JP2006223042A - インバータシステムの並列運転装置及びその並列運転方法 - Google Patents

インバータシステムの並列運転装置及びその並列運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】負荷が変動した場合においても安定して並列運転を可能とし、従インバータを効率の高い出力範囲で極力運転することが可能なインバータシステムの並列運転装置及びその並列運転方法を提供すること。
【解決手段】従インバータ11から共通の負荷1に供給される電力及び負荷1で消費される消費電力を比較し、前記消費電力が前記従インバータ11から負荷1に供給される電力より低下したとき、従インバータ11の制御する制御装置12の電流制御設定値を下げる並列運転制御装置4を備え、電流制御設定値を下げることで、従インバータ11からの電力が負荷1に消費されない余剰電力に相当する分が減らされるようにしたインバータシステムの並列運転装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電圧制御方式の主インバータ及び電流制御方式の従インバータからそれぞれ得られる交流電力を、共通の負荷に供給するインバータシステムの並列運転装置及びその並列運転方法に関する。
従来、バッテリや燃料電池等の直流電源は直流電力をインバータにより交流電力に変換して利用する形態が一般的である。交流電源の電力系統が無い状態で、負荷へ電力を供給する自立運転時に、複数台のインバータを並列運転させるためには、様々な方式が提案されている。
負荷に流れる総電流を検出する電流検出手段(特許文献1参照)と、各インバータに出力電流を指令する分担制御装置及び電流指令を用いる方式や、各インバータ間の出力電流を検出し、その偏差を補正する回路を用いる方式などがある。
ところで、これらのような構成のインバータにおいては、各インバータの出力電流値を計測すると同時に、電流指令値を演算・出力する回路または、電流偏差を演算・補正する回路が必要となる等、構成が複雑となるという問題があった。
そのようなインバータ回路が複雑になることを回避する手段として、電圧制御の主インバータに対して電流制御の従インバータを連系させる方式がある。
この方式では、電圧制御で運転される主インバータとしては、頻繁かつ、急激な負荷変動に対しても良好な追従が可能なバッテリやキャパシタを直流電源として用いることが望ましい。
一方、電流制御で運転される従インバータとしては、定格出力での一定運転で効率が高く、環境に優しい燃料電池等を直流電源として用いることが効率的にも有利であり望ましい。
図6に従来のインバータシステムの並列運転装置の概要を説明する。インバータ11は電圧制御を行う主インバータで、直流電源10はインバータ11内のインバータブリッジ12の直流側に接続されている。インバータブリッジ12の交流出力側には電圧検出手段14が設置されており、その検出信号は、インバータ制御装置13に入力されている。
従インバータ21は電流制御を行うインバータで、直流電源20はインバータ21内のインバータブリッジ22の直流側に接続されている。
インバータブリッジ22の交流出力側には電圧検出手段24及び電流検出手段25が設置されており、その検出信号は、インバータ制御装置23に入力されている。主インバータと従インバータは同一の母線に接続されており、共通の負荷1へ電力を供給する。負荷変動は、電圧制御インバータ11が出力を変化させて対応し、電流制御インバータ21は一定の出力を供給し続ける。
特開2002−369541公報
上記方式では、負荷1が電流制御インバータ21の容量以下に減少した場合に、負荷1で消費されない余剰電力が電圧制御インバータ11に逆流し、電圧制御インバータ11が過電圧等により停止したりするという問題があった。
本発明は、複雑な電流信号のやりとりや、補正回路を設置すること無しに、負荷が変動した場合においても安定して並列運転を可能とし、従インバータを効率の高い出力範囲で極力運転することが可能なインバータシステムの並列運転装置及びその並列運転方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1に対応する発明は、インバータブリッジ及び該インバータブリッジの交流側の交流電圧が一定となるように制御する制御装置を備えた電圧制御方式の主インバータから得られる交流電力、並びに、インバータブリッジ及び該インバータブリッジの交流側の交流電力が一定となるように制御する制御装置を備えた少なくとも1台の電流制御方式の従インバータから得られる交流電力を共通の交流負荷に供給するものであって、前記主インバータ及び前記従インバータの直流側にはそれぞれバッテリ、燃料電池等の直流電源からの直流電力を供給し、前記負荷に電力系統からの交流電力が供給されない構成であって、前記主インバータ及び前記従インバータの並列運転のみで前記負荷に電力を供給するインバータシステムにおいて、前記従インバータから前記負荷に供給される電力及び前記負荷で消費される消費電力を比較し、前記消費電力が前記従インバータから前記負荷に供給される電力より低下したとき、前記従インバータの制御する制御装置の電流制御設定値を下げる並列運転制御装置を備え、前記電流制御設定値を下げることで、前記従インバータからの電力が前記負荷に消費されない余剰電力に相当する分が減らされるようにしたインバータシステムの並列運転装置である。
前記目的を達成するため、請求項2に対応する発明は、インバータブリッジ及び該インバータブリッジの交流側の交流電圧が一定となるように制御する制御装置を備えた電圧制御方式の主インバータから得られる交流電力、並びに、インバータブリッジ及び該インバータブリッジの交流側の交流電力が一定となるように制御する制御装置を備えた少なくとも1台の電流制御方式の従インバータから得られる交流電力を共通の交流負荷に供給するものであって、前記主インバータ及び前記従インバータの直流側にはそれぞれバッテリ、燃料電池等の直流電源からの直流電力を供給し、前記負荷に電力系統からの交流電力が供給されない構成であって、前記主インバータ及び前記従インバータの並列運転のみで前記負荷に電力を供給するインバータシステムにおいて、前記負荷と前記インバータとの電気接続線に並列に接続した逆流防止用模擬負荷と、前記模擬負荷及び前記インバータと前記負荷の電気接続線との間であって前記模擬負荷を電気的に接離する模擬負荷接続手段と、前記従インバータから前記負荷に供給される電力及び前記負荷で消費される消費電力を比較し、前記消費電力が前記従インバータから前記負荷に供給される電力より低下したとき、前記模擬負荷接続手段に対して前記模擬負荷を電気的に接続するための指令を出力する並列運転制御装置を備え、前記模擬負荷を接続することで、前記従インバータからの電力が前記負荷に消費されない余剰電力に相当する分が下げられるようにしたインバータシステムの並列運転装置である。
前記目的を達成するため、請求項6に対応する発明は、インバータブリッジ及び該インバータブリッジの交流側の交流電圧が一定となるように制御する制御装置を備えた電圧制御方式の主インバータから得られる交流電力、並びに、インバータブリッジ及び該インバータブリッジの交流側の交流電力が一定となるように制御する制御装置を備えた少なくとも1台の電流制御方式の従インバータから得られる交流電力を共通の交流負荷に供給するものであって、前記主インバータ及び前記従インバータの直流側にはそれぞれバッテリ、燃料電池等の直流電源からの直流電力を供給し、前記負荷に電力系統からの交流電力が供給されない構成であって、前記主インバータ及び前記従インバータの並列運転のみで前記負荷に電力を供給するインバータシステムにおいて、前記従インバータから前記負荷に供給される電力及び前記負荷で消費される消費電力を比較し、前記消費電力が前記従インバータから前記負荷に供給される電力より低下したとき、前記従インバータから前記負荷に供給される電力のうち、前記従インバータからの電力が前記負荷に消費されない余剰電力に相当する分だけ減少させるようにしたことを特徴とするインバータシステムの並列運転方法である。
前記目的を達成するため、請求項7に対応する発明は、インバータブリッジ及び該インバータブリッジの交流側の交流電圧が一定となるように制御する制御装置を備えた電圧制御方式の主インバータから得られる交流電力、並びに、インバータブリッジ及び該インバータブリッジの交流側の交流電力が一定となるように制御する制御装置を備えた少なくとも1台の電流制御方式の従インバータから得られる交流電力を共通の交流負荷に供給するものであって、前記主インバータ及び前記従インバータの直流側にはそれぞれバッテリ、燃料電池等の直流電源からの直流電力を供給し、前記負荷に電力系統からの交流電力が供給されない構成であって、前記主インバータ及び前記従インバータの並列運転のみで前記負荷に電力を供給するインバータシステムにおいて、前記従インバータから前記負荷に供給される電力及び前記負荷で消費される消費電力を比較し、前記消費電力が前記従インバータから前記負荷に供給される電力より低下したとき、前記従インバータに対して逆流防止用模擬負荷を電気的に接続することで、前記従インバータからの電力が前記負荷に消費されない余剰電力に相当する分が下げられるようにしたインバータシステムの並列運転方法である。
本発明によれば、複雑な電流信号のやりとりや、補正回路を設置すること無しに、負荷が変動した場合においても安定して並列運転を可能とし、従インバータを効率の高い出力範囲で極力運転することが可能なインバータシステムの並列運転装置及びその並列運転方法を提供することができる。
(実施形態1)
(構成)
図1は本発明のインバータシステムの並列運転装置に係る実施形態1のブロック構成図である。図1のインバータシステムは、1台の電圧制御方式の主インバータ11から得られる交流電力と、少なくとも1台 の電流制御方式の従インバータ21から得られる交流電力を共通の負荷1に供給し、各インバータ11、21の直流側には、それぞれバッテリ、燃料電池等の直流電源10、20からの直流電力を供給するものであって、負荷1には電力系統からの交流電力が供給されない構成となっている。
主インバータ11は、インバータブリッジ12及び該インバータブリッジ12の交流側の交流電圧が一定となるように、負荷1の電圧を電圧検出手段14により検出し、この検出電圧が任意の値に設定可能な電圧基準と一致するように制御する制御装置13を備えたものである。従インバータ21は、インバータブリッジ22及び該インバータブリッジ22の交流側の交流電力が一定となるように、インバータブリッジ22の出力電圧を電圧検出手段24により検出した電圧検出値及び負荷1に流れる電流を電流検出手段25により検出した電流検出値をともに入力し、インバータブリッジ22の出力電力を演算すると共に、インバータブリッジ22の出力電力を一定に制御する制御装置23を備えたものである。
以上のような構成のインバータシステムにおいて、次に述べるような並列運転制御装置4を設けたことを特徴とするものである。並列運転制御装置4は、図2に示す従インバータ21から負荷1に供給される電力SP1及び負荷1で消費される消費電力(負荷電力)L1を比較し、消費電力L1が従インバータ21から負荷1に供給される電力SP1より低下したとき、従インバータ21を制御する制御装置23の電流制御設定値を下げる。このような並列運転制御装置4により、電流制御設定値5を下げることで、従インバータ21からの電力が負荷1に消費されない余剰電力に相当する分が減らされるようにしたものである。
並列運転制御装置4は、以下に述べる消費電力の演算と、後述する電力供給の状態を判断する判断機能を備えている。すなわち、負荷1と各インバータ11、21を接続している電気接続線(母線)に直列に設けられ、負荷1に実際に流れる負荷電流3を連続的に検出する負荷電流検出手段2からの検出値と、電気接続線に並列に設けられ、負荷1に実際に印加される電圧31を検出する電圧検出手段30からの検出値に基づいて負荷1で消費される消費電力L1を連続的に演算する消費電力演算手段を備えている。
(作用)
以上述べた実施形態において、主インバータ11は電圧検出手段14の計測値が電圧基準と一致するように、電圧制御を行い、負荷1に交流電力を供給する。その後、主インバータ11の電圧を基準として、従インバータ21は電流制御にて、インバータ11の電力系統へ連系し、所定の電力を供給する。負荷が変動した場合は、電圧制御であるインバータ11の出力が変化し、電流制御であるインバータ21の出力は変化せず、効率の高い運転状態を継続する。図2に示すように、負荷1の消費電力L1が減少し、負荷電流信号3および電圧検出値31から算出される消費電力L1が電流制御インバータ21の出力電力SP1以下となる場合には、並列運転制御装置4が消費電力L1と電流制御インバータ21の出力電力SP1を比較し、負荷1にて消費されない余剰電力に相当する分だけ出力設定値を下げるための指令5を制御装置23へ出力し、従インバータ21の出力電力を高速に低減または停止する。
(効果)
本実施形態1によれば、負荷1が従インバータ21の出力電力以下に低下した場合においても、負荷1により消費されない余剰電力は、従インバータ21の出力電力が急激に低下するため、従インバータ21の出力電力が負荷1より低下し、インバータ11へ逆流することはない。その結果、インバータ11が過電圧等により停止することなく、また、電流制御インバータは可能な限り高い出力を継続し、安定した高効率な並列運転を継続することができる。
(実施形態2)
(構成)
図3は本発明のインバータシステムの並列運転装置に係る実施形態2のブロック構成図である。図1の実施形態と異なる点は、負荷1の消費電力の演算の仕方が異なるだけで、この点以外は図1と同一であるので、図1と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。主インバータ11のインバータブリッジ12の直流電源10側の電気接続線(母線)に、並列に直流電圧検出手段16を接続し、直流電圧検出手段16で検出した検出電圧を、並列運転制御装置4を入力するようにしている。並列運転制御装置4内に、例えば記憶装置(図示せず)を設け、この記憶装置内に、実験等により予め作成された直流電圧−消費電力の対応関係を示した図が記憶され、この記憶内容は、読出し可能になっており、直流電圧検出手段16により直流電圧が検出されると、この検出電圧に対応する消費電力が求められるように消費電力演算手段を備えている。並列運転制御装置4は、これ以外に実施形態1と同様に、消費電力と従インバータ21から負荷1に供給される出力電力SP1との比較を行い、消費電力が従インバータ21から負荷1に供給される電力より低下したとき、従インバータ21を制御する制御装置23の電流制御設定値を下げる機能を備えている。
(作用)
実施形態2において、主インバータ11は電圧検出手段14の計測値が電圧基準と一致するように、電圧制御を行い、負荷1に交流電力を供給する。その後、インバータ11の電圧を基準として、従インバータ21は電流制御にて、インバータ11の電気接続線(電力系統)へ連系し、所定の電力を供給する。負荷1が変動した場合は、電圧制御であるインバータ11の出力が変化し、電流制御であるインバータ21の出力は変化せず、効率の高い運転状態を継続する。
図2に示すように、負荷1の消費電力L1が減少し、従インバータ21の出力電力SP1以下となる場合には、直流電圧検出手段16の電圧が上昇する。直流電圧信号6が所定の値以上となった場合は、並列運転制御装置4が従インバータ21の制御装置23へ、直流電圧6が所定の値以下となるまで出力を下げる電流制御設定変更指令5を出力し、電流制御インバータの出力電力を高速に低減または停止する。
(効果)
本実施形態2によれば、負荷1が電流制御インバータ21の出力電力以下に低下した場合においても、負荷1により消費されない余剰電力は、電流制御インバータ21の出力が急激に低下するため、電流制御インバータ21の出力電力が負荷1より低下し、インバータ11へ逆流することはない。その結果、インバータ11が過電圧等により停止することなく、また、電流制御インバータは可能な限り高い出力を継続し、安定した高効率な並列運転を継続することができる。
(実施形態3)
(構成)
図4は本発明のインバータシステムの並列運転装置に係る実施形態3のブロック構成図である。図1の実施形態と異なる点は、負荷1とインバータ11、21との電気接続線に並列に接続した逆流防止用模擬負荷9と、模擬負荷9及びインバータ11、21と負荷1の電気接続線との間であって模擬負荷9を電気的に接離する模擬負荷接続手段例えば負荷投入遮断スイッチ8を新たに追加したことである。負荷投入遮断スイッチ8に対して投入指令は、次のようになったとき並列運転制御装置4により与えられる。
すなわち、並列運転制御装置4は従インバータ21から負荷1に供給される電力及び負荷1で消費される消費電力(電圧検出手段30の検出値と電流検出手段2の検出値に基づいて演算される電力)を比較し、消費電力が従インバータ21から負荷1に供給される電力SP1より低下したとき、負荷投入遮断スイッチ8に対して模擬負荷9を電気的に接続するための指令を出力する。このように模擬負荷9を接続することで、従インバータ21からの電力が負荷1に消費されない余剰電力に相当する分が下げられるようになる。
(作用)
本発明の実施形態3の主インバータ11は電圧検出手段14の計測値が電圧基準と一致するように、電圧制御を行い、負荷1に交流電力を供給する。その後、インバータ11の電圧を基準として、従インバータ21は電流制御にて、インバータ11の電気接続線(電力系統)へ連系し、所定の電力を供給する。負荷1が変動した場合は、電圧制御であるインバータ11の出力が変化し、電流制御であるインバータ21の出力は変化せず、効率の高い運転状態を継続する。この結果、図4の構成の場合には、負荷1が減少し、電流制御インバータ21の出力電力以下となる状態を負荷電流信号3の値により判断する。この場合も、負荷投入遮断スイッチ8へ閉信号を伝送し、逆流防止用模擬負荷9を繋ぐ。
(効果)
本実施形態3によれば、負荷1が電流制御インバータ21の出力電力以下に低下した場合においても、余剰電力は、負荷投入遮断スイッチ8を通して逆流防止用模擬負荷9によって消費されるため、インバータ11へ逆流することはない。その結果、インバータ11が過電圧等により停止することなく、安定して並列運転を継続することができる。
(実施形態4)
(構成)
図5は本発明のインバータシステムの並列運転装置に係る実施形態4のブロック構成図である。図4の実施形態3と異なる点は、負荷1の消費電力の演算の仕方が異なるだけで、この点以外は図4と同一であるので、図4と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。主インバータ11のインバータブリッジ12の直流電源10側の電気接続線(母線)に、並列に直流電圧検出手段16を接続し、直流電圧検出手段16で検出した検出電圧を、並列運転制御装置4を入力するようにしている。並列運転制御装置4内に、例えば記憶装置(図示せず)を設け、この記憶装置内に、実験等により予め作成された直流電圧−消費電力の対応関係を示した図が記憶され、この記憶内容は、読出し可能になっており、直流電圧検出手段16により直流電圧が検出されると、この検出電圧に対応する消費電力が求められるように消費電力演算手段を備えている。並列運転制御装置4は、これ以外に実施形態4と同様に、消費電力と従インバータ21から負荷1に供給される電力SP1との比較を行い、消費電力が前記従インバータから前記負荷に供給される電力より低下したとき、負荷投入遮断スイッチ8に対して模擬負荷9を電気的に接続するための指令を出力する。このように模擬負荷9を接続することで、従インバータ21からの電力が負荷1に消費されない余剰電力に相当する分が下げられるようになる。
(作用)
図5の実施形態4において、インバータ11は電圧検出手段14の計測値が電圧基準と一致するように、電圧制御を行い、負荷1に交流電力を供給する。その後、インバータ11の電圧を基準として、インバータ21は電流制御にて、インバータ11の電力系統へ連系し、所定の電力を供給する。負荷1が変動した場合は、電圧制御であるインバータ11の出力が変化し、電流制御であるインバータ21の出力は変化せず、効率の高い運転状態を継続する。この構成の場合には、負荷1が減少し、インバータ21の出力電力以下となる状態を直流電圧信号6の値により判断する。この場合も、負荷投入遮断スイッチ8へ閉信号を伝送し、逆流防止用模擬負荷9を繋ぐ。
(効果)
本実施形態4によれば、負荷1がインバータ21の出力電力以下に低下した場合においても、余剰電力は、負荷投入遮断スイッチ8を通して逆流防止用模擬負荷9によって消費されるため、インバータ11へ逆流することはない。その結果、インバータ11が過電圧等により停止することなく、安定して並列運転を継続することができる。
(変形例)
前述した本発明の実施形態1、2、3、4は、いずれもインバータシステムの並列運転装置について説明したが、以下に述べる本発明のインバータシステムの並列運転方法を適用しても本発明の目的を達成することができる。すなわち、インバータシステムの並列運転方法の第1は、図6の従来のインバータシステムにおいて、何等かの手段を用いて「従インバータ21から負荷1に供給される電力及び負荷1で消費される消費電力を比較し、消費電力が従インバータ21から負荷1に供給される電力より低下したとき、従インバータ21から負荷1に供給される電力のうち、従インバータ21からの電力が負荷1に消費されない余剰電力に相当する分だけ減少させるようにしたインバータシステムの並列運転方法」である。
また、インバータシステムの並列運転方法の第2は、図6の従来のインバータシステムにおいて、何等かの手段を用いて「従インバータ21から負荷1に供給される電力及び負荷1で消費される消費電力を比較し、消費電力が従インバータ21から負荷1に供給される電力より低下したとき、例えば図4、図5に示すように従インバータ21に対して逆流防止用模擬負荷9を電気的に接続することで、従インバータ21からの電力が負荷1に消費されない余剰電力に相当する分が下げられるようにしたインバータシステムの並列運転方法。」である。
前述の図1の実施形態及び図4の実施形態では、負荷1での消費電力を、電流検出手段2による実際の検出電流と、電圧検出手段30で実際に検出した検出電圧とに基づいて演算する例について説明したが、このうちの電圧検出手段30で実際に検出した検出電圧を使用せずに、これに代えて負荷1に印加されると思われる非測定の設定電圧値を用いるようにしてもよい。
さらに、前述の実施形態1、2、3、4のいずれも従インバータ21が1台の場合について説明したが、これを2台以上に構成してもよく、この場合には並列運転制御装置4と各従インバータ21にそれぞれ有する制御装置23との信号授受は、各実施形態と同様に行われるばかりでなく、また負荷1に供給される電力は、従インバータ21の台数全部の合計を何らかの手段により求めることは言うまでもない。
本発明のインバータシステムの並列運転装置に係る実施形態1を説明するためのブロック構成図。 本発明の作用の説明図。 本発明のインバータシステムの並列運転装置に係る実施形態2を説明するためのブロック構成図。 本発明のインバータシステムの並列運転装置に係る実施形態3を説明するためのブロック構成図。 本発明のインバータシステムの並列運転装置に係る実施形態4を説明するためのブロック構成図。 従来のインバータシステムの並列運転装置の概要を説明するためのブロック構成図。
符号の説明
1…負荷、2…電流検出手段、3…負荷電流、4…並列運転制御装置、5…電流制御設定変更指令、6…直流電圧、7…負荷投入遮断スイッチ開閉指令、8…負荷投入遮断スイッチ、9…逆流防止用模擬負荷、10…直流電源、11…電圧制御方式の主インバータ、
12…インバータブリッジ、13…制御装置、14…電圧検出手段、16…直流電圧検出手段、20…直流電源、21…電流制御方式の従インバータ、22…インバータブリッジ、23…制御装置、24…電圧検出手段、25…電流検出手段、30…電圧検出手段、31…負荷電圧。

Claims (7)

  1. インバータブリッジ及び該インバータブリッジの交流側の交流電圧が一定となるように制御する制御装置を備えた電圧制御方式の主インバータから得られる交流電力、並びに、インバータブリッジ及び該インバータブリッジの交流側の交流電力が一定となるように制御する制御装置を備えた少なくとも1台の電流制御方式の従インバータから得られる交流電力を共通の交流負荷に供給するものであって、前記主インバータ及び前記従インバータの直流側にはそれぞれバッテリ、燃料電池等の直流電源からの直流電力を供給し、前記負荷に電力系統からの交流電力が供給されない構成であって、前記主インバータ及び前記従インバータの並列運転のみで前記負荷に電力を供給するインバータシステムにおいて、
    前記従インバータから前記負荷に供給される電力及び前記負荷で消費される消費電力を比較し、前記消費電力が前記従インバータから前記負荷に供給される電力より低下したとき、前記従インバータの制御する制御装置の電流制御設定値を下げる並列運転制御装置を備え、前記電流制御設定値を下げることで、前記従インバータからの電力が前記負荷に消費されない余剰電力に相当する分が減らされるようにしたことを特徴とするインバータシステムの並列運転装置。
  2. インバータブリッジ及び該インバータブリッジの交流側の交流電圧が一定となるように制御する制御装置を備えた電圧制御方式の主インバータから得られる交流電力、並びに、インバータブリッジ及び該インバータブリッジの交流側の交流電力が一定となるように制御する制御装置を備えた少なくとも1台の電流制御方式の従インバータから得られる交流電力を共通の交流負荷に供給するものであって、前記主インバータ及び前記従インバータの直流側にはそれぞれバッテリ、燃料電池等の直流電源からの直流電力を供給し、前記負荷に電力系統からの交流電力が供給されない構成であって、前記主インバータ及び前記従インバータの並列運転のみで前記負荷に電力を供給するインバータシステムにおいて、
    前記負荷と前記インバータとの電気接続線に並列に接続した逆流防止用模擬負荷と、
    前記模擬負荷及び前記インバータと前記負荷の電気接続線との間であって前記模擬負荷を電気的に接離する模擬負荷接続手段と、
    前記従インバータから前記負荷に供給される電力及び前記負荷で消費される消費電力を比較し、前記消費電力が前記従インバータから前記負荷に供給される電力より低下したとき、前記模擬負荷接続手段に対して前記模擬負荷を電気的に接続するための指令を出力する並列運転制御装置を備え、前記模擬負荷を接続することで、前記従インバータからの電力が前記負荷に消費されない余剰電力に相当する分が下げられるようにしたことを特徴とするインバータシステムの並列運転装置。
  3. 前記負荷で消費される消費電力は、前記負荷に実際に流れる負荷電流を検出する負荷電流検出手段からの検出値と、前記負荷に実際に印加される電圧を検出する電圧検出手段からの検出値に基づいて演算する消費電力演算手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のインバータシステムの並列運転装置。
  4. 前記負荷で消費される消費電力は、前記負荷に実際に流れる負荷電流を検出する負荷電流検出手段からの検出値と、前記負荷に印加される非測定の電圧設定値に基づいて前記負荷で消費される消費電力を演算する消費電力演算手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のインバータシステムの並列運転装置。
  5. 前記負荷で消費される消費電力は、前記主インバータに実際に印加される前記直流電源の直流電圧を直流電圧検出手段により検出し、予め作成された直流電圧−消費電力の対応関係を示した図から、前記直流電圧検出手段により検出した直流電圧に対応する消費電力を求める消費電力演算手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のインバータシステムの並列運転装置。
  6. インバータブリッジ及び該インバータブリッジの交流側の交流電圧が一定となるように制御する制御装置を備えた電圧制御方式の主インバータから得られる交流電力、並びに、インバータブリッジ及び該インバータブリッジの交流側の交流電力が一定となるように制御する制御装置を備えた少なくとも1台の電流制御方式の従インバータから得られる交流電力を共通の交流負荷に供給するものであって、前記主インバータ及び前記従インバータの直流側にはそれぞれバッテリ、燃料電池等の直流電源からの直流電力を供給し、前記負荷に電力系統からの交流電力が供給されない構成であって、前記主インバータ及び前記従インバータの並列運転のみで前記負荷に電力を供給するインバータシステムにおいて、
    前記従インバータから前記負荷に供給される電力及び前記負荷で消費される消費電力を比較し、前記消費電力が前記従インバータから前記負荷に供給される電力より低下したとき、前記従インバータから前記負荷に供給される電力のうち、前記従インバータ
    からの電力が前記負荷に消費されない余剰電力に相当する分だけ減少させるようにしたことを特徴とするインバータシステムの並列運転方法。
  7. インバータブリッジ及び該インバータブリッジの交流側の交流電圧が一定となるように制御する制御装置を備えた電圧制御方式の主インバータから得られる交流電力、並びに、インバータブリッジ及び該インバータブリッジの交流側の交流電力が一定となるように制御する制御装置を備えた少なくとも1台の電流制御方式の従インバータから得られる交流電力を共通の交流負荷に供給するものであって、前記主インバータ及び前記従インバータの直流側にはそれぞれバッテリ、燃料電池等の直流電源からの直流電力を供給し、前記負荷に電力系統からの交流電力が供給されない構成であって、前記主インバータ及び前記従インバータの並列運転のみで前記負荷に電力を供給するインバータシステムにおいて、
    前記従インバータから前記負荷に供給される電力及び前記負荷で消費される消費電力を比較し、前記消費電力が前記従インバータから前記負荷に供給される電力より低下したとき、前記従インバータに対して逆流防止用模擬負荷を電気的に接続することで、前記従インバータからの電力が前記負荷に消費されない余剰電力に相当する分が下げられるようにしたことを特徴とするインバータシステムの並列運転方法。
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