで、自励式インバータ2の出力の振動が抑制され、より安定な運転を行なうことができる。
【0031】
また、負荷4が必要としている出力電流の値を推定することは困難であるが、交流電圧を一定に保つように運転することで得られた自身の出力電流に対して、1次遅れを介した値、すなわち定常的な出力電流値を電流指令値として使用することにより、負荷4が変化した場合には、自動的に電流指令値が変化して、適切な有効/無効電力を出力することができる。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図12に示すような方式の自励式インバータ2が複数台並列に接続され、交流電源のない電力系統に電力を供給する場合、各自励式インバータ2の出力の和は、接続された負荷量とバランスのとれた値になるが、各自励式インバータ2出力の比率は不確定であり、偏りや横流が発生する可能性がある。そして、特定の自励式インバータ2の出力が偏ると、過電流による変換器トリップが生じたり、損失が増大するといった問題が発生する。
【0033】
一方、図11に示すような無停電電源装置と同様の制御を、複数台並列に接続されて交流電源のない電力系統へ電力を供給する自励式インバータに適用した場合、各自励式インバータ間の出力の差を零とするように制御することにより、出力の偏りや横流は防止することができる。
【0034】
しかしながら、各自励式インバータにおいて出力電流が制御されていないため、特に軽負荷時や系統側が振動し易い条件の場合、変換器出力電流や有効/無効電力の動揺が収束し難く、安定な運転状態になるまでに時間がかかるといった問題がある。
【0035】
本発明の目的は、交流電源のない電力系統に複数台並列に接続された自励式インバータが、各自励式インバータの出力に偏りを生じることなく、かつ出力の動揺を抑制しながら負荷に適切な有効/無効電力を供給することが可能な自励式インバータの制御装置を提供することにある。
【0036】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、交流電源のない電力系統に複数台並列に接続され、直流電力を交流電力に変換して前記電力系統に供給する自励式インバータの制御装置において、前記各自励式インバータに対して、前記電力系統の電圧値があらかじめ定められた設定値となるように交流出力電圧を制御する制御手段と、前記各自励式インバータが運転中か否かを検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に応じて、前記各自励式インバータのうち運転中の前記各自励式インバータの出力電流を直交座標上の2軸変数に変換してその平均値をとり、当該平均値に対して1次遅れ手段を介した値を電流指令値として出力電流が追従するように、前記電圧制御の出力を補正する補正手段とを備えた構成である。
【0037】
従って、請求項1に対応する発明の自励式インバータの制御装置においては、以上のような手段を備えたことにより、交流電圧を設定値通りに維持しながら、各自励式インバータが均等に負荷分担し、かつ出力変動を抑制して安定に運転を行なうことができる。
【0056】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0057】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態による交流電源のない電力系統に接続された自励式インバータの主回路および制御装置の構成例を示すブロック図であり、図11および図12と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0058】
図1において、自励式インバータ2の直流側には、直流電源あるいは順変換器が接続されており、前記図12に示した従来の装置と同一構成である。
【0059】
また、自励式インバータ2と自励式インバータ7は同一構成であり、並列に接続されて負荷4へ電力を供給するようにしている。
【0060】
本実施の形態では、前記図12に示した従来の装置に対し、2台の自励式インバータ2,7に対する共通制御装置15を設けた構成としている。
【0061】
共通制御装置15内の加算器16,16′には、各自励式インバータ2,7からの出力電流を2軸変換した値Id1,Iq1およびId2,Iq2を入力し、それぞれ和をとってゲイン回路17,17′を介して、1次遅れ回路18,18′へ与える。
【0062】
1次遅れ回路18,18′からの出力は、それぞれd軸電流指令値Idref、q軸電流指令値Iqrefとして、各自励式インバータ2,7の制御回路へ与える。
【0063】
自励式インバータ2の制御回路では、d軸電流指令値IdrefとId1,q軸電流指令値IqrefとIq1をそれぞれ突合わせて、両者の差分を比例積分回路で構成された電流追従制御回路14,14′に入力する。
【0064】
電流追従制御回路14,14′からの出力は、前述した従来の場合と同様に、交流電圧制御回路5からの出力を補正するように、加算を行なうようにしている。
【0065】
一方、並列して運転している自励式インバータ7の制御装置についても、自励式インバータ2の制御装置と同一構成である。
【0066】
すなわち、本実施の形態は、各自励式インバータ2,7では、電力系統の電圧値があらかじめ定められた設定値となるように交流出力電圧を制御し、かつ各自励式インバータ2,7の出力電流を直交座標上の2軸変数に変換してその平均値をとり、この平均値に対して1次遅れ回路18,18′を介した値を電流指令値として出力電流が追従するように、各自励式インバータ2,7において上記電圧制御回路5の出力を補正するようにしている。
【0067】
次に、以上のように構成した本実施の形態による自励式インバータの制御装置の作用について説明する。
【0068】
図1において、制御装置では、前述した従来の場合と同様に、負荷4が接続される交流系統の電圧Vsを検出して設定値Vrefと突合せ、電圧制御回路5による制御を行なうことにより、交流電圧Vsが設定値Vrefに保たれ、結果として、負荷4に必要な有効/無効電力が供給されている。
【0069】
一方、共通制御装置15において、各自励式インバータ2,7の出力電流の2軸量が、加算器16,16′で加算されてゲイン回路17,17′に与えられる。
【0070】
ゲイン回路17,17′のゲインとしては、1/2が設定されている。
【0071】
これにより、ゲイン回路17,17′からの出力値は、各自励式インバータ2,7からの出力電流の平均値、すなわち(Id1+Id2)/2、(Iq1+Iq2)/2となる。
【0072】
そして、この値が1次遅れ回路18,18′を介して、各自励式インバータ2,7に電流指令値Idref,Iqrefとして与えられる。
【0073】
1次遅れ回路18,18′の時定数を、数百ミリ秒程度の比較的大きな値とすることにより、この電流指令値Idref,Iqrefは、自励式インバータ2の定常的な運転点を示す値であるといえる。
【0074】
電流追従制御回路14では、d軸電流Id1が(Id1+Id2)/2に追従するように、電流追従制御回路14′では、q軸電流Iq1が(Iq1+Iq2)/2に追従するように、それぞれ制御が行なわれ、電圧制御回路5からの出力を補正する。
【0075】
自励式インバータ7でも、d軸電流Id2、q軸電流Iq2がそれぞれ(Id1+Id2)/2、(Iq1+Iq2)/2に追従するように補正が行なわれる。
【0076】
これにより、自励式インバータ2と自励式インバータ7の出力電流は、同じ値となるように制御が行なわれ、かつ合計の出力電流は、負荷4が必要とする有効/無効電力とバランスのとれた値になる。
【0077】
上述したように、本実施の形態による自励式インバータの制御装置では、2台の自励式インバータ2,7が並列して運転し、交流電源のない電力系統へ負荷電力を供給しているシステムにおいて、交流電圧を設定値通りに維持しながら、両自励式インバータ2,7が均等に分担して負荷4に必要な電力を供給するので、出力が偏ることによる両自励式インバータ2,7の過電流トリップや横流を防止することができ、さらに出力変動を抑制しながら安定に運転することが可能となる。
(変形例1)
図1の実施の形態は、2台の自励式インバータが並列に運転しているシステムであるが、さらに多くのn台の自励式インバータが並列に運転しているようなシステムについても、同様の制御を適用することができる。
【0078】
この場合、各自励式インバータの制御装置の構成および作用は、図1の場合と同様である。
【0079】
すなわち、共通制御装置15において、加算器16,16′には、n台の自励式インバータからの出力電流2軸量Id1,Id2,Id3…Idn、およびIq1,Iq2,Iq3…Iqnが入力される。
【0080】
また、ゲイン回路17,17′のゲインとしては、それぞれ1/nが設定される。
【0081】
これにより、各自励式インバータへ与えられる電流指令値Idref,Iqrefは、(Id1+Id2+…+Idn)/n、(Iq1+Iq2+…+Iqn)/nに対して1次遅れを介した値、すなわち各自励式インバータの出力電流の平均値となる。
【0082】
以上により、複数台の自励式インバータが並列して運転し、交流電源のない電力系統へ負荷電力を供給しているシステムにおいて、交流電圧を設定値通りに維持しながら、各自励式インバータが均等に分担して負荷4に必要な電力を供給するので、出力が偏ることによる自励式インバータの過電流トリップや横流を防止することができ、さらに出力変動を抑制しながら安定に運転することが可能となる。
【0083】
(変形例2)
上記共通制御装置15において、ゲイン回路17,17′と1次遅れ回路18,18′の接続順を逆とするようにしても、前述の場合と同等の作用、効果を得ることが可能である。
【0084】
(第2の実施の形態)
図2は、本実施の形態による交流電源のない電力系統に接続された自励式インバータの主回路および制御装置の構成例を示すブロック図であり、図1と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0085】
図2において、本実施の形態が、図1に示す実施の形態と異なるのは、共通制御装置15内部の加算器16,16′からの出力を、それぞれゲイン回路19,20および19′,20′に与える構成としている点である。
【0086】
ゲイン回路19,19′からの出力は、自励式インバータ2の制御装置内の1次遅れ回路13,13′に与え、その出力は電流指令値Idref1,Iqref1として、検出値Id1,Iq1と突合わせて電流追従制御回路14,14′に入力する。
【0087】
一方、ゲイン回路20,20′からの出力は、同様に自励式インバータ7の制御装置内の1次遅れ回路に与え、その出力は電流指令値Idref2,Iqref2として、Id2,Iq2と突合わせて電流追従制御を行なう。
【0088】
すなわち、本実施の形態は、各自励式インバータ2,7では、電力系統の電圧値が設定値となるように交流出力電圧を制御し、かつ各自励式インバータ2,7の出力電流を直交座標上の2軸変数に変換してその合計値をとり、この合計値を各自励式インバータ2,7の定格容量に比例した割合で配分した値を各自励式インバータ2,7に与え、この値に対して1次遅れ回路13,13′を介した値を電流指令値として出力電流が追従するように、各自励式インバータ2,7において上記電圧制御回路5の出力を補正するようにしている。
【0089】
その他の構成については、図1に示す実施の形態の場合と同様である。
【0090】
次に、以上のように構成した本実施の形態による自励式インバータの制御装置の作用について説明する。
【0091】
図2において、ゲイン回路19,19′、20,20′のゲインとしては、それぞれ自励式インバータ2と自励式インバータ7の定格容量に応じた値が設定される。
【0092】
すなわち、自励式インバータ2の定格容量をMVA1、自励式インバータ7の定格容量をMVA2とした場合、ゲイン回路19,19′のゲインは、K1d=K1q=MVA1/(MVA1+MVA2)、ゲイン回路20,20′のゲインは、K2d=K2q=MVA2/(MVA1+MVA2)という値とする。
【0093】
これにより、例えば自励式インバータ2の容量が自励式インバータ7の2倍であれば、各軸の電流指令値も自励式インバータ2の方が2倍であり、かつ両自励式インバータ2,7の電流指令値の和は、負荷4が必要とする電力量に一致する。
【0094】
本実施の形態を適用すると、並列に運転している2台の自励式インバータ2,7の定格容量が大きく異なっている場合に、それぞれの容量に応じて適切に負荷分担が行なえる。
【0095】
すなわち、例えば自励式インバータ2の容量が100MVA、自励式インバータ7の容量が20MVAで、90MWの負荷4が接続された場合、均等に負荷分担しようとすると、両自励式インバータ2,7に与えられる電流指令値は45MW相当の値となり、自励式インバータ7では過負荷のためトリップしてしまうが、図2の実施の形態を適用すれば、自励式インバータ2の電流指令値は75MW、自励式インバータ7の電流指令値は15MW相当の値となり、それぞれ定格容量内で運転することができる。
【0096】
上述したように、本実施の形態による自励式インバータの制御装置では、2台の自励式インバータ2,7が並列して運転し、交流電源のない電力系統へ負荷電力を供給しているシステムにおいて、交流電圧を設定値通りに維持しながら、各自励式インバータ2,7が定格容量に応じた比率で分担して負荷4に必要な電力を供給するので、出力が偏ることによる自励式インバータ2,7の過電流トリップや横流を防止することができ、さらに出力変動を抑制しながら安定に運転することが可能となる。
【0097】
(変形例)
図2の実施の形態は、2台の自励式インバータが並列に運転しているシステムであるが、さらに多くのn台の自励式インバータが並列に運転しているようなシステムについても、同様の制御を適用することができる。
【0098】
この場合、各自励式インバータの制御装置の構成および作用は、図2の場合と同様である。
【0099】
すなわち、共通制御装置15において、加算器16,16′には、n台の自励式インバータからの出力電流2軸量Id1,Id2,Id3…Idn、およびIq1,Iq2,Iq3…Iqnが入力される。
【0100】
また、各軸のゲイン回路のゲインとしては、自励式インバータの台数分設置され、ゲインはそれぞれ定格容量と比例した値が設定される。
【0101】
例えば、各自励式インバータの定格容量を、MVA1、MVA2、…MVAnとすると、ゲインは、K1d=K1q=MVA1/(MVA1+MVA2+…+MVAn)、K2d=K2q=MVA2/(MVA1+MVA2+…+MVAn)…Knd=Knq=MVAn/(MVA1+MVA2+…+MVAn)となる。
【0102】
これにより、各自励式インバータの電流指令値は、自励式インバータの容量に比例した値で、かつその合計値は負荷4が必要とする電力量に見合った値となる。
【0103】
以上により、複数台の自励式インバータが並列して運転し、交流電源のない電力系統へ負荷電力を供給しているシステムにおいて、交流電圧を設定値通りに維持しながら、各自励式インバータが定格容量に応じた比率で分担して負荷4に必要な電力を供給するので、出力が偏ることによる自励式インバータの過電流トリップや横流を防止することができ、さらに出力変動を抑制しながら安定に運転することが可能となる。
(第3の実施の形態)
図3は、本実施の形態による交流電源のない電力系統に接続された自励式インバータの主回路および制御装置の構成例を示すブロック図であり、図1と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0104】
図3において、本実施の形態が、図1に示す実施の形態と異なるのは、共通制御装置15内部に1次遅れ回路を設ける代わりに、各自励式インバータ2,7の制御装置内に1次遅れ回路13,13′を設け、出力電流I1を2軸変数に変換した値Id1,Iq1を1次遅れ回路13,13′に入力し、出力を共通制御装置15内の加算器16,16′に加える構成としている点である。
【0105】
一方、並列して運転している自励式インバータ7の制御装置についても、自励式インバータ2の制御装置と同一構成である。
【0106】
加算器16,16′からの出力は、1/2のゲインを有するゲイン回路17,17′に与え、その出力を電流指令値Idref,Iqrefとして、各自励式インバータ2,7へ与える。
【0107】
すなわち、本実施の形態は、各自励式インバータ2,7では、電力系統の電圧値があらかじめ定められた設定値となるように交流出力電圧を制御し、かつ各自励式インバータ2,7の出力電流を直交座標上の2軸変数に変換してそれぞれ1次遅れ回路13,13′を介した値を求め、さらに各軸変数毎に各自励式インバータ2,7の1次遅れ回路13,13′の出力信号の平均値をとり、この平均値を電流指令値として出力電流が追従するように、各自励式インバータ2,7において上記電圧制御回路5の出力を補正するようにしている。
【0108】
その他の構成については、図1に示す実施の形態の場合と同様である。
【0109】
次に、以上のように構成した本実施の形態による自励式インバータの制御装置の作用について説明する。
【0110】
図3において、加算器16,16′に入力される値としては、各自励式インバータ2,7の定常的な出力電流値である。
【0111】
そして、これらが加算されて、ゲイン回路17,17′で1/2されることにより、各自励式インバータ2,7へ与えられる電流指令値Idref,Iqrefは、両自励式インバータ2,7の定常運転点の平均値となる。
【0112】
上述したように、本実施の形態による自励式インバータの制御装置では、2台の自励式インバータ2,7が並列して運転し、交流電源のない電力系統へ負荷電力を供給しているシステムにおいて、交流電圧を設定値通りに維持しながら、各自励式インバータ2,7が均等に分担して負荷4に必要な電力を供給するので、出力が偏ることによる自励式インバータ2,7の過電流トリップや横流を防止することができ、さらに出力変動を抑制しながら安定に運転することが可能となる。
【0113】
(変形例)
図3の実施の形態は、2台の自励式インバータが並列に運転しているシステムであるが、さらに多くのn台の自励式インバータが並列に運転しているようなシステムについても、同様の制御を適用することができる。
【0114】
この場合、各自励式インバータの制御装置の構成および作用は、図3の場合と同様である。
【0115】
すなわち、共通制御装置15において、加算器16,16′には、n台の自励式インバータからの出力電流2軸量Id1,Id2,Id3…Idn、およびIq1,Iq2,Iq3…Iqnが入力される。
【0116】
また、ゲイン回路17,17′のゲインとしては、それぞれ1/nが設定される。
【0117】
これにより、各自励式インバータへ与えられる電流指令値Idref,Iqrefは、(Id1+Id2+…+Idn)/n、(Iq1+Iq2+…+Iqn)/n、すなわち各自励式インバータの出力電流の平均値となる。
【0118】
以上により、複数台の自励式インバータが並列して運転し、交流電源のない電力系統へ負荷電力を供給しているシステムにおいて、交流電圧を設定値通りに維持しながら、各自励式インバータが均等に分担して負荷に必要な電力を供給するので、出力が偏ることによる自励式インバータの過電流トリップや横流を防止することができ、さらに出力変動を抑制しながら安定に運転することが可能となる。
(第4の実施の形態)
図4は、本実施の形態による交流電源のない電力系統に接続された自励式インバータの主回路および制御装置の構成例を示すブロック図であり、図3と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0119】
図4において、本実施の形態が、図3に示す実施の形態と異なるのは、共通制御装置15内部の加算器16,16′からの出力を、それぞれゲイン回路19,20および19′,20′に与える構成としている点である。
【0120】
ゲイン回路19,19′からの出力は、自励式インバータ2の制御装置において電流指令値Idref1,Iqref1として、検出値Id1,Iq1と突合わせて電流追従制御回路14,14′に入力する。
【0121】
一方、ゲイン回路20,20′からの出力は、同様に自励式インバータ7の電流指令値Idref2,Iqref2として、検出値Id2,Iq2と突合わせて電流追従制御を行なう。
【0122】
すなわち、本実施の形態は、各自励式インバータ2,7では、電力系統の電圧値があらかじめ定められた設定値となるように交流出力電圧を制御し、かつ各自励式インバータ2,7の出力電流を直交座標上の2軸変数に変換してそれぞれ1次遅れ回路13,13′を介した値を求め、さらに各軸変数毎に各自励式インバータ2,7の1次遅れ回路13,13′の出力信号の合計値をとり、この合計値を各自励式インバータ2,7の定格容量に比例した割合で配分した値を電流指令値として出力電流が追従するように、各自励式インバータ2,7において上記電圧制御回路5の出力を補正するようにしている。
【0123】
その他の構成については、図3に示す実施の形態の場合と同様である。
【0124】
次に、以上のように構成した本実施の形態による自励式インバータの制御装置の作用について説明する。
【0125】
図4において、ゲイン回路19,19′、20,20′のゲインとしては、それぞれ自励式インバータ2と自励式インバータ7の定格容量に応じた値が設定される。
【0126】
すなわち、自励式インバータ2の定格容量をMVA1、自励式インバータ7の定格容量をMVA2とした場合、ゲイン回路19,19′のゲインは、K1d=K1q=MVA1/(MVA1+MVA2)、ゲイン回路20,20′のゲインは、K2d=K2q=MVA2/(MVA1+MVA2)という値とする。
【0127】
これにより、本実施の形態を適用すると、前記第2の実施の形態の場合と同様に、並列に運転している2台の自励式インバータ2,7の定格容量が大きく異なっている場合に、それぞれの容量に応じて適切に負荷分担が行なえる。
【0128】
上述したように、本実施の形態による自励式インバータの制御装置では、2台の自励式インバータ2,7が並列して運転し、交流電源のない電力系統へ負荷電力を供給しているシステムにおいて、交流電圧を設定値通りに維持しながら、各自励式インバータ2,7が定格容量に応じて分担して負荷4に必要な電力を供給するので、出力が偏ることによる自励式インバータ2,7の過電流トリップや横流を防止することができ、さらに出力変動を抑制しながら安定に運転することが可能となる。
(変形例)
図4の実施の形態は、2台の自励式インバータが並列に運転しているシステムであるが、さらに多くのn台の自励式インバータが並列に運転しているようなシステムについても、同様の制御を適用することができる。
【0129】
この場合、各自励式インバータの制御装置の構成および作用は、図4の場合と同様である。
【0130】
すなわち、共通制御装置15において、加算器16,16′には、n台の自励式インバータからの出力電流2軸量Id1,Id2,Id3…Idn、およびIq1,Iq2,Iq3…Iqnが入力される。
【0131】
また、各軸のゲイン回路は、自励式インバータの台数分設置され、ゲインとしては、それぞれ定格容量と比例した値が設定される。
【0132】
例えば、各自励式インバータの定格容量を、MVA1、MV2、…MVAnとすると、ゲインは、K1d=K1q=MVA1/(MVA1+MVA2+…+MVAn)、K2d=K2q=MVA2/(MVA1+MVA2+…+MVAn)…Knd=Knq=MVAn/(MVA1+MVA2+…+MVAn)となる。
【0133】
これにより、各自励式インバータの電流指令値は、自励式インバータの容量に比例した値で、かつその合計値は負荷4が必要とする電力量に見合った値となる。
【0134】
以上により、複数台の自励式インバータが並列して運転し、交流電源のない電力系統へ負荷電力を供給しているシステムにおいて、交流電圧を設定値通りに維持しながら、各自励式インバータが定格容量に応じて分担して負荷4に必要な電力を供給するので、出力が偏ることによる自励式インバータの過電流トリップや横流を防止することができ、さらに出力変動を抑制しながら安定に運転することが可能となる。
(第5の実施の形態)
図5は、本実施の形態による交流電源のない電力系統に接続された自励式インバータの主回路および制御装置の構成例を示すブロック図であり、図1と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0135】
図5において、本実施の形態が、図1に示す実施の形態と異なるのは、共通制御装置15に与える値として、各自励式インバータ2,7の出力電流Id1,Iq1,Id2,Iq2の代わりに、負荷電流検出値ILを使用する構成としている点である。
負荷電流検出値ILを、共通制御装置15内部の2軸変換回路21へ入力し、2軸変数ILd,ILqを得る。
【0136】
これを、それぞれゲイン1/2が設定されたゲイン回路17,17′に与え、ゲイン回路17,17′からの出力は、自励式インバータ2の制御装置において電流指令値Idref1,Iqref1として、検出値Id1,Iq1と突合わせて電流追従制御回路14,14′に入力し、一方、自励式インバータ7の電流指令値Idref2,Iqref2としても使用して、検出値Id2,Iq2と突合わせて電流追従制御を行なう。
【0137】
すなわち、本実施の形態は、各自励式インバータ2,7では、電力系統の電圧値があらかじめ定められた設定値となるように交流出力電圧を制御し、電力系統の負荷電流を検出して直交座標上の2軸変数に変換して得られた値を、各自励式インバータ2,7に等分に配分した値を電流指令値として出力電流が追従するように、各自励式インバータ2,7において上記電圧制御回路5の出力を補正するようにしている。
【0138】
その他の構成については、図1に示す実施の形態の場合と同様である。
【0139】
次に、以上のように構成した本実施の形態による自励式インバータの制御装置の作用について説明する。
【0140】
図5において、各自励式インバータ2,7により交流電圧を設定値通りに保つように制御が行なわれているので、負荷電流ILは、負荷4が必要とする電流値である。
【0141】
この値に対して、ゲイン回路17,17′で1/2された値が、それぞれの自励式インバータ2,7に電流指令値として与えられるので、各自励式インバータ2,7は、負荷4の必要電流を1/2ずつ分担して出力するよう制御が行なわれる。
【0142】
これにより、本実施の形態を適用すると、前記第1の実施の形態の場合と同様に、全体として負荷4に必要な電流を2台の自励式インバータ2,7で供給しつつ均等に負荷分担が行なわれる。
【0143】
上述したように、本実施の形態による自励式インバータの制御装置では、2台の自励式インバータ2,7が並列して運転し、交流電源のない電力系統へ負荷電力を供給しているシステムにおいて、交流電圧を設定値通りに維持しながら、各自励式インバータ2,7が均等に分担して負荷4に必要な電力を供給するので、出力が偏ることによる自励式インバータ2,7の過電流トリップや横流を防止することができ、さらに出力変動を抑制しながら安定に運転することが可能となる。
(変形例)
図5の実施の形態は、2台の自励式インバータが並列に運転しているシステムであるが、さらに多くのn台の自励式インバータが並列に運転しているようなシステムについても、同様の制御を適用することができる。
【0144】
この場合、各自励式インバータの制御装置の構成および作用は、図5の場合と同様である。
【0145】
すなわち、共通制御装置15において、ゲイン回路17,17′のゲインとしては、それぞれ1/nと設定され、その出力はn台の自励式インバータへ電流指令値として与えられる。
【0146】
これにより、本変形例を適用すると、全体として負荷4に必要な電流を複数台の自励式インバータで供給しつつ均等に負荷分担が行なわれる。
【0147】
以上により、複数台の自励式インバータが並列して運転し、交流電源のない電力系統へ負荷電力を供給しているシステムにおいて、交流電圧を設定値通りに維持しながら、各自励式インバータが均等に分担して負荷4に必要な電力を供給するので、出力が偏ることによる自励式インバータの過電流トリップや横流を防止することができ、さらに出力変動を抑制しながら安定に運転することが可能となる。
【0148】
(第6の実施の形態)
図6は、本実施の形態による交流電源のない電力系統に接続された自励式インバータの主回路および制御装置の構成例を示すブロック図であり、図5と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0149】
図6において、本実施の形態が、図5に示す実施の形態と異なるのは、共通制御装置15内部の2軸変換回路21からの出力を、それぞれゲイン回路19,20および19′,20′に与える構成としている点である。
【0150】
ゲイン回路19,19′からの出力は、自励式インバータ2の制御装置に対し電流指令値Idref1,Iqref1として与え、検出値Id1,Iq1と突合わせて電流追従制御回路14,14′に入力する。
【0151】
一方、ゲイン回路20,20′からの出力は、同様に自励式インバータ7の制御装置に対し電流指令値Idref2,Iqref2として与え、検出値Id2,Iq2と突合わせて電流追従制御を行なう。
【0152】
すなわち、本実施の形態は、各自励式インバータ2,7では、電力系統の電圧値があらかじめ定められた設定値となるように交流出力電圧を制御し、電力系統の負荷電流を検出して直交座標上の2軸変数に変換して得られた値を、各自励式インバータ2,7の定格容量に比例した割合で配分した値を各自励式インバータ2,7に与え、この値を電流指令値として出力電流が追従するように、各自励式インバータ2,7において上記電圧制御回路5の出力を補正するようにしている。
【0153】
その他の構成については、図5に示す実施の形態の場合と同様である。
【0154】
次に、以上のように構成した本実施の形態による自励式インバータの制御装置の作用について説明する。
【0155】
図6において、ゲイン回路19,19′、20,20′のゲインとしては、それぞれ自励式インバータ2と自励式インバータ7の定格容量に応じた値が設定される。
【0156】
すなわち、自励式インバータ2の定格容量をMVA1、自励式インバータ7の定格容量をMVA2とした場合、ゲイン回路19,19′のゲインとしては、K1d=K1q=MVA1/(MVA1+MVA2)、ゲイン回路20,20′のゲインは、K2d=K2q=MVA2/(MVA1+MVA2)とする。
【0157】
これにより、例えば自励式インバータ2の容量が自励式インバータ7の2倍であれば、各軸の電流指令値も自励式インバータ2の方が2倍であり、かつ両自励式インバータ2,7の電流指令値の和は、負荷4が必要とする電力量に一致する。
【0158】
これにより、本実施の形態を適用すると、並列に運転している2台の自励式インバータ2,7の定格容量が大きく異なっている場合に、それぞれの容量に応じて適切な負荷分担が行なえる。
【0159】
上述したように、本実施の形態による自励式インバータの制御装置では、2台の自励式インバータ2,7が並列して運転し、交流電源のない電力系統へ負荷電力を供給しているシステムにおいて、交流電圧を設定値通りに維持しながら、各自励式インバータ2,7が定格容量に応じて分担して負荷4に必要な電力を供給するので、出力が偏ることによる自励式インバータ2,7の過電流トリップや横流を防止することができ、さらに出力変動を抑制しながら安定に運転することが可能となる。
(変形例)
図6の実施の形態は、2台の自励式インバータ2,7が並列に運転しているシステムであるが、さらに多くのn台の自励式インバータが並列に運転しているようなシステムについても、同様の制御を適用することができる。
【0160】
この場合、各自励式インバータの制御装置の構成および作用は、図6の場合と同様である。
【0161】
すなわち、共通制御装置15において、各軸のゲイン回路は、自励式インバータの台数分設置され、ゲインとしては、それぞれ定格容量と比例した値が設定される。
【0162】
例えば、各自励式インバータの定格容量を、MVA1、MVA2、…MVAnとすると、ゲインは、K1d=K1q=MVA1/(MVA1+MVA2+…+MVAn)、K2d=K2q=MVA2/(MVA1+MVA2+…+MVAn)…Knd=Knq=MVAn/(MVA1+MVA2+…+MVAn)となる。
【0163】
これにより、各自励式インバータの電流指令値は、自励式インバータの容量に比例した値で、かつその合計値は、負荷4が必要とする電力量に見合った値となる。
【0164】
本変形例を適用すると、全体として負荷4に必要な電流を複数台の自励式インバータで供給しつつ各自励式インバータの定格容量に応じた比率で負荷分担が行なわれる。
【0165】
以上により、2台の自励式インバータ2,7が並列して運転し、交流電源のない電力系統へ負荷電力を供給しているシステムにおいて、交流電圧を設定値通りに維持しながら、両自励式インバータ2,7が均等に分担して負荷4に必要な電力を供給するので、出力が偏ることによる両自励式インバータ2,7の過電流トリップや横流を防止することができ、さらに出力変動を抑制しながら安定に運転することが可能となる。
(第7の実施の形態)
図7は、本実施の形態による交流電源のない電力系統に接続された自励式インバータの制御装置における共通制御装置の内部構成例を示すブロック図であり、図1と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0166】
本実施の形態が、図1に示す実施の形態と異なるのは、図1に示す共通制御装置15の代わりに、図7に示すような構成の共通制御装置15を適用している点である。
【0167】
なお、図7において、“インバータ1”とあるのは、図1における1台目の自励式インバータ2、“インバータ2”とあるのは、図1における2台目の自励式インバータ7に相当する。
【0168】
図7において、並列に運転している2台の自励式インバータから、出力電流のd軸量Id1,Id2およびq軸量Iq1,Iq2を入力し、加算器16,16′で加算する。
【0169】
加算器16からの出力は、ゲイン回路22,22′、23,23′へ、加算器16′からの出力は、ゲイン回路24,24′、25,25′へそれぞれ与える。
【0170】
ゲイン回路22,22′は、1台目の自励式インバータ2のd軸量に対する回路、ゲイン回路23,23′は、2台目の自励式インバータ7のd軸量に対する回路、ゲイン回路24,24′は、1台目の自励式インバータ2のq軸量に対する回路、ゲイン回路25,25′は、2台目の自励式インバータ7のq軸量に対する回路である。
【0171】
各ゲイン回路22,22′、23,23′、24,24′、25,25′からの出力は、スイッチ回路26,27,28,29の入力端子へ与える。
【0172】
スイッチ回路26,28は、2台目の自励式インバータ7が運転している場合には、端子a、すなわちゲイン回路22,24から与えられる値を選択し、2台目の自励式インバータ7が停止している場合に、端子b、すなわちゲイン回路22′,24′から与えられる値を選択するように切り替える。
【0173】
スイッチ回路27,29は、1台目の自励式インバータ2が運転している場合には、端子a、すなわちゲイン回路23,25から与えられる値を選択し、1台目の自励式インバータ2が停止している場合には、端子b、すなわちゲイン回路23′,25′から与えられる値を選択するように切り替える。
【0174】
スイッチ回路26,27,28,29からの出力は、それぞれスイッチ回路30,31,32,33の入力端子aへ与える。
【0175】
スイッチ回路30,31,32,33の入力端子bには、値「0」を与えている。
【0176】
スイッチ回路30,32は、1台目の自励式インバータ2が運転している場合には、端子a、すなわちスイッチ回路26,28から与えられる値を選択し、1台目の自励式インバータ2が停止している場合には、端子b、すなわち値「0」を選択するように切り替える。
【0177】
スイッチ回路31,33は、2台目の自励式インバータ7が運転している場合には、端子a、すなわちスイッチ回路27,29から与えられる値を選択し、2台目の自励式インバータ7が停止している場合には、端子b、すなわち値「0」を選択するように切り替える。
【0178】
スイッチ回路30,31,32,33からの出力は、それぞれ1次遅れ回路34,35,34′,35′を介して、1台目の自励式インバータ2のd軸電流指令値Idref1、2台目の自励式インバータ7のd軸電流指令値Idref2、1台目の自励式インバータ2のq軸電流指令値Iqref1、2台目の自励式インバータ7のq軸電流指令値Iqref2として、各自励式インバータ2,7の制御回路へ与える。
【0179】
その他の構成については、図1に示す実施の形態の場合と同様である。
【0180】
すなわち、本実施の形態は、各自励式インバータ2,7の運転状態を監視し、停止中の自励式インバータがある場合には、その台数あるいは定格容量に応じて運転中の各自励式インバータ2,7へ与える電流指令値を補正するようにしている。
【0181】
次に、以上のように構成した本実施の形態による自励式インバータの制御装置の作用について説明する。
【0182】
図7において、ゲイン回路22,23,24,25のゲインとしては、値「0.5」が設定されており、ゲイン回路22′,23′,24′,25′のゲインとしては、値「1」が設定されている。
【0183】
並列した2台の自励式インバータ2,7の両方が運転している場合、各スイッチ回路26〜33では、全て端子aが選択される。
【0184】
これにより、d軸電流指令値Idref1,Idref2は、(Id1+Id2)×0.5に対して1次遅れを介した値、q軸電流指令値Iqref1,Iqref2は、(Iq1+Iq2)×0.5に対して1次遅れを介した値となる。
【0185】
すなわち、各自励式インバータ2,7は、2台の出力電流の平均値を電流指令値として、それに追従するように制御が行なわれ、前記第1の実施の形態の場合と同等の作用を奏する。
次に、1台目の自励式インバータ2が停止している場合の作用について説明する。
【0186】
この場合、スイッチ回路27,29,30,32は、端子bを選択するように切り替えられる。
【0187】
これにより、1台目の自励式インバータ2に対する電流指令値は、Idref=Iqref=0となる。
【0188】
一方、2台目の自励式インバータ7に対するd軸電流指令値Idref2は、(Id1+Id2)に対して1次遅れを介した値、q軸電流指令値Iqref2は、(Iq1+Iq2)に対して1次遅れを介した値となる。
【0189】
ここで、1台目の自励式インバータ2は停止しているため、Id1=Iq1=0であり、結果として、d軸電流指令値Idref2は、自己の検出電流Id2に対して1次遅れを介した値、q軸電流指令値Iqref2は、自己の検出電流Iq2に対して1次遅れを介した値となる。
【0190】
すなわち、2台目の自励式インバータ7の作用は、自励式インバータが1台のみで運転している、前記図12に示した従来の装置の場合と同等の作用となる。
【0191】
また、2台目の自励式インバータ7が停止している場合も同様に、スイッチ回路26,26,29,31は、端子bを選択するように切り替えられ、2台目の自励式インバータ7に対する電流指令値は、Idref2=Iqref2=0となる。
【0192】
一方、1台目の自励式インバータ2に対するd軸電流指令値Idref1は、(Id1+Id2)に対して1次遅れを介した値、q軸電流指令値Iqref1は、(Iq1+Iq2)に対して1次遅れを介した値であり、2台目の自励式インバータ7は停止している。
【0193】
このため、結果として、d軸電流指令値Idref1は、自己の検出電流Id1に対して1次遅れを介した値、q軸電流指令値Iqref1は、自己の検出電流Iq1に対して1次遅れを介した値となる。
【0194】
すなわち、1台目の自励式インバータ2の作用は、自励式インバータが1台のみで運転している、前記図12に示した従来の装置の場合と同等の作用となる。
【0195】
上述したように、本実施の形態による自励式インバータの制御装置では、2台の自励式インバータ2,7が並列して運転し、交流電源のない電力系統へ負荷電力を供給しているシステムにおいて、両自励式インバータ2,7が均等に分担して負荷4に必要な電力を供給することができ、さらに一方の自励式インバータ2または7が停止した場合には、運転中の自励式インバータ7または2が必要な電力を供給するように動作するので、出力が偏ることによる自励式インバータ2,7の過電流トリップや横流を防止すると共に、一方の自励式インバータが停止中にも交流電圧を維持して安定に負荷4に対して必要な電力を供給し続けることが可能となる。
(変形例1)
図8は、本変形例による交流電源のない電力系統に接続された自励式インバータの制御装置における共通制御装置の内部構成例を示すブロック図であり、図7と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0196】
本変形例が、図7に示す実施の形態と異なるのは、図7に示す共通制御装置15の代わりに、図8に示すような構成の共通制御装置15を適用している点である。
【0197】
すなわち、図8において、図7に示す実施の形態と異なるのは、前記ゲイン回路22′,23′,24′,25′を省略し、スイッチ回路26,27,28,29の入力端子bに対して、それぞれ1台目の自励式インバータ2のd軸電流検出値Id1、2台目の自励式インバータ7のd軸電流検出値Id2、1台目の自励式インバータ2のq軸電流検出値Iq1、2台目の自励式インバータ7のq軸電流検出値Iq2を直接与えるようにしている点である。
【0198】
その他の構成については、図7に示す実施の形態の場合と同様である。
【0199】
次に、以上のように構成した本変形例による自励式インバータの制御装置の作用について説明する。
【0200】
図8において、ゲイン回路22,23,24,25のゲインとしては、値「0.5」が設定されている。
【0201】
並列した2台の自励式インバータ2,7の両方が運転している場合、各スイッチ回路26〜33では、全て端子aが選択される。
【0202】
これにより、d軸電流指令値Idref1,Idref2は、(Id1+Id2)×0.5に対して1次遅れを介した値、q軸電流指令値Iqref1,Iqref2は、(Iq1+Iq2)×0.5に対して1次遅れを介した値となる。
【0203】
すなわち、各自励式インバータ2,7は、2台の出力電流の平均値を電流指令値としてそれに追従するように制御が行なわれ、前記第1の実施の形態の場合と同等の作用を奏する。
次に、1台目の自励式インバータ2が停止している場合の作用について説明する。
【0204】
この場合、スイッチ回路27,29,30,32は、端子bを選択するように切り替えられる。
【0205】
これにより、1台目の自励式インバータ2に対する電流指令値は、Idref1=Iqref1=0となる。
【0206】
一方、2台目の自励式インバータ7に対するd軸電流指令値Idref2は、Id2に対して1次遅れを介した値、q軸電流指令値Iqref2は、Iq2に対して1次遅れを介した値となる。
【0207】
すなわち、2台目の自励式インバータ7の作用は、自励式インバータが1台のみで運転している、前記図12に示した従来の装置の場合と同等の作用となる。
【0208】
また、2台目の自励式インバータ7が停止している場合も同様に、スイッチ回路26,26,29,31は、端子bを選択するように切り替えられ、2台目の自励式インバータ7に対する電流指令値は、Idref2=Iqref2=0となる。
【0209】
一方、1台目の自励式インバータ2に対するd軸電流指令値Idref1は、Id1に対して1次遅れを介した値、q軸電流指令値Iqref1は、Iq1に対して1次遅れを介した値となる。
【0210】
すなわち、1台目の自励式インバータ2の作用は、自励式インバータが1台のみで運転している、前記図12に示した従来の装置の場合と同等の作用となる。
【0211】
上述したように、本変形例による自励式インバータの制御装置では、2台の自励式インバータ2,7が並列して運転し、交流電源のない電力系統へ負荷電力を供給しているシステムにおいて、両自励式インバータ2,7が均等に分担して負荷4に必要な電力を供給することができ、さらに一方の自励式インバータ2または7が停止した場合には、運転中の自励式インバータ7または2が必要な電力を供給するように動作するので、出力が偏ることによる自励式インバータ2,7の過電流トリップや横流を防止すると共に、一方の自励式インバータが停止中にも交流電圧を維持して安定に負荷4に対して必要な電力を供給し続けることが可能となる。
(変形例2)
図7に示す実施の形態、および図8に示す変形例1では、ゲイン回路22,23,24,25の設定ゲインを0.5としているが、本変形例では、このゲイン回路22,23,24,25の設定ゲインの値を、各自励式インバータ2,7の定格容量に比例した値として設定する。
【0212】
例えば、1台目の自励式インバータ2の定格容量が80MVA、2台目の自励式インバータ7が20MVAの場合、ゲイン回路22,24の設定ゲイン[0.8]、ゲイン回路23,25の設定ゲインを「0.2」とする。
【0213】
これにより、両自励式インバータ2,7が運転している場合には、負荷分担が8対2となるように出力電流が制御され、一方の自励式インバータが停止している場合の作用は、図7に示す実施の形態、および図8に示す変形例の場合と全く同様である。
【0214】
本変形例の回路を適用すると、定格容量が大幅に異なる自励式インバータが並列に運転している場合に、定格容量に応じて負荷分担を行なうことにより、自励式インバータの過電流トリップを防止することができ、さらに1台が停止した場合には運転中の自励式インバータが負荷4に必要な電力を供給して、交流電圧を維持しながら安定に運転を行なうことが可能となる。
(第8の実施の形態)
図9は、本実施の形態による交流電源のない電力系統に接続された自励式インバータの主回路および制御装置の構成例を示すブロック図であり、図11および図12と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0215】
図9において、自励式インバータ2および自励式インバータ7の直流側には、それぞれ直流電源あるいは順変換器が接続されており、前記図12に示した従来の装置と同一構成である。
【0216】
また、自励式インバータ2と自励式インバータ7は、並列に接続されて負荷4へ電力を供給するようにしている。
【0217】
自励式インバータ2の制御回路では、負荷4へ流れる電流ILを検出し、2軸変換回路21により2軸量ILd,ILqに変換し、その値をゲイン回路36,36′に与え、ゲイン回路36,36′の出力値を、電流指令値Idref1,Iqref1として使用する。
【0218】
一方、変換器出力電流I1を、2軸変換回路12によって2軸量Id1、Iq1に変換し、それぞれ電流指令値Idref1,Iqref1と突合わせを行なって、差分を比例積分回路等で構成された電流追従制御回路14,14′に与える。
【0219】
電流追従制御回路14,14′では、それぞれの入力値、すなわち電流指令値と検出値との差分が零に近づくように制御を行ない、その結果得られた値をPWM制御回路6へ与える。
【0220】
一方、自励式インバータ7の制御回路では、負荷4が接続された交流回路の電圧値Vsを検出し、設定値Vrefと突合わせを行なって差分ΔVをとり、比例積分回路で構成された交流電圧制御回路5′へ与える。
【0221】
交流電圧制御回路5′では、差分ΔVが零となるように制御を行ない、この得られた値をPWM制御回路6′に与える。
【0222】
すなわち、本実施の形態は、1台の自励式インバータでは、電力系統の電圧値があらかじめ定められた設定値となるように交流出力電圧を制御し、電力系統の負荷電流を検出して直交座標上の2軸変数に変換して得られた値を、1台の自励式インバータ以外の各自励式インバータに、等分に配分した値を電流指令値として与え、各自励式インバータでは当該値に出力電流が追従するように制御を行なうようにしている。
【0223】
次に、以上のように構成した本実施の形態による自励式インバータの制御装置の作用について説明する。
【0224】
図9において、本実施の形態に係る自励式インバータの制御装置では、自励式インバータ7の交流電圧制御回路5′の作用により、交流電圧Vsが設定値Vrefに維持される。
【0225】
一方、自励式インバータ2の制御回路においては、ゲイン回路36,36′のゲインが1/2に設定される。
【0226】
これにより、自励式インバータ2は、負荷4が必要としている電力のうち、1/2に相当する電流指令値に追従するように、出力電流Id1,Iq1が制御される。
【0227】
自励式インバータ7は、交流電圧制御を行なうことにより、自動的に負荷4の必要な電力量のうち、自励式インバータ2で供給されない分を出力するように運転が行なわれる。
【0228】
すなわち、負荷4の必要電力量のうち、約1/2が自励式インバータ2で、残りの約1/2が自励式インバータ7で供給される。
【0229】
上述したように、本実施の形態による自励式インバータの制御装置では、2台の自励式インバータ2,7が並列して運転し、交流電源のない電力系統へ負荷電流を供給しているシステムにおいて、交流電圧を設定値通りに維持しつつ、両自励式インバータ2,7が均等に分担して負荷4に必要な電力を供給するので、出力が偏ることによる自励式インバータ2,7の過電流トリップや横流を防止することができ、さらに電流を制御することにより、出力変動を抑制して安定に運転することが可能となる。
(変形例1)
図9の実施の形態は、2台の自励式インバータが並列に運転しているシステムであるが、さらに多くのn台の自励式インバータが並列運転しているようなシステムについても、同様の制御を適用することができる。
【0230】
すなわち、この場合、並列台数がn台の場合、1台目から(n−1)台目までの自励式インバータでは、図9に示す自励式インバータ2と同様の制御装置を適用し、n台目の自励式インバータのみ自励式インバータ7と同じ制御装置を適用する。
【0231】
1台目から(n−1)台目までの各自励式インバータのゲイン回路36,36′のゲインとしては、それぞれ1/nという値が設定される。
【0232】
これにより、n台目の自励式インバータは、交流電圧Vsを定格に維持するよう運転を行ない、残りの自励式インバータは、負荷4の必要としている電力の1/nずつ供給するように出力電流が制御される。
【0233】
この結果として、n台目の自励式インバータの出力も、負荷必要量の約1/nとなる。
【0234】
これにより、本変形例を適用すると、任意のn台の自励式インバータが並列して運転し、交流電源のない電力系統へ負荷電流を供給しているシステムにおいて、交流電圧を設定値通りに維持しつつ、各自励式インバータが均等に分担して負荷4に必要な電力を供給するので、出力が偏ることによる自励式インバータの過電流トリップや横流を防止することが可能となる。
(変形例2)
図9の実施の形態では、自励式インバータ7側の制御回路が交流電圧制御のみで構成されているが、これを前記図12に示した従来のシステムと同様の構成の制御回路としても同等の効果を得ることができる。
【0235】
なお、自励式インバータ2側は、図9の実施の形態の場合と同様の制御回路を適用する。
【0236】
これにより、自励式インバータ2では、負荷4が必要とする電力のうち1/2を供給するように出力電流が制御され、自励式インバータ7では、交流電圧Vsが設定値Vrefになるように出力が行なわれる。
【0237】
この結果として、得られた運転点の出力電流に対して1次遅れ回路を介した値を電流指令値として、出力電流が制御される。
【0238】
これにより、本変形例を適用すると、2台の自励式インバータ2,7が並列して運転し、交流電源のない電力系統へ負荷電流を供給しているシステムにおいて、両自励式インバータ2,7が均等に分担して負荷4に必要な電力を供給するので、出力が偏ることによる自励式インバータ2,7の過電流トリップや横流を防止することができ、さらに交流電圧制御を行なっている自励式インバータ2,7の出力をより安定に制御することが可能となる。
(第9の実施の形態)
本実施の形態による交流電源のない電力系統に接続された自励式インバータの主回路および制御装置の構成は、前記図9に示す実施の形態の場合と同様であり、以下の点が異なっている。
すなわち、本実施の形態は、1台のインバータでは、電力系統の電圧値があらかじめ定められた設定値となるように交流出力電圧を制御し、電力系統の負荷電流を検出して直交座標上の2軸変数に変換して得られた値を、1台の自励式インバータ以外の各自励式インバータに、それぞれの定格容量に比例した割合で配分した値を電流指令値として与え、各自励式インバータでは当該値に出力電流が追従するように制御を行なうようにしている。
【0239】
次に、以上のように構成した本実施の形態による自励式インバータの制御装置の作用について説明する。
【0240】
図9において、本実施の形態に係る自励式インバータの制御装置では、自励式インバータ2の制御回路のゲイン回路36,36′のゲインが、各自励式インバータ2,7の定格容量に応じた値に設定される。
【0241】
すなわち、自励式インバータ2の定格容量がMVA1、自励式インバータ7の定格容量がMVA2の場合、ゲイン回路36,36′のゲインは、MVA1/(MVA1+MVA2)に設定される。
【0242】
これにより、自励式インバータ2は、負荷4が必要としている電力のうち、MVA1/(MVA1+MVA2)を供給するのに相当する電流指令値に追従するように、出力電流Id1,Iq1が制御される。
【0243】
自励式インバータ7は、交流電圧Vsを維持するように制御を行なうことにより、自動的に負荷4の必要な電力量のうち、自励式インバータ2で供給されない分、すなわち必要量のMVA2/(MVA1+MVA2)を出力するように運転が行なわれる。
【0244】
上述したように、本実施の形態による自励式インバータの制御装置では、2台の自励式インバータ2,7が並列して運転し、交流電源のない電力系統へ負荷電流を供給しているシステムにおいて、交流電圧を設定値通りに維持しつつ、両自励式インバータ2,7が定格容量に応じて分担して負荷4に必要な電力を供給するので、出力が偏ることによる自励式インバータ2,7の過電流トリップや横流を防止することが可能となる。
(変形例1)
本変形例による交流電源のない電力系統に接続された自励式インバータの主回路および制御装置の構成は、前記図9に示す実施の形態の変形例1の場合と同様であり、以下の点が異なっている。
本変形例に係る自励式インバータの制御装置では、1台目から(n−1)台目の自励式インバータのゲイン回路36,36′のゲインが、各自励式インバータの定格容量に応じた値に設定される。
【0245】
すなわち、各自励式インバータの定格容量は、MVA1、MVA2…MVAnとした場合、1台目の自励式インバータのゲイン回路36,36′のゲインは、MVA1/(MVA1+MVA2+……+MVAn)、2台目の自励式インバータのゲインは、MVA2/(MVA1+MVA2+……+MVAn)となる。
【0246】
これにより、各自励式インバータは、負荷4が必要としている電力のうち、自己の定格容量に比例した電力に相当する電流指令値に追従するように、出力電流が制御される。
【0247】
n番目の自励式インバータは、交流電圧Vsを維持するように制御を行なうことにより、自動的に負荷4の必要な電力量のうち、他の自励式インバータで供給されない分、すなわち必要量のMVAn/(MVA1+MVA2+……+MVAn)を出力するように、運転が行なわれる。
【0248】
これにより、本変形例を適用すると、任意の容量、台数の自励式インバータが並列して運転し、交流電源のない電力系統へ負荷電流を供給しているシステムにおいて、各自励式インバータが定格容量に応じて分担して負荷4に必要な電力を供給するので、出力が偏ることによる自励式インバータの過電流トリップや横流を防止することが可能となる。
(変形例2)
本変形例による交流電源のない電力系統に接続された自励式インバータの主回路および制御装置の構成は、前記図9に示す実施の形態の変形例2の場合と同様であり、以下の点が異なっている。
すなわち、本第9の実施の形態、あるいは本第1の実施の形態の変形例1の場合と同様に、本変形例では、前記図9に示す実施の形態の変形例2の場合と同様の構成の制御装置において、ゲイン回路36,36′のゲインが、自励式インバータの定格容量に応じた値に設定される。
【0249】
これにより、自励式インバータ2では、負荷4が必要とする電力のうちMVA1/(MVA1+MVA2)を供給するように出力電流が制御され、自励式インバータ7では交流電圧Vsが設定値Vrefとなるように、出力が行なわれる。
【0250】
この結果として得られた運転点の出力電流に対して1次遅れ回路を介した値を電流指令値として、出力電流が制御される。
【0251】
これにより、本変形例を適用すると、2台の自励式インバータ2,7が並列して運転し、交流電源のない電力系統へ負荷電流を供給しているシステムにおいて、両自励式インバータ2,7が定格容量に応じて分担して負荷4に必要な電力を供給するので、出力が偏ることによる自励式インバータ2,7の過電流トリップや横流を防止することができ、さらに交流電圧制御を行なっている自励式インバータの出力をより安定に制御することが可能となる。
【0252】
(第10の実施の形態)
図10は、本実施の形態による交流電源のない電力系統に接続された自励式インバータの主回路および制御装置の構成例を示すブロック図であり、図11および図12と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0253】
図10において、自励式インバータ2および自励式インバータ7の直流側には、それぞれ直流電源あるいは順変換器が接続されており、前記図12に示した従来の装置と同一構成である。
【0254】
また、自励式インバータ2と自励式インバータ7は、並列に接続されて負荷4へ電力を供給するようにしている。
【0255】
自励式インバータ2の制御回路では、負荷4へ流れる電流ILを検出し、2軸変換回路21により2軸量ILd,ILqに変換し、その値をゲイン回路36,36′に与え、ゲイン回路36,36′の出力値を、スイッチ回路37,37′の入力端子a,a′へ与える。
【0256】
一方、インバータ出力電流I1を2軸変換回路12によって2軸量Id1,Iq1に変換し、1次遅れ回路13,13′を介して、スイッチ回路37,37′の入力端子b,b′へ与える。
【0257】
スイッチ回路37,37′からの出力は、それぞれ電流指令値Idref1,Iqref1として使用する。
【0258】
上記2軸量Id1,Iq1は、電流指令値Idref1,Iqref1との突合わせを行なって、差分を比例積分回路等で構成された電流追従制御回路14,14′に与える。
【0259】
電流追従制御回路14,14′では、それぞれの入力値、すなわち電流指令値と検出値との差分が零に近づくように制御を行なう。
【0260】
さらに、負荷4が接続された交流回路の電圧値Vsを検出し、設定値Vrefと突合わせを行なって差分ΔVをとり、差分ΔVが一定の範囲、例えば設定値Vrefの±20%を逸脱した場合に“1”を出力するレベル検出器38、積分器39を介して、レベル検出器40へ与える。
【0261】
レベル検出器40は、積分器39からの出力が一定値を超えた場合に、スイッチ回路41へ投入指令信号を与えると共に、スイッチ回路37,37′に対して切り替え指令を与える。
【0262】
スイッチ回路37.37′は、通常は、入力端子a,a′を選択しており、レベル検出器40からの指令により、入力端子b,b′を選択するように切り替えを行なう。
【0263】
スイッチ回路41の入力端子には、上記の電圧差分信号ΔVを与え、その出力信号は、比例積分回路で構成された交流電圧制御回路5へ与える。
【0264】
交流電圧制御回路5では、入力信号が零となるように制御を行ない、さらに電流追従制御回路14,14′から与えられた信号により、補正を行なう。
【0265】
その結果、得られた値をPWM制御回路6に与える。
【0266】
一方、自励式インバータ7の制御回路の構成は、図9に示す実施の形態と同様である。
【0267】
すなわち、本実施の形態は、電力系統の電圧検出値が、一定時間以上継続してある設定範囲を逸脱した場合には、通常時に出力電流追従制御を行なっている自励式インバータのうちの1台が、電力系統の電圧値があらかじめ定められた設定値となるように交流出力電圧を制御する運転に切り替えるようにしている。
【0268】
次に、以上のように構成した本実施の形態による自励式インバータの制御装置の作用について説明する。
【0269】
図10において、本実施の形態に係る自励式インバータの制御装置では、通常の運転状態では、自励式インバータ7の交流電圧制御回路5′により、交流電圧Vsが設定値Vrefと等しくなるように維持されている。
【0270】
一方、自励式インバータ2の制御回路では、交流電圧Vsが設定値Vrefと等しくなるように維持されている。
【0271】
このため、レベル検出器38は動作せず、結果として、スイッチ回路41は、開放された状態、スイッチ回路37,37′では、入力端子a,a′が選択された状態にある。
【0272】
また、ゲイン回路36,36′のゲインは、1/2に設定されている。
【0273】
これにより、交流電圧制御回路5では交流電圧制御は行なわれず、自励式インバータ2は、負荷4が必要としている電力の1/2に相当する電流指令値に追従するように、出力電流Id1,Iq1が制御される。
【0274】
以上により、自励式インバータ2および自励式インバータ7の作用は、図9に示す実施の形態と同等の作用を奏する。
次に、自励式インバータ7が故障等により停止した場合の作用について説明する。
【0275】
この場合、自励式インバータ7による交流電圧制御が行なわれなくなり、Vsと設定値Vrefとの差分ΔVの絶対値が大きくなる。
【0276】
これにより、自励式インバータ2の制御回路においてレベル検出器38が動作し、この状態が継続すると積分器39からの出力が増加して、レベル検出器40に設定されたレベル値を超える。
この結果、スイッチ回路41が投入されて、電圧差分ΔVが交流電圧制御回路5に入力され、自励式インバータ2により交流電圧Vsが設定値Vrefを維持するように、制御が行なわれる。
【0277】
また、レベル検出器40からの信号により、スイッチ回路37,37′で切り替えが行なわれ、端子b,b′が選択される。
【0278】
この入力端子b,b′には、1次遅れ回路13,13′からの出力値、すなわち自己の定常的な運転点に相当する電流信号が与えられるため、電流は交流電圧が設定値Vrefを保持するのに必要な運転点を電流指令値Idref,Iqrefとして、それに追従するように制御が行なわれる。
【0279】
そして、これが補正信号として、交流電圧制御回路5に与えられる。
【0280】
これにより、自励式インバータ2の作用は、前記図12に示した従来の装置の場合と同等の作用となり、交流電圧を設定値通りに維持しつつ、自己の運転点を電流指令値として電流制御を行なうように作用する。
【0281】
上述したように、本実施の形態による自励式インバータの制御装置では、2台の自励式インバータ2,7が並列して運転し、交流電源のない電力系統へ負荷電流を供給しているシステムにおいて、両自励式インバータ2,7が均等に分担して負荷4に必要な電力を供給するので、出力が偏ることによる自励式インバータ2,7の過電流トリップや横流を防止することが可能となる。
さらに、交流電圧制御を行なっている自励式インバータが故障等で適切な電圧制御が行なえなくなった場合には、残りの自励式インバータで交流電圧を維持し、負荷4に必要な電力を供給し続けることが可能となる。
【0282】
(変形例1)
図10の実施の形態は、2台の自励式インバータが並列運転しているシステムであるが、さらに多くのn台の自励式インバータが並列に運転しているようなシステムについても、同様の制御を適用することができる。
【0283】
すなわち、この場合には、n台の自励式インバータのうち、1台を図10の実施の形態の自励式インバータ7と同一制御とし、残りの(n−1)台の自励式インバータの制御回路を、自励式インバータ2と同一構成とする。
【0284】
さらに、この(n−1)台の自励式インバータにおいて、レベル検出器38の設定レベルをそれぞれ異なる値とし、またゲイン回路36,36′のゲインを1/nとする。
【0285】
これにより、定常時に交流電圧制御を行なっていた自励式インバータが、故障等により適切な電圧制御ができなくなった場合には、残りの自励式インバータのうち、レベル検出器38の設定レベルが最も小さい自励式インバータにおいて、レベル検出器38および40が動作して、交流電圧制御が行なわれるように、スイッチ回路37,37′,41の操作が行なわれる。
【0286】
さらに、この自励式インバータの交流電圧制御も行なえなくなった場合には、次にレベル検出器38の設定レベルが小さい自励式インバータが、交流電圧制御を行なうように切り替えられる。
【0287】
これにより、常に複数台の自励式インバータのうち、1台が交流電圧を維持するように制御が行なわれ、残りの自励式インバータで、負荷4が必要とする電力を均等に負担するように運転が行なわれる。
【0288】
本変形例を適用すると、複数台の自励式インバータが並列して運転し、交流電源のない電力系統へ負荷電流を供給しているシステムにおいて、各自励式インバータが均等に分担して負荷4に必要な電力を供給するので、出力が偏ることによる自励式インバータの過電流トリップや横流を防止することが可能となる。
さらに、交流電圧制御を行なっている自励式インバータが故障等で適切な電圧制御ができなくなった場合には、残りの自励式インバータで交流電圧を維持し、負荷4に必要な電力を供給し続けることが可能となる。
【0289】
(変形例2)
図10に示す実施の形態、および変形例1では、各自励式インバータのゲイン回路36,36′のゲインを、自励式インバータ台数で等分した値に設定しているが、各自励式インバータの定格容量に比例した値とすることもできる。
【0290】
これにより、並列した各自励式インバータの容量に差がある場合にも、各自励式インバータが定格容量に応じた比率で分担して負荷4に必要な電力を供給するので、出力が偏ることによる自励式インバータの過電流トリップや横流を防止することが可能となる。
さらに、交流電圧制御を行なっている自励式インバータが、故障等で適切な電圧制御ができなくなった場合には、残りの自励式インバータで交流電圧を維持し、負荷4に必要な電力を供給し続けることが可能となる。
【0291】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1乃至請求項6に対応する発明の自励式インバータの制御装置によれば、交流電圧を適切な値に保ちつつ各自励式インバータが均等、あるいは自励式インバータの定格容量に応じた割合で分担して負荷に必要な電力を供給するので、出力が偏ることによる自励式インバータの過電流トリップや横流を防止することが可能となり、さらに出力電流や出力の振動を抑制して安定に運転を行なうことが可能となる。
【0292】
また、請求項7に対応する発明の自励式インバータの制御装置によれば、交流電圧を適切な値に保ちつつ各自励式インバータが均等、あるいは自励式インバータの定格容量に応じた割合で分担して負荷に必要な電力を供給するので、出力が偏ることによる自励式インバータの過電流トリップや横流を防止することが可能となり、また出力電流や出力の振動を抑制して安定に運転を行なうことが可能となり、さらに停止中の自励式インバータがある場合には、負荷への電力供給の分担の比率を変更するので、自励式インバータの過電流を防止して安定に運転を継続することが可能となる。
さらに、請求項8および請求項9に対応する発明の自励式インバータの制御装置によれば、交流電圧を適切な値に保ちつつ各自励式インバータが均等、あるいは自励式インバータの定格容量に応じた割合で分担して負荷に必要な電力を供給するので、出力が偏ることによる自励式インバータの過電流トリップや横流を防止することが可能となり、さらに出力電流や出力の振動を抑制して安定に運転を行なうことが可能となる。
さらにまた、請求項10に対応する発明の自励式インバータの制御装置によれば、交流電圧を適切な値に保ちつつ各自励式インバータが均等、あるいは自励式インバータの定格容量に応じた割合で分担して負荷に必要な電力を供給するので、出力が偏ることによる自励式インバータの過電流トリップや横流を防止することが可能となり、また出力電流や出力の振動を抑制して安定に運転することが可能となり、さらに交流電圧を維持するよう動作している自励式インバータが適切な運転を行なえなくなった場合には、他の自励式インバータが交流電圧を維持する制御を行なうよう切り替えられるので、交流電圧を維持しながら安定に運転を継続することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による交流電源のない電力系統に接続された自励式インバータの主回路および制御装置の第1の実施の形態を示すブロック図。
【図2】本発明による交流電源のない電力系統に接続された自励式インバータの主回路および制御装置の第2の実施の形態を示すブロック図。
【図3】本発明による交流電源のない電力系統に接続された自励式インバータの主回路および制御装置の第3の実施の形態を示すブロック図。
【図4】本発明による交流電源のない電力系統に接続された自励式インバータの主回路および制御装置の第4の実施の形態を示すブロック図。
【図5】本発明による交流電源のない電力系統に接続された自励式インバータの主回路および制御装置の第5の実施の形態を示すブロック図。
【図6】本発明による交流電源のない電力系統に接続された自励式インバータの主回路および制御装置の第6の実施の形態を示すブロック図。
【図7】本発明の第7の実施の形態による交流電源のない電力系統に接続された自励式インバータの制御装置における共通制御装置の内部構成例を示すブロック図。
【図8】本発明の第7の実施の形態の変形例1による交流電源のない電力系統に接続された自励式インバータの制御装置における共通制御装置の内部構成例を示すブロック図。
【図9】本発明による交流電源のない電力系統に接続された自励式インバータの主回路および制御装置の第8の実施の形態を示すブロック図。
【図10】本発明による交流電源のない電力系統に接続された自励式インバータの主回路および制御装置の第10の実施の形態を示すブロック図。
【図11】複数台の無停電電源装置が並列に設置された場合の主回路および制御装置の構成例を示すブロック図。
【図12】交流電源のない電力系統に接続された自励式インバータの主回路および制御装置の構成例を示すブロック図。
【符号の説明】
1…直流電源、
2…自励式インバータ、
3,3′…変圧器、
4…負荷、
5,5′…電圧制御回路、
6,6′…パルス幅制御(PWM)回路、
7…並列運転している他の自励式インバータ、
8…順変換器、
9,9′…直流キャパシタ、
10…直流電圧制御回路、
11…パルス発生回路、
12…2軸変換回路、
13,13′…1次遅れ回路、
14,14′…電流追従制御回路、
15…共通制御回路、
16,16′…加算器、
17,17′…ゲイン回路、
18,18′…1次遅れ回路、
19,19′…ゲイン回路、
20,20′…ゲイン回路、
21…2軸変換回路、
22,22′…ゲイン回路、
23,23′…ゲイン回路、
24,24′…ゲイン回路、
25,25′…ゲイン回路、
26…スイッチ回路、
27…スイッチ回路、
28…スイッチ回路、
29…スイッチ回路、
30…スイッチ回路、
31…スイッチ回路、
32…スイッチ回路、
33…スイッチ回路、
34,34′…1次遅れ回路、
35,35′…1次遅れ回路、
36,36′…ゲイン回路、
37,37′…スイッチ回路、
38…レベル検出器、
39…積分器、
40…レベル検出器、
41…スイッチ回路、
I1,I2…1台目および2台目の自励式インバータ出力電流、
ΔI…I1とI2の差分、Vs…自励式インバータが接続された交流系統の交流電圧値、
Vref…交流電圧設定値、
Id,Iq…自励式インバータ出力電流の2軸量(d軸電流、q軸電流)、
Idref,Iqref…電流指令値の2軸量(d軸電流指令値、q軸電流指令値)、
Ed…直流電圧検出器、
Edref…直流電圧設定値、
IL…負荷電流検出値、
ILd,ILq…負荷電流2軸量(d軸、q軸)。

Claims (10)

  1. 交流電源のない電力系統に複数台並列に接続され、直流電力を交流電力に変換して前記電力系統に供給する自励式インバータの制御装置において、
    前記各自励式インバータに対して、前記電力系統の電圧値があらかじめ定められた設定値となるように交流出力電圧を制御する制御手段と、
    前記各自励式インバータが運転中か否かを検出する検出手段と、
    前記検出手段の検出結果に応じて、前記各自励式インバータのうち運転中の前記各自励式インバータの出力電流を直交座標上の2軸変数に変換してその平均値をとり、当該平均値に対して1次遅れ手段を介した値を電流指令値として出力電流が追従するように、前記電圧制御の出力を補正する補正手段と
    を有することを特徴とする自励式インバータの制御装置。
  2. 交流電源のない電力系統に複数台並列に接続され、直流電力を交流電力に変換して前記電力系統に供給する自励式インバータの制御装置において、
    前記各自励式インバータに対して、前記電力系統の電圧値が設定値となるように交流出力電圧を制御する制御手段と、
    前記各自励式インバータが運転中か否かを検出する検出手段と、
    前記検出手段の検出結果に応じて、前記各自励式インバータのうち運転中の前記各自励式インバータの出力電流を直交座標上の2軸変数に変換してその合計値をとり、当該合計値を前記各自励式インバータの定格容量に比例した割合で配分した値を前記各自励式インバータに与え、当該値に対して1次遅れ手段を介した値を電流指令値として出力電流が追従するように、前記電圧制御の出力を補正する補正手段と
    を有することを特徴とする自励式インバータの制御装置。
  3. 交流電源のない電力系統に複数台並列に接続され、直流電力を交流電力に変換して前記電力系統に供給する自励式インバータの制御装置において、
    前記各自励式インバータに対して、前記電力系統の電圧値があらかじめ定められた設定値となるように交流出力電圧を制御する制御手段と、
    前記各自励式インバータが運転中か否かを検出する検出手段と、
    前記検出手段の検出結果に応じて、前記各自励式インバータのうち運転中の前記各自励式インバータの出力電流を直交座標上の2軸変数に変換してそれぞれ1次遅れ手段を介した値を求め、前記各軸変数毎に前記各自励式インバータの1次遅れ手段の出力信号の平均値をとり、当該平均値を電流指令値として出力電流が追従するように、前記電圧制御の出力を補正する補正手段と
    を有することを特徴とする自励式インバータの制御装置。
  4. 交流電源のない電力系統に複数台並列に接続され、直流電力を交流電力に変換して前記電力系統に供給する自励式インバータの制御装置において、
    前記各自励式インバータに対して、前記電力系統の電圧値があらかじめ定められた設定値となるように交流出力電圧を制御する制御手段と、
    前記各自励式インバータが運転中か否かを検出する検出手段と、
    前記検出手段の検出結果に応じて、前記各自励式インバータのうち運転中の前記各自励式インバータの出力電流を直交座標上の2軸変数に変換してそれぞれ1次遅れ手段を介した値を求め、さらに前記各軸変数毎に前記各自励式インバータの1次遅れ手段の出力信号の合計値をとり、当該合計値を前記各自励式インバータの定格容量に比例した割合で配分した値を電流指令値として出力電流が追従するように、前記電圧制御の出力を補正する補正手段と
    を有することを特徴とする自励式インバータの制御装置。
  5. 交流電源のない電力系統に複数台並列に接続され、直流電力を交流電力に変換して前記電力系統に供給する自励式インバータの制御装置において、
    前記各自励式インバータに対して、前記電力系統の電圧値があらかじめ定められた設定値となるように交流出力電圧を制御する制御手段と、
    前記各自励式インバータが運転中か否かを検出する検出手段と、
    前記電力系統の負荷電流を検出して直交座標上の2軸変数に変換して得られた値を、前記検出手段の検出結果に応じて、前記各自励式インバータのうち運転中の前記各自励式インバータに等分に配分した値を電流指令値として出力電流が追従するように、前記電圧制御の出力を補正する補正手段と
    を有することを特徴とする自励式インバータの制御装置。
  6. 交流電源のない電力系統に複数台並列に接続され、直流電力を交流電力に変換して前記電力系統に供給する自励式インバータの制御装置において、
    前記各自励式インバータに対して、前記電力系統の電圧値があらかじめ定められた設定値となるように交流出力電圧を制御する制御手段と、
    前記各自励式インバータが運転中か否かを検出する検出手段と、
    前記電力系統の負荷電流を検出して直交座標上の2軸変数に変換して得られた値を、前記検出手段の検出結果に応じて、前記各自励式インバータのうち運転中の前記各自励式インバータの定格容量に比例した割合で配分した値を前記各自励式インバータに与え、当該値を電流指令値として出力電流が追従するように、前記電圧制御の出力を補正するようにしたことを特徴とする自励式インバータの制御装置。
  7. 前記請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の自励式インバータの制御装置において、
    前記検出手段は、前記各自励式インバータの運転状態を監視し、
    前記補正手段は、停止中の前記自励式インバータがある場合には、停止中の前記自励式インバータの台数あるいは定格容量に応じて運転中の各自励式インバータへ与える電流指令値を補正すること
    を特徴とする自励式インバータの制御装置。
  8. 交流電源のない電力系統に複数台並列に接続され、直流電力を交流電力に変換して前記電力系統に供給する自励式インバータの制御装置において、
    1台の前記自励式インバータに対して、前記電力系統の電圧値があらかじめ定められた設定値となるように交流出力電圧を制御する第1の制御手段と、
    前記各自励式インバータが運転中か否かを検出する検出手段と、
    前記電力系統の負荷電流を検出して直交座標上の2軸変数に変換して得られた値を、前記検出手段の検出結果に応じて、前記1台の自励式インバータ以外の前記各自励式インバータのうち運転中の前記各自励式インバータに、等分に配分した値を電流指令値として与え、前記各自励式インバータに対して、当該値に出力電流が追従するように制御する第2の制御手段と
    を有することを特徴とする自励式インバータの制御装置。
  9. 交流電源のない電力系統に複数台並列に接続され、直流電力を交流電力に変換して前記電力系統に供給する自励式インバータの制御装置において、
    1台の前記自励式インバータに対して、前記電力系統の電圧値があらかじめ定められた設定値となるように交流出力電圧を制御する第1の制御手段と、
    前記各自励式インバータが運転中か否かを検出する検出手段と、
    前記電力系統の負荷電流を検出して直交座標上の2軸変数に変換して得られた値を、前記検出手段の検出結果に応じて、前記1台の自励式インバータ以外の前記各自励式インバータのうち運転中の前記各自励式インバータに、それぞれの定格容量に比例した割合で配分した値を電流指令値として与え、前記各自励式インバータに対して、当該値に出力電流が追従するように制御する第2の制御手段と
    を有することを特徴とする自励式インバータの制御装置。
  10. 前記請求項8または請求項9に記載の自励式インバータの制御装置において、
    前記電力系統の電圧検出値が、一定時間以上継続してある設定範囲を逸脱した場合には、通常時に出力電流追従制御を行なっている前記各自励式インバータのうちの1台が、前記電力系統の電圧値があらかじめ定められた設定値となるように交流出力電圧を制御する運転に切り替えるようにしたことを特徴とする自励式インバータの制御装置。
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