JP3647059B2 - 構造パネルの製造方法及び構造パネル設計支援装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、工場等で予め生産された単体パネルを互いに接合して構造パネルを製造し、上記構造パネルを組み付けることより住宅を構築する住宅の構築方法において、上記構造パネルを製造するための構造パネルの製造方法と上記構造パネルの設計を支援する構造パネル設計支援装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、床、壁、屋根等の建築物を構成する部分を床パネルや、壁パネルや、屋根パネル等のパネルにより構築する住宅の構築方法が知られている。
上記、住宅の構築方法においては、工場等において、予め、上記床パネルや壁パネルや屋根パネル等のパネルを製造しておき、建築現場において、上記パネルを用いて住宅を構築することにより、建築現場における施工の省力化や施工期間の短縮が図られている。
【0003】
また、上記パネルは、たとえば、木製の芯材を矩形枠状に組んで枠体を作り、該枠体の一面もしくは両面に木製の面材を貼設して構成されるものである。そして、上記パネルは躯体としての機能を有し、上記パネルにより壁等を構成することにより、柱なしで住宅を構築することができるようになっている。
本出願人は、上述のようなパネルを用いた住宅の構築方法を改良し、上記パネルを工場等において互いに接合して大型の構造パネルを製造し、上記構造パネルを組み付けることにより住宅を構築することで、建築現場において、さらに施工の省力化及び大幅な施工期間の短縮を図るものとした。
【0004】
そして、上記施工期間の短縮により、建築時の天候による影響を防止することが可能となった。
すなわち、施工期間が長い場合には、施工中に雨が降る可能性が高く、屋根面を構築する前に雨が降った際に、建築中の住宅の建築部材が濡れてしまい、建築部材が少なからず影響を受けることになる。
しかし、上述のように、大幅な施工期間の短縮を図った場合には、施工中に雨が降る可能性を大幅に減少することができ、住宅の建築における天候の影響を最小限のものとすることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記構造パネルを用いた住宅の構築においては、工場において、上記パネルを製造するとともに、該パネルを互いに接合して構造パネルを製造する必要がある。
そして、上記構造パネルを用いた住宅の構築においては、建築現場における施工の省力化及び施工期間の短縮を図ることが可能となるが、工場においては、構造パネルを製造する施工工程が増えるという問題点がある。
さらに、製造された比較的重量の大きなパネルを用いて構造パネルを製造するする必要があり、工場における労力の増大を招いている。
【0006】
従って、工場における構造パネル生産の効率化が求められていた。
特に、上記構造パネルの製造においては、比較的重量の大きな上記パネルを上記構造パネルの配置に並べ、パネルを互いに接着剤で圧着するものとしているので、上記構造パネルにおけるパネルの配置が正確に行われずに、再度パネルを並べ変えるようなことになった場合には、大幅な作業効率の低下を招く恐れがあった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは上記パネルからなる構造パネルの製造の効率化を図ることができる構造パネルの製造方法及び構造パネル設計支援装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
複数の単体パネルと他の部材とから構成される構造パネルを製造した後に、該構造パネルを用いて住宅を構築する住宅の構築方法において、上記構造パネルを製造するための構造パネル製造方法であって、
上記構造パネルを複数の工程を経て製造されるものとし、
上記複数の工程は、上記単体パネルを寝かせた状態で構造パネルの形状に対応して配置して接合する第一の工程と、その後に他の部材を組み付ける第二の工程と、さらに、互いに接合された単体パネルを立て起した後に、他の部材を組み付ける第三の工程とからなり、
上記構造パネルを製造するに際し、
設計された住宅における上記単体パネルの割り付けを行い、
次いで、上記住宅に割り付けた単体パネルと上記部材とを上記構造パネル単位にグループ化し、かつ、各グループにおいて、
上記単体パネルと上記部材とに、上記構造パネル製造時の組み付け順を示す一連の組み付け番号を設定し、かつ、上記単体パネルと上記部材とに、上記構造パネル製造時のどの工程で組み付けるかを示す工程記号を設定し、
上記工程記号に囲まれた組み付け番号が上記構造パネルを構成する各単体パネルと各部材とに表示され、
次いで、上記構造パネル製造時に、上記組み付け番号順に従って各単体パネル及び部材を組み付けるとともに互いに接合して構造パネルを製造することを上記課題の解決手段とした。
【0012】
複数の単体パネルと他の部材とから構成される構造パネルを製造した後に、該構造パネルを用いて住宅を構築する住宅の構築方法において、上記構造パネルの各単体パネル及び部材の配置を図面として出力する構造パネル設計支援装置であって、
上記住宅を設計し、設計された住宅の床、壁、屋根等の構造に上記単体パネルが割り付けられた段階において、上記単体パネルの割り付けを入力する入力手段と、
上記床、壁、屋根などの構造に割り付けた単体パネルと上記部材とに対して上記構造パネル単位へのグループ化を指示する指示手段と、
上記構造パネル内の各単体パネルに、構造パネル製造時に各単体パネルを組み付ける際の組み付け順を示す組み付け番号を設定するとともに、上記部材に上記単体パネルに付けられる組み付け番号と一連の組み付け番号を設定する組み付け番号設定手段と、
上記構造パネルを構成する上記単体パネルと上記部材とに、上記単体パネル及び部材の種類に応じて、構造パネルの、上記単体パネルを寝かせた状態で構造パネルの形状に対応して配置して接合する第一の工程と、その後に他の部材を組み付ける第二の工程と、さらに、互いに接合された単体パネルを立て起した後に、他の部材を組み付ける第三の工程のどの製造工程において組み付けを行うかを示す工程記号を設定する工程記号設定手段と、
上記グループ化された各単体パネルの配置及び各単体パネルの工程記号に囲まれた組み付け番号を示す図面を出力する出力手段と、
を具備してなることを上記課題の解決手段とした。
【0014】
【作用】
上記請求項1記載の構成によれば、上記単体パネルと上記部材とに、上記構造パネル製造時の組み付け順を示す一連の組み付け番号を設定し、かつ、上記単体パネルと上記部材とに、上記構造パネル製造時のどの工程で組み付けるかを示す工程記号を設定し、
上記工程記号に囲まれた組み付け番号が上記構造パネルを構成する各単体パネルと各部材とに表示され、
次いで、上記構造パネル製造時に、上記組み付け番号順に従って各単体パネル及び部材を組み付けるようになっているので、構造パネルを製造する際に上記工程記号に囲まれた上記組み付け番号に従って各単体パネル及び部材を配置することにより、各単体パネル及び部材の配置位置を間違えることや、配置する各単体パネル及び部材を間違えることを防止し、構造パネルの製造を効率化することができる。
【0015】
また、上記部材を組み付ける工程を工程記号により作業者に指示することができ、作業上の誤りを減少させて、構造パネルの製造を効率化することができる。
【0016】
また、作業者は、上記工程記号に囲まれた上記組み付け番号を見ながら作業を行うことができ、さらに、各単体パネル及び部材の配置位置や配置する各単体パネル及び部材を間違えることを減少させることができる。
【0017】
上記請求項2記載の構成によれば、設計された住宅の床、壁、屋根等の構造に、単体パネルが割り付けられた後に、上記入力手段aが上記単体パネルの割り付けを入力し、上記指示手段により、割り付けられた単体パネルを構造パネル毎のグループにまとめられるように指示されることになる。
【0018】
そして、組み付け番号設定手段cが、上記グループ化された各単体パネル及び部材に上記組み付け番号を設定し、出力手段dが、構造パネル毎にグループ化された各単体パネル及び部材の配置と工程記号に囲まれた組み付け番号を示す図面を出力することになる。
そして、出力手段cから出力された図面によって、構造パネルを構成する各単体パネル及び部材に上記工程記号に囲まれた上記組み付け番号を表示することが可能となり、上記図面と各単体パネル及び各部材に表示された工程記号に囲まれた組み付け番号とを見ながら作業することにより、単体パネル及び上記部材の配置位置や配置する単体パネルや部材の間違いを減少させることができる。
【0020】
また、上記組み付け番号設定手段cにより上記単体パネルと部材とに一連の組み付け番号が設定され、上記工程記号設定手段eにより各単体パネルと各部材とにそれらが組み付けられる工程を示す工程記号が設定されるとともに、上記出力手段により各単体パネル及び各部材の上記工程記号に囲まれた上記組み付け番号を示す図面を出力することができる。
従って、上記図面によって、構造パネルを構成する各単体パネル及び各部材に上記工程記号に囲まれた上記組み付け番号を表示することが可能となり、上記図面と各単体パネル及び各部材に表示された工程記号に囲まれた組み付け番号を見ながら作業することにより、構造パネル製造時に作業ミスを減少させることができる。
【0021】
なお、上記「課題を解決する手段」及び「作用」の欄において、図1の符号を参照して説明したが、本発明の構造パネル設計支援装置が、図1の構成によって限定されるものではない。
【0022】
【実施例】
以下に、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
なお、この実施例の構造パネルの製造方法において用いられる構造パネル設計支援装置は、コンピュータシステムにより構成される住宅設計用のCAD(computer aided design) システムに応用されるものであり、この実施例において、構造パネル設計支援装置は、CADシステムの一部として機能するようになっている。
【0023】
そして、構造パネル設計支援装置は、CADシステムにより後述するように住宅の床、壁、屋根等の構造に割り付けられたパネル(図3等に図示)P…とパネルP…以外の部材(図3等に図示)Bとを、基本的に複数のパネルP…と部材とから構成される(一枚のパネルP…から構成される場合もある)構造パネルK(図4等に図示)毎にグループ化し、かつ、グループ化された各パネルP…及び部材B…に、構造パネルK製造時における組み付け順を示す組み付け番号(図3等に図示)aと、組み付けを行う製造工程を示す工程記号(図3等に図示)bとを設定し、かつ、構造パネルKにおける各パネルP……の配置と上記工程記号bに囲まれた上記組み付け番号aとを示す図面を出力するものである。
【0024】
図2はこの実施例の構造パネル設計支援装置を含むCADシステムの概略を示すブロック図である。
次に、図2に示される構造パネル設計支援装置を備えたCADシステムの基本構成を参照して、構造パネル設計支援装置を説明する。
図2に示す上記構造パネル設計支援装置を備えたCADシステムは、周知のように中央演算処理ユニットや内部記憶装置となるRAM及びROM等のメモリなどを備えた演算処理装置(コンピュータ)1と、ハードディスク、光磁気ディスク等からなる補助記憶装置2と、カラーディスプレイ等からなる表示装置3と、キーボードや、マウス、タブレット、デジタイザー等のポインティングデバイスからなる入力装置4と、各種プリンターやプロッター等からなる出力装置5とを基本構成とするものである。
【0025】
上記CADシステムは、補助記憶装置2に記憶された住宅を構成する各部位の形状データやその他各種のデータを用いて演算処理装置1が、入力装置4からの入力データに対応して住宅を設計し、設計された住宅の各データと上述のような図面を出力装置及び表示装置に出力するようになっている。
【0026】
そして、上記CADシステムにおいては、建築すべき住宅の占める領域や部屋割り等を入力することにより、住宅の間取り図や正面図や側面図やパース図を出力できる周知のCAD システムとしての機能を有するとともに、形状が決定された床や壁や屋根等にそれぞれ床パネルや壁パネルや屋根パネル等のパネルP…を割り付ける機能を有する。
従って、この実施例のCADシステムにおいては、上記設計やパネルP…の割り付けに必要なデータが入力装置4から入力され、演算処理装置1により、補助記憶装置2に記憶されたデータと、入力装置4から入力されたデータとから住宅の設計及びパネルP…の割り付けが行われるものとなっているが、上記入力装置4と演算処理装置1とを割り付けられたパネルP…のデータの入力手段とみなすことができる。
【0027】
なお、上記住宅の設計やパネルP…の割り付け等は、他のシステムで行うものとし、通信手段もしくは移動可能な記憶媒体などを割り付けられたパネルP…のデータの入力手段とするものとしても良い。
上記パネルP…の割り付けのデータは、パネルP…及びその他の部材B…を配置する領域への各パネルP…及びその他の部材Bの配置位置と、各パネルP…及びその他の部材B…の種類を示すコード番号とからなるものである。
【0028】
そして、この実施例の構造パネル設計支援装置においては、上記パネルP…の割り付けのデータを用い、入力装置4からの指示により、上記演算処理装置1が割り付けられた各パネルP…及びその他の部材B…を構造パネルK毎のグループにグループ化する機能と、各グループにおいて、構造パネルK製造時に、各パネルP…及びその他の部材B…を組み付ける際の組み付け順を示す組み付け番号a及び、上記組み付けを行う構造パネルKの製造工程を示す工程記号bを設定する機能とを有するようになっている。
【0029】
そして、補助記憶装置2には、住宅を構成する多数の各種部位の形状や位置等を示す座標値を記憶した意匠データベース2aと、住宅の各部位に配置される各仕上げ部材(例えば、床材や内壁用クロスや外壁材やその他の住宅の各部位に用いられる部材)の種類や品番等を記憶した仕上データベース2bとが保存されている。
そして、上記意匠データベース2aや仕上データベース2b等のデータを用いて、CADシステムにおいて、演算処理装置1によって住宅の設計及びパネルP…及びその他の部材B…の割り付けが行われるようになっている。
【0030】
さらに、補助記憶装置2は、設計された住宅のデータが記憶されるようになっている。すなわち、各階における各部屋の広さや配置を決めて入力装置4から入力することにより、間取りが決定された段階で、該間取りに対応して、床の領域や屋根の領域や床及び屋根等を支持する構造体となる壁の位置や基礎の位置が決定され、これらが住宅のデータとして記憶されるようになっている。
【0031】
そして、出力装置5は、構造パネル設計支援装置として、上記構造パネルKにおける各パネルP…及びその他の各部材の配置位置や、各パネルP…の上記工程記号bに囲まれた上記組み付け番号aを示す図面を出力するようになっている。
次に、上記構成の構造パネル設計支援装置によるパネルP…のグループ化、組み付け番号a及び工程記号bの設定を含む構造パネルKの製造方法を説明する。
まず、CADシステムにより上述のように住宅の設計及び床、壁、屋根等へのパネルP…の割り付けが行われる。
【0032】
上記住宅の設計は、基本的には、周知の住宅用のCADシステムと同様に行われるものであるが、住宅の設計に際し、各寸法が基本的に予め設定された基準単位の整数倍となるようになっている。また、各パネルP…の寸法も上記基準単位の整数倍とされている。
したがって、設計された住宅の床、壁、屋根等へのパネルP…の割り付けが容易に行われるようになっている。
【0033】
そして、次に、上記構造パネル設計支援装置により割り付けられたパネルP…及びその他の部材B…のグループ化、組み付け番号a及び工程記号bの設定が行われる。
ここで、一例として壁に割り付けられたパネルP…について説明する。
なお、床や屋根に割り付けられたパネルP…においても、以下に記載する壁の場合とほぼ基本的に同じ方法によってグループ化、組み付け番号a及び工程記号bの設定が行われる。
【0034】
まず、図4の住宅の一階部分の平面図に示すように、各パネル(壁パネル)P…の割り付けデータが、画像として表示装置3に呼び出され、入力装置4からの指示によりグループ化される。
図4においては、細線で囲まれた範囲が一つの構造パネルKとしてグループ化されるパネルP…及び部材B…を示している。
【0035】
そして、各グループ化されたパネルP…及び部材B…は、上記演算処理装置1により図3に示す壁を構成する構造パネルKの立面図上における位置によって、構造パネルK製造時の各パネルP…及びの割り付け順を示す組み付け番号aと、該組み付け番号囲むように表示され、かつ構造パネルK製造時の各パネルP…及びその他の部材B…が組み付けられる製造工程を示す工程記号bとが設定される。
なお、図5は、図3に示す構造パネルKの展開図であり、この実施例において各パネルP…には、だぼ穴cが形成され、だぼにより位置決めされるようになっている。
【0036】
上記組み付け番号aは、基本的には、図3に示すように構造パネルKの左側から順に連番で組み付け番号が設定される。
この際に、構造パネルKの左側に配置される第1の調整部材B1を除くパネルP…以外の部材Bは、パネルP…の後に続く連番の組み付け番号を設定されるようになっている。
【0037】
また、パネルP…において、図3に示すように上下に3枚以上パネルP…が配置された場合には、上下の外側のパネルP…に上から連番で組み付け番号が設定され、その次に内側のパネルP…に上から連番で組み付け番号が設定される。
また、上記第1の調整部材B1以外の部材として、構造パネルKに開口部6がある場合に、該開口部6の内周側に配置される方立B2と、構造パネルKの外周に組み付けられる第2の調整材B3と、図示しない窓枠、外装材とにおいては、まず、方立B2に連番で組み付け番号aが設定された後に、それに続いて第2の調整部材B3に連番で組み付け番号aが設定され、さらにそれに続いて窓枠、外装材に連番で組み付け番号aが設定されるようになっている。
【0038】
また、各パネルP…に設定される工程記号bは、基本的に構造パネルKの製造工程毎に、付されるものである。
上記構造パネルKの製造工程は、基本的には、パネルP…を寝かせた状態で構造パネルKの形状に対応して配置して接合する第一の工程と、その後に上記第2の調整部材B3や方立B2を組み付ける第二の工程と、さらに、互いに接合されたパネルP…を立て起した後に、窓枠や外装材を組み付ける第3の工程とからなる。
【0039】
なお、以上の工程は構造パネルKの製造ラインにおいて行われるものである。また、構造パネルKが一枚のパネルP…から構成される場合には、該パネルP…に部材B…を接合する工程が、上記製造ライン外の工程で行われるようになっている。
そして、上記工程記号の形状は、図6に示すように、第1工程において互いに接合されるパネルP…に丸の工程記号b1が設定され、同じく第1工程においてパネルP…に接合される第一の調整部材B1には四角の工程記号b2が設定され、第2工程においてパネルP…に接合される第二の調整部材B3や方立B2には、菱形の工程記号b3が設定され、第3の工程においてパネルP…に接合される窓枠や外装材には、三角の工程記号b4が設定され、上記ライン外の工程においてパネルP…に接合される部材Bには逆三角の工程記号b5が設定されるようになっている。
【0040】
また、上述のように設定される構造パネルKには、各住宅や各住宅の壁の位置において、図4以外に、図7ないし図13に示すように様々なパターンが存在する。
そして、図7ないし図13に示すように、各パターンでパネルP…が配置された構造パネルKは、上述のような法則に基づいて組み付け番号aと、工程記号bが設定されるようになっている。
【0041】
次に、上述のように設定された組み付け番号aと工程記号bは、図3及び図7ないし図13に示すような図面として、出力装置5から出力されることになる。
一方、工場においては、上記CADシステムにより設計された住宅に割り付けられたパネルP…のデータに基づいてパネルP…が生産されることになる。
そして、生産されたパネルP…には、上記構造パネル設計支援装置により設定された工程記号bに囲まれた組み付け番号aが記載されて表示される。
【0042】
また、パネルP…以外の各部材B…についても、上記工場で生産される際、もしくは工場に搬入される際に、上記工程記号bに囲まれた組み付け番号aが記載されて表示される。
そして、上記工場の構造パネルKの製造ラインにおいては、上記出力装置5から出力された図面を参照するとともに、各パネルP…及び部材B…に付けられた組み付け番号aと工程記号bを参照して、まず、パネルP…同士を接着剤及び釘を使用して圧着するための作業台上に、丸の工程記号b1と四角の工程記号b2を有するパネルP…及び第1の調整材B1を、工程記号bに囲まれた組み付け番号aの順に、上記図面上の位置に対応して配置していく。
【0043】
以上のようにパネルP…及び第1の調整部材B1を配置することにより、上述のように多数のパネルP…及びその他の部材Bの組み付けパターンがあっても、各パネルP…及びその他の部材Bの配置順及び配置位置を間違えることなく上記作業台上に配置することができる。
従って、予め決められた効率の良い配置順に従って、比較的重量の大きなパネルP…を配置できることになる。
また、比較的重量の大きなパネルP…を間違えて配置することを防止できることから間違えて配置したパネルP…の配置を変えるような労力と時間を浪費することがなくなり、構造パネルKの製造の効率化を達成することができる。
【0044】
次に、上記作業台上に配置された第1の調整部材B1及びパネルP…が圧着装置により圧着されることになる。
そして、菱形の工程記号b3が表示された第2の調整部材B3及び方立B2が、工程記号b内に表示された組み付け番号a順に図面に示された配置位置に配置されるとともに、互いに接合された第1の調整部材B1とパネルP…とからなる構造パネルKの半製品に接合される。
【0045】
次いで、上記構造パネルKの半製品が立て起こされ、立て起こされた構造パネルKの半製品に、三角の工程記号b4が表示された窓枠や外装材が接合され、構造パネルKが完成する。
以上のようにこの実施例の構造パネル設計支援装置によれば、住宅の床、壁、屋根等の構造にパネルP…及びその他の部材Bを割り付け、割り付けられたパネルP…をグループ化することにより、自動的に組み付け番号aと工程記号bを設定することができる。
【0046】
また、上記組み付け番号aは、構造パネルKを製造するためにパネルP…を配置する際に、最適な効率となるように、左側から近い順にパネルP…を配置できるようにするとともに、複数のパネルP…が上下に並ぶ際に、位置決めがしやすいように、外側のパネルP…から配置できるようになっているので、上記組み付け番号順にパネルP…を配置することで、構造パネルKの製造を効率化することができる。
【0047】
また、実際の構造パネルKの製造においては、上記構造パネル設計支援装置から出力され、かつ、各パネルP…及びその他の部材B…の配置位置と、上記組み付け番号aと、工程記号bとを示す図面を参照するとともに、各パネルP…及びその他の部材B…に表示された組み付け番号aと工程記号bを参照して作業を進めることにより、比較的大きな重量を有するパネルP…の配置順や配置位置を迷ったり間違えたりすることがなく、構造パネルK製造の効率化を達成することができる。
【0048】
なお、構造パネルKを構成するパネルP…以外の部材として、図に示す第1の調整部材B1、第2の調整部材B3、方立B2を用い、また、図示しない窓枠、外装材を用いたが、これら以外の部材B…を用いるものとしても、また、上記した部材B…を用いないものとしても良い。
さらに、上記パネルP…からの構造パネルKの製造は、必ずしも工場で行う必要はなく、建築現場において、上記パネルP…から構造パネルKを製造するものとしても良い。
【0049】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、上記請求項1記載の構成によれば、、上記単体パネルと上記部材とに、上記構造パネル製造時の組み付け順を示す一連の組み付け番号を設定し、かつ、上記単体パネルと上記部材とに、上記構造パネル製造時のどの工程で組み付けるかを示す工程記号を設定し、
上記工程記号に囲まれた組み付け番号が上記構造パネルを構成する各単体パネルと各部材とに表示され、
次いで、上記構造パネル製造時に、上記組み付け番号順に従って各単体パネル及び部材を組み付けるようになっているので、構造パネルを製造する際に上記工程記号に囲まれた上記組み付け番号に従って各単体パネル及び部材を配置することにより、各単体パネル及び部材の配置位置を迷ったり間違えたりすることや、配置する各単体パネル及び部材の種類を迷ったり間違えたりすることを防止することができる。
従って、上記迷いによる時間の浪費や、上記間違えた配置や単体パネル及び部材の種類を修正するために比較的重量の大きなパネルを再移動するような時間と手間の浪費を省くことができるので、構造パネルの製造を効率化することができ、如いては、構造パネルのコストを削減することができる。
【0050】
また、上記部材を組み付ける工程を工程記号により作業者に指示することができ、さらに、作業上の誤りを減少させて、構造パネルの製造を効率化することができる。
【0051】
そして、作業者は、上記工程記号に囲まれた上記組み付け番号を見ながら作業を行うことができ、構造パネルの生産現場において単体パネル及び部材の配置位置や配置する単体パネル及び部材の種類を間違えることをさらに減少させ、構造パネルの製造の効率化を押し進めることができる。
【0052】
上記請求項2記載の構造パネル設計支援装置によれば、割り付けられた単体パネル及び部材を構造パネル毎のグループにまとめることにより、各単体パネルまたは部材毎に自動的に上記工程記号に囲まれた上記組み付け番号を設定することができる。
従って、上述のように構造パネルの製造を効率化することが可能な図面への工程記号に囲まれた組み付け番号の表示を容易に行うことができる。
【0054】
また、上記組み付け番号設定手段cにより上記単体パネルと部材とに一連の組み付け番号が設定され、上記工程記号設定手段eにより、各単体パネルと各部材にそれらが組み付けられる工程を示す工程記号が設定されるとともに、上記出力手段により各単体パネル及び各部材の上記工程記号に囲まれた組み付け番号を示す図面を出力することができる。
【0055】
従って、上記図面によって、構造パネルを構成する各単体パネル及び各部材に上記工程記号に囲まれた上記組み付け番号を表示することが可能となり、上記図面と各単体パネル及び各部材に表示された上記工程記号に囲まれた上記組み付け番号を見ながら作業することにより、構造パネル製造時に作業ミスを減少させることができるので、構造パネルの製造の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構造パネル設計支援装置の基本構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例の構造パネル設計支援装置の基本構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施例の構造パネルを示す平面図である。
【図4】本発明の一実施例の構造パネルの製造方法を説明するための壁の配置を示す平面図である。
【図5】図3の構造パネルを示す展開平面図である。
【図6】上記実施例の構造パネルの製造方法に用いられる工程記号を示す図面である。
【図7】上記実施例の構造パネルを示す平面図である。
【図8】上記実施例の構造パネルを示す平面図である。
【図9】上記実施例の構造パネルを示す平面図である。
【図10】上記実施例の構造パネルを示す平面図である。
【図11】上記実施例の構造パネルを示す平面図である。
【図12】上記実施例の構造パネルを示す平面図である。
【図13】上記実施例の構造パネルを示す平面図である。
【符号の説明】
1 演算処理装置(組み付け番号設定手段c、工程記号設定手段e)
4 入力装置(入力手段a、指示手段d)
5 出力装置(出力手段d)
a 組み付け番号
b 工程記号
B 部材
K 構造パネル
P パネル
Claims (2)
- 複数の単体パネルと他の部材とから構成される構造パネルを製造した後に、該構造パネルを用いて住宅を構築する住宅の構築方法において、上記構造パネルを製造するための構造パネル製造方法であって、
上記構造パネルを複数の工程を経て製造されるものとし、
上記複数の工程は、上記単体パネルを寝かせた状態で構造パネルの形状に対応して配置して接合する第一の工程と、その後に他の部材を組み付ける第二の工程と、さらに、互いに接合された単体パネルを立て起した後に、他の部材を組み付ける第三の工程とからなり、
上記構造パネルを製造するに際し、
設計された住宅における上記単体パネルの割り付けを行い、
次いで、上記住宅に割り付けた単体パネルと上記部材とを上記構造パネル単位にグループ化し、かつ、各グループにおいて、
上記単体パネルと上記部材とに、上記構造パネル製造時の組み付け順を示す一連の組み付け番号を設定し、かつ、上記単体パネルと上記部材とに、上記構造パネル製造時のどの工程で組み付けるかを示す工程記号を設定し、
上記工程記号に囲まれた組み付け番号が上記構造パネルを構成する各単体パネルと各部材とに表示され、
次いで、上記構造パネル製造時に、上記組み付け番号順に従って各単体パネル及び部材を組み付けるとともに互いに接合して構造パネルを製造することを特徴とする構造パネルの製造方法。 - 複数の単体パネルと他の部材とから構成される構造パネルを製造した後に、該構造パネルを用いて住宅を構築する住宅の構築方法において、上記構造パネルの各単体パネル及び部材の配置を図面として出力する構造パネル設計支援装置であって、
上記住宅を設計し、設計された住宅の床、壁、屋根等の構造に上記単体パネルが割り付けられた段階において、上記単体パネルの割り付けを入力する入力手段と、
上記床、壁、屋根などの構造に割り付けた単体パネルと上記部材とに対して上記構造パネル単位へのグループ化を指示する指示手段と、
上記構造パネル内の各単体パネルに、構造パネル製造時に各単体パネルを組み付ける際の組み付け順を示す組み付け番号を設定するとともに、上記部材に上記単体パネルに付けられる組み付け番号と一連の組み付け番号を設定する組み付け番号設定手段と、
上記構造パネルを構成する上記単体パネルと上記部材とに、上記単体パネル及び部材の種類に応じて、構造パネルの、上記単体パネルを寝かせた状態で構造パネルの形状に対応して配置して接合する第一の工程と、その後に他の部材を組み付ける第二の工程と、さらに、互いに接合された単体パネルを立て起した後に、他の部材を組み付ける第三の工程のどの製造工程において組み付けを行うかを示す工程記号を設定する工程記号設定手段と、
上記グループ化された各単体パネルの配置及び各単体パネルの工程記号に囲まれた組み付け番号を示す図面を出力する出力手段と、
を具備してなることを特徴とする構造パネル設計支援装置。
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