JP3647594B2 - 補強用繊状部を有するフィルム、又は、通気性フィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、包装分野や工業分野に用いられる補強フィルムの製造方法に関するもので、プラスチックフィルムに不織布や割布を積層させた補強フィルムに代替えされるものである。又、建築用や農業用に用いられる通気性フィルムの製造方法に関するもので、微多孔部を有するフィルムに不織布や割布を積層させた通気性フィルムに代替えされるものである。
【0002】
【従来の技術】
プラスチックフィルムを補強するために、不織布や割布が積層されていた。積層方法としては、プラスチックフィルムに不織布や割布をドライラミネーションさせる方法や、不織布や割布にプラスチックを押出コートさせる方法等が用いられてきた。
又、通気性フィルムを補強するためには、微多孔部を有するプラスチックフィルムに不織布や割布を部分接着により貼り合わせ方法や、充填剤混入プラスチックフィルムに不織布や割布を積層させてから、少なくとも1軸方向に延伸処理してフィルム部に微多孔部を形成させる方法等が行われてきた。
しかし、これらの方法は、不織布や割布が高価であるために、得られる補強されたフィルムや通気性フィルムが高価なものになってしまっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高価な不織布や割布を使用しなくても、良好なる補強が行われており、しかも、プラスチック原料から一次工程で直接得られる補強用繊状部を有するフィルムの製造方法を提供しようとするものである。又、本発明は、包装分野等に使用した際に、安価で強度的に優れているばかりでなく、緩衝作用に優れている補強用繊状部を有するフィルムの製造方法を提供しようとするものである。更に、本発明は、高価な不織布や割布を使用しなくても、良好なる補強が行われており、しかも、充填剤の混入されたフィルム状部を延伸処理されて微多孔部が形成されている補強用繊状部を有する通気性フィルムの製造方法を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために次のような手段を講じたものである。即ち、不織布や割布により補強されたフィルムの代替えとして、リップ内側に沿って隣接する多数の繊状物押出用小孔を有するフィルム押出用サーキュラーダイを回転させながらフィルム状部と繊状部を共押出しし、次いで、繊状部が冷却固化する前にバブル状に形成したフィルム状部をニップロールにより扁平化してフィルム状部と繊状部を融着すると共に、交差している繊状部を融着することを特徴とする補強用繊状部を有するフィルムの製造方法が提供される。又、得られるフィルムに色々な特性を付与し、補強をより向上させるために、上記フィルム押出用サーキュラーダイのリップから押し出されたフィルム状部の樹脂組成物と、繊状部押出用小孔から押し出された繊状部の樹脂組成物とが異なっている補強用繊状部を有するフィルムの製造方法が提供される。又、得られるフィルムに緩衝機能を付与するために、上記扁平化したフィルム状部の間に、交差した繊状部によって空隙室が形成することを特徴とする補強用繊状部を有するフィルムの製造方法が提供される。更に、不織布や割布により補強され、延伸処理により微多孔部が形成された通気性のフィルムの代替えとして、上記フィルム状部に充填剤を添加し、フィルムを少なくとも1軸方向に1.1〜3.0倍延伸処理して微多孔部を形成することを特徴とする補強用繊状部を有する通気性フィルムの製造方法が提供される。
【0005】
【実施態様】
本発明の補強用繊状部を有するフィルムのフィルム状部は、特に限定されるものではないが、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂によって構成されているものが一般的である。又、フィルム状部に特殊な機能を付与させるために異なった樹脂を混合させたり、或は、積層させたりしたものが好適に用いられている。例えば、本発明の補強用繊状部を有するフィルムが、酸素遮断性の要求される包装分野に使用される場合には、フィルム状部にポリアミド樹脂やエチレン−ビニルアルコール共重合体等の酸素遮断性に優れた樹脂が積層されたものが好適に用いられる。
尚、これらの樹脂には、一般のフィルムに添加されている酸化防止剤、滑り剤、帯電防止剤、着色剤等を添加させることができる。又、磁性粉末等を添加させて複合機能を付与させることもできる。
【0006】
又、本発明の補強用繊状部を有するフィルムの繊状部は、特に限定されるものではないが、フィルム状部に用いられている樹脂と同じポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂を使用することができる。フィルム状部と繊状部の樹脂組成物が同一であるか、或は、類似していると、フィルム状部と繊状部の融着が良好である。
しかし、繊状部の強度をより高めてフィルムの補強をより向上させるためには、ポリアミド系樹脂やポリエステル系樹脂等の強度的に優れた樹脂からなる繊状部が好ましい。尚、フィルム状部がポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂で、繊状部がポリアミド系樹脂やポリエステル系樹脂であると、フィルム状部と繊状部との融着性に劣るので、両者の融着性を改良させる工夫が必要である。例えば、押し出されたフィルム状部がバブル状に成形された際に内側になる面に繊状部と融着し易い樹脂からなる層を設ける等の工夫が必要である。
尚、これら繊状部を形成する樹脂には、フィルム状部と同じように一般的な添加剤を加えることができる。
【0007】
次に、本発明の補強用繊状部を有する通気性フィルムのフィルム状部としては、前記フィルムの場合と同様の樹脂を使用することができる。具体的には、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のα−オレフィンホモポリマー、エチレンと炭素数3〜18の少なくとも一種のα−オレフィンとの共重合体、プロピレンとエチレン及び/又はブテン−1との共重合体、エチレンと酢酸ビニル及び/又はアクリル酸エステル・メタアクリル酸エステル類等エチレン性不飽和結合を有する有機カルボン酸誘導体との共重合体等が挙げられる。特に、エチレンと炭素数3〜8の少なくとも1種類のα−オレフィンとの共重合体が、下記する充填剤を配合する際の強度面から好ましく、更に、低密度ポリエチレンとエチレンと炭素数3〜8の少なくとも1種類のα−オレフィンとの共重合体のブレンドが、フィルムの加工性や下記する延伸処理の面から好ましい。
【0008】
そして、通気性フィルムの場合には、延伸処理により微多孔部を形成させるために、フィルム状部を構成する樹脂に充填剤を40〜400重量部、好ましくは、50〜150重量部添加させておく必要がある。
充填剤としては、炭酸カルシュウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等の炭酸塩、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシュウム等の硫酸塩、リン酸マグネシュウム、リン酸カルシュウム等のリン酸塩、水酸化マグネシュウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、アルミナ、シリカ、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン等の酸化物、塩化亜鉛、塩化鉄、塩化ナトリウム等の塩化物、アルミニウム、カーボンブラック、火山灰等の無機充填剤、木粉、パルプ粉等のセルロース系粉末、ナイロン粉末、ポリカーボネート粉末、ポリプロピレン粉末、ポリ−4−メチルペンテン−1粉末等の合成樹脂系粉末、でんぷん等の有機充填剤等を挙げることができる。そして、これらの充填剤は単独で、又は組み合わせて使用される。得られる通気性フィルムの通気度、柔軟性、外観等から、炭酸カルシウムが特に好ましい。また、充填剤の平均粒径としては、0.1〜20μmのものが充填剤の分散性によるフィルムの均一性の面から好ましい。
【0009】
又、本発明の補強用繊状部を有する通気性フィルムの繊状部は、前記フィルムの繊状部に用いたと同様の樹脂組成物を用いることができる。具体的には、上記通気性フィルムのフィルム状部に用いられた樹脂組成物が挙げられる。又、ポリアミド系樹脂やポリエステル系樹脂等の強度的に優れたものが好適に用いられる。尚、繊状部を構成する樹脂組成物は、延伸加工が容易で、しかも、延伸処理により強度が向上するものが好ましい。又、繊状部を構成する樹脂組成物には、フィルム状部を構成する樹脂組成物に添加されている充填剤等は添加されていないものが好ましい。
【0010】
次に、本発明の補強用繊状部を有するフィルム、又は、補強用繊状部を有する通気性フィルムを製膜するダイとしては、図1に示すような構造を有するサーキュラーダイが用いられる。尚、図1は、本発明のフィルムを製膜する際に用いられるサーキュラーダイの上面を示す平面図である。
即ち、サーキュラーダイ(1)の上面(2)にはフィルム状部が押し出される円形リップ(3)があり、その円形リップの内側に添って隣接する繊状部が押し出される多数の小孔(4)がある。尚、円形リップの口径やクリアランス等については、従来、フィルムを製膜する際に用いられている口径やクリアランスのものを使用することができる。又、小孔の口径としては、0.3〜3.0mm程度が一般的である。小孔の数としては、小孔の間隔が小孔の口径の0.5〜2.0倍程度になるようにするのが好ましい。更に、円形リップと小孔の間隔は、小孔の口径の0.5〜2.0倍程度が好ましい。
【0011】
尚、フィルム状部が積層体からなり、ダイ外接着によって接合される場合には、当然、円形リップの数は複数となる。又、繊状部を多数設けるために、繊状部を押し出する小孔が円形リップの内側に沿って二重、三重に設けられたものもある。
又、本発明の補強用繊状部を有するフィルムが、扁平化されたフィルム状部の間に繊状部によって空隙室が形成されて緩衝機能が付与させたものについては、空隙室を大きくする必要があるので、繊状部を太くするように小孔の口径が1.0〜5.0mmと大きく、しかも、小孔の数は少ないものが好ましい。
【0012】
更に、サーキュラーダイ(1)には、図示されていないが、ロータリー装置が取り付けられており、回転できるようになっている。又、フィルム状部と繊状部の樹脂組成物が異なっている場合には、円形リップと小孔に異なった押出機から樹脂が供給されるようになっている。更に、フィルム状部が異なった樹脂組成物からなる積層体である場合には、それぞれの層に異なった押出機から樹脂が供給されるようになっている。
【0013】
そして、上記サーキュラーダイ(1)を回転させながら、サーキュラーダイ(1)の円形リップ(3)と小孔(4)から、フィルム状部と繊状部を形成する樹脂組成物が共押出し、円形リップ(3)より押し出したフィルム状部(5)をバブル状に形成すると共に、小孔(4)より押し出した繊状部(6)を、バブル状に成形したフィルム状部(5)の内面に融着して引き取る。
この際、サーキュラーダイ(1)が回転していない場合には、図2に示されるように、繊状部(6)はバブル状のフィルム状部(5)に垂直で平行に融着して引き取られる。しかし、サーキュラーダイ(1)が回転している場合には、図3に示されるように、繊状部(6)はバブル状のフィルム状部(5)に螺旋状で平行に融着して引き取られる。
【0014】
繊状部がバブルの内面に螺旋状で平行に融着したフィルム状部を、ニップロールにより扁平化しながら引き取る。この際、バブル状のフィルム状部をスムーズに扁平化するためには、フィルム状部がニップロールに到達する前に、逆V字型に二枚の安定板を装着するのが好ましい。バブル状のフィルム状部に融着している繊状部は、ニップロールによって扁平化して引き取る際に、相対面するフィルム状部に押し付けられて融着すると共に、交差している繊状部同士も融着が生じている。繊状部同士の交差角度は、フィルム状部の引き取り速度とサーキュラーダイの回転速度によって決定される。一般には、繊状部同士の交差角度は90度のものが好ましい。尚、フィルム状部は、バブル成形時にエアーリング等により冷却されるが、繊維状部は、フィルム状部のバブル内に位置しているので、バルブの外側に位置するエアーリング等によっては余り冷却されない。そのため、繊状部は引き取り用のニップロールに到達する段階では冷却固化されておらず、フィルム状部や、交差した他の繊状部との融着が可能である。
【0015】
緩衝機能を付与させた本発明の補強用繊状部を有するフィルムとしては、図4に示すような構造を有している。尚、図4は、該フィルムを説明する一部斜視図である。
相対面するフィルム状部(51)(52)の間に、交差する繊維状部(61)(62)によって空隙室(7)が形成され、緩衝機能を付与している。
【0016】
本発明の補強用繊状部を有する通気性フィルムは、フィルム状部に充填剤を添加した補強用繊状部を有するフィルムを、少なくとも1軸方向に延伸処理してフィルム状部に微多孔部を形成する。一軸延伸の場合には、通常のロール延伸が好ましい。二軸延伸の場合には、同時二軸延伸でも可能であるが、縦方向の延伸を行った後に横方向に延伸を行う逐次二軸延伸が好ましい。延伸倍率としては、フィルム状部の樹脂組成や繊状部の種類や形状、或は、数等により異なるが、1.1〜3.0倍が好ましい。延伸倍率が1.1倍未満の場合には、微多孔部の形成が困難であり、3.0倍を越えるとフィルム状部の素材破断が生じたりして共に好ましくない。延伸温度としては、樹脂組成によって異なるが、通常50〜180℃の範囲内が好ましい。
【0017】
本発明の補強用繊状部を有するフィルムは、フィルム状部の厚みが10〜150μmで、繊状部の太さが0.3〜1.0mmであるものが好ましい。又、繊状部の数としては、フィルム状部10mm幅に2〜10本融着しているのが好ましい。
又、補強用繊状部を有するフィルムに緩衝機能用が付与されている場合には、フィルム状部の厚みが10〜200μmで、繊状部の太さが0.5〜2.0mmであるものが好ましい。又、繊状部の数としては、フィルム状部10mm幅に1〜5本融着しているものが好ましい。
更に、補強用繊状部を有する通気性フィルムは、フィルム状部の厚みが20〜100μmで、繊状部の太さが0.1〜1.0mmであるものが好ましい。又、繊状部の数としては、フィルム状部10mm幅に3〜15本融着しているのが好ましい。更に、通気度としては、3000〜9000g/m2 ・dayであるものが好ましい。
【0018】
尚、本発明の補強用繊状部を有するフィルム、又は、通気性フィルムは、表面に斜めで平行な補強用繊状部を設けることもできる。尚、表面に斜めで平行な補強用繊状部を設けるためには、フィルム状部を押出しする円形リップの外側に沿って隣接する多数の繊状物押出用小孔を設けたダイを用いる。
【0019】
【実施例】
以下、実施例、及び、比較例によって詳細に説明するが、本発明は、これらによって限定されるものではない。
尚、強度、通気度、密着性は以下の方法で評価した。
強 度 :JIS A6008に準拠し、縦方向、横方向の引張破断時での強度を測定した。尚、強度は破断時の荷重をフィルム状部の厚さで除した値を示した。
密着性 :フィルム状部と繊状部の密着状態を、目視及び触指にて判定し、以下の基準で×〜○を決定した。
尚、通気性フィルムの場合には、延伸処理後の状態を調べた。
○:フィルム状部と繊状部との剥離は全く見られず、均一に密着しており、重ね合わされたフィルム状部間の剥離は不可能であった。
△:フィルム状部と繊状部に部分的に剥離している箇所があり、重ね合わされたフィルム状部間を剥離させることは困難ではあるが、不可能ではなかった。
×:フィルム状部と繊状部とが殆ど剥離し、重ね合わされたフィルム状部間は剥離していた。
通気度 :JIS Z0208に準拠し、40℃90%RHの条件で水蒸気の透過度を測定した。
【0020】
〔実施例1〕
図1に示されたサーキュラーダイを用い、フィルム状部と繊状部が共に密度0.925g/cm3 のエチレン−ブテン共重合体(直鎖状低密度ポリエチレン樹脂)である補強用繊状部を有するフィルムを得た。尚、両側のフィルム状部の厚みは35μmで繊状部の太さは0.5mmであった。又、繊状部の数は、フィルム状部の10mm幅に5本が融着していた。尚、繊状部同士が交差している角度は90度であった。
得られた補強用繊状部を有するフィルムの強度は580kg/cm2 で、補強効果に優れていた。尚、フィルム状部と繊状部の密着性は「○」であった。
【0021】
〔比較例1〕
実施例1で用いたサーキュラーダイの円形リップにのみに、実施例1で用いたエチレン−ブテン共重合体を供給し、実施例1のフィルム状部の厚みと同じ厚みのフィルムを押出し、ニップロールにより扁平化して二枚重ねのフィルムを製膜した。
得られた二枚重ねのフィルムの強度は、230kg/cm2 で、実施例1の補強用繊状部を有するフィルムよりは劣るものであった。
【0022】
〔実施例2〕
異なった樹脂を押出することができる2重の円形リップを有する以外は、実施例1で用いたと同じような構造を有するサーキュラーダイを用い、フィルム状部の外層がポリプロピレン樹脂、内層が無水マレイン酸変性ポリプロピレン(ポリプロピレン系接着性樹脂)の積層体で、しかも、繊状部がポリアミド樹脂である緩衝機能を有する補強用繊状部を有するフィルムを得た。尚、両側の積層体からなるフィルム状部の厚みは58μmで、その間隔は1.2mmであった。又、空隙室は一辺が約3.5mmの概正方形であった。
得られた補強用繊状部を有するフィルムは、緩衝性に優れており、ガラス瓶や陶磁器、或は、精密機械部品等の包装に適していた。尚、フィルム状部と繊状部の密着性は「△」であった。
尚、フィルム状部をポリプロピレン樹脂のみからなる積層体とする以外は、上記フィルムと同様の方法により、緩衝機能を有する補強用繊状部を有するフィルムを得た。しかし、該フィルムは、フィルム状部と繊状部の密着性が「×」でった。
【0023】
〔実施例3〕
実施例1で用いられたと同じような構造を有するサーキュラーダイを用い、フィルム状部が実施例1に用いられたエチレン−ブテン共重合体100重量部に炭酸カルシュウムを50重量部添加させた樹脂組成物らなり、しかも、繊状部が実施例1に用いられたエチレン−ブテン共重合体からなる補強用繊状部を有するフィルムを実施例1と同様の方法によって得た。
このフィルムを50℃に加熱されたロール延伸装置により縦方向に1.6倍に延伸して補強用繊状部を有する通気性フィルムを得た。尚、この通気性フィルムの両側のフィルム状部の厚みは50μmで、繊状部の太さは0.3mmであった。又、繊状部の数は、フィルム状部の幅10mmに、5本が融着していた。更に、繊状部同士が交差している角度は90度であった。
得られた補強用繊状部を有する通気性フィルムの通気度は7500g/m2 ・dayで、通気性に優れていた。尚、フィルム状部と繊状部の密着性は「○」であった。
【0024】
【効果】
本発明の補強用繊状部を有するフィルムは、又は、補強用繊状部を有する通気性フィルムは、不織布や割布等の高価な繊状物を積層させなくても、フィルムの製膜と同時に繊状部が融着されているので、安価で容易に製造することができ、しかも、その繊状部が交差しているので、補強効果に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の補強用繊状部を有するフィルムを製膜する際に用いられるサーキュラーダイの上面を示す平面図である。
【図2】サーキュラーダイを回転させず、繊状部がバブル状のフィルム状部に垂直で平行に引き取られている状態を示す説明図である。
【図3】サーキュラーダイを回転させ、繊状部がバブル状のフィルム状部に螺旋状で平行に引き取られている状態を示す説明図である。
【図4】緩衝機能が付与された補強用繊状部を有するフィルムの一部斜視図である。
【符号の説明】
1.・・・本発明のフィルムを製膜するのに用いられるサーキュラーダイ
2.・・・サーキュラーダイの上面
3.・・・円形リップ
4.・・・小孔
5.・・・フィルム状部
51,52・・相対面するフィルム状部
6.・・・繊状部
61,62・・交差する繊状部
7.・・・空隙室
Claims (4)
- リップ内側に沿って隣接する多数の繊状物押出用小孔を有するフィルム押出用サーキュラーダイを回転させながらフィルム状部と繊状部をバブル状に共押出しし、次いで、繊状部が冷却固化する前にバブル状に形成したフィルム状部をニップロールにより扁平化してフィルム状部と繊状部を融着すると共に、交差している繊状部同士を融着することを特徴とする補強用繊状部を有するフィルムの製造方法。
- フィルム状部の樹脂組成物と、繊状部の樹脂組成物とが異なっていることを特徴とする請求項1記載の補強用繊状部を有するフィルムの製造方法。
- 扁平化したフィルム状部の間に、交差した繊状部によって空隙室を形成することを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の補強用繊状部を有するフィルムの製造方法。
- フィルム状部に充填剤を添加し、請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法によって得られた補強用繊状部を有するフィルムを、少なくとも1軸方向に1.1〜3.0倍延伸処理して、微多孔部を形成することを特徴とする補強用繊状部を有する通気性フィルムの製造方法。
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